JP2018203641A - 新規な化合物、薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸気圧が高く、融点が低く、低いエネルギーで高品質な金属含有薄膜を形成することができる薄膜形成材料に使用するための新規な化合物、該化合物を含有してなる薄膜形成原料、及び該薄膜形成材料を用いた薄膜の製造方法の提供。【解決手段】式(1)で表される新規な化合物。(R1〜R7は各々独立にH、C1〜4の鎖状又は分岐状のアルキル基、XはCH2OR8等又はC2〜5のアルケニル基、nは1又は2、Mはジルコニウム、チタンまたはハフニウム、R8はC1〜4の鎖状または分岐状のアルキル基、但し、nが1、Xがアルケニル基かつMがチタンである化合物を除く)【選択図】なし

Description

本発明は、新規な化合物、該化合物を含有してなる薄膜形成用原料、該薄膜形成用原料を用いた薄膜の製造方法に関する。
ジルコニウム原子、チタン原子又はハフニウム原子を含有する薄膜は、高誘電体キャパシタ、強誘電体キャパシタ、ゲート絶縁膜、バリア膜等の電子部品の電子部材や、光導波路、光スイッチ、光増幅器等の光通信用デバイスの光学部材として用いられている。
上記の薄膜の製造法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、塗布熱分解法やゾルゲル法等のMOD法、化学気相成長法(以下、CVD法と記載することもある)等が挙げられるが、組成制御性及び段差被覆性に優れること、量産化に適すること、ハイブリッド集積が可能であること等の多くの長所を有しているので、原子層堆積法(以下、ALD法と記載することもある)を含むCVD法が最適な製造プロセスである。
CVD法に用いられる薄膜形成材料の金属供給源としては、様々な原料が多数報告されている。例えば、特許文献1には、ALD法における前駆体として、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)ジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウム(IV)メチルエチル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)メチルエチルなどが開示されている。特許文献2には、CVD法やALD法により第4族金属含有薄膜を製造する際に用いられる、アルコキシド基を有する特定の構造の第4族金属錯体が開示されている。また、特許文献3には、CVD法やALD法用の薄膜形成用原料として、シクロペンタジエニルトリス(ターシャリーブトキシ)ジルコニウムや、シクロペンタジエニルトリス(ターシャリーブトキシ)ハフニウムが開示されている。
特表2009−516078号公報 特開2016−147819号公報 特開2016−037654号公報
CVD法やALD法により薄膜形成用原料等を気化させて基体表面に金属を含有する薄膜を形成する場合、蒸気圧が高く、融点が低く、且つ高品質な金属含有薄膜を製造することができる薄膜形成用原料が求められている。なかでも、生産性を向上させるために、薄膜形成用原料の輸送性を高める必要があることから、融点が低い材料が強く求められていた。特に、ALD法は、MOCVD法よりも成膜温度が低く、ALD法で製造された薄膜は、MOCVD法で製造された薄膜よりも高品質であることから、ALD法でも金属含有薄膜を製造することができ、上記課題を解決できる薄膜形成原料が望まれていた。
本発明者等は、検討を重ねた結果、特定の化合物を含む薄膜形成用原料が上記課題を解決し得ることを知見し、本発明に到達した。
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(1)で表される化合物を含有してなる薄膜形成用原料、及び該原料を用いた薄膜の製造方法を提供するものである。
Figure 2018203641
(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは各々独立に水素、炭素原子数1〜4の鎖状または分岐状のアルキル基を表し、Xは下記(X−1)または炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、nは1または2であり、Mはジルコニウム、チタンまたはハフニウムを表す。但し、nが1、Xがアルケニル基、かつMがチタンである化合物を除く。)
Figure 2018203641
(式中、Rは炭素原子数1〜4の鎖状または分岐状のアルキル基を表し、*は結合手を表す。)
本発明によれば、蒸気圧が高く、常圧30℃もしくはわずかな加温(例えば、35℃〜80℃に加温)により液体になる化合物を得ることができる。該化合物は、CVD法やALD法などによる金属含有薄膜を形成するために用いられる薄膜形成用原料として特に適しており、炭素含有量の少ない高品質な薄膜を形成することができる。
