JP2018202318A - スピンコータ装置、スピンコート方法、ドライフィルムレジストの製造方法および液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ターンテーブルとサポート基板との間の隙間への塗布液の入り込みを低減させ、両者の貼り付きを抑制し、量産性及び搬送性を向上できるスピンコータ装置、その装置を利用したスピンコート方法、ドライフィルムレジストの製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法の提供。【解決手段】ターンテーブル上の可撓性の基材に塗布液を供給し、ターンテーブルを回転して該基材上の塗布液を均一化するスピンコータ装置であって、該基材を固定保持するサポート基板と、該サポート基板を該ターンテーブル上に吸着保持する吸着機構と、該サポート基板の外周部と該ターンテーブルとの間に配された撥液層とを含むスピンコータ装置。該スピンコータ装置を利用したスピンコート方法、ドライフィルムレジストの製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、スピンコータ装置、並びに、その装置を利用したスピンコート方法、ドライフィルムレジストの製造方法および液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
近年、インクジェット記録ヘッド等の液体吐出ヘッドにおける、高画質によるノズルの微細化や高速印字によるノズルの高密度化に伴い、液体流路の高さ等、ノズル構成に更なる高精度化が求められている。
液体吐出ヘッドは、通常、シリコン基板等の基板上に、ノズル(吐出口及び液体流路)を有するノズル層が配される構成となっている。そして、このノズル層には、吐出口を有するオリフィスプレートと、上記基板及びオリフィスプレートの間に配され、吐出口に連通する液体流路を形成するための流路壁部材とが含まれる。
このような液体吐出ヘッドを製造する方法として、特許文献1には、基板上に、感光性ドライフィルム等を用いてノズルを形成する方法が開示されている。この方法によれば、インク供給口等を有する基板上に、この基板における下地段差を被覆するように、上記流路壁部材と、上記オリフィスプレートとを、フォトリソグラフィ等の技術を用いて、それぞれ形成することが可能である。
特許文献1に開示されているような感光性ドライフィルムを形成する上で、ベースフィルムに相当する樹脂フィルム等の可撓性を有するシート状基材の上に、レジストを塗布する方法としては種々の方法がある。例えば、ロールtoロールのスリットダイ方式やグラビアロール方式などが挙げられるが、求められる厚み精度の観点から、シリコン基板などの精密塗工時に多く用いられるスピンコート方式を採用することが好ましい。
特許文献2には、シート状基材にレジスト等の塗布液を塗布するスピンコート方式や、その方式に用いるスピンコータ装置が開示されている。このスピンコータ装置には、樹脂フィルム等のシート状基材を吸着保持して高速回転するターンテーブルが備えられており、このターンテーブルの基材を支持する面が、表面平坦な焼結プレートで形成されている。この構成により、シリコン基板などと異なりそれ自体が安定しない、樹脂フィルムのような可撓性を有するシート状基材であっても、変形を生じることなくターンテーブル上面に均一に吸着保持することができ、均一な精密塗工が可能となる。
上述した特許文献2に記載の装置では、上記焼結プレートをターンテーブル本体に接着し固定して用いていることから、基材のみの搬送形式を想定していると考えられる。
しかしながら、量産性を考慮すると、基材のみの搬送形式では工夫が必要となる場合が多い。このため、量産性の観点からは、基材のみではなく、支持フレーム等のサポート基板に基材を貼付け、サポート基板ごと搬送を行い、この基材及びサポート基板をターンテーブルに吸着保持させ、スピンコートを行う方が好ましい。
通常、スピンコートでは、基材上に一定量の塗布液を塗布した後、基材を高速回転させることにより、その遠心力によって不要な塗布液を飛ばし、塗工膜厚を均一化する。ここで、上述した支持フレーム等のサポート基板を用いる方法を採用した場合、吸着保持の観点から、このサポート基板のサイズよりもターンテーブルのサイズが大きくなる傾向がある。このため、サポート基板ごとの搬送形式を採用した場合、上述した均一化の過程で、サポート基板と、ターンテーブルとの間のわずかな隙間に、塗布液が入り込んでしまうことがあった。そして、この隙間に入り込んだ塗布液は、膜厚調整や乾燥操作の間に、塗布液中の溶剤が揮発して粘着力が増大し、サポート基板とターンテーブルとが貼り付いてしまい、搬送する際に、基材が配されたサポート基板が取り出し難くなることがあった。また、ターンテーブル上に付着した塗布液の除去が困難な場合があり、メンテナンス性に問題が生じる場合があった。
従って、本発明は、ターンテーブルとサポート基板との間の隙間への塗布液の入り込みを低減させ、両者の貼り付きを抑制し、量産性及び搬送性を向上できるスピンコータ装置、並びに、該装置を利用したスピンコート方法、ドライフィルムレジストの製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、ターンテーブル上の可撓性の基材に塗布液を供給し、ターンテーブルを回転して該基材上の塗布液を均一化するスピンコータ装置であって、該基材を固定保持するサポート基板と、該サポート基板を該ターンテーブル上に吸着保持する吸着機構と、該サポート基板の外周部と該ターンテーブルとの間に配された撥液層と、を含むスピンコータ装置である。
また、本発明の第二の態様は、ターンテーブル上の可撓性の基材に塗布液を供給し、ターンテーブルを回転して該基材上の塗布液を均一化するスピンコート方法であって、該基材をサポート基板上に固定させる工程と、ターンテーブル上に該サポート基板を吸着保持させる工程と、該基材上に塗布液を供給し、ターンテーブルを回転してスピンコートする工程と、を有し、該サポート基板の外周部は、該ターンテーブル上に撥液層を介して吸着保持されるスピンコート方法である。
また、本発明の第三の態様は、可撓性の基材上に樹脂層が形成されたドライフィルムレジストの製造方法であって、上記スピンコート方法により、該樹脂層の材料を含む塗布液を、該基材上に塗布する工程と、該塗布液を乾燥して樹脂層を形成する工程と、を含むドライフィルムレジストの製造方法である。
