JP2018204434A - 車載発電システム - Google Patents

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暁 山中
允護 金
Yoonho Kim
允護 金
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Ichiro Murayama
一郎 村山
周永 金
Shuei Kin
周永 金
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Takanori Kato
敬典 加藤
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珠暎 金
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Tadachika Nakayama
忠親 中山
雅敏 武田
Masatoshi Takeda
雅敏 武田
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昇 山田
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Koichi Niihara
晧一 新原
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Abstract

【課題】冷却効率の向上を図ることができ、優れた発電出力を得られる車載発電システムを提供すること。【解決手段】車載発電システム1が、エンジン11と、エンジン11から排ガスを排出させるための排気管15と、排気管15内に配置され、排ガスと接触することにより電気分極する第1デバイス3と、第1デバイス3から電力を取り出すための第2デバイス4と、第1デバイス3を排気管15内に固定するための固定治具5とを備え、固定治具5は、排気管15の内側から排気管15の外側に突出している。【選択図】図1

Description

本発明は、車載発電システム、詳しくは、自動車などの車両に搭載される車載発電システムに関する。
従来、自動車エンジンなどの内燃機関や、ボイラー、空調設備などの熱交換器、発電機、モータなどの電動機関、照明などの発光装置などの各種エネルギー利用装置では、例えば、排熱、光などとして、多くの熱エネルギーが放出および損失されている。
近年、省エネルギー化の観点から、放出される熱エネルギーを回収し、エネルギー源として再利用することが要求されている。そのようなシステムとして、例えば、温度が経時的に上下する熱源と、その熱源の温度変化に応じて、ピエゾ効果、焦電効果、ゼーベック効果などにより電気分極する第1デバイス(誘電体など)と、第1デバイスから電力を取り出すため、第1デバイスを挟むように対向配置される第2デバイス(電極など)とを備える発電システムが提案されている。また、その発電システムを自動車などに積載すること、および、そのような場合に第1デバイス(誘電体など)を自動車の排ガスが供給される排気管の内部に固定し、また、排気管の外面に冷却フィンを取り付けることにより、第1デバイスの加熱および冷却を制御することが、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−138556号公報
一方、発電システムでは、第1デバイス(誘電体など)を冷却するときの冷却効率を向上させ、より高い発電出力を得ることが要求されている。
本発明は、冷却効率の向上を図ることができ、優れた発電出力を得られる車載発電システムである。
本発明[1]は、エンジンと、前記エンジンから排ガスを排出させるための排気管と、前記排気管内に配置され、排ガスと接触することにより電気分極する第1デバイスと、前記第1デバイスから電力を取り出すための第2デバイスと、前記第1デバイスを前記排気管内に固定するための固定治具とを備え、前記固定治具は、前記排気管の内側から前記排気管の外側に突出している、車載発電システムを含んでいる。
本発明の車載発電システムでは、第1デバイスを排気管内に固定するための固定治具が、排気管の内側から排気管の外側に突出している。そのため、固定治具は、排気管の内側において第1デバイスを固定するとともに、排気管の外側において外気に曝露される。
このような車載発電システムでは、第1デバイスを冷却するときには、第1デバイスに接触する固定治具が冷却フィンとして作用するため、より効率的に第1デバイスを冷却することができ、発電出力の向上を図ることができる。