図1は、本発明に係る薄膜の製造方法に用いられるCVD法用装置の一例を示す概要図である。 図2は、本発明に係る薄膜の製造方法に用いられるCVD法用装置の別の例を示す概要図である。 図3は、本発明に係る薄膜の製造方法に用いられるCVD法用装置の別の例を示す概要図である。 図4は、本発明に係る薄膜の製造方法に用いられるCVD法用装置の別の例を示す概要図である。
本発明の化合物は、上記一般式(1)で表されるものであり、CVD法等の気化工程を有する薄膜製造方法のプレカーサとして好適なものであり、ALD法を用いて薄膜を形成することもできる。本発明の化合物は常圧30℃で液体又はわずかな加温(例えば、35℃〜80℃に加温)で液体となる化合物である。融点が低い化合物は輸送性がよいことから、CVD法やALD法等の気化工程を有する薄膜製造方法のプレカーサとして好適である。
上記一般式(1)において、nは1又は2である。nが1でXが(X−1)である場合、Mはジルコニウム、チタンまたはハフニウムを表し、nが1でXがアルケニル基である場合、Mはジルコニウムまたはハフニウムを表す。nが2である場合、Mはジルコニウム、チタンまたはハフニウムを表す。つまり、nが1、Xがアルケニル基、かつMがチタンである化合物は本発明の化合物から除かれる。
上記一般式(1)および一般式(X−1)において、R〜Rで表される炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基などが挙げられる。
上記一般式(1)において、Xで表される炭素原子数2〜5のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基などが挙げられる。
化合物の融点が低いという観点から、R〜Rは水素又はメチル基である化合物が好ましく、R〜Rのすべてが水素である化合物又はR〜Rのすべてがメチル基である化合物がより好ましい。また、RおよびRが水素又はメチル基である化合物が好ましく、R及びRがメチル基であることがより好ましい。さらに、R〜Rが水素であり、RおよびRがメチル基であるものがなおより好ましい。加えて、Xが(X−1)である場合にはRがメチル基である化合物や、Xがアルケニル基である場合には、Xがビニル基である化合物が特に好ましい。
上記化合物を気化工程を伴わないMOD法等により薄膜を製造する際の薄膜形成材料として使用する場合には、R〜Rは、使用される溶媒に対する溶解性、薄膜形成反応等によって適宜選択することができる。
上記一般式(1)において、nが1であり、Mがジルコニウムである化合物の好ましい具体例としては、例えば、下記化合物No.1〜No.24が挙げられる。なお、下記化合物No.1〜No.24において、「Me」はメチル基を表し、「Et」はエチル基を表す。
Figure 2018203641
Figure 2018203641
上記一般式(1)において、nが1であり、Mがチタンである化合物の好ましい具体例としては、例えば、下記化合物No.25〜No.36が挙げられる。なお、下記化合物No.25〜No.36において、「Me」はメチル基を表し、「Et」はエチル基を表す。
Figure 2018203641
上記一般式(1)において、nが1であり、Mがハフニウムである化合物の好ましい具体例としては、例えば、下記化合物No.37〜No.60が挙げられる。なお、下記化合物No.37〜No.60において、「Me」はメチル基を表し、「Et」はエチル基を表す。
Figure 2018203641
Figure 2018203641
上記一般式(1)において、nが2であり、Mがジルコニウムである化合物の好ましい具体例としては、例えば、下記化合物No.61〜No.84が挙げられる。なお、下記化合物No.61〜No.84において、「Me」はメチル基を表し、「Et」はエチル基を表す。
Figure 2018203641
Figure 2018203641
上記一般式(1)において、nが2であり、Mがチタンである化合物の好ましい具体例としては、例えば、下記化合物No.85〜No.108が挙げられる。なお、下記化合物No.85〜No.108において、「Me」はメチル基を表し、「Et」はエチル基を表す。
Figure 2018203641
Figure 2018203641
上記一般式(1)において、nが2であり、Mがハフニウムである化合物の好ましい具体例としては、例えば、下記化合物No.109〜No.132が挙げられる。なお、下記化合物No.109〜No.132において、「Me」はメチル基を表し、「Et」はエチル基を表す。
Figure 2018203641
Figure 2018203641
一般式(1)の化合物の分子量について、Mを除く基部分の分子量の和は通常、236〜550、好ましくは236〜450、さらに好ましくは236〜350である。