また、本発明の第四の態様は、液体を吐出する吐出口を有するオリフィスプレートと、該吐出口から液体を吐出するためのエネルギー発生素子を有する基板と、該基板および該オリフィスプレートの間に配され、該吐出口に連通する液体流路を形成するための流路壁部材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、該オリフィスプレート及び流路壁部材の少なくとも一方が、上記製造方法により製造されたドライフィルムレジストを用いて形成される液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明によれば、ターンテーブルとサポート基板との間の隙間への塗布液の入り込みを低減させ、両者の貼り付きを抑制し、量産性及び搬送性を向上できるスピンコータ装置、並びに、該装置を利用したスピンコート方法、ドライフィルムレジストの製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法が提供できる。
サポート基板上に配されたドライフィルム等の基材上に樹脂層(例えば、レジスト層)を形成する際、基材上に一定量の塗布液(例えばレジスト)を塗布し膜厚を均一にする過程で、サポート基板の外周部に塗布液が回り込む場合がある。このため、回り込んだ塗布液により、サポート基板とターンテーブルとが貼りつき、塗布後の基板が配されたサポート基板を取り出し難くなることがある。そこで本発明では、サポート基板の特定の位置、具体的には、サポート基板の外周部と、ターンテーブルとの間に撥液層を配置する。これにより、塗布時の塗布液の回り込み量を軽減し、貼り付きを抑制することができる。
また、本発明では、更に、サポート基板の他の特定の位置、具体的には、基板の外周部とサポート基板との間となる部分に、撥液層を配置することにより、基材とサポート基板との間の隙間への塗布液の回り込みも容易に抑制することができる。この基板と他の部材(サポート基板や焼結プレートやターンテーブル等)との間への塗布液の回り込みは、基材の形状(例えば、平面形状が長方形)によっては、上述した特許文献2に記載の装置等、従来のスピンコータ装置において、十分起こり得る現象である。
以下、本発明を詳しく説明する。
<スピンコータ装置>
本発明のスピンコータ装置は、ターンテーブル上の可撓性の基材に塗布液を供給し、このターンテーブルを回転して基材上の塗布液を均一化するものである。また、このスピンコータ装置では、基材が固定保持されたサポート基板での(サポート基板ごとの)搬送を行うことができる。
本発明のスピンコータ装置は、ターンテーブル上の可撓性の基材に塗布液を供給し、このターンテーブルを回転して基材上の塗布液を均一化するものである。また、このスピンコータ装置では、基材が固定保持されたサポート基板での(サポート基板ごとの)搬送を行うことができる。
本発明のスピンコータ装置について、図面を参照して詳しく説明する。なお、図1は、本発明のスピンコータ装置の一例を示す模式図である。ここで、図1(a)は、そのスピンコータ装置の平面図を表し、図1(b)は、その平面図をA−A’線で切断した際の断面図を表す。また、図1(c)は、その断面図において、点線で囲った部分の基材及びサポート基板の拡大図を表す。また、図2は、基材、サポート基板及びターンテーブルにおける撥液層(撥液性コーティング層)の形成箇所を説明するための断面図である。なお、図2では、後述する真空吸着溝5を省略した記載となっている。さらに、図3は、基板とサポート基板との接着方法に関する説明図であり、図4は、サポート基板とターンテーブルとの間の隙間への塗布液の入り込みに関する説明図である。なお、図1に示す符号1aは、サポート基板の内周面を表し、符号1bはサポート基板の外周面を表す。また、符号2aは、サポート基板のおもて面に形成された撥液層の境界部分を表し、符号2bは、サポート基板の裏面に形成された撥液層の境界部分を表す。さらに、図4に示す符号8は、ターンテーブルにおける吸着面を表す。なお、以降、基材3、サポート基板1及びターンテーブル4がそれぞれ有する対向する二つの面のうち、図2に示す紙面上側の面をおもて面と称し、紙面下側の面を裏面と称する。
本発明のスピンコータ装置は、図1及び図2に示すように、基材3を固定保持するサポート基板1と、サポート基板1をターンテーブル上に吸着保持する吸着機構と、サポート基板1の外周部とターンテーブル4との間に少なくとも配された撥液層2とを含む。ここで、図1では、上記吸着機構の一部である真空吸着溝5のみが図示されている。
なお、上記サポート基板の外周部とは、サポート基板の裏面における、サポート基板の外周(縁)を少なくとも含み、さらに、このサポート基板の外周よりも内側の外周近傍を含むものである。また、上記サポート基板の外周部に含まれる上記外周近傍における、サポート基板の外周面1bからの距離は、特に限定されない。
スピンコータ装置には、サポート基板をターンテーブル上に吸着保持するための吸着機構が設けられており、その一部として、ターンテーブル4には、真空吸着溝5が設けられている。そして、この真空吸着溝5から適当な間隔を置いて接続される真空ポンプ等の真空源(不図示)を作動させることにより、この真空吸着溝5を介してサポート基板1をターンテーブル4に吸着、保持する構成となっている。
なお、ターンテーブル4は、スピンコータ装置の分野で従来公知のものを適宜使用することができ、図1に示す構造に限定されない。また、ターンテーブル上に配されるサポート基板1を真空作用により吸着固定するための、真空吸着溝5や真空源等の吸着機構における各部材の形状や配置等も適宜設定することができ、スピンコータ装置の分野で従来公知のものを適宜使用することができる。
可撓性の基材3としては特に限定されないが、樹脂フィルム等のシート状基材を好適に用いることができる。基材3としては、例えば、ドライフィルムレジスト(以降、DFRと称することもある)を形成するためのベースフィルム等を用いることができる。この基材の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、及び、シクロオレフィンポリマー等を挙げることができる。
基材の厚みも特に限定されないが、例えば、16μm以上150μm以下とすることができる。
基材の厚みも特に限定されないが、例えば、16μm以上150μm以下とすることができる。
サポート基板1は、基材(樹脂フィルム)3の少なくとも一部を固定保持することができるものであればよく、その形状に関しても、基材3の形状に応じて適宜設定することができる。例えば、フレーム形状のものや、基材の裏面全体を固定させ得る基板(例えば、用いる基材3の大きさ以上の表面が平坦な基板)を用いることができる。
