JP2019075307A - 非常灯装置及び非常灯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】非常灯装置が他の非常灯装置等と通信を行う場合において、とう道内に通信回線となるケーブルを新たに配線しないで、電力線を介して通信を行うことができる非常灯装置を提供する。【解決手段】とう道に設置される非常灯装置100は、他の非常灯装置と電力線を介して通信を行う通信部1005を有し、情報処理端末と無線で通信を行い、通信部を介して外部装置と情報処理端末の通信を確立させる無線通信部1003をも備える。【選択図】図2

Description

本発明は、非常灯装置及び非常灯システムに関する。
とう道内は、暗いため、作業員がとう道内で作業等が行えるように、灯具の設置がされる。そして、灯具には、商用電源等の外部電源から電力が供給されるが、商用電源から電力線を介して灯具等に供給される電力が途絶えた場合、すなわち、非常の際でも、照明となる非常灯装置が知られている。
また、とう道内において、情報処理端末がネットワークを介して外部装置とデータを送受信したり、又は、IP(Internet Protocol)電話でユーザが通話を行ったりするため、情報処理端末のアクセスポイントとなる機能を有する非常灯装置が知られている(例えば、非特許文献1等)。
アイレック技建株式会社、"とう道モバイル(無線機能付非常用バッテリー)"、[online]、平成29年10月3日、[平成29年10月3日検索]、インターネット〈URL:http://www.airec.co.jp/products/environment/EmergencyBattery.html〉
しかしながら、従来の非常灯装置では、電力線を介して通信を行うことができない。したがって、非常灯装置が他の非常灯装置等と通信を行う場合には、とう道内に通信回線となるケーブルを新たに配線しないと、通信ができない。
そこで、本発明に係る一実施形態は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電力線を介して通信を行うことができる非常灯装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係るとう道に設置される非常灯装置は、
他の非常灯装置と電力線を介して通信を行う通信部と、
情報処理端末と無線で通信を行い、かつ、前記通信部を介して外部装置と前記情報処理端末の通信を確立させる無線通信部と
を含む。
電力線を介して通信を行うことができる非常灯装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非常灯システムのシステム構成例を示すシステム図である。 本発明の一実施形態に係る非常灯装置の構成例を示す概要図である。 本発明の一実施形態に係る非常灯装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る非常灯システムにおけるマルチホップ処理例を示すシステム図である。 本発明の一実施形態に係る非常灯システムの設置例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る非常灯システムにおける検索処理例を示すシーケンス図である。
以下、本発明の一実施形態に係る非常灯装置の例について説明する。
<非常灯システムのシステム構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係る非常灯システムのシステム構成例を示すシステム図である。例えば、非常灯システム10は、図示するように、複数の非常灯装置101乃至107と、ルータ(router)12等の情報処理装置とを含む。また、図示するように、各装置は、電力線14によって接続される。
非常灯システム10は、とう道に用いられるシステムである。とう道は、通信ケーブル・ガス管・送電線等のライフラインが敷かれる管路トンネルのうち、特に敷設、撤去又は保守作業用に人が立ち入れる管径の経路である。なお、とう道は、非常灯が設置される空間であればよく、洞道、共同溝又はトンネル等でもよい。以下の説明では、「とう道」に非常灯システム10が用いられる例で説明する。
以下、図示するシステム構成の非常灯システム10を例に説明する。
図示するシステム構成例では、非常灯装置101が親機となり、ルータ12に接続される。そして、このシステム構成例では、非常灯装置101等は、ルータ12及びONU(光回線終端装置、Optical Network Unit)11を介してインターネット200等のネットワークに接続し、通信を行う。すなわち、親機は、ルータ12及びONU11を介して外部装置201との通信を確立させる。
なお、非常灯システム10は、図示するシステム構成に限られず、図示する以外の装置を有してもよい。例えば、非常灯システム10には、ルータ12及びONU11以外の通信装置があってもよい。また、外部装置201は、サーバ以外の種類の装置でもよい。また、外部装置201は、複数あってもよい。
