JP4135494B2 - 故障診断システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路部材を搭載した回路基板を備えた装置、たとえばプリンタ装置、ファクシミリ装置、あるいはそれらの機能を有する複合機などの装置における、回路部材の動作、性能の異常、あるいは故障を予測したり検出したり(以下纏めて故障診断という)する故障診断方法を実施する故障診断システムに関する。
【0002】
より詳細には、回路部材として、ソレノイドや比例電磁弁などを備えた装置における故障診断に関する。
【0003】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平2−116556号公報
【特許文献2】
特開平10−267983号公報
【0004】
パーソナルコンピュータや複写機などの電子機器は、近年、性能、機能の向上に伴い、益々、それらを実現するための様々な用途のアナログおよびデジタルの電子回路がプリント基板の形で格納されてきている。
【0005】
また、自動車や航空、ロボットや半導体設計装置など、他の産業機器においても動作制御などの手段として、信頼性が高く、高速・高精度での動作が可能な電子回路基板が数多く搭載されている。これらの電子回路基板は一連の機能を実現するために、様々な形でケーブルを介して接続されることにより、所望のスペックが実現されている。
【0006】
このような基板が搭載される機器が使用される環境は、通常はオフィス内であったり、家屋内であったりするが、それ以外の過酷な環境下で使用される場合もあり、非常に多岐にわたっている。特に使用環境が劣悪である場合には、通常の方法で使用していたとしても、検出が困難な様々な異常や故障が発生し、その修復には多大な労力を要することになる。
【0007】
また、通常の使用環境下で使用している場合でも、電子回路の異常や故障が発生し、その頻度は必ずしも低いとは言えず、検出箇所を特定できないこともしばしば生じていた。さらに、電子回路基板に異常が発生した場合には、安全性やコストなどの面から早急な対応が必要でもあった。
【0008】
故障診断の一般的手法としては、テスターなどの測定装置を用いて主要な個所の電圧や信号波形を監視(モニタ)しながら故障個所の特定する。しかし、このような診断方法では様々な個所の測定を行なわなければならず、故障診断に手間がかかってしまい、作業効率が悪いという問題があった。
【0009】
そこで、効率のよい診断手法として、装置の起動時などに装置自身が各基板や電子回路の故障の診断を行なうようにした自己診断システム(Diagnostics system)がある。この自己診断システムでは、予め電子回路の設計時に回路動作をモニタするための故障診断回路を設けて、たとえば、装置が動作しているときの信号パターン(期待値)を回路モジュールごとあるいは基板ごとさらには回路部位ごとにモニタして予め記憶しておき、実動作時の診断回路の出力と期待値とを比較し、故障発生の有無を診断し、故障箇所を特定するようにしている。
【0010】
たとえば、複写機やプリンタなどの異常や故障情報の連絡がサービスセンタに入った場合、修理担当者が現地に駆けつけて機器に記録されている故障個所情報や故障履歴の情報などをもとに故障部位の特定を行ない、交換する、あるいは修復作業を行なう、などの措置手段を講ずることがある。あるいは、これらの機器がネットワークに接続されており、自動的にこれらの情報を管理する部署へ、状態の管理や故障情報などを伝送する場合には、これらの情報をあらかじめ解析した上で、修理担当者により、同様の措置が取られることもある。
【0011】
しかし、上述のような異常や故障が発生した場合には、通常、機器は使用不可能となり、ダウンタイムが生じてしまう、というユーザ側にとってのデメリットが発生する。また、メーカ側にとっても、故障部位の特定に手間取ったり、故障部位が必ずしも正確に特定できるとは限らず、故障と考えられる部分を全て交換するなどの措置により、多大なコストが発生したり、あるいは修理そのものに時間がかかってしまう、マンパワー的な対応が追いつかない、といったような状況が発生している。したがって、ユーザ側およびメーカ側双方にとって、多大な損失を被る状況が多発しているという事実がある。
【0012】
一方、近年の性能および機能の向上に伴って電子回路の動作はますます複雑化しているために、故障を検出するためにモニタする箇所や信号のデータ幅が増大し、故障診断回路の規模が大きくなるため設計工数が増え、電子回路のコストが高くなるという問題があった。
【0013】
そこで、故障部位を特定したり発生自体を予測したりする場合、特定する精度を上げたり、特定するまでの時間的なロスを削減したりするなど、様々な異常状態や故障状態を漏れなく把握する、これらの構成を簡単かつ低コストで実現する、といった方法について様々な試みがなされている。
【0014】
たとえば、特許文献1には、回路部材として、ソレノイドなどの電磁弁を利用した駆動装置における故障検知に関する技術が開示されている。この特許文献1に記載の手法では、ソレノイドへの通電を制御トランジスタをスイッチング制御することによって制御するソレノイド駆動装置において、制御トランジスタのオフ時にソレノイドに発生する逆起電力を検出する検出回路と、この検出回路からの逆起電力検出出力の有無によってソレノイドへの通電回路の正常、異常の有無を判断する判断手段を設け、この判断手段の異常判断によってソレノイドへの通電を禁止するようにしている。
【0015】
また特許文献2には、種々の電磁弁に対して、断線や短絡などの異常判定を精度よく行なう仕組みが開示されている。この特許文献2に開示されている技術について図を用いて説明する。
【0016】
図9は、特許文献2に開示されている技術を示すブロック図である。回路部材としてソレノイド122を備えた装置に故障診断部140が設けられている。ソレノイド122の一方の端子は、制御スイッチ124を介して電源Vccに接続されている。
【0017】
故障診断部140は、ソレノイド122の動作を制御スイッチ124で制御するマイコン143、比較器144、ソレノイド122の電流を検出する電流検出抵抗145、およびD/A(Digital to Analog )変換器146を備える。D/A変換器146からは、比較器144の反転入力端子(−)に閾値電圧が入力されており、電流検出抵抗145により検出されたソレノイド122に流れる電流に対応する検出電圧は、比較器144の非反転入力端子(+)に入力され、D/A変換器146からの閾値電圧と比較されるようになっている。比較器144の比較出力は、マイコン143の所定の入力ポートに入力されている。なお、比較器144の比較出力にはプルアップ抵抗146が設けられている。
【0018】
