JP2018200375A - 光透過反射シート、led面光源装置およびled画像表示装置 - Google Patents

光透過反射シート、led面光源装置およびled画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】色ムラを抑制できる光透過反射シート、ならびにこれを備えたLED面光源装置およびLED表示装置を提供する。【解決手段】本発明の一の態様によれば、光を透過する光透過領域10Aおよび光を反射する光反射領域10Bを有する光透過反射シート10であって、光透過領域に位置する第1の開口部11Aおよび光反射領域10Bに位置する光反射部11Bを有する光透過反射樹脂シート11と、光透過反射樹脂シート11の一方の面側に設けられ、かつ光透過領域10Aに位置する第2の開口部12Aおよび光反射領域10Bに位置する遮光部12Bを有する遮光層12と、を備える、光透過反射シート10が提供される。【選択図】図2

Description

本発明は、光透過反射シート、LED面光源装置およびLED画像表示装置に関する。
近年、急速に普及が進んだLED画像表示装置は、通常、液晶表示パネル等の表示画面と、この表示画面を背面側から照明するLED面光源とを備えている。現在、LED画像表示装置においては、通常、エッジライト型のLED面光源装置が用いられることが多いが、明るさの観点から、直下型のLED面光源装置を用いることが検討されている。
直下型のLED面光源においては、LED面光源装置の発光面における輝度の面内均一性を向上させる等の観点から、LED素子上に、例えば、LED素子からの光を反射する白色等の光反射性樹脂シートに、LED素子直上からLED素子の周囲に向かうに従って徐々に開口部が大きくなるような開口パターンを形成した光透過反射シートを配置する場合がある(特許文献1参照)。このような開口パターンを有する光透過反射シートを用いることにより、LED素子直上の光を反射させて周囲に拡散し、周囲の開口部から出光させることができるので、輝度の面内均一性を向上させることができる。
特開2010−272245号公報
しかしながら、このような樹脂シートからなる光透過反射シートにおいては、開口部以外の部分である光反射部によって反射されずに光反射部を透過する光が存在するので、光が光反射部を透過する際に光反射部を構成する樹脂によってある波長域の光(例えば、青色光)が吸収されてしまい、開口部を透過する光とは色味が異なる光(例えば、黄色味を帯びた光)となり、それが色ムラとなって現れてしまうおそれがある。この現象は、特に、LEDの光が強いLED直上の光反射部において生じやすい。ここで、光透過反射シートとして、発泡系ポリエチレンテレフタレート等の発泡系樹脂シートを用いる場合、光透過反射シートの厚みを厚くすれば、光反射部を透過する透過光は減るが、それでもなお透過光は存在する。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、色ムラを抑制できる光透過反射シート、およびこれを備えたLED面光源装置、LED画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一の態様によれば、光を透過する光透過領域および光を反射する光反射領域を有する光透過反射シートであって、前記光透過領域に位置する第1の開口部および前記光反射領域に位置する第1の光反射部を有する光透過反射樹脂シートと、前記光透過反射樹脂シートの一方の面側に設けられ、かつ前記光透過領域に位置する第2の開口部および前記光反射領域に位置する遮光部を有する遮光層と、を備える、光透過反射シートが提供される。
上記光透過反射シートにおいて、前記遮光層が、金属層または光吸収層であってもよい。
上記光透過反射シートにおいて、前記金属層が、アルミニウム、銀、ニッケル、およびクロムからなる群から選択される1以上の金属を含む層であってもよい。
上記光透過反射シートにおいて、前記光反射領域の全光線透過率が、0.5%未満であってもよい。
上記光透過反射シートにおいて、前記遮光層における前記光透過反射樹脂シート側とは反対側に設けられ、かつ前記光透過領域に位置する第3の開口部を有する樹脂シートをさらに備えていてもよい。
上記光透過反射シートにおいて、前記樹脂シートが、前記第3の開口部および前記光反射領域に位置する第2の光反射部を有する光反射性樹脂シートであってもよい。
上記光透過反射シートにおいて、前記樹脂シートにおける前記遮光層側とは反対側に設けられ、かつ前記光透過領域に第4の開口部および前記光反射領域に第3の光反射部を有する光反射層をさらに備えていてもよい。
上記光透過反射シートにおいて、前記光透過反射シートが、平面視において複数に分割された複数の区画領域をさらに備え、前記複数の区画領域の各々が、前記光透過領域および前記光反射領域を有し、前記複数の区画領域の各々において、前記光透過領域の面積割合である開口率が、前記区画領域の中央部から前記区画領域の外縁部に向けて漸増していてもよい。
本発明の他の態様によれば、配線基板、および前記配線基板の一方の面に実装された複数のLED素子を備えるLED実装基板と、前記複数のLED素子と対向するように配置された上記光透過反射シートと、を備え、前記光透過反射シートの前記光透過反射樹脂シートが前記遮光層よりも前記LED実装基板側に位置している、LED面光源装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記LED面光源装置と、前記LED面光源装置よりも観察者側に配置された表示パネルと、を備える、LED画像表示装置が提供される。
本発明の一の態様によれば、光透過反射樹脂シートの一方の面側に遮光層を備えているので、色ムラを抑制できる光透過反射シートを提供することができる。また、本発明の他の態様によれば、このような光透過反射シートを備えるLED面光源装置およびLED画像表示装置を提供することができる。
実施形態に係る光透過反射シートの平面図である。 図1に示される光透過反射シートの一部の拡大断面図である。 実施形態に係る他の光透過反射シートの一部の拡大断面図である。 実施形態に係る他の光透過反射シートの一部の拡大断面図である。 実施形態に係る他の光透過反射シートの一部の拡大断面図である。 実施形態に係る他の光透過反射シートの一部の拡大断面図である。 実施形態に係るLED画像表示装置の分解斜視図である。 実施形態に係るLED画像表示装置の概略構成図である。 実施形態に係るLED面光源装置の一部の拡大断面図である。 図7に示される第1のスペーサーの平面図である。 図7に示される光透過反射シートと第1のスペーサーとの配置関係を示す平面図である。 図7に示される第1のスペーサーと第2のスペーサーとの配置関係を示す平面図である。 図7に示されるレンズシートの断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る直下型のLED面光源装置およびLED画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「LED」とは、発光ダイオードを意味するものである。また、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」は、フィルムや板とも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。図1は本実施形態に係る光透過反射シートの平面図であり、図2は図1に示される光透過反射シートの一部の拡大断面図であり、図3〜図6は実施形態に係る他の光透過反射シートの一部の拡大断面図である。
<<<光透過反射シート>>>
図1および図2に示される光透過反射シート10は、光を透過する複数の光透過領域10Aと、光を反射する光反射領域10Bを有している。光透過反射シート10においては、光透過領域10Aで光を透過させるとともに、光反射領域10Bでは光を反射させることで、光透過反射シート10に入射する光を平面内で拡散させて、輝度の面内均一性を向上させることができる。
<<光透過領域>>
光透過領域10Aは、光を透過する領域である。光透過反射シート10においては、光透過領域10Aは、図2に示されるように、光透過反射シート10の表面10Cから裏面10Dまで貫通する貫通孔となっている。
光透過領域10Aは、任意の形状(例えば、円形状、矩形状、またはスリット形状)を有し、また所定のパターンに沿って互いに連結しないように分散配置されている。光透過領域10Aの形成方法としては、特に限定されないが、ドリル加工、レーザー加工、プレス打ち抜き加工、ニードル加工、またはこれらの組み合わせによって形成することができる。これらの中でも、プレス打ち抜き加工は、ランニングコストや生産性に優れるため、大量生産する場合に有効である。
<<光反射領域>>
光反射領域10Bは、光を反射する領域である。光反射領域10Bは、光透過反射シート10における光透過領域10A以外の領域となっている。光反射領域10Bにおいては、後述する光透過反射樹脂シート11の光反射部11Bによって光を反射するが、光反射部11Bが含まれていれば、光反射領域10Bには、光をほぼ反射しない部分(例えば光吸収部等)が含まれていてもよい。
光反射領域10Bにおける全光線透過率は0.5%未満であることが好ましい。光透過反射シート10の光反射領域10Bにおける全光線透過率が0.5%未満であれば、光反射領域10Bを透過する光が極めて少ないので、色ムラをより抑制できる。上記全光線透過率は、JIS K7361−1:1997に準拠して、分光光度計(例えば、製品名「V670DS」、日本分光株式会社製)に積分球付属装置(例えば、積分球ユニットISN−723)を取り付けて測定した値とする。なお、光反射領域10Bの全光線透過率は、光透過反射シート10の状態で測定してもよく、また光透過反射シート10から光反射領域10Bの一部を切り出して、切り出された光反射領域10Bの一部を用いて測定してもよい。
光反射領域10Bにおける可視光領域の光の反射率は70%以上であることが好ましい。上記反射率が70%以上であれば、充分な光反射性を得ることができる。上記反射率は、分光光度計(例えば、製品名「V670DS」、日本分光株式会社製)に積分球付属装置(例えば、積分球ユニットISN−723)を取り付け、硫酸バリウムを標準板とし、標準板の反射率を100%とした相対反射率を測定した値とする。また、本明細書における「可視光領域」とは、波長450nm〜750nmの領域を意味するものとする。なお、光反射領域10Bの可視光領域の光の反射率は、光透過反射シート10の状態で測定してもよく、また光透過反射シート10から光反射領域10Bの一部を切り出して、切り出された光反射領域10Bの一部を用いて測定してもよい。
光透過反射シート10は、図1に示されるように、平面視において複数に分割された区画領域10Eを備えており、各区画領域10Eは、光透過領域10Aおよび光反射領域10Bを有している。
<<区画領域>>
区画領域10Eは、後述するLED素子の個数に合わせて分割されていることが好ましい。図2においては、LED素子(縦4個×横6個=24個)に対応して、縦4個×横6個=24個の区画領域10Eが形成されている。なお、図1においては二点鎖線で境界線が記載されているが、実際には境界線が形成されていることはなく、境界線は仮想線であり、区画領域10Eも仮想の領域である。光透過反射シート10に、仮想の領域である複数の区画領域10Eを設けることにより、光透過反射シート10を一体的に形成することが可能となる。また、複数の区画領域10Eを有する光透過反射シート10においては、光透過反射シート10全体で位置決めすればよいので、各々が一つの区画領域を有する光透過反射シートを複数位置決めする場合よりも位置決め精度を高めることができる。
