JP7056735B2 - 探針エレクトロスプレーイオン化ユニット及びイオン分析装置 - Google Patents

探針エレクトロスプレーイオン化ユニット及びイオン分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、探針エレクトロスプレーイオン化(PESI: Probe ElectroSpray Ionization)法により試料中の成分をイオン化する探針エレクトロスプレーイオン化ユニットに関する。
質量分析装置において測定対象である試料中の成分をイオン化するイオン化法として、従来、様々な方法が提案されている。大気圧雰囲気中で試料中の成分をイオン化する代表的なイオン化法として、エレクトロスプレーイオン化(ESI: ElectroSpray Ionization)法が広く用いられている。
近年、ESI法を応用したPESI法が注目を集めている(特許文献1、2参照)。PESI法で用いるイオン源(PESI源)は、液体試料が注入される孔や固体試料を載置する試料載置部が設けられたサンプルプレート、該サンプルプレートを保持するサンプルプレート保持部、該サンプルプレートにセットされた試料を採取する導電性の探針、該探針を保持する探針保持部、該探針保持部に保持された探針をサンプルプレートに近接する方向と離間する方向に移動させる探針移動機構、及び探針に電圧を印加する電圧印加部を備えている。探針保持部と探針移動機構は1つのユニット(PESIユニット)として構成される。
PESI源により試料をイオン化する際は、探針移動機構により探針を下動(サンプルプレートに近接する方向に移動)し、該探針の先端を試料に接触又は刺入させて探針の先端に試料を付着させる。そのあと、探針移動機構により探針を上動(サンプルプレートから離間する方向に移動)させて試料から離脱させ、電圧印加部から探針に電圧を印加する。これにより探針の先端に付着した試料に電場が作用してエレクトロスプレー現象が生起され、試料に含まれる成分の分子が離脱しながらイオン化する。PESI法では探針で試料を採取してそのままイオン化することができるため、試料の前処理が不要である。また、一般に、PESI源で使用される探針の先端の径は数百nm程度であることから、極微量の液体試料を採取し測定することができる。
従来、PESI源は、ESI法により液体試料をイオン化するESI源を備えた質量分析装置において、ESI源と交換して用いられている。こうした質量分析装置では、イオン化室を構成する真空チャンバに、液体試料を導入し帯電させて噴霧するためのESIプローブを取り付ける開口と、該開口に挿入されたESIプローブを固定するプローブ固定具が設けられている。また、イオン化室とその後段の真空室を区画する隔壁の手前(イオン化室の側)には、イオン通過開口を有し脱溶媒のための乾燥ガスを供給する機構が設けられたESI用のフランジが取り付けられている。
PESI源を用いる際には、真空チャンバの開口からESIプローブを取り外してPESIユニットを該開口に挿入して上記プローブ固定具で固定する。また、隔壁の手前に取り付けられているESI用のフランジを取り外して、サンプルプレート保持部が設けられたPESI用のフランジを取り付ける。
特開2014-44110号公報 国際特許公開第2016/027319号
ESI源では、液体試料が帯電液滴となりESIプローブの先端からイオン化室内に噴霧される。イオン化室は大気圧であり、その後段は真空室であることから、それらの圧力差によってイオンが真空室に引き込まれる。そのため、ESIプローブやフランジはmmレベルの位置精度で固定されていれば十分である。そこで、従来、ESIプローブやフランジの固定には操作性を重視したワンタッチ式等の固定具が用いられている。
上述のようにPESIユニットの探針の先端の径は数百nm程度であり、極微量の液体試料を測定する際には、約10μmという小さな径の孔が形成されたサンプルプレートが用いられることがある。また多くの場合、その開口は深さ方向に徐々に小さくなるテーパ状である。一方、上記の固定具による取り付け位置の精度はmmレベルである。そのため、PESIユニットとフランジを取り付けたときに探針とサンプルプレートの相対位置にμmレベルのずれが生じてサンプルプレートの孔に探針の先端を挿入できない場合がある。また、固体試料を測定する場合には探針が固体試料に差し込まれる深さにばらつきが生じ、測定の再現性が悪くなる。そのため、PESI源を使用する際には、その都度サンプルプレートに対する探針の位置を微調整しなければならず、手間がかかるという問題があった。