フレーム形状のサポート基板では、基材の裏面における、基材の一部、即ち、基材の外周部の少なくとも一部を固定させることができる。なお、上記基材の外周部とは、基材の裏面における、基材の外周(縁)を少なくとも含み、さらに、この基材の外周よりも内側の外周近傍を含むものである。また、上記基材の外周部に含まれる上記外周近傍における、基材の外周面からの距離は特に限定されない。
サポート基板として、表面が平坦な基板を用いる際は、基材を吸着保持する際の弊害とならない範囲のものを選択し、基材をサポート基板表面(ターンテーブル表面)により均一に吸着保持させることができる。
しかしながら、サポート基板としては、フレーム形状のものを用いることが好ましい。フレーム形状のサポート基板では、表面が平坦な基板よりも軽量化が図れ、これにより、ターンテーブルの回転中に可撓性の基材がサポート基板に対してずれることを容易に防ぐことができる。なお、フレーム形状のサポート基板では、このフレームの面積の大きな部分(図3では、サポート基板1の四隅の部分)をターンテーブル上に吸着保持させることができる。
可撓性の基材として、例えば、(平面形状が)長方形の樹脂フィルムを用いる場合には、サポート基板1としては、例えば、図1及び図3に示すような長方形のステンレス鋼(SUS)製の角フレームを用いることができる。このほかにも用いる基材3の形状に合わせて、(平面形状が)円形や正方形のフレームをサポート基板として用いることができる。また、サポート基板の大きさは、サポート基板に固定させる基材の大きさに合わせて適宜設定することができるが、例えば、サポート基板として、角フレームを用いた場合、以下のようにすることができる。即ち、用いる基材よりも、図1(a)に示すような平面における縦(紙面上下方向)や横(紙面左右方向)の長さが、それぞれ合計で20mm以上50mm以下大きく、かつ、フレームの枠の幅(最も狭い部分の幅)が50mm程度のものを用いることができる。
なお、サポート基板の厚みは、剛性の観点から0.5mm以上、搬送性の観点から1.5mm以下とすることが好ましい。
サポート基板を構成する材料は、基材を吸着保持する際の弊害とならない範囲で適宜設定することができるが、例えば、ステンレス鋼、ガラス、及び、耐薬品性のある樹脂等を用いることができる。即ち、ザポート基板は、例えば、ステンレス鋼等の金属製のフレームや、ガラス基板、ステンレス鋼等の金属製の基板、耐薬品性のある樹脂(例えば、フッ素樹脂、塩素化ポリエーテル、フラン等)製の基板などであることができる。
上述したように、本発明のスピンコータ装置では、撥液層2は、サポート基板の外周部(例えば、フレーム形状のサポート基板の場合はフレーム部)と、ターンテーブルのおもて面との間に配置されている。そして、サポート基板1と、ターンテーブル4とが、この撥液層2を介して接触配置されている。このように、サポート基板1とターンテーブル4とが接触する面に撥液層2が存在することにより、図4に示すような、塗布液(フォトレジスト)7の入り込みを防ぐことができ、サポート基板1とターンテーブル4の貼り付きを抑制することが可能となる。
なお、これらの図では、サポート基板の裏面の全面となる部分に撥液層(撥液性コーティング層)2がコーティング(被覆)されている。但し、サポート基板とターンテーブルとの間の塗布液の入り込みを予防できればよい。従って、サポート基板の裏面のうち、サポート基板の外周面1bとターンテーブルのおもて面との間となる部分(サポート基板の外周)を含む少なくとも一部に撥液層が形成されていればよい。
なお、図1(b)〜(c)並びに図2(b)〜(c)に示すように、サポート基板の外周面1bの少なくとも一部を撥液層でコーティングすることもできる。
また、図1(b)〜(c)並びに図2(c)〜(d)に示すように、サポート基板の基材が固定保持される側の面(おもて面)の一部が、撥液層でコーティングされていることが好ましい。これは、基材のおもて面側に塗布液を塗布してターンテーブルを回転させ、この塗布液を遠心力により基材のおもて面からサポート基板のおもて面に塗り広げる際、以下の点において好ましいためである。即ち、サポート基板のおもて面にコーティングされた撥液層の存在によって、上記塗布液を、サポート基板のエッジ部で裏面側(サポート基板とターンテーブルとの間)に回り込ませることを抑制し、遠心方向に振り切りやすくなる。
さらに、図1(b)〜(c)並びに図2(d)に示すように、サポート基板のおもて面の一部として、基材3の外周部と、サポート基板1のおもて面との間となる部分に、撥液層が配されていることがより好ましい。これにより、サポート基板1と、基材3との間への塗布液の入り込みを防ぐことができ、両者の貼り付きを抑制することができる。この際、図1(c)等に示すように、撥液層2は、基材3とサポート基板1との接着部分(例えば、両面テープを貼る部分)6にはコーティングせず、その接着部分(両面テープを貼る部分)6を残して、基材3の触れる部分までコーティング処理することができる。
なお、撥液層2は、図2(c)に示すように、サポート基板1の基材3と接触しないおもて面の一部のみに設けることもできる。
このように、本発明のスピンコータ装置では、撥液層2をコーティングする領域(撥水層領域)は、図2(a)に示すような、サポート基板の外周部と、ターンテーブルのおもて面との間となる部分を含む、サポート基板の裏面の少なくとも一部であっても良い。さらに、これに加え、図2(b)や(c)に示すような、サポート基板の側面(外周面)の少なくとも一部までの領域であっても良いし、図2(d)に示すような、基材の接着部分6に至る前までのサポート基板のおもて面の一部までの領域であっても良い。
なお、サポート基板の表面(例えば、サポート基板のおもて面)に、表面処理(例えば、無電解ニッケルメッキ処理)を施すこともできる。この表面処理を、撥液層を形成する部分に行う場合は、撥液層形成処理より前に、即ち、撥液層とサポート基板との間となる部分に行うことが好ましい。
ここで、撥液層は、サポート基板とターンテーブルとの間等への塗布液の入り込みを防ぐことができるものであれば、適宜用いることができるが、耐薬品性の観点から、フッ素樹脂を含むことが好ましい。また、撥液層は、サポート基板に用いた材質よりも柔らかい材質のものを用いることがより好ましく、具体的には、ターンテーブルの表面の微小な凹凸を吸収し密着できるものを用いることがより好ましい。このような撥液層を用いることにより、サポート基板とターンテーブルとの間等への塗布液の入り込みを容易に防ぐことができる。