各区画領域10Eにおける光透過領域10Aおよび光反射領域10Bは、所定のパターンで構成されている。各区画領域におけるLED素子に対応する部分は最も多くの光が入射する部分となるので、この部分から光が透過すると、この部分の輝度が区画領域の他の部分の輝度よりも高くなってしまい、輝度の面内均一性が低下するおそれがある。このため、各区画領域10EにおけるLED素子に対応する部分は光反射領域10Bから構成されていることが好ましい。また、各区画領域10Eにおける光透過領域10Aおよび光反射領域10Bのパターンは同じとなっているが、必ずしも同じである必要はなく、区画領域によって異なるパターンであってもよい。光透過領域10Aのパターンは、特に限定されず、例えば、格子状や同心円状のパターンであってもよい。格子状のパターンは、例えば、正方格子状、菱形格子状または平行四辺形格子状のようなマス目状のパターンであってもよく、また三角格子状や六角格子状のパターンであってもよい。
各区画領域10Eにおいては、光透過領域10Aの面積割合である開口率が10%以上80%以下となっていることが好ましい。開口率が10%以上あれば輝度の低下が抑制され、また開口率が80%以下であれば、光透過反射シート10の強度低下を抑制できる。本明細書における「開口率」とは、一の区画領域を、25〜100等分程度の適当な割合で当分する等面積の正方形のマス目状に区切った際に、それぞれのマス目における光透過部の面積比率のことを意味する。一の区画領域におけるこの等面積のマス目の規定の仕方は任意であるが、例えば、各マス目内に存在する光透過領域10Aの個数が概ね等数となるように設定することが望ましい。また、「開口率」は、一の区画領域の中心点を中心とする同心円を中央領域から中央領域の外側に位置する外側領域に向けて等間隔で複数規定し、各同心円の円周と円周の間の各領域内における透過部の面積比率を上記同様にして算出することによって求めたものであってもよい。この算出方法によれば、矩形の開口部が格子状に配置された一般的な開口配置以外の区画領域についても、上記の「開口率」を定義することができる。
光透過反射シート10は、図1に示されるように、各区画領域10Eの中央部10Fが各LED素子と対応する領域となるように配置されているので、外縁部10Gよりも中央部10Fに入射する光量は多くなる。このため、各区画領域10Eにおいては、光透過領域10Aの面積割合である開口率が、中央部10Fから外縁部10Gに向けて漸増していることが好ましい。各区画領域10Eにおける開口率を、中央部10Fから外縁部10Gに向けて漸増させることにより、十分な光量を確保した上で、発光面上における輝度の均一性をより向上させることができる。なお、各区画領域10Eにおいては、開口率が中央部10Fから外縁部10Gに向けて漸増していればよく、例えば中央部や外縁部近傍の限定された一部範囲において開口率が一定である領域が存在していてもよい。
各区画領域10Eの中央部10Fにおいては、面積比が主として光反射領域10B>光透過領域10Aとなっていることが好ましく、輝度の面内均一性を向上させる観点から、各区画領域10Eの中央部10Fは、光反射領域10Bのみから構成することがより好ましい。また、各区画領域10Eの外縁部10Gにおいては、面積比が主として光透過領域10A>光反射領域Bとなっていることが好ましい。具体的には、外縁部10Gにおける光透過領域10Aの面積割合は、50%以上100%以下であることが好ましい。外縁部10Gにおける光透過領域10Aの面積割合の下限は、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることが好ましい。
光透過反射シート10は、図2に示されるように、光透過反射樹脂シート11と、光透過反射樹脂シート11の一方の面側に設けられた遮光層12とを備えている。図2においては、遮光層12は光透過反射樹脂シート11と接している。また、光透過反射シート10は、遮光層12における光透過反射樹脂シート11側の面とは反対側の面に設けられた樹脂シート13をさらに備えているが、樹脂シート13は備えていなくともよい。光透過反射樹脂シート11は、光反射性樹脂シートの単層構造となっているが、シート全体として、光透過領域に位置する開口部および光反射領域に位置する光反射部を有していれば、多層構造であってもよい。
光透過反射シート10は、光透過領域10Aを有しているので、光透過反射樹脂シート11、遮光層12および樹脂シート13は、それぞれ、光透過領域10Aの位置に第1の開口部11A(以下、単に開口部11Aと称することもある。)、第2の開口部12A(以下、単に開口部12Aと称することもある。)、第3の開口部13A(以下、単に開口部13Aと称することもある。)を有している。すなわち、光透過反射シート10の光透過領域10Aには、開口部11A、12A、13Aが位置しているので、光透過領域10Aにおいては、開口部11A、12A、13Aを介して、光を透過させることができる。
また、光透過反射シート10においては、光反射領域10Bを有しているが、光反射領域10Bには、光透過反射樹脂シート11の第1の光反射部11B(以下、単に光反射部11Bと称することもある。)、遮光層12の遮光部12B、樹脂シート13の第2の光反射部13B(以下、単に光反射部13Bと称することもある。)が位置している。光反射領域10Bにおいて、光反射部11B側から光を照射した場合には、光を光反射部11Bによって反射させることができる。
光透過反射シート10の厚みは、50μm以上1.1mm以下であることが好ましい。光透過反射シートの厚みが、50μm以上であれば、光反射率の低下を抑制でき、また1.1mm以下であれば、製造の際、生産性を良好に維持できる。光透過反射シート10の厚さは、厚さ測定装置(製品名「デジマチックインジケーターIDF−130」、ミツトヨ社製)を用いて任意の10箇所の厚さを測定し、その平均値を算出することにより求めることができる。
<<光透過反射樹脂シート>>
光透過反射樹脂シート11は、光透過領域10Aに位置する第1の開口部11Aと、光反射領域10Bに位置する第1の光反射部とを有している。図1に示される光透過反射樹脂シート11は、開口部11Aを有する光反射性樹脂シートである。本明細書における「光反射性」とは、可視光領域での最低反射率が70%以上のことをいう。光透過反射樹脂シート11の可視光領域における反射率は、光反射領域10Bの反射率と同様の方法によって測定することができる。可視光領域での最低反射率は、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
光透過反射樹脂シート11は、開口部11Aを有する光反射性樹脂シートであるので、開口部11A以外の部分は光反射性を有している。このため、開口部11A以外の部分が、光反射部11Bとして機能する。
光透過反射樹脂シート11は、光反射性を有する樹脂からなるものであれば、特に限定されないが、例えば、多孔質系樹脂シートや酸化チタン等の無機顔料を分散させた樹脂シート等の光反射性樹脂シートを用いることができる。多孔質系樹脂シートとしては、多孔質ポリプロピレンシート等が挙げられる。多孔質ポリプロピレンシートは、ポリプロピレンに炭酸カルシウム等を練り込み、それを2軸延伸することによって得られる。このような多孔質ポリプロピレンシートは、青色光の吸収を抑制できるため色ムラを生じにくい点から、好ましい。
光透過反射樹脂シート11の厚みは、50μm以上1mm以下であることが好ましい。光透過反射樹脂シート11の厚みが、50μm以上であれば、光反射率の低下を抑制でき、また1mm以下であれば、製造の際、生産性を良好に維持できる。光透過反射樹脂シート11の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、光透過反射樹脂シート11の断面を撮影し、その断面の画像において光透過反射樹脂シート11の厚みを20箇所測定し、その20箇所の厚みの算術平均値とする。
<第1の開口部>
開口部11Aは、光透過領域10Aに位置しており、開口部11Aは、平面視において、光透過領域10Aと同じ大きさおよび形状になっている。なお、開口部11Aは貫通孔となっているので、開口部11Aの深さは、光透過反射樹脂シート11の厚みと同じである。
<第1の光反射部>
光反射部11Bは、光反射領域10Bに位置しており、光反射部11Bは、平面視において、光反射領域10Bと同じ大きさおよび形状になっている。なお、光透過反射樹脂シート11における開口部11A以外の部分が光反射部11Bとなっているので、光反射部11Bの構成材料や厚み等は、光透過反射樹脂シート11と同じである。
<<遮光層>>
遮光層12は、入射する光を遮る機能を有する層である。遮光層12は、光透過領域10Aに位置する第2の開口部12Aおよび光反射領域10Bに位置する遮光部12Bを有している。図2に示される遮光層12は、単層構造のものであるが、2層以上の多層構造のものであってもよい。
遮光層12としては、入射する光を遮る機能を有すれば、特に限定されないが、金属層または光吸収層が挙げられる。遮光層として、金属層または光吸収層を用いることにより、高い遮光性を得ることができる。光吸収層は、光反射性樹脂層を透過する光や光透過部を透過する光を吸収してしまうおそれがあるのに対し、金属層は、光反射性樹脂層を透過する光や光透過部を透過する光を反射させることができるので、光の有効利用を図る点から、金属層が好ましい。本明細書における「金属層」は、金属箔を含む概念である。
金属層は、アルミニウム、銀、ニッケル、およびクロムからなる群から選択される1以上の金属を含む層であってもよい。金属層として、このような金属を含む層を用いることにより、高い反射率を得ることができるので、入射する光をより反射することができ、それにより光の利用効率を向上させることができる。これらの中でも、反射率が高く、反射光の色味が変化しない点から、アルミニウムが好ましい。金属層は、光透過反射樹脂シート11、樹脂シート13や他の樹脂シートに金属を蒸着することによって形成されたものであってもよい。金属層を蒸着によって形成することにより、取り扱い性が向上する。
光吸収層は、樹脂と、樹脂中に分散された色材とを含む。樹脂としては、重合性化合物の重合体や熱可塑性樹脂等が挙げられる。色材としては、特に限定されないが、光吸収性能の点から、例えば、カーボンブラックやチタンブラック等の黒色色材が好ましい。
遮光層12の膜厚は、0.05μm以上500μm以下であることが好ましい。遮光層12の膜厚が、0.05μm以上であれば、光の透過をより抑制できるので、色ムラをより抑制でき、また500μm以下であれば、ロール・トゥ・ロール方式で製造を行う場合の量産性を良好に維持できる。遮光層12の膜厚は、光透過反射樹脂シート11と同様の方法によって測定することができる。
<第2の開口部>
開口部12Aは、光透過領域10Aに位置しており、開口部12Aは、平面視において、光透過領域10Aと同じ大きさおよび形状になっている。なお、開口部12Aは貫通孔となっているので、開口部12Aの深さは、遮光層12の膜厚と同じである。
<遮光部>
遮光部12Bは、光反射領域10Bに位置しており、遮光部12Bは、平面視において、光反射領域10Bと同じ大きさおよび形状になっている。遮光部12Bは、遮光層12における開口部12A以外の部分である。なお、遮光部12Bは、遮光層12における開口部12A以外の部分であるので、遮光部12Bの構成材料や厚み等は、遮光層12と同じである。
<<樹脂シート>>
樹脂シートは、光反射性を有する光反射性樹脂シートおよび光反射性を有しない樹脂シートのいずれであってもよい。図2に示される樹脂シート13は、光反射性を有する光反射性樹脂シートである。樹脂シート13は、光透過領域10Aに位置する第3の開口部13Aおよび光反射領域10Bに位置する第2の光反射部13Bを有している。
樹脂シート13は、開口部13Aを有する光反射性樹脂シートであるので、樹脂シート13としては、光透過反射樹脂シート11と同様のものを用いることができる。また、樹脂シートが、光反射性を有しない樹脂シートである場合、樹脂シートを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートシートのようなポリエステル系樹脂やトリアセチルセルロースのようなアセチルセルロース系樹脂等が挙げられる。このような樹脂からなる樹脂シートを用いることにより、光透過反射シートにある程度の硬さを付与することができる。