D/A変換器146は、マイコン143からのデジタル入力値に応じたアナログ電圧を出力し、このアナログ電圧が比較器144の閾値電圧として付与されるようになっている。この閾値電圧は、たとえばソレノイド122が正常のときに流れる最小電流を電流検出抵抗145が検出したときの電圧よりも低い適切な値に設定される。したがって、このような構成によると、ソレノイド122に流れる電流が電流検出抵抗145によって検出され、この検出電圧が比較器144においてD/A変換器146から供給される閾値電圧と比較される。
【0019】
そして、この比較結果が、マイコン143の入力ポートに入力されると、マイコン143は、ソレノイド122に対する指令入力との関係に基づいてソレノイド122の断線や短絡などの異常を判定する。たとえば、ソレノイド122が正常であって、指令入力に応じて電流が流れると、電流検出抵抗145による検出電圧はD/A変換器146から出力される閾値電圧よりも高くなり、比較器144は“H(ハイ)”を出力する。
【0020】
したがって、このときにはソレノイド122に断線や短絡がなく、正常であると判断できる。しかし、ソレノイド122に断線を生じたときには、ソレノイド122に対する指令入力があるにもかかわらず、電流検出抵抗145の検出電圧はゼロもしくは正常時よりも低い値となり、この場合には比較器144の閾値よりも小さく、比較器144は“L(ロー)”を出力する。これにより、マイコン143は、ソレノイド122の断線などの異常を判定することができる。
【0021】
そして、このように比較器144の閾値がD/A変換器146により出力される結果、電源電圧Vccが変動したりしても出力値は変動せず、バラツキの無い閾値を維持でき、このため比較器144による判定の信頼性が高まる。また、D/A変換器146の出力は自由に変更できるで、ソレノイド122の種類や励磁電流の範囲が異なっても、常に正確かつ簡単に対応することができる。
【0022】
次に、D/A変換器146の出力をマイコン143のソフトウェアの設定により、ソレノイド122の指令入力と所定の関係をもって比例的に制御すると、ソレノイド122に出力される電流の全域において、駆動電流の誤差が所定範囲を越えたときなども異常と判定することができる。
【0023】
D/A変換器146の入力値を、マイコン143からの指令により、ソレノイド122に対する指令入力に応じて変化させるようにすると、D/A変換器146の出力はソレノイド122の駆動電流(検出電圧)に対応して変化する。このため、比較器144の閾値は、ソレノイド122の駆動電流との関係で、所定の幅だけずれた値、たとえば、駆動電流よりも0.1アンペア大きいときの上限値、または0.1アンペアだけ小さいときの下限値などに設定することができる。
【0024】
したがって、もしD/A変換器146の出力を上限値の特性に合わせて設定したときは、これよりもソレノイド122の電流検出抵抗145の検出電圧が大きいときは短絡であると判断できる。ソレノイド122の短絡時には電圧降下が小さくなる分だけ、電流検出抵抗145による電圧が大きくなるため、これが上限値を越えたときには、短絡と判定することができる。また、D/A変換器146の出力を下限値の特性に設定すれば、ソレノイド122の検出電圧がこれよりも小さいときは、断線であると判定することができる。
【0025】
なお、これらの判断は、ソレノイド122に通電しながら、マイコン143からの指令により、D/A変換器146の出力を上限値と下限値とに切り換えて行なえばよい。このようにすることで、ソレノイド122に電流のリーク時など、微小電圧の変動があっても、精度よく誤差が検出でき、完全に短絡あるいは断線しなくても、異常の判定が行なえるので、幅広い異常判定が可能となる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、逆起電力を利用して異常を検知することで、ソレノイドの短絡による発火防止を目的としているが、前述のように、ソレノイドが何らかの原因で動きが悪い場合などは、異常を全く検出することができない。
【0027】
また、特許文献2に記載の手法のように、比較器の閾値をマイコンなどの制御手段からの指令によりソレノイドに対する指令入力に応じて変化させる方法では、複写機やプリンタなどで使われているオン/オフ動作のような一定入力時には、ソレノイドの異常動作を検出することができない。なぜなら、電流の立ち上がり部分は、入力信号に比例しないのでマイコンからの指令による設定は不可能だからである。
【0028】
また、何らかの原因でソレノイドの動きが悪くなった場合には、ソレノイドを流れる電流は、最初の立ち上がりの部分のみに変化が現れ、電流値自体は正常の場合と変わらない値を示すので、異常を検出することが難しくなる。
【0029】
さらに、特許文献1,2の何れにおいても、ソレノイドを駆動する駆動回路が故障した場合には、故障の原因がソレノイドなのか駆動回路なのかを判別することができない重大な欠点がある。
【0030】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ソレノイドなどの電磁弁を利用した駆動回路を備えた装置において、より確実に故障を検知することのできる故障診断方法を実施する故障診断システムを提供することを目的とする。
【0031】
より具体的には、複写機やプリンタなどで使われているオン/オフ動作のような一定入力時のソレノイドの動作や正常な動きでない場合においても、異常な状態を確実に検出することのできる手法を提供することを第1の目的とする。
【0032】
また、本発明は、故障の原因が、ソレノイドそのものにあるのか、ソレノイドを駆動する回路にあるのかを切り分けることのできる手法を提供することを第2の目的とする。
【0035】
本発明に係る故障診断装置は、電磁弁の動作状態を示す動作信号を検出する動作信号検出部と、動作信号検出部により検出された動作信号に基づいて電磁弁の動作状態の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、正常動作時における特徴量抽出部により抽出された特徴量を記憶する記憶部と、特徴量抽出部により抽出された実働状態の電磁弁の特徴量と記憶部に記憶した正常動作時における特徴量とを比較することで電磁弁に関わる故障の有無を判定する比較判定部とを備えるものとした。
【0036】
ここで、第1の仕組みとして、動作信号検出部は、電磁弁を駆動する電流信号を当該電磁弁の動作状態を示す動作信号として検出するものであり、特徴量抽出部は、動作信号検出部により動作信号として検出された電流信号における立ち上がり部分を示すある一定の時間の積分値または平均値を特徴量として抽出するものであるのがよい。
【0037】