例えば、サポート基板としてステンレス鋼製のフレームを用いた場合、撥液層は、このステンレス鋼よりも柔らかいフッ素樹脂である、テフロン(登録商標)素材のものを用いることができる。また、撥液層を構成する材料としては、フッ素樹脂の他に、例えば、シリコン樹脂等を用いることもできる。
なお、サポート基板の表面は平滑であることが好ましい。例えば、サポート基板の表面粗さとして、撥液層による表面の微小凹凸吸収の観点から、Ra値が3.0μm以下であることが好ましい。この表面粗さRa値は、JISB0601:2001に定められる規格であり、表面粗さ測定器により測定することができる。
また、サポート基板の表面の平坦性として、搬送性の観点から0.2mm以下が好ましい。ここでいう表面の平坦性とは、サポート基板のたわみ量のことを指しており、次のように測定できる。即ち、まず、たわみのあるサポート基板を上に凸になるように平面に置く。そして、このサポート基板の表面形状(例えばおもて面の表面形状)に関して、鉛直方向(図2では紙面上下方向)における、最も低い部分(例えば凹部分)と、最も高い部分(例えば凸部分)との間の距離(表面形状における高低差)を測定した値である。
<スピンコート方法>
本発明のスピンコート方法は、上述したスピンコータ装置を用いて行うことができ、以下の工程を有する。
・基材をサポート基板上に固定させる工程(基材固定工程)。
・ターンテーブル上に該サポート基板を吸着保持させる工程(吸着保持工程)。
・該基材上に塗布液を供給し、ターンテーブルを回転してスピンコートする工程(スピンコート工程)。
なお、このスピンコート方法では、サポート基板の外周部は、ターンテーブル上に撥液層を介して吸着保持されている。
本発明のスピンコート方法は、上述したスピンコータ装置を用いて行うことができ、以下の工程を有する。
・基材をサポート基板上に固定させる工程(基材固定工程)。
・ターンテーブル上に該サポート基板を吸着保持させる工程(吸着保持工程)。
・該基材上に塗布液を供給し、ターンテーブルを回転してスピンコートする工程(スピンコート工程)。
なお、このスピンコート方法では、サポート基板の外周部は、ターンテーブル上に撥液層を介して吸着保持されている。
本発明のスピンコート方法は、これらの工程の他に、(サポート基板の外表面に)撥液層を形成する工程(撥液層形成工程)や、基材とサポート基板とを剥離する工程(剥離工程)を有することができる。
これらの工程は順次行われても良いし、複数の工程が並行して行われても良い。また、各工程の順序は特に限定されない。
以下に、各工程について詳しく説明する。
(撥液層形成工程)
撥液層は、少なくとも基材上に塗布液をスピンコートする際に、サポート基板の外表面の上述した特定の位置に形成されていれば良いが、基材等の他の部材に塗布液が付着することを予防する観点から、上記基板固定工程よりも前に行われることが好ましい。例えば、以下の方法により、サポート基板の外表面に撥液層を形成することができる。即ち、撥液層を形成する部分以外をマスキングしたサポート基板を、撥液層を構成する材料であるフッ素樹脂などを充填したバッチ槽に浸漬し、撥液層を形成することができる。
撥液層は、少なくとも基材上に塗布液をスピンコートする際に、サポート基板の外表面の上述した特定の位置に形成されていれば良いが、基材等の他の部材に塗布液が付着することを予防する観点から、上記基板固定工程よりも前に行われることが好ましい。例えば、以下の方法により、サポート基板の外表面に撥液層を形成することができる。即ち、撥液層を形成する部分以外をマスキングしたサポート基板を、撥液層を構成する材料であるフッ素樹脂などを充填したバッチ槽に浸漬し、撥液層を形成することができる。
(基材固定工程)
基材(例えば、枚葉化したベースフィルム)をサポート基板に固定する。この固定方法は、サポート基板上に、基材の少なくとも一部を固定させることができる方法であれば、特に限定されず、適宜用いることができる。固定方法としては、例えば、両面テープ(例えば、熱発泡テープ)によって、基材とサポート基板とを貼付ける方法を用いることができる。なお、その際、両面テープでなく、他の粘着剤等を用いて基材とサポート基板とを貼り付けても良いが、使用後(例えば、スピンコート後)に、両者を容易に剥離できる素材のものを用いることが好ましい。なお、基材とサポート基板との接着位置は、特に限定されず、スピンコートや搬送の際に、両者がきちんと固定され、剥離しない程度に両者が接着されていれば良い。例えば、基材及びサポート基板において、図3に示す接着部分6を両面テープ(熱発泡テープ)により接着させることができる。その際、貼付けはフィルム貼付け専用の装置を用いることができ、シワや撓みがないよう、一定のテンションを掛けて貼り付けることができる。さらに、使用後は、このテープ部分をヒーター等で加熱することにより、接着部分を容易に剥離させることができる。
基材(例えば、枚葉化したベースフィルム)をサポート基板に固定する。この固定方法は、サポート基板上に、基材の少なくとも一部を固定させることができる方法であれば、特に限定されず、適宜用いることができる。固定方法としては、例えば、両面テープ(例えば、熱発泡テープ)によって、基材とサポート基板とを貼付ける方法を用いることができる。なお、その際、両面テープでなく、他の粘着剤等を用いて基材とサポート基板とを貼り付けても良いが、使用後(例えば、スピンコート後)に、両者を容易に剥離できる素材のものを用いることが好ましい。なお、基材とサポート基板との接着位置は、特に限定されず、スピンコートや搬送の際に、両者がきちんと固定され、剥離しない程度に両者が接着されていれば良い。例えば、基材及びサポート基板において、図3に示す接着部分6を両面テープ(熱発泡テープ)により接着させることができる。その際、貼付けはフィルム貼付け専用の装置を用いることができ、シワや撓みがないよう、一定のテンションを掛けて貼り付けることができる。さらに、使用後は、このテープ部分をヒーター等で加熱することにより、接着部分を容易に剥離させることができる。
(吸着保持工程)
ターンテーブル上にサポート基板を吸着保持させる方法は特に限定されない。例えば、ステンレス鋼製の角フレームをサポート基板として用いて、ターンテーブルに接続される真空源(不図示)を作動させることにより、真空吸着溝を介して、基材と共にこのサポート基板(のフレーム部の四隅)をターンテーブルに吸着、保持させることができる。
ターンテーブル上にサポート基板を吸着保持させる方法は特に限定されない。例えば、ステンレス鋼製の角フレームをサポート基板として用いて、ターンテーブルに接続される真空源(不図示)を作動させることにより、真空吸着溝を介して、基材と共にこのサポート基板(のフレーム部の四隅)をターンテーブルに吸着、保持させることができる。