樹脂シートが光反射性を有しない樹脂シートである場合、樹脂シートの厚みは、25μm以上100μm以下であることが好ましい。樹脂シートの厚みが、25μm以上であれば、光透過反射シートにある程度の硬さを付与することができ、また100μm以下であれば、光反射への影響を抑制できる。樹脂シートの膜厚は、光透過反射樹脂シート11と同様の方法によって測定することができる。
<第3の開口部>
開口部13Aは、光透過領域10Aに位置しており、開口部13Aは、平面視において、光透過領域10Aと同じ大きさおよび形状になっている。なお、開口部13Aは貫通孔となっているので、開口部13Aの深さは、樹脂シート13の厚みと同じである。
<第2の光反射部>
光反射部13Bは、光反射領域10Bに位置しており、光反射部13Bは、平面視において、光反射領域10Bと同じ大きさおよび形状になっている。光反射部13Bは、樹脂シート13における開口部13A以外の部分である。なお、樹脂シート13における開口部13A以外の部分が光反射部13Bとなっているので、光反射部13Bの構成材料や厚み等は、樹脂シート13と同じである。
<<<他の光透過反射シート>>>
光透過反射シート10は、樹脂シート13を備えているが、光透過反射シートとしては、図3に示されるような、光透過反射樹脂シート11と遮光層12を備え、かつ遮光層12における光透過反射樹脂シート11側とは反対側に樹脂シートを備えていない光透過反射シート15であってもよい。なお、図3〜図6において、図2と同じ符号が付されている部材は、図2に示されている部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
光透過反射シート15においては、遮光層12における光透過反射樹脂シート11側とは反対側に樹脂シートを備えていないので、光透過反射シート15の表面15Cが遮光層12の表面となっている。光透過反射シートよりも観察者側には、通常、光拡散板のような光学シートが配置されるが、光透過反射シートを透過した光の一部が光学シートの作用によって光透過反射シート側に戻る場合がある。光透過反射シート15の表面15Cは遮光層12の表面となっているので、遮光層12を上記金属層から構成した場合には、光学シートの作用によって光の一部が光透過反射シート15側に戻る場合であっても、光を反射させて、再度観察者側に向かう光とすることができる。これにより、光利用効率を向上させることができる。
光透過反射シート15も、光透過反射シート10と同様に、光透過領域15Aおよび光反射領域15Bを有している。光透過領域15Aには、開口部11A、12Aが位置しており、光反射領域15Bには、光反射部11Bおよび遮光部12Bが位置している。
また、光透過反射シートとしては、図4に示されるような、樹脂シート13における遮光層12側とは反対側に設けられた光反射層21をさらに備える光透過反射シート20であってもよい。光透過反射シート20においては、光反射層21を備えているので、高い光反射率を得ることができる。これにより、光透過反射シート20を透過した光の一部が上記のように光学シートの作用によって光透過反射シート20側に戻る場合であっても、光を反射させて、再度観察者側に向かう光とすることができる。これにより、光利用効率を向上させることができる。
光透過反射シート20も、光透過反射シート10と同様に、光透過領域20Aおよび光反射領域20Bを有している。光透過領域20Aには、開口部11A、12A、13Aおよび後述する第4の開口部21A(以下、単に開口部21Aと称することがある。)が位置しており、光反射領域20Bには、光反射部11B、遮光部12B、光反射部13Bおよび後述する第3の光反射部21B(以下、単に光反射部21Bと称することがある。)が位置している。
<<光反射層>>
光反射層21は、光透過領域20Aに位置する貫通孔である第4の開口部21Aおよび光反射領域20Bに位置する第2の光反射部21Bを有している。光反射層21は、金属層や光反射性樹脂層であることが好ましい。金属層としては、遮光層の欄で説明した金属層と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。また、光反射性樹脂層としては、後述する光反射性樹脂層33と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
<第4の開口部>
開口部21Aは、光透過領域20Aに位置しており、開口部21Aは、平面視において、光透過領域20Aと同じ大きさおよび形状になっている。なお、開口部21Aは貫通孔となっているので、開口部21Aの深さは、光反射層21の厚みと同じである。
<第3の光反射部>
光反射部21Bは、光反射領域20Bに位置しており、光反射部21Bは、平面視において、光反射領域20Bと同じ大きさおよび形状になっている。光反射部21Bは、光反射層21における開口部21A以外の部分である。なお、光反射層21における開口部21A以外の部分が光反射部21Bとなっているので、光反射部21Bの構成材料や厚み等は、光反射層21と同じである。
光透過反射シートは、使用時においては、通常、スペーサーによってLED素子からを離間した状態で保持されるが、光透過反射シートにある程度の硬さがないと、光透過反射シートに撓みが生じてしまうおそれがある。光透過反射シートが撓んでしまうと、LED素子に対する光透過反射シートの位置が変わるので、輝度の面内均一性が低下するおそれがある。このため、光透過反射シートは、ある程度の硬さを有することが好ましい。ある程度の硬さを付与するために、光透過反射シートとしては、光透過反射シート10に図5に示されるような樹脂シート26、27をさらに備える光透過反射シート25であってもよい。
光透過反射シート25は、光透過反射樹脂シート11における遮光層12側の面とは反対側の面に設けられた樹脂シート26と、樹脂シート13における遮光層12側の面とは反対側の面に設けられた樹脂シート27とを備えているが、樹脂シート26、27のいずれか一方を備えていればよい。
光透過反射シート25も、光透過反射シート10と同様に、光透過領域25Aおよび光反射領域25Bを有している。光透過領域25Aには、後述する開口部26A、11A、12A、13A、および後述する開口部27Aが位置しており、光反射領域20Bには、後述する樹脂部26B、光反射部11B、遮光部12B、光反射部13B、および後述する樹脂部27Bが位置している。
<<樹脂シート>>
樹脂シート26は、光透過領域25Aに位置する貫通孔である開口部26Aおよび光反射領域25Bに位置する樹脂部26Bを有しており、樹脂シート27は、光透過領域25Aに位置する貫通孔である開口部27Aおよび光反射領域25Bに位置する樹脂部27Bを有している。
樹脂シート26、27の25℃でのヤング率は、それぞれ2000MPa以上であることが好ましい。樹脂シート26、27のヤング率が2000MPa以上であれば、光透過反射シートはある程度の硬さを有するので、輝度の面内均一性の低下を抑制できる。樹脂シート26、27の25℃でのヤング率は、ナノインデンテーションテスター(製品名「PICODENTOR HM500」、フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定することが可能である。
樹脂シート26、27の厚みは、25μm以上100μm以下であることが好ましい。樹脂シート26、27の厚みが、25μm以上であれば、光透過反射シートにある程度の硬さを付与することができ、また100μm以下であれば、光の反射への影響を抑制できる。樹脂シート26、27の厚みは、光反射樹脂シート11と同様の方法によって測定することができる。
樹脂シート26、27は、光反射性を有しない樹脂シートである。樹脂シート26、27を構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートシートのようなポリエステル系樹脂やトリアセチルセルロースのようなアセチルセルロース系樹脂等が挙げられる。
<開口部>
開口部26A、27Aは、光透過領域25Aに位置しており、開口部26A、27Aは、平面視において、光透過領域25Aと同じ大きさおよび形状になっている。なお、開口部26A、27Aは貫通孔となっているので、開口部26Aの深さは、樹脂シート26の厚みと同じであり、開口部27Aの深さは、樹脂シート27の厚みと同じである。
<樹脂部>
樹脂部26B、27Bは、光反射領域25Bに位置しており、樹脂部26B、27Bは、平面視において、光反射領域25Bと同じ大きさおよび形状になっている。樹脂部26Bは、樹脂シート26における開口部26A以外の部分であり、樹脂部27Bは、樹脂シート27における開口部27A以外の部分である。なお、樹脂シート26、27における開口部26A、27A以外の部分が樹脂部26B、27Bとなっているので、樹脂部26Bの構成材料や厚み等は、樹脂シート26と同じであり、樹脂部27Bの構成材料や厚み等は、樹脂シート27と同じである。
光透過反射シート10においては、光透過反射樹脂シート11の開口部11Aは貫通孔となっているが、図6に示されるような光透過反射樹脂シート31の開口部31Aが貫通孔ではない光透過反射シート30であってもよい。図6に示される光透過反射シート30は、光透過領域30Aと光反射領域30Bを有している。光透過領域30Aには、後述する開口部31A、12A、13Aが位置しており、光反射領域20Bには、後述する光反射部31B、遮光部12B、光反射部13Bが位置している。
光反射領域30Bの全光線透過率は、光反射領域10Bの全光線透過率と同様であり、光反射領域30Bおける可視光領域の光の反射率も光反射領域10Bの可視光領域の光の反射率と同様である。ただし、光反射領域30Bのように狭小な範囲に形成されている光反射領域の反射率は、顕微分光測定機(製品名「USPM−RU III」、オリンパス社製)を用いることより、正確に測定することができる。反射率の値は、硫酸バリウムを標準板とし、標準板を100%とした相対反射率を測定した値とする。なお、反射率は、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
光透過反射シート30は、光透過反射シート10と同様に、平面視において複数に分割された複数の区画領域を備えており、各区画領域は、光透過領域30Aおよび光反射領域30Bを有している。また、光透過反射シート30の各区画領域においては、光透過反射シート10と各区画領域10Eと同様に、光透過領域30Aの面積割合である開口率が、中央部から外縁部に向けて漸増していることが好ましい。
光透過反射シート30は、図6に示されるように、光透過反射樹脂シート31と、光透過反射樹脂シート31の一方の面側に設けられた遮光層12とから構成されている。
<<光透過反射樹脂シート>>
光透過反射樹脂シート31は、光透過反射樹脂シート11と同様に光透過領域30Aに位置する開口部31Aおよび光反射領域30Bに位置する光反射部31Bを有している。光透過反射樹脂シート31は、単層構造ではなく、多層構造となっている、具体的には、光透過反射樹脂シート31は、光透過性樹脂シート32と、光透過性樹脂シート32の一方の面側に設けられた光反射性樹脂層33とから構成されている。
<開口部>
開口部31Aは、光透過領域10Aに位置しており、開口部31Aは、平面視において、光透過領域30Aと同じ大きさおよび形状になっている。開口部31Aは、光透過性樹脂シート32の一部および光反射性樹脂層33の後述する開口部33Aから構成されている。光透過性樹脂シート32は光透過性を有するので、光反射性樹脂層33の開口部33Aに入射し、開口部33A通過した光は光透過性樹脂シート32を透過することにより開口部31Aから出射する。
<光反射部>
光反射部31Bは、光反射領域10Bに位置しており、光反射部31Bは、平面視において、光反射領域30Bと同じ大きさおよび形状になっている。光反射部31Bは、光反射性樹脂層33の後述する光反射部33Bから構成されている。
<光透過性樹脂シート>
光透過性樹脂シート32は、貫通孔を有していないシートである。すなわち、光透過性樹脂シート32は、光透過領域30Aや開口部31Aにおいても、貫通孔を有していない。光透過性樹脂シート32を構成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂が挙げられる。光透過性樹脂シート32の厚さは、12μm以上1mm(1000μm)以下であることが好ましい。光透過性樹脂シート32の厚さは、光透過反射シート10の厚みと同様の方法によって測定することができる。
