JP2018202997A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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和也 石黒
Kazuya Ishiguro
和也 石黒
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Abstract

【課題】高荷重条件下の転がり抵抗の悪化を抑制することができ、カーカスプライの重なり部分に起因して発生するタイヤ表面の凹部を目立たなくする空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤは、カーカスプライ層と、前記カーカスプライ層を覆うサイドゴムと、を備え、前記カーカスプライ層は、カーカスコードがタイヤ周方向に沿って一層設けられた一層領域と、タイヤ周方向において前記一層領域に挟まれ、前記カーカスコードがタイヤ径方向に二段をなしてタイヤ周方向に沿って設けられた二層領域と、前記二層領域のタイヤ周方向の両端部の位置から、タイヤ周方向に沿って延びるように設けられた一対のゴムシート部と、を備える。前記二層領域は、各層がお互いに接触した積層構造であり、前記ゴムシート部におけるゴムの100%引っ張りモジュラスは、前記コーティングゴム及び前記サイドゴムの100%引っ張りモジュラスより大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤ(以下、単にタイヤともいう)は、構造体の要素として、一般に、カーカスプライを備えている。カーカスプライは、互いに平行に配置された複数のカーカスコードと、カーカスコードを被覆するコーティングゴムと、を有するシート状のシート材から構成される。タイヤ径方向に沿ったタイヤプロファイル断面において、トレッドゴムが設けられたトレッド部からサイドゴムが設けられたサイドウォールを通りビードコアの周りで折り返されている。カーカスプライは、タイヤの製造工程において、カーカスプライとなるシート材を成形ドラムに巻きつけ、例えば、成形ドラムの周上に沿ったシート材の周方向の端を含む端部同士を貼りあわせて接合される。接合されたシート材の両端部同士は、シート材の厚さ方向に互いに重ねられた重なり部分を形成している。
シート材の重なり部分では、シート材の端部に含まれるコードが厚さ方向に重なるように配置されているため、この重なり部分は、重なり部分以外のカーカスプライの部分と比べて引っ張り剛性が高い。このため、タイヤをリムに組み付け、内圧を付加したときに、重なり部分のコードの伸び量が、重なり部分以外のカーカスプライの部分のコードの伸び量と比べ小さく、重なり部分に対応するタイヤ表面の領域ではタイヤ表面が凹んだ部分(以下、凹部という)が表れやすい。凹部は、車両の安全性において問題となるものではないが、見る者に、不良箇所であるかのような印象を与えやすい。特に、凹部は、タイヤのゴム材料のコストを抑えるために、例えばサイドゴムの厚さを薄くした場合に目立ちやすい。
従来のタイヤにおいて、カーカスプライとなるゴム引きシートの端末部の接合部間に、接合部の周囲を覆い、かつゴム引きシートの一方の端末部上から他方のゴム引きシートの端末部内側に中間ゴムシートを介在させて一体的に接合させたタイヤショルダー部の接合構造が知られている(特許文献1)。この接合構造では、接合部の端末部においてシート同士が接触せず、また、中間ゴムシート層の変形領域が大きいため、タイヤショルダー部の接合部に生じる凹部を改善できる、とされている。
特開平10−6414号公報
特許文献1の技術では、重なり部分において、中間ゴムシート層が大きく変形することにより、タイヤショルダー部の接合部に生じる凹部を改善するが、中間ゴムシート層が大きな変形を担うため、高荷重条件下のタイヤの接地面付近の大きな変形では、中間ゴムシート層は、他の部分に比べてより大きな変形をする。このため、高荷重条件で転動するタイヤにおいて、上記中間ゴムシート層における大きな変形に起因したエネルギー損失は大きく、上記中間ゴムシート層を設けたタイヤにおいて、高荷重条件下の転がり抵抗は大きい。