(スピンコート工程)
ターンテーブル上に、基材が固定されたサポート基板を、スピンコータ装置に吸着保持させた状態で、この基材上に塗布液をスピンコートする。例えば、基材を貼り付けた角フレーム(サポート基板)をターンテーブルに載せ、真空吸着溝を介して、このフレームの角4点で、フレーム及び基材をターンテーブルに吸着し固定させる。そして、ターンテーブルを、適度な回転数(例えば、500rpm〜1500rpm)で回転させ、基材上に適量(例えば、10cc〜20cc)の塗布液を塗布した後、遠心力によって不要な塗布液を飛ばしながら膜厚を均一にする。そして、この膜厚を均一にする過程で、上述した特定の位置に撥液層を有することにより、基材とサポート基板との間や、サポート基板とターンテーブルとの間に塗布液が入り込むのを軽減させることができ、これらの部材の貼り付きを抑制することができる。
ターンテーブル上に、基材が固定されたサポート基板を、スピンコータ装置に吸着保持させた状態で、この基材上に塗布液をスピンコートする。例えば、基材を貼り付けた角フレーム(サポート基板)をターンテーブルに載せ、真空吸着溝を介して、このフレームの角4点で、フレーム及び基材をターンテーブルに吸着し固定させる。そして、ターンテーブルを、適度な回転数(例えば、500rpm〜1500rpm)で回転させ、基材上に適量(例えば、10cc〜20cc)の塗布液を塗布した後、遠心力によって不要な塗布液を飛ばしながら膜厚を均一にする。そして、この膜厚を均一にする過程で、上述した特定の位置に撥液層を有することにより、基材とサポート基板との間や、サポート基板とターンテーブルとの間に塗布液が入り込むのを軽減させることができ、これらの部材の貼り付きを抑制することができる。
(剥離工程)
基材とサポート基板との剥離は、用いた固定方法に応じて適宜行うことができる。上述したように、固定方法として、熱発泡テープを用いた場合は、テープ部分を加熱することにより容易に両者を剥離させることができる。また、この他には、以下の方法を用いることができる。例えば、アセトンやエタノールなどの溶剤により溶融するテープを用いた場合は、これらの溶剤を用いることで容易に両者を剥離させることができる。
基材とサポート基板との剥離は、用いた固定方法に応じて適宜行うことができる。上述したように、固定方法として、熱発泡テープを用いた場合は、テープ部分を加熱することにより容易に両者を剥離させることができる。また、この他には、以下の方法を用いることができる。例えば、アセトンやエタノールなどの溶剤により溶融するテープを用いた場合は、これらの溶剤を用いることで容易に両者を剥離させることができる。
<ドライフィルムレジストの製造方法>
ドライフィルムレジスト(DFR)は、可撓性の基材と、該基材上に配された樹脂層とを少なくとも有し、樹脂層上に他の可撓性の基材(カバーフィルム等)や非粘着性の薄層等を有することもできる。
本発明のドライフィルムレジストの製造方法は、以下の工程を有する。
・上記スピンコート方法により、該樹脂層の材料を含む塗布液を、該基材上に塗布する工程(塗布工程)。
・該塗布液を乾燥して樹脂層を形成する工程(乾燥工程)。
また、この製造方法は、必要に応じて、樹脂層上に他の可撓性の基材を貼り付ける工程(貼り付け工程)や、基材とサポート基板とを剥離する工程(剥離工程)を有してもよい。さらに、DFRとして用いる際の露光時の対策として、上記他の可撓性の基材と、樹脂層との間となる部分に、非粘着性の薄層等を形成してもよい。
以下に、各工程を説明する。
ドライフィルムレジスト(DFR)は、可撓性の基材と、該基材上に配された樹脂層とを少なくとも有し、樹脂層上に他の可撓性の基材(カバーフィルム等)や非粘着性の薄層等を有することもできる。
本発明のドライフィルムレジストの製造方法は、以下の工程を有する。
・上記スピンコート方法により、該樹脂層の材料を含む塗布液を、該基材上に塗布する工程(塗布工程)。
・該塗布液を乾燥して樹脂層を形成する工程(乾燥工程)。
また、この製造方法は、必要に応じて、樹脂層上に他の可撓性の基材を貼り付ける工程(貼り付け工程)や、基材とサポート基板とを剥離する工程(剥離工程)を有してもよい。さらに、DFRとして用いる際の露光時の対策として、上記他の可撓性の基材と、樹脂層との間となる部分に、非粘着性の薄層等を形成してもよい。
以下に、各工程を説明する。
(塗布工程)
上述したスピンコート方法により、樹脂層の材料(樹脂層形成用材料)を含む塗布液を基材上に塗布する。樹脂層形成用材料は、作製する樹脂層(レジスト層)に応じて適宜設定することができるが、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂等の材料(樹脂材料)を用いることができる。塗布液中の樹脂層形成用材料の含有割合(濃度)は適宜設定することができる。
上述したスピンコート方法により、樹脂層の材料(樹脂層形成用材料)を含む塗布液を基材上に塗布する。樹脂層形成用材料は、作製する樹脂層(レジスト層)に応じて適宜設定することができるが、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂等の材料(樹脂材料)を用いることができる。塗布液中の樹脂層形成用材料の含有割合(濃度)は適宜設定することができる。
(乾燥工程)
次に、基材上に付与された塗布液を乾燥して樹脂層を形成する。乾燥方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法を用いることができる。即ち、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いた加熱乾燥による方法である。
また、樹脂層の厚みは、その用途に応じて適宜設定することができるが、露光後の樹脂層の強度の観点から1μm以上、現像性の観点から100μm以下とすることが好ましい。
次に、基材上に付与された塗布液を乾燥して樹脂層を形成する。乾燥方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法を用いることができる。即ち、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いた加熱乾燥による方法である。
また、樹脂層の厚みは、その用途に応じて適宜設定することができるが、露光後の樹脂層の強度の観点から1μm以上、現像性の観点から100μm以下とすることが好ましい。
(貼り付け工程)