<光反射性樹脂層>
光反射性樹脂層33は、光透過領域30Aに位置する貫通孔である開口部33Aおよび光反射領域20Bに位置する光反射部33Bを有している。
光反射性樹脂層33の膜厚は、10μm以上200μm以下であることが好ましい。光反射性樹脂層33の膜厚が、20μm以上であれば、必要な光学性能を得ることができ、また200mm以下であれば、開口部を安定して形成することができる。光反射性樹脂層33の膜厚は、光透過反射シート10の厚みと同様の方法によって測定することができる。
光反射性樹脂層33は、樹脂の他、酸化チタン等の白色顔料を含んでいてもよい。例えば、光反射性樹脂層33は、白色顔料を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物から構成することが可能である。光反射性樹脂層33中の白色顔料の含有量は、10質量%以上85質量%以下であることが好ましい。
光反射性樹脂層33を構成する熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂としては、従来公知のウレタン樹脂とイソシアネート化合物との組み合わせ、エポキシ樹脂とポリアミンや酸無水物との組み合わせ、シリコーン樹脂と架橋剤との組み合わせのような、主剤と硬化剤とを含む2成分型の熱硬化性樹脂や、更に、アミン、イミダゾール、リン系等の硬化促進剤を含有する3成分型の熱硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、熱硬化性樹脂としては、特開2014−129549に記載されているシリコーン系の熱硬化性樹脂が挙げられる。光反射性樹脂層33は、上記熱硬化性樹脂組成物を、例えば、スクリーン印刷等の印刷法を用いて光透過性シートの表面にパターン印刷することによって形成することができる。
本実施形態によれば、光透過反射樹脂シート11の一方の面側に遮光層12を備えているので、光透過反射シート10に入射する光が光透過反射樹脂シート11の光反射部11Bを透過したとしても、遮光層12で遮ることができる。遮光層12が金属層である場合には、光透過反射樹脂シート11を透過し、遮光層12に到達する光は、遮光層12で反射されて、再度光透過反射樹脂シート11に入射する。光透過反射樹脂シート11は樹脂から構成されているので、遮光層12で反射されて光透過反射樹脂シート11に再度入射する光は光透過反射樹脂シート11で吸収され、光透過反射樹脂シート11から出射する光は極めて少なくなる。また、たとえ、遮光層12で反射された光が、光透過反射樹脂シート11を透過して、色味が異なった光が光透過反射樹脂シート11から出射したとしても、光透過反射樹脂シート11で反射を繰り返しながら拡散されるので、全体的に広がる。これにより、色ムラを抑制できるとなることを抑制できる。図3〜図6に示される光透過反射シート15、20、25、30においても、光透過反射樹脂シート11、31の一方の面側に遮光層12を備えているので、光透過反射シート10の場合と同様に、色ムラを抑制できる。
<<<LED画像表示装置>>>
光透過反射シート10、15、20、25、30は、LED画像表示装置に組み込んで使用することが可能である。図7は本実施形態に係るLED画像表示装置の分解斜視図であり、図8は実施形態に係るLED画像表示装置の概略構成図であり、図9は本実施形態に係るLED面光源装置の一部の拡大断面図である。図10は図7に示される第1のスペーサーの平面図であり、図11は図7に示される光透過反射シートと第1のスペーサーとの配置関係を示す平面図である。図12は図7に示される第1のスペーサーと第2のスペーサーとの配置関係を示す平面図であり、図13は図7に示されるレンズシートの断面図である。
図7および図8に示されるLED画像表示装置50は、直下型のLED面光源装置60と、LED面光源装置60よりも観察者側に配置された表示パネル150とを備えている。
<<<表示パネル>>>
図7および図8に示される表示パネル150は、液晶表示パネルであり、入光側に配置された偏光板151と、出光側に配置された偏光板152と、偏光板151と偏光板152との間に配置された液晶セル153とを備えている。偏光板151、152および液晶セル153としては、公知の偏光板および液晶セルを用いることができる。
<<<<LED面光源装置>>>>
図7または図8に示されるLED面光源装置60は、筐体70と、LED実装基板80と、光透過反射シート10と、第1のスペーサー90と、光学シート100と、第2のスペーサー110とを備えている。また、LED面光源装置60は、その他、光学シート100に積層されたレンズシート120および反射型偏光分離シート130を備えている。なお、LED面光源装置60は、LED実装基板80および光透過反射シート10を備えていればよく、筐体70、第1のスペーサー90、光学シート100、第2のスペーサー110、レンズシート120、または反射型偏光分離シート130を備えていなくともよい。
車載用LED面光源装置は車両内の非常に狭い空間に配置されるので、一般のLED面光源装置よりも薄型化を図ることが望まれている。このため、LED面光源装置60の総厚は、薄型化を図る観点から、15mm以下となっていることが好ましく、10mm以下となっていることがより好ましい。「LED面光源装置」の総厚とは、図8に示される筐体70の外底面70Cから反射型偏光分離シート130の表面130Aまでの距離を意味するものとする。
<<筐体>>
筐体70は、LED実装基板80等を収容する収容空間70Aを備えている。筐体70は、図8または図9に示されるように、内側の底面である内底面70B、外側の底面である外底面70C、および内底面70Bから立ち上がる内側の側面である内側面70Dを有している。また、筐体70は、図8に示されるように、LED素子82からの光を筐体70から出射させるための開口部70Eを有している。開口部70Eは、内底面70Bに対向する位置に設けられていることが好ましい。開口部70Eの形状は、特に限定されず、例えば、矩形状または円形状が挙げられる。
図7および図8に示される筐体70は、収容空間70Aを有する筐体本体71と、筐体本体71の収容空間70Aを覆い、かつ開口部70Eを有する枠状の蓋体72とを備えている。筐体70においては、筐体70の内底面70Bは筐体本体71の内底面となっており、筐体70の内側面70Dは筐体本体71の内側面となっている。
筐体70(筐体本体71および蓋体72)は、金属から構成されていることが好ましい。特に、筐体本体71を金属から構成することによって、筐体本体71が放熱構造体としても機能するので、LED素子82からの熱を効率良く、放熱させることができる。金属としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム等が挙げられる。
<<LED実装基板>>
LED実装基板80は、配線基板81と、配線基板81の一方の面(以下、この面を「表面」と称する。)81Aに実装された複数のLED素子82とを備えている。LED実装基板80は、図8および図9に示されるように、配線基板81におけるLED素子82が実装された表面81Aとは反対側の面(以下、この面を「裏面」と称する)81Bが筐体70の内底面70B側に位置するように筐体70内に配置されている。
<配線基板>
配線基板81は、筐体70の内底面70Bに沿って配置されている。配線基板81の裏面81Bは、筐体70の内底面70Bと接していることが好ましい。配線基板81における裏面81Bが筐体70の内底面70Bと接することにより、配線基板81等の熱を効率良く筐体70側に放熱させることができる。本明細書において、「配線基板の裏面が筐体の内底面と接している」とは、配線基板の裏面が筐体の内底面に直接接触している場合に限らず、配線基板の裏面と筐体の内底面との間に、両面テープ、粘着剤または接着剤等、熱伝導という観点でほぼ無視できる層が介在している場合をも含む概念である。
配線基板81においては、図9に示されるように、光透過反射シート10に向けて、樹脂フィルム83と、金属配線部84と、絶縁性保護膜85と、反射層86とがこの順で積層されている。ただし、配線基板81は、絶縁性保護膜85や反射層86を備えていなくともよい。また、金属配線部84は、樹脂フィルム83に対し、接着層87を介したドライラミネート法によって接着されていることが好ましい。さらに、金属配線部84は、LED素子82とはんだ層88を介して電気的に接続されている。
配線基板81は、リジット配線基板であってもよいが、フレキシブル配線基板であることが好ましい。配線基板81が、フレキシブル配線基板であることにより、曲げ可能なLED面光源装置を得ることも可能になる。図8に示される配線基板81は、フレキシブル配線基板である。「フレキシブル」とは、柔軟性があることを意味しており、「フレキシブル配線基板」とは、一般的に可撓性があり、曲げることが可能な配線基板を意味するものとする。本明細書における「可撓性」とは、少なくとも曲率半径が1mとなるように曲がることを意味する。フレキシブル配線基板は、曲率半径が、好ましくは50cm、より好ましくは30cm、更に好ましくは10cm、特に好ましくは5cmとなるように曲がる。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム83は、可撓性を有している。樹脂フィルム83は、曲率半径が、好ましくは50cm、より好ましくは30cm、更に好ましくは10cm、特に好ましくは5cmとなるように曲がるフィルムである。
樹脂フィルム83は、公知の熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。樹脂フィルム43の材料として用いる熱可塑性樹脂には耐熱性および絶縁性が高いものであるが好ましい。このような樹脂として、耐熱性と加熱時の寸法安定性、機械的強度、および耐久性に優れるポリイミド(PI)や、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いることができる。これらの中でも、アニール処理等の耐熱性向上処理を施すことによって耐熱性と寸法安定性を向上させたポリエチレンナフタレート(PEN)を好ましく用いることもできる。また、難燃性の無機フィラー等の添加によって難燃性を向上させたポリエチレンテレフタレート(PET)も樹脂フィルムを形成するための樹脂として選択することができる。
樹脂フィルム83を形成する熱可塑性樹脂は、熱収縮開始温度が100℃以上のもの、または、上記のアニール処理等によって、同温度が100℃以上となるように耐熱性を向上させたものを用いることが好ましい。本明細書における「熱収縮開始温度」とは、熱機械分析(TMA)装置に測定対象の熱可塑性樹脂からなるサンプルフィルムをセットし、荷重1gをかけて、昇温速度2℃/分で120℃まで昇温し、その時の収縮量(%表示)を測定し、このデータを出力して温度と収縮量を記録したグラフから、収縮によって、0%のベースラインから離れる温度を読みとり、その温度を熱収縮開始温度としたものである。なお、熱収縮開始温度は、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
通常LED素子からの熱によりLED素子周辺部は90℃程度の温度に達する場合がある。この観点から、樹脂フィルム83を形成する熱可塑性樹脂は、上記温度以上の耐熱性を有するものであることが好ましい。
樹脂フィルム83には、配線基板81に必要な絶縁性を付与し得るだけの高い絶縁性を有する樹脂であることが求められる。このため、樹脂フィルム83は、その体積固有抵抗率が1014Ω・cm以上であることが好ましく、1018Ω・cm以上であることがより好ましい。体積固有抵抗率は、JIS C2151:2006に準拠した方法で測定することができる。体積固有抵抗率は、ランダムに10箇所測定し、測定した10箇所の体積固有抵抗率の算術平均値とする。