そこで、本発明は、中間ゴムシート層のような大きな変形領域を設けることによって生じる、高荷重条件下の転がり抵抗の悪化を抑制することができ、カーカスプライの重なり部分に起因して発生するタイヤ表面の凹部を目立たなくすることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、空気入りタイヤである。当該空気入りタイヤは、
カーカスコードがタイヤ周方向に離間して設けられコーティングゴムで被覆されたカーカスプライ層と、前記カーカスプライ層をタイヤ外側表面から覆うサイドゴムと、を備える。
前記カーカスプライ層は、前記カーカスコードがタイヤ周方向に沿って一層設けられた一層領域と、タイヤ周方向において前記一層領域に挟まれ、前記カーカスコードがタイヤ径方向に二段をなしてタイヤ周方向に沿って設けられた二層領域と、前記二層領域のタイヤ周方向の両端部の位置から、タイヤ周方向に沿って延びるように設けられた一対のゴムシート部と、を備える。
前記二層領域は、各層がお互いに接触した積層構造であり、
前記ゴムシート部におけるゴムの100%引っ張りモジュラスは、前記コーティングゴム及び前記サイドゴムの100%引っ張りモジュラスより大きい。
前記二層領域の前記両端部の位置から延びる前記ゴムシート部の端部の厚さは、前記一層領域の厚さ以下である、ことが好ましい。
前記ゴムシート部の厚さは、前記二層領域の前記両端部の位置からタイヤ周方向に沿って離れるほど薄くなる、ことが好ましい。
前記ゴムシート部のタイヤ周方向に沿った長さは、前記二層領域のタイヤ周方向に沿った長さの50〜200%の長さである、ことが好ましい。
前記一対のゴムシート部のうち、一方のゴムシート部は、前記一層領域に対してタイヤ空洞領域の側に設けられ、他方のゴムシート部は、前記一層領域に対して前記サイドゴムの側に設けられる、ことが好ましい。
前記一対のゴムシート部のいずれも、前記一層領域に対して前記サイドゴムの側に設けられる、ことも好ましい。
前記空気入りタイヤのタイヤ最大幅位置から前記空気入りタイヤのトレッド部に進むにつれて、タイヤ周方向の同じ位置において、前記ゴムシート部の厚さが厚くなる、ことが好ましい。
前記ゴムシート部は、前記空気入りタイヤのタイヤ最大幅位置から前記空気入りタイヤのトレッド部に進むにつれて、前記ゴムシート部のタイヤ周方向に沿った長さが長くなる、ことが好ましい。
上述の空気入りタイヤによれば、高荷重条件下の転がり抵抗の悪化を抑制することができ、カーカスプライの重なり部分に起因して発生するタイヤ表面の凹部を目立たなくすることができる。
空気入りタイヤの一部の断面を示すタイヤ断面図である。 一実施形態におけるカーカスプライ層の重なり部分を示す断面図である。 他の一実施形態におけるカーカスプライ層の重なり部分を示す断面図である。 他の一実施形態におけるカーカスプライ層の重なり部分を示す断面図である。 他の一実施形態におけるカーカスプライ層の重なり部分を示す断面図である。 従来例のカーカスプライ層のシート材10の重なり部分の構成を示す図である。
以下、本発明の空気入りタイヤを詳細に説明する。
(タイヤの全体説明)
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて説明する。図1は、本実施形態の空気入りタイヤ1の一部の断面を示すタイヤ断面図である。
タイヤ1は、例えば、小型トラック用タイヤである。小型トラック用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のB章に定められるタイヤをいう。この他、タイヤ1は、A章に定められる乗用車用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
