JP2018205117A - 電磁機構の状態診断方法及び状態診断装置 - Google Patents

電磁機構の状態診断方法及び状態診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁機構が組み込まれた装置の使用を中断することなく、電磁機構の状態を素早く診断することを可能にする技術を提供する。【解決手段】固定部材と協働して挟持部材を挟む可動鉄心を、励磁電流の供給に応じて固定部材から引き離すように磁束を発生させるコイルが取り付けられた固定鉄心を有する電磁機構の状態を診断するための状態診断方法を開示する。状態診断方法は、励磁電流の時間変化を測定し、時間変化を表す電流データを生成する工程S110と、電流データに基づいて、異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する工程S120と、を備える。異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する工程は、励磁電流が増加から減少に転ずる極大値が、電流データから見出されないならば、異常が前記電磁機構に生じていると判定する段階S140を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、モータの制動機構やクラッチといった電磁式に動作する電磁機構の状態を診断するための技術に関する。
モータの制動機構やクラッチといった電磁式に動作する電磁機構は、様々な技術分野に利用されている。たとえば、多数の電磁機構は、車両を生産するための多関節ロボットに組み込まれている。
特許文献1は、ブレーキの状態を診断する技術を開示する。特許文献1の技術は、ブレーキの状態を診断するための診断モードを設定する。特許文献1によれば、電圧が、診断モードにおいて検出される。検出された電圧のデータは、ブレーキの状態の診断に利用される。
特開2015−100878号公報
特許文献1の診断技術は、診断モードの設定を必要とする。したがって、特許文献1の診断技術は、ブレーキが組み込まれた装置(たとえば、ロボット)の使用の一時中断を必要とする。加えて、特許文献1の診断技術は、ブレーキの状態を診断するための電圧を見極めるために、繰り返しの電圧降下作業を必要とする。このことは、ブレーキの状態診断が長くかかることを意味する。
本発明は、電磁機構が組み込まれた装置の使用を中断することなく、電磁機構の状態を素早く診断することを可能にする技術を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る状態診断方法は、固定部材と協働して挟持部材を挟む可動鉄心を、励磁電流の供給に応じて前記固定部材から引き離すように磁束を発生させるコイルが取り付けられた固定鉄心を有する電磁機構の状態を診断するために用いられる。状態診断方法は、前記励磁電流の時間変化を測定し、前記時間変化を表す電流データを生成する工程と、前記電流データに基づいて、異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する工程と、を備える。前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程は、前記励磁電流が増加から減少に転ずる極大値が、前記電流データから見出されないならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する段階を含む。
上記の構成によれば、電磁機構の挟持部材は、可動鉄心と固定部材とによって挟まれるので、挟持部材の摩耗は、必然的に生ずる。挟持部材の摩耗の結果生じた摩耗粉は、固定鉄心と可動鉄心との間に溜まることもある。この結果、摩耗粉は、可動鉄心の移動を妨げることもある。
励磁電流の時間変化を測定し、時間変化を表す電流データを生成する工程は、電磁機構が組み込まれた装置が通常使用されている環境下で実行されてもよい。したがって、状態診断方法は、電磁機構が組み込まれた装置の一時的な使用停止を必要としない。
励磁電流が増大され、所定の値を超えると、可動鉄心は、固定鉄心に接近する。可動鉄心の移動は、磁束の変化に帰結する。この結果、コイルは、レンツの法則にしたがって、逆起電力を発生させる。コイルが発生させた逆起電力は、励磁電流とは逆方向の電流を生じさせる。したがって、可動鉄心が適切に移動しているならば、励磁電流が増加から減少に転ずる極大値が、電流データ中に現れる。一方、励磁電流が増加から減少に転ずる極大値が、電流データ中に現れないことは、可動鉄心が電磁機構中で移動していないことを意味する。したがって、電磁機構の状態は、時間変化を表す電流データ中の極大値の有無の検出によって、正確に診断される。
繰り返しの電圧降下作業を要する従来の診断技術とは異なり、状態診断方法は、励磁電流の時間変化を表す電流データの生成と、電流データの解析と、によって、電磁機構の状態を診断することを可能にするので、診断のための特別の操作を必要としない。したがって、電磁機構の状態は、迅速に診断されることができる。
上記の構成に関して、前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程は、前記極大値、又は、前記励磁電流が前記減少から増加に転ずる極小値が、所定の期間以内に現れないならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する段階と、を含んでもよい。