また、第2の仕組みとして、特徴量抽出部は、動作信号検出部が検出した動作信号から少なくとも1つ以上の周波数スペクトル成分を特徴量として抽出するものであるのがよい。比較判定部は、特徴量抽出部が抽出した周波数スペクトル成分と正常動作している動作信号で決まる周波数との比較に基づき電磁弁に関わる故障の有無および故障状態を判定するものであるのがよい。
【0038】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る故障診断システムのさらなる有利な具体例を規定する。
【0039】
なお、第1および第2の仕組みを組み合わせたシステムも、本発明に係る故障診断システムとして成立する。
【0040】
【作用】
上記故障診断システムにおいては、電磁弁や駆動回路が正常に動作しているときの特徴量を抽出し、これを所定の記憶部に記憶しておく。そして、実働状態においては、特徴量を抽出しながら事前に抽出し記憶部に記憶しておいた特徴量と比較することで故障の有無を判定する。
【0041】
ここで、第1の仕組みでは、電磁弁を駆動する電流信号を当該電磁弁の動作状態を示す動作信号として動作信号検出部により検出し、特徴量抽出部は、動作信号検出部により動作信号として検出された電流信号における立ち上がり部分を示すある一定の時間の積分値または平均値を特徴量として抽出する。第2の仕組みでは、特徴量抽出部は、動作信号検出部が検出した動作信号から少なくとも1つ以上の周波数スペクトル成分を特徴量として抽出し、比較判定部は、特徴量抽出部が抽出した周波数スペクトル成分と正常動作している動作信号で決まる周波数との比較に基づき電磁弁に関わる故障の有無および故障状態を判定する。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明に係る故障診断システムの第1実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の故障診断システム1は、回路部材として、電磁弁を利用したソレノイド22と、このソレノイド22を駆動する駆動回路24と、これら回路部材の故障の有無を診断する機能部分としての故障診断部40とを備えている。
【0044】
ソレノイド22は、図示しないプランジャ(後述する第2実施形態と図5を参照)を移動させるように構成されており、ソレノイド22を構成するコイルに電流を流すことによって発生する電磁力を利用してプランジャを移動させ、それに伴いプランジャと機械的に連結した物体を移動させるようになっている。
【0045】
故障診断部40は、ソレノイド22(詳しくはソレノイド22のコイル)に流れる電流を検知するための電流検出素子の一例である電流検出抵抗42と、電流検出抵抗42の両端電圧に基づいてソレノイド22に流れる電流を検出する電流検出部44と、電流検出部44により検出された電流成分の特徴を抽出する特徴量抽出部46とを備える。電流検出抵抗42と電流検出部44とにより、ソレノイド22の動作状態を示す動作信号を検出する動作信号検出部41の一例が構成される。
【0046】
ソレノイド22(詳しくはソレノイド22を構成するコイル)の一方の端子は電源Vccに接続されており、その他方の端子に電流検出抵抗42の一方の端子が接続され、電流検出抵抗42の他方の端子が駆動回路24の出力に接続されている。つまり、ソレノイド22を構成するコイル、電流検出抵抗42、および駆動回路24が、電源Vccとグランドとの間に、直列に接続されている。
【0047】
電流検出抵抗42の抵抗値は、電力を有効に利用するために、ソレノイド22の直流抵抗に比較してかなり小さく設定することが好ましい。たとえば1/100程度にするとよい。
【0048】
ソレノイド22には、このソレノイド22の逆起電力を吸収するためのダイオード48が並列に接続されている。なお、ダイオード48を並列接続する代わりに、あるいはダイオード48を並列接続するとともに、ソレノイド22に直列に過剰電流保護のためのサーマルフューズを入れるようにしてもよい。
【0049】
駆動回路24としては、図に示すように、NPN型のトランジスタが使用されており、そのコレクタ端子が駆動回路24の出力とされ、エミッタ端子がグランドに接続されている。駆動回路24の入力であるベース端子には、後述する制御部58からコントロール信号が入力されるようになっており、ベース端子に“H”に入力されることで、駆動回路24のトランジスタがオンし、ソレノイド22には、電流検出抵抗42および駆動回路24のトランジスタを介して駆動電流が流れるようになっている。
【0050】
ソレノイド22を流れる電流により、電流検出抵抗42の両端には電圧信号が発生し、電流検出部44により、ソレノイド電流に比例した電圧の検出が行なわれる。これにより、電流検出部44は、電流検出抵抗42の両端に生じた電圧信号に基づいてソレノイド22に流れる電流信号を検出することができる。電流検出部44としては、具体的な例の1つとして、一般に広く使われている差動型演算増幅器が使用される。
【0051】
なお、図示しないが、特徴量抽出部46内には、電流検出部44から出力されたアナログ電圧をデジタルデータに変換するA/D(Analog to Digital )変換部が設けられている。
【0052】
電流検出部44を出た信号は、特徴量抽出部46に入り、特徴量の抽出が行なわれる。特徴量抽出部46には、ソレノイド動作をオン/オフするコントロール信号が入力されており、特徴量抽出部46は、このコントロール信号を特徴量の抽出に利用する。
【0053】
また、故障診断システム1は、特徴量抽出部46の後段に、切替スイッチ50と、正常時に特徴量抽出部46により抽出された特徴量を期待値として記憶する半導体メモリなどの記憶部52と、記憶部52に記憶された期待値と実働状態にて特徴量抽出部46により抽出された特徴量とを比較して故障の有無を判定する比較判定部54と、故障が検知されたときに警報を発する警報表示部56と、故障診断システム1の全体を制御する制御部58とを備えている。
【0054】
コントロール信号を特徴量の抽出に利用することで、コントロール信号に基づいてソレノイド22の動作タイミングに連動されたデータを収集することができ、データ数低減を図ることと、その後の比較判定部54での処理を簡単にすることができる。
【0055】
上記構成の故障診断システム1においては、最初に、正常動作時にソレノイド22に流れる電流の特徴量を特徴量抽出部46にて抽出し、切替スイッチ50をA側にして記憶部52に格納させる。この第1実施形態の構成では、特徴量抽出部46は、正常動作時における特徴量抽出のため、正常に動作している際のソレノイド22に流れる電流信号をソレノイド動作信号として用いる。
【0056】
具体的には、電流検出抵抗42および駆動回路24を介してソレノイド22に電流が流れることで、電流検出抵抗42の両端に電圧が発生する。電流検出部44は、図示しない増幅器で、この電圧信号を所定レベルに増幅した後、特徴量抽出部46に入力する。この電圧信号は、図示しないA/D変換部によってデジタルデータに変換される。
