JP2018203655A - チオール化合物の精製方法及びチオール化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チオール化合物からの硫黄元素を含有する酸性不純物の除去を簡便に行うことができ、工業的スケールでの製造にも適用可能なチオール化合物の精製方法を提供する。
【解決手段】本発明のチオール化合物の精製方法は、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応により得られたチオール化合物を精製する方法であって、該精製方法は、該チオール化合物と、下記式(1)で表される層状複水酸化物及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種を含む無機化合物とを混合する工程と、該混合工程で得られた混合物から該無機化合物を分離する工程とを含むことを特徴とする。
(M1)1−x(M2)x(OH)2(An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。)
【選択図】なし
【解決手段】本発明のチオール化合物の精製方法は、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応により得られたチオール化合物を精製する方法であって、該精製方法は、該チオール化合物と、下記式(1)で表される層状複水酸化物及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種を含む無機化合物とを混合する工程と、該混合工程で得られた混合物から該無機化合物を分離する工程とを含むことを特徴とする。
(M1)1−x(M2)x(OH)2(An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。)
【選択図】なし
Description
本発明は、チオール化合物の精製方法及びチオール化合物の製造方法に関する。より詳しくは、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応で得られたチオール化合物から残留触媒や該残留触媒に起因して生じた分解物などの不純物を効率的に除去する精製方法及び該精製方法を用いたチオール化合物の製造方法に関する。
硫黄元素を含む酸性化合物は、反応原料や触媒等として様々な反応において用いられており、そのような反応で得られた生成物には、硫黄元素を含む酸性化合物が不純物として残留する場合がある。例えば、硫黄元素を含む酸性化合物であるp−トルエンスルホン酸は様々な反応の酸触媒として使用され、その反応後の生成物には残留酸触媒が含まれることがある。また、このような酸触媒が生成物中に残留することで生成物が分解され、新たな不純物が生じる結果ともなる。このような不純物として残留する硫黄元素を含む酸性化合物は、合成された製品を使用する際の様々な不具合の原因となり得るため、除去することが求められる。
チオール化合物中に含まれる、硫黄元素を含む不純物は強い臭気を有するものが多いために、従来より、その除去方法として様々な方法が提案されている。例えば、チオール官能基を有する化合物を含む液体配合物から、液体配合物を透過させず、悪臭化合物を透過させる不活性膜によって悪臭化合物を分離した後、物理的吸着物質に吸着させて除去する方法(特許文献1参照)や、チオール・エステル生成プロセスにおいて、反応終了後に残留硫化水素をストリッピングにより除去する方法(特許文献2参照)等が提案されている。また、メルカプトプロピオン酸エステル化合物を製造する際に、生成物自体が臭気の少ないものとなるように原料を選択して使用する製造方法も提案されている(特許文献3参照)。
上記のようなチオール化合物からの硫黄元素を含む不純物の除去方法が提案されているが、硫黄元素を含む不純物を不活性膜で分離した後、物理的吸着物質に吸着させる方法は、工業的スケールでの製造には適用し難い方法である。また、反応終了後に残留硫化水素をストリッピングにより除去する方法は、ストリッピングの際に加熱するため、生成物が熱分解するおそれのあるチオール化合物である場合には適用することができない。生成物自体が臭気の少ないものとなるように原料を選択して使用するチオール化合物の製造方法では、製造可能な化合物の構造が限定されてしまうことになる。このように、従来の方法はいずれも、硫黄元素を含有する酸性不純物が除去されたチオール化合物を得る方法として充分なものではなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、チオール化合物からの硫黄元素を含む酸性不純物(以下「硫黄元素含有酸性不純物」、単に「酸性不純物」とも記載する。)の除去を簡便に行うことができ、工業的スケールでの製造にも適用可能なチオール化合物の精製方法を提供することも目的とする。
本発明者は、硫黄元素含有酸性不純物を除去するチオール化合物の精製方法について種々検討したところ、硫黄元素含有酸性不純物を含むチオール化合物と、亜鉛元素を含む特定の無機化合物とを混合した後、得られた混合物から該無機化合物を分離するという簡便な方法で硫黄元素含有酸性不純物を除去することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応により得られたチオール化合物を精製する方法であって、該精製方法は、該チオール化合物と、下記式(1)で表される層状複水酸化物及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種を含む無機化合物とを混合する工程と、該混合工程で得られた混合物から該無機化合物を分離する工程とを含むことを特徴とするチオール化合物の精製方法である。
(M1)1−x(M2)x(OH)2(An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。)
(M1)1−x(M2)x(OH)2(An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。)
上記チオール化合物は、構造中に2つ以上のチオール基を有する多官能チオール化合物であることが好ましい。
上記チオール化合物は、構造中にエステル結合を有することが好ましい。
本発明はまた、チオール化合物を製造する方法であって、該製造方法は、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応によりチオール化合物を合成する工程と、該合成工程で得られたチオール化合物を精製する工程とを含み、該精製工程は、合成工程で得られたチオール化合物を下記式(1)で表される層状複水酸化物及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種を含む無機化合物と混合する工程と、該混合工程で得られた混合物から該無機化合物を分離する工程とを含むことを特徴とするチオール化合物の製造方法でもある。