必要に応じて、樹脂層上にカバーフィルムに相当する他の可撓性の基材を貼り付けることもできる。このカバーフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)及びポリエステル等のフィルムを挙げることができる。このカバーフィルムの厚みも適宜設定でき、例えば、20μm以上40μm以下とすることができる。
必要に応じて、樹脂層上にカバーフィルムに相当する他の可撓性の基材を貼り付けることもできる。このカバーフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)及びポリエステル等のフィルムを挙げることができる。このカバーフィルムの厚みも適宜設定でき、例えば、20μm以上40μm以下とすることができる。
(剥離工程)
剥離工程については、上述したスピンコート方法における剥離工程と同様の方法を用いることができる。なお、この剥離工程は、得られたドライフィルムレジスト使用途中又は使用後(例えば、液体吐出ヘッドを作製する際に、サポート基板ごと基材及び樹脂層を対象部材(例えば、流路壁部材)に貼り付けた後)に行うこともできる。
剥離工程については、上述したスピンコート方法における剥離工程と同様の方法を用いることができる。なお、この剥離工程は、得られたドライフィルムレジスト使用途中又は使用後(例えば、液体吐出ヘッドを作製する際に、サポート基板ごと基材及び樹脂層を対象部材(例えば、流路壁部材)に貼り付けた後)に行うこともできる。
<液体吐出ヘッド>
後述する本発明の液体吐出ヘッドの製造方法より得られる液体吐出ヘッドは、以下の構成を有する。即ち、この液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口、及び、該吐出口に連通する液体流路を有するノズル層と、該吐出口から液体を吐出するためのエネルギー発生素子を有する基板(素子基板)とを有する。
また、この液体吐出ヘッドは、上記ノズル層と、上記素子基板との間に他の部材(例えば、接着層等の樹脂フィルム層)を有することもできる。
後述する本発明の液体吐出ヘッドの製造方法より得られる液体吐出ヘッドは、以下の構成を有する。即ち、この液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口、及び、該吐出口に連通する液体流路を有するノズル層と、該吐出口から液体を吐出するためのエネルギー発生素子を有する基板(素子基板)とを有する。
また、この液体吐出ヘッドは、上記ノズル層と、上記素子基板との間に他の部材(例えば、接着層等の樹脂フィルム層)を有することもできる。
以下に、液体吐出ヘッドの構成について、説明する。
(素子基板)
エネルギー発生素子を配置する基板としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。エネルギー発生素子は、液体吐出ヘッドの吐出口から液体(例えば、インク又はその他の液体)を吐出するためのエネルギーを発生できるものであればよい。エネルギー発生素子としては、例えば、液体を沸騰させる電気熱変換素子(発熱抵抗体素子、ヒータ素子)や、体積変化や振動により液体に圧力を与える素子(ピエゾ素子、圧電素子)などを用いることができる。また、この基板には、液体流路と連通しかつ液体を供給するための液体供給口を有することができる。さらに、この基板上には、電極パッドや、エネルギー発生素子と電極パッドとを接続する配線や、エネルギー発生素子をインク等の液体から保護する保護膜を有することができる。
エネルギー発生素子を配置する基板としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。エネルギー発生素子は、液体吐出ヘッドの吐出口から液体(例えば、インク又はその他の液体)を吐出するためのエネルギーを発生できるものであればよい。エネルギー発生素子としては、例えば、液体を沸騰させる電気熱変換素子(発熱抵抗体素子、ヒータ素子)や、体積変化や振動により液体に圧力を与える素子(ピエゾ素子、圧電素子)などを用いることができる。また、この基板には、液体流路と連通しかつ液体を供給するための液体供給口を有することができる。さらに、この基板上には、電極パッドや、エネルギー発生素子と電極パッドとを接続する配線や、エネルギー発生素子をインク等の液体から保護する保護膜を有することができる。
(ノズル層)
上記ノズル層は、液体を吐出する吐出口を有するオリフィスプレートと、該基板及び該オリフィスプレートの間に配され、該吐出口に連通する液体流路を形成するための流路壁部材とを有することができる。
上記ノズル層は、液体を吐出する吐出口を有するオリフィスプレートと、該基板及び該オリフィスプレートの間に配され、該吐出口に連通する液体流路を形成するための流路壁部材とを有することができる。
オリフィスプレートが有する吐出口は、液体を吐出するためのものであり、例えば、エネルギー発生素子の上方のオリフィスプレート部分に形成することができ、通常、1つの液体吐出ヘッドに複数形成される。
オリフィスプレートは、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂等の材料(樹脂材料)(感光性を有していても有していなくても良い)を用いて形成することができる。
オリフィスプレートは、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂等の材料(樹脂材料)(感光性を有していても有していなくても良い)を用いて形成することができる。
流路壁部材は、吐出口に連通し、液体を保持する空間部分(液室)である液体流路を有する。流路壁部材もオリフィスプレートと同様な材料(樹脂材料)を用いて形成することができる。
本発明より得られる液体吐出ヘッドは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、更には、各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。
なお、この液体吐出ヘッドを用いて、紙等の記録媒体に記録を行う場合、このヘッドの吐出口が形成された面(吐出口面)を記録媒体の記録面に対面するように配置する。そして、液体供給口から素子基板内に流入し、ノズル層内の流路内に充填された液体が、エネルギー発生素子から発生するエネルギーによって、吐出口から吐出され、記録媒体にこの液体が着弾することにより印字(記録)を行うことができる。
<液体吐出ヘッドの製造方法>