【0057】
次に、故障診断部40の動作の詳細について説明する。最初に、ソレノイド22の駆動と動作信号の検出について説明する。第1実施形態では、ソレノイド22の動作信号として、ソレノイド22を流れる電流を用いる。たとえば、制御部58は、正常動作時に、ソレノイド22に流れる電流成分を示す電圧信号を電流検出部44にて取り込み、特徴量抽出部46にてその特徴を抽出した後、記憶部52に記憶させておく。
【0058】
このため、ソレノイド22を動作させるためのコントロール信号が制御部58から駆動回路24に印加される。この信号は、通常、デジタル信号が使われる。本例では、矩形状の電圧である。この電圧が印加されると、電流検出部44のトランジスタが導通し、ソレノイド22に電流が流れる。このとき、電流値は、ソレノイド22にかかる電圧Vccとソレノイド22の直流抵抗、電流検出抵抗42、駆動回路24の飽和電圧などによって決まる。
【0059】
なお、1回の測定で得られた電流成分をもとに特徴抽出を行なって期待値としてもよいが、精度の観点からは望ましくない。精度向上のためには、複数回(たとえば100回程度)検知した平均的なデータを正常動作信号として、その複数の正常動作信号に基づいて特徴量を抽出するのがよい。なお、特徴量抽出についての詳細は後述する。
【0060】
次に、比較判定部54は、実際に回路を動作させて、ソレノイド22に流れる電流成分を示す特徴量を常時取り込みながら、制御部99の指示に従い、記憶部52に記憶しておいた正常時の特徴量と常時取り込んでいる実働時の特徴量とを常に比較し、特徴量に差が生じたときに、ソレノイド22や駆動回路24に故障が生じていると判定する。そして、故障を検知した際には、警報表示部56で警報(アラーム)を発するか故障内容を通知するようにする。警報表示部56は、故障診断部40を有する装置の内部に設けてもよいし、故障診断部40が診断対象装置から遠くに離れた場所にある場合などは、電話回線やインターネットを介して装置の状態を集中管理する場所に設置して、そこで警報を発するようにしてもよい。
【0061】
図2は、電流検出部44の出力波形の一例を示す。この出力波形は、ソレノイド22の電流波形に相当する。ここで、図2(A)および図2(B)は、ソレノイド22や駆動回路24が正常状態における一例を示す。また、図2(C)〜図2(F)は、ソレノイド22や駆動回路24が異常状態における一例を示す。なお、図2(B)〜図2(F)は、図2(A)における立ち上がり部分を拡大した図である。図2の例は、吸引型のソレノイドの例であるが、他のタイプのソレノイドも基本的動作はほとんど同じである。
【0062】
図2(A)および図2(B)において、立ち上がり部分のコブ状の突起部分は、吸引型のソレノイド22を使用した場合において、正常なプランジャの動きによるもので、プランジャによる運動エネルギの消費を表している。すなわち、出力波形の立ち上がり部分に小さなコブ状の突起が見られるが、これは、ソレノイド22の機械的動作と密接に関係しており、プランジャの動きを表している。
【0063】
ソレノイド22に通電され電流が流れると、ソレノイド22で磁界が発生される。この磁界によって、プランジャを磁化し吸引力を発生する。この吸引力は、プランジャを移動させる。つまり、ソレノイド22に流れる電流は、磁界エネルギと運動エネルギの生成に使われている。
【0064】
したがって、何らかの原因で、プランジャが大きく移動した場合は、図2(C)のように、電流波形の突起部分は大きくなり、プランジャの移動が小さい場合は、図2(D)に示すように、突起部分も小さくなる。また、プランジャが全く移動しない場合は、図2(E)に示すように、電流波形の突起部分はなくなる。
【0065】
また、プランジャが抜け落ちて、ソレノイド22の中に何もない場合は、プランジャを磁化する必要がないので急速に電流波形が立ち上がる。ただし、コイルのインピーダンス成分で多少波形が鈍る。
【0066】
また、図示しないが、ソレノイド22が断線している場合は、全く電流自体が検出できない。短絡している場合も、電流が急速に流れる(プランジャが抜け落ちた場合の電流波形より急速に立ち上がる)。
【0067】
また、何らかの原因で、プランジャが引っかかって滑らかに動かない場合には、図2(F)に示すような電流波形になる。電流波形の立ち上がり部分の突起は大きく変化しており、図2(B)に示したような正常なプランジャの動きによる電流波形とかなり異なる。
【0068】
以上のように、動作信号検出部41にて検出したソレノイド22の動作状態を示す電流波形は、ソレノイド22の動作状態によって異なる。すなわち、ソレノイド22や駆動回路24あるいはソレノイド22により移動されるプランジャが正常に動作している場合の波形図と、動きが正常でない状態の波形とは異なることが分かる。したがって、このような波形の違いの特徴を比較することで、故障の有無や故障状態を判定することができる。
【0069】
図3は、特徴量抽出部46の構成例を示すブロック図である。先ず、図3(A)に示す第1例においては、特徴量抽出部46は、電流検出部44からのアナログの電圧信号をデジタル信号に変換するA/D変換部62と、動作信号波形の積分値を特徴量として抽出する積分処理部64とを備えている。この第1例の積分処理部64に代えて、動作信号波形の平均値を特徴量とする平均値処理部を設けてもよい。
【0070】
ソレノイド22が異常な動作をしている場合、既に述べたように、プランジャの移動状態が異なるため、動作信号の面積が異なる。したがって、動作信号の波形を積分処理部64にて積分し、その積分値を特徴量として取り扱い、正常な動作信号時の積分値と比較することで、正常か否かを判定することができる。また、積分値の代わりに平均値を用いても同じ結果が得られる。
【0071】
積分する期間は、駆動回路24に入力されるコントロール信号を利用するとよい。コントロール信号が出力されている時間の間、積分を実行してもよいが、異常を示す特徴的な波形は、動作信号の立ち上がり部分にあるので、コントロール信号で積分開始を決め、立ち上がりを示すある一定の時間、たとえば約40〜50ms程度積分すると、処理時間の短縮につながる。
【0072】
この第1例の特徴量抽出部46を使用した場合における比較判定部54においては、以下のようにして、故障の有無や故障の状態を判定する。記憶部52には、予めソレノイド22の正常動作時の特徴量(本例では、積分値若しくは平均値)を格納する。たとえば、図1の切替スイッチ50をA側に接続して、コントロール信号を起点に、正常動作時の信号を特徴量抽出部46にてある一定の時間積分し、その値を特徴量として記憶部52に記憶する。測定は、前述したように、複数回(たとえば100回)行ない、その平均値を積分値として記憶する。