また、図示するシステム構成例では、商用電源202等の外部電源から電力線14を介して電力が各装置に供給される。例えば、商用電源202から供給される電力は、AC(交流電力)100V(ボルト)又はAC200V等である。図示するように、電力線14上には、所々に電源ブレーカ131、132、133及び134等が設置されてもよい。また、外部電源を供給するため、受電盤等があってもよい。さらに、受電盤は、複数であってもよい。
そして、このシステム構成例では、親機となる非常灯装置101以外の非常灯装置が子機となる。具体的には、このシステム構成例では、子機は、非常灯装置102、103、104、105、106及び107である。なお、子機の台数は、図示する以外の台数でもよい。子機は、親機又は他の子機と電力線14を介して通信を行う。
以下、非常灯システム10が有する複数の非常灯装置101乃至107のうち、任意の非常灯装置を指す場合には、「非常灯装置100」という。
<非常灯装置の例>
図2は、本発明の一実施形態に係る非常灯装置の構成例を示す概要図である。図示するように、例えば、非常灯装置100は、例えば、補助灯1001と、二次電池1002と、無線LAN(Local Area Network)1003と、制御基板1004と、HD‐PLC(登録商標)(高速電力線通信、High Definition Power Line Communication)1005とを備える。また、非常灯装置100は、ケーブル1006及び1007を有する。
ケーブル1006は、非常灯装置100を電力線14に接続させ、外部電源から電力を取り入れる。
また、ケーブル1007は、非常灯装置100をとう道内照明器具300に接続させる。そして、外部電源から電力が供給されている場合には、とう道内照明器具300が点灯する。
例えば、ケーブル1006は、充電線、照明線、共通線及びアース線による4芯の構成である。そして、非常灯装置100は、ケーブル1006が有する充電線と共通線間にかかるAC電力で電池を充電する。また、非常灯装置100は、ケーブル1006が有する照明線と共通線間にかかるAC電力でとう道内照明器具300を点灯させる。
さらに、制御基板1004は、ケーブル1006を介して非常灯装置100に供給される電力が停止するのを監視し、電力が停止すると、停電となったと判断する。例えば、制御基板1004は、充電線と共通線間の電圧が0Vとなると、電力が停止し、停電となったと判断する。
二次電池1002は、補助灯1001に供給する電力を充電する電池である。すなわち、二次電池1002は、外部電源から電力が供給されている場合には、供給される電力を充電し、蓄える。一方で、とう道内照明器具300に供給される電力が途絶えたのを感知すると、補助灯1001に電力を供給するように放電する。すなわち、外部電源から電力が供給できる状態、つまり、いわゆる正常状態では、二次電池1002は、非常状態において補助灯1001が使用する電力を蓄電し、一方で、外部電源から電力が途絶えた状態、つまり、いわゆる非常状態では、二次電池1002は、正常状態に蓄電した電力を補助灯1001に供給するように切り替えられる。
無線LAN1003は、例えば、アンテナ及び処理IC(Integrated Circuit)等である。そして、無線LAN1003は、Wi‐Fi(登録商標)等の無線による通信を実現する。つまり、無線LAN1003は、他の情報処理端末と電波を送受信して、通信を行う。
制御基板1004は、例えば、処理IC等が実装された電子回路基板である。制御基板1004の詳細は、後述する。
HD‐PLC1005は、外部電源から供給される交流電力に、情報信号となる周波数の信号を合わせて、電力線14を介して接続される他の装置と通信を行う装置である。例えば、外部電源から供給される交流電力は、50Hz(ヘルツ)又は60Hzの周波数である。このような周波数の交流電力に、HD‐PLC1005は、例えば、情報信号を2乃至28MHz(メガヘルツ)の周波数で掛け合わせる。このようにして生成される情報信号が合わさった交流電力によって、HD‐PLC1005は、電力線14を介して情報信号を他の非常灯装置等に送信することができる。また、情報信号が合わさった交流電力から情報信号を取り出すと、他の非常灯装置等は、情報信号によってデータを受信できる。
なお、電力線14を介して情報信号を送受信できれば、非常灯装置100は、HD‐PLC方式以外の電力線通信方式で通信を行ってもよい。例えば、非常灯装置100は、エコーネット(登録商標)等の方式で通信を行う装置を有してもよい。
HD‐PLC1005のように、電力線14を介して通信を行う装置があると、非常灯装置100は、電力線14とは別に通信回線がなくとも通信を行うことができる。すなわち、非常灯装置100が通信を行うために、別途光ファイバ等の回線設備を設置する工事が不要にできる。