可動鉄心の移動が、固定鉄心によって止められると、逆起電力は、消失する。この結果、励磁電流は、定常状態になるまで増加する。したがって、可動鉄心が、電磁機構内で適切に移動しているならば、励磁電流が、減少から増加に転ずる極小値が極大値の後に現れることになる。
挟持部材が非常に摩耗しているならば、可動鉄心の移動距離は、長くなる。可動鉄心の移動距離の増大は、極大値又は極小値が電流データ中に現れる時刻までの期間の延長に帰結する。上記構成によれば、極大値又は極小値が、所定の期間以内に現れないならば、異常が電磁機構に生じていると判定されるので、電磁機構の挟持部材の摩耗は、迅速且つ正確に診断されることになる。
上記の構成に関して、前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程は、(i)前記極大値と前記極小値との間の差分値を、所定の閾値と比較する段階と、(ii)前記差分値が、前記閾値を下回るならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する段階と、を含んでもよい。
摩耗粉が、可動鉄心と固定鉄心との間で層を形成すると、可動鉄心の移動量は、層の厚さの分だけ少なくなる。可動鉄心の移動量の減少は、極大値と極小値の差分値の低下として電流データに表れる。上記の構成によれば、極大値と極小値との間の差分値が、所定の閾値と比較されるので、可動鉄心と固定鉄心との間での摩耗粉の層の形成が、迅速且つ正確に診断されることになる。
上記の構成に関して、前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程は、(i)前記極大値と、前記励磁電流が、前記減少から増加に転ずる極小値と、の間の差分値を、所定の閾値と比較する段階と、(ii)前記差分値が、前記閾値を下回るならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する段階と、を含んでもよい。
摩耗粉が、可動鉄心と固定鉄心との間で層を形成すると、可動鉄心の移動量は、層の厚さの分だけ少なくなる。可動鉄心の移動量の減少は、極大値と極小値の差分値の低下として電流データに表れる。上記の構成によれば、極大値と極小値との間の差分値が、所定の閾値と比較されるので、可動鉄心と固定鉄心との間での摩耗粉の層の形成が、迅速且つ正確に診断されることになる。
上記の構成に関して、状態診断方法は、前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する工程において、前記異常が前記電磁機構に生じているとの判定がなされるならば、前記挟持部材の摩耗が生じていることを表す摩耗警告信号を生成する工程を更に備えてもよい。
上記の構成によれば、異常が電磁機構に生じているか否かを判定する工程において、異常が電磁機構に生じているとの判定がなされるならば、挟持部材の摩耗が生じていることを表す摩耗警告信号が生成されるので、電磁機構を診断する作業者は、異常の内容を特定することができる。
上記の構成に関して、状態診断方法は、前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程において、前記異常が前記電磁機構に生じているとの判定がなされるならば、前記可動鉄心と前記固定鉄心との間の詰まりが生じていることを表す詰まり警告信号を生成する工程を更に備えてもよい。
上記の構成によれば、異常が電磁機構に生じているか否かを判定する工程において、異常が電磁機構に生じているとの判定がなされるならば、固定鉄心と可動鉄心との間の詰まりが生じていることを表す詰まり警告信号が生成されるので、電磁機構を診断する作業者は、異常の内容を特定することができる。
本発明の他の局面に係る状態診断装置は、固定部材と協働して挟持部材を挟む可動鉄心を、励磁電流の供給に応じて前記固定部材から引き離すように磁束を発生させるコイルが取り付けられた固定鉄心を有する電磁機構の状態を診断するために用いられる。状態診断装置は、前記励磁電流の時間変化を測定し、前記時間変化を表す電流データを生成するデータ生成部と、前記電流データに基づいて、異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する判定部と、を備える。前記判定部は、前記励磁電流が増加から減少に転ずる極大値が、前記電流データから見出されないならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する。
上記の構成によれば、電磁機構の挟持部材は、可動鉄心と固定部材とによって挟まれるので、挟持部材の摩耗は、必然的に生ずる。挟持部材の摩耗の結果生じた摩耗粉は、固定鉄心と可動鉄心との間に溜まることもある。この結果、摩耗粉は、可動鉄心の移動を妨げることもある。
データ生成部は、電磁機構が組み込まれた装置が通常使用されている環境下で、励磁電流の時間変化を測定し、時間変化を表す電流データを生成してもよい。状態診断装置は、電磁機構が組み込まれた装置の一時的な使用停止を必要とすることなく、電流データを取得することができる。
