JP2018205053A - ラグ天板検査装置、ペール缶製造システム、及びペール缶製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ラグ天板1の製造後、ラグ天板1における傷、打痕、異物付着、印刷不良、及びラグ2の損傷、等の不良の有無が検査員によって目視検査される。
即ち、本発明の一態様におけるラグ天板検査装置は、ペール缶の胴体へ折り曲げ可能なラグを全周に並列したラグ天板における不良を検出するラグ天板検査装置であって、回転している上記ラグ天板におけるそれぞれのラグの撮像を行う撮像装置と、上記撮像装置に対して撮像トリガを発生させるための、及び、上記ラグの間隔を判断させるための、タイミング信号を送出するレーザー装置と、上記撮像装置及び上記レーザー装置と電気的に接続され、画像処理部及びラグ欠損判断部を有する制御装置であって、上記画像処理部は、上記撮像装置から供給された上記ラグの撮像画像情報から上記ラグにおける不具合の有無を判断し、上記ラグ欠損判断部は、上記タイミング信号によって上記ラグの欠損を判断する、制御装置と、を備えたことを特徴とする。
ラグ天板検査装置101は、ラグ2を全周に並列したラグ天板1における良/不良を検査する装置である。ここでラグ天板1における不良には、ラグ2部分の不具合と、ラグ2の欠損とを含む。ラグ2部分に着目する理由は、既に説明したように、ラグ2部分がラグ天板1のプレス成型で折り曲げられて形成され、ラグ2の先端2aに対してカール加工が施され、ラグ2に隣接したパッキング材注入溝11にパッキング材5が注入されるという諸工程にラグ2が関係し不良を生じやすい箇所だからである。また、ラグ2部分の不具合には、例えば、図6に示すようなラグ2への異物30の付着、図7Aから図7Cに示すようなラグ2の変形あるいは成形失敗、ラグ2における傷32(図7B)の形成、打痕、印刷不良等が含まれる。またラグ2の欠損は、ラグ2の成形失敗に起因するが、図8に示すようにラグ2の存在を認めがたい状態が相当する。
これらの構成部分について、以下に順次説明する。
レーザー装置120は、タイミング信号を生成し送出する装置であり、レーザー光源121と信号発生部122とを有する。ここでタイミング信号とは、撮像装置110に対してシャッターを切るタイミングを指示する信号である撮像トリガを発生させるための信号であり、及び、ラグ天板1の全周におけるラグ2の間隔を判断させるための信号である。
レーザー光源121は、ラグ天板1の直径方向においてラグ2から一例として7cm程離れた位置に配置され、ラグ天板1の直径方向に沿ってラグ天板1における下記のレーザー光被照射箇所へ、例えば赤色のレーザー光を照射する。
そして以下に説明するように、本実施形態では、レーザー装置120は、レーザー光被照射箇所121aのうち、内周面11aにレーザー光が照射されたときを利用して、上記タイミング信号を生成している。
信号発生部122は、本実施形態では、レーザー光源121と、レーザー光被照射箇所121aに含まれる内周面11aとの間の距離情報を求めて、上記タイミング信号を生成し送出する部分であり、レーザー光被照射箇所121aで反射したレーザー光を受光する受光部122aを有する。
判断されたオン及びオフを基に、信号発生部122は、オンからオフへの変化に応じて、第1のタイミング信号としての撮像トリガを生成し、本実施形態では制御装置130へ送出する。尚、撮像トリガは、撮像装置110へ直接に供給してもよい。
またこの場合には、信号発生部122は、距離情報ではなく、例えばレーザー光の受光量を基に、上述の撮像トリガ及びオン時間123を生成してもよい。
撮像装置110は、回転しているラグ天板1におけるそれぞれのラグ2の撮像を、レーザー装置120から上述の撮像トリガの供給に従って行う装置であり、例えば500万画素程度のCCDあるいはCMOSを撮像センサを有する、カラーあるいは白黒撮像が可能なカメラ、及びその駆動装置を有する。
撮像装置110は、撮像した各画像情報を制御装置130へ送出する。
制御装置130は、撮像装置110及びレーザー装置120と電気的に接続され、基本的な構成部分として画像処理部131及びラグ欠損判断部132を備え、さらに、記憶部133及び表示部135を有することもできる。