図1は、本発明の車載発電システムの一実施形態の概略構成図である。 図2は、箱型空間を排ガスの流れ方向上流側から見た側面断面図である。 図3は、本発明の車載発電システムの他の実施形態(第2デバイスと固定治具とが共用される形態)の箱型空間を、排ガスの流れ方向上流側から見た側面断面図である。 図4は、本発明の車載発電システムの他の実施形態(第2デバイスと固定治具とが共用され、第1デバイスが複数積層される形態)の箱型空間を、排ガスの流れ方向上流側から見た側面断面図である。
1.車載発電システム1
図1および図2において、自動車10は、車載発電システム1を備えている。
車載発電システム1は、エンジン11を有する内燃機関2と、エンジン11から排ガスを排出させるための排気管15と、エンジン11から排出され、温度が経時的に上下する排ガスと接触することにより電気分極する第1デバイス3と、第1デバイス3から電力を取り出すための第2デバイス4と、第1デバイス3を排気管15内に固定するための固定治具5(図2参照)とを備えている。
エンジン11は、自動車10に動力を出力する装置であって、例えば、単気筒型または多気筒型(例えば、2気筒型、4気筒型、6気筒型)が採用されるとともに、その各気筒において、多サイクル方式(例えば、2サイクル方式、4サイクル方式、6サイクル方式など)が採用される。図1には、4気筒型のエンジン11を示す。また、以下において、各気筒で4サイクル方式が採用される場合について、説明する。
排気管15は、エキゾーストマニホールド17、触媒搭載部12およびエキゾーストパイプ13を備えている。
エキゾーストマニホールド17は、エンジン11の気筒から排出される排気ガスを収束するために設けられる排気多岐管であって、エンジン11の各気筒に接続される複数(4つ)の上流側分岐管18(これらを区別する必要がある場合には、図1の上側から順に、上流側分岐管18a、上流側分岐管18b、上流側分岐管18cおよび上流側分岐管18dと称する。)と、それら上流側分岐管18の下流側において、各上流側分岐管18を1つに統合する集気管19とを備えている。
このようなエキゾーストマニホールド17では、上流側分岐管18の上流側端部が、それぞれ、エンジン11の各気筒に接続されるとともに、上流側分岐管18の下流側端部と集気管19の上流側端部とが接続されている。また、集気管19の下流側端部は、触媒搭載部12の上流側端部に接続されている。
触媒搭載部12は、例えば、触媒担体およびその担体上にコーティングされる触媒を備えており、エンジン11(内燃機関2)から排出される排気ガスに含まれる炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)などの有害成分を浄化するために、エキゾーストマニホールド17の下流側端部に接続されている。
エキゾーストパイプ13は、触媒搭載部12において浄化された排ガスを外気に排出するために設けられており、上流側端部が触媒搭載部12に接続されるとともに、下流側端部が外気に開放されている。
これにより、エンジン11から排出される排ガスは、触媒搭載部12を通過し、エキゾーストパイプ13中の箱型空間33を介して、外気に放出可能とされている。
また、エキゾーストパイプ13の流れ方向途中には、箱型空間33が備えられている。箱型空間33は、エキゾーストパイプ13に連通するように介装される略直方体状の空間であって、その内側には、複数の第1デバイス3が配置されている。なお、図1および図2においては、複数の第1デバイス3を簡略化し、1つの箱型空間33に対して、1つの第1デバイス3を示している。
第1デバイス3は、内燃機関2(エンジン11)から排出され、温度が経時的に上下する排ガスが供給されることにより、温度が経時的に上下され、電気分極するデバイスである。
ここでいう電気分極とは、結晶の歪みにともなう正負イオンの変位により誘電分極し電位差が生じる現象、例えばピエゾ効果、および/または、温度変化により誘電率が変化し電位差が生じる現象、例えば焦電効果などのように、材料に起電力が発生する現象と定義する。
このような第1デバイス3として、より具体的には、例えば、ピエゾ効果により電気分極するデバイス、焦電効果により電気分極するデバイスなどが挙げられる。
ピエゾ効果は、応力または歪みが加えられたときに、その応力または歪みの大きさに応じて電気分極する効果(現象)である。
このようなピエゾ効果により電気分極する第1デバイス3としては、特に制限されず、公知のピエゾ素子(圧電素子)を用いることができる。
第1デバイス3としてピエゾ素子が用いられる場合には、ピエゾ素子は、例えば、その周囲が固定部材により固定され、排ガスに接触(曝露)されるように、箱型空間33内に配置される。
固定部材としては、特に制限されず、例えば、後述する第2デバイス4(例えば、電極など)を用いることもできる。