(M1)1−x(M2)x(OH)2(An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。)
(M1)1−x(M2)x(OH)2(An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。)
本発明のチオール化合物の精製方法は、簡便な方法により効率的にチオール化合物中に残留する硫黄元素含有酸性不純物を除去することができる方法であるため、チオール化合物の工業的スケールでの製造にも好適に用いることができる。
以下、本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
<チオール化合物の精製方法>
本発明のチオール化合物の精製方法(以下、本発明の精製方法とも記載する。)は、硫黄元素含有酸性不純物の除去に加熱を必要としないことから、様々なチオール化合物からの硫黄元素含有酸性不純物の除去に使用することができる。また、簡便な方法であるため、チオール化合物の工業的スケールでの製造にも適用可能である。更に、チオール化合物が液体である場合には、該チオール化合物に直接亜鉛元素を含む無機化合物とを混合することができるため、有機溶媒等のその他の成分を添加することなく硫黄元素含有酸性不純物を除去することも可能である。
本発明のチオール化合物の精製方法(以下、本発明の精製方法とも記載する。)は、硫黄元素含有酸性不純物の除去に加熱を必要としないことから、様々なチオール化合物からの硫黄元素含有酸性不純物の除去に使用することができる。また、簡便な方法であるため、チオール化合物の工業的スケールでの製造にも適用可能である。更に、チオール化合物が液体である場合には、該チオール化合物に直接亜鉛元素を含む無機化合物とを混合することができるため、有機溶媒等のその他の成分を添加することなく硫黄元素含有酸性不純物を除去することも可能である。
本発明の精製方法は、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応により得られたチオール化合物と亜鉛元素を含む無機化合物とを混合する工程(以下、本発明における混合工程とも記載)を含む。
該混合工程に好適に使用する亜鉛元素を含む無機化合物は、下記式(1)で表される層状複水酸化物(以下、ハイドロタルサイトとも記載する。)及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、下記式(1)で表される層状複水酸化物である。下記式(1)で表される層状複水酸化物を用いることで、より多くの種類の酸性不純物を除去することができる。
該混合工程に好適に使用する亜鉛元素を含む無機化合物は、下記式(1)で表される層状複水酸化物(以下、ハイドロタルサイトとも記載する。)及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、下記式(1)で表される層状複水酸化物である。下記式(1)で表される層状複水酸化物を用いることで、より多くの種類の酸性不純物を除去することができる。
(M1)1−x(M2)x(OH)2(An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。)
上記式(1)中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表すが、中でも、Zn及びMgからなる群より選択される少なくとも1種の元素であることが好ましい。より好ましくは、Znである。
また、M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表すが、より好ましくは、Alである。
また、M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表すが、より好ましくは、Alである。
式(1)中、n価の層間アニオン(An−)としては特に限定されないが、反応性及び環境負荷低減の観点から、水酸化物イオン(OH−)、炭酸イオン(CO3 2−)及び硫酸イオン(SO4 2−)からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。中でも、炭酸イオンが好ましい。
式(1)中、xは、0.2≦x≦0.4を満たす数であるが、中でも、結晶構造の安定性をより向上させる観点から、0.25≦x≦0.38であることが好ましく、より好ましくは0.30≦x≦0.35であり、更に好ましくはx=1/3(=約0.33)である。
nは、1〜4の整数であり、層間アニオンの価数によって適宜調整すればよい。好ましくは1〜3の整数、より好ましくは2である。
mは、0以上の数である。このmは、結晶構造を解析することで理論上求めることができるが、実際には、付着水の存在等によって正確に測定することは困難である。理論上は、例えば、0以上、5未満であることが好ましい。
上記層状複水酸化物として最も好ましくは、下記式(2):
(Zn)0.67(Al)0.33(OH)2(CO3)0.165・mH2O (2)
で表される、Zn−Al系ハイドロタルサイトである。この構造では、結晶構造が極めて安定し、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。この構造はJCPDSカード 00−048−1023から確認できる。
(Zn)0.67(Al)0.33(OH)2(CO3)0.165・mH2O (2)
で表される、Zn−Al系ハイドロタルサイトである。この構造では、結晶構造が極めて安定し、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能となる。この構造はJCPDSカード 00−048−1023から確認できる。
本発明における混合工程において使用する、亜鉛元素を含む無機化合物の量は特に制限されないが、チオール化合物100質量%に対して、0.01〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.01〜30質量%であり、更に好ましくは、0.01〜10質量%である。
このような割合で使用することで、後の精製工程での亜鉛元素を含む無機化合物の分離の負担が大きくなり過ぎないようにしつつ、硫黄元素含有酸性不純物をより充分に除去することができる。
本発明における混合工程を行う時間は、精製に供するチオール化合物や亜鉛元素を含む無機化合物の量等を考慮して適宜決定すればよいが、硫黄元素含有酸性不純物をより充分に除去するため、1分〜10時間であることが好ましい。より好ましくは、1分〜5時間であり、更に好ましくは、1分〜2時間である。
また、本発明における混合工程は、チオール化合物と亜鉛元素を含む無機化合物とが充分に混合されるよう、撹拌しながら行うことが好ましい。