【0073】
また、正常動作の範囲を示す値として、正常動作許容範囲を閾値±3σ(σは標準偏差)とする。正常動作許容範囲は、たとえば平均値の±10%のように決定してもよい。これは、ソレノイド22自体の信頼性に従って決定すればよい。正常動作許容範囲の値も、記憶部52に格納する。
【0074】
次に、異常検査時には、図1の切替スイッチ50をB側に接続して、コントロール信号を起点に、検査対象となるソレノイド22の動作信号をある一定の時間特徴量抽出部46にて積分して、その値を特徴量とする。
【0075】
比較判定部54は、異常検査時の特徴量が、記憶部52に格納されている正常動作許容範囲(閾値±3σ)内に入っているかどうかを比較し、その範囲に入っていれば、正常動作、許容範囲外であれば、異常動作と判定する。
【0076】
また、図2(B)〜図2(F)に示したように、異常状態の違いによって波形が異なるので、積分値や平均値も異なる。よって、予め実際に異常なソレノイド22からの積分値や平均値を求め、正常動作許容範囲との差を調べておき、実働状態の積分値や平均値と比較することで、異常であっても、どのような状態なのかを判定することができる。
【0077】
たとえば、積分値が正常時よりかなり大きい場合は、ソレノイド電流が極めて大きくソレノイド22が短絡していると判定することができる。逆に、積分値が正常時より小さい場合は、ソレノイド電流が極めて小さくソレノイド22が断線していると判定することができる。また、積分値が、正常時に近いものの正常動作許容範囲外となる場合には、プランジャの動きが悪いなど異常の状態にあると判定することができる。
【0078】
なお、上記説明は、動作信号をアナログ的に処理する場合についてのものであるが、動作信号波形をサンプリングして、そのサンプリング値を積算あるいは平均しても、上述と同様の効果が得られる。
【0079】
また、図3(B)に示す第2例においては、特徴量抽出部46は、電流検出部44からのアナログの電圧信号をデジタル信号に変換するA/D変換部62と、取得された動作信号波形をデジタル的にフーリエ変換することで、信号成分に含まれる周波数成分を解析する周波数解析部66とを備えている。
【0080】
この第3例の構成では、特徴量抽出部46の周波数解析部66は、ソレノイド22の動作信号波形の周波数スペクトラム(周波数)を特徴量として抽出する。たとえば、周波数解析部66は、動作信号波形に含まれる基本周波数成分や、その高調波成分とを抽出する。なお、周波数解析部66が抽出する周波数は1つでもよい。また複数であってもよい。
【0081】
この第2例の特徴量抽出部46を使用した場合における比較判定部54においては、以下のようにして、故障の有無や故障の状態を判定する。図2(B)〜図2(F)に示したように、異常状態の違いによって波形が異なるので、その周波数成分も異なる。よって、正常動作時の周波数スペクトルを取得しておき、実働状態の周波数スペクトルと比較することで、異常の有無や異常の状態を判定することができる。
【0082】
たとえば、特徴量抽出部46が抽出する周波数スペクトルが1つの場合は、比較判定部54は、正常動作している動作信号で決まる基本周波数と実働状態の基本周波数の比較から、正常か否かや異常状態を判定する。また、複数の周波数を特徴量とする場合も、正常動作している動作信号で決まる複数の周波数と、実働状態の複数の周波数スペクトルの比較から、正常か否かや異常状態を判定する。周波数スペクトルが複数の方が、きめ細かに比較することができるので、異常状態の判定に有利である。
【0083】
また、図3(C)に示す第3例においては、特徴量抽出部46は、電流検出部44からのアナログの電圧信号をデジタル信号に変換するA/D変換部62と、動作信号波形のサンプリング値を特徴量として抽出するサンプリング部68とを備えている。この第3例の構成では、サンプリング値は、動作信号波形全体であってもよいし、波形の立ち上がり部分であってもよい。望ましくは、立ち上がりの部分のサンプリング値を利用する方が、記憶部52の容量を有効に利用することができる。
【0084】
サンプリングの開始タイミングは、積分値を特徴量とする場合と同様に、コントロール信号を利用するとよい。サンプリング値は、1つの値であっても原理的にはよいが、複数(たとえば20〜50個程度)のほうが、異常動作の検出精度が向上する。
【0085】
この第3例の特徴量抽出部46を使用した場合における比較判定部54においては、以下のようにして、故障の有無や故障の状態を判定する。第3例のサンプリング部68により、複数の特徴量を抽出することができる。そこで、比較判定部54は、抽出された複数の特徴量をベクトルとして扱う。
【0086】
特徴量抽出部46は、予めソレノイド22の正常動作時の基準となる特徴量ベクトルを記憶部52に格納する。具体的には、図1の切替スイッチ50をA側に接続して、コントロール信号を起点に、正常動作時の信号をある一定の時間サンプリングし、その複数の値を要素に持つベクトルを特徴量ベクトルとする。
【0087】
基準となる特徴量ベクトルは、複数回の測定得られる特徴量ベクトルの平均ベクトルである。基準となる特徴量ベクトルと複数回の測定で得られた各特徴量ベクトルとのユークリッド距離(またはその2乗)の標準偏差σを3倍を正常動作許容値とする。基準となる特徴量ベクトル同様に記憶部52に格納する。
【0088】
正常動作許容値は、任意に設定してもよいし、実際に異常なソレノイド22を使って、基準となる特徴量ベクトルとの距離を計算してその結果に基づいて正常動作許容値を決定してもよい。
【0089】
次に、異常検査時には、図1の切替スイッチ50をB側に接続して、コントロール信号を起点に、特徴量抽出部46にて、検査対象となるソレノイド22の動作信号をある一定の時間サンプリングし、その複数の値を要素に持つ特徴量ベクトルとする。
【0090】
比較判定部54は、異常検査時に測定した特徴量ベクトルと記憶部52に格納してある基準となる特徴量ベクトルとのユークリッド距離(またはその2乗)が、正常動作許容値(3σ)より小さい場合、正常動作とし、大きい場合は、異常動作と判定する。
【0091】
また、基準となる特徴量ベクトルに加えて、複数回の測定から得られる特徴量ベクトルから共分散行列を算出し、その値を記憶部52に格納してもよい。この場合、ユークリッド距離の代わりに、異常検査時の特徴量ベクトルとのマハラノビス距離(またはその2乗)を求める。比較判定部54は、その距離(またはその2乗)が正常動作許容値より小さい場合、正常動作とし、大きい場合は、異常動作と判定する。
【0092】
正常動作許容値は、同様にマハラノビス距離(またはその2乗)の標準偏差σを3倍を正常動作許容値とする。基準となる特徴量ベクトル同様に記憶部52に格納する。正常動作許容値は、任意に設定してもよいし、実際に異常なソレノイド22を使って、基準となる特徴量ベクトルとの距離を計算してその結果に基づいて正常動作許容値を決定してもよい。