そして、このような場合には、ピエゾ素子は、排ガスの経時的な温度変化により、加熱または冷却され、これにより、膨張または収縮する。
このとき、ピエゾ素子は、固定部材により体積膨張が抑制されているため、ピエゾ素子は、固定部材に押圧され、ピエゾ効果(圧電効果)、または、キュリー点付近での相変態により、電気分極する。これにより、詳しくは後述するが、第2デバイス4を介して、ピエゾ素子から電力が取り出される。
また、このようなピエゾ素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定(すなわち、体積一定)になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。
そのため、上記したように排ガスが周期的に温度変化し、高温状態と低温状態とが周期的に繰り返される場合などには、ピエゾ素子が周期的に繰り返し加熱および冷却されるため、ピエゾ素子の電気分極およびその中和が、周期的に繰り返される。
その結果、後述する第2デバイス4により、電力が、周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として取り出される。
焦電効果は、例えば、絶縁体(誘電体)などを加熱および冷却する時に、その温度変化に応じて絶縁体が電気分極する効果(現象)であって、第1効果および第2効果を含んでいる。
第1効果は、絶縁体の加熱時および冷却時において、その温度変化により自発分極し、絶縁体の表面に、電荷を生じる効果とされている。
また、第2効果は、絶縁体の加熱時および冷却時において、その温度変化により結晶構造に圧力変形が生じ、結晶構造に加えられる応力または歪みにより、圧電分極を生じる効果(ピエゾ効果、圧電効果)とされている。
このような焦電効果により電気分極するデバイスとしては、特に制限されず、公知の焦電素子を用いることができる。
第1デバイス3として焦電素子が用いられる場合には、焦電素子は、排ガスに接触(曝露)されるように、箱型空間33内に配置される。
このような場合において、焦電素子は、排ガスの経時的な温度変化により、加熱または冷却され、その焦電効果(第1効果および第2効果を含む)により、電気分極する。これにより、詳しくは後述するが、第2デバイス4を介して、焦電素子から電力が取り出される。
また、このような焦電素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。
そのため、上記したように排ガスが周期的に温度変化し、高温状態と低温状態とが周期的に繰り返される場合などには、焦電素子が周期的に繰り返し加熱および冷却されるため、焦電素子の電気分極およびその中和が、周期的に繰り返される。
その結果、後述する第2デバイス4により、電力が、周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として取り出される。
これら第1デバイス3は、単独使用または2種類以上併用することができる。
このような第1デバイス3として、具体的には、上記したように、公知の焦電素子(例えば、BaTiO、CaTiO、(CaBi)TiO、BaNdTi14、BaSmTi12、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)など)、公知のピエゾ素子(例えば、水晶(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)、ロッシェル塩(酒石酸カリウム−ナトリウム)(KNaC)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、リチウムテトラボレート(Li)、ランガサイト(LaGaSiO14)、窒化アルミニウム(AlN)、電気石(トルマリン)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)、Ca(VO、Ca(VO/Ni、LiNbO、LiNbO/Ni、LiTaO、LiTaO/Ni、Li(Nb0.4Ta0.6)O、Li(Nb0.4Ta0.6)O/Ni、Ca{(Nb,Ta)O、Ca{(Nb,Ta)O/Niなどを用いることができる。