以降で説明するタイヤ周方向とは、タイヤ回転軸線を中心にタイヤ1を回転させたとき、トレッド面の回転する方向(両回転方向)をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸線に対して直交して延びる放射方向をいう。タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸線からタイヤ径方向に離れる側をいい、タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸線に向かってタイヤ径方向に近づく側をいう。タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸線の方向に平行な方向をいい、タイヤ幅方向外側とは、タイヤのタイヤ赤道線から離れる両側をいう。タイヤ内側は、インナーライナ(後述)の内側のタイヤ空洞領域に近づく側をいい、タイヤ外側は、タイヤ空洞領域から離れる側をいう。
タイヤ1は、図1に示されるように、骨格材あるいは骨格層として、タイヤ赤道線CLに対してタイヤ幅方向の両側に設けられたビードコア7と、カーカスプライ層5と、ベルト層6と、を備え、これらの骨格材あるいは骨格層の周りに、トレッドゴム2と、サイドゴム3と、ビードフィラーゴム4と、リムクッションゴム8と、インナーライナゴム9と、を主に備える。
ビードコア7は円環状であり、タイヤ幅方向の両端部のそれぞれにおいて、タイヤ径方向内側の端部に配置されている。ビードコア7を含むビード部は、トレッドゴム2を挟むようにタイヤ幅方向の両側に配されて対をなしている。
カーカスプライ層5は、トロイダル形状をなすよう一対のビードコア7の間に巻き回されている。具体的には、カーカスプライ層5は、トレッドゴム2からサイド部を通りビードコア7の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に折り返されている。カーカスプライ層5は、一対のビードコア7の間をトロイダル状に巻いた形状を成している。
ベルト層6は、図示される例において、ベルト材を2つ備える。ベルト層6は、カーカスプライ層5のタイヤ径方向外側においてタイヤ周方向に巻き回されている。ベルト層6を構成するベルト材はいずれも、スチールコードにゴムを被覆した部材である。スチールコードは、タイヤ周方向に対して所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配置されている。2つのベルト材のそれぞれスチールコードは、タイヤ周方向に対して互いに逆方向に傾斜し、互いに交錯する。ベルト層6は充填された空気圧によるカーカスプライ層5の膨張を抑制する。
ベルト層6のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム2が設けられる。トレッドゴム2には、周方向溝やラグ溝が設けられる。トレッドゴム2のタイヤ幅方向の両端部は、サイドゴム3が接続されている。サイドゴム3は、トレッドゴム2を挟むように配されて対をなしている。サイドゴム3のタイヤ幅方向外側の面には、タイヤの回転方向、サイズ、型番、標章、製造国等の情報を表示する領域が設けられている。サイドゴム3は、カーカスプライ層5をタイヤ外側表面から覆う。
タイヤ1は、さらに、ベルト層6のタイヤ径方向外側の面を覆うベルトカバー(不図示)を備えていてもよい。ベルトカバーは、有機繊維と、有機繊維を被覆するゴムとからなる。
タイヤ1は、以上のような構造を有するが、これ以外の構造を有していてもよい。
(カーカスプライ)
図2は、カーカスプライ層5のタイヤ周方向の両端部の重なり部分を示す断面図である。
カーカスプライ層5は、1つのシート材10から構成される。