本発明の化合物は、その製造方法により特に制限されることはなく、周知の反応を応用して製造される。上記一般式(1)で表される化合物のうち、nが1であり、Mがハフニウムである化合物を製造する場合には、例えば、テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを出発原料として、テトラキス(ジアルキルアミノ)ハフニウムとシクロペンタジエン又はアルキルシクロペンタジエンを反応させてシクロペンタジエニルトリス(ジアルキルアミノ)ハフニウムまたはアルキルシクロペンタジエニルトリス(ジアルキルアミノ)ハフニウムを生成した後、アルコール化合物を反応させることで製造することができる。Mがチタンである化合物やジルコニウムである化合物を製造する場合には、出発原料としてテトラキス(アルキルアミノ)チタンやテトラキス(アルキルアミノ)ジルコニウム等を使用すること以外は上記の製造方法と同様の方法で製造することができる。
前記アルコール化合物としては、例えば、2−メトキシエタン−1−オール、2−エトキシエタン−1−オール、1−メトキシプロパン−2−オール、1−エトキシプロパン−2−オール、1−メトキシ−2−メチルプロパン−2−オール、1−エトキシ−2−メチルプロパン−2−オール、2−プロペン−1−オール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−ペンテン−2−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、4−メチル−2−ペンテン−4−オール等が挙げられ、これらのアルカリ金属塩を用いることもできる。
本発明の薄膜形成用原料とは、上記で説明した本発明の化合物を薄膜のプレカーサとしたものであり、その形態は、該薄膜形成用原料が適用される製造プロセスによって異なる。例えば、ジルコニウム原子又はチタン原子又はハフニウムのみを含む薄膜を製造する場合、本発明の薄膜形成用原料は、上記化合物以外の金属化合物を非含有である。一方、2種類以上の金属及び/又は半金属を含む薄膜を製造する場合、本発明の薄膜形成用原料は、上記化合物に加えて、所望の金属を含む化合物及び/又は半金属を含む化合物(以下、他のプレカーサともいう)を含有する。本発明の薄膜形成用原料は、後述するように、更に、有機溶剤及び/又は求核性試薬を含有してもよい。本発明の薄膜形成用原料は、上記説明のとおり、プレカーサである化合物の物性がCVD法、ALD法に好適であるので、特に化学気相成長用原料(以下、CVD用原料ということもある)として有用である。
本発明の薄膜形成用原料が化学気相成長用原料である場合、その形態は使用されるCVD法の輸送供給方法等の手法により適宜選択されるものである。
上記の輸送供給方法としては、CVD用原料を該原料が貯蔵される容器(以下、単に原料容器と記載することもある)中で加熱及び/又は減圧することにより気化させて蒸気とし、必要に応じて用いられるアルゴン、窒素、ヘリウム等のキャリアガスと共に、該蒸気を基体が設置された成膜チャンバー内(以下、堆積反応部と記載することもある)へと導入する気体輸送法、CVD用原料を液体又は溶液の状態で気化室まで輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することにより気化させて蒸気とし、該蒸気を成膜チャンバー内へと導入する液体輸送法がある。気体輸送法の場合は、上記一般式(1)で表される化合物そのものをCVD用原料とすることができる。液体輸送法の場合は、上記一般式(1)で表される化合物そのもの又は該化合物を有機溶剤に溶かした溶液をCVD用原料とすることができる。これらのCVD用原料は更に他のプレカーサや求核性試薬等を含んでいてもよい。
また、多成分系のCVD法においては、CVD用原料を各成分独立で気化、供給する方法(以下、シングルソース法と記載することもある)と、多成分原料を予め所望の組成で混合した混合原料を気化、供給する方法(以下、カクテルソース法と記載することもある)がある。カクテルソース法の場合、本発明の化合物と他のプレカーサとの混合物若しくは該混合物を有機溶剤に溶かした混合溶液をCVD用原料とすることができる。この混合物や混合溶液は更に求核性試薬等を含んでいてもよい。
上記の有機溶剤としては、特に制限を受けることはなく周知一般の有機溶剤を用いることができる。該有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;1−シアノプロパン、1−シアノブタン、1−シアノヘキサン、シアノシクロヘキサン、シアノベンゼン、1,3−ジシアノプロパン、1,4−ジシアノブタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサン、1,4−ジシアノベンゼン等のシアノ基を有する炭化水素類;ピリジン、ルチジン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、溶質の溶解性、使用温度と沸点、引火点の関係等により、単独で用いてもよいし、又は二種類以上を混合して用いてもよい。これらの有機溶剤を使用する場合、プレカーサを有機溶剤に溶かした溶液であるCVD用原料中におけるプレカーサ全体の量が0.01〜2.0モル/リットル、特に0.05〜1.0モル/リットルとなるようにするのが好ましい。プレカーサ全体の量とは、本発明の薄膜形成用原料が、本発明の化合物以外の金属化合物及び半金属化合物を非含有である場合、本発明の化合物の量であり、本発明の薄膜形成用原料が、該化合物に加えて他の金属を含む化合物及び/又は半金属を含む化合物(他のプレカーサ)を含有する場合、本発明の化合物及び他のプレカーサの合計量である。