また、本発明における混合工程は、チオール化合物と亜鉛元素を含む無機化合物とが充分に混合されるよう、撹拌しながら行うことが好ましい。
本発明における混合工程を行う温度は特に制限されないが、0〜80℃であることが好ましい。より好ましくは、0〜70℃であり、更に好ましくは、0〜60℃である。
このような温度で行うことで、熱分解しやすいチオール化合物からの酸性不純物の除去も充分に行うことができる。
このような温度で行うことで、熱分解しやすいチオール化合物からの酸性不純物の除去も充分に行うことができる。
本発明における混合工程は、溶媒を用いて行ってもよい。溶媒としては特に限定されず、例えば、水、有機溶媒又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
溶媒を使用する場合の使用量は、混合工程に供されるチオール化合物100質量%に対して、0.1〜10000質量%とすることが好ましい。より好ましくは、0.5〜5000質量%である。
本発明における混合工程で得られた混合物から無機化合物を分離する工程(以下、本発明における分離工程とも記載する。)において、混合物から無機化合物を分離する方法は、無機化合物が分離されることになる限り特に制限されず、ろ過、遠心分離、抽出、デカンテーション、篩等のいずれであってもよく、これらを組み合わせて行ってもよい。また、これらの分離操作を1回行ってもよく、2回以上行ってもよい。
これらの中でも、ろ過により分離する方法が好ましい。ろ過は操作が簡便で、工業的スケールでの製造にも適用でき、また、混合物を加熱する必要がないため、加熱により熱分解するおそれのあるチオール化合物の精製にも適用することができる。ろ紙を用いたろ過においては、例えばろ紙上にろ過助剤をプレコートしてもよい。ろ過助剤としては珪藻土、セルロース及びこれらを組み合わせたものが挙げられる。また、加圧ろ過、吸引ろ過等のろ過方法も採用することができる。
これらの中でも、ろ過により分離する方法が好ましい。ろ過は操作が簡便で、工業的スケールでの製造にも適用でき、また、混合物を加熱する必要がないため、加熱により熱分解するおそれのあるチオール化合物の精製にも適用することができる。ろ紙を用いたろ過においては、例えばろ紙上にろ過助剤をプレコートしてもよい。ろ過助剤としては珪藻土、セルロース及びこれらを組み合わせたものが挙げられる。また、加圧ろ過、吸引ろ過等のろ過方法も採用することができる。
本発明の精製方法は、上記混合工程と分離工程とを含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、濃縮、蒸留、再結晶、昇華等が挙げられる。
本発明の精製方法を用いるチオール化合物は、特に限定されず、構造中に1つのチオール基を有する単官能チオール化合物(以下、単に「単官能チオール化合物」とも言う。)、構造中に2つ以上のチオール基を有する多官能チオール化合物(以下、単に「多官能チオール化合物」とも言う。)の何れも用いることができるが、これらの中でも多官能チオール化合物であることが好ましい。より好ましくは、構造中にエステル結合を有する多官能チオール化合物である。このような構造中に2つ以上のチオール基を有する多官能チオール化合物の具体例としては、後述する本発明のチオール化合物の製造方法で製造されるチオール化合物の具体例と同様のものが挙げられ、構造中にエステル結合を有する多官能チオール化合物としては、それらのチオール化合物の具体例の中で構造中にエステル結合を有するものが挙げられる。
<チオール化合物の製造方法>
本発明のチオール化合物の製造方法は、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応によりチオール化合物を合成する工程(以下、本発明における合成工程とも記載する。)と、該合成工程で得られたチオール化合物を精製する工程(以下、本発明における精製工程とも記載する。)とを含み、該精製工程は、合成工程で得られたチオール化合物を上記式(1)で表される層状複水酸化物及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種を含む無機化合物と混合する工程と、該混合工程で得られた混合物から該無機化合物を分離する工程とを含むことを特徴とする。すなわち、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応によりチオール化合物を合成する工程と、該合成工程で得られたチオール化合物を本発明の精製方法で精製する工程とを含む。
本発明のチオール化合物の製造方法は、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応によりチオール化合物を合成する工程(以下、本発明における合成工程とも記載する。)と、該合成工程で得られたチオール化合物を精製する工程(以下、本発明における精製工程とも記載する。)とを含み、該精製工程は、合成工程で得られたチオール化合物を上記式(1)で表される層状複水酸化物及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種を含む無機化合物と混合する工程と、該混合工程で得られた混合物から該無機化合物を分離する工程とを含むことを特徴とする。すなわち、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応によりチオール化合物を合成する工程と、該合成工程で得られたチオール化合物を本発明の精製方法で精製する工程とを含む。
チオール化合物の中でも多官能チオール化合物は、硬化後の樹脂が硬く割れやすいマレイミド樹脂に対して、樹脂を柔軟にするために配合される場合がある。また、多官能チオール化合物は、エポキシ樹脂の硬化剤として添加することでクラックが減少する効果もある。
しかし、硫黄元素を含有する酸性不純物を含む多官能チオール化合物をマレイミド樹脂やエポキシ樹脂に配合したものを電子機器の材料として使用すると、樹脂から酸性不純物に由来する硫黄分が溶出し、電子機器を腐食させる等の劣化の原因となることがある。
これに対し、本発明のチオール化合物の製造方法で製造した多官能チオール化合物は、硫黄元素を含有する酸性不純物の含有量が充分に低減されていることから、電子機器の材料等として好適に用いることができる。
しかし、硫黄元素を含有する酸性不純物を含む多官能チオール化合物をマレイミド樹脂やエポキシ樹脂に配合したものを電子機器の材料として使用すると、樹脂から酸性不純物に由来する硫黄分が溶出し、電子機器を腐食させる等の劣化の原因となることがある。
これに対し、本発明のチオール化合物の製造方法で製造した多官能チオール化合物は、硫黄元素を含有する酸性不純物の含有量が充分に低減されていることから、電子機器の材料等として好適に用いることができる。