シート材10は、タイヤ幅方向に沿って配置された、具体的には互いに平行に配置された複数のカーカスコード11と、カーカスコード11を被覆するコーティングゴム12と、を有する。シート材10は、一定の厚さを有する。カーカスプライ層5は、シート材10のタイヤ周方向の両端部を含む領域を重ねたシート材10の重なり部分、すなわち二層領域10Aを有して環状を成している。カーカスコード11は、直線状に延びて、その延在方向はタイヤ幅方向あるいはタイヤ径方向である。カーカスコード11は、有機繊維材料またはスチールからなる。有機繊維材料からなるカーカスコード11は、例えば、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、芳香族ポリアミド等を材質とし、これらのいずれかの材質からなる複数のフィラメントを撚り合わせてなる。スチールからなるカーカスコード11は、例えば、単線のスチールワイヤに撚り加工を施したものである。また、カーカスコード11の断面は、図2に示す例において略円形である。
このように、カーカスプライ層5は、カーカスコード11がタイヤ周方向に沿って一層設けられた一層領域10Bと、タイヤ周方向において一層領域10Bに挟まれ、カーカスコード11が二段をなしてタイヤ周方向に沿って設けられた二層領域10Aを備える。二層領域10Aは、シート材10の各層がお互いに接触した積層構造である。
カーカスプライ層5は、さらに、図2に示すように、二層領域10Aのタイヤ周方向の両端部の位置から、タイヤ周方向に沿って延びるように設けられた一対のゴムシート部10Cを備える。図2は、一実施形態におけるカーカスプライ層の重なり部分を示す断面図である。
ここで、ゴムシート部10Cにおけるゴムの100%引っ張りモジュラスは、コーティングゴム12及びサイドゴム3の100%引っ張りモジュラスより大きい。100%引っ張りモジュラスは、JIS K6251:2010に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を試験サンプルとし、温度100℃、引張り速度500mm/分の条件で測定した、100%変形時の応力である。
カーカスプライ層5の二層領域10Aは、シート材10が二層重なった重なり部分なので、この重なり部分は、重なり部分以外の部分と比べて引張剛性が高い。このため、二層領域10Aには、タイヤの空気充填により凹部が形成される。一層領域10Bにおける引っ張り剛性は二層領域10Aに比べて低いので、二層領域10Aと一層領域10Bがタイヤ周方向に隣接していると引っ張り剛性の急激な変化により、一層領域10Bから二層領域10Aに向かにつれて、タイヤ内側に急激に凹んだ凹部を形成する。このため、凹部は目立ち易い。しかし、本実施形態では、タイヤ周方向に沿った二層領域10Aと一層領域10Bの間の領域に、ゴムの100%引っ張りモジュラスが、コーティングゴム12及びサイドゴム3の100%引っ張りモジュラスより大きいゴムシート部10Cを設けるので、一層領域10Bからゴムシート部10Cを介して二層領域10Aに向かって徐々に引っ張り剛性が高くなるので、形成される凹部も緩やかに凹む。すなわち緩やかな凹部を形成する。このように、本実施形態で、カーカスプライ層5の二層領域10Aに起因して発生するタイヤ表面の凹部は、急峻な凹部ではなく、緩やかな凹部となるので、凹部を目立たなくすることができる。
しかも、従来のように、カーカスプライ層の重なり部分の間に、大きな変形を許容する中間ゴムシート層を設けないので、高荷重条件下の転がり抵抗の悪化を抑制することができる。
図2に示す実施形態では、ゴムシート部10Cの厚さは、シート材10の厚さと同じであるが、シート材10よりも厚くてもよい。
図3は、他の一実施形態におけるカーカスプライ層5の重なり部分を示す断面図である。
図3に示す実施形態では、二層領域10Aの両端部の位置から延びるゴムシート部10Cの端部の厚さは、一層領域10Bの厚さ以下である。すなわち、シート材10の厚さと同じ、あるいはシート材10の厚さよりも薄い。ゴムシート部10Cの端部の厚さが、一層領域10Bの厚さより厚い場合、凹部のタイヤ周方向の両側でもり上がった凸部が形成されやすく、凸部及び凹部が目立ち易くなる。この点から、ゴムシート部10Cの厚さをシート材10に比べて薄くしつつ100%引っ張りモジュラスが高いゴム材料を用いることが好ましい。
図4は、他の一実施形態におけるカーカスプライ層5の重なり部分を示す断面図である。