樹脂フィルム83の厚みは、特に限定されないが、放熱経路としてボトルネックとはならないこと、耐熱性および絶縁性を有するものであること、ならびに、製造コストのバランスとの観点から、概ね10μm以上500μm以下であることが好ましい。また、ロール・トゥ・ロール方式による製造を行う場合の生産性を良好に維持する観点からも上記厚さ範囲であることが好ましい。樹脂フィルム83の厚みは、厚み測定装置(製品名「デジマチックインジケーターIDF−130」、ミツトヨ社製)を用いて任意の10箇所の厚さを測定し、その平均値を算出することにより求めるものとする。樹脂フィルム83の厚みの下限は、50μm以上であることが好ましく、樹脂フィルム83の厚みの上限は、250μm以下であることが好ましい。
(金属配線部)
金属配線部84は、樹脂フィルム83よりLED素子82側に設けられ、かつLED素子82と電気的に接続されている。金属配線部84は、金属箔等をパターニングすることによって形成することができる。
金属配線部84を構成する金属の熱伝導率λは200W/(m・K)以上500W/(m・K)以下が好ましい。熱伝導率λは、例えば、熱伝導率計(製品名「QTM−500」、京都電子工業社製)を用いて測定することができる。熱伝導率λは、3回測定して得られた値の算術平均値とする。上記熱伝導率の下限は、300W/(m・K)以上であることがより好ましく、上限は500W/(m・K)以下であることが好ましい。銅の場合、熱伝導率λは403W/(m・K)である。
金属配線部84を構成する金属の電気抵抗率Rは3.00×10−8Ωm以下が好ましく、2.50×10−8Ωm以下がより好ましい。電気抵抗率Rは、エレクトロメータ(製品名「6517B型エレクトロメータ」、ケースレー社製)を用いて測定することができる。電気抵抗率Rは、3回測定して得られた値の算術平均値とする。銅の場合、電気抵抗率Rは1.55×10−8Ωmとなる。
例えば、金属配線部84を銅箔で形成した場合、放熱性と電気伝導性を高い水準で両立させることができる。より具体的には、LED素子からの放熱性が安定し、電気抵抗の増加を防げるので、LED間の発光バラツキが小さくなってLEDの安定した発光が可能となる。また、LED素子の寿命も延長される。更に、熱による樹脂フィルム等の周辺部材の劣化も防止できるので、LED面光源を組み込んだLED画像表示装置の製品寿命も延長できる。
金属配線部84を形成する金属の例としては、上記の銅の他、アルミニウム、金、銀等の金属を挙げることができる。
金属配線部84は電解銅箔であり、また、金属配線部84における樹脂フィルム43側の面の十点平均粗さRzが1.0μm以上10.0μm以下であることがより好ましい。十点平均粗さRzを上記範囲内とすることで、特に金属配線部84における樹脂フィルム43側の面の表面積を増大させることができ、放熱性を更に高めることができる。また、この面が凹凸面となっているので、樹脂フィルム83との密着性をより向上でき、これによっても放熱性を向上できる。このような十点平均粗さRzを有する電解銅箔の面としては、電解銅箔の粗面側(マット面側)を好適に用いることができる。十点平均粗さRzは、JIS B0601:1999に準拠して、例えば、表面粗さ測定器(製品名「SE−3400」、小坂研究所製社製)を用いて測定することができる。十点平均粗さRzは、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
金属配線部84の配置は、LED素子82の導通可能な配置、好ましくはLED素子82をマトリックス状に配置できるものであれば、特定の配置に限定されない。ただし、配線基板81においては、樹脂フィルム83の一方の表面の好ましくは80%以上、より好ましくは90%、最も好ましくは95%以上の範囲が、この金属配線部84によって被覆されていることが好ましい。これにより、LED素子82を高密度で配置することができるとともに、発生する過剰な熱を、十分に金属配線部44を通じて速やかに拡散させ、樹脂フィルム83を経由させて外部へ放熱させることができるので、優れた放熱性を有するLED面光源装置60を得ることができる。
金属配線部84の厚みは、配線基板81に要求される耐電流の大きさ等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、一例として10μm以上50μm以下としてもよい。放熱性向上の観点から、金属配線部84の厚みは、10μm以上であることが好ましい。また、金属配線部の厚さが10μm未満であると、樹脂フィルム83の熱収縮の影響が大きく、はんだリフロー処理時に処理後の反りが大きくなりやすいため、この観点からも金属配線部84の厚さは10μm以上であることが好ましい。一方、金属配線部の厚さが、50μm以下であることによって、配線基板の十分なフレキシブル性を維持することができ、重量増大によるハンドリング性の低下等も防止できる。金属配線部84の厚さは、樹脂フィルム83と同様の方法によって測定することができる。
(絶縁性保護膜)
絶縁性保護膜85は、主として配線基板81の耐マイグレーション特性を向上させるものである。絶縁性保護膜85は、金属配線部84の表面のうちLED素子82を実装するための接続部分を除く全面、および樹脂フィルム83の表面のうち金属配線部84の非形成部分の概ね全面を覆う態様で形成されている。
絶縁性保護膜85は、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物から構成されていることが好ましい。熱硬化性樹脂組成物としては、熱硬化温度が100℃以下程度のものであれば、公知の熱硬化性樹脂組成物を適宜好ましく用いることができる。具体的には、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エポキシ系およびフェノール系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、シリコーン系樹脂等をそれぞれベース樹脂とする熱硬化性樹脂組成物を好ましく用いることができる。また、これらのうちでも、ポリエステル系樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物は、可撓性に優れる点から、絶縁性保護膜85を形成するための材料として特に好ましい。
絶縁性保護膜85を形成するための熱硬化性樹脂組成物は、例えば、二酸化チタン等の無機白色顔料を更に含有する白色の熱硬化性樹脂組成物であってもよい。絶縁性保護膜45を白色化することで、意匠性の向上を図ることができる。また、反射層の機能を絶縁性保護膜85に付与することもできる。
絶縁性の熱硬化性樹脂組成物を用いた絶縁性保護膜85の形成は、スクリーン印刷等の公知の方法によって行うことができる。
絶縁性保護膜85の膜厚は、10μm以上100μm以下であることが好ましい。絶縁性保護膜45の膜厚が、10μm未満であると、絶縁性が低下するおそれがあり、また100μmを超えると、絶縁性保護層をスクリーン印刷によって形成する際の滲みや熱硬化時の収縮による配線基板の反り等が顕著に生じるおそれがある。絶縁性保護膜45の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、絶縁性保護膜45の断面を撮影し、その断面の画像において絶縁性保護膜45の膜厚を20箇所測定し、その20箇所の膜厚の算術平均値とする。
(反射層)
反射層86は、主として波長380nm以上780nm以下の可視光波長域の光に対して高い反射性を有するものである。反射層86は、LED面光源装置60の発光能力の向上を目的として、配線基板81の表面81Aに、LED素子実装領域を除く領域を覆って積層されている。なお、この実施形態においては、反射層86は、平面視において、LED素子82を囲い、かつ、絶縁性保護膜85のLED素子実装領域によって除かれた領域の内周縁部が露出するように絶縁性保護膜85上に積層されている。また、これに限らず、例えば、絶縁性保護膜85のLED素子実装領域によって除かれた領域の内周縁部が露出せず、絶縁性保護膜85と反射層86との両方の内周縁部が一致して同一形状をなすように積層されていてもよい。
反射層86は、LED素子82からの光を反射し、所定の方向へ導くための反射面を持つ部材であれば、特に限定されないが、多孔質ポリプロピレンシートや多孔質系白色ポリエステルシート等の多孔質系樹脂シート、発泡系白色ポリエステル樹脂シート等の発泡系樹脂シート、非発泡系白色ポリエステル樹脂シート等の非発泡系樹脂シート、白色ポリエチレン樹脂シート、銀蒸着ポリエステル樹脂シート、または白色顔料を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物等を、最終製品の用途とその要求スペック等に応じて適宜用いることができる。
反射層86の膜厚は、50μm以上1mm以下であることが好ましい。反射層86の膜厚が、50μm未満であると、所望の反射率が得られないおそれがあり、また反射層が薄すぎるので、所定の位置にセッティングしにくくなり、また1mmを超えると、高コストとなるとともに、LED面光源装置の薄型化を達成できないおそれがある。反射層86の膜厚は、絶縁性保護膜85の膜厚と同様の方法によって測定するものとすることができる。
(接着層)
接着層87としては、公知の樹脂系接着剤を適宜用いることができる。それらの樹脂系接着剤のうち、ウレタン系、ポリカーボネート系、又はエポキシ系の接着剤等を特に好ましく用いることができる。この接着層87は、金属配線部84のエッチング処理後に樹脂フィルム43上に残存している。
(はんだ層)
はんだ層88は、金属配線部84とLED素子82とを電気的および機械的に接合するためものである。このはんだ層88による接合方法としては、大きく分けて、リフロー方式あるはレーザー方式があるが、このいずれかによって行うことができる。
金属配線部とLED素子とをはんだによって接合する際、樹脂フィルムおよび金属配線部には多大な熱が加えられるので、樹脂フィルムと金属配線部の線膨張係数の違いから、樹脂フィルムおよび金属配線部を備える配線基板に反りが発生するおそれがある。このような反りを防ぐために、樹脂フィルム83における金属配線部84側の面とは反対側の面に金属箔を設けることが好ましい。また、このような金属箔を設けることにより、点灯時のLED実装基板80の熱をより筐体本体71に放熱させることもできる。
<<LED素子>>
LED素子82は、P型半導体とN型半導体が接合されたPN接合部での発光を利用した発光素子である。LED素子としては、P型電極、N型電極を素子上面、下面に設けた構造と、素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造が知られているが、いずれの構造のLED素子も、LED面光源装置60に用いることができる。ただし、上記のうち素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造のLED素子を特に好ましく用いることができる。
LED素子82は、配線基板81上にマトリクス状に配置されている。本明細書における「マトリクス状」とは、行列状に二次元配列されている状態を意味するものとする。本実施形態においては、LED素子82はマトリクス状に配置されているが、LED素子の配置状態は、特に限定されず、例えば、LED素子は千鳥状に配置されていてもよい。LED素子82は配線基板81上に複数個実装されている。配線基板81に実装されるLED素子82の個数は、複数個であれば、特に限定されない。LED素子82の配置密度は、0.02個/cm以上2.0個/cm以下であることが好ましく、0.1個/cm以上1.5個/cm以下であることがより好ましい。
<<光透過反射シート>>
光透過反射シート10は、LED実装基板80における複数のLED素子82と対向するように配置されている。ここで、光透過反射シート10は、光透過反射樹脂シート11がLED実装基板80側となるように配置されている。また、光透過反射シート10は、第1のスペーサー90によってLED実装基板80に対して離間している。