ここでは、PESIユニットをESIプローブと交換して取り付ける場合について説明したが、大気圧化学イオン化(APCI: Atmospheric Chemical Ionization)源やデュアルイオン源(DUIS: Dual Ion Source)等の他のイオン源のイオン化プローブと交換可能に取り付けられる場合も上記同様の問題があった。また、他のイオン源と交換する場合だけでなく、洗浄や部品交換のためにPESIイオン源を着脱する場合にも上記同様の問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、探針とサンプルプレートの相対位置を調整する必要がなく簡単に取り付け作業を行うことができる探針エレクトロスプレーイオン化ユニットを提供することである。また、そのような探針エレクトロスプレーイオン化ユニットを備えたイオン分析装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、探針を用いてサンプルプレート上にセットされた試料を採取してイオン化する用いられる探針エレクトロスプレーイオン化ユニットであって、
a) 基体と、
b) 前記基体に固定された、前記サンプルプレートを所定の位置に保持するためのサンプルプレート保持部と、
c) 前記サンプルプレート保持部に保持されるサンプルプレートに近接する方向と離間する方向である一軸方向の移動を許容し、その他の方向の移動を規制するように前記基体に取り付けられた、前記探針を保持する探針保持部と、
d) 前記探針保持部を前記一軸方向に移動させる探針移動機構と、
e) 前記探針保持部に保持された探針に電圧を印加する電圧印加部と
を備えることを特徴とする。
本発明に係る探針エレクトロスプレーイオン化ユニットでは、サンプルプレートを保持するサンプルプレート保持部が基体に固定されている。また、探針を保持する探針保持部がサンプルプレート保持部に保持されるサンプルプレートに近接・離間する一軸方向の移動のみが許容された状態で同じ基体に取り付けられている。従来のPESI源では、サンプルプレート保持部と探針保持部を、それぞれ別の固定具により互いに異なる場所に取り付けていたため、取り付ける毎に両者の相対位置が変化していた。これに対し、本発明に係る探針エレクトロスプレーイオン化ユニットは、サンプルプレート保持部が基体に固定され、探針保持部が上記一軸方向以外の方向の移動を規制された状態で同じ基体に取り付けられていることから、該ユニットを着脱する際に前記一軸方向以外の方向におけるサンプルプレート保持部と探針保持部の相対的な位置関係が変化することがない。従って、探針とサンプルプレートを取り付ける際、従来のように一軸方向以外の方向におけるサンプルプレートに対する探針の位置を微調整する必要がなく、簡単に取り付け作業を行うことができる。なお、前記一軸方向は試料採取動作の方向であり、該一軸方向の微調整が必要な場合は採取動作時に適宜に調整すればよい。
本発明に係る探針エレクトロスプレーイオン化ユニットでは、前記電圧印加部も前記基材に固定されていることが好ましい。従来、質量分析装置の制御ユニット等に電圧印加部が設けられており、探針保持部に取り付けた探針に電圧を印加するための配線等が必要であった。これに対し、上記態様の探針エレクトロスプレーイオン化ユニットを用いるとそのような配線が不要になり構成を簡素化することができる。
本発明に係るイオン分析装置は、上記のような探針エレクトロスプレーイオン化ユニットを備えることを特徴とする。このイオン分析装置は典型的には質量分析装置であるが、イオン移動度分析装置等の他のイオン分析装置であってもよい。
本発明に係る探針エレクトロスプレーイオン化ユニットを用いることにより、探針とサンプルプレートの相対位置を調整する必要がなく簡単に取り付け作業を行うことができる。
本発明に係るイオン分析装置の一実施例である質量分析装置の概略構成図。 本実施例において用いられるサンプルプレートの例。 本発明に係る探針エレクトロスプレーイオン化ユニットの一実施例の筐体内部の概略構成図。 本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニットの筐体内部の部分拡大断面図。 本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニットの筐体について説明する図。 本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニットを質量分析装置の本体に取り付けた状態を示す図。 固体試料の測定に用いられるサンプルプレートの例。
本発明に係る探針エレクトロスプレーイオン化(PESI: Probe ElectroSpray Ionization)ユニットの一実施例、及び本発明に係る探針エレクトロスプレーイオン化ユニットを備えたイオン分析装置の一実施例である質量分析装置について、以下、図面を参照して説明する。
図1に、本実施例の質量分析装置1の概略構成を示す。この質量分析装置1は、大気圧雰囲気中で試料に含まれる成分のイオン化を行うイオン化室101と高真空雰囲気中でイオンの質量分離及び検出を行う分析室104との間に、段階的に真空度が高められた複数(本実施例の質量分析装置では二つ)の中間真空室(第1中間真空室102、第2中間真空室103)を備えた多段差動排気系の構成を有する。