また、多成分系のCVD法の場合において、本発明の化合物と共に用いられる他のプレカーサとしては、特に制限を受けず、CVD用原料に用いられている周知一般のプレカーサを用いることができる。
上記の他のプレカーサとしては、水素化物、水酸化物、ハロゲン化物、アジ化物、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルキニル、アミノ、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ジアミン、ジ(シリル−アルキル)アミノ、ジ(アルキル−シリル)アミノ、ジシリルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドラジド、ホスフィド、ニトリル、ジアルキルアミノアルコキシ、アルコキシアルキルジアルキルアミノ、シロキシ、ジケトナート、シクロペンタジエニル、シリル、ピラゾレート、グアニジネート、ホスホグアニジネート、アミジナート、ケトイミナート、ジケチミナート、カルボニル及びホスホアミジナートを配位子として有する化合物からなる群から選択される一種類又は二種類以上のケイ素や金属の化合物が挙げられる。
他のプレカーサの金属種としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、スカンジウム、イットリウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、マンガン、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、オスミウム、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムが挙げられる。
上記の他のプレカーサは、当該技術分野において公知のものであり、その製造方法も公知である。製造方法の一例を挙げれば、例えば、有機配位子としてアルコール化合物を用いた場合には、先に述べた金属の無機塩又はその水和物と、該アルコール化合物のアルカリ金属アルコキシドとを反応させることによって、プレカーサを製造することができる。ここで、金属の無機塩又はその水和物としては、金属のハロゲン化物、硝酸塩等を挙げることができ、アルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムアルコキシド、リチウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等を挙げることができる。
上記の他のプレカーサは、シングルソース法の場合は、本発明の化合物と、熱及び/又は酸化分解の挙動が類似している化合物が好ましく、カクテルソース法の場合は、熱及び/又は酸化分解の挙動が類似していることに加え、混合時に化学反応等による変質を起こさないものが好ましい。
また、本発明の薄膜形成用原料には、必要に応じて、本発明の化合物及び他のプレカーサの安定性を付与するため、求核性試薬を含有してもよい。該求核性試薬としては、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のエチレングリコールエーテル類、18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8、ジベンゾ−24−クラウン−8等のクラウンエーテル類、エチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、トリエトキシトリエチレンアミン等のポリアミン類、サイクラム、サイクレン等の環状ポリアミン類、ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、オキサゾール、チアゾール、オキサチオラン等の複素環化合物類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル等のβ−ケトエステル類又はアセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、ジピバロイルメタン等のβ−ジケトン類が挙げられる。これらの求核性試薬の使用量は、プレカーサ全体の量1モルに対して0.1モル〜10モルの範囲が好ましく、1〜4モルの範囲がより好ましい。