図9に示される配線基板81の表面81Aから光透過反射シート10までの距離d1は0.6mm以上6mm以下となっていることが好ましい。本明細書における「配線基板の表面から光透過反射シートまでの距離」とは、配線基板81のように絶縁性保護層上に反射層を備えており、反射層の表面が配線基板の表面となっている場合には、反射層の表面から光透過反射シートにおける配線基板側の面までの距離を意味し、また配線基板の絶縁性保護層が反射層の機能を兼ね備えており、絶縁性保護層の表面が配線基板の表面となっている場合には、絶縁性保護層の表面から光透過反射シートにおける配線基板側の面までの距離を意味するものとする。
<<第1のスペーサー>>
第1のスペーサー90は、LED実装基板80に対し光透過反射シート10を離間させるためのものである。また、第1のスペーサー90は、配線基板81の表面81Aから光透過反射シート10までの距離d1を0.6mm以上6mm以下に保持する機能を有している。
図9に示される第1のスペーサー90の高さh1は、0.5mm以上5mm以下であることが好ましい。第1のスペーサーの高さが、0.5mm未満であると、反射回数が増えるので、反射損失が大きくなるおそれがあり、また5mmを越えると、LED面光源装置の薄型化が図れないおそれがある。本明細書における「第1のスペーサーの高さ」とは、第1のスペーサーにおける配線基板側の面である底面に垂直な方向において、第1のスペーサーの底面から第1のスペーサーにおける底面と反対側の面である上面までの距離を意味するものとする。第1のスペーサー90の高さh1は、第1のスペーサー90の高さをランダムに10箇所測定した値の算術平均値とする。
第1のスペーサー90と配線基板81は固定されていることが好ましい。第1のスペーサー90と配線基板81の固定方法としては、特に限定されず、接着や機械的固定手段による固定が挙げられる。本明細書における「接着」とは、「粘着」を含む概念である。図9においては、第1のスペーサー90と配線基板81は、両面テープ141を介して固定されている。具体的には、第1のスペーサー90の底面90A(後述する壁部92の底面)と配線基板81の反射層86が、両面テープ141を介して接着されることによって固定されている。第1のスペーサー90と配線基板81を固定することにより、LED素子82に対する第1のスペーサー90の位置ずれを抑制できる。なお、第1のスペーサー90と配線基板81は、両面テープ141ではなく、接着剤や粘着剤を用いて固定されていてもよい。なお、図9においては、第1のスペーサー90は、反射層86に固定されているが、配線基板の反射層に貫通孔を形成することにより、または配線基板に反射層を設けないことにより、第1のスペーサーを絶縁性保護膜に固定してもよく、また配線基板の反射層および絶縁性保護層に貫通孔を形成することにより、または配線基板に反射層および絶縁性保護層を設けないことにより、第1のスペーサーを金属配線部に固定してもよい。
第1のスペーサー90と光透過反射シート10は固定されていることが好ましい。第1のスペーサー90と光透過反射シート10の固定方法としては、特に限定されず、接着や機械的固定手段による固定が挙げられる。図9においては、第1のスペーサー90と光透過反射シート10は、両面テープ142を介して接着されることによって固定されている。具体的には、第1のスペーサー90の上面90B(後述する壁部92の上面)と光透過反射シート10が、両面テープ142を介して接着されている。第1のスペーサー90と光透過反射シート10を固定することにより、第1のスペーサー90およびLED素子82に対する光透過反射シート10の位置ずれをより抑制できる。なお、第1のスペーサー90と光透過反射シート10は、両面テープ142ではなく、接着剤や粘着剤を用いて固定されていてもよい。
第1のスペーサー90は、図10に示されるように、第1のスペーサー90の高さ方向に貫通する2以上の開口部91と、開口部91間を仕切り、かつ少なくとも1つの開口部91の周囲を取り囲む壁部92とを有している。
<開口部>
開口部91は、各LED素子82からの光を通過させるためのものである。開口部91の個数は特に限定されないが、図10においては、LED素子82の個数(縦4個×横6個=24個)に対応して、縦4個×横6個=24個の開口部91が形成されている。
各開口部91は、各LED素子82からの光を通過させるものであるので、各開口部91は、第1のスペーサー90を平面視したとき、開口部91内にLED素子82が入る大きさとなっている。図10においては、1つの開口部91内に1個のLED素子82が配置されるが、1つの開口部内に複数個のLED素子が配置されていてもよい。
図10に示される開口部91は、全て同じ大きさとなっているが、開口部91は同じ大きさである必要はなく、異なる大きさであってもよい。
<壁部>
壁部92は、上記したように、開口部91間を仕切り、かつ少なくとも1つの開口部91の周囲を取り囲んでいる。具体的には、図10に示される壁部92は、格子状となっている。本明細書における「格子状」とは、第1のスペーサーの平面視において、壁部によって形成された複数の開口部がマトリクス状に配置された構造を意味するものとする。第1のスペーサーの平面視における開口部の形状としては、四角形状等の多角形状、楕円形状、円形状等が挙げられる。上記四角形状としては、正方形状、長方形状、菱形形状等が挙げられる。図10に示される第1のスペーサー90においては、壁部92によって形成された四角形状の開口部91がマトリクス状に配置されている。
また、壁部の開口部側の角部は、第1のスペーサーの平面視において、曲線状となっていてもよい。角部が、第1のスペーサーの平面視において、曲線状になっていることにより、壁部に振動や衝撃が加わった場合であっても、壁部が割れにくくなるとともに、角部における反射回数を低減させることができるので、輝度の低下を抑制できる。
壁部92は、格子状となっているが、壁部は、格子状となっていなくともよい。例えば、壁部は、開口部が千鳥状に配置されたものであってもよい。具体的には、壁部は、ハニカム状となっていてもよい。なお、LED素子82がマトリクス状に配置されたLED実装基板80を用いる場合には、壁部92が格子状となった第1のスペーサー90を用い、LED素子が千鳥状に配置されたLED実装基板を用いる場合には、壁部がハニカム状となった第1のスペーサーを用いることができる。
図10に示される壁部92は、枠部93と、枠部93よりも内側に位置し、開口部91間を仕切る仕切部94とを有している。壁部92は、開口部91間を仕切り、少なくとも1つの開口部91の周囲を取り囲むものでれば、特に限定されず、例えば、壁部は、枠部を備えず、仕切部のみから構成された井桁状となっていてもよい。なお、第1のスペーサーの構造は、特に限定されず、第1のスペーサーは、柱状のスペーサーであってもよい。ただし、現在、映像の明暗部に対応するように、LED素子を個別に制御するローカルディミング(部分駆動)制御においては、LED素子からの光が互いに混合されないことが求められるが、柱状のスペーサーを用いた場合、スペーサー間の隙間から光が漏れてしまうので、LED素子からの光が互いに混合されてしまう。このため、ローカルディミング制御を行う観点からは、第1のスペーサー90のような構造が好ましい。
壁部92の厚みは、0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。壁部92の厚みが、0.5mm以上であれば、光透過反射シート10の支持体としての機能を確実に果たすことができ、また10mm以下であれば、開口部91の開口径を充分に確保することができるので、輝度低下を抑制できる。本明細書における「壁部の厚み」とは、壁部のうち最も薄い箇所の厚みを意味するものとする。壁部92の厚みは、全て均一でなくともよい。なお、壁部92を構成する枠部93と仕切部94の厚みは、同一であってもよいが、同一でなくともよい。
図9に示されるように、壁部92の開口部91に面している側面92Aが、第1のスペーサー90の高さ方向における底面90Aから上面90Bに向けて開口部91の開口径が大きくなるように傾斜していることが好ましい。このような側面92Aを有する壁部92を形成することにより、LED素子82からの出射光を壁部92の側面92Aで反射させて、光透過反射シート10に導くことができるので、LED面光源装置60からより効率良く光を出射させることができる。このような側面92Aを有する壁部92を備える第1のスペーサー90は、例えば、射出成形、切削や三次元プリンターによって得ることができる。側面92Aは、第1のスペーサー90の高さ方向の断面において、曲線状となっていてもよいが、作製し易さの観点から、直線状となっていることが好ましい。また、壁部は、第1のスペーサーの上面から底面に向けて開口部の開口径が大きくなるように傾斜していてもよい。
壁部92を構成する材料としては、特に限定されないが、成形し易く、また光透過反射シート10等を衝撃から保護する観点から、樹脂(第1の樹脂)から構成されていることが好ましい。壁部92は、反射率を高めて、光透過反射シート10に光を導く観点から白色系顔料をさらに含んでいることが好ましい。また、LED素子82からは可視光線のみならず紫外線も放射しているので、LED面光源装置60内の部材が紫外線により劣化するおそれがある。このため、壁部92は、紫外線劣化を抑制するために、樹脂の他、紫外線吸収剤をさらに含んでいることが好ましい。
上記第1の樹脂の25℃でのヤング率は、0.5GPa以上5GPa以下であることが好ましい。第1の樹脂のヤング率が、0.5GPa未満であると、第1のスペーサーにおいて、配線基板や光透過反射シートを固定するための強度が確保できないおそれがあり、また5GPaを超えると、LED面光源装置を曲面などへ設置する際に第1のスペーサーを曲げることができないおそれがある。第1の樹脂の25℃でのヤング率の下限は、1GPa以上であることがより好ましく、上限は4GPa以下であることがより好ましい。
上記第1の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合樹脂(ASA樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(AES樹脂)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA樹脂)、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、またはこれらの樹脂を2種以上混合した混合物等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性や成形性等の観点から、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂、PMMA樹脂、ポリアセタール樹脂、またはこれらの樹脂を2種以上混合した混合物が好ましい。
上記白色系顔料としては、酸化チタン(TiO)、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、マイカ、炭酸カルシウム、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、チタン酸カリウム等、またはこれらの混合物等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、特に限定されず、トリアジン系紫外線吸収剤やベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中でも、可視光領域の光は極力吸収せず、効率的に紫外線を吸収することができるとともに、長期間使用しても黄変が生じにくい観点から、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。トリアジン系紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、BASF社製のTINUVIN 1577 EDが挙げられる。また、必要に応じて、ヒンダードアミン系光安定剤等を添加してもよい。
<枠部および仕切部>
図10に示される枠部93は、平面視において四角形状となっているが、枠部の形状は、LED実装基板の形状等に合わせて、適宜変更することができる。枠部93は、ほぼ配線基板81の大きさと同じ大きさになっている。