図4に示す実施形態では、ゴムシート部10Cの厚さは、二層領域10Aの両端部の位置からタイヤ周方向に沿って離れるほど薄くなる。ゴムシート部10Cの厚さは、二層領域10Aの両端部の位置からタイヤ周方向に沿って離れるほど、線形的(直線的)に薄くなってもよいし、非線形的に、例えば、二層領域10Aの両端部の位置から急激に薄くなり、その後、緩やかに薄くなってもよいし、二層領域10Aの両端部の位置から緩やかに薄くなり、その後、急激に薄くなってもよい。この場合、ゴムシート部10Cの端部の厚さは、シート材10の厚さ以下であることが、凹部のタイヤ周方向の両側に凸部が形成されないようにする点で好ましい。
ゴムシート部10Cの引っ張り剛性は、ゴムシート部10Cが薄くなるにつれて低くなるので、ゴムシート部10Cの位置が、二層領域10Aから離れるほど、二層領域10Aの高い引っ張り剛性から、一層領域10Bの低い引っ張り剛性に近づく。このため、引っ張り剛性のタイヤ周方向における変化を緩やかにすることができるので、凹部の形状をよりいっそう緩やかにすることができる。このため、凹部をよりいっそう目立たなくさせることができる。
一実施形態によれば、図2〜4に示すように、一対のゴムシート部10Cは、シート材10に対して互いに異なる側に設けられることが好ましい。具体的には、一対のゴムシート部10Cのうち、一方のゴムシート部10Cは、一層領域10Bに対してタイヤ空洞領域の側に設けられ、他方のゴムシート部10Cは、一層領域10Bに対してサイドゴム3の側に設けられる。この場合、二層領域10Aのタイヤ周方向の両端部の段差から延びるゴムシート部10Cのそれぞれは、シート材10に対して、対応する段差と同じ側に設けられることが、両端部の段差を目立たなくさせることができるので好ましい。
一実施形態によれば、図2〜4、さらには後述する図5に示す実施形態におけるゴムシート部10Cのタイヤ周方向に沿った長さは、二層領域10Aのタイヤ周方向に沿った長さの50〜200%の長さであることが好ましい。ゴムシート部10Cのタイヤ周方向に沿った長さが上記範囲より短い場合、凹部が目立ち易くなる。一方、ゴムシート部10Cのタイヤ周方向に沿った長さが上記範囲より長い場合、ゴムシート部10Cにおける引張り剛性が高くなり過ぎて、凹部の凹みを助長して、外観性が悪化する。二層領域10Aのタイヤ周方向に沿った長さは、例えば、5〜20mmである。
図5は、他の一実施形態におけるカーカスプライ層5の重なり部分を示す断面図である。
図5に示す実施形態では、一対のゴムシート部10Cのうち、一方のゴムシート部10Cは、一層領域10Bに対してタイヤ表面の側、すなわちタイヤ外側あるいはサイドゴム3の側に設けられ、他方のゴムシート部10Cも、一層領域10Bのタイヤ外側に設けられる。このように、一対のゴムシート部10Cを、シート材10に対して同じタイヤ表面の側(サイドゴム3の側)に設ける構成とすることにより、成形ドラム上で円環状のカーカスプライ層5を形成するとき、ゴムシート部10Cを容易に配置することができるので、グリーンタイヤ(未加硫タイヤ)を効率よく作製することができる。
なお、他の一実施形態によれば、一対のゴムシート部10Cのいずれも、一層領域10Bのタイヤ空洞領域の側、すなわち、タイヤ内側(インナーライナ9の側)に設けることも好ましい。
他の一実施形態によれば、空気入りタイヤ1のサイドウォール上のタイヤ最大幅位置A(図1参照)から空気入りタイヤ1のトレッド部に進むにつれて、タイヤ周方向の同じ位置において、ゴムシート部10Cの厚さが厚くなる、ことが好ましい。トレッド部と最大幅位置Aとの間の領域では、カーカスプライ層5をタイヤ外側から覆うゴムの厚さが他の部分に比べて薄く、その厚さも徐々に薄くなり、カーカスプライ層5の二層領域10Aに起因する凹部が目立ち易い。このため、この領域において、凹部の形状を緩やかにして凹部が目立ち難くなるように、タイヤ最大幅位置A(図1参照)から空気入りタイヤ1のトレッド部に進むにつれて、タイヤ周方向の同じ位置において、ゴムシート部10Cにおける厚さを徐々に厚くすることにより、引っ張り剛性を徐々に高くすることが好ましい。