本発明における合成工程において、触媒として使用する、硫黄元素を含有する酸性化合物としては、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ラウリルスルホン酸等の有機酸や硫酸が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明における合成工程において、硫黄元素を含有する酸性化合物の使用量は、合成工程に供される反応原料100質量%に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜8質量%であり、更に好ましくは、0.1〜6質量%である。
本発明における合成工程において、チオール化合物を合成する反応は、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いる反応であって、チオール化合物が生成する反応であれば特に制限されないが、カルボキシル基含有チオール化合物と1価又は多価アルコールとの反応、不飽和結合を有する化合物と硫化水素との反応等が挙げられる。
カルボキシル基含有チオール化合物としては、β−メルカプトプロピオン酸、メルカプト酢酸、α−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、2−メルカプトイソ酪酸、3−メルカプトイソ酪酸、4−メルカプト酪酸、5−メルカプトペンタン酸、6−メルカプトヘキサン酸、7−メルカプトヘプタン酸、6,8−ジメルカプトオクタン酸、8−メルカプトオクタン酸、9−メルカプトノナン酸、10−メルカプトデカン酸、12−メルカプトドデカン酸、2−メルカプトテトラデカン酸、16−メルカプトヘキサデカン酸、などのメルカプト脂肪族モノカルボン酸、メルカプトコハク酸、ジメルカプトコハク酸などのメルカプト脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数1〜18のアルキルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の炭素数2〜20のアルカンの水素原子の2つ以上が水酸基に置換した構造のアルコール;イソシアヌレート環構造を有するヒドロキシアルキルイソシアヌレート等が挙げられる。
1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数1〜18のアルキルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の炭素数2〜20のアルカンの水素原子の2つ以上が水酸基に置換した構造のアルコール;イソシアヌレート環構造を有するヒドロキシアルキルイソシアヌレート等が挙げられる。
本発明のチオール化合物の製造方法で製造されるチオール化合物は特に制限されず、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート等の単官能チオール化合物;トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、エチレングリコールジチオグリコレート、ジペンタエリスリトールポリ(β−チオプロピオネート)等の多官能チオール化合物のいずれのものであってもよい。
上記の種々の反応の中でも、本発明における合成工程が、上述の単官能チオール化合物を含む原料から上述の多官能チオール化合物を合成する工程である場合、中でも、1価又は多価アルコールとメルカプト有機酸のエステル化反応によって上述の多官能チオール化合物を合成する工程である場合に、本発明の製造方法の技術的意義がより充分に発揮されることになる。例えば、合成の原料としてβ−メルカプトプロピオン酸(BMPA)と多価アルコールであるトリメチロールプロパンやペンタエリスリトールを使用し、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸を使用して製造されるトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)やペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)等の多官能チオール化合物には、合成反応後には残留酸触媒や未反応のBMPAの他、BMPA製造時由来や、BMPAが残留酸触媒によって分解されて生成する硫化水素等の酸性不純物が含まれる。本発明の精製方法は、簡便な方法でありながら酸性不純物を効果的に除去することができるため、本発明のチオール化合物の製造方法がこのような単官能チオール化合物を含む原料から多官能チオール化合物の製造に使用されることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
したがって、本発明のチオール化合物の製造方法で製造されるチオール化合物は、上記のものの中でも、構造中の2つ以上のチオール基を有する多官能チオール化合物であることが好ましく、中でも、構造中にエステル結合を有する多官能チオール化合物であることがより好ましい。
したがって、本発明のチオール化合物の製造方法で製造されるチオール化合物は、上記のものの中でも、構造中の2つ以上のチオール基を有する多官能チオール化合物であることが好ましく、中でも、構造中にエステル結合を有する多官能チオール化合物であることがより好ましい。
また、上述した本発明の精製方法におけるチオール化合物がこのような多官能チオール化合物であることは、本発明の精製方法の好適な実施形態の1つでもある。
本発明における合成工程において用いる2種類以上の化合物の配合割合は、一方の化合物が有する反応性官能基のモル数と他方の化合物が有する反応性官能基のモル数との比が0.6〜1.5となる割合であることが好ましい。割合が0.6より小さいと、洗浄の効率が悪化して反応の収率が低くなり、1.5より大きいと、得られる生成物に不純物である酸成分が多く含まれる。より好ましくは、0.7〜1.4であり、更に好ましくは、0.8〜1.3である。
本発明における合成工程における反応温度は、反応原料等に応じて適宜選択すればよいが、合成工程における反応がエステル化反応である場合は、反応によって生成する水及び反応系内に存在する水が留去される温度で行われることが好ましい。反応温度は、50〜200℃であることが好ましく、より好ましくは、70〜180℃であり、更に好ましくは、90〜150℃である。
また反応時間は、10分〜24時間であることが好ましい。より好ましくは、30分〜12時間であり、更に好ましくは、1時間〜10時間である。
また反応は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態で行われてもよく、大気雰囲気下で行われてもよく、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行われてもよい。
また反応時間は、10分〜24時間であることが好ましい。より好ましくは、30分〜12時間であり、更に好ましくは、1時間〜10時間である。