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法では、上述したオリフィスプレート及び流路壁部材の少なくとも一方を上述したドライフィルムレジスト(DFR)の製造方法を用いて製造されたDFRを用いて形成される。即ち、オリフィスプレート及び流路壁部材のいずれかを上記DFRを用いて形成してもよいし、両者を、上記DFRを用いて形成してもよい。
例えば、オリフィスプレートをこのDFRを用いて形成する場合は、以下の方法により行うことができる。まず、流路壁部材(又は流路壁部材となる層)上に、得られたDFRの樹脂層側を(カバーフィルムがある場合は、このカバーフィルムを剥がした状態で)貼り付ける。そして、この樹脂層の露光前又は露光後に、ベースフィルム(図1に示す基材3)を剥離し、(露光及び)現像することにより、所望の形状の吐出口を有するオリフィスプレートを形成することができる。なお、液体吐出ヘッドの製造の際に、上述したサポート基板が基材に固定された状態のDFRを用いることもできる。この場合、例えば、上記流路壁部材上に、得られた(サポート基板が固定された)DFRの樹脂層側を貼り付け、その後、サポート基板及び基材を取り除く(剥離する)操作を行うことになる。
なお、オリフィスプレート及び流路壁部材のいずれか一方は、感光性を有さない材料から形成されていても良い。その場合、これらの部材は、レジスト層(上記DFRを用いてもよい)を露光及び現像して作製されたレジストパターンをマスクに、この感光性を有さない材料を反応性イオンエッチング(RIE)等によりエッチングすることで作製することができる。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法では、上述したオリフィスプレート及び流路壁部材の少なくとも一方を上述したドライフィルムレジスト(DFR)の製造方法を用いて製造されたDFRを用いて形成される。即ち、オリフィスプレート及び流路壁部材のいずれかを上記DFRを用いて形成してもよいし、両者を、上記DFRを用いて形成してもよい。
例えば、オリフィスプレートをこのDFRを用いて形成する場合は、以下の方法により行うことができる。まず、流路壁部材(又は流路壁部材となる層)上に、得られたDFRの樹脂層側を(カバーフィルムがある場合は、このカバーフィルムを剥がした状態で)貼り付ける。そして、この樹脂層の露光前又は露光後に、ベースフィルム(図1に示す基材3)を剥離し、(露光及び)現像することにより、所望の形状の吐出口を有するオリフィスプレートを形成することができる。なお、液体吐出ヘッドの製造の際に、上述したサポート基板が基材に固定された状態のDFRを用いることもできる。この場合、例えば、上記流路壁部材上に、得られた(サポート基板が固定された)DFRの樹脂層側を貼り付け、その後、サポート基板及び基材を取り除く(剥離する)操作を行うことになる。
なお、オリフィスプレート及び流路壁部材のいずれか一方は、感光性を有さない材料から形成されていても良い。その場合、これらの部材は、レジスト層(上記DFRを用いてもよい)を露光及び現像して作製されたレジストパターンをマスクに、この感光性を有さない材料を反応性イオンエッチング(RIE)等によりエッチングすることで作製することができる。
本発明を、実施例を用いて詳しく説明するが、本発明はこれらの例には限定されない。
[実施例1]
サポート基板として、以下のステンレス製の角フレームを作製した。具体的には、フレームの材質は、SUS420J2を使用し、外形が320mm×290mm、内寸が270mm×239mm、厚さが1.2mmのものを、プレス加工で製作した。そして、角フレームのおもて面(フィルムを貼る面)に無電解ニッケルメッキ処理を施し、図2(a)に示すように、角フレームの裏面(ターンテーブルに固定する面)に撥液層としてテフロン(登録商標)コーティングを施した。フレームの外表面の粗さは2.0μmであり、フレームの平坦性は0.15mmであった。
サポート基板として、以下のステンレス製の角フレームを作製した。具体的には、フレームの材質は、SUS420J2を使用し、外形が320mm×290mm、内寸が270mm×239mm、厚さが1.2mmのものを、プレス加工で製作した。そして、角フレームのおもて面(フィルムを貼る面)に無電解ニッケルメッキ処理を施し、図2(a)に示すように、角フレームの裏面(ターンテーブルに固定する面)に撥液層としてテフロン(登録商標)コーティングを施した。フレームの外表面の粗さは2.0μmであり、フレームの平坦性は0.15mmであった。
得られた角フレーム上に、フィルム固定用両面テープを貼り付けた。なお、この両面テープとして、長さ250mm、幅10mmの熱発泡テープを図3に示す位置に貼付け、使用後剥離する際、テープ部をヒーターで加熱し容易に剥がせるようにした。
次いで、基材である、長方形にカットしたフィルムを、この角フレームのおもて面に一定のテンションで貼り付けた。この際、フィルム貼付け専用の装置(商品名:FTM−320、株式会社タカトリ製)を用い、均一にシワや撓みがないように貼り付けた。なお、基材としては、具体的に、PET製で厚さが100μm、幅が254mmの長尺フィルムを長さ300mmでカットしたものを用いた。
次に、このフィルムが貼り付けられた角フレームを、角フレームのおもて面を上にして専用のマガジンに入れ、自動で塗布出来るスピンコータ装置(東京応化工業株式会社製)に投入し、ロボット搬送によってターンテーブルにセットした。この際、角フレームの四隅を、吸着によりターンテーブルに密着させて保持した。
次に、ターンテーブルを700rpmで回転させて、塗布液を10cc吐出させて、遠心力によって不要な塗布液を飛ばし、均一な膜厚を有する樹脂層を形成した。なお、塗布液には、エポキシ樹脂(大日本インキ製、商品名;N−695)及び光酸発生剤(サンアプロ製、商品名;CPI−210S)をPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)に溶解させた溶液を用いた。また、この塗布液の乾燥は、90℃に設定されたホットプレートを用いて加熱することにより行った。
また、この樹脂層上に、カバーフィルムとして、ポリエステルのフィルムを、ローラーを用いて貼り付けた。
また、この樹脂層上に、カバーフィルムとして、ポリエステルのフィルムを、ローラーを用いて貼り付けた。
そして、テープ部をヒーターで加熱し、角フレームと、樹脂層等が配されたフィルムとを剥離し、ドライフィルムレジストを得た。なお、実施例1では、ターンテーブルと、角フレームとの間の塗布液の入り込みは観察されず、両者は容易に剥離することができた。