【0093】
なお、第3例のように、複数の特徴量に基づいて故障の有無や故障の状態を判定する仕組みは、第2例の構成と組み合わせてもよい。この場合、周波数解析部66にて周波数解析することで得た複数の周波数スペクトラム値を要素に持つベクトルを特徴量ベクトルとする。
【0094】
図4は、本発明に係る故障診断システムの第2実施形態を示すブロック図である。第2実施形態の故障診断システム1における故障診断部40は、第1実施形態の電流検出抵抗42および電流検出部44に代えて、ソレノイド22本体の近傍の漏洩磁界を検出するためのサーチコイル72と、サーチコイル72により検知された信号に基づいてソレノイド22に流れる電流レベルを検出する漏洩磁界検出部74とを備える。すなわち、この第2実施形態の構成では、サーチコイル72と漏洩磁界検出部74とにより、ソレノイド22の動作信号を検出する動作信号検出部41の一例が構成される。
【0095】
漏洩磁界検出部74は、具体的には、入力インピーダンスが大きいボルテージホロアを使用するのがよい。なお、信号レベルが小さい場合は、非反転の演算増幅器を使ってもよい。漏洩磁界検出部74の出力信号は、特徴量抽出部46に入力され、第1実施形態と同様に、特徴量の抽出が行なわれ、その後、比較判定部54にて、異常の有無や異常状態が判定される。
【0096】
図5は、サーチコイル72の配置方法を説明する図である。サーチコイル72を用いる場合、ソレノイド22に接続された線路の近傍に設置して、ソレノイド22の電流を検出する方法も考えられるが、検出感度が悪く得策ではない。この第2実施形態では、サーチコイル72を、ソレノイド22の電流を直接検出するのではなく、それに起因する漏洩磁界の検出器として使う。
【0097】
図5に、ソレノイド22本体の近傍の漏洩磁界を検出するためのサーチコイル72の設置位置を示す。ソレノイド22を流れる電流に比例した信号を得るには、サーチコイル72の出力信号を積分する必要があるが、本実施形態の目的であるソレノイド22の動作状態の異常検出という観点から、電流に比例した信号は必ずしも必要ない。
【0098】
サーチコイル72の配置は、いろいろな配置が考えられるが、検出感度が大きいのは、図5に示すように、プランジャ23に垂直方向に巻いた場合である。この場合は、発生する漏洩磁界がサーチコイル72の中を効率よく鎖交するからである。ただし、図5に示さない配置であっても、信号レベルが異なるだけで、本質的な差はない。また、検出される信号波形は、サーチコイル72の配置によって異なり、電流波形ほどその解釈が明確ではないが、第1実施形態で説明したのと同様の処理によって、正常動作や異常動作の検出が可能である。
【0099】
図6は、サーチコイル72の出力波形の一例を示す。この出力波形は、ソレノイド22の電流に対応したものである。ここで、図6(A)は、ソレノイド22や駆動回路24が正常状態における一例を示す。また、図6(B)〜図6(D)は、ソレノイド22や駆動回路24が異常状態における一例を示す。図6の例は、吸引型のソレノイドの例であるが、他のタイプのソレノイドも基本的動作は、ほとんど同じである。
【0100】
図示する波形信号は、サーチコイル72による検出方式の特質上、ソレノイド22に流れる電流波形を微分した信号に比例している。ただし、前述の理由により、本例では、この信号を積分していないが、電流波形に比例した信号波形として得るために積分して扱っても問題ない。図6(A)では、最初に急峻に立ち上がった後、一旦レベルが下がって(図6(A)のδの部分)の、再度コブ状の信号が現れる。
【0101】
図6(B)は、ソレノイド22のプランジャ23が大きく移動した場合、図6(C)は、プランジャ23があまり移動しない場合の、サーチコイル72の出力波形を示している。図6(B)では、δの部分は、図6(A)に比べて広がっている。逆に、図6(C)に示すように、プランジャ23があまり移動しない場合では、δの部分は図6(A)に比べて狭くなっている。
【0102】
図6(D)は、図2(F)の電流波形と同じく、何らかの原因で、プランジャ23が引っかかって滑らかに動かない場合の出力波形を示している。この場合、明らかに、正常に動作しているソレノイド22のサーチコイル72の出力波形を示す図6(A)とは、全く異なる状態を示している。
【0103】
以上のように、動作信号検出部41にて検出したソレノイド22の動作状態を示すサーチコイル72の出力信号波形は、ソレノイド22の動作状態によって異なる。よって、ソレノイド22の近傍の配置したサーチコイル72の出力信号波形からソレノイド22の正常動作であるか異常動作であるかを判断することができる。
【0104】
すなわち、特徴抽出の対象となる動作信号は、ソレノイド22を流れる電流波形であっても、ソレノイド22の漏洩磁界を検出するサーチコイル72の出力波形であっても、ソレノイド22のプランジャ23の運動状態によって波形が正常な動作と異なることは同じであり、第1実施形態と全く同じ処理により、特徴量を抽出することができる。よって、第2実施形態の構成でも、故障の有無や故障状態を判定することができる。
【0105】
たとえば、特徴量抽出部46は、図3(A)〜図3(C)に示したと同様のものを使用することができる。図3(A)に示した構成とする場合、第1実施形態と同様に、積分処理部64における積分する期間は、駆動回路24に入力されるコントロール信号を利用する。なお、異常を示す特徴的な波形は、動作信号の立ち上がり部分にあるので、コントロール信号で積分開始を決め、立ち上がりを示すある一定の時間、たとえば50〜60ms程度積分すると、処理時間の短縮につながる。
【0106】
図7は、本発明に係る故障診断システムの第3実施形態を示すブロック図である。第3実施形態の故障診断システム1における故障診断部40は、第1実施形態の電流検出抵抗42に代えて、ソレノイド22と並列に分流部を構成する電流分岐用抵抗76を備えている。すなわち、この第3実施形態の構成では、電流分岐用抵抗76と電流検出部44とにより、ソレノイド22の動作信号を検出する動作信号検出部41の一例が構成される。なお、本実施形態では、電流分岐用抵抗76の一方の端子を電源Vccに接続し、その他方の端子を駆動回路24の出力である電圧監視点PSに接続している。
【0107】
従来の構成では、ソレノイド22が断線した場合、電源供給されている駆動回路24が動作しなくなり、ソレノイド22の断線であるのか駆動回路24の故障であるのかを切り分ける(峻別する)ことができなかった。
【0108】
一方、第3実施形態の構成では、駆動回路24に接続されているソレノイド22と並列に、ソレノイド22を駆動する駆動回路24の出力電流Ioをソレノイド22に供給する成分Ipと、ソレノイド22に供給しない成分Inとに分岐するための電流分岐用抵抗76を接続している。