略大気圧雰囲気であるイオン化室101内には、サンプルプレートホルダ108が配置され、サンプルプレートホルダ108の上方には探針装着部105を備えた移動体本体107が配置されている。サンプルプレートホルダ108にはサンプルプレート109が保持され、探針装着部105には導電性(本実施例では金属製)の探針106が装着される。本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10が質量分析装置1の本体に取り付けられることによりイオン化室101が構成される。
移動体本体107は、後述する探針移動機構により、上下方向(Z軸方向)に移動可能であり、一方、X-Y平面内の移動は規制されている。移動体本体107の上下方向の移動に伴い、探針装着部105に装着された探針106が上下方向に移動する。また、探針106には後述する高電圧生成基板で生成された数kV程度の高電圧(PESI電圧)が印加される。PESI電圧の極性は適宜に切り替えられる。
イオン化室101と第1中間真空室102の間には隔壁が設けられており、該隔壁の手前側(イオン化室101側)にはフランジ120が取り付けられている。イオン化室101と第1中間真空室102は、フランジ120及び隔壁を貫通する細径のキャピラリ管110によって連通している。イオン化室101で生成されたイオンは、イオン化室101内の圧力と第1中間真空室102内の圧力差により、キャピラリ管110を通して第1中間真空室102内へと引き込まれる。第1中間真空室102内には、イオン光軸C(イオン飛行方向の中心軸)に沿ってその周りに配置された複数枚の電極板から成るイオンガイド111が設けられている。また、第1中間真空室102と第2中間真空室103とはスキマー112の頂部に形成された小孔を通して連通している。第2中間真空室103内には、イオン光軸Cの周りに8本のロッド電極を配置したオクタポール型のイオンガイド113が設置されている。さらに分析室104内には、イオン光軸Cの周りに4本のロッド電極を配置した四重極マスフィルタ114とイオン検出器115とが配置されている。
試料の測定時にはサンプルプレートホルダ108上に測定対象の試料を収容したサンプルプレート109が保持される。本実施例で使用するサンプルプレート109について、図2の上部に上面図を、下部に側面図を示す。このサンプルプレート109では、上面に形成された試料採取孔5(上方から下方に向かって徐々に径が小さくなるテーパ状の孔)の内部に液体試料Sが収容される。サンプルプレート109をサンプルプレートホルダ108に保持した状態で探針106を下降させ、該探針106をサンプルプレート109の試料採取孔5の内部に挿入すると、該探針106の先端に微量の液体試料Sが付着する。その後、探針106が所定位置まで引き上げて該探針106に高電圧を印加すると、探針106の先端に電場が集中し、エレクトロスプレー現象によって探針106に付着している液体試料S中の成分がイオン化される。発生したイオンは上記圧力差によってキャピラリ管110中に吸い込まれ、イオンガイド111、113によりそれぞれ形成される電場の作用で第1中間真空室102、第2中間真空室103、分析室104へと順に輸送される。そして、イオンは四重極マスフィルタ114に導入され、該四重極マスフィルタ114のロッド電極に印加されている電圧に応じた質量電荷比を有するイオンのみが四重極マスフィルタ114を通り抜けイオン検出器115に到達する。イオン検出器115は到達したイオンの量に応じた検出信号を生成する。
例えば試料中の目的成分由来のイオンのみが四重極マスフィルタ114を通過するように該四重極マスフィルタ114のロッド電極への印加電圧を設定しておくことにより、その目的成分由来である特定の質量電荷比を有するイオンを検出し、該目的成分の量に応じた大きさの検出信号を取得することができる。なお、図1はシングルタイプ四重極型質量分析装置であるが、トリプル四重極型質量分析装置や四重極-飛行時間型(q-TOF型)質量分析装置等においても、同じ構成を有するイオン化室101を用いることができる。また、質量分析装置以外のイオン分析装置(イオン移動度分析装置等)においても同様である。
次に、本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10の構成を説明する。本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10は質量分析装置本体に取り付けられる筐体を備え、その内部にサンプルプレートホルダ108等の各部を設けたものである。ここでは筐体内部の各部の構成を説明する。
図3(a)は探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10の筐体2の内部の正面図、図3(b)は筐体2の内部の側面図(図3(a)の左側から見た図)である。この探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10は、その右側に第1中間真空室102等が位置するように、質量分析装置1に取り付けて用いられる。