本発明の薄膜形成用原料には、これを構成する成分以外の不純物金属元素分、不純物塩素などの不純物ハロゲン分、及び不純物有機分が極力含まれないようにする。不純物金属元素分は、元素毎では100ppb以下が好ましく、10ppb以下がより好ましく、総量では、1ppm以下が好ましく、100ppb以下がより好ましい。特に、LSIのゲート絶縁膜、ゲート膜、バリア層として用いる場合は、得られる薄膜の電気的特性に影響のあるアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の含有量を少なくすることが必要である。不純物ハロゲン分は、100ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましく、1ppm以下が最も好ましい。不純物有機分は、総量で500ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、10ppm以下が最も好ましい。また、水分は、化学気相成長用原料中でのパーティクル発生や、薄膜形成中におけるパーティクル発生の原因となるので、プレカーサ、有機溶剤及び求核性試薬については、それぞれの水分の低減のために、使用の際にあらかじめできる限り水分を取り除いた方がよい。プレカーサ、有機溶剤及び求核性試薬それぞれの水分量は、10ppm以下が好ましく、1ppm以下がより好ましい。
また、本発明の薄膜形成用原料は、形成される薄膜のパーティクル汚染を低減又は防止するために、パーティクルが極力含まれないようにするのが好ましい。具体的には、液相での光散乱式液中粒子検出器によるパーティクル測定において、0.3μmより大きい粒子の数が液相1mL中に100個以下であることが好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1mL中に1000個以下であることがより好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1mL中に100個以下であることが最も好ましい。
本発明の薄膜形成用原料を用いて薄膜を製造する本発明の薄膜の製造方法としては、本発明の薄膜形成用原料を気化させた蒸気、及び必要に応じて用いられる反応性ガスを、基体が設置された成膜チャンバー内(処理雰囲気)に導入し、次いで、プレカーサを基体上で分解及び/又は化学反応させて金属を含有する薄膜を基体表面に成長、堆積させるCVD法によるものである。原料の輸送供給方法、堆積方法、製造条件、製造装置等については、特に制限を受けるものではなく、周知一般の条件及び方法を用いることができる。
上記の必要に応じて用いられる反応性ガスとしては、例えば、酸化性のものとしては酸素、オゾン、二酸化窒素、一酸化窒素、水蒸気、過酸化水素、ギ酸、酢酸、無水酢酸等が挙げられ、還元性のものとしては水素が挙げられ、また、窒化物を製造するものとしては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、アルキレンジアミン等の有機アミン化合物、ヒドラジン、アンモニア等が挙げられ、これらは1種類又は2種類以上使用することができる。これらのなかでも、本発明の薄膜形成用原料はオゾンとの反応性が良好であることから、反応性ガスとして1種を用いる場合はオゾンを用いることが好ましく、反応性ガスとして2種類以上の混合ガスを用いる場合は少なくともオゾンを含むことが好ましい。
また、上記の輸送供給方法としては、前述した気体輸送法、液体輸送法、シングルソース法、カクテルソース法等が挙げられる。
また、上記の堆積方法としては、原料ガス又は原料ガスと反応性ガスを熱のみにより反応させ薄膜を堆積させる熱CVD、熱とプラズマを使用するプラズマCVD、熱と光を使用する光CVD、熱、光及びプラズマを使用する光プラズマCVD、CVDの堆積反応を素過程に分け、分子レベルで段階的に堆積を行うALDが挙げられる。
上記基体の材質としては、例えば、シリコン;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、酸化チタン、窒化チタン、酸化ルテニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン等のセラミックス;ガラス;金属ルテニウム等の金属が挙げられる。基体の形状としては、板状、球状、繊維状、鱗片状が挙げられる。基体表面は、平面であってもよく、トレンチ構造等の三次元構造となっていてもよい。
また、上記の製造条件としては、反応温度(基体温度)、反応圧力、堆積速度等が挙げられる。反応温度については、本発明の化合物が充分に反応する温度である100℃以上が好ましく、150℃〜400℃がより好ましく、200℃〜350℃が特に好ましい。また、反応圧力は、熱CVD又は光CVDの場合、10Pa〜大気圧が好ましく、プラズマを使用する場合、10Pa〜2000Paが好ましい。
また、堆積速度は、原料の供給条件(気化温度、気化圧力)、反応温度、反応圧力によりコントロールすることができる。堆積速度は、大きいと得られる薄膜の特性が悪化する場合があり、小さいと生産性に問題を生じる場合があるので、0.01nm/分〜100nm/分が好ましく、1nm/分〜50nm/分がより好ましい。また、ALD法の場合は、所望の膜厚が得られるようにサイクルの回数でコントロールされる。