また画像処理部131は、撮像装置110に対する撮像指示に同期したタイミングにて被撮像箇所のラグ2を含む領域に対して撮像用の照明を行うため、フラッシュ装置140に備わるLED照明を瞬間的に発光させる。このLED照明における発光量又は発光強度等の物理量は、以下に説明する不具合検出に適した物理量であり、例えばラグ天板1の表面1aの塗装色、撮像装置110の仕様、等に基づいて、当該制御装置130が求めて設定することもでき、また、予め設定されていてもよい。また、フラッシュ装置140におけるLEDの発光時間は、本実施形態では一例として1ミリ秒に設定している。また、本実施形態では2つのラグ天板検査装置101を並設していることとも関連して、LEDは瞬間的な発光としているが、例えばラグ天板検査装置101が1台のみである場合には、LEDを連続発光させてもよい。
尚、制御装置130は、良品の場合も含めて撮像を行った全てのラグ2における撮像画像情報を撮像日時情報と共に記憶部133に記録することもできる。
既に簡単に説明したように、ペール缶製造システム201は、図5に示すように、ラグ天板製造ライン210、コントローラ220、ペール缶の胴体3の製造ライン240等のペール缶の製造に関わる全ての装置を備えたシステムである。ラグ天板製造ライン210には、ラグ天板検査装置101によるラグ天板1の検査工程、及びパッキング材注入装置212によるパッキング材注入工程に対して、前段の工程及び後段の工程をそれぞれ実行する前段装置211及び後段装置213も備わる。前段装置211にはプレス成形機及びカール加工機が備わり、後段装置213には乾燥炉及び口金取付機等が備わる。
このような状態を防止するため、本実施形態のペール缶製造システム201では、コントローラ220は、それぞれのラグ天板検査装置101における各フラッシュ装置140を異なるタイミングにて発光させている。
当該ペール缶製造方法の概略は、図9に示すように、図12に示す従来のラグ天板製造方法におけるステップ3(S3)の工程中において、ラグ天板検査装置101によるラグ天板1の検査(S31)と、パッキング材注入装置212によるパッキング材注入溝11へのパッキング材5の注入との両方を実行するものである。図10も参照して以下に詳しく説明する。
尚、このようにラグ天板1の検査動作とラグ天板1の製造動作とが並行して実行されることから、当該ペール缶製造方法は、ラグ天板検査方法と読み替えることもできる。
そして、ラグ天板1の良品が判断されている状態では、ラグ天板1は、それぞれの系列から、順次、後段装置213へ移送される。
再起動によって、ペール缶製造システム201は、動作を開始し、ラグ天板1の製造が開始されると共にラグタイプペール缶10が製造されていく。
これに対して、製造途中におけるパッキング材注入工程内にラグ天板検査装置101を備えたことで、製造途中において早期に不良を検出、発見することが可能となる。よって、不必要に不良品の発生を防止することができ、品質管理上有利に作用すると共に、製品の歩留まりの向上を図ることができ、ひいては製造コスト低減にも寄与することが可能である。また、検査員における作業負担の低減にも寄与する。
また、例えば各製造ロット毎における不良品発生率の算出等も可能になり、さらなる品質管理の向上に寄与することができる。
11…パッキング材注入溝、11a…内周面、
101…ラグ天板検査装置、110…撮像装置、
120…レーザー装置、121…レーザー光源、122…信号発生部、
130…制御装置、131…画像処理部、132…ラグ欠損判断部、
133…記憶部、140…フラッシュ装置、
201…ペール缶製造システム、210…ラグ天板製造ライン、
220…コントローラ、212…パッキング材注入装置。
Claims (9)
- ペール缶の胴体(3)へ折り曲げ可能なラグ(2)を全周に並列したラグ天板(1)における不良を検出するラグ天板検査装置であって、
回転している上記ラグ天板におけるそれぞれのラグの撮像を行う撮像装置(110)と、
上記撮像装置に対して撮像トリガを発生させるための、及び、上記ラグの間隔を判断させるための、タイミング信号を送出するレーザー装置(120)と、
上記撮像装置及び上記レーザー装置と電気的に接続され、画像処理部(131)及びラグ欠損判断部(132)を有する制御装置であって、上記画像処理部は、上記撮像装置から供給された上記ラグの撮像画像情報から上記ラグにおける不具合の有無を判断し、上記ラグ欠損判断部は、上記タイミング信号によって上記ラグの欠損を判断する、制御装置(130)と、