また、制御基板1004の詳細な構成は、例えば、以下のような構成である。
図3は、本発明の一実施形態に係る非常灯装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示するように、非常灯装置100は、例えば、補助灯1001と、二次電池1002と、無線LAN1003と、制御基板1004と、HD‐PLC1005とを備える。
さらに、非常灯装置100は、AC/DC(Alternating Current/Direct Current)コンバータ501を備える。また、非常灯装置100は、図示するように、ノイズフィルタ500と、状態表示灯502と、光センサ503とを更に備えるのが望ましい。以下、図示する構成を例にして説明する。
図示するように、制御基板1004は、補助灯点灯回路401と、充電回路402と、制御回路403とを備える。
補助灯点灯回路401は、制御回路403による制御に基づいて、補助灯1001が点灯するのと、補助灯1001が点灯するのを停止するのとを切り替える。
充電回路402は、制御回路403による制御に基づいて、二次電池1002が充電を行うのと、二次電池1002が充電を行うのを停止するのとを切り替える。
制御回路403は、補助灯点灯回路401及び充電回路402等を制御する。例えば、制御回路403は、AC/DCコンバータ501の出力電圧を計測し、計測結果に基づいて、外部電源から電力が供給されているか又は途絶えているか等を判定する。また、制御回路403は、二次電池1002の電圧を計測し、計測結果に基づいて、充電回路402等を制御する。
ほかにも、制御回路403は、光センサ503の検出結果に基づいて動作してもよい。例えば、光センサ503は、点検に用いられる。つまり、ユーザは、非常灯装置100が正常に動作しているか否かを点検するため、光センサ503に対して懐中電灯等で光を当てる。このような光を受光すると、光センサ503は、点検用の光を受光したことを示す光信号を制御回路403に通知する。そして、制御回路403は、状態表示灯502を点灯させるように制御する。このような構成であると、ユーザは、状態表示灯502が点灯すれば、非常灯装置100が正常に動作していると判断できる。このように、ユーザは、光を当てるだけで非常灯装置100を点検できる。したがって、ユーザは、例えば、非常灯装置100が高所に設置されても簡単に点検を行うことができる。
AC/DCコンバータ501は、外部電源から供給される電力、すなわち、交流電力を直流電力に変換する装置である。そして、AC/DCコンバータ501が変換して生成する直流電力は、充電回路402の制御に基づいて、二次電池1002に蓄電される。
また、非常灯装置100は、図示するように、AC/DCコンバータ501が発生させるノイズを減衰させるノイズフィルタ500があるのが望ましい。AC/DCコンバータ501及び電源では、ノイズが発生する場合が多い。したがって、非常灯装置100がノイズフィルタ500を有し、ノイズを低減できるのが望ましい。また、ノイズフィルタ500は、主に、HD‐PLC1005が通信に使用する周波数帯域、すなわち、2乃至28MHzの周波数帯域に含まれるノイズを減衰させる機能と、インピーダンスを高くする機能とを有するのがより望ましい。
無線LAN1003は、図示するように、IP電話203、タブレット204及び監視カメラ205等の情報処理端末と無線で通信を行い、かつ、PLC等によって外部装置との通信を確立させる。つまり、無線LAN1003は、情報処理端末が無線通信を行うためのアクセスポイントとなる。このようなアクセスポイントがあると、情報処理端末は、インターネットによって通信を行うことができる。このようにすると、とう道内のユーザは、とう道内にいる他のユーザ又はとう道外にいるユーザと通信でコミュニケーションを取ることができる。
また、無線LAN1003は、IP電話203及びタブレット204等の携帯される情報処理端末と通信を行うことで、非常灯装置の位置に基づいて、とう道内における情報処理端末のユーザの位置を特定できる。したがって、無線LAN1003による位置情報等から、非常灯システム10は、とう道内にいるユーザの安否確認を行うことができる。また、非常灯システム10は、とう道内の地図、ルート又は緊急時における避難経路等を出力することもできる。
さらに、無線LAN1003は、情報処理端末からユーザが入力する保守点検記録等のデータを受信できる。このようなデータを記録すると、非常灯システム10は、とう道における保守点検記録を生成及び記録できる。このようにして、非常灯システム10は、点検記録票をとう道内の現場で作成することができる。また、非常灯システム10は、保守点検記録として、現場の状況写真等を記録することもできる。
<マルチホップ方式例>
図4は、本発明の一実施形態に係る非常灯システムにおけるマルチホップ処理例を示すシステム図である。以下、図1に示すシステム構成を例に説明する。
