JP2018204997A - Pesi探針用ハンドリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】探針ホルダに探針を着脱する作業を行う際における探針の把持性を向上し、探針の落下を防止する。【解決手段】基端側で接続された弾性を有する一対のアーム11、12の先端に、対向する面に断面略V字に切れ込んだ溝部15a、16aが形成された把持部15、16を設ける。溝部15a、16aの溝幅は探針の基部106bの外径よりも大きく、探針の基部106bの一部は溝部15a、16aに嵌り、その溝部15a、16aの内壁面と基部106bの外周面とが複数箇所で接触する。これにより、作業者が一対のアーム11、12に閉じるように力を加えて探針の基部106bを挟持すると、該基部106bは溝部15a、16aによって確実に把持される。また、アーム係止部14をアーム先端側にスライド移動させると、アーム11、12の開き量が制限されるため、作業者が手の力を弛めても把持した探針を落下させることがない。【選択図】図3

Description

本発明は、探針エレクトロスプレーイオン化(PESI=Probe ElectroSpray Ionization)法によるイオン源を搭載した質量分析装置において、PESIイオン源に使用される探針を装着したり取り外したりするために用いられるPESI探針用ハンドリング装置に関する。
質量分析装置において測定対象である試料中の成分をイオン化するイオン化法としては、従来、様々な方法が提案され、また実用に供されている。大気圧雰囲気中でイオン化を行うイオン化法としてはエレクトロスプレーイオン化(ESI)法がよく知られているが、このESIを利用したイオン化法の一つとして近年注目を集めているものとしてPESI法がある。
PESI法は比較的新しいイオン化法であり、特許文献1、非特許文献1等に開示されているように、PESIイオン源は、先端の径が数百ナノメートル程度である導電性の探針と、該探針の先端に試料を付着させるべく該探針又は試料の少なくとも一方を移動させる変位部と、探針の先端に試料が採取された状態で該探針に高電圧を印加する高電圧発生部と、を含む。測定時には、変位部により探針又は試料の少なくとも一方を移動させ、該探針の先端を試料に接触させ又は僅かに刺入させ、探針の先端表面に微量の試料を付着させる。そのあと、変位部により探針を試料から離脱させ、高電圧発生部から探針に高電圧を印加する。すると、探針先端に付着している試料に強い電場が作用し、エレクトロスプレー現象が生起されて試料中の成分分子が離脱しながらイオン化する。
上記PESIイオン源では、一つの試料を測定すると探針の先端に試料が付着する。そのため、コンタミネーションを避けるには、1回の測定毎に探針を交換するか、或いは、探針先端を洗浄する必要がある。ただし、洗浄によっても完全にコンタミネーションが避けられるとは限らないため、一般的には、探針はディスポーザブルであって、試料毎に探針が交換される。探針としては一般に、鍼灸用の金属針が有用である。図2は、PESIイオン源に利用される一般的な探針の外形形状を示す外観平面図である。探針106は、略円柱形状である基部(一般には「針柄」と呼ばれる)106bにステンレス製の針部(一般には「針体」と呼ばれる)106aが取り付けられたものである。
特許文献2等に開示されているように、PESIイオン源は探針ホルダを備えており、この探針ホルダに上記探針106の基部106bを差し込むことで該探針106が探針ホルダに固定されるようになっている。測定対象である試料は多くの場合、生体試料であるため、測定に使用された探針は細菌等の微生物で汚染されているるおそれがある。そこで、探針を交換する際には、使用済みの探針に作業者が直接触れることがないように、ピンセットなどの専用の器具が用いられる。即ち、探針ホルダから使用済みの探針を取り外す際には、作業者がピンセットを使用して探針ホルダから探針を引き抜いたあと該探針を廃棄ビン等に捨てる。一方、新品の探針を探針ホルダに装着する際には、作業者がピンセットを用いてケースから1本の新品の探針を取り出し、探針ホルダの挿入孔に差し入れる。