仕切部94は、開口部91間を仕切るものである。図10に示されるように、仕切部94は、枠部91と一体的に設けられていることが好ましい。本明細書における「一体的に設けられている」とは、枠部と仕切部との間に境界が存在しない場合、すなわち枠部と仕切部が一体形成されている場合のみならず、仕切部が枠部に接合されている場合をも含む概念である。第1のスペーサー90においては、枠部93および仕切部94が一体形成されている。枠部93および仕切部94を一体形成することによって、繋ぎ目がない第1のスペーサーを得ることができるので、第1のスペーサーを複数の部材から構成するよりも、LED面光源装置の組立工程の簡素化、および振動試験における光透過反射シートの位置ずれリスクの低減を図ることができる。また、第1のスペーサーには、繋ぎ目がないので、継ぎ目に入り込む光にもなく、光学的損失の低減を図ることができる。なお、壁部92の強度を高める観点から、仕切部94は枠部93と一体的に設けられていることが好ましいが、仕切部は枠部と一体的に設けられていなくともよい。
仕切部94は、図11に示されるように、区画領域10E間の境界部10Hに対応する位置に配置されていることが好ましい。本明細書における「区画領域間の境界部」とは、透過部および反射部のパターンから区画領域間の境界と想定される領域を含む部分を意味するものとする。また仕切部94は、枠部93と一体的に成形されていることが好ましい。なお、図11は、LED素子82側から第1のスペーサー90および光透過反射シート10を平面視した図である。
壁部の少なくともいずれかの光透過反射シート側の上面には、凸部が設けられていることが好ましい。第1のスペーサーは、上記したように、射出成形、打ち抜き、切削、または三次元プリンターによって作製することが可能であるが、第1のスペーサーに凸部を設ける場合には、これらの中でも、凸部の形成し易さの観点から、射出成形が好ましい。
第1のスペーサーに凸部を設ける場合、光透過反射シートには光透過部としての貫通孔が設けられているので、この貫通孔に凸部が入り込んでいることが好ましい。第1のスペーサーにこのような凸部を設けることによって、LED素子に対する光透過反射シートの位置合わせが容易となるとともに、振動試験を行った場合であっても、LED素子に対する光透過反射シートの位置ずれをより抑制することができる。
凸部の形状は、特に限定されないが、例えば、円錐形状、円錐台形状、角錐形状、角錐台形状、ドーム形状、不定形形状が挙げられる。
凸部の高さは、光透過反射シートの光学性能に影響を与えない観点から、光透過反射シートの厚み以下(開口部の高さ以下)とすることが好ましい。また、光透過反射シートの位置ずれを抑制する観点からは、凸部の高さの下限は、光透過反射シートの厚みの1/4以上となっていることがより好ましい。
凸部の直径や幅は、特に限定されないが、光透過反射シートは、直径が異なる開口部が複数存在しているので、対象とする貫通孔よりも小さい貫通孔には入らないような直径であることが好ましい。
凸部は、第1のスペーサー全体として1以上形成されていればよいが、光透過反射シートの位置ずれをより抑制する観点からは、複数個形成されていることが好ましい。さらに、光透過反射シートの位置ずれをさらに抑制する観点からは、第1のスペーサーの平面視において、凸部によって四角形が描かれるように少なくとも4箇所に凸部が形成されていることが好ましい。
凸部を有する第1のスペーサーは、射出成形によって作製することができる。また、凸部を別途作製し、壁部に凸部を接着剤等や機械的固定によって固定することも可能であるが、接着剤等によって上記凸部を壁部に固定した場合には、凸部が壁部から剥がれるおそれがあるので、凸部と壁部とは射出成形によって一体形成されることが好ましい。
<<光学シート>>
光学シート100は、光学的な機能を有するシートである。光学シートとしては、光学的な機能を有するシートであれば、特に限定されず、例えば、光拡散シート、レンズシート、または反射型偏光分離シート等が挙げられる。図7および図8に示される光学シート100は、光拡散シートとなっている。光拡散シートである光学シート100を配置することにより、光透過反射シート10を透過した光を光学シート100でさらに拡散させることができ、輝度の面内均一性をさらに向上させることができる。なお、光学シートが、レンズシートである場合には、レンズシート120は備えなくともよく、また光学シートが、反射型偏光分離シートである場合には、反射型偏光分離シート130は備えなくともよい。また、光学シートとして、レンズシートや反射型偏光分離シートを用いる場合には、レンズシート120や反射型偏光分離シート130と同様のものを用いることができる。
光学シート100は、光透過反射シート10の光出射側に配置されている。光学シート100は、第2のスペーサー110によって光透過反射シート10に対し離間している。光学シート100は、光透過反射シート10と略平行に配置されている。
図9に示される光透過反射シート10から光学シート100までの距離d2は、0.5mm以上5mm以下であることが好ましい。光透過反射シート10から光学シート100までの距離が、0.5mm未満であると、光拡散機能が十分に発揮されないおそれがあり、また5mmを超えると、LED面光源装置の薄型化が図れないおそれがある。本明細書における「光透過反射シートから第2の光学シートまでの距離」とは、光透過反射シートにおける第2の光学シート側の面から第2の光学シートにおける光透過反射シート側の面までの距離を意味するものとする。光透過反射シート10から光学シート100までの距離は、この距離をランダムに10箇所測定した値の算術平均値とする。
配線基板81の表面81Aから光学シート100までの距離(OD)は、LED面光源装置60の薄型化を図る観点から、1mm以上10mm以下となっていることが好ましい。本明細書における「配線基板の表面から第2の光学シートまでの距離」とは、配線基板の表面から第2の光学シートにおける配線基板側の面までの距離を意味するものとする。配線基板81の表面81Aから光学シート100までの距離は、この距離をランダムに10箇所測定した値の算術平均値とする。配線基板81の表面81Aから光学シート100までの距離の上限は、5mm以下となっていることが好ましい。
光学シート100の厚みは、光透過反射シート10の厚みよりも大きくなっていることが好ましい。光学シート100の厚みが、光透過反射シート10の厚みより大きいことにより、光学シート100は、光透過反射シート10よりも撓み難い。このため、光学シート100は、枠状の第2のスペーサー110によって、光透過反射シート10と光学シート100との間の距離を所定の距離に保持することができる。
光学シート100の厚みは、0.3mm以上5mm以下であることが好ましい。光学シート100の厚みが、0.3mm未満であると、光拡散効果が十分に得られないおそれがあるからであり、また厚みが、5mmを超えると、LED面光源装置の薄型化が図れないおそれがある。光学シート100の厚みは、光透過反射シート10の厚さと同様の方法によって測定することができる。
光学シート100は、樹脂から構成されていることが好ましい。本明細書における「樹脂から構成されている」とは、樹脂が主の構成成分となっていることを意味する。光学シート100は、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等からなる半透明の樹脂フィルムと、樹脂フィルムの一方の面側に形成された、光拡散機能を発揮するための、例えば、微小でランダムなレンズアレイ等を有するレンズ層とを備えている。
<<第2のスペーサー>>
第2のスペーサー110は、光透過反射シート10に対し光学シート100を離間させるためのものである。また、第2のスペーサー110は、光透過反射シート10から光学シート100までの距離d2を0.5mm以上5mm以下に保持するとともに、配線基板81の表面81Aから光学シート100までの距離を1mm以上10mm以下に保持する機能を有している。
図9に示される第2のスペーサー110の高さh2は、第1のスペーサー90の高さh1よりも大きくなっている。第2のスペーサー110の高さh2は、1mm以上10mm以下であることが好ましい。第2のスペーサーの高さが、1mm未満であると、光透過反射シートと光学シートとの距離が短すぎるために、光透過領域を透過した光が拡散しにくく、光学シートの平面視において、光透過領域に対応する部分が光反射領域に対応する部分よりも明るくなるおそれがあり、また10mmを越えると、LED面光源装置の薄型化が図れないというおそれがある。本明細書における「第2のスペーサーの高さ」とは、第2のスペーサーにおける筐体の内底面側の面である底面に垂直な方向において、第2のスペーサーの底面から第2のスペーサーの上面までの距離を意味するものとする。第2のスペーサー110の高さh2は、第2のスペーサー110の高さをランダムに10箇所測定した値の算術平均値とする。
第2のスペーサー110は、図12に示されるように、枠状となっている。本明細書の「枠状」とは、切れ間なく1周繋がっている構成のみならず、概ね繋がっていれば途中で切れ間があってもよい。図12に示される第2のスペーサー110は、端子等との接続のために、切れ間110Aが設けられている。第2のスペーサー110は、1つの開口部111を有しており、光透過反射シート10の外周面および第1のスペーサー90の外周面90Cを取り囲むように配置されている。第2のスペーサー110は、図8に示されるように、光透過反射シート10の外周面および第1のスペーサー90の外周面90Cのみならず、配線基板81の外周面81Cを取り囲むように配置されている。すなわち、第2のスペーサー110の内側には、LED実装基板80、光透過反射シート10、および第1のスペーサー90が位置している。第2のスペーサー110が枠状になっていることにより、光透過反射シート10を透過して、第2のスペーサー110側に向かう光を第2のスペーサー110で反射させて、光学シート100に導くことができる。また、第2のスペーサー110が枠状となっていることにより、第2のスペーサーが複数の柱状体から構成されている場合よりも、光学シート100との接触面積を増大させることができるので、LED面光源装置60の使用時において、第2のスペーサー110を介して光学シート100の熱をより放熱させることができる。また、第2のスペーサー110が枠状となっていることにより、第2のスペーサーが複数の柱状体から構成されている場合よりも、第2のスペーサー110と光学シート100との接着面積を増大させることができるので、より光学シート100が位置ずれしにくい。
図9に示されるように、第2のスペーサー110の底面110Bは筐体70の内底面70Bに接していることが好ましい。本明細書における「第2のスペーサーの底面が筐体の内底面と接している」とは、第2のスペーサーの底面が筐体の内底面に直接接触している場合に限らず、第2のスペーサーの底面と筐体の内底面との間に、両面テープ、粘着剤または接着剤等、熱伝導という観点でほぼ無視できる層が介在している場合をも含む概念である。図9においては、第2のスペーサー110の底面110Bと筐体70の内底面70Bとの間には、後述する両面テープ143が介在している。
また、図9に示される第2のスペーサー110の外側の側面である外側面110Cは筐体70の内側面70Dに接している。本明細書における「第2のスペーサーの外側面」とは、第2のスペーサーの開口部を画定する内側面とは反対側の面を意味するものとする。また、本明細書における「第2のスペーサーの外側面が筐体の内側面と接している」とは、第2のスペーサーの外側面が筐体の内側面に直接接触している場合に限らず、第2のスペーサーの外側面と筐体の内側面との間に、両面テープ、粘着剤または接着剤等、熱伝導という観点でほぼ無視できる層が介在している場合をも含む概念である。図9においては、第2のスペーサー110の外側面110Cは、筐体70の内側面70Dに直接接している。
