JP2018202606A - ワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラム - Google Patents

ワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2018202606A
JP2018202606A JP2018122151A JP2018122151A JP2018202606A JP 2018202606 A JP2018202606 A JP 2018202606A JP 2018122151 A JP2018122151 A JP 2018122151A JP 2018122151 A JP2018122151 A JP 2018122151A JP 2018202606 A JP2018202606 A JP 2018202606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amplitude
voltage
wire
target
target voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018122151A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7083109B2 (ja
Inventor
康寛 岡本
Yasuhiro Okamoto
康寛 岡本
治弥 栗原
Haruya Kurihara
治弥 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makino Milling Machine Co Ltd
Okayama University NUC
Original Assignee
Makino Milling Machine Co Ltd
Okayama University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Makino Milling Machine Co Ltd, Okayama University NUC filed Critical Makino Milling Machine Co Ltd
Priority to JP2018122151A priority Critical patent/JP7083109B2/ja
Publication of JP2018202606A publication Critical patent/JP2018202606A/ja
Priority to EP19826984.7A priority patent/EP3815825A4/en
Priority to US17/255,894 priority patent/US11890691B2/en
Priority to PCT/JP2019/024369 priority patent/WO2020004199A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7083109B2 publication Critical patent/JP7083109B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H7/00Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
    • B23H7/14Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply
    • B23H7/18Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply for maintaining or controlling the desired spacing between electrode and workpiece
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H1/00Electrical discharge machining, i.e. removing metal with a series of rapidly recurring electrical discharges between an electrode and a workpiece in the presence of a fluid dielectric
    • B23H1/02Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply, control, preventing short circuits or other abnormal discharges
    • B23H1/024Detection of, and response to, abnormal gap conditions, e.g. short circuits
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H1/00Electrical discharge machining, i.e. removing metal with a series of rapidly recurring electrical discharges between an electrode and a workpiece in the presence of a fluid dielectric
    • B23H1/02Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply, control, preventing short circuits or other abnormal discharges
    • B23H1/028Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply, control, preventing short circuits or other abnormal discharges for multiple gap machining
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H7/00Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
    • B23H7/02Wire-cutting