こうした作業において、従来、次のような問題があった。即ち、探針106の基部106bは針部106aに比べれば遙かに径が大きい(2〜3mm程度)ものの、ピンセットを用いた作業性はあまり良好でない。そのため、作業者がピンセットで探針106の基部106bを挟んで探針ホルダに着脱する際に、挟んでいる手の力を緩めてしまい、探針を落下させてしまうことが少なからずあった。探針は小さいため、落下した探針がどこへいったか分からず、例えば掃除の際に作業者が汚染された探針に触れてしまうという事例が生じていた。また、上述したように、通常、探針は試料毎に交換されるため、探針の着脱作業の頻度はかなり高い。そのため、作業者が探針の着脱に手間取ると、それだけ測定のスループットが下がってしまう。特に、着脱作業に不慣れな者が作業を担当すると時間が掛かるため、作業者によって測定スループットに大きな差が生じることになる。
特開2014−44110号公報 国際特許公開第2016/027319号
竹田 扇、ほか7名、「質量分析法と統計的学習機械を組み合わせた新規がん診断支援装置の開発」、島津評論 Vol.69、No.3・4、2013年3月
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、PESIイオン源の探針ホルダに探針を着脱する作業を行う際に、探針を確実に把持して落下を防止することができるPESI探針用ハンドリング装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、PESI法によるイオン源の探針ホルダに探針を着脱する際に用いられるPESI探針用ハンドリング装置であって、
a)開閉自在である一対のアームと、
b)前記一対のアームの先端にそれぞれ設けられた、前記探針をその径方向に把持する一対の把持部と、
を備え、前記一対の把持部はそれぞれ対向する面に、前記探針の一部が嵌り、その溝断面内における溝内壁の複数の位置で前記探針に接触するような又は該溝断面内における溝内壁の少なくとも1箇所で前記探針に線状に接触するような溝部が形成されていることを特徴としている。
本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置では、一対のアームの先端に一本の探針の針柄又は針体を把持する専用の把持部が設けられている。この把持部に形成されている溝部には探針の一部が入り込み、例えばその溝断面内の複数の位置でその溝部の内壁面と探針の外面とが接触する。そのため、単なる滑り止めのための細かい鋸歯状溝等とは異なり、上記把持部の溝部は大きな把持力で以て探針を保持し得る。それにより、作業者が手作業で探針を探針ホルダに取り付ける際や探針ホルダから探針を取り外す際にも探針が落下しにくくなる。
本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置では、前記溝部の溝断面の形状は特に限定されないが、典型的には略V字形状とするとよい。
多くの場合、探針の断面は円形状であるが、その場合、前記断面略V字形状の溝部の幅は該探針の外径より大きく定められている構成とするとよい。
この構成によれば、探針の一部が確実に溝部に嵌り、V字形状に開いた一対の内壁面のそれぞれ1箇所、つまり2箇所で該内壁面と探針の外面とが接触する。それによって、一対のアームで探針を挟持する際に、該探針は一対の把持部の溝部により確実に把持される。
また本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置において、前記把持部には、前記溝部の延伸方向と直交する方向に該溝部が複数形成されている構成とするとよい。
溝部が1本のみ形成されている場合、探針を把持しようとする際に該探針に溝部の位置を合わせる必要があり、遠近感がうまくつかめないと把持が難しいことがある。それに対し、上記構成によれば、1本の探針を把持しようとする際に、該探針が複数の溝部のいずれかに嵌ればよいので、把持が容易になる。
また本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置において、前記把持部にあって前記溝部の延伸方向の幅は、前記アームの先端の幅よりも広く定められている構成とするとよい。
この構成によれば、探針の延伸方向における、溝部の内壁面と探針の外面との接触長が長くなるので、両者の間の摩擦抵抗が大きくなり、探針が脱落しにくくなる。
また本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置では、前記把持部の前記溝部の内壁面に、少なくとも該溝部の延伸方向に滑ることを防止する滑り止め加工が施されている構成としてもよい。