励磁電流が増大され、所定の値を超えると、可動鉄心は、固定鉄心に接近する。可動鉄心の移動は、磁束の変化に帰結する。この結果、コイルは、レンツの法則にしたがって、逆起電力を発生させる。コイルが発生させた逆起電力は、励磁電流とは逆方向の電流を生じさせる。したがって、可動鉄心が適切に移動しているならば、励磁電流が増加から減少に転ずる極大値が、電流データ中に現れる。一方、励磁電流が増加から減少に転ずる極大値が、電流データ中に現れないことは、可動鉄心が電磁機構中で移動していないことを意味する。したがって、判定部は、時間変化を表す電流データ中の極大値の有無を確認し、電磁機構の状態を正確に診断することができる。
繰り返しの電圧降下作業を要する従来の診断技術とは異なり、状態診断装置は、励磁電流の時間変化を表す電流データの生成と、電流データの解析と、によって、電磁機構の状態を診断することができるので、診断のための特別の操作を必要としない。したがって、電磁機構の状態は、迅速に診断されることができる。
上記の構成に関して、前記電磁機構は、モータの制動機構であってもよい。前記挟持部材は、ブレーキ板であってもよい。
上記の構成によれば、状態診断装置は、モータの制動機構の状態を正確且つ迅速に診断することができる。
上記の構成に関して、前記電磁機構は、クラッチ機構であってもよい。前記挟持部材は、クラッチ板であってもよい。
上記の構成によれば、状態診断装置は、クラッチ機構の状態を正確且つ迅速に診断することができる。
上記の構成に関して、前記データ生成部は、ホールセンサを含んでもよい。
上記の構成によれば、データ生成部は、ホールセンサを含むので、励磁電流の時間変化は、電流データに精度よく表されることになる。
上記の構成に関して、前記データ生成部は、前記ホールセンサに電力を供給する直流バッテリを含んでもよい。
上記の構成によれば、データ生成部は、ホールセンサに電力を供給する直流バッテリを含むので、ノイズは、電流データに乗りにくくなる。
上述の状態診断技術は、電磁機構が組み込まれた装置の使用を中断することなく、電磁機構の状態を素早く診断することを可能にする。
例示的な状態診断装置の概略的なブロック図である。 図1に示される状態診断装置によって診断される電磁機構として用いられる制動機構の概略的な断面図である。 図2に示される制動機構が正常に動作しているときに得られる励磁電流の時間変化を表す概略的なグラフである。 図1に示される状態診断装置の判定部が実行する例示的な処理を表すフローチャートである。 図2に示される制動機構の可動鉄心と固定鉄心との間に形成された摩耗粉の層の厚さと、励磁電流の時間変化と、の間の関係を表す概略的なグラフである。 図1に示される状態診断装置の判定部が実行する例示的な処理を表すフローチャートである。 図2に示される制動機構のブレーキ板の厚さと、励磁電流の時間変化と、の間の関係を表す概略的なグラフである。 図1に示される状態診断装置の判定部が実行する例示的な処理を表すフローチャートである。 図1に示される状態診断装置の電流計からコンピュータまでの概略的な回路図である。 図1に示される状態診断装置の電流計として用いられるホールセンサからの出力データのグラフである。
図1は、例示的な状態診断装置100の概略的なブロック図である。図1を参照して、状態診断装置100が説明される。
状態診断装置100は、電流計110と、コンピュータ120と、を備える。電流計110は、電源PSCからコイルCILへ供給される励磁電流を計測する。電流計110は、一般的なホールセンサであってもよいし、励磁電流を検出することができる他の検出装置であってもよい。本実施形態の原理は、電流計110として用いられる特定の検出装置に限定されない。
電源PSC及びコイルCILは、電磁機構(図示せず)の一部として用いられる。電磁機構は、モータに組み込まれた制動機構であってもよい。代替的に、電磁機構は、一般的な電磁クラッチであってもよい。本実施形態の原理は、電磁機構として形成される特定の装置に限定されない。
電流計110は、電源PSCからコイルCILへ励磁電流を供給するための回路に常時組み込まれていてもよい。この場合、電磁機構が使用されている間に、電流計110は、励磁電流の時間変化を検出することができる。すなわち、作業者は、電磁機構の通常の使用を中断することなく、励磁電流の時間変化を表す電流データを取得することができる。
電磁機構は、車両の組立、溶接や塗装に用いられる多関節ロボットに組み込まれていてもよい。状態診断装置100は、電磁機構の通常の使用を妨げることなく電流データを取得することができるので、電磁機構の状態の診断の間も、多関節ロボットは、車両の組立、溶接や塗装といった作業を継続することができる。
電流計110は、検出された電流を表す検出信号を生成する。検出信号は、電流計110からコンピュータ120へ経時的に出力される。
コンピュータ120は、記憶部121と、判定部122と、信号生成部123と、を含む。記憶部121は、検出信号によって表される電流値のデータを経時的に格納する。この結果、励磁電流の時間変化を表す電流データは、記憶部121に格納される。記憶部121は、一般的なハードディスクであってもよいし、USBメモリであってもよいし、他の記憶媒体であってもよい。本実施形態の原理は、記憶部121として用いられる特定の装置に限定されない。本実施形態に関して、データ生成部は、電流計110と記憶部121とによって例示される。