本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10は、ベース部材11と、該ベース部材11に立設されたハウジング部材12とを備えている。ハウジング部材12は、イオン化室101の上壁及び後壁を構成し、またフランジ120とともにイオン化室101の右壁を構成する(板状部材をベース部材11に配置し、これら板状部材を相互に固定した構成である)。ベース部材11とハウジング部材12は本発明における基材を構成している。また、ハウジング部材12の第1中間真空室102側の側面にはイオンを通過させるためのイオン通過開口18が、上面には探針移動機構を収容するための開口31が、それぞれ形成されている。
ハウジング部材12の上部には、探針移動機構を内部に収容した探針移動機構収容部材13が固定されている。探針移動機構は、探針装着部105を有する移動体本体107と、該移動体本体107の移動方向を規制する2本のガイド部材32と、該ガイド部材32を回転させる駆動源であるモータ33を有している。探針装着部105に形成された孔に探針106の基端側を差し込むことにより探針106が取り付けられる。
移動体本体107は円柱状の部材であり、その外周面にはねじ溝(雌ねじ)が形成されている。また、2本のガイド部材32の外周面には、それぞれねじ山(雄ねじ)が形成されている。ガイド部材32は探針移動機構収容部材13に形成されている開口31の内部に回転自在に取り付けられている。移動体本体107は2本のガイド部材32の間に配置されており、その外周面に形成されているねじ溝(雌ねじ)はガイド部材32のねじ山(雄ねじ)に噛合されている。これにより、移動体本体107は鉛直方向に移動可能であり、かつ水平方向の移動が規制される。モータ33を動作させてガイド部材32を回転すると、これに伴って移動体本体107が鉛直方向に移動(上下動)する。探針106を最も上動させた状態では該探針106の先端が探針移動機構収容部材13の開口31の内部に収容され、探針106を最も下動させた状態では探針106の先端がサンプルプレートホルダ108に保持されているサンプルプレート109の所定位置に達する。本実施例における所定位置は、液体試料Sが収容されたサンプルプレート109の試料採取孔5に探針106が挿入される位置である。
また、探針移動機構収容部材13の背面側には高電圧生成基板17が取り付けられている。高電圧生成基板17では所定の大きさ(数kV程度)の電圧(PESI電圧)が生成され、探針移動機構収容部材13内の配線(図示なし)を通じて探針106に印加される。なお、後述する筐体2の背面には、該筐体2を質量分析装置1の本体4に装着する際に該本体4の給電部に差し込まれる端子が設けられており、該端子を通じて質量分析装置1の電源から所要の各部(高電圧生成基板17やモータ33)に電力が供給される。
図4は、探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10のベース部材11の近傍の拡大断面図である。サンプルプレートホルダ108は、2本のサンプルプレートホルダ支持棒22(図4には1本のみ示す)と、これらのサンプルプレートホルダ支持棒22を支持する支持台21によってベース部材11に固定される。支持台21は、下部板状部材21aと上部板状部材21bとから構成されている。下部板状部材21aはベース部材11にねじ(図示なし)により固定されている。下部板状部材21aの上面にはローレットねじ23を挿入するローレットねじ挿入孔21a1が形成されている。また、上部板状部材21bにもローレットねじ23を挿入するローレットねじ挿入孔21b1が形成されている。
サンプルプレートホルダ108は、サンプルプレート109を支持する板状の支持部材108aと、サンプルプレート109を上部から押さえるとともに水平方向の位置を規定する押さえ部材108bとにより構成されている。押さえ部材108bは支持部材108aの端部に立設されたL字状の部材であり、支持部材108aと押さえ部材108bの間に、サンプルプレート109の端部が押さえ部材108bに突き当たるまで差し込むことによりサンプルプレート109が所定の位置で保持される。本実施例では、上部板状部材21b、サンプルプレートホルダ支持棒22、及びサンプルプレートホルダ108が相互に固定されている。従って、サンプルプレートホルダ108にサンプルプレート109を取り付けた状態で下部板状部材21aの上にこれらを配置し、上部板状部材21bの上方からローレットねじ挿入孔21a1、21b1にローレットねじ23を挿入することにより、ベース部材11に対して(該ベース部材11に固定されたハウジング部材12に対しても)サンプルプレートホルダ108が位置決めされる。
従来、探針エレクトロスプレーイオン源を使用する際は、探針保持部と探針移動機構を備えたユニットを真空チャンバに取り付け、これとは別にサンプルプレートホルダをフランジに取り付けていた。つまり、上記ユニットとサンプルプレートホルダがそれぞれ別の固定具により互いに異なる場所に取り付けられていた。そのため、これらを取り付ける毎に探針保持部とサンプルプレートホルダの位置関係にずれが生じやすく、これらを取り付ける毎にサンプルプレートに対する探針の位置を微調整しなければならず、手間がかかっていた。