また、第1デバイス3としては、さらに、LaNbO、LiNbO、KNbO、MgNbO、CaNbO、(K1/2Na1/2)NbO、(K1/2Na1/2)NbO/Ni、(Bi1/21/4Na1/4)NbO、(Sr1/100(K1/2Na1/299/100)NbO、(Ba1/100(K1/2Na1/299/100)NbO、(Li1/10(K1/2Na1/29/10)NbO、SrNaNb15、Sr19/10Ca1/10NaNb15、Sr19/10Ca1/10NaNb15/Ni、BaNaNbO15、BaNb、BaNaNbO15/Ni、BaNb/Niなどの誘電体や、例えば、Pb(Mg1/3Nb2/3)O、Pb(Zn1/3Nb2/3)O、Pb(Mg1/3Ta2/3)O、Pb(Yb1/2Nb1/2)O、Pb(Yb1/2Ta1/2)O、Pb(In1/2Nb1/2)O、Pb(Sc1/2Nb1/2)O、Pb(Sc1/2Ta1/2)O、PbTiOなどのリラクサーペロブスカイト型結晶構造の誘電体などを用いることもできる。
これら第1デバイス3は、単独使用または2種類以上併用することができる。
第1デバイス3のキュリー点は、例えば、−77℃以上、好ましくは、−10℃以上であり、例えば、1300℃以下、好ましくは、900℃以下である。
また、第1デバイス3(絶縁体(誘電体))の比誘電率は、例えば、1以上、好ましくは、100以上、より好ましくは、2000以上である。
また、第1デバイス3の比熱は、例えば、200J/kg℃以上、好ましくは、400J/kg℃以上であり、例えば、1000J/kg℃以下、好ましくは、500J/kg℃以下である。
このような車載発電システム1では、第1デバイス3(絶縁体(誘電体))の比誘電率が高いほど、エネルギー変換効率が高く、高電圧で電力を取り出すことができるが、第1デバイス3の比誘電率が上記下限未満であれば、エネルギー変換効率が低く、得られる電力の電圧が低くなる場合がある。
なお、第1デバイス3(絶縁体(誘電体))は、排ガスの温度変化によって電気分極するが、その電気分極は、電子分極、イオン分極および配向分極のいずれでもよい。
例えば、配向分極によって分極が発現する材料(例えば、液晶材料など)では、その分子構造を変化させることにより、発電効率の向上を図ることができるものと期待されている。
このような第1デバイス3は、排気管15内、具体的には、エキゾーストパイプ13に介装される箱型空間33内において、固定治具5により、固定されている。これにより、第1デバイス3は、箱型空間33内において排ガスに接触(曝露)可能とされている。
第2デバイス4は、第1デバイス3から電力を取り出すために設けられる。
このような第2デバイス4は、より具体的には、特に制限されないが、例えば、上記の第1デバイス3を挟んで対向配置される2つの電極(例えば、銅電極、銀電極など)、例えば、それら電極に接続される導線などを備えており、第1デバイス3に電気的に接続されている。
また、第2デバイス4は、必要により、昇圧器(図示せず)、交流/直流変換器(AC−DCコンバーター)(図示せず)などを介して、バッテリー9に、電気的に接続されている。
固定治具5は、図2に示されるように、第1デバイス3を把持し、箱型空間33(排気管15)内に固定するための治具であって、第1デバイス3よりも低い比熱を有する材料(例えば、金属材料)から形成されている。
固定治具5の比熱は、例えば、100J/kg℃以上、好ましくは、200J/kg℃以上であり、例えば、800J/kg℃以下、好ましくは、400J/kg℃以下である。
また、固定治具5は、上治具6および下治具7を備えており、第1デバイス3の幅方向一方側(図2の紙面右側)および他方側(図2の紙面左側)に1つずつ(合計2つ)配置されている(これらを区別する必要がある場合には、図2の紙面右側の上治具6および下治具7を、上治具6aおよび下治具7aと称し、図2の紙面左側の上治具6および下治具7を、上治具6bおよび下治具7bと称する。)。
第1デバイス3の幅方向一方側(図2の紙面右側)の上治具6aおよび下治具7aは、例えば、平面視略長方形の平板形状を有しており、幅方向他方側端部(図2の紙面左側)において、第1デバイス3の一方側端部(図2の紙面右側)を、厚み方向両側(図2の紙面上下)から挟持している。また、それら上治具6aおよび下治具7aは、図示しない締結部材などにより締結されている。
また、箱型空間33(排気管15)の側壁には、上治具6aおよび下治具7aを挿通可能とする貫通孔が形成されている。そして、上治具6aおよび下治具7aの幅方向一方側端部(図2の紙面右側)が、箱型空間33の貫通孔に挿通されている。これにより、上治具6aおよび下治具7aは、箱型空間33の内側から箱型空間33の外側に突出している。
また、箱型空間33の貫通孔と、上治具6aおよび下治具7aとの隙間には、図示しないガスケットなどが充填される。これにより、上治具6aおよび下治具7aは、箱型空間33の壁面に固定されている。
また、第1デバイス3の幅方向他方側(図2の紙面左側)の上治具6bおよび下治具7bは、例えば、平面視略長方形の平板形状を有しており、幅方向一方側端部(図2の紙面右側)において、第1デバイス3の他方側端部(図2の紙面左側)を、厚み方向両側(図2の紙面上下)から挟持している。また、それら上治具6bおよび下治具7bは、図示しない締結部材などにより締結されている。