判定部122は、記憶部121から電流データを読み出す。判定部122は、電流データを参照し、異常が電磁機構に生じているか否かを判定する。判定部122は、電流データを解析するように設計されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
判定部122は、異常が電磁機構に生じているか否かを表す判定結果を生成する。判定結果は、判定部122から信号生成部123へ出力される。異常が電磁機構に生じているならば、信号生成部123は、どのような異常が電磁機構に生じているかを表す警告信号を生成する。警告信号は、信号生成部123から所定の警告装置(図示せず:たとえば、モニタ装置や音声装置)へ出力される。この結果、電磁機構に生じた異常は、モニタ装置によって表示される画像や音声装置から出力される音によって、作業者に通知される。
図2は、電磁機構として用いられる制動機構BRMの概略的な断面図である。図1及び図2を参照して、制動機構BRMが説明される。
制動機構BRMは、モータ(図示せず)に組み込まれている。図2は、モータの一部として、モータシャフトMSFを概略的に示している。モータシャフトMSFは、所定の回転軸RAXに沿って延びる。
制動機構BRMは、図1を参照して説明された電源PSC及びコイルCILに加えて、固定鉄心FICと、可動鉄心AMTと、サイドプレートSPTと、ブレーキ板BRPと、ガイドロッドGRDと、コイルスプリングCSPと、を含む。固定鉄心FIC、コイルCIL、可動鉄心AMT、ブレーキ板BRP及びサイドプレートSPTそれぞれは、回転軸RAXと略同心に配置された環状の部材である。モータシャフトMSFは、これらの環状部材を貫通する。
固定鉄心FICは、回転軸RAXの延設方向において固定されている。固定鉄心FICは、可動鉄心AMTに対向する対向面FSFを含む。ガイドロッドGRDは、対向面FSFから回転軸RAXの延設方向に延出する。サイドプレートSPTは、ガイドロッドGRDの先端に固定される。したがって、固定鉄心FICと同様に、サイドプレートSPTも、回転軸RAXの延設方向において固定されている。固定鉄心FIC及びサイドプレートSPTとは異なり、可動鉄心AMTは、ガイドロッドGRDに案内され、回転軸RAXの延設方向に移動することができる。
コイルCILは、対向面FSFに穿設された環状溝に埋設される。励磁電流が、電源PSCからコイルCILへ供給されると、可動鉄心AMTは、コイルCILから生じた磁束によって、固定鉄心FICへ引き寄せられる。
コイルスプリングCSPの一部は、固定鉄心FICに埋設される一方で、コイルスプリングCSPの他のもう一部は、対向面FSFから突出する。コイルCILから生じた磁束による吸引力が、コイルスプリングCSPの弾発力を下回ると、可動鉄心AMTは、コイルスプリングCSPによって、サイドプレートSPTに向けて押し出される。
ブレーキ板BRPは、可動鉄心AMTとサイドプレートSPTとの間に配置される。したがって、可動鉄心AMTが、コイルスプリングCSPによって、サイドプレートSPTに向けて押し出されると、ブレーキ板BRPは、可動鉄心AMTとサイドプレートSPTとによって挟まれる。本実施形態に関して、固定部材は、サイドプレートSPTによって例示される。挟持部材は、ブレーキ板BRPによって例示される。
制動機構BRMは、一般的に、ケース(図示せず)内に収容される。したがって、ブレーキ板BRPの摩耗によって生じた摩耗粉の多くは、ケース内に溜まる。この結果、電源PSCからコイルCILへの励磁電流の供給下でコイルCILから発生した磁束が、可動鉄心AMTに、サイドプレートSPTから離れる方向の力を作用させても、可動鉄心AMTは、固定鉄心FICに引き寄せられないこともある。ブレーキ板BRPの摩耗は、ブレーキ板BRPの厚さの低下を意味する。ブレーキ板BRPの厚さの低下は、可動鉄心AMTの移動可能距離の増加に帰結する。本発明者等は、可動鉄心AMTが正常に動作するときに得られる励磁電流の時間変化の特徴を判断基準として、制動機構BRMの状態を診断する技術を開発した。
図3は、制動機構BRMが正常に動作しているときに得られる励磁電流の時間変化を表す概略的なグラフである。図1乃至図3を参照して、制動機構BRMが正常に動作しているときに得られる励磁電流の時間変化が説明される。
電源PSCは、コイルCILへの励磁電流の供給を、時刻「0」から開始する。ブレーキ板BRPは、時刻「0」において、可動鉄心AMTとサイドプレートSPTとによって挟まれている。
固定鉄心FICへの可動鉄心AMTの接近が開始されるまで、電源PSCは、励磁電流を徐々に増加させる。この結果、可動鉄心AMTは、時刻「t1」において、固定鉄心FICへの接近を開始する。可動鉄心AMTが、固定鉄心FICへ近づくと、コイルCILは、逆起電力を発生させる。この結果、励磁電流とは逆向きの電流が、コイルCILに流れる。したがって、電流計110が計測する電流値は、徐々に下がる。
可動鉄心AMTは、時刻「t2」において、固定鉄心FICの対向面FSFに到達する。電流計110によって計測される電流値は、時刻「t1」から時刻「t2」までの期間において、降下し続ける。
可動鉄心AMTが、対向面FSFに到達すると、可動鉄心AMTは停止するので、逆起電力は、消失する。この結果、電流計110によって計測される電流値は、時刻「t2」の後、定格電流まで増加する。