これに対し、本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10では、基体(を構成するベース部材11)にサンプルプレートホルダ108を固定する。また、同じ基体(を構成するハウジング部材12)に、探針装着部106を有する移動体本体107が、鉛直方向への移動のみが許容された状態で取り付けられる。このように、両者が同じ基体に取り付けられていることから、探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10の着脱の際に水平方向の両者の相対的な位置関係は変化しない。従って、従来のようにサンプルプレートに対する探針の位置を微調整する必要がない。
また、従来、探針エレクトロスプレーイオン源を使用する際には、イオン化部とは別の箇所(例えば制御部内の電源)に配置された高電圧生成基板でPESI電圧を生成していたため、PESIイオン源を使用する毎にPESI電圧を探針に印加するための配線を行う必要があり手間がかかっていた。これに対し、本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10は高電圧生成基板17を含んで構成されており、該高電圧生成基板17から探針106にPESI電圧を印加するための配線も探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10内に設けられるため、従来のように配線作業を行う必要がない。
上述したとおり、本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10の各部は筐体2の内部に収容されている。図5及び図6を参照してこの筐体2について説明する。図5では太線部分が筐体2に相当する。筐体2の一側面(第1中間真空室102と反対側の側面)の下部、即ちサンプルプレートホルダ108と(下動した状態の)探針装着部105を臨む位置に扉3が設けられている。また、扉3が設けられている面と反対側の側面の下部には上述したイオン通過開口18が形成されている。これら以外の側面及び上面は閉じており、質量分析装置1の本体4に筐体2を取り付けることにより該筐体2の内部にイオン化室101が形成される。
本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10は質量分析装置1の本体4に着脱可能に取り付けられる。質量分析装置1の本体4内には図1を参照して説明した各部(イオン化室101を構成する各部を除く)が収容されている。質量分析装置1に探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10を装着した状態を図6に示す。
液体試料Sの測定を行う際には、筐体2の扉3を開き、モータ33を動作させて移動体本体107を下動させる。そして、探針106を探針装着部105に装着する。また、サンプルプレートホルダ108にサンプルプレート109をセットする。
本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10の筐体2に扉3が設けられているため、探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10を質量分析装置1の本体4に取り付けた状態のままで探針106を装着したりサンプルプレート109をセットしたりすることができる。探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10はモータ33等を備えた重量物であるため、こうした重量物を着脱することなく探針106を装着したりサンプルプレート109をセットしたりすることができることの利点は大きい。また、上部板状部材21bの上面から挿入されているローレットねじ23を緩めるだけで、サンプルプレートホルダ支持棒22及びサンプルプレートホルダ108を取り外して筐体2の外に取り出すことができるため、サンプルプレートホルダ108の洗浄等を容易に行うことができる。
本発明に係る探針エレクトロスプレーイオン化ユニットでは、該ユニットを質量分析装置1の本体4に取り付ける時点でサンプルプレートホルダ108が基体に固定され、また該基体に探針保持部105が一軸方向(試料採取動作時に探針106を移動する方向)にのみ移動可能に取り付けられていればよく、必ずしも基体に対して着脱不能に固定あるいは取り付けられている必要はない。上記実施例のように上部板状部材21b、サンプルプレートホルダ支持棒22、及びサンプルプレートホルダ108を着脱可能とすることにより、これらを筐体2の外部に取り出すことができ、サンプルプレートホルダ108へのサンプルプレート109の取り付けをより簡単に行うことができる。また、サンプルプレートホルダ108等を筐体2の外部に取り出して簡単に洗浄することができる。