    • B23H7/04Apparatus for supplying current to working gap; Electric circuits specially adapted therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H7/00Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
    • B23H7/14Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply
    • B23H7/20Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply for programme-control, e.g. adaptive

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

【課題】組成の不均一なワークを加工する場合でも、安定した放電を維持でき、安定した品質および加工性能を実現することを目的とする。【解決手段】ワイヤ放電加工装置は、設定された目標電圧に合わせるようにワイヤとワークとの間の極間電圧に基づいてワイヤとワークとの間の極間距離を制御しながらワークを放電加工する。ワイヤ放電加工装置は、極間電圧を測定する極間電圧測定部40と、測定された極間電圧の振幅を演算する実振幅演算部62と、演算した振幅がゼロよりも大きな値に設定された目標振幅に近づくように、目標電圧を補正する目標電圧補正部64とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、ワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラムに関する。
従来、シリコンインゴットを多数の薄片にスライスするための装置として、ワイヤソーが知られている。また、従来のワイヤソーを代替する技術として、加工液に浸漬された状態のワイヤとワークとの間に電圧を印加してワイヤとワークとの間に放電電流を発生させてワークを切断するワイヤ放電加工装置が知られている。ワイヤ放電加工装置において安定した加工性能を保持するためには、ワイヤとワークとの間の極間間隔の調整が重要となる。
特許文献1には、ワイヤとワークとの微小間隔を最適な距離に維持するために、サーボ機構に対する比例ゲインを最適化する技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、ワイヤとワークとの間の極間電圧のフィードバック系において、極間電圧の測定値の振幅を検出し、振幅に応じた係数を極間電圧の測定値に乗じることで評価電圧を演算し、極間設定電圧と評価電圧との差分に対して比例ゲインを乗じることで、サーボ機構に対する比例ゲインを間接的に最適化する技術が開示されている。
特許文献2には、サイドギャップ(加工進行方向に対して垂直の方向に生成される加工用電極とワークとの間の距離)を一定に保つために、加工速度に応じて極間平均電圧を補正し、補正後の極間平均電圧と極間電圧の目標値である設定電圧との差分を演算し、差分に基づいて加工速度を制御する技術が開示されている。
特許第5372252号公報 国際公開第2015/145484号
従来のワイヤ放電加工装置では、所望の加工形状に合わせて極間電圧の目標値である目標極間電圧が設定され、極間電圧がこの目標極間電圧に一致するように加工速度が制御される。このようなフィードバック制御は、組成が安定しているワークに対しては有効であり、安定した品質を保持することが可能である。
しかしながら、組成が不均一なワークを加工する場合は、加工のしやすさにばらつきがあるため、上記のような従来のフィードバック制御を行ってしまうと、ワークとワイヤとの間隙を必要以上に小さく制御してしまうおそれがある。この場合、ワークとワイヤとが短絡する可能性があり、安定した放電を維持できず、歩留まりの低下や品質低下を招くおそれがある。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、組成の不均一なワークを加工する場合でも、安定した放電を維持でき、安定した品質および加工性能を実現することのできるワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第一態様は、設定された目標電圧に合わせるようにワイヤとワークとの間の極間電圧に基づいて前記ワイヤと前記ワークとの間の極間距離を制御しながら前記ワークを放電加工するワイヤ放電加工装置であって、前記極間電圧を測定する極間電圧測定手段と、測定された前記極間電圧の振幅を演算する実振幅演算手段と、演算した前記振幅がゼロよりも大きな値に設定された目標振幅に近づくように、前記目標電圧を補正する目標電圧補正手段とを備えるワイヤ放電加工装置である。
上記ワイヤ放電加工装置によれば、極間電圧測定手段によりワイヤとワークとの間の極間電圧が計測され、計測された極間電圧の振幅が実振幅演算手段により演算される。そして、演算された振幅が目標振幅に近づくように目標電圧が補正される。この場合において、目標振幅はゼロよりも大きな値に設定されている。これにより、目標振幅をゼロに設定する場合に比べて、ワイヤとワークとの間の間隙が必要以上に狭まることを抑制することができる。これにより、ワイヤとワークとの短絡を抑制することができ、安定した放電を維持することが可能となる。また、目標振幅をゼロよりも大きな値とすることで、極間電圧の振動を目標振幅の範囲で許容することができる。これにより、万一、ワイヤとワークとが短絡してしまった場合でも、極間電圧の振動に起因するワイヤの物理的な振動により、ワイヤをワークから再び離すことが可能となる。
上記ワイヤ放電加工装置において、前記目標電圧補正手段は、前記実振幅演算手段によって演算された前記振幅が前記目標振幅よりも大きい場合に、前記目標電圧を小さくする方向に補正し、前記実振幅演算手段によって演算された前記振幅が前記目標振幅よりも小さい場合に、前記目標電圧を大きくする方向に補正することとしてもよい。
上記ワイヤ放電加工装置によれば、極間電圧の振幅が目標振幅よりも大きい場合には、目標電圧が小さい方向に補正され、この結果、ワイヤとワークとの間の極間距離は補正前よりも短くなるように制御される。反対に、極間電圧の振幅が目標振幅よりも小さい場合には、目標電圧が大きい方向に補正され、この結果、ワイヤとワークとの間の極間距離は補正前よりも長くなるように制御される。これにより、極間電圧の振幅を適度な範囲に抑制することができる。