また、一実施形態によれば、ゴムシート部10Cは、空気入りタイヤ1のタイヤ最大幅位置Aから空気入りタイヤ1のトレッド部に進むにつれて、ゴムシート部10Cのタイヤ周方向に沿った長さが長くなることも好ましい。上述したように、トレッド部と最大幅位置Aとの間の領域は、サイドゴム3の厚さが薄く、その厚さも徐々に薄くなり、カーカスプライ層5の二層領域10Aに起因する凹部が目立ち易い。このため、この領域において、凹部の形状を緩やかにして凹部が目立ち難くなるように、タイヤ最大幅位置A(図1参照)から空気入りタイヤ1のトレッド部に進むにつれて、ゴムシート部10Cのタイヤ周方向に沿った長さを長くすることにより、引っ張り剛性を徐々に高くすることが好ましい。
[実施例、比較例、従来例]
本実施形態の効果を確認するために、下記表1に示す仕様の従来例、比較例、及び実施例1〜5の空気入りタイヤを作製し、車両(最大積載量2t、排気量2000ccの小型トラック)に装着し、空気圧350kPaを充填し、下記要領に従ってタイヤ表面の凹部の見え難さを評価した。また、高荷重条件下の転がり抵抗についても評価した。タイヤサイズは、145R12 6PRとした。表1に示す仕様、および下記の仕様を除いて、作製したタイヤの仕様は、図1及び上記説明したタイヤと同様である。
従来例のカーカスプライ層5のシート材10の重なり部分は、図6に示す構成とした。図6は、従来例のカーカスプライ層のシート材10の重なり部分の構成を示す図である。図6に示す構成の重なり部分では、中間ゴムシート100を、カーカスプライ層5のシート材10の間に挟んだ。中間ゴムシート100のシート材10の重なり部分の端部から延びる長さは、実施例1と同様に10mm(表1参照)とした。また、重なり部分のタイヤ周方向の長さを5mm(表1参照)とした。中間ゴムシート100の100%引っ張りモジュラスは、サイドゴム3の100%引っ張りモジュラスの50%とした。中間ゴムシート100の厚さは、プライ材10の厚さの1.25倍とした。中間ゴムシート100のタイヤ周方向に沿った断面形状は矩形形状とした。
なお、比較例及び実施例におけるサイドゴムの100%引っ張りモジュラスは、シート材10のコーティングゴムの100%引っ張りモジュラスよりも大きいので、図1では、ゴムシート部10Cの100%引っ張りモジュラスは、サイドゴム3の100%引っ張りモジュラスに対する比で表した。
(凹部の見え難さの評価)
カーカスプライ層5の二層領域10Aに起因したタイヤ表面に形成される凹部の存在を認識できるか否かを、100人のモニタが、車両に装着したタイヤを見て判断した。
モニタ100人中、
・10人以下のモニタが凹部の存在を認識した場合、評点を105とし、
・11人以上20人以下のモニタが凹部の存在を認識した場合、評点を104とし、
・21人以上40人以下のモニタが凹部の存在を認識した場合、評点を103とし、
・31人以上40人以下のモニタが凹部の存在を認識した場合、評点を102とし、
・41人以上50人以下のモニタが凹部の存在を認識した場合、評点を101とし、
・51人以上60人以下のモニタが凹部の存在を認識した場合、評点を100とし、
・60人以上70人以下のモニタが凹部の存在を認識した場合、評点を99とし、
・70人以上のモニタが凹部の存在を認識した場合、評点を98とした。
(転がり抵抗)
転がり抵抗に関する評価は、室内転がり抵抗試験機を用いて転がり抵抗を試験した。測定条件は、走行速度80km/時、荷重3.75kNである。転がり抵抗の評価では、従来例の転がり抵抗の逆数を基準(指数100)として、比較例及び実施例の転がり抵抗の逆数を指数化した。指数が高いほど、転がり抵抗が低いことを表す。
タイヤの仕様と評価結果を下記表1に示す。表1において、“ゴムシート部10Cの、タイヤ周方向に沿った断面形状”の欄における“三角形状”とは、ゴムシート部10Cの厚さは、二層領域10Aの両端部の位置からタイヤ周方向に沿って離れるほど線形的に薄くなることを示す。“矩形形状”とは、ゴムシート部10Cの厚さが一定であることを示す。
Figure 2018202997