ブレーキ板BRPから生じた摩耗粉が、可動鉄心AMTと固定鉄心FICとの間に堆積すると、固定鉄心FICへの可動鉄心AMTの接近は生じなくなることもある。この場合、電流計110によって計測された電流値が増加から減少へ転ずる極大値(図3の時刻「t1」のデータ点を参照)は、記憶部121に格納された電流データに現れない。すなわち、電流計110によって計測された電流値は、時刻「0」から増加し続け、定格電流に達することになる。したがって、判定部122は、記憶部121に格納された電流データに極大値が存在するか否かを検証し、異常が、制動機構BRMに生じているか否かを判定することができる。
図4は、判定部122が実行する例示的な処理を表すフローチャートである。図1及び図4を参照して、判定部122が実行する処理が説明される。
(ステップS110)
判定部122は、電流データを、記憶部121から読み出す。その後、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
判定部122は、極大値が電流データ中に存在しているか否かを検証する。判定部122が、極大値を電流データから見出すならば、ステップS130が実行される。他の場合には、ステップS140が実行される。
(ステップS130)
判定部122は、制動機構BRMが正常であることを表す判定結果を生成する。判定結果は、判定部122から信号生成部123へ出力される。信号生成部123は、判定結果を表す通知信号を生成する。通知信号は、モニタ装置や音声装置といった通知装置へ出力され、作業者は、制動機構BRMが正常であることを通知装置によって通知される。
(ステップS140)
判定部122は、制動機構BRMが異常であることを表す判定結果を生成する。判定結果は、判定部122から信号生成部123へ出力される。信号生成部123は、判定結果を表す通知信号を生成する。通知信号は、モニタ装置や音声装置といった通知装置へ出力され、作業者は、異常が、制動機構BRMに生じていることを通知装置によって通知される。
<他の特徴>
設計者は、上述の状態診断装置100に様々な特徴を与えることができる。以下に説明される特徴は、上述の状態診断装置100の設計原理を何ら限定しない。
(極大値及び極小値を用いた診断)
上述の診断処理は、極大値の存在・不存在を監視し、制動機構BRMの正常・異常を判定する。この場合、制動機構BRMの異常は、ブレーキ板BRPが動かなくなるまで検出できないこともある。一方、制動機構BRMは、ブレーキ板BRPが動かなくなる前に補修される必要があることもある。本発明者等は、極大値だけでなく、極小値をも監視し、ブレーキ板BRPが動かなくなる前に、制動機構BRMの異常を検出することを可能にする診断技術を開発した。極大値と極小値とを用いて、異常が制動機構BRMに生じているか否かを診断する例示的な診断技術が、以下に説明される。
図5は、可動鉄心AMTと固定鉄心FICとの間に形成された摩耗粉の層の厚さ「LT」と、励磁電流の時間変化と、の間の関係を表す概略的なグラフである。図2、図4及び図5を参照して、摩耗粉の層の厚さ「LT」と、励磁電流の時間変化と、の間の関係が説明される。
図5は、可動鉄心AMTと固定鉄心FICとの間に形成された摩耗粉の層の厚さ「LT」が、「0」である状態、「x1」である状態(x1>0)、「x2」である状態(x2>x1)、「x3」である状態(x3>x2)及び固定鉄心FICとブレーキ板BRPをサイドプレートSPTに押しつけている可動鉄心AMTとの間の距離「GAP」に等しい状態(GAP>x3)を示す。摩耗粉の層の厚さ「LT」が、「x3」を超えるとき、極大値は、電流データに現れない。この場合、図4を参照して説明された診断技術は、有効である。一方、摩耗粉の層の厚さ「LT」が、「x2」を下回るとき、図4を参照して説明された診断技術は、制動機構BRMが正常であるとの判定結果をもたらす。しかしながら、摩耗粉の層の厚さ「LT」が、「x1」を超えるならば、制動機構BRMの補修が、制動機構BRMが組み込まれた装置の使用環境にとって望ましいこともある。摩耗粉の層が成長すると(すなわち、摩耗粉の層の厚さ「LT」が増加すると)、電流データ中の極大値と極小値との間の差分値は、小さくなる。摩耗粉の層の厚さ「LT」が、「x1」であるときの極大値と極小値との間の差分値が、所定の閾値「TDF」として設定されるならば、摩耗粉の層の厚さ「LT」が「x1」を超えたことを、制動機構BRMの異常として検出することができる。
図6は、判定部122が実行する例示的な処理を表すフローチャートである。図6に示される処理は、図4を参照して説明されたステップS120内の処理として定義されてもよい。図1、図4及び図6を参照して、判定部122が実行する処理が説明される。
(ステップS121)
図4を参照して説明されたステップS110の後に、ステップS121が実行される。判定部122は、極大値が電流データ中に存在しているか否かを検証する。判定部122が、極大値を電流データから見出すならば、ステップS124が実行される。他の場合には、図4を参照して説明されたステップS140が実行される。
(ステップS124)
判定部122は、励磁電流の時間変化が、減少から増加に転ずる極小値を、電流データから見出す。判定部122は、その後、極大値から極小値を差し引き、差分値「DIF」を算出する。差分値「DIF」の算出の後、ステップS127が実行される。
(ステップS127)
判定部122は、差分値「DIF」を閾値「TDF」と比較する。差分値「DIF」が、閾値「TDF」以上であるならば、図4を参照して説明されたステップS130が実行される。他の場合には、ステップS140が実行される。