また反応は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態で行われてもよく、大気雰囲気下で行われてもよく、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行われてもよい。
本発明における合成工程の反応は、溶媒を用いて行ってもよい。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、クメン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のチオール化合物の製造方法は、上記合成工程と精製工程とを含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、塩基洗浄工程、水洗浄工程、溶媒除去工程等が挙げられる。
塩基洗浄工程は、合成工程によって得られた反応液から酸触媒の他、反応液に含まれる酸酸性不純物を除去することを目的として塩基で洗浄する工程である。
塩基洗浄工程で使用する塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の1種又は2種以上を使用することができる。
塩基洗浄工程で使用する塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の1種又は2種以上を使用することができる。
合成例1(Zn−Al系ハイドロタルサイトの合成)
硫酸亜鉛7水和物96.6gと、354g/Lの硫酸アルミニウム水溶液81.2mL(Al2(SO4)3として28.7g)を混合し、全量が350mLとなるようにイオン交換水を加えた金属塩混合水溶液を得た。別途、720g/Lの水酸化ナトリウム水溶液46.7mLと、炭酸ナトリウム26.7gとを混合し、全量が350mLとなるようにイオン交換水を加えたアルカリ混合水溶液を得た。1Lの丸底フラスコにイオン交換水50mLを入れ、撹拌下において、これら水溶液を加えた。このときのスラリーのpHは9であった。その後、50℃で15分間撹拌することにより、スラリーを得た。このスラリーをろ過し、洗液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで水洗することにより、ケーキを得た。得られたケーキを105℃の温度で18時間乾燥し、得られた乾燥粉5gをフォースミル(大阪ケミカル社製、FM−1)にて10秒間粉砕することにより、Zn−Al系ハイドロタルサイト型粒子を得た。このハイドロタルサイトの組成式は、(Zn)0.67(Al)0.33(OH)2(CO3)0.165・0.5H2Oであった。
硫酸亜鉛7水和物96.6gと、354g/Lの硫酸アルミニウム水溶液81.2mL(Al2(SO4)3として28.7g)を混合し、全量が350mLとなるようにイオン交換水を加えた金属塩混合水溶液を得た。別途、720g/Lの水酸化ナトリウム水溶液46.7mLと、炭酸ナトリウム26.7gとを混合し、全量が350mLとなるようにイオン交換水を加えたアルカリ混合水溶液を得た。1Lの丸底フラスコにイオン交換水50mLを入れ、撹拌下において、これら水溶液を加えた。このときのスラリーのpHは9であった。その後、50℃で15分間撹拌することにより、スラリーを得た。このスラリーをろ過し、洗液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで水洗することにより、ケーキを得た。得られたケーキを105℃の温度で18時間乾燥し、得られた乾燥粉5gをフォースミル(大阪ケミカル社製、FM−1)にて10秒間粉砕することにより、Zn−Al系ハイドロタルサイト型粒子を得た。このハイドロタルサイトの組成式は、(Zn)0.67(Al)0.33(OH)2(CO3)0.165・0.5H2Oであった。
実施例1(TMMPの製造)
(合成工程等)
温度計、水分離器を備えた四つ口フラスコにβ−メルカプトプロピオン酸(和光純薬工業社製)318.4g(3モル)とトリメチロールプロパン(東京化成工業社製)134.2g(1モル)、p−トルエンスルホン酸無水物(和光純薬工業社製)9.8gおよびトルエン478gを仕込み、90〜130℃で5時間反応させて発生する水を系外に除去した。その際の脱水量は約54mLであり、理論値に近く反応はほぼ完結していた。反応系を室温まで冷却し、塩基洗浄、水洗浄を行った。次にトルエンなどの低沸分を減圧溜去した後にろ過して、透明液体であるトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)398g(1モル)を得た。下記のヨウ素酸化滴定により測定したSH質量から算出した純度は95%であった。
(合成工程等)
温度計、水分離器を備えた四つ口フラスコにβ−メルカプトプロピオン酸(和光純薬工業社製)318.4g(3モル)とトリメチロールプロパン(東京化成工業社製)134.2g(1モル)、p−トルエンスルホン酸無水物(和光純薬工業社製)9.8gおよびトルエン478gを仕込み、90〜130℃で5時間反応させて発生する水を系外に除去した。その際の脱水量は約54mLであり、理論値に近く反応はほぼ完結していた。反応系を室温まで冷却し、塩基洗浄、水洗浄を行った。次にトルエンなどの低沸分を減圧溜去した後にろ過して、透明液体であるトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)398g(1モル)を得た。下記のヨウ素酸化滴定により測定したSH質量から算出した純度は95%であった。
(精製工程)
上記合成工程等を経て得られたTMMP10gと、合成例1で合成したZn−Al系ハイドロタルサイト0.5gを、50mLのビーカーに計り取り、25℃で1時間撹拌した。この懸濁液をろ過することにより、精製TMMP(1)を得た。精製TMMP(1)に含まれるp−トルエンスルホン酸(PTS)の量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、下記測定条件で測定した。
上記合成工程等を経て得られたTMMP10gと、合成例1で合成したZn−Al系ハイドロタルサイト0.5gを、50mLのビーカーに計り取り、25℃で1時間撹拌した。この懸濁液をろ過することにより、精製TMMP(1)を得た。精製TMMP(1)に含まれるp−トルエンスルホン酸(PTS)の量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、下記測定条件で測定した。
<HPLC>
装置:島津製作所社製の高速液体クロマトグラフィー(LC−2010AHT)
カラム:YMC−Pack CN (内径;4.6mm、長さ;15cm、粒径;5μm)
カラム温度:40℃
溶離液:アセトニトリル
流速:1.0mL/min
検出波長:220nm
サンプル注入量:20μL
装置:島津製作所社製の高速液体クロマトグラフィー(LC−2010AHT)
カラム:YMC−Pack CN (内径;4.6mm、長さ;15cm、粒径;5μm)