例えば、親機となる非常灯装置101に、通信が可能な近い位置に設置される子機となる非常灯装置102は、直接通信601のように、非常灯装置101とPLC等によってデータを送受信することができる。
一方で、非常灯装置103及び非常灯装置106は、非常灯装置101から遠い位置に設置されるとする。このような場合には、非常灯装置103及び非常灯装置106は、直接通信601のような通信が難しい場合がある。
そこで、非常灯システム10では、非常灯装置103及び非常灯装置106は、親機と通信を行うため、マルチホップ方式(「バケツリレー方式」等と呼ぶ場合もある。)で通信を行ってもよい。
例えば、非常灯装置103は、データを非常灯装置101に送信する場合には、まず、非常灯装置102と子機間通信602を行う。次に、非常灯装置102は、非常灯装置103から受信したデータを直接通信601によって非常灯装置101に送信する。このようにすると、非常灯装置103は、直接通信ではデータを送信するのが難しい位置にあっても、親機とデータを送受信する通信を行うことができる。
同様に、非常灯装置106は、データを非常灯装置101に送信する場合であって、かつ、非常灯装置101と直接通信ができない場合には、まず、非常灯装置101に最も近い子機を検索する。なお、検索処理の詳細は、後述する。例えば、非常灯装置102乃至107の子機のうち、非常灯装置106と通信が可能であって、かつ、非常灯装置101に最も近いのが非常灯装置104である場合には、非常灯装置106は、非常灯装置104と子機間通信604を行う。次に、非常灯装置104は、非常灯装置106から受信したデータを直接通信603によって非常灯装置101に送信する。
なお、子機間通信は、1回に限られない。すなわち、子機間通信は、2回以上行われてもよい。
<比較例>
とう道内等の環境では、法令又はルール等によって、非常灯装置の設置間隔が定まっている場合がある。例えば、非常灯装置が50m(メートル)間隔で設置するように義務付けられているとう道の場合を例に説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る非常灯システムの設置例を示すブロック図である。図示するように、とう道内には、とう道内を照らすためのとう道内照明器具300が設置される。さらに、図示するように、ルール等に基づいて、非常灯装置100が所定の間隔で設置される。
このような場合では、隣同士の非常灯装置100で子機間通信を行い、マルチホップ方式を実現する。しかし、HD−PLC等では、子機間通信が可能な回数が制限されている場合がある。例えば、子機間通信が「10回」までとされた場合を例に説明する。この場合には、隣同士の非常灯装置100で、1回の子機間通信によって、「50m」分データが送受信される。そして、子機間通信が「10回」が限界であるため、「50m×10回=500m」がデータを送受信できる限界となる。一方で、とう道は、「500m」以上の長い距離である場合が多い。
ほかにも、非常灯システム10において、マルチホップ方式を実現するため、子機間通信を無線LANで行う方式が考えられる。この方式では、非常灯装置100が複数ある場合には、子機間通信を行うため、複数の非常灯装置100が一斉に電波を発信することになる。図示するように、「50m」間隔等であると、隣から発信される電波以外の電波も受信できてしまう可能性があり、コリジョン(collision)が発生しやすくなる。また、狭い通路では、速度が低下しやすい。さらに、電波は、回り込みが少ないので、通路の角等にアクセスポイントが必要となる。
<効果例>
PLC等を用いると、非常灯システム10は、電力線14を介して通信を行うことができる。そのため、新たに通信回線となる設備を設置する工事が不要にできる。とう道内に新たに光ファイバ等の設備を追加する工事は、負荷及びコストが大きい。一方で、電力線14を介しての通信であれば、電力線14は、既にある設備であるため、工事による負荷及びコスト等を抑えることができる。
また、とう道内に設置される装置は、防水及び防塵の性能が求められる。例えば、電気機械器具の外郭による保護等級(JIS 0920、IEC 60529)(Degrees of protection provided by enclosures)(IPコード)における「外来固形物に対する保護等級」及び「水の浸入に対する保護等級」が、とう道内に設置される装置は、「IP67」程度である。
このように、とう道内に設置される装置及び用いられる部品は、粉塵が中に入らない、かつ、水没にある程度の耐性がある仕様でないと、とう道内に非常灯装置として設置できない場合が多い。
また、とう道内は、ノイズ等が少ないため、電力線14を用いる通信が遠くの装置と可能な場合が多い。したがって、マルチホップ方式等を用いると、非常灯システム10は、2.3km(キロメートル)以上の通信でも可能である。
<マルチホップ方式における検索処理例>