従来例、比較例、及び実施例1〜5より、ゴムシート部10Cを設け、ゴムシート部10Cにおけるゴムの100%引っ張りモジュラスを、シート材10のコーティングゴム及びサイドゴムの100%引っ張りモジュラスより大きくすることにより、高荷重条件下の転がり抵抗の悪化を抑制することができ、カーカスプライ層5のシート材10の重なり部分(二層領域10A)に起因して発生するタイヤ表面の凹部を目立たなくすることができることがわかる。
また、ゴムシート部10Cの厚さをシート材10の厚さ以下にしてもよいことがわかる。ゴムシート部10Cのタイヤ周方向に沿った断面形状を三角形状することにより、凹部の見え難さが向上することがわかる。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 空気入りタイヤ
2 トレッドゴム
3 サイドゴム
4 ビードフィラーゴム
5 カーカスプライ層
6 ベルト層
7 ビードコア
8 リムクッションゴム
9 インナーライナゴム
10 シート材
10A 二層領域
10B 一層領域
10C ゴムシート部
11 カーカスコード
12 コーティングゴム

Claims (8)

  1. 空気入りタイヤであって、
    カーカスコードがタイヤ周方向に離間して設けられコーティングゴムで被覆されたカーカスプライ層と、前記カーカスプライ層をタイヤ外側表面から覆うサイドゴムと、を備え、
    前記カーカスプライ層は、前記カーカスコードがタイヤ周方向に沿って一層設けられた一層領域と、タイヤ周方向において前記一層領域に挟まれ、前記カーカスコードがタイヤ径方向に二段をなしてタイヤ周方向に沿って設けられた二層領域と、前記二層領域のタイヤ周方向の両端部の位置から、タイヤ周方向に沿って延びるように設けられた一対のゴムシート部と、を備え、
    前記二層領域は、各層がお互いに接触した積層構造であり、
    前記ゴムシート部におけるゴムの100%引っ張りモジュラスは、前記コーティングゴム及び前記サイドゴムの100%引っ張りモジュラスより大きい、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記二層領域の前記両端部の位置から延びる前記ゴムシート部の端部の厚さは、前記一層領域の厚さ以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴムシート部の厚さは、前記二層領域の前記両端部の位置からタイヤ周方向に沿って離れるほど薄くなる、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴムシート部のタイヤ周方向に沿った長さは、前記二層領域のタイヤ周方向に沿った長さの50〜200%の長さである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記一対のゴムシート部のうち、一方のゴムシート部は、前記一層領域に対してタイヤ空洞領域の側に設けられ、他方のゴムシート部は、前記一層領域に対して前記サイドゴムの側に設けられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記一対のゴムシート部のいずれも、前記一層領域に対して前記サイドゴムの側に設けられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記空気入りタイヤのタイヤ最大幅位置から前記空気入りタイヤのトレッド部に進むにつれて、タイヤ周方向の同じ位置において、前記ゴムシート部の厚さが厚くなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ゴムシート部は、前記空気入りタイヤのタイヤ最大幅位置から前記空気入りタイヤのトレッド部に進むにつれて、前記ゴムシート部のタイヤ周方向に沿った長さが長くなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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