カラム温度:40℃
溶離液:アセトニトリル
流速:1.0mL/min
検出波長:220nm
サンプル注入量:20μL
(チオール化合物中のPTSの割合算出方法)
PTS、BMPA、チオール化合物の各ピーク面積を算出し、以下の式により算出した。
チオール化合物中のPTSの割合(%)=(PTSのピーク面積)÷((PTSのピーク面積)+(BMPAのピーク面積)+(チオール化合物のピーク面積))×100
PTS、BMPA、チオール化合物の各ピーク面積を算出し、以下の式により算出した。
チオール化合物中のPTSの割合(%)=(PTSのピーク面積)÷((PTSのピーク面積)+(BMPAのピーク面積)+(チオール化合物のピーク面積))×100
実施例2(TMMPの製造)
実施例1のZn−Al系ハイドロタルサイトを、市販の酸化亜鉛(堺化学工業社製、FINEX−30)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、精製TMMP(2)を得、p−トルエンスルホン酸(PTS)の量を測定した。
実施例1のZn−Al系ハイドロタルサイトを、市販の酸化亜鉛(堺化学工業社製、FINEX−30)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、精製TMMP(2)を得、p−トルエンスルホン酸(PTS)の量を測定した。
実施例3(PEMPの製造)
(合成工程等)
温度計、水分離器を備えた四つ口フラスコに3−メルカプトプロピオン酸(和光純薬工業社製)424.6g(4モル)とペンタエリスリトール(東京化成工業社製)136.2g(1モル)、p−トルエンスルホン酸無水物(和光純薬工業社製)13.1gおよびトルエン638gを仕込み、90〜130℃で5時間反応させて発生する水を系外に除去した。その際の脱水量は約72mLであり、理論値に近く反応はほぼ完結していた。反応系を室温まで冷却し、塩基洗浄、水洗浄を行った。次にトルエンなどの低沸分を減圧溜去した後にろ過して、透明液体であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)488g(1モル)を得た。下記のヨウ素酸化滴定により測定したSH質量から算出した純度は95%であった。
(合成工程等)
温度計、水分離器を備えた四つ口フラスコに3−メルカプトプロピオン酸(和光純薬工業社製)424.6g(4モル)とペンタエリスリトール(東京化成工業社製)136.2g(1モル)、p−トルエンスルホン酸無水物(和光純薬工業社製)13.1gおよびトルエン638gを仕込み、90〜130℃で5時間反応させて発生する水を系外に除去した。その際の脱水量は約72mLであり、理論値に近く反応はほぼ完結していた。反応系を室温まで冷却し、塩基洗浄、水洗浄を行った。次にトルエンなどの低沸分を減圧溜去した後にろ過して、透明液体であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)488g(1モル)を得た。下記のヨウ素酸化滴定により測定したSH質量から算出した純度は95%であった。
(精製工程)
上記合成工程等を経て得られたPEMP10gと、合成例1で合成したZn−Al系ハイドロタルサイト0.5gを、50mLのビーカーに計り取り、25℃で1時間撹拌した。この懸濁液をろ過することにより、精製PEMP(3)を得た。精製PEMP(3)に含まれるp−トルエンスルホン酸(PTS)の量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、実施例1と同様の測定条件で測定した。
上記合成工程等を経て得られたPEMP10gと、合成例1で合成したZn−Al系ハイドロタルサイト0.5gを、50mLのビーカーに計り取り、25℃で1時間撹拌した。この懸濁液をろ過することにより、精製PEMP(3)を得た。精製PEMP(3)に含まれるp−トルエンスルホン酸(PTS)の量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、実施例1と同様の測定条件で測定した。
比較例1(TMMPの製造)
Zn−Al系ハイドロタルサイトを使わなかったこと以外は実施例1と同様にして、未精製TMMP(c1)を得、p−トルエンスルホン酸(PTS)の量を測定した。
Zn−Al系ハイドロタルサイトを使わなかったこと以外は実施例1と同様にして、未精製TMMP(c1)を得、p−トルエンスルホン酸(PTS)の量を測定した。
比較例2(PEMPの製造)
Zn−Al系ハイドロタルサイトを使わなかったこと以外は実施例3と同様にして、未精製PEMP(c2)を得、p−トルエンスルホン酸(PTS)の量を測定した。
Zn−Al系ハイドロタルサイトを使わなかったこと以外は実施例3と同様にして、未精製PEMP(c2)を得、p−トルエンスルホン酸(PTS)の量を測定した。
(チオール化合物の純度評価)
得られたチオール化合物の純度は、ヨウ素酸化滴定により、反応生成物中のSH質量を求め、理論値のSH質量との比から求めることができる。ヨウ素酸化滴定は、特に限定されないが、自動滴定装置、例えば平沼産業社製自動滴定装置COM−2500、指示電極PT−301、比較電極RE−201を用いて行うことができる。ヨウ素酸化滴定の具体的手順の一例を説明する。まず反応生成物をメタノール・クロロホルム(1:1(vol:vol))混合溶媒に溶解させることにより滴定用試料を調製する。次に、その試料について、0.05mol/Lヨウ素溶液を滴定液として電位差滴定を行うことができる。滴定曲線の変曲点を滴定の終点としてSH質量を求めることができる。チオール化合物の純度は、下記式(3)に従って算出することができる。
純度(%)={(生成物中のSH質量)/(生成物中のSH質量の理論値)}×100(3)
得られたチオール化合物の純度は、ヨウ素酸化滴定により、反応生成物中のSH質量を求め、理論値のSH質量との比から求めることができる。ヨウ素酸化滴定は、特に限定されないが、自動滴定装置、例えば平沼産業社製自動滴定装置COM−2500、指示電極PT−301、比較電極RE−201を用いて行うことができる。ヨウ素酸化滴定の具体的手順の一例を説明する。まず反応生成物をメタノール・クロロホルム(1:1(vol:vol))混合溶媒に溶解させることにより滴定用試料を調製する。次に、その試料について、0.05mol/Lヨウ素溶液を滴定液として電位差滴定を行うことができる。滴定曲線の変曲点を滴定の終点としてSH質量を求めることができる。チオール化合物の純度は、下記式(3)に従って算出することができる。
純度(%)={(生成物中のSH質量)/(生成物中のSH質量の理論値)}×100(3)
(チオール化合物の臭気評価(官能評価))
実施例1〜3および比較例1、2で得られたチオール化合物に対し、以下の評価基準に従い官能評価を行った。5名のパネラーに対して、チオール化合物の臭気について、以下に示す基準で選んでもらい評価した。なお、試験は盲検として行った。