図6は、本発明の一実施形態に係る非常灯システムにおける検索処理例を示すシーケンス図である。例えば、図4に示す非常灯装置106が、マルチホップ方式で通信を行う場合には、図示するような処理を行う。以下、図示するように、非常灯装置101を親機、すなわち、子機となる非常灯装置106は、最終的に非常灯装置101を送信先としてデータを送信する場合を例に説明する。また、この例では、非常灯装置101乃至非常灯装置106の各ノードが電力線14を介して接続されている状態であるとする。
<「Helloメッセージ」の送信例>(ST01)
ステップST01では、各非常灯装置は、いわゆる「Helloメッセージ」をブロードキャスト送信する。例えば、「Helloメッセージ」は、一定時間ごとに送信される。
通信が可能であると、各非常灯装置は、「Helloメッセージ」を受信し、応答することができる。以下、各非常灯装置が送信した「Helloメッセージ」のうち、非常灯装置106から遠い位置にある非常灯装置101乃至非常灯装置103が送信した「Helloメッセージ」を非常灯装置106は、受信できないとする。一方で、各非常灯装置が送信した「Helloメッセージ」のうち、非常灯装置106から近い位置にある非常灯装置104及び非常灯装置105が送信した「Helloメッセージ」を非常灯装置106は、受信できるとする。
つまり、各「Helloメッセージ」によって、非常灯装置106は、非常灯装置101乃至非常灯装置103とは通信できないと判断し、非常灯装置104及び非常灯装置105とは通信できると判断する。
<「Hello(LINK_REQ)メッセージ」の送信例>(ST02)
ステップST02では、非常灯装置106は、ステップST01で「Helloメッセージ」を受信し、通信できると判断した非常灯装置104及び非常灯装置105に「Hello(LINK_REQ)メッセージ」を送信する。
また、非常灯装置106は、「Helloメッセージ」を受信できた場合には、受信時のリンクコストと、「Helloメッセージ」に含まれる上位ルートコストの和とによって定まる、仮ルートコストが低い順に所定数のノードを優先リンク先として選択する。
図示する例では、優先リンク先として選択され、かつ、通信できるノードが、非常灯装置104及び非常灯装置105であるとする。この場合には、ステップST02では、非常灯装置106は、選択したノードアドレスと、受信時のリンクコストを「Helloメッセージ」の「LINK_REQ」サブメッセージに含めて、「Hello(LINK_REQ)メッセージ」を送信する。
<「Hello(LINK_REP)メッセージ」の送信例>(ST03)
ステップST03では、非常灯装置104及び非常灯装置105は、非常灯装置106が送信した「Hello(LINK_REQ)メッセージ」に対して、「Hello(LINK_REP)メッセージ」を送信する。
非常灯装置106から「Hello(LINK_REQ)メッセージ」を受信すると、非常灯装置104及び非常灯装置105は、「Hello(LINK_REQ)メッセージ」の送信方向とは逆方向におけるリンクコストを「Helloメッセージ」の「LINK_REP」サブメッセージに含めて、「Hello(LINK_REP)メッセージ」を送信する。
以上のように、非常灯装置106は、「Helloメッセージ」によって、非常灯装置106から非常灯装置104及び非常灯装置105へのリンクコストを把握できる。さらに、非常灯装置106は、ステップST03によって受信する「Hello(LINK_REP)メッセージ」に基づいて、非常灯装置104及び非常灯装置105から非常灯装置106へのリンクコストを把握できる。したがって、非常灯装置106は、非常灯装置104及び非常灯装置105と、非常灯装置106との間において、双方向のリンクコストを把握できる。
このようにして、双方向のリンクコストが把握できる仮ルートのリンクコストのうち、非常灯装置106は、リンクコストが最も少ないノードを選ぶと、リンク品質が最適なノードを選択できる。この例では、非常灯装置104が最もリンクコストが最も少ないノードであるとする。
以上のような検索処理を行うと、非常灯装置106は、リンクコストが少ない非常灯装置104を検索できる。このような検索によって選ばれた非常灯装置104を用いてマルチホップ方式で通信を行うと、トラフィック(traffic)を削減することができる。
<通信帯域を制限する例>
非常灯システム10は、通信が可能な帯域のうち、ADSL(非対称デジタル加入者線、Asymmetric Digital Subscriber Line)等のxDSLで使用する以外の帯域で通信を行うのが望ましい。具体的には、HD−PLCを用いる場合では、「2乃至28MHz」等が、通信が可能な帯域となる。この帯域のうち、非常灯システム10は、例えば、「4乃至28MHz」等のように、制限された通信帯域で通信を行ってもよい。このようにすると、ADSL等による通信と、非常灯システム10による通信とが併存できる。