滑り止め加工は微小な突起や断面が細かい鋸歯形状又はV字形状などである溝を形成したものとすることができる。この構成によれば、一対の把持部により探針を把持した状態で一対のアームを閉じた状態に維持する力が若干弛んでも、探針が脱落しにくくなる。
また本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置の一実施態様では、
前記一対のアームは弾性を有し、該一対のアームは先端側とは反対側である基部側で一体化されてなるピンセット状であり、
前記一対のアームの延伸方向に沿ってスライド自在であり、該一対のアームが開く方向の開き量を制限するアーム係止部をさらに備える構成とすることができる。
この実施態様によるPESI探針用ハンドリング装置は、作業者が手で一対のアームを閉じる動作を行うピンセットである。アーム係止部がアームの基部側に移動された状態で、作業者は把持部により探針を把持する。この状態では一対のアームは十分な量だけ開く。そのあと、作業者はアーム係止部をアームの先端側にスライド移動させる。すると、アーム係止部により一対のアームの開き量が制限されるため、把持されている探針が溝部から外れて脱落するほどアームが開かない。それによって、作業者がアームを閉じる動作を行わなくても、探針が探針ホルダに確実に装着されるまで、又は探針ホルダから取り外された探針が廃棄ビン等に収容されるまで、探針を確実に把持しその脱落を防止することができる。
また本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置の他の実施態様では、前記一対のアームを開閉させる駆動部をさらに備える構成とすることができる。
上記駆動部は例えばモータ等を含むものとすることができる。この実施態様によるPESI探針用ハンドリング装置では、例えば自動的に又は作業者の指示に応じて駆動部がアームを駆動し、探針を把持する動作を行う。これにより、作業者の作業負担が大幅に軽減されるとともに、作業者の手の力の弛み等による探針の落下を回避することができる。また、探針を交換する作業の効率も向上する。
本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置によれば、作業者が手作業で探針ホルダに新品の探針を取り付けたり或いは探針ホルダから使用済みの探針を取り外して廃棄したりする作業を行う場合でも、探針を確実に把持して作業を行うことができる。それによって、探針の落下を防止することができる。また、探針交換の作業効率が向上し、PESIイオン化質量分析装置における測定効率の向上にもつながる。
本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置を用いて探針の交換作業を行う対象であるPESIイオン化質量分析装置の一例の概略構成図。 一般的な探針の外観平面図。 本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置の一実施例である探針用ピンセット10Aの外観平面図(a)、把持部の外観平面図(b)、探針の基部を把持した状態の把持部の外観平面図(c)、及び把持部の対向面の平面図(d)。 本実施例の探針用ピンセット10Aのアーム先端部の外観斜視図。 本発明の他の実施例による探針用ピンセット10Bの外観斜視図。 他の実施例による探針用ピンセット10Bにおける把持部の外観平面図(a)、探針の基部を把持した状態の把持部の外観平面図(b)、及び把持部の対向面の平面図(c)。 他の実施例による探針用ピンセット10Cにおける把持部の外観平面図(a)、及び探針の基部を把持した状態の把持部の外観平面図(b)。 他の実施例による探針用ピンセット10Dにおける把持部の外観平面図(a)、及び探針の基部を把持した状態の把持部の外観平面図(b)。 他の実施例による探針用ピンセット10Eにおける把持部の外観平面図(a)、及び探針の基部を把持した状態の把持部の外観平面図(b)。 本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置の他の実施例の概略構成図。
本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置の実施例を説明するに先立って、この装置が使用されるPESIイオン化質量分析装置の一例について概略的に説明する。
図1はPESI質量分析装置の一例の概略構成図である。