(極大値及び極小値の時間位置を用いた診断)
状態診断装置100は、極大値及び極小値の時間位置を判断基準として用いて、異常が制動機構BRMに生じているか否かを診断してもよい。極大値及び極小値の時間位置を判断基準として用いる診断技術が、以下に説明される。
図7は、ブレーキ板BRPの厚さ「BT」と、励磁電流の時間変化と、の間の関係を表す概略的なグラフである。図1、図2及び図7を参照して、ブレーキ板BRPの厚さ「BT」と、励磁電流の時間変化と、の間の関係が説明される。
図7は、ブレーキ板BRPの厚さ「BT」が、「0」である状態、「y1」である状態、「y2」である状態(y1>y2)、「y3」である状態(y2>y3)及び「y4」である状態(y3>y4)を示す。摩耗粉の層の形成がないならば、ブレーキ板BRPが薄くなると、可動鉄心AMTの移動距離は、長くなる(すなわち、距離「GAP」は、増大する)。可動鉄心AMTの移動距離が長くなると、電源PSCからコイルCILへの励磁電流の供給の開始の時刻から極大値及び極小値が現れる時刻までの期間は長くなる。したがって、状態診断装置100は、電源PSCからコイルCILへの励磁電流の供給の開始の時刻から極大値及び極小値が現れる時刻までの期間に基づいて、異常が、制動機構BRMに生じているか否かを診断することができる。
図8は、判定部122が実行する例示的な処理を表すフローチャートである。図1及び図8を参照して、判定部122が実行する処理が説明される。
(ステップS202)
判定部122は、電流データを、記憶部121から読み出す。その後、ステップS204が実行される。
(ステップS204)
判定部122は、電流データを参照し、励磁電流が増加し始める時刻を見出す。その後、ステップS206が実行される。
(ステップS206)
判定部122は、励磁電流が増加し始める時刻を「0」として、時刻パラメータ「t」を設定する。その後、ステップS208が実行される。
(ステップS208)
判定部122は、時刻パラメータ「t」に所定のサンプリングタイム「smt」(電流計110のサンプリングタイム)を足す。その後、ステップS210が実行される。
(ステップS210)
判定部122は、ステップS208で設定された時刻パラメータ「t」の値に対応する励磁電流の値を参照し、励磁電流が減少しているか否かを判定する。励磁電流が減少しているならば、ステップS212が実行される。他の場合には、ステップS208が実行される。
(ステップS212)
判定部122は、時刻パラメータ「t」の値を所定の第1閾値「tt1」と比較する。時刻パラメータ「t」の値が、第1閾値「tt1」を上回っているならば、ステップS214が実行される。他の場合には、ステップS216が実行される。本実施形態に関して、所定の期間は、第1閾値「tt1」によって表される期間によって例示されてもよい。
(ステップS214)
判定部122は、ブレーキ板BRPが摩耗していることを表す判定結果を生成する。判定結果は、判定部122から信号生成部123へ出力される。信号生成部123は、ブレーキ板BRPの摩耗が生じていることを表す摩耗警告信号を生成する。摩耗警告信号は、モニタ装置や音声装置といった通知装置へ出力され、作業者は、ブレーキ板BRPが摩耗していることを通知装置によって通知される。
(ステップS216)
判定部122は、時刻パラメータ「t」に所定のサンプリングタイム「smt」(電流計110のサンプリングタイム)を足す。その後、ステップS218が実行される。
(ステップS218)
判定部122は、ステップS216で設定された時刻パラメータ「t」の値に対応する励磁電流の値を参照し、励磁電流が増加しているか否かを判定する。励磁電流が増加しているならば、ステップS220が実行される。他の場合には、ステップS216が実行される。
(ステップS220)
判定部122は、時刻パラメータ「t」の値を所定の第2閾値「tt2」(>tt1)と比較する。時刻パラメータ「t」の値が、第2閾値「tt2」を上回っているならば、ステップS214が実行される。他の場合には、ステップS222が実行される。本実施形態に関して、所定の期間は、第2閾値「tt2」によって表される期間によって例示されてもよい。
(ステップS222)
判定部122は、ステップS212の実行時の時刻パラメータ「t」の値に対応する励磁電流の値を極大値として参照する。判定部122は、ステップS222の実行時の時刻パラメータ「t」の値に対応する励磁電流の値を極小値として参照する。判定部122は、極大値から極小値を差し引き、差分値「DIF」を算出する。差分値「DIF」の算出の後、ステップS224が実行される。
(ステップS224)
判定部122は、差分値「DIF」を閾値「TDF」と比較する。差分値「DIF」が、閾値「TDF」以上であるならば、ステップS226が実行される。他の場合には、ステップS228が実行される。
(ステップS226)
判定部122は、制動機構BRMが正常であることを表す判定結果を生成する。判定結果は、判定部122から信号生成部123へ出力される。信号生成部123は、判定結果を表す通知信号を生成する。通知信号は、モニタ装置や音声装置といった通知装置へ出力され、作業者は、制動機構BRMが正常であることを通知装置によって通知される。
(ステップS228)