上記ワイヤ放電加工装置において、前記目標電圧補正手段は、前記実振幅演算手段によって演算された前記極間電圧の振幅と前記目標振幅とを用いて、目標電圧補正値を演算する補正値演算手段と、前記目標電圧補正値を用いて前記目標電圧を補正する補正手段と
を備えることとしてもよい。
上記ワイヤ放電加工装置によれば、極間電圧の振幅と目標振幅とを用いて、極間電圧の振幅を目標振幅に近づけるような目標電圧補正値が演算され、演算された目標電圧補正値に基づいて目標電圧が補正される。これにより、極間電圧の振幅を放電加工に適した範囲に制御することができ、安定した放電加工を実現することが可能となる。
上記ワイヤ放電加工装置において、前記目標電圧補正手段は、前記目標電圧補正値を予め設定された制限範囲内に制限する補正値制限手段を備え、前記補正手段は、前記補正値制限手段によって制限された前記目標電圧補正値を用いて、前記目標電圧を補正することとしてもよい。
上記ワイヤ放電加工装置によれば、目標電圧補正値を予め設定された制限範囲内に制限する補正値制限手段を備えているので、目標電圧の過度な補正を抑制することができる。
上記ワイヤ放電加工装置は、前記ワークの組成に基づいて、前記目標電圧補正手段による前記目標電圧の補正を行うか否かを切り替える切替手段を備えていてもよい。
上記ワイヤ放電加工装置によれば、ワークの組成に応じて適切な制御方法を選択することが可能となる。
上記ワイヤ放電加工装置において、前記ワークが炭化ケイ素を含んでいる場合に、前記目標電圧補正手段による前記目標電圧の補正を行うこととしてもよい。
例えば、ワークが炭化ケイ素を含んでいる場合、Siを材料とした均一なワークに比べて、組成がワーク内部で不均一となるため、極間電圧測定手段によって測定される極間電圧の振幅が急激に変化したり、振幅値が大きくなる可能性がある。したがって、このような炭化ケイ素を含んでいるワークを加工する場合には、極間電圧の振幅に基づいて目標電圧を補正することで、極間電圧の変動を抑制することができ、安定した放電加工を実現することが可能となる。
本発明の第二態様は、設定された目標電圧に合わせるようにワイヤとワークとの間の極間電圧に基づいて前記ワイヤと前記ワークとの間の極間距離を制御しながら前記ワークを放電加工するワイヤ放電加工装置の制御方法であって、前記極間電圧を測定する極間電圧測定工程と、測定された前記極間電圧の振幅を演算する実振幅演算工程と、演算した前記振幅がゼロよりも大きな値に設定された目標振幅に近づくように、前記目標電圧を補正する目標電圧補正工程とを有するワイヤ放電加工装置の制御方法である。
本発明の第三態様は、設定された目標電圧に合わせるようにワイヤとワークとの間の極間電圧に基づいて前記ワイヤと前記ワークとの間の極間距離を制御しながら前記ワークを放電加工するワイヤ放電加工装置に適用される制御プログラムであって、測定された前記極間電圧の振幅を演算する実振幅演算処理と、演算した前記振幅が、ゼロよりも大きな値に設定された目標振幅に近づくように、前記目標電圧を補正する目標電圧補正処理とをコンピュータに実行させるためのワイヤ放電加工装置の制御プログラムである。
本発明によれば、組成の不均一なワークを加工する場合でも、安定した放電を維持でき、安定した品質および加工性能を実現することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るワイヤ放電加工装置の全体構成図である。 本発明の一実施形態に係るワイヤ放電加工装置において、給電系及びサーボ制御系に関する構成を主に抽出して示した概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部が備える機能を展開してした機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部が備える実振動幅演算部の演算内容を概念的に説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部が備える実振動幅演算部の演算内容を概念的に説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部が備える実振動幅演算部の演算内容を概念的に説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部が備える実振動幅演算部の演算内容を概念的に説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部が備える補正値演算部の演算内容を概念的に説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部が備える補正値演算部の演算内容を概念的に説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部が備える補正値制限部の演算内容を概念的に説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部が備える補正値制限部の演算内容を概念的に説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るサーボ制御部によって実行されるサーボ制御の処理手順を示したフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係るワイヤ放電加工装置1及びその制御方法並びに制御プログラムについて図面を参照して説明する。本実施形態において、上方向および下方向は、重力に反する方向および重力方向にそれぞれ対応している。また、左右方向は、重力方向に直交する水平方向に対応している。
図1は、本発明の一実施形態に係るワイヤ放電加工装置1の全体構成図であり、図2は給電系及びサーボ制御系に関する構成を主に抽出して示した概略構成図である。なお、図1及び図2に示す各機構の構成は一例であり、目的や用途に応じて様々な態様を取りうることが可能である。
図1に示すように、本実施形態に係るワイヤ放電加工装置1は、ワイヤ15とワークWとの間にパルス電圧を印加することにより、ワイヤ15とワークWとの間に放電電流を発生させ、ワークWをワイヤ15の位置で切断(スライス)する装置である。
ワイヤ放電加工装置1は、例えば、ワークWを保持するとともに加工部5に向けて送るワーク送り部2と、ワイヤ15を走行させてワーク送り部2により送られるワークWを放電現象により発生する放電電流のエネルギーにより切断する加工部5と、ワークWとワイヤ15との間にパルス電圧を印加する給電部3とを備える。