また、箱型空間33(排気管15)の側壁には、上治具6bおよび下治具7bを挿通可能とする貫通孔が形成されている。そして、上治具6bおよび下治具7bの幅方向他方側端部(図2の紙面左側)が、箱型空間33の貫通孔に挿通されている。これにより、上治具6bおよび下治具7bは、箱型空間33の内側から箱型空間33の外側に突出している。
また、箱型空間33の貫通孔と、上治具6bおよび下治具7bとの隙間には、図示しないガスケットなどが充填される。これにより、上治具6bおよび下治具7bは、箱型空間33の壁面に固定されている。
これにより、固定治具5は、第1デバイス3を箱型空間33(排気管15)内に固定している。
2.発電方法
以下において、上記した車載発電システム1を用いた発電方法について、詳述する。
この車載発電システム1では、エンジン11の駆動により、各気筒において、ピストンの昇降運動が繰り返され、吸気工程、圧縮工程、爆発工程および排気工程が順次実施され、その温度が経時的に上下される。
より具体的には、例えば、まず、上流側分岐管18aに接続される気筒において、ピストンが昇降運動し、吸気工程、圧縮工程、爆発工程および排気工程が実施される。これにより、燃料が燃焼され、動力が出力されるとともに、高温の排気ガスが、上流側分岐管18aの内部を排気工程において通過する。
このとき、エンジン11の熱が、排気ガスを介して伝達され、排気ガスの温度(上流側分岐管18aの内部温度)は、排気工程において上昇する。一方、その他の工程(吸気工程、圧縮工程、爆発工程)では、排気ガス量が低減されるので、排気ガスの温度(上流側分岐管18aの内部温度)は下降する。
このように、排気ガスの温度は、排気工程において上昇し、吸気工程、圧縮工程および爆発工程において下降し、つまり、経時的に上下する。
とりわけ、上記の各工程は、ピストンサイクルに応じて、周期的に順次繰り返されるため、排気ガスは、上記の各工程の繰り返しの周期に伴って、周期的に温度変化、より具体的には、高温状態と低温状態とが、周期的に繰り返される。
また、その上流側分岐管18aに接続される気筒とはタイミングを異にして、上流側分岐管18cに接続される気筒、上流側分岐管18bに接続される気筒、および、上流側分岐管18dに接続される気筒の3つの気筒において、順次、ピストンが昇降運動し、吸気工程、圧縮工程、爆発工程および排気工程が実施される。
具体的には、上記のピストンの昇降運動は、各気筒において、同一周期であり、かつ、位相が異なる。例えば、まず、上流側分岐管18aに接続される気筒で爆発工程が実施され、次いで、上流側分岐管18cに接続される気筒で爆発工程が実施され、次いで、上流側分岐管18bに接続される気筒で爆発工程が実施され、その後、上流側分岐管18dに接続される気筒で爆発工程が実施される。
これにより、燃料が燃焼され、動力が出力されるとともに、上流側分岐管18aとは異なるタイミングにおいて、高温の排気ガスが、上流側分岐管18c、上流側分岐管18bおよび上流側分岐管18dの内部を排気工程において通過する。
このとき、エンジン11の熱が、排気ガスを介して伝達され、排気ガスの温度(上流側分岐管18c、上流側分岐管18bおよび上流側分岐管18dの内部温度)は、排気工程において上昇する。一方、その他の工程(吸気工程、圧縮工程、爆発工程)では、排気ガス量が低減されるので、排気ガスの温度(上流側分岐管18c、上流側分岐管18bおよび上流側分岐管18dの内部温度)は下降する。
このように、排気ガスの温度は、排気工程において上昇し、吸気工程、圧縮工程および爆発工程において下降し、つまり、経時的に上下する。
とりわけ、上記の各工程は、ピストンサイクルに応じて、周期的に順次繰り返されるため、排気ガスは、上記の各工程の繰り返しの周期に伴って、周期的に温度変化、より具体的には、高温状態と低温状態とが、周期的に繰り返される。
このようなピストンサイクルが繰り返されることにより、上流側分岐管18a、上流側分岐管18b、上流側分岐管18cおよび上流側分岐管18dが、周期的に温度変化する。また、その温度変化は、上流側分岐管18a、上流側分岐管18b、上流側分岐管18cおよび上流側分岐管18dのそれぞれにおいて、同一周期であり、かつ、位相が異なる。
そして、このようにしてエンジン11の各気筒から排出される排ガスは、エキゾーストマニホールド17の各上流側分岐管18に導入され、集気管19において集気されることにより温度が、幾分、平滑化される。その後、排ガスは、触媒搭載部12を通過するとともに触媒により浄化され、エキゾーストパイプ13に供給される。