上記の製造条件として更に、薄膜形成用原料を気化させて蒸気とする際の温度や圧力が挙げられる。薄膜形成用原料を気化させて蒸気とする工程は、原料容器内で行ってもよく、気化室内で行ってもよい。いずれの場合においても、本発明の薄膜形成用原料は0℃〜150℃で蒸発させることが好ましい。また、原料容器内又は気化室内で薄膜形成用原料を気化させて蒸気とする場合に原料容器内の圧力及び気化室内の圧力はいずれも1Pa〜10000Paであることが好ましい。
本発明の薄膜の製造方法は、ALD法を採用して、上記の輸送供給方法により、薄膜形成用原料を気化させて蒸気とし、該蒸気を成膜チャンバー内へ導入する原料導入工程のほか、該蒸気中の上記化合物により上記基体の表面に前駆体薄膜を形成する前駆体薄膜成膜工程、未反応の化合物ガスを排気する排気工程及び該前駆体薄膜を反応性ガスと化学反応させて、該基体の表面に金属を含有する薄膜を形成する金属含有薄膜形成工程を有していてもよい。
以下では、上記のALD法の各工程について、金属酸化物薄膜を形成する場合を例に詳しく説明する。まず、上述した原料導入工程を行う。薄膜形成用原料を蒸気とする際の好ましい温度や圧力は、CVD法による薄膜の製造方法で説明したものと同様である。次に、成膜チャンバーに導入した蒸気と基体の表面が接触することにより、基体表面に前駆体薄膜を形成する(前駆体薄膜形成工程)。このときに、基体を加熱するか、成膜チャンバーを加熱して、熱を加えてもよい。この工程で成膜される前駆体薄膜は、本発明の化合物から生成した薄膜であるか、又は本発明の化合物の一部が分解及び/又は反応して生成した薄膜であり、目的の金属酸化物薄膜とは異なる組成を有する。本工程が行われる際の基体温度は、室温〜500℃が好ましく、150℃〜350℃がより好ましい。本工程が行われる際の系(成膜チャンバー内)の圧力は1Pa〜10000Paが好ましく、10Pa〜1000Paがより好ましい。
次に、未反応の化合物ガスや副生したガスを成膜チャンバーから排気する(排気工程)。未反応の化合物ガスや副生したガスは、成膜チャンバーから完全に排気されるのが理想的であるが、必ずしも完全に排気される必要はない。排気方法としては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスにより系内をパージする方法、系内を減圧することで排気する方法、これらを組み合わせた方法などが挙げられる。減圧する場合の減圧度は、0.01Pa〜300Paが好ましく、0.01Pa〜100Paがより好ましい。
次に、成膜チャンバーに反応性ガスとして酸化性ガスを導入し、該酸化性ガスの作用又は酸化性ガス及び熱の作用により、先の前駆体薄膜形成工程で得た前駆体薄膜から金属酸化物薄膜を形成する(金属酸化物含有薄膜形成工程)。本工程において熱を作用させる場合の温度は、室温〜500℃が好ましく、150〜350℃がより好ましい。本工程が行われる際の系(成膜チャンバー内)の圧力は1Pa〜10000Paが好ましく、10Pa〜1000Paがより好ましい。本発明の化合物は、酸化性ガスとの反応性が良好であるため、残留炭素含有量が少ない高品質な金属酸化物薄膜を得ることができる。
本発明の薄膜の製造方法において、上記のようにALD法を採用した場合、上記の原料導入工程、前駆体薄膜形成工程、排気工程及び金属酸化物含有薄膜形成工程からなる一連の操作による薄膜堆積を1サイクルとし、このサイクルを必要な膜厚の薄膜が得られるまで複数回繰り返してもよい。この場合、1サイクル行った後、上記排気工程と同様にして、堆積反応部から未反応の化合物ガス及び反応性ガス(金属酸化物薄膜を形成する場合は酸化性ガス)、更に副成したガスを排気した後、次の1サイクルを行うことが好ましい。
また、金属酸化物薄膜のALD法による形成においては、プラズマ、光、電圧などのエネルギーを印加してもよく、触媒を用いてもよい。該エネルギーを印加する時期及び触媒を用いる時期は、特には限定されず、例えば、原料導入工程における化合物ガス導入時、前駆体薄膜成膜工程又は金属酸化物含有薄膜形成工程における加温時、排気工程における系内の排気時、金属酸化物含有薄膜形成工程における酸化性ガス導入時でもよく、上記の各工程の間でもよい。
また、本発明の薄膜の製造方法においては、薄膜堆積の後に、より良好な電気特性を得るために不活性雰囲気下、酸化性雰囲気下又は還元性雰囲気下でアニール処理を行ってもよく、段差埋め込みが必要な場合には、リフロー工程を設けてもよい。この場合の温度は、200℃〜1000℃であり、250℃〜500℃が好ましい。
本発明の薄膜形成用原料を用いて薄膜を製造する装置は、周知の化学気相成長法用装置を用いることができる。具体的な装置の例としては図1のようなプレカーサをバブリング供給することのできる装置や、図2のように気化室を有する装置が挙げられる。また、図3及び図4のように反応性ガスに対してプラズマ処理を行うことのできる装置が挙げられる。図1〜図4のような枚葉式装置に限らず、バッチ炉を用いた多数枚同時処理可能な装置を用いることもできる。