ワーク送り部2は、例えば、後述するサーボ制御部(図2参照)51によってサーボモータ(図示略)の回転駆動が制御されることにより、ワイヤ15とワークWとの間の間隙(ギャップ)を適切な距離に保ちながらワイヤ15によるワークWの切断を徐々に進行させる。
加工部5は、ワイヤ15およびワークWが浸漬される加工液を収容する加工槽4と、ワイヤ15を加工液に浸漬された状態で走行させるメインローラ6およびメインローラ7からなる一対のメインローラと、一対のメインローラによって走行するワイヤ15とを備える。
加工槽4は、ワークWとワイヤ15との間で発生する放電に必要な加工液を溜めるための容器である。加工液は、抵抗値が高い液体を用いるのが好ましく、例えば、純水や放電加工油等が用いられる。
メインローラ6およびメインローラ7は、外径が同一の筒状の構造体であり、金属製の中心軸を樹脂で覆った構造とされている。メインローラ6およびメインローラ7のそれぞれの外周面には、ワイヤ15の走行方向に沿って延びる複数の溝(例えば、V型の溝)がワイヤ15の走行方向に直交する方向に所定のピッチ(間隔)で形成されている。メインローラ6およびメインローラ7に形成される溝のピッチは、ワークWから得るワーク片の枚数や厚さに応じて適宜設定される。一例として、例えば,0.3mm程度が挙げられる。
メインローラ6およびメインローラ7には、供給ボビン(図示略)から張力が調整された状態でワイヤ15が巻き付けられ、巻き取りボビン(図示略)に送られる。ワイヤ15は、1本に繋がっており、供給ボビンから供給されてメインローラ6およびメインローラ7の外周面に嵌め込まれながらメインローラ6およびメインローラ7の外側に形成された溝に従い、多数回(最大で2000回程度)螺旋状に巻回された後に巻き取りボビンに巻き取られる。これにより、メインローラ6とメインローラ7との間には、メインローラ6、7の軸線方向に所定ピッチの間隔で平行に配列されたワイヤ群が形成される。ワイヤ15は主成分を鉄とする電気伝導体であり、その直径は、例えば、約0.12mmである。
給電部3は、ワイヤ15と電気的に接続されるワイヤ給電子8と、ワイヤ給電子8を保持する保持部材9と、ワークWと接触する通電ローラ(図示略)とを有する。ワイヤ給電子8と通電ローラとの間には、図2に示すように、電源装置20から供給されるパルス加工電圧が印加される。
ワイヤ給電子8は、上向きに露出するその表面を鉛直方向の下方を走行するワイヤ15に接触させることにより、走行するワイヤ群に給電する。また、ワイヤ15とワークWとが近接して放電加工が行われる箇所は鉛直方向の上方を走行するワイヤ15の部分となっている。
ワイヤ給電子8は、ワイヤ群に対して1つ設けられていても良いし、ワイヤ群を構成する各列のワイヤに対してそれぞれ設けられていてもよい。このように、ワイヤ15に対する給電点の数は限定されず、様々な態様を取ることができる。
電源装置20は、例えば、商用電源からワイヤ加工に適した所定のパルス電圧を生成する電源回路21と、電源回路21を制御する加工電圧制御部22とを備えている。加工電圧制御部22は、電源回路21が備える各素子を制御し、放電加工に適したパルス加工電圧を生成させる。電源回路21によって生成されたパルス加工電圧は、図2に示されるように、上述したワイヤ給電子8及び通電ローラ(図示略)を介してワイヤ15とワークW間に印加される。
また、電源装置20の加工電圧制御部22は、ワイヤ15とワークWとが接触する短絡状態が検知された場合に、パルス電圧の印加を一時的に停止させる等、ワイヤ15とワークWとの間の放電状態に応じた各種の制御を行う。
なお、電源装置20が備える電源回路21は、各ワイヤ給電子8に対してそれぞれ一つずつ設けられていても良いし、一つの電源回路21から複数のワイヤ給電子8に対してパルス電圧が供給される構成とされていても良い。
加工液供給装置30は、ワイヤ放電加工装置1の本体部に設置された加工槽4に加工液を供給する。加工液は、加工部5において放電現象が発生する部分の冷却や、この部分で発生するワークWの加工屑の除去等に用いられる。加工液は、抵抗値が高い液体を用いるのが好ましく、例えば、純水や放電加工油等が用いられる。ワイヤ15とワークWとの間に加工液を介在させることにより、ワイヤ15とワークWとの間に良好な放電を発生させ、ワークWを削ることができる。
加工液供給装置30から加工槽4へ供給される加工液の温度は、所望の温度(例えば、約20℃)となるように調整されている。また、加工液は、電気伝導度が一定範囲内(例えば、1μS/cm〜250μS/cm)に収まるようにイオン交換樹脂等によって電気伝導度が適宜に調整されている。
また、ワイヤ放電加工装置1は、図2に示すように、ワイヤ15とワークWとの極間電圧を計測する極間電圧測定部40、極間電圧測定部40によって計測された極間電圧を用いてワーク送り部2の制御を行うサーボ制御部51、及び加工部5の制御を行う加工制御部52を備えている。
サーボ制御部51は、極間電圧測定部40によって計測された極間電圧に基づいてワーク送り部2のサーボモータ(図示略)を制御することにより、ワークWの加工面とワイヤ15との間の間隙(ギャップ)を適切な距離に制御し、安定した放電加工を実現させる。なお、サーボ制御部51の詳細は後述する。
加工制御部52は、メインローラ6、7を同じ方向及び同じ速度で回転させ、ワイヤ15の走行速度を制御する。加工制御部52は、ワイヤ15の走行速度を、例えば100m/min以上かつ900m/min以下の範囲で任意の速度に調整することができる。
加工電圧制御部22、サーボ制御部51、及び加工制御部52は、例えば、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するための補助記憶装置、各プログラム実行時のワーク領域として機能するメインメモリ等を備えている。補助記憶装置の一例として、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。
補助記憶装置には、各種プログラム(例えば、加工電圧制御プログラム、サーボ制御プログラム、加工制御プログラム等)が格納されており、CPUが補助記憶装置からメインメモリにこれらプログラムを読み出し、実行することにより後述する種々の機能を実現させる。加工電圧制御部22、サーボ制御部51、加工制御部52は、それぞれ個別のCPU等を備えるハードウエア構成によって実現されてもよいし、共通のCPUによって各制御部の機能が実現される構成とされていてもよい。また、サーボ制御部51、加工制御部52の設置場所については限定されず、例えば、電源装置20に設けられていても良いし、ワイヤ放電加工装置1の本体部に設けられていてもよい。