この質量分析装置は、図1に示すように、大気圧雰囲気中で試料に含まれる成分のイオン化を行うイオン化室101と高真空雰囲気中でイオンの質量分離及び検出を行う分析室104との間に、段階的に真空度が高められる複数(この例では二つ)の中間真空室102、103を備えた多段差動排気系の構成を有する。
略大気圧雰囲気であるイオン化室101内には、試料109を載置するための試料ステージ108が配置され、試料ステージ108の上方には探針ホルダ105により保持された金属性の探針106が、上下方向(Z軸方向)に延伸するように配置されている。探針106は既に説明した図2に示す形状を有する。この探針ホルダ105への探針106の装着や該探針ホルダ105からの探針106の取り外しの際に、後述する探針用ピンセットなどが使用される。
探針106が装着された探針ホルダ105はモータや減速機構等を含む探針駆動機構107により、上下方向(Z軸方向)に移動可能である。また、探針106及び探針ホルダ105は図示しないラックアンドピニオン機構等によりX軸、Y軸の二軸方向にそれぞれ手動で移動可能である。これにより、X−Y面内での探針106の位置調整が可能となっている。さらにまた、探針106には図示しない高電圧電源から最大で数kV程度の高電圧(極性切替え可能)が印加されるようになっている。
イオン化室101内と第1中間真空室102内とは細径のキャピラリ管110を通して連通しており、キャピラリ管110の両端開口の圧力差によって、イオン化室101内のガスはキャピラリ管110を通して第1中間真空室102内へと引き込まれる。第1中間真空室102内には、イオン光軸Cに沿って且つイオン光軸Cの周りに配置された複数枚の電極板から成るイオンガイド111が設けられている。また、第1中間真空室102内と第2中間真空室103内とはスキマー112の頂部に形成された小孔を通して連通している。第2中間真空室103内には、イオン光軸Cの周りに8本のロッド電極を配置したオクタポール型のイオンガイド113が設置されている。さらに分析室104内には、イオン光軸Cの周りに4本のロッド電極を配置した四重極マスフィルタ114とイオン検出器115とが配置されている。
図1に示すように、測定時には試料ステージ108上に測定対象の試料109が載置される。この状態で、探針駆動機構107により探針106が所定位置まで降下されると、該探針106の先端に微量の試料が付着する。そして、探針106が所定位置まで引き上げられた状態で該探針106に高電圧が印加されると、探針106の先端に電場が集中し、エレクトロスプレー現象によって探針106に付着している試料中の成分がイオン化される。発生したイオンは上記圧力差によってキャピラリ管110中に吸い込まれ、イオンガイド111、113によりそれぞれ形成される電場の作用で第1中間真空室102、第2中間真空室103、分析室104と順に輸送される。そして、イオンは四重極マスフィルタ114に導入され、該四重極マスフィルタ114のロッド電極に印加されている電圧に応じた質量電荷比を有するイオンのみが四重極マスフィルタ114を通り抜けイオン検出器115に到達する。イオン検出器115は到達したイオンの量に応じた検出信号を生成する。
例えば試料中の目的成分由来のイオンのみが四重極マスフィルタ114を通過するように、該四重極マスフィルタ114のロッド電極への印加電圧を設定しておくことにより、その目的成分の量に対応した検出信号を取得することができる。
なお、図1はシングルタイプの四重極型質量分析装置であるが、トリプル四重極型質量分析装置や四重極−飛行時間型(q−TOF型)質量分析装置とする場合でも、PESIイオン源の構成は全く同じである。
次に、本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置の一実施例である探針用ピンセットについて図3、図4を参照して説明する。図3(a)は本実施例の探針用ピンセット10Aの外観平面図、図3(b)は図3(a)中に一点鎖線で囲んだ部分Aに含まれる把持部の外観平面図、図3(c)は探針の基部を把持した状態の把持部の外観平面図、図3(d)は把持部の対向面の平面図である。また、図4は本実施例の探針用ピンセット10Aのアーム先端部の外観斜視図である。