<まとめ>
非常灯装置100は、他の非常灯装置と電力線を介して通信を行う通信部を含む機能構成である。通信部は、例えば、HD‐PLC1005等によって実現される。
また、非常灯装置100は、情報処理端末と無線で通信を行い、かつ、通信部を介して外部装置と情報処理端末の通信を確立させる無線通信部を含む機能構成である。無線通信部は、例えば、無線LAN1003等によって実現される。
非常灯装置100は、非常灯となるため、非常の際に光を点灯させる照明部及び制御部を含む機能構成である。照明部及び制御部は、例えば、補助灯1001及び制御基板1004等によって実現される。
以上のように、非常灯装置100は、通信部を有すると、電力線を介してPLC等により、他の非常灯装置又はインターネット等に接続される外部装置と通信を行うことができる。
また、非常灯装置100は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する変換部を更に含む機能構成であるのが望ましい。変換部は、例えば、AC/DCコンバータ501等によって実現される。
そして、非常灯装置100は、交流電力に含まれるノイズを減衰させるフィルタ部を更に含む機能構成であるのが望ましい。フィルタ部は、例えば、ノイズフィルタ500等によって実現される。
<その他の実施形態>
本発明に係る実施形態では、情報処理システムが有する複数の情報処理装置は、並行、分散又は冗長して処理を行ってもよい。
なお、本発明に係る各処理の全部又は一部は、アセンブラ等の低水準言語又はオブジェクト指向言語等の高水準言語で記述され、コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、非常灯装置等の装置又は1以上の情報処理装置を含む非常灯システム等のコンピュータに各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
したがって、プログラムに基づいて各処理が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されない。すなわち、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形、改良又は変更が可能である。
10 非常灯システム
100 非常灯装置
1001 補助灯
1002 二次電池
1003 無線LAN
1004 制御基板
1005 HD‐PLC
1006、1007 ケーブル
101 非常灯装置(親機)
102、103、104、105、106、107 非常灯装置(子機)
11 ONU
12 ルータ
131、132、133、134 電源ブレーカ
14 電力線
200 インターネット
201 外部装置
202 商用電源
203 IP電話
204 タブレット
205 監視カメラ
300 とう道内照明器具
401 補助灯点灯回路
402 充電回路
403 制御回路
500 ノイズフィルタ
501 AC/DCコンバータ
502 状態表示灯
503 光センサ
601、603 直接通信
602、604 子機間通信

Claims (5)

  1. とう道に設置される非常灯装置であって、
    他の非常灯装置と電力線を介して通信を行う通信部と、
    情報処理端末と無線で通信を行い、かつ、前記通信部を介して外部装置と前記情報処理端末の通信を確立させる無線通信部と
    を含む非常灯装置。
  2. 外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する変換部と、
    前記変換部が発生させるノイズを減衰させるフィルタ部と
    を更に含む請求項1に記載の非常灯装置。
  3. 複数の非常灯装置のうち、ルータに接続される親機と、前記親機以外の非常灯装置である子機と前記電力線を介して接続され、
    前記通信部は、
    前記親機及び前記子機のうち、前記親機と通信が可能であると、前記親機と通信を行い、
    前記親機と通信ができないと、通信が可能な前記子機のうち、前記親機に最も近い子機を検索して通信を行う請求項1又は2に記載の非常灯装置。
  4. 前記通信部は、
    前記電力線における通信が可能な帯域のうち、xDSLで使用する以外の帯域で通信を行う請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非常灯装置。
  5. とう道に設置される非常灯装置と、前記非常灯装置と接続される1以上の情報処理装置とを含む非常灯システムであって、
    前記非常灯装置は、
    他の非常灯装置と電力線を介して通信を行う通信部と、
    情報処理端末と無線で通信を行い、かつ、前記通信部を介して外部装置と通信を行う無線通信部と
    を含む
    非常灯システム。
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