なお、エキゾーストパイプ13における排ガスの温度は、例えば、自動車10の運転状態(エンジン11の駆動状態)などに応じて、経時的に上下する。
具体的には、自動車10では、エンジン11の駆動および停止が経時的に繰り返され、これにより、自動車10の走行および停止が制御される。
このような場合、エンジン11の駆動時には、エンジン11の温度は高温状態とされ、また、エンジン11の停止時には、エンジン11の温度は低温状態とされる。
また、エンジン11の温度は、例えば、自動車10の走行時における負荷(車両重量、路面の傾斜度合など)や、車速、アクセル開度、エンジン11の回転数、吸気系における吸気圧および吸入空気量、燃料流量、さらには、空燃比(吸入空気量/燃料流量)などによっても変化し、経時的に上下する。
このとき、エンジン11の熱が排ガスを介して伝達されるため、排ガスの温度(エキゾーストパイプ13の内部温度)は、エンジン11の状態に応じて、経時的に上下する。
このような車載発電システム1において、エンジン11(内燃機関2)および排ガスの温度は、高温状態における温度が、例えば、200〜1200℃、好ましくは、700〜900℃であり、低温状態における温度が、上記の高温状態における温度未満、より具体的には、例えば、100〜800℃、好ましくは、200〜500℃であり、高温状態と低温状態との温度差が、例えば、10〜600℃、好ましくは、20〜500℃である。
そして、この車載発電システム1では、上記したように、エキゾーストパイプ13の箱型空間33内に、第1デバイス3が配置されている。
そのため、エンジン11(内燃機関2)から排出される排ガスが、エキゾーストパイプ13の箱型空間33内に導入されると、第1デバイス3が、第2デバイス4を介して排ガスに接触(曝露)され、加熱および/または冷却される。
そして、これにより、第1デバイス3を、周期的に高温状態または低温状態にすることができ、第1デバイス3を、その素子(例えば、ピエゾ素子、焦電素子など)に応じた効果(例えば、ピエゾ効果、焦電効果など)により、電気分極させることができる。
そのため、この車載発電システム1では、第2デバイス4を介して、各第1デバイス3から電力を周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として、取り出すことができる。
その後、この方法では、例えば、図1において点線で示すように、上記により得られた電力を、必要により第2デバイス4に接続される昇圧器(図示せず)で昇圧し、交流/直流変換器(図示せず)において直流電圧に変換した後、バッテリー9に蓄電する。
バッテリー9に蓄電された電力は、自動車10や、自動車10に搭載される各種電気部品の動力などとして、適宜、用いることができる。
そして、このような車載発電システム1では、第1デバイス3の冷却時に第1デバイス3の温度が低下するほど、その後、第1デバイス3が加熱されるときに、低温状態と高温状態との温度差が大きくなり、また、その温度の変化勾配も大きくなるため、高い発電出力が得られる。すなわち、第1デバイス3の冷却効率を向上させることにより、発電出力の向上を図ることができる。
この点、上記の車載発電システム1では、第1デバイス3を排気管15内に固定するための固定治具5が、排気管15の内側から排気管15の外側に突出している。そのため、固定治具5は、排気管15の内側において第1デバイス3を固定するとともに、排気管15の外側において外気に曝露される。
このような車載発電システム1において、第1デバイス3が誘電体からなる場合は、相対的にゆっくりと温度低下するのに対して、固定治具5が金属からなる場合は、相対的に早く温度低下する。そのため、次に排ガス温度が上昇する直前では、第1デバイス3は固定治具5によってより冷却されるため、低温と高温との差を大きくすることができ、発電出力の向上を図ることができる。
とりわけ、アイドリングストップ時には、走行時に比べて冷却時間が長くなるため、上記の効果が大きく、第1デバイス3は、それ自体の温度低下に加えて、固定治具5によってより一層冷却される。そのため、より一層低温と高温との差を大きくすることができ、発電出力の向上を図ることができる。
また、上記の車載発電システム1では、排気管15の内側から排気管15の外側に突出している固定治具5が、箱型空間33の外側において冷却フィンとして作用するため、排気管15の内部温度を効率的に低下させることができる。
なお、固定治具5によって第1デバイス3の露出面積(排気管15内の空間に対する露出面積)が低減されているため、第1デバイス3の放冷効率が鈍化する場合がある。
しかし、固定治具5が金属材料からなる場合には、排気管15の外側において冷却された固定治具が、第1デバイス3に直接接触して、第1デバイス3を冷却することができる。