本実施例の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット10が取り付けられる質量分析装置1の本体4には、他のイオン源を収容したイオン化ユニットを取り付けることもできる。例えば、探針エレクトロスプレーイオン化と同様に大気圧雰囲気で試料をイオン化するエレクトロスプレーイオン源、大気圧化学イオン源、あるいはそれら両方のイオン化法を併用して試料をイオン化するデュアルイオン源等を収容したイオン化ユニットを取り付けることができるように、筐体2の装着部の形状が各イオン化ユニットで共通化されている。
上記実施例は一例であって、本発明の主旨に沿って適宜に変更することができる。上記実施例では液体試料を収容したサンプルプレート109をサンプルプレートホルダ108に保持する構成としたが、生体試料等の固体試料Saを載置したサンプルプレート109aについても上記同様に取り付けることができる。図7(a)の上部に固体試料Sa用のサンプルプレート109aの上面図を、下部に側面図を示す。このサンプルプレート109aでは、図7(b)に側面図を示すように、上部材を開いて下部材の試料載置部に固体試料Saをセットする。そして、蓋部材を閉じ、該蓋部材に設けられているテーパ状の試料採取孔5aから溶媒を注入する。溶媒に溶解した固体試料Saを探針106で採取して測定する。
本発明に係る探針エレクトロスプレーイオン化ユニットは、サンプルプレート保持部が基体に固定され、また該サンプルプレート保持部に保持されたサンプルプレートに近接する方向と離間する方向の一軸方向にのみ探針保持部が移動可能に取り付けられていればよく、上記実施例以外の部材による構成のみには限定されない。上記実施例では相互に固定された複数の部材(ベース部材11及びハウジング部材12)により基体を構成したが、1つの部材で基体を構成してもよい。また、基体自体にサンプルプレートホルダを設けたり、基体自体にレールを形成し、該レールに沿って上記一軸方向にのみ移動体本体を移動させる等の構成を採ることもできる。
1…質量分析装置
101…イオン化室
102…第1中間真空室
103…第2中間真空室
104…分析室
10…探針エレクトロスプレーイオン化ユニット
105…探針装着部
106…探針
107…移動体本体
107…探針装着部
108…サンプルプレートホルダ
108a…支持部材
108b…押さえ部材
109、109a…サンプルプレート
5、5a…試料採取孔
S…液体試料
Sa…固体試料
110…キャピラリ管
120…フランジ
11…ベース部材
12…ハウジング部材
13…探針移動機構収容部材
17…高電圧生成基板
18…イオン通過開口
21a…下部板状部材
21b…上部板状部材
21a1、21b1…ローレットねじ挿入孔
22…サンプルプレートホルダ支持部材
23…ローレットねじ
31…開口
32…ガイド部材
33…モータ
2…筐体
3…扉
4…本体
C…イオン光軸

Claims (6)

  1. 探針を用いてサンプルプレート上にセットされた試料を採取してイオン化する用いられる探針エレクトロスプレーイオン化ユニットであって、
    イオン分析装置の本体に着脱可能に取り付けられる筐体と、
    体と、
    記基体に固定された、前記サンプルプレートを所定の位置に保持するためのサンプルプレート保持部と、
    記サンプルプレート保持部に保持されるサンプルプレートに近接する方向と離間する方向である一軸方向の移動を許容し、その他の方向の移動を規制するように前記基体に取り付けられた、前記探針を保持する探針保持部と、
    記探針保持部を前記一軸方向に移動させる探針移動機構と、
    記探針保持部に保持された探針に電圧を印加する電圧印加部と
    を備え
    前記筐体の内部に、前記基体、前記サンプルプレート保持部、前記探針保持部、及び前記探針移動機構が収容されている
    ことを特徴とする探針エレクトロスプレーイオン化ユニット。
  2. 前記電圧印加部が前記基体に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット。
  3. 前記イオン分析装置に取り付けられた状態で前記筐体の内部に閉空間形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット。
  4. 前記筐体の、前記サンプルプレート保持部を臨む位置に扉が設けられていることを特徴とする請求項に記載の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット。
  5. 前記サンプルプレート保持部が、ローレットねじを用いた固定機構により前記基体に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の探針エレクトロスプレーイオン化ユニット。
  6. 請求項1に記載の探針エレクトロスプレーイオン化ユニットを備えることを特徴とするイオン分析装置。
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