また、加工電圧制御部22、サーボ制御部51、及び加工制御部52は、ユーザが後述する目標電圧値や目標振幅値等を入力するための入力装置や、各種データを表示するための表示装置、及び外部装置と通信を行うための通信装置等と接続可能とされ、相互間の情報の授受が可能な構成とされていてもよい。
次に、本発明の一実施形態に係るサーボ制御部51について図3を参照して詳しく説明する。図3は、本実施形態に係るサーボ制御部51が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。また、図4〜図11はサーボ制御部51が備える各部が行う演算処理の理解を助けるための説明図であり、横軸はワークWのZ軸方向(ワーク送り方向)における座標位置、縦軸は電圧を示している。
図3に示されるように、サーボ制御部51は、目標電圧設定部61と、実振幅演算部62と、目標振幅設定部63と、目標電圧補正部64と、制御信号生成部65とを主な構成として備えている。
目標電圧設定部61は、例えば、ワークWから形成される最終加工物の形状に合わせて予め用意された目標電圧情報を有している。この目標電圧情報は、ワークWの加工位置のZ軸方向(ワーク送り方向)における座標位置と目標電圧値Vg_tagとが関連付けられた情報である。目標電圧設定部61は、ワークWの加工位置(Z軸座標位置)に応じた目標電圧値Vg_tagを目標電圧情報から取得し、設定する。例えば、図4、図5には、目標電圧値Vg_tagの一例が破線で示されている。
実振幅演算部62は、極間電圧測定部40によって計測された極間電圧Vgに基づいて極間電圧の振幅(変動幅)Vaを演算する。例えば、図4、図5に細実線で示されるように、実振幅演算部62には、極間電圧測定部40によって測定された時系列の極間電圧Vgが入力される。
実振幅演算部62は、極間電圧Vg(あるいは極間平均電圧)から極間電圧の振幅Vaを演算する。
具体的には、実振幅演算部62は、まず、図5に示すように、極間電圧Vgの所定期間毎の平均電圧Vg_aveを演算する。図5において、平均電圧Vg_aveは太実線で示されている。続いて、実振幅演算部62は、所定期間毎に、極間電圧Vgから平均電圧Vg_aveを差し引くことにより、平均電圧Vg_aveを基準とした極間電圧Vgの変動幅Vf(=Vg−Vg_ave)を演算する(図6参照)。これにより、平均電圧Vg_aveを基準とする極間電圧Vgの振幅が演算される。続いて、実振幅演算部62は、図7に示すように、変動幅Vfの絶対値を極間電圧の振幅Va(=|Vf|)として演算する。実振幅演算部62は、演算した極間電圧の振幅Vaを目標電圧補正部64に出力する。
なお、実振幅演算部62は、極間電圧Vgの1振動における最大値(Max)と最小値(Min)との差分を2で割った値((Max−Min)/2)の絶対値を極間電圧の振幅Vaとして算出してもよい。
目標振幅設定部63は、予め設定された目標振幅値Va_tagを保有しており、その目標振幅値Va_tagを設定する。なお、目標振幅値の決定手法については後述する。この目標振幅値Va_tagはゼロよりも大きな値に設定されている。
目標電圧補正部64は、実振幅演算部62によって演算された振幅Vaが、ゼロよりも大きな値に設定された目標振幅値Va_tagに近づくように、目標電圧値Vg_tagを補正する。具体的には、目標電圧補正部64は、図8に示すように、実振幅演算部62によって演算された振幅Vaが目標振幅値Va_tagよりも大きい場合に、目標電圧値Vg_tagを減少させるための目標電圧補正値Vnを生成し、振幅Vaが目標振幅値Va_tagよりも小さい場合に、目標電圧値Vg_tagを大きくする方向に補正するための目標電圧補正値Vnを生成する。
また、その他の実施例として、具体的には、目標電圧補正部64は、実振幅演算部62によって演算された振幅Vaが目標振幅値Va_tagよりも大きい場合に、目標電圧を補正する前より極間距離を広げるための目標電圧補正値Vnを生成し、一方、振幅Vaが目標振幅値Va_tagよりも小さい場合に、目標電圧を補正する前より極間距離を狭めるための目標電圧補正値Vnを生成してもよい。
目標電圧補正部64は、例えば、補正値演算部71、補正値制限部72、及び補正部73を備えている。
補正値演算部71は、実振幅演算部62によって演算された極間電圧の振幅Vaと目標振幅値Va_tagとを用いて、目標電圧補正値Vnを演算する。例えば、補正値演算部71は、極間電圧の振幅Vaと目標振幅値Va_tagとをパラメータとして含む補正値演算式を有しており、この補正値演算式に対して、実振幅演算部62によって演算された極間電圧の振幅Vaと目標振幅値Va_tagを代入することにより、目標電圧補正値Vnを演算する。補正値演算式は、例えば、以下の(1)式で与えられる。
Vn=−k*(Va−Va_tag) (1)
上記(1)式において、kは係数であり、予め設定された値である。
補正値演算部71は、(1)式を用いることにより、例えば、図9に示されるような目標電圧補正値Vnを得る。
また、その他の実施例として、予め補正値演算式を用いて演算済みである極間電圧の振幅Vaと、目標電圧補正値Vnとの相関関係を示す演算テーブル表を用いて、実振幅演算部62によって演算された極間電圧の振幅Vaから目標電圧補正値Vnを得てもよい。
補正値制限部72は、補正値演算部71によって得られた目標電圧補正値Vnを予め設定された上下限範囲内に制限する。具体的には、補正値制限部72は、図10に示されるように、補正値の上限値Vn_max及び下限値Vn_mixを有しており、目標電圧補正値Vnが上限値Vn_maxを超える場合にはその補正値を上限値Vn_maxとし、目標電圧補正値Vnが下限値Vn_minを下回る場合にはその補正値を下限値Vn_minとする。これにより、例えば、図11に示すような、上下限値の範囲内に収められた目標電圧補正値Vn´が得られる。
補正部73は、補正値制限部72から出力された目標電圧補正値Vn´を用いて目標電圧設定部61によって設定された目標電圧値Vg_tagを補正する。具体的には、目標電圧補正値Vn´を目標電圧値Vg_tagに加算することで、補正後の目標電圧値Vg_tag´を算出する。補正後の目標電圧値Vg_tag´は制御信号生成部65に出力される。
制御信号生成部65には、極間電圧測定部40によって測定された極間電圧と、補正後の目標電圧値Vg_tag´が入力される。制御信号生成部65は、極間電圧Vgを補正後の目標電圧値Vg_tag´に近づけるようなワーク送り部2のサーボモータ(図示略)の制御信号を生成し、サーボモータに与える。これにより、補正後の目標電圧値Vg_tag´に基づいてワイヤ15とワークWとの間隙(ギャップ)が調整されることとなる。
次に、目標振幅設定部63において用いられる目標振幅値Va_tagの与え方について説明する。