そのため、冷却後に、エンジン11の始動によって第1デバイス3が加熱されるときの、低温状態と高温状態との温度差を大きくすることができ、また、その温度の変化勾配を大きくすることができるため、高い発電出力を得ることができる。
3.変形例
上記した説明では、第2デバイス4(電極)と固定治具5とが別の部材として用いられているが、例えば、第2デバイス4(電極)と固定治具5とが共用(兼用)されていてもよい。
具体的には、図3に示すように、第1デバイス3を挟み込む第2デバイス4(電極)を、第1デバイス3よりも大きく形成し、その幅方向一方側端部(紙面右側)および他方側端部(紙面左側)を、箱型空間33の内側から箱型空間33の外側へ突出するように配置することができる。
以下において、第1デバイス3と、その第1デバイス3を挟む一対の電極(第2デバイス4)とからなる部材を、発電モジュール8と称する場合がある。
そして、この発電モジュール8では、固定治具5として、電極が用いられる。すなわち、この実施形態では、第2デバイス4(電極)は、上記した実施形態(図2)の固定治具5と同様に、ガスケットなどを介して、箱型空間33の壁面に固定される。
これにより、第2デバイス4(電極)は、第1デバイス3から電力を取り出すための部材として用いられるとともに、第1デバイス3を箱型空間33内に固定するための固定治具5としても共用される。すなわち、第2デバイス4の正極を上治具6(または下治具7)として用い、また、第2デバイス4の負極を下治具7(または上治具6)として用いることができる。
そして、このような車載発電システム1でも、上記した実施形態と同様、第1デバイス3を排気管15内に固定するための固定治具5(第2デバイス4)が、排気管15の内側から排気管15の外側に突出している。そのため、固定治具5(第2デバイス4)は、排気管15の内側において第1デバイス3を固定するとともに、排気管15の外側において外気に曝露される。
このような車載発電システム1では、第1デバイス3を冷却するときには、第1デバイス3に接触する固定治具5(第2デバイス4)が、箱型空間33の外側において冷却フィンとして作用するため、より効率的に第1デバイス3を冷却することができ、発電出力の向上を図ることができる。
さらに、このような車載発電システム1では、第2デバイス4(電極)における箱型空間33から突出する部分を介して、第1デバイス3から電力を取り出すことができるため、箱型空間33内に導線を配置することなく、電力を取り出すことができる。
箱型空間33内に導線を配置すると、その導線が排ガスに曝露され、電気系統の劣化や損傷を生じる場合がある。これに対して、第2デバイス4(電極)を箱型空間33から突出させ、その突出部分を介して第1デバイス3から電力を取り出すことにより、電気系統の劣化および損傷を抑制できる。
さらに、図4に示すように、複数(例えば、4つ)の発電モジュール8(第1デバイス3と一対の電極(第2デバイス4)とからなる部材)を箱型空間33内において、互いに間隔を隔てて配置し、また、必要に応じて、各第1デバイス3を固定する固定治具5同士を締結させることにより、スタックモジュールを形成することもできる。
このような場合、固定治具5(第2デバイス4)の形状は、第1デバイス3の上面および下面の全面を被覆する平板形状であってもよいが、好ましくは、第1デバイス3の上面および下面の少なくとも一部を露出させるように、固定治具5(第2デバイス4)を厚み方向に貫通する貫通孔が形成されていてもよい。
なお、貫通孔の形状は、特に制限されず、矩形貫通孔、円形貫通孔などのいずれであってもよい。
固定治具5(第2デバイス4)に、第1デバイス3を露出させる貫通孔が形成されていれば、第1デバイス3の排ガスによる加熱、および、放冷による冷却を、より効率化することができ、発電効率を向上させることができる。
1 車載発電システム
2 内燃機関
3 第1デバイス
4 第2デバイス
5 固定治具
11 エンジン
15 排気管

Claims (1)

  1. エンジンと、
    前記エンジンから排ガスを排出させるための排気管と、
    前記排気管内に配置され、排ガスと接触することにより電気分極する第1デバイスと、
    前記第1デバイスから電力を取り出すための第2デバイスと、
    前記第1デバイスを前記排気管内に固定するための固定治具と
    を備え、
    前記固定治具は、前記排気管の内側から前記排気管の外側に突出している
    ことを特徴とする、車載発電システム。
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