【0109】
この構成によれば、ソレノイド22が断線しても、駆動回路24には電流分岐用抵抗76を介して電流Inが流れるようになる。その電流値Ioff は、電源電圧Vccと駆動回路24の飽和抵抗R24および電流分岐用抵抗76の抵抗値R76とにより、式(1)のように決定される。
【数1】
【0110】
また、ソレノイド22が正常である場合、駆動回路24には、電流分岐用抵抗76およびソレノイド22を介して電流が流れる。その電流値Ionは、電源電圧Vccと、ソレノイド22の直流抵抗R22、駆動回路24の飽和抵抗R24、および電流分岐用抵抗76の抵抗値R76による合成抵抗値とにより、式(2)のように決定される。
【数2】
【0111】
電流分岐用抵抗76の抵抗値は、電力を有効に利用するために、ソレノイド22の直流抵抗R22に比較して小さくかつ飽和抵抗R24に比較して大きく設定することが好ましい。たとえば電流分岐用抵抗76の抵抗値の1/10程度にするとよい。
【0112】
上記式(1),(2)より、ソレノイド22の故障時と駆動回路24の故障時とでは、駆動回路24の出力端子における信号(本例では電圧信号)の状態が異なることが分かる。よって、電圧監視点PSでの電圧値を電流検出部44が監視することで、ソレノイド22の断線であるのか駆動回路24の故障であるのかを峻別することができる。
【0113】
たとえば、ソレノイド22および駆動回路24が正常であれば、ソレノイド22に流れる電流に加えて、電流分岐用抵抗76に流れる電流が駆動回路24に流れるので、電圧監視点PSでの電圧値は中程度になる。これに対して、ソレノイド22がショートしていれば、極めて大きな電流が駆動回路24に流れるので、電圧監視点PSでの電圧値は正常時よりも上昇する。また、ソレノイド22が断線していれば、電流分岐用抵抗76を介してのみ電流が駆動回路24に流れるので、電圧監視点PSでの電圧値は比較的低くなる。
【0114】
また、駆動回路24がショート故障の場合には、電圧監視点PSでの電圧値は非常に小さくなる。また、駆動回路24がオープン故障の場合には、電流が流れないので、電圧監視点PSでの電圧値は、故障の発生箇所と状態によって、異なる。
【0115】
よって、駆動回路24の出力である電圧監視点PSの電圧値の違いを参照することで、ソレノイド22の故障と駆動回路24の故障とを切り分けることができる。これらの結果を複写機やプリンタメンテナンスに活用することができ、サービスコストの低減を図ることができる。
【0116】
なお、上記第3実施形態では、ソレノイド22を駆動する駆動回路24の出力電流をソレノイド22に供給する成分Ipと電磁弁に供給しない成分Inとに分岐する分流部の構成要素として電流分岐用抵抗76を使用したが、分流部を構成する部材は、抵抗素子に限らない。たとえば、半導体素子を利用してもかまわない。たとえば、トランジスタを電流分岐用抵抗76に代えて使用する構成が考えられる。この場合、トランジスタのエミッタ−コレクタ間を電流分岐用抵抗76に置き換えた接続構成とするとともに、トランジスタの制御入力端子であるベースに制御信号を入力する構成とすれば、制御信号の状態に応じて、トランジスタのエミッタ−コレクタ間の動作抵抗値をダイナミックに制御することができるようになる。
【0117】
電流分岐用抵抗76を使用する場合、構成が簡易であるが、その抵抗値を制御することはできないので、ソレノイド22の故障と駆動回路24の故障とを切り分けるのに都合のよい抵抗値を事前に設定する必要がある。複数の抵抗素子をスイッチで切り換えることで、抵抗値を実質的に制御する態様も考えられるが、回路が複雑になる。これに対して、トランジスタを使用しつつその動作抵抗値を制御するようにすれば、比較的簡易な構成で抵抗値を自由に設定することが可能となる。よって、動作抵抗値を制御しつつ駆動回路24の出力を判断することで、ソレノイド22の故障と駆動回路24の故障とを、より精度よく切り分けることができる。
【0118】
図8は、本発明に係る故障診断システムの第4実施形態を示すブロック図である。この第4実施形態の故障診断システム1は、第1〜第3実施形態の構成を組み合わせたものである。なお、本実施形態では、電流分岐用抵抗76の一方の端子を電源Vccに接続し、その他方の端子を駆動回路24の出力である電圧監視点PSに接続しているが、電流分岐用抵抗76の他方の端子を電流検出抵抗42とソレノイド22との接続点Pbに接続してもかまわない。
【0119】
この第4実施形態の構成では、たとえばソレノイド22が断線した場合、先述したような一連の動作信号の特徴量抽出および比較判定から、ソレノイド22の異常を判定することができる。ここで、電圧監視点PSの電圧値が“H”ならば、駆動回路24が故障していると判定することができる。この場合、駆動回路24を修理したのち、再度、ソレノイド22に対して異常検査を実施することになる。修理の後、電圧監視点PSの電圧値が“L”になったならば、駆動回路24は正常動作しており、ソレノイド22が断線していると判断することができる。
【0120】
また、電流検出抵抗42を利用した方式とサーチコイル72を利用した方式といった異なる2つの方式を使用して、ソレノイド22の動作状態を示す電流信号を検出している。このように、ソレノイド22の動作状態に応じた信号を異なる観点から取得し、それぞれの信号を総合的に判断することで、故障の有無や故障状態をより精度よく判定することができる。
【0121】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0122】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0123】
たとえば、上記実施形態では、正常動作時の特徴量抽出に、実装状態のソレノイド22の正常時における特徴量を測定することで得るようにしていたが、たとえば、評価機にて取得した正常時の特徴量を、他の装置の基準特徴量として使用するようにしてもよい。ただし、正常動作時の特徴量抽出に用いたソレノイド22と、検査対象のソレノイド22とが同じものである方が、より精度が高まる。
【0124】
また、第1実施形態では、電流検出素子として、電流検出抵抗42をソレノイド22と直列に接続していたが、この電流検出抵抗42に代えて、ホール素子や電流検出コイルを使ってもよい。
【0125】
また、特徴量抽出部46は、上述した図3(A)〜図3(C)の各構成を任意に組み合わせてもかまわない。この場合、特徴量については、特徴量が1つの場合、特徴量が複数の場合の何れでもよいし、両者を併用してもよい。すなわち、図3(A)あるいは図3(B)の構成と、図3(C)に示した構成とを組み合わせたものであってもよい。両者を併用する場合は、比較判定部54は、それぞれの判定結果の論理和に基づいて故障の有無や故障の状態を判定してもよいし、論理積に基づいて故障の有無や故障の状態を判定してもよい。