まず、図3に示したサーボ制御部51において、目標振幅値Va_tagをゼロに設定し、ワークWの放電加工を行い、そのときの実振幅Vaの平均値を得る。そして、この実振幅Vaの平均値に基づいて目標振幅値Va_tagの初期値(例えば、実振幅Vaの平均値の1/2)を設定する。そして、この目標振幅値Va_tagの初期値および所定の値に設定した係数kを用いてワークWの放電加工を再度行い、最終加工物を得る。そして、メーカ等が希望する品質の最終加工物が安定して得られるようになるまで、目標振幅値Va_tag及び係数kの微調整を行いながら繰り返し試験を行い、目標振幅値Va_tag及び係数kの値を収束させる。そして、メーカ等が希望する品質の最終加工物が安定して得られるようになったときの目標振幅値Va_tagを目標振幅設定部63に与えるとともに、そのときの係数kを補正値演算部71に与える。
また、補正値制限部72が保持する上限値及び下限値は、例えば、目標電圧値Vg_tagの±10%程度に設定される。また、この上下限値についても事前試験のときに調整することとしてもよい。
次に、上述したサーボ制御部51によるサーボ制御の処理手順について図を用いて説明する。図12は本発明の一実施形態に係るサーボ制御の処理手順を示したフローチャートである。
まず、ワークWの放電加工が開始されると、ワークWの加工面がZ軸方向(ワーク送り方向)における加工終了位置に到達したか否かを判定する(S101)。この結果、加工終了位置に到達した場合には(S101:YES)、サーボ制御を終了する。一方、到達していないと判定した場合には(S101:NO)、ワークWのZ軸方向における位置座標に応じた目標電圧値Vg_tagを目標電圧情報から取得し、設定する(S102)。これにより、ワークWの加工位置に連動した適切な目標電圧値Vg_tagが設定される。
続いて、目標振幅値Va_tagを設定し(S103)、更に、極間電圧測定部40によって測定された極間電圧に基づいて極間電圧の振幅Vaを演算する(S104)。
続いて、演算した極間電圧の振幅Vaと目標振幅値Va_tagとを用いて目標電圧補正値Vnを演算する(S105)。
続いて、目標電圧補正値Vnが所定の上下限範囲内であるか否かを判定する(S106)。この結果、上下限範囲内であれば(S106:YES)、目標電圧補正値Vnを用いて目標電圧値Vg_tagを補正する(S107)。一方、目標電圧補正値Vnが所定の上下限範囲外である場合には(S106:NO)、上下限範囲内となるように目標電圧補正値Vnを補正し、補正後の目標電圧補正値Vn´を用いて目標電圧値Vg_tagを補正する(S108)。
そして、補正後の目標電圧値Vg_tag´を用いてサーボモータの制御信号を生成する。このサーボモータの制御信号は、極間電圧測定部40によって測定された極間電圧を補正後の目標電圧値Vg_tag´に近づけるための信号である。例えば、サーボモータの制御信号は補正後の目標電圧値Vg_tag´と極間電圧Vgとの差分に対してPID制御等の公知の技術を用いることにより生成される。生成された制御信号に基づいてワーク送り部2のサーボモータが制御されることにより、ワークWとワイヤ15との間隙(ギャップ)が制御され、放電加工が進められる(S109)。
続いて、ワークWの加工面のZ座標位置が、次の目標電圧に対応する位置に到達したか否かを判定し(S110)、目標位置に達していなければ現在のサーボ制御が維持される(S110:NO)。一方、ワークWの加工面が次の目標電圧値の取得位置に到達していた場合には(S110:YES)、ステップS101に戻り、上述した以降の処理が繰り返し行われる。
上記サーボ制御が行われることにより、極間電圧Vgの振幅が目標振幅値に近づくようにワークWとワイヤ15との間の間隙(ギャップ)が制御されながら、ワーク送り部2によってワークWが下方に徐々に移動させられ、放電加工が進められることとなる。これにより、最終的にワークWから複数のワーク片を製造することができる。
以上説明してきたように、本発明の一実施形態に係るワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラムによれば、極間電圧測定部40によりワイヤ15とワークWとの間の極間電圧Vgが計測され、計測された極間電圧の振幅Vaが実振幅演算部62により演算される。そして、演算された振幅Vaが目標振幅値Va_tagに近づくように目標電圧値Vg_tagが補正される。この場合において、目標振幅値Va_tagはゼロよりも大きな値に設定されている。これにより、目標振幅をゼロに設定する場合に比べて、ワイヤ15とワークWとの間の間隙が必要以上に狭まることを抑制することができる。この結果、ワイヤ15とワークWとの短絡を抑制することができ、安定した放電を維持することが可能となる。また、目標振幅をゼロよりも大きな値とすることで、極間電圧の振動を目標振幅の範囲で許容することができる。これにより、万一、ワイヤ15とワークWとが短絡してしまった場合でも、極間電圧の振動に起因するワイヤ15の物理的な振動により、ワイヤ15をワークWから再び離すことが可能となる。
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明したサーボ制御の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
なお、上述した実施形態に係るワイヤ放電加工装置1は、ワークWの組成に基づいて、目標電圧補正部64による目標電圧の補正を行うか否かを切り替える切替部を更に備えていてもよい。例えば、ワークWが炭化ケイ素を含んでいる場合や窒化ガリウム等を含んでいる場合、シリコン(Si)を材料とした均一なワークWに比べて、組成がワーク内部で不均一となるおそれがある。このため、極間電圧測定部40によって測定される極間電圧の振幅が急激に変化したり、振幅値が大きくなる可能性がある。したがって、このような炭化ケイ素を含んでいるワークを加工する場合には、極間電圧の振幅に基づいて目標電圧を補正することで、極間電圧の変動を抑制することができ、安定した放電加工を実現することが可能となる。また、その一方で、Siなどのように組成が安定したワークWを加工する場合には、目標電圧値を補正することなくサーボ制御を行っても高品質な最終加工物を得ることができる。このような場合には、例えば、目標電圧補正部64の機能を無効化したり、目標振幅設定部63が設定する目標振幅値をゼロに設定したりすることで、目標電圧の補正を行うことなく、ワイヤ15とワークWとの間隙を適切に制御することができる。切替の手段は、回路を物理的に切り替えるスイッチのような構成を用いても良いし、ソフトウェア的に機能を無効化したり、目標振幅値の設定値をゼロに切り替えたりする手法をとることができる。