本発明の薄膜形成用原料を用いて製造される金属を含有する薄膜は、切削工具、電子材料用の配線や電極に用いられており、例えば、半導体メモリ材料やリチウム空気電池用の電極などに用いることができる。
以下、実施例及び評価例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
[実施例1 化合物No.41の製造]
300mL3つ口フラスコに等圧滴下漏斗、クライゼン連結管、リービッヒ冷却管、およびナスフラスコを接続し、Ar雰囲気下でシクロペンタジエニルトリス(ジメチルアミノ)ハフニウム30.01gと脱水ヘキサン61.30gの混合溶液へ1‐メトキシ‐2‐メチル‐2-プロパノール25.44gをIPA―ドライアイス冷却下で25分かけて等圧滴下漏斗より滴下し、反応させた。その後、室温下で2時間撹拌した後、ヘキサンを減圧下で留去した。残った黄色液体を115℃/83Paで減圧蒸留し、黄色液体の化合物No.41を38.14g得た。
(分析値)
(1)常圧TG−DTA
質量50%減少温度:224℃(Ar流量:100mL/分、昇温:10℃/分、サンプル量:10.803mg)
(2)1H−NMR(C6D6)
1.305ppm(s,18H)、3.136ppm(s,6H)、3.210ppm(s,9H)、6.365ppm(s,5H)
(3)元素分析(金属分析:ICP−AES、CHN分析:CHN分析装置)
Hf:32.0質量%、C:43.2質量%、H:7.2質量%(理論値;Hf:32.38質量%、C:43.44質量%、H:6.93質量%)
[実施例2 化合物No.47の製造]
300mL3つ口フラスコに等圧滴下漏斗、クライゼン連結管、リービッヒ冷却管、およびナスフラスコを接続し、Ar雰囲気下でシクロペンタジエニルトリス(ジメチルアミノ)ハフニウム22.00gと脱水ヘキサン49.98gの混合溶液へ2‐メチル‐3‐ブテン‐2‐オール15.32gをIPA―ドライアイス冷却下で20分かけて等圧滴下漏斗より滴下し、反応させた。その後、室温下で4時間撹拌した後、ヘキサンを減圧下で留去した。残った黄色液体を86℃/60Paで減圧蒸留し、黄色液体の化合物No.47を26.61g得た。
(分析値)
(1)常圧TG−DTA
質量50%減少温度:198℃(Ar流量:100mL/分、昇温:10℃/分、サンプル量:10.400mg)
(2)1H−NMR(C6D6)
1.290ppm(s,18H)、4.953ppm(dd,3H)、5.294ppm(dd,3H)、5.969ppm(m,3H)、6.313ppm(s,5H)
(3)元素分析(金属分析:ICP−AES、CHN分析:CHN分析装置)
Hf:35.4質量%、C:48.0質量%、H:6.7質量%(理論値;Hf:35.77質量%、C:48.14質量%、H:6.46質量%)
[実施例3]化合物No.113の製造
50mL2つ口フラスコ中でAr雰囲気下、シクロペンタジエニルトリス(ジメチルアミノ)ハフニウム5.00gと脱水トルエン9.85gの混合溶液へシクロペンタジエン0.99gを室温で2分かけて滴下し、反応させた。その後、室温下で4.5時間撹拌し、トルエンを減圧下で留去した。そこへ、Ar雰囲気下でトルエン10.24gを加えた混合溶液へ1‐メトキシ‐2‐メチル‐2-プロパノール2.85gを氷浴下で5分かけて滴下し、反応させた。その後、室温下で2時間撹拌し、トルエンを減圧下で留去した。残った褐色液体を131℃/67Paで減圧蒸留し、黄色液体の化合物No.113を5.44g得た。
(分析値)
(1)常圧TG−DTA
質量50%減少温度:245℃(Ar流量:100mL/分、昇温:10℃/分、サンプル量:11.625mg)
(2)1H−NMR(C6D6)
1.252ppm(s,12H)、3.088ppm(s,4H)、3.209ppm(s,6H)、6.308ppm(s,10H)
(3)元素分析(金属分析:ICP−AES、CHN分析:CHN分析装置)
Hf:34.59質量%、C:46.62質量%、H:6.31質量%(理論値;Hf:34.66質量%、C:46.65質量%、H:6.26質量%)
[評価例1]ハフニウム化合物の物性評価
化合物No.41、47および113について、目視によって常圧30℃における各化合物の状態を観察した。この結果、いずれも常圧30℃の条件下で液体である低融点の化合物であることがわかった。
[実施例4]CVD法による酸化ハフニウム薄膜の製造
化合物No.41をCVD用原料とし、図2に示す装置を用いて以下の条件のCVD法により、シリコンウエハ基板上に酸化ハフニウム薄膜を製造した。得られた薄膜について、X線反射率法による膜厚測定、X線回折法及びX線光電子分光法による薄膜構造及び薄膜組成の確認を行ったところ、膜厚は50nmであり、膜組成は酸化ハフニウムであり、薄膜中の残留炭素含有量は検出下限である0.1atom%よりも少なかった。