【0126】
このように、ソレノイド22の動作状態を峻別するための特徴量を異なる観点から取得し、それぞれの特徴量を総合的に判断することで、故障の有無や故障状態をより精度よく判定することができるようになる。
【0127】
また、図3(B)に示した周波数解析部66では、A/D変換部62からのデジタルデータに基づいてデジタル的に周波数解析を行なっていたが、A/D変換部62を備えない構成では、電流検出部44や漏洩磁界検出部74からのアナログの検知信号に基づいて、アナログ的に周波数解析を行なってもよい。
【0128】
また、図3(C)に示したサンプリング部68では、A/D変換部62からのデジタルデータをサンプリングすることとしていたが、A/D変換部62を備えない構成では、アナログ値をサンプルして保持・記憶するサンプルホールド回路を複数時点のそれぞれについて設けてもよい。
【0129】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、正常動作時の電磁弁の動作信号の特徴量を予め取得しておき、実働状態における電磁弁の動作信号の特徴量と比較することで、電磁弁が正常動作しているか否かや異常状態を判定するようにした。
【0130】
これにより、複写機やプリンタなどで使われているオン/オフ動作のような一定入力時でも、電磁弁の動作異常の判定が可能になる。また、短絡や断線だけでなく、プランジャの動きが悪いなど、故障の予兆も含む微妙な不具合についても判定することができるようになる。
【0131】
また、駆動回路の駆動電流を電磁弁用とそれ以外用とに分流し、実働状態においては、駆動回路の出力端子の状態を参照して、電磁弁に関わる故障の有無を判定するようにした。電磁弁の故障時と駆動回路の故障時とでは、駆動回路の出力端子の状態が異なる。これにより、電磁弁および駆動回路の何れに故障が生じているのかを特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る故障診断システムの第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】 電流検出部の出力波形の一例を示す図である。
【図3】 特徴量抽出部の構成例を示すブロック図である。
【図4】 本発明に係る故障診断システムの第2実施形態を示すブロック図である。
【図5】 第2実施形態の構成における、サーチコイルの配置方法を説明する図である。
【図6】 サーチコイルの出力波形の一例を示す図である。
【図7】 本発明に係る故障診断システムの第3実施形態を示すブロック図である。
【図8】 本発明に係る故障診断システムの第4実施形態を示すブロック図である。
【図9】 特許文献2に開示されている技術を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…故障診断システム1、22,122…ソレノイド、23…プランジャ、24,124…駆動回路、40,140…故障診断部、41…動作信号検出部、42,145…電流検出抵抗、44…電流検出部、46…特徴量抽出部、50…切替スイッチ、52…記憶部、54…比較判定部、56…警報表示部、58…制御部、62…A/D変換部、64…積分処理部、66…周波数解析部、68…サンプリング部、72…サーチコイル、74…漏洩磁界検出部、76…電流分岐用抵抗
Claims (4)
- 電磁弁を備えた装置における前記電磁弁に関わる故障の有無を診断する故障診断システムであって、
前記電磁弁の動作状態を示す動作信号を検出する動作信号検出部と、
前記動作信号検出部により検出された動作信号に基づいて、前記電磁弁の動作状態の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
正常動作時における前記特徴量抽出部により抽出された特徴量を記憶する記憶部と、
前記特徴量抽出部により抽出された実働状態の前記電磁弁の特徴量と、前記記憶部に記憶した正常動作時における特徴量とを比較することで、前記電磁弁に関わる故障の有無および故障状態を判定する比較判定部と
を備え、
前記動作信号検出部は、前記電磁弁を駆動する電流信号を当該電磁弁の動作状態を示す動作信号として検出し、
前記特徴量抽出部は、前記動作信号検出部により前記動作信号として検出された前記電流信号における立ち上がり部分を示すある一定の時間の積分値または平均値を前記特徴量として抽出する
ことを特徴とする故障診断システム。 - 電磁弁を備えた装置における前記電磁弁に関わる故障の有無を診断する故障診断システムであって、
前記電磁弁の動作状態を示す動作信号を検出する動作信号検出部と、
前記動作信号検出部により検出された動作信号に基づいて、前記電磁弁の動作状態の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
正常動作時における前記特徴量抽出部により抽出された特徴量を記憶する記憶部と、
前記特徴量抽出部により抽出された実働状態の前記電磁弁の特徴量と、前記記憶部に記憶した正常動作時における特徴量とを比較することで、前記電磁弁に関わる故障の有無および故障状態を判定する比較判定部と
を備え、
前記特徴量抽出部は、前記動作信号検出部が検出した前記動作信号から少なくとも1つ以上の周波数スペクトル成分を前記特徴量として抽出し、
前記比較判定部は、前記特徴量抽出部が抽出した前記周波数スペクトル成分と正常動作している動作信号で決まる周波数との比較に基づき前記電磁弁に関わる故障の有無および故障状態を判定する
ことを特徴とする故障診断システム。 - 前記特徴量抽出部は、前記動作信号検出部が検出した前記動作信号から複数の周波数スペクトル成分を前記特徴量として抽出し、
前記比較判定部は、前記特徴量抽出部が抽出した前記複数の周波数スペクトル成分と正常動作している動作信号で決まる複数の周波数との比較に基づき前記電磁弁に関わる故障の有無および故障状態を判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の故障診断システム。 - 前記電磁弁を駆動するための電流信号を生成する駆動回路と、
前記駆動回路が生成した前記電流信号を前記電磁弁に供給する成分と前記電磁弁に供給しない成分とに分岐する分流部とを備え、
前記比較判定部は、実働状態における前記駆動回路の出力端子における前記電流信号の状態に基づいて、前記電磁弁の異常か前記駆動回路の異常かを峻別する
ことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか1項に記載の故障診断システム。
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