判定部122は、可動鉄心AMTと固定鉄心FICとの間に詰まりが生じていることを表す判定結果を生成する。判定結果は、判定部122から信号生成部123へ出力される。信号生成部123は、可動鉄心AMTと固定鉄心FICとの間に詰まりが生じていることを表す詰まり警告信号を生成する。詰まり警告信号は、モニタ装置や音声装置といった通知装置へ出力され、作業者は、可動鉄心AMTと固定鉄心FICとの間に詰まりが生じていることを通知装置によって通知される。
(ホールセンサを用いた励磁電流の測定)
状態診断装置100は、電流計110として、ホールセンサを用いてもよい。この場合、励磁電流は、精度よく測定される。
図9は、電流計110からコンピュータ120までの概略的な回路図である。図1及び図9を参照して、電流計110が説明される。
電流計110は、ホールセンサ111とセンサ電源112とを含む。センサ電源112からホールセンサ111へ供給される電流は、励磁電流に起因する磁界に対して直交する。この結果、ホールセンサ111は、センサ電源112からの電流及び励磁電流に起因する磁界それぞれに直交する起電力を生じさせる。起電力は、ホールセンサ111からの出力として、コンピュータ120へ出力される。起電力の時間変化は、励磁電流の時間変化に対応する。記憶部121は、起電力の時間変化を、励磁電流の時間変化として記憶してもよい。
図10は、異なる種類のセンサ電源112を用いて得られたホールセンサ111からの出力データのグラフである。図9及び図10を参照して、センサ電源112が説明される。
図10のセクション(a)に示される出力データは、センサ電源112として直流バッテリが用いられた条件下で得られている。図10のセクション(b)に示される出力データは、センサ電源112としてスイッチング電源が用いられた条件下で得られている。セクション(a)とセクション(b)との間の比較から明らかなように、セクション(a)に示される出力データのノイズは、セクション(b)に示される出力データよりも少ない。したがって、直流バッテリが、センサ電源112として用いられることが好ましい。
上述の様々な特徴は、電磁機構の使用環境に適合するように、組み合わされてもよい。
上述の制動機構BRMは、モータ(図示せず)に組み込まれることができる。モータは、車両の組立、溶接や塗装に用いられる多関節ロボットの関節軸に利用されてもよい。
多関節ロボットは、多数のモータを有する。上述の診断技術は、これらのモータそれぞれに組み込まれた制動機構BRMの状態を同時に診断するために用いられてもよい。この場合、図10のセクション(a)に示される出力データに相当する電流データが、多関節ロボットに搭載された複数のモータそれぞれに関連づけられて、コンピュータ120に格納されてもよい。したがって、作業者は、多間接ロボットに組み込まれた多数のモータに対する状態診断を、短時間に完了することができる。
上述の実施形態に関して、制動機構BRMが電磁機構として例示されている。しかしながら、上述の実施形態の原理は、クラッチ機構(図示せず)に適用されてもよい。クラッチ機構のクラッチ板(図示せず)は、上述のブレーキ板BRPと同様に、可動鉄心AMTと所定の固定部材とによって挟まれる。すなわち、クラッチ機構に関して、挟持部材は、クラッチ板によって例示される。
クラッチ板は、可動鉄心AMTと所定の固定部材とによって挟まれるので、上述のブレーキ板BRPと同様に摩耗する。上述の実施形態の診断技術が、クラッチ機構に適用されるならば、クラッチ板が過度に薄くなっていること、及び/又は、クラッチ板からの摩耗粉が、可動鉄心AMTと固定鉄心FICとの間で厚い層を形成していることは、精度よく、且つ、迅速に検出されることになる。
上述の実施形態に関して、制動機構BRMが正常であるならば、制動機構BRMの正常を表す診断結果が、作業者に通知される。しかしながら、制動機構BRMの異常を表す判定結果のみが、作業者に通知されてもよい。
上述の実施形態に関して、励磁電流の時間変化が、電流計110を用いて測定されている。しかしながら、電源PSCからコイルCILへ励磁電流を供給するための回路に、抵抗器を介して接続された電圧計を用いて、電圧の時間変化が測定されてもよい。測定された電圧が、抵抗器の抵抗値を用いて、電流に換算されてもよい。したがって、電流データは、電圧の時間変化として表されてもよい。
上述の実施形態の原理は、様々な電磁機構の状態を診断するために好適に利用される。
100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・状態診断装置
110・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・電流計(データ生成部)
111・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ホールセンサ
112・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・センサ電源(直流バッテリ)
121・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・記憶部(データ生成部)
122・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・判定部