(条件)気化室温度:80℃、反応圧力:50Pa、反応時間:5分、基板温度:300℃、キャリアガス(Ar):300ml/min、反応性ガス(オゾン):200ml/min
[実施例5]CVD法による酸化ハフニウム薄膜の製造
化合物No.47をCVD用原料とし、図2に示す装置を用いて以下の条件のCVD法により、シリコンウエハ基板上に酸化ハフニウム薄膜を製造した。得られた薄膜について、X線反射率法による膜厚測定、X線回折法及びX線光電子分光法による薄膜構造及び薄膜組成の確認を行ったところ、膜厚は40nmであり、膜組成は酸化ハフニウムであり、薄膜中の残留炭素含有量は検出下限である0.1atom%よりも少なかった。
(条件)気化室温度:100℃、反応圧力:50Pa、反応時間:10分、基板温度:300℃、キャリアガス(Ar):300ml/min、反応ガス(オゾン):200ml/min
[実施例6]CVD法による酸化ハフニウム薄膜の製造
化合物No.113をCVD用原料とし、図2に示す装置を用いて以下の条件のCVD法により、シリコンウエハ基板上に酸化ハフニウム薄膜を製造した。得られた薄膜について、X線反射率法による膜厚測定、X線回折法及びX線光電子分光法による薄膜構造及び薄膜組成の確認を行ったところ、膜厚は42nmであり、膜組成は酸化ハフニウムであり、薄膜中の残留炭素含有量は検出下限である0.1atom%よりも少なかった。
(条件)気化室温度:80℃、反応圧力:50Pa、反応時間:5分、基板温度:300℃、キャリアガス(Ar):300ml/min、反応ガス(オゾン):200ml/min
[比較例1]CVD法による酸化ハフニウム薄膜の製造
下記に示す比較化合物1を薄膜形成用原料として用いた。この化合物は、30℃で液体であり、常圧TG−DTAによる質量50%減少温度は、170℃(Ar流量:100mL/分、昇温:10℃/分、サンプル量:約10mg)である。この化合物をCVD用原料とし、図2に示す装置を用いて以下の条件のCVD法により、シリコンウエハ基板上に酸化ハフニウム薄膜を製造した。得られた薄膜について、X線反射率法による膜厚測定、X線回折法及びX線光電子分光法による薄膜構造及び薄膜組成の確認を行ったところ、膜厚は50nmであり、膜組成は酸化ハフニウムであり、薄膜中の残留炭素含有量は5atom%以上であった。
(条件)気化室温度:150℃、反応圧力:50Pa、反応時間:10分、基板温度:300℃、キャリアガス(Ar):300ml/min、反応ガス(オゾン):200ml/min
Figure 2018203641
実施例4、5、6では、薄膜中の残留炭素含有量が非常に少なく高品質な薄膜を生産性よく製造することができた。一方、比較例1は本願発明の化合物に類似した化合物を薄膜形成用原料として使用したものの、薄膜中の残留炭素含有量が非常に多く、高品質な酸化ハフニウム薄膜は得られないことがわかった。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。
    Figure 2018203641
    [式中、R、R、R、R、R、RおよびRは各々独立に水素、炭素原子数1〜4の鎖状または分岐状のアルキル基を表し、Xは下記(X−1)または炭素原子数2〜5のアルケニル基を表し、nは1または2であり、Mはジルコニウム、チタンまたはハフニウムを表す。但し、nが1、Xがアルケニル基かつMがチタンである化合物を除く。]
    Figure 2018203641
    [式中、Rは炭素原子数1〜4の鎖状または分岐状のアルキル基を表し、*は結合手を表す。]
  2. 〜Rが全て水素又はメチル基である、請求項1に記載の化合物。
  3. 及びRがいずれもメチル基である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. Mがハフニウムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 〜Rが全て水素又はメチル基であり、R及びRがいずれもメチル基であり、かつ、Mがハフニウムである、請求項1に記載の化合物。
  6. nが1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  7. nが1である、請求項5に記載の化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物を含有してなる薄膜形成用原料。
  9. 基体の表面にジルコニウム原子、チタン原子およびハフニウム原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含有する薄膜を製造する方法であって、
    請求項8に記載の薄膜形成用原料を気化させることにより得られる前記化合物を含有する蒸気を処理雰囲気に導入し、該化合物を分解及び/又は化学反応させて前記基体の表面に堆積させる工程を含む薄膜の製造方法。
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