[比較例1]
実施例1では角フレームの裏面(ターンテーブルに固定する面)に撥液層としてテフロン(登録商標)コーティングを施したが、比較例1ではこの工程を行わなかった。これ以外は実施例1と同様にして、ドライフィルムレジストを得た。比較例1では、樹脂層形成後に角フレームとターンテーブルが貼り付いた。この為、角フレームをターンテーブル上から次の工程に搬送する際にロボット搬送を行うことが困難であった。
実施例1では角フレームの裏面(ターンテーブルに固定する面)に撥液層としてテフロン(登録商標)コーティングを施したが、比較例1ではこの工程を行わなかった。これ以外は実施例1と同様にして、ドライフィルムレジストを得た。比較例1では、樹脂層形成後に角フレームとターンテーブルが貼り付いた。この為、角フレームをターンテーブル上から次の工程に搬送する際にロボット搬送を行うことが困難であった。
1 サポート基板
1a サポート基板の内周面
1b サポート基板の外周面
2 撥液層(撥液性コーティング層)
2a サポート基板のおもて面に形成された撥液層の境界部分
2b サポート基板の裏面に形成された撥液層の境界部分
3 基材(樹脂フィルム)
4 ターンテーブル
5 真空吸着溝
6 接着部分(両面テープを貼る部分)
7 塗布液(フォトレジスト)
8 吸着面
1a サポート基板の内周面
1b サポート基板の外周面
2 撥液層(撥液性コーティング層)
2a サポート基板のおもて面に形成された撥液層の境界部分
2b サポート基板の裏面に形成された撥液層の境界部分
3 基材(樹脂フィルム)
4 ターンテーブル
5 真空吸着溝
6 接着部分(両面テープを貼る部分)
7 塗布液(フォトレジスト)
8 吸着面
Claims (14)
- ターンテーブル上の可撓性の基材に塗布液を供給し、ターンテーブルを回転して該基材上の塗布液を均一化するスピンコータ装置であって、
該基材を固定保持するサポート基板と、
該サポート基板を該ターンテーブル上に吸着保持する吸着機構と、
該サポート基板の外周部と該ターンテーブルとの間に配された撥液層と、
を含むことを特徴とするスピンコータ装置。 - 前記撥液層が、フッ素樹脂を含む、請求項1に記載のスピンコータ装置。
- 前記サポート基板の外周面の少なくとも一部が、前記撥液層でコーティングされている、請求項1または2に記載のスピンコータ装置。
- 前記サポート基板の前記基材が固定保持される側の面の一部が、前記撥液層でコーティングされている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスピンコータ装置。
- 前記基材の外周部と、前記サポート基板との間となる部分に、前記撥液層が配される、請求項4に記載のスピンコータ装置。
- 前記サポート基板の形状が、フレーム形状であり、前記撥液層が、該サポート基板のフレーム部と前記ターンテーブルとの間に配される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスピンコータ装置。
- ターンテーブル上の可撓性の基材に塗布液を供給し、ターンテーブルを回転して該基材上の塗布液を均一化するスピンコート方法であって、
該基材をサポート基板上に固定させる工程と、
ターンテーブル上に該サポート基板を吸着保持させる工程と、
該基材上に塗布液を供給し、ターンテーブルを回転してスピンコートする工程と、
を有し、
該サポート基板の外周部は、該ターンテーブル上に撥液層を介して吸着保持されることを特徴とするスピンコート方法。 - 前記撥液層が、フッ素樹脂を含む、請求項7に記載のスピンコート方法。
- 前記サポート基板の外周面の少なくとも一部が、前記撥液層でコーティングされている、請求項7または8に記載のスピンコート方法。
- 前記サポート基板の前記基材が固定保持される側の面の一部が、前記撥液層でコーティングされている、請求項7〜9のいずれか一項に記載のスピンコート方法。
- 前記基材の外周部と、前記サポート基板との間となる部分に、前記撥液層が配される、請求項10に記載のスピンコート方法。
- 前記サポート基板の形状が、フレーム形状であり、該サポート基板のフレーム部が、前記ターンテーブル上に前記撥液層を介して吸着保持される、請求項7〜11のいずれか一項に記載のスピンコート方法。
- 可撓性の基材上に樹脂層が形成されたドライフィルムレジストの製造方法であって、
請求項7〜12のいずれか一項に記載のスピンコート方法により、該樹脂層の材料を含む塗布液を、該基材上に塗布する工程と、
該塗布液を乾燥して樹脂層を形成する工程と、
を含むことを特徴とするドライフィルムレジストの製造方法。 - 液体を吐出する吐出口を有するオリフィスプレートと、
該吐出口から液体を吐出するためのエネルギー発生素子を有する基板と、
該基板および該オリフィスプレートの間に配され、該吐出口に連通する液体流路を形成するための流路壁部材と、
を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
該オリフィスプレート及び該流路壁部材の少なくとも一方が、請求項13に記載の製造方法により製造されたドライフィルムレジストを用いて形成される、ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017110119A JP2018202318A (ja) | 2017-06-02 | 2017-06-02 | スピンコータ装置、スピンコート方法、ドライフィルムレジストの製造方法および液体吐出ヘッドの製造方法 |
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JP2018202318A true JP2018202318A (ja) | 2018-12-27 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230025525A (ko) | 2020-06-26 | 2023-02-21 | 미카사 가부시키가이샤 | 스핀 코팅 장치 |
CN116393336A (zh) * | 2023-06-09 | 2023-07-07 | 太原科技大学 | 用于磁致伸缩材料薄膜基体旋转涂布的夹具及其使用方法 |
-
2017
- 2017-06-02 JP JP2017110119A patent/JP2018202318A/ja active Pending
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