1 ワイヤ放電加工装置
2 ワーク送り部
3 給電部
4 加工槽
5 加工部
6 メインローラ
7 メインローラ
8 ワイヤ給電子
15 ワイヤ
20 電源装置
21 電源回路
22 加工電圧制御部
40 極間電圧測定部
51 サーボ制御部
52 加工制御部
61 目標電圧設定部
62 実振幅演算部
63 目標振幅設定部
64 目標電圧補正部
65 制御信号生成部
71 補正値演算部
72 補正値制限部
73 補正部

Claims (8)

  1. 設定された目標電圧に合わせるようにワイヤとワークとの間の極間電圧に基づいて前記ワイヤと前記ワークとの間の極間距離を制御しながら前記ワークを放電加工するワイヤ放電加工装置であって、
    前記極間電圧を測定する極間電圧測定手段と、
    測定された前記極間電圧の振幅を演算する実振幅演算手段と、
    演算した前記振幅がゼロよりも大きな値に設定された目標振幅に近づくように、前記目標電圧を補正する目標電圧補正手段と
    を備えるワイヤ放電加工装置。
  2. 前記目標電圧補正手段は、前記実振幅演算手段によって演算された前記振幅が前記目標振幅よりも大きい場合に、前記目標電圧を小さくする方向に補正し、前記実振幅演算手段によって演算された前記振幅が前記目標振幅よりも小さい場合に、前記目標電圧を大きくする方向に補正する請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記目標電圧補正手段は、
    前記実振幅演算手段によって演算された前記極間電圧の振幅と前記目標振幅とを用いて、目標電圧補正値を演算する補正値演算手段と、
    前記目標電圧補正値を用いて前記目標電圧を補正する補正手段と
    を備える請求項1または2に記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 前記目標電圧補正手段は、前記目標電圧補正値を予め設定された制限範囲内に制限する補正値制限手段を備え、
    前記補正手段は、前記補正値制限手段によって制限された前記目標電圧補正値を用いて、前記目標電圧を補正する請求項3に記載のワイヤ放電加工装置。
  5. 前記ワークの組成に基づいて、前記目標電圧補正手段による前記目標電圧の補正を行うか否かを切り替える切替手段を備える請求項1から4のいずれかに記載のワイヤ放電加工装置。
  6. 前記ワークが炭化ケイ素を含んでいる場合に、前記目標電圧補正手段による前記目標電圧の補正を行う請求項5に記載のワイヤ放電加工装置。
  7. 設定された目標電圧に合わせるようにワイヤとワークとの間の極間電圧に基づいて前記ワイヤと前記ワークとの間の極間距離を制御しながら前記ワークを放電加工するワイヤ放電加工装置の制御方法であって、
    前記極間電圧を測定する極間電圧測定工程と、
    測定された前記極間電圧の振幅を演算する実振幅演算工程と、
    演算した前記振幅がゼロよりも大きな値に設定された目標振幅に近づくように、前記目標電圧を補正する目標電圧補正工程と
    を有するワイヤ放電加工装置の制御方法。
  8. 設定された目標電圧に合わせるようにワイヤとワークとの間の極間電圧に基づいて前記ワイヤと前記ワークとの間の極間距離を制御しながら前記ワークを放電加工するワイヤ放電加工装置に適用される制御プログラムであって、
    測定された前記極間電圧の振幅を演算する実振幅演算処理と、
    演算した前記振幅が、ゼロよりも大きな値に設定された目標振幅に近づくように、前記目標電圧を補正する目標電圧補正処理と
    をコンピュータに実行させるためのワイヤ放電加工装置の制御プログラム。
JP2018122151A 2018-06-27 2018-06-27 ワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラム Active JP7083109B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018122151A JP7083109B2 (ja) 2018-06-27 2018-06-27 ワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラム
EP19826984.7A EP3815825A4 (en) 2018-06-27 2019-06-19 WIRE EDM MACHINE DEVICE, CONTROL METHOD THEREOF AND CONTROL PROGRAM
US17/255,894 US11890691B2 (en) 2018-06-27 2019-06-19 Wire electric discharge machining device, and control method and control program therefor
PCT/JP2019/024369 WO2020004199A1 (ja) 2018-06-27 2019-06-19 ワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018122151A JP7083109B2 (ja) 2018-06-27 2018-06-27 ワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018202606A true JP2018202606A (ja) 2018-12-27
JP7083109B2 JP7083109B2 (ja) 2022-06-10

Family

ID=64954838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018122151A Active JP7083109B2 (ja) 2018-06-27 2018-06-27 ワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11890691B2 (ja)
EP (1) EP3815825A4 (ja)
JP (1) JP7083109B2 (ja)
WO (1) WO2020004199A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS567806B2 (ja) * 1972-12-29 1981-02-19
JP2853092B2 (ja) * 1994-09-15 1999-02-03 アギー エスアー 被加工体を電食加工するための方法及びパルス発生器