図3(a)に示すように、本実施例の探針用ピンセット10Aは一般的なピンセットと同様に、弾性を有する金属製の一対のアーム11、12を有し、そのアーム11、12の基端が互いに接続されて一体である支点部13となっている。そして、その一対のアーム11、12に跨るように、各アーム11、12がそれぞれ挿通される孔が形成された樹脂製のアーム係止部14が取り付けられている。このアーム係止部14は力を加えることでアーム11、12の延伸方向(図3(a)における左右方向)にスライド自在である。また、アーム11、12の支点部13とは反対側の端部側つまり先端側には、探針106の基部106bの大きさ(径)及び形状に合わせた溝部15a、16aが形成された一対の把持部15、16が設けられている。
図3(b)、(c)に示すように、把持部15、16に形成された溝部15a、16aは対向面から略V字状に切れ込んだ断面V字形状の溝であり、その溝幅(溝部の最も広い部分の幅)L1は探針106の基部106bの外径Dよりも大きくなっている。また、その溝部15a、16aの深さ及び開き角度は、探針106の基部106bの断面の形状と大きさに応じて適宜に定められている。また、図3(d)に示すように、溝部15a、16aのV字状に開いた対向する内壁面には、その溝部15a、16aの延伸方向への滑りを防止するための細かい溝が形成されている。
作業者が探針用ピンセット10Aを用い探針ホルダ105への探針106の着脱を行う際に、作業者は対向する一対の把持部15、16の溝部15a、16aの間に1本の探針106の基部106bを挟み込むように両アーム11、12に力を加える。それにより、図3(c)に示すように、探針106の基部106bの断面の半分弱程度が溝部15a、16aにそれぞれ嵌る。また、探針106の基部106bの外周面は各溝部15a、16aの内壁面にそれぞれ2箇所で接触し、基部106b全周では図3(c)中に矢印で示す4箇所の位置で溝部15a、16aの内壁面に接触する。このとき、アーム11、12の最先端部の間の隙間dは当然、探針106の基部106bの外径Dに比べて十分に小さい。また、上述したように、溝部15a、16aの内壁面には滑り止め加工が施されている。そのため、一対の把持部15、16の間に探針106を挟持したとき、図3(c)に示すように、該探針106の基部106bは溝部15a、16aにより安定的に把持され、探針106の長手方向に脱落しにくい。
また、図3(c)に示すように一対の把持部15、16の間に探針106の基部106bを挟持した状態でアーム係止部14をアーム11、12の先端側にスライド移動させると、弾性力によアーム11、12が開いてしまうのをアーム係止部14が阻止する。そのため、作業者がアーム11、12を閉じている手の力を弛めてもアーム11、12が開かず、探針106は脱落しない。これにより、作業者が探針106を探針ホルダ105から取り外して廃棄したり新品の探針106をケースから取り出して探針ホルダ105に装着したりする際に、探針106が落下してしまうことを確実に防止することができる。また、アーム係止部14を移動させてアーム11、12が開かないようにしておけば、探針106を挟時したまま作業者が探針用ピンセット10Aを持ち直すこともできる。そのため、作業がし易くなり作業効率が向上する。
把持部15、16における溝部15a、16aの形状は様々に変形可能である。以下、図5〜図9により、探針用ピンセットの変形例について説明する。
図5は本発明の他の実施例による探針用ピンセット10Bの外観斜視図、図6(a)はこの探針用ピンセット10Bにおける把持部の外観y平面図、図6(b)は探針の基部を把持した状態の把持部の外観図、図6(c)は把持部の対向面の平面図である。
この例では、一対のアーム11、12の先端に設けられている把持部25、26に形成されている溝部の形状は図3に示した例と同じであるが、各面それぞれ、二つの溝部25a、25b、又は26a、26bがアーム11、12の延伸方向に並べて配置されている。この構成では、図6(b)中に点線(符号106’)で示すように、先端側の溝部25b、26bにより探針106の基部106bを挟持することもできるし、図6(b)中に実線(符号106)で示すように、手元側の溝部25a、26aにより探針106の基部106bを挟持することもできる。即ち、並設された二つ溝部25a、25b、又は26a、26bのいずれでも探針106の基部106bを把持することができるため、基部106bを把持しようとする際の該基部106bと溝部25a、25b、又は26a、26bとの位置合わせが容易になり、作業者が探針106の基部106bを掴めないという状況を減らすことができる。