を備えたことを特徴とするラグ天板検査装置。 - 上記レーザー装置は、レーザー光を照射するレーザー光源(121)と、当該レーザー光源とレーザー光被照射箇所との間の距離情報から上記タイミング信号を生成し送出する信号発生部(122)とを有する、請求項1に記載のラグ天板検査装置。
- 上記ラグ天板は、直径方向において上記ラグよりも中心側に位置するパッキング材注入溝(11)を全周に有し、
上記レーザー装置は、レーザー光を照射するレーザー光源(121)を有し、該レーザー光源は、レーザー光被照射箇所として上記パッキング材注入溝の内周面(11a)にレーザー光を照射する、請求項1又は2に記載のラグ天板検査装置。 - 上記画像処理部は、上記撮像画像情報内の設定領域における特定2値化データを有する画素数、及び上記設定領域における色調変化の少なくとも一方によって、上記ラグにおける不具合の有無を判断する、請求項1から3のいずれかに記載のラグ天板検査装置。
- 上記制御装置は、不具合有り及びラグ欠損有りの少なくとも一方を判断した状態において、上記撮像画像情報を日時情報と共に記憶する記憶部(133)をさらに有する、請求項1から4のいずれかに記載のラグ天板検査装置。
- ペール缶の胴体(3)へ折り曲げ可能なラグ(2)を全周に並列したラグ天板(1)の製造を行うラグ天板製造ライン(210)と、コントローラ(220)とを備えたペール缶製造システム(201)において、
上記ラグ天板製造ラインは、
上記ラグ天板の直径方向において上記ラグよりも中心側に位置し全周に設けたパッキング材注入溝(11)に、上記ラグ天板を回転させながらパッキング材を注入するパッキング材注入装置(212)と、
上記パッキング材注入装置に隣接して配置した、請求項1から5のいずれかに記載のラグ天板検査装置(101)と、
を有し、ここで当該ラグ天板検査装置は、上記ラグ天板におけるそれぞれのラグを撮像装置が撮像するタイミングにて撮像用の発光を行うフラッシュ装置(140)、及び、当該ラグ天板検査装置の動作制御を行う制御装置(130)を有する、
上記制御装置あるいは上記コントローラは、上記パッキング材注入装置による上記ラグ天板の回転工程中に、上記ラグ天板検査装置における撮像装置に対してラグの撮像を指示し、
上記ラグ天板製造ラインが複数の上記パッキング材注入装置及び上記ラグ天板検査装置の組を有する形態では、
上記コントローラは、それぞれの上記フラッシュ装置に対して発光タイミングを各組間で異ならせて指示する、
ことを特徴とするペール缶製造システム。 - ペール缶の胴体(3)へ折り曲げ可能なラグ(2)を全周に並列したラグ天板(1)における不良を検出するラグ天板検査装置(101)を備えたペール缶製造システム(201)にて実行されるペール缶製造方法であって、
上記ラグ天板の直径方向において上記ラグよりも中心側に位置し全周に設けたパッキング材注入溝(11)へパッキング材注入装置(212)によってパッキング材を注入するため上記ラグ天板を回転させている工程中に、当該ラグ天板のそれぞれのラグを上記ラグ天板検査装置に備わる撮像装置(110)で撮像し、
撮像したラグの画像情報から上記ラグにおける不具合の有無、及び、回転しているラグ天板の上記ラグへのレーザー光照射からラグの欠損の有無を、上記ラグ天板検査装置に備わる制御装置(130)によって判断する、
ことを特徴とするペール缶製造方法。 - 上記ラグ天板検査装置は、上記ラグ天板におけるそれぞれのラグを撮像するタイミングにて撮像用の発光を行うフラッシュ装置(140)を有し、かつ、複数台の上記ラグ天板検査装置が隣接して配置されている形態では、
それぞれのラグ天板検査装置における各フラッシュ装置は、上記制御装置によって異なるタイミングで発光する、請求項7に記載のペール缶製造方法。 - ラグにおける不具合有り及びラグ欠損有りの少なくとも一方を制御装置が判断したときには、上記制御装置によって上記ラグ天板の製造は一時停止し、かつ撮像したラグの画像情報を日時情報と共に記憶する、請求項7又は8に記載のペール缶製造方法。
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