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0649253B2 (ja) 1988-07-27 1994-06-29 三菱電機株式会社 放電加工装置の電極間距離の制御装置
JPH0457619A (ja) * 1990-06-27 1992-02-25 I N R Kenkyusho:Kk 放電間隙制御装置
KR950010256B1 (ko) * 1991-07-12 1995-09-12 미쯔비시덴끼 가부시끼가이샤 방전 가공 방법 및 그의 장치
JP5372252B2 (ja) 2010-06-22 2013-12-18 三菱電機株式会社 放電加工制御装置
JP2012166289A (ja) 2011-02-14 2012-09-06 Mitsubishi Electric Corp 半導体ウェハの切断方法
JP6261939B2 (ja) 2013-10-23 2018-01-17 三菱重工業株式会社 可搬式の超音波探傷装置及び超音波探傷方法
PL222103B1 (pl) * 2013-11-21 2016-06-30 Inst Zaawansowanych Tech Wytwarzania Sposób i układ sterowania prędkością liniową elektrody drutowej podczas wycinania elektroerozyjnego
DE112014006521B4 (de) 2014-03-27 2019-03-28 Mitsubishi Electric Corporation Steuerungsvorrichtung für eine Drahterosionsmaschine
JP6442282B2 (ja) 2014-12-26 2018-12-19 キヤノンマーケティングジャパン株式会社 ワイヤ加工装置および加工槽
WO2017130272A1 (ja) 2016-01-25 2017-08-03 三菱電機株式会社 ワイヤ放電加工機
US10967450B2 (en) * 2018-05-04 2021-04-06 Infineon Technologies Ag Slicing SiC material by wire electrical discharge machining

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS567806B2 (ja) * 1972-12-29 1981-02-19
JP2853092B2 (ja) * 1994-09-15 1999-02-03 アギー エスアー 被加工体を電食加工するための方法及びパルス発生器

Also Published As

Publication number Publication date
EP3815825A1 (en) 2021-05-05
US20210260678A1 (en) 2021-08-26
EP3815825A4 (en) 2022-04-06
WO2020004199A1 (ja) 2020-01-02
JP7083109B2 (ja) 2022-06-10
US11890691B2 (en) 2024-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102078990B (zh) 电火花线切割加工机以及电火花加工方法
JP5794401B1 (ja) ワイヤ放電加工機の制御装置、ワイヤ放電加工機の制御方法
CN106475646B (zh) 使加工间隙距离恒定的线放电加工机
JP4255634B2 (ja) ワイヤ放電加工装置およびワイヤ放電加工方法
CN108698146B (zh) 加工控制装置、线放电加工装置及线放电加工方法
US1898060A (en) Method and apparatus for electric arc welding
JP2014200864A (ja) ワイヤ電極張力制御機能を有するワイヤ放電加工機
JP2009226504A (ja) ワイヤ放電加工装置
JP5622977B1 (ja) ワイヤ放電加工装置、ワイヤ放電加工方法および制御装置
KR102183265B1 (ko) 와이어 방전 가공기 및 방전 가공 방법
JP2018202606A (ja) ワイヤ放電加工装置及びその制御方法並びに制御プログラム
WO2017130272A1 (ja) ワイヤ放電加工機
JP2018034270A (ja) ワイヤ放電加工機
JP2019000962A (ja) ワイヤ放電加工機の制御装置、および、ワイヤ放電加工機の制御方法
JP2014076525A (ja) ワイヤ放電加工機およびワイヤ放電加工方法
JP2008036720A (ja) ワイヤ放電加工機
US3280016A (en) Electrochemical machining of metals
JP5190973B1 (ja) ワイヤカット放電加工方法およびワイヤカット放電加工装置
JP3258621B2 (ja) ワイヤ放電加工機
JPH11188603A (ja) ワイヤ式切断加工装置における被切断材の送り速度制御装置および方法
Satyanarayana et al. Taguchi Optimization in Machining Inconel 600 with WEDM Process Using Cryogenically Treated Brass Wire
JP2002316264A (ja) 回転アーク溶接装置および溶接速度設定装置
JP7022259B1 (ja) ワイヤ放電加工機、及び、ワイヤ放電加工機の制御方法
RU2486037C2 (ru) Способ стабилизации межэлектродного промежутка при электроэрозионном профилировании шлифовальных кругов с помощью автоматического экстремального регулятора подачи электрода
CN116367947B (zh) 多线放电加工机

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181101

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7083109

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150