また、図6(c)に示すように、この例では、アーム11、12の延伸方向に略直交する方向の把持部25、26の幅L2はアーム11、12の幅に比べてかなり広くなっている。そのため、溝部25a、25b、26a、26bの延伸方向に、その溝部25a、25b、26a、26bの内壁面と探針106の基部106bの周面との接触部位が長くなる。そのため、溝部25a、25b、26a、26bの内壁面と探針106の基部106bの外周面との間での摩擦抵抗が大きくなり、探針106は一層脱落しにくくなる。
図7(a)は本発明のさらに他の実施例による探針用ピンセット10Cにおける把持部35、36の外観平面図、図7(b)は探針106の基部106bを把持した状態の把持部35、36の外観平面図である。
この例では、溝部35a、36aは断面V字形状ではなく断面矩形状である。この溝部35a、36aの溝幅は探針106の基部106bの外径Dよりも僅かに大きく定められている。そのため、把持部35、36の間に探針106が挟持されるとき、図7(b)に示すように、探針106の基部106bは各溝部35a、36aに嵌る。また、各溝部35a、36aの内壁面の上縁部と溝底面との2箇所又は3箇所で、その内壁面と探針106の基部106bの外周面とが接触する。これによって、上記実施例の装置と同様に、探針106の基部106bは確実に把持される。
図8(a)は本発明のさらに他の実施例による探針用ピンセット10Dにおける把持部45、46の外観平面図、図8(b)は探針106の基部106bを把持した状態の把持部45、46の外観平面図である。
この例では、図8の例と同様に溝部45a、46aは断面矩形状であるが、ここではその溝幅は探針106の基部106bの外径Dよりも十分に大きい。そのため、把持部45、46の間に探針106が挟持されるとき、図8(b)に示すように、探針106の基部106bは各溝部45a、46aに嵌る。また、各溝部45a、46aの内壁面の上縁部と溝底面との2箇所で、その内壁面と探針106の基部106bの周面とが接触する。これによって、上記実施例の装置と同様に、探針106の基部106bは確実に把持される。
図9(a)は本発明のさらに他の実施例による探針用ピンセット10Eにおける把持部55、56の外観平面図、図9(b)は探針106の基部106bを把持した状態の把持部55、56の外観平面図である。
この例では、溝部55a、56aは断面部分楕円形状であるが、その溝幅は探針106の基部106bの外径Dよりも大きい。そのため、把持部45、46の間に探針106が挟持されるとき、図9(b)に示すように、探針106の基部106bは各溝部45a、56aに嵌る。また、各溝部45a、46aの内壁面と探針106の基部106bの外周面とは断面内においてその周方向に所定長さの線状に接触する。即ち、溝部45a、46aの内壁面と探針106の基部106bの周面とは或る程度の面積を有する面で接触する。これによって、上記実施例の装置と同様に、探針106の基部106bは確実に把持され、探針106は脱落しにくくなる。
もちろん、図7〜図9に示したような断面形状の溝部においても図6に示した例のように、複数の溝部を形成してもよい。また、それら溝部の内壁面には滑り止め加工を施すことが望ましい。
上記実施例はいずれも、作業者が手作業で探針106の着脱を行うためのピンセットであり、探針106の基部106bを掴むには作業者の手の力が必要であるが、本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置の形態はピンセットに限らない。具体的には、人間の手の力に依らずに開閉自在のアーム機構を利用した装置とすることができる。図10はこうしたPESI探針用ハンドリング装置の一実施例の概略構成図である。
一対のアーム61、62はモータ、減速機構などを含む駆動部63により、図中に示すように互いに近づく方向(閉方向)と遠ざかる方向(開方向)とに移動可能である。各アーム61、62の先端には、上述したいずれかの断面形状の溝部を有する把持部65、66が設けられている。図示しない制御部から駆動部63に所定の制御信号が与えられると、駆動部63は一対のアーム61、62をそれぞれ閉方向に移動させる。それにより、一対の把持部65、66の間に探針106の基部106bを把持することができる。さらに、例えば、図示しないロボットアームの先端に上記駆動部63やアーム61、62などを取り付けることで、探針ホルダ105への探針106の装着や探針の取り外しを自動的に行う装置とすることも可能である。