AMT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・可動鉄心
BRM・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・制動機構(電磁機構)
BRP・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ブレーキ板(挟持部材)
CIL・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・コイル
FIC・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・固定鉄心
SPT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・サイドプレート(固定部材)

Claims (11)

  1. 固定部材と協働して挟持部材を挟む可動鉄心を、励磁電流の供給に応じて前記固定部材から引き離すように磁束を発生させるコイルが取り付けられた固定鉄心を有する電磁機構の状態を診断するための状態診断方法であって、
    前記励磁電流の時間変化を測定し、前記時間変化を表す電流データを生成する工程と、
    前記電流データに基づいて、異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する工程と、を備え、
    前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程は、前記励磁電流が増加から減少に転ずる極大値が、前記電流データから見出されないならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する段階を含む
    状態診断方法。
  2. 前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程は、前記極大値、又は、前記励磁電流が前記減少から増加に転ずる極小値が、所定の期間以内に現れないならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する段階と、を含む
    請求項1に記載の状態診断方法。
  3. 前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程は、(i)前記極大値と前記極小値との間の差分値を、所定の閾値と比較する段階と、(ii)前記差分値が、前記閾値を下回るならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する段階と、を含む
    請求項2に記載の状態診断方法。
  4. 前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程は、(i)前記極大値と、前記励磁電流が、前記減少から増加に転ずる極小値と、の間の差分値を、所定の閾値と比較する段階と、(ii)前記差分値が、前記閾値を下回るならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する段階と、を含む
    請求項1に記載の状態診断方法。
  5. 前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程において、前記異常が前記電磁機構に生じているとの判定がなされるならば、前記挟持部材の摩耗が生じていることを表す摩耗警告信号を生成する工程を更に備える
    請求項2に記載の状態診断方法。
  6. 前記異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する前記工程において、前記異常が前記電磁機構に生じているとの判定がなされるならば、前記可動鉄心と前記固定鉄心との間の詰まりが生じていることを表す詰まり警告信号を生成する工程を更に備える
    請求項4に記載の状態診断方法。
  7. 固定部材と協働して挟持部材を挟む可動鉄心を、励磁電流の供給に応じて前記固定部材から引き離すように磁束を発生させるコイルが取り付けられた固定鉄心を有する電磁機構の状態を診断するための状態診断装置であって、
    前記励磁電流の時間変化を測定し、前記時間変化を表す電流データを生成するデータ生成部と、
    前記電流データに基づいて、異常が前記電磁機構に生じているか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記判定部は、前記励磁電流が増加から減少に転ずる極大値が、前記電流データから見出されないならば、前記異常が前記電磁機構に生じていると判定する
    状態診断装置。
  8. 前記電磁機構は、モータの制動機構であり、
    前記挟持部材は、ブレーキ板である
    請求項7に記載の状態診断装置。
  9. 前記電磁機構は、クラッチ機構であり、
    前記挟持部材は、クラッチ板である
    請求項7に記載の状態診断装置。
  10. 前記データ生成部は、ホールセンサを含む
    請求項7乃至9のいずれか1項に記載の状態診断装置。
  11. 前記データ生成部は、前記ホールセンサに電力を供給する直流バッテリを含む
    請求項10に記載の状態診断装置。
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