−臭気の評価基準−
○:ほとんど感知できないにおい
×:楽に感知できるにおい
実施例1〜3および比較例1、2で得られたチオール化合物に対し、以下の評価基準に従い官能評価を行った。5名のパネラーに対して、チオール化合物の臭気について、以下に示す基準で選んでもらい評価した。なお、試験は盲検として行った。
−臭気の評価基準−
○:ほとんど感知できないにおい
×:楽に感知できるにおい
(チオール化合物の臭気評価(機器評価))
実施例1〜3および比較例1、2で得られたチオール化合物に対し、更に下記の方法により、機器による臭気の評価も行った。
実施例、比較例で作製したチオール化合物1mLを50mLのスクリュー管瓶に入れ、酸化スズ系熱線型焼結半導体式のポータブル型ニオイセンサ(新コスモス電機社製、mini XP−329m)のガス吸入口をスクリュー管瓶の口に近づけて、前記チオール化合物から蒸散する臭いを吸引させ、30秒後までにニオイセンサが表示した数値の最大値を「臭い強度」として記録した。
臭い強度の数値が150以上を強い臭気、150未満を弱い臭気と判定した。なお、評価は清浄な空気雰囲気のグローブボックス(アズワン社製、AS−600S)中で行い、グローブボックス中の雰囲気の出力値を0に調整した。測定時にはグローブボックス内部のセンサー値も読み取り、環境の影響ではないことを確認した。
実施例1〜3および比較例1、2で得られたチオール化合物に対し、更に下記の方法により、機器による臭気の評価も行った。
実施例、比較例で作製したチオール化合物1mLを50mLのスクリュー管瓶に入れ、酸化スズ系熱線型焼結半導体式のポータブル型ニオイセンサ(新コスモス電機社製、mini XP−329m)のガス吸入口をスクリュー管瓶の口に近づけて、前記チオール化合物から蒸散する臭いを吸引させ、30秒後までにニオイセンサが表示した数値の最大値を「臭い強度」として記録した。
臭い強度の数値が150以上を強い臭気、150未満を弱い臭気と判定した。なお、評価は清浄な空気雰囲気のグローブボックス(アズワン社製、AS−600S)中で行い、グローブボックス中の雰囲気の出力値を0に調整した。測定時にはグローブボックス内部のセンサー値も読み取り、環境の影響ではないことを確認した。
(TMMPを用いた樹脂成形体の作製)
実施例1、2及び比較例1のTMMPをそれぞれ用いて以下のようにして、実施例1、2及び比較例1の樹脂成形体を作製した。
2,2’−ジアリルビスフェノールA(大和化成工業社製 DABPA)21.5gと、ポリフェニルメタンマレイミド(大和化成工業社製 BMI−2300)75.0gを混合し、170℃で加熱溶融させた後、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)5.6gを添加することで、熱硬化性樹脂組成物を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物を2枚のアルミニウム製の板で挟み、160℃で2時間、180℃で2時間、200℃で2時間、230℃で2時間、250℃で2時間、連続的に加熱することにより、樹脂成形体を得た。なお、スペーサーを用いて2枚のアルミニウム製の板の隙間を3mmとなるように調整することにより、得られる樹脂成形体の厚みを3mm、縦幅を30mm、横幅を10mmに調整した。
実施例1、2及び比較例1のTMMPをそれぞれ用いて以下のようにして、実施例1、2及び比較例1の樹脂成形体を作製した。
2,2’−ジアリルビスフェノールA(大和化成工業社製 DABPA)21.5gと、ポリフェニルメタンマレイミド(大和化成工業社製 BMI−2300)75.0gを混合し、170℃で加熱溶融させた後、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)5.6gを添加することで、熱硬化性樹脂組成物を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物を2枚のアルミニウム製の板で挟み、160℃で2時間、180℃で2時間、200℃で2時間、230℃で2時間、250℃で2時間、連続的に加熱することにより、樹脂成形体を得た。なお、スペーサーを用いて2枚のアルミニウム製の板の隙間を3mmとなるように調整することにより、得られる樹脂成形体の厚みを3mm、縦幅を30mm、横幅を10mmに調整した。
(PEMPを用いた樹脂成形体の作製)
実施例3及び比較例2のPEMPをそれぞれ用いて以下のようにして、実施例3及び比較例2の樹脂成形体を作製した。
2,2’−ジアリルビスフェノールA(大和化成工業社製 DABPA)21.5gと、ポリフェニルメタンマレイミド(大和化成工業社製 BMI−2300)75.0gを混合し、170℃で加熱溶融させた後、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)6.8gを添加することで、熱硬化性樹脂組成物を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物を2枚のアルミニウム製の板で挟み、160℃で2時間、180℃で2時間、200℃で2時間、230℃で2時間、250℃で2時間、連続的に加熱することにより、樹脂成形体を得た。なお、スペーサーを用いて2枚のアルミニウム製の板の隙間を3mmとなるように調整することにより、得られる樹脂成形体の厚みを3mm、縦幅を30mm、横幅を10mmに調整した。
実施例3及び比較例2のPEMPをそれぞれ用いて以下のようにして、実施例3及び比較例2の樹脂成形体を作製した。
2,2’−ジアリルビスフェノールA(大和化成工業社製 DABPA)21.5gと、ポリフェニルメタンマレイミド(大和化成工業社製 BMI−2300)75.0gを混合し、170℃で加熱溶融させた後、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)6.8gを添加することで、熱硬化性樹脂組成物を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物を2枚のアルミニウム製の板で挟み、160℃で2時間、180℃で2時間、200℃で2時間、230℃で2時間、250℃で2時間、連続的に加熱することにより、樹脂成形体を得た。なお、スペーサーを用いて2枚のアルミニウム製の板の隙間を3mmとなるように調整することにより、得られる樹脂成形体の厚みを3mm、縦幅を30mm、横幅を10mmに調整した。
(樹脂成形体からの硫黄元素溶出評価)