また、本発明に係るPESI探針用ハンドリング装置はさらに別の実施形態とすることもできる。例えば弾性アームを有するピンセット状の形態に代えて、例えば医療用に使用されている持針器のように、一対のアームがX字状に交差した形態でもよい。
また、上記実施例や変形例はいずれも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲でさらに適宜変形、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。例えば、上記実施例等の説明では、探針106の基部106bは断面円形状であったが、円形状以外の例えば多角形状の断面を有する探針を把持する構成とすることもできることは当然である。
10A、10B、10C、10D、10E…探針用ピンセット
11、12、61、62…アーム
13…支点部
14…アーム係止部
15、16、25、26、35、36、45、46、55、56、65、66…把持部
15a、16a、25a、25b、26a、26b、35a、36a、45a、46a、55a、56a…溝部
63…駆動部
101…イオン化室
102…第1中間真空室
103…第2中間真空室
104…分析室
105…探針ホルダ
106…探針
106a…針部
106b…基部
107…探針駆動機構
108…試料ステージ
109…試料
110…キャピラリ管
111、113…イオンガイド
112…スキマー
114…四重極マスフィルタ
115…イオン検出器
C…イオン光軸

Claims (8)

  1. PESI法によるイオン源の探針ホルダに探針を着脱する際に用いられるPESI探針用ハンドリング装置であって、
    a)開閉自在である一対のアームと、
    b)前記一対のアームの先端にそれぞれ設けられた、前記探針をその径方向に把持する一対の把持部と、
    を備え、前記一対の把持部はそれぞれ対向する面に、前記探針の一部が嵌り、その溝断面内における溝内壁の複数の位置で前記探針に接触するような又は該溝断面内における溝内壁の少なくとも1箇所で前記探針に線状に接触するような溝部が形成されていることを特徴とするPESI探針用ハンドリング装置。
  2. 請求項1に記載のPESI探針用ハンドリング装置であって、
    前記溝部の溝断面の形状は略V字形状であることを特徴とするPESI探針用ハンドリング装置。
  3. 請求項2に記載のPESI探針用ハンドリング装置であって、
    前記探針の断面は円形状であり、前記断面略V字形状の溝部の幅は該探針の外径より大きいことを特徴とするPESI探針用ハンドリング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のPESI探針用ハンドリング装置であって、
    前記把持部には、前記溝部の延伸方向と直交する方向に該溝部が複数形成されていることを特徴とするPESI探針用ハンドリング装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のPESI探針用ハンドリング装置であって、
    前記把持部にあって前記溝部の延伸方向の幅は、前記アームの先端の幅よりも広いことを特徴とするPESI探針用ハンドリング装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のPESI探針用ハンドリング装置であって、
    前記把持部の前記溝部の内壁面に、少なくとも該溝部の延伸方向に滑ることを防止する滑り止め加工が施されていることを特徴とするPESI探針用ハンドリング装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のPESI探針用ハンドリング装置であって、
    前記一対のアームは弾性を有し、該一対のアームは先端側とは反対側である基部側で一体化されてなるピンセット状であり、
    前記一対のアームの延伸方向に沿ってスライド自在であり、該一対のアームが開く方向の開き量を制限するアーム係止部をさらに備えることを特徴とするPESI探針用ハンドリング装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のPESI探針用ハンドリング装置であって、
    前記一対のアームを開閉させる駆動部をさらに備えることを特徴とするPESI探針用ハンドリング装置。
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