樹脂成形体の作製で得られた樹脂成形体とイオン交換水20mLを、高圧用反応分解容器HUT−100(三愛科学社製)に加え、常圧のまま、120℃にて100時間加熱した。詳細には、上記高圧用反応分解容器は、PTFE製内筒容器(HUT−100)と加圧ステンレス製外筒(HUS−100)の二重密閉構造を有しており、PTFE製内筒容器に樹脂成形体とイオン交換水を入れた後、このPTFE製内筒容器をステンレス製外筒に入れて、当該ステンレス製外筒の蓋を強固に締めてから、真空定温乾燥機バキュームドライオーブン(EYELA VOS−301SD、東京理化器械社製)にセットして加熱した。加熱後、室温まで放冷した後、蓋を開けて樹脂成形体を取り出し、得られた液を50mLメスフラスコに取り、イオン交換水でメスアップした後、以下の方法により、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法で硫黄元素(S)溶出割合を測定した。
樹脂成形体の作製で得られた樹脂成形体とイオン交換水20mLを、高圧用反応分解容器HUT−100(三愛科学社製)に加え、常圧のまま、120℃にて100時間加熱した。詳細には、上記高圧用反応分解容器は、PTFE製内筒容器(HUT−100)と加圧ステンレス製外筒(HUS−100)の二重密閉構造を有しており、PTFE製内筒容器に樹脂成形体とイオン交換水を入れた後、このPTFE製内筒容器をステンレス製外筒に入れて、当該ステンレス製外筒の蓋を強固に締めてから、真空定温乾燥機バキュームドライオーブン(EYELA VOS−301SD、東京理化器械社製)にセットして加熱した。加熱後、室温まで放冷した後、蓋を開けて樹脂成形体を取り出し、得られた液を50mLメスフラスコに取り、イオン交換水でメスアップした後、以下の方法により、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法で硫黄元素(S)溶出割合を測定した。
<硫黄元素溶出割合測定>
分光器(SII社製、ICP SPS3100)を使用し、スカンジウム(Sc)を内標準元素とする内標準法により測定した。
イオン交換水でメスアップした溶液を5倍希釈し、かつSc濃度が10ppmとなるようにSc標準溶液を添加した溶液を試験液とし、下記の測定条件により測定し、得られた生データ(測定値)を下記の計算条件で計算することにより、樹脂成形体1gあたりの硫黄元素溶出割合を算出した。
−測定条件−
分光器(SII社製、ICP SPS3100)を使用し、波長180.73nm(S)、361.49nm(Sc)にてそれぞれ検量線を作成した後、試料を測定する。
検量線用試料の濃度としては、S(ppm)=5,2、の2点を使用する。
なお、いずれの検量線用試料も、Sc濃度が10ppmとなるようにSc標準溶液を添加した。計算条件は下記式(4)の通りである。
樹脂成形体1gあたりの硫黄元素溶出割合(ppm)=測定値(ppm)×希釈倍率×50(mL)÷樹脂成形体重量(g) (4)
分光器(SII社製、ICP SPS3100)を使用し、スカンジウム(Sc)を内標準元素とする内標準法により測定した。
イオン交換水でメスアップした溶液を5倍希釈し、かつSc濃度が10ppmとなるようにSc標準溶液を添加した溶液を試験液とし、下記の測定条件により測定し、得られた生データ(測定値)を下記の計算条件で計算することにより、樹脂成形体1gあたりの硫黄元素溶出割合を算出した。
−測定条件−
分光器(SII社製、ICP SPS3100)を使用し、波長180.73nm(S)、361.49nm(Sc)にてそれぞれ検量線を作成した後、試料を測定する。
検量線用試料の濃度としては、S(ppm)=5,2、の2点を使用する。
なお、いずれの検量線用試料も、Sc濃度が10ppmとなるようにSc標準溶液を添加した。計算条件は下記式(4)の通りである。
樹脂成形体1gあたりの硫黄元素溶出割合(ppm)=測定値(ppm)×希釈倍率×50(mL)÷樹脂成形体重量(g) (4)
上記実施例1〜3、比較例1、2の結果を表1に示す。
表1に示されているとおり、本発明の精製方法を用いて製造された実施例1〜3の多官能チオール化合物は、酸性不純物である残留酸触媒の含有量が少なく、臭気も、官能評価ではほとんど感知できない程度であること、及び、該多官能チオール化合物を用いて作製した樹脂成形体からの硫黄元素の溶出量も少ないことから、本発明の精製方法は、簡便な方法でありながら、硫黄元素含有酸性不純物を充分に除去することができることが確認された。
Claims (4)
- 硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応により得られたチオール化合物を精製する方法であって、
該精製方法は、該チオール化合物と、下記式(1)で表される層状複水酸化物及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種を含む無機化合物とを混合する工程と、
該混合工程で得られた混合物から該無機化合物を分離する工程と
を含むことを特徴とするチオール化合物の精製方法。
(M1)1−x(M2)x(OH)2(An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。) - 前記チオール化合物は、構造中に2つ以上のチオール基を有する多官能チオール化合物であることを特徴とする請求項1に記載のチオール化合物の精製方法。
- 前記チオール化合物は、構造中にエステル結合を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のチオール化合物の精製方法。
- チオール化合物を製造する方法であって、
該製造方法は、硫黄元素を含有する酸性化合物を触媒として用いた反応によりチオール化合物を合成する工程と、
該合成工程で得られたチオール化合物を精製する工程とを含み、
該精製工程は、合成工程で得られたチオール化合物を下記式(1)で表される層状複水酸化物及び酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種を含む無機化合物と混合する工程と、
該混合工程で得られた混合物から該無機化合物を分離する工程とを含む
ことを特徴とするチオール化合物の製造方法。
(M1)1−x(M2)x(OH)2(An−)x/n・mH2O (1)
(式中、M1は、Zn、Mg、Fe及びCaからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表し、少なくとも一部はZnである。M2は、Al及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。An−は、n価の層間アニオンを表す。x及びnはそれぞれ、0.2≦x≦0.4、1≦n≦4の条件を満たす数である。mは、0以上の数である。)
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JP2022531667A (ja) * | 2019-05-06 | 2022-07-08 | 中建材硝子新材料研究院集団有限公司 | カルコゲン含有化合物半導体の製造方法及び製造装置 |
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