第2のスペーサー110と筐体70は、LED素子82に対する光学シート100の位置ずれをより抑制する観点から、固定されていることが好ましい。第2のスペーサー110と筐体70の固定方法としては、特に限定されず、接着や機械的固定手段による固定が挙げられる。図9においては、第2のスペーサー110の底面110Bと筐体70の内底面70Bが、両面テープ143を介して接着されることによって固定されている。ここで、第2のスペーサー110は、枠状となっているので、第2のスペーサーが複数の柱状体から構成されている場合よりも、筐体70との接着面積を増大させることができるので、第2のスペーサー110を固定しやすい。なお、第2のスペーサー110と筐体70は、両面テープ143ではなく、接着剤や粘着剤を介して接着されていてもよい。
第2のスペーサー110と光学シート100は、固定されていることが好ましい。第2のスペーサー110と光学シート100の固定方法としては、特に限定されず、接着や機械的固定手段による固定が挙げられる。図9においては、第2のスペーサー110における底面110Bとは反対側の上面110Dと光学シート100が、両面テープ144を介して接着されることによって固定されている。第2のスペーサー110と光学シート100を固定することにより、LED素子82に対する第2のスペーサー110の位置ずれをより抑制できる。なお、第2のスペーサー110と光学シート100は、両面テープ144ではなく、接着剤や粘着剤を用いて固定されていてもよい。
図9に示されるように、第2のスペーサー110の内側の側面である内側面110Eは、筐体70の内底面70Bから光学シート100に向けて開口部111の開口径が大きくなるように傾斜していることが好ましい。このような内側面110Eを有する第2のスペーサー110を形成することにより、光透過反射シート10からの出射光を第2のスペーサー110の内側面110Eで反射させて、光学シート100に導くことができるので、LED面光源装置60からより効率良く光を出射させることができる。このような内側面110Eを有する第2のスペーサー110は、例えば、射出成形、打ち抜き、切削または三次元プリンターによって得ることができる。内側面110Eは、第2のスペーサー110の高さ方向の断面において、曲線状となっていてもよいが、作製し易さの観点から、直線状となっていることが好ましい。
第2のスペーサー110を構成する材料としては、特に限定されないが、成形し易く、また光学シート100等を衝撃から保護する観点から、樹脂(第2の樹脂)から構成されていることが好ましい。第2のスペーサー110は、第2の樹脂の他、反射率を高めて、光学シート100に光をより導く観点から白色系顔料を含むことが好ましい。
第2のスペーサー110を構成する第2の樹脂は、第1のスペーサー90を構成する第1の樹脂と同じ樹脂であることが好ましい。ただし、現在、LED面光源装置を曲げることが望まれており、LED面光源装置を曲げるために、第1のスペーサーおよび第2のスペーサーをヤング率が低い樹脂から構成した場合には、LED面光源装置の剛性が低下してしまうので、LED面光源装置を曲げる場合には、ある程度の剛性を維持しながら、LED面光源装置が曲げられるように、第2のスペーサー110を構成する第2の樹脂の25℃でのヤング率は、第1のスペーサー90を構成する第1の樹脂の25℃でのヤング率よりも小さいことが好ましい。第1のスペーサー90を構成する第1の樹脂の25℃でのヤング率および第2のスペーサー110を構成する第2の樹脂の25℃でのヤング率は、それぞれ動的粘弾性測定装置(製品名「Rheogel-E4000」、ユービーエム社製)を用いて、25℃で引張り試験を行い、縦軸に応力、横軸にひずみをとった応力−ひずみ曲線の直線部の傾きから求めるものとする。なお、上記ヤング率は、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
<<レンズシート>>
レンズシート120は、入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させる機能を有する。レンズシート120は、図13に示されるように、例えばL1のような入射角度が大きい光の進行方向を変化させて出光側から出射させて、正面方向の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)とともに、例えばL2のような入射角度が小さい光を反射させて、光学シート100側に戻す機能(再帰反射機能)を有している。レンズシート120は、図13に示されるように、樹脂フィルム121と、樹脂フィルム121の一方の面に設けられたレンズ層122とを備えている。なお、レンズシート120は、レンズ層122が樹脂フィルム121よりも反射型偏光分離シート130側に位置するように配置されている。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム121の構成材料としては、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
(レンズ層)
レンズ層122は、出光側に並べて配置された複数の単位レンズ122Aを備えている。単位レンズ122Aは、三角柱状であってもよいし、波状や例えば半球状のような椀状であってもよい。具体的には、単位レンズとしては、単位プリズム、単位シリンドリカルレンズ、単位マイクロレンズ等が挙げられる。なお、そのような単位レンズ形状を有するレンズシートとしては、プリズムシート、レンチキュラーレンズシート、マイクロレンズシート等が挙げられる。
単位レンズ122Aは、光の利用効率を向上させる観点から、80°以上100°以下の頂角θを有することが好ましく、約90°の頂角を有することがより好ましい。
<反射型偏光分離シート>
反射型偏光分離シート130は、レンズシート120から出射される光のうち、第1の直線偏光成分(例えば、P偏光)のみを透過し、かつ第1の直線偏光成分と直交する第2の直線偏光成分(例えば、S偏光)を吸収せずに反射する機能を有するものである。反射型偏光分離シート130で反射された第2の直線偏光成分は再度反射され、偏光が解消された状態(第1の直線偏光成分と第2の直線偏光成分とを両方含んだ状態)で、再度、反射型偏光分離シート130に入射する。
反射型偏光分離シート130としては、3M社から入手可能な「VIKUITI(登録商標) DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)」を用いることができる。また、「DBEF」以外にも、Shinwha Intertek社から入手可能な高輝度偏光シート「WRPS」やワイヤーグリッド偏光子等を、反射型偏光分離シート130として用いることができる。
本実施形態によれば、第1のスペーサー90が、開口部91間を仕切り、かつ少なくとも1つの開口部91の周囲を取り囲む壁部92を備えているので、柱状のスペーサーや単なる枠状のスペーサーに比べて、光透過反射シート10との接触面積を増大させることができる。これにより、光透過反射シート10の撓みを抑制することができる。
光透過反射シートが光透過反射シートである場合には、光透過反射シートは各区画領域に透過部および反射部のパターンを有しているので、光透過反射シートが撓むことによって、LED素子に対する光透過反射シートの位置が変わるので、輝度の面内均一性が低下するおそれがある。このため、配線基板の表面から光透過反射シートまでの距離は所定の距離に保持する必要がある。本実施形態においては、第1のスペーサー90によって、光透過反射シートである光透過反射シート10の撓みを抑制することができるので、輝度の面内均一性を向上させることができる。
本実施形態によれば、第1のスペーサー90が、壁部92を備えているので、柱状のスペーサーや単なる枠状のスペーサーよりも、剛性が高い。このため、LED面光源装置60に対して振動試験を行った場合に、柱状のスペーサーや単なる枠状のスペーサーを用いた場合よりも、光透過反射シート10の揺れ幅が小さくなる。これにより、振動試験を行った場合に、LED素子82に対する光透過反射シート10の位置ずれを抑制することができる。また、第1のスペーサー90は、柱状のスペーサーや単なる枠状のスペーサーよりも剛性が高いので、振動試験を行った場合であっても、第1のスペーサー90は破損しにくい。
光透過反射シートは各区画領域に光透過部および光反射部のパターンを有しているので、光透過反射シートの位置ずれが生じることによって、LED素子に対する光透過反射シートの位置が変わるので、輝度の面内均一性が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態においては、LED素子82に対する光透過反射シート10の位置ずれを抑制することができるので、輝度の面内均一性を向上させることができる。
本実施形態のLED画像表示装置50およびLED面光源装置60の用途は、特に限定されないが、例えば、テレビ用途、車載用途や看板等の広告媒体用途に用いることができる。これらの中でも、LED画像表示装置50およびLED面光源装置60は、振動試験に耐え得るものであるので、車載用途に好適に用いることができる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
<実施例1>
まず、光反射性樹脂シートとしての厚さ70μmの多孔質ポリプロピレンシートを用意した。多孔質ポリプロピレンシートは、以下の方法によって製造された。まず、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:MA−8」、日本ポリケム株式会社製、融点164℃)65.5質量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD:HJ580」、日本ポリケム株式会社製、融点134℃、密度0.960g/cm)6.5質量%、および、平均粒子径が1.5μmの炭酸カルシウム粉末28質量%を含む内層用組成物を、押出機を用いて押出すことにより、無延伸シートを得た。この無延伸シートを流れ方向(MD)に4倍の延伸を行い、一軸延伸シートを得た。なお、この実施例では、流れ方向(MD)は、押出機を用いて組成物を押し出した時の押出方向を意味する。
次いで、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP:MA−8」、日本ポリケム株式会社製、融点164℃)51.5質量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD:HJ580」、日本ポリケム株式会社製、融点134℃、密度0.960g/cm)3.5質量%、平均粒子径が1.5μmの炭酸カルシウム粉末42質量%、平均粒子径が0.8μmの酸化チタン粉末3質量%を含む外層用組成物を、押出機を用いて上述で得られた一軸延伸シートの両面側にダイを用いて押し出して、三層構成(外層、内層、および外層)の積層体を得た。
そして、この積層体を幅方向(内層に積層された一軸延伸シートの流れ方向に直交する方向、TD)に7倍の延伸を行なうことによって、全体の厚みが70μm(外層15μm、内層40μm、外層15μm)の多孔質ポリプロピレンシートを得た。この多孔質ポリプロピレンシートの空孔率は55%であった。また、この多孔質ポリプロピレンシートの25℃でのヤング率は、34MPaであった。ヤング率は、ナノインデンテーションテスター(製品名「PICODENTOR HM500」、フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定された。具体的には、25℃の温度下で、ISO14577−1に準拠し、対面角が136°のVickers圧子(四角錐型圧子)を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で多孔質ポリプロピレンシートに押込み、押込み荷重が1mNに到達した後、5秒間保持してから、10秒間かけて除荷する条件でヤング率を測定した。なお、押込み荷重は、最大押し込み量が測定サンプルの厚さの1/10以下になるように調整すればよい。測定サンプルの厚さは、試験時の最大押し込み量の10倍以上であればよい。
上記多孔質ポリプロピレンシートを用意した後、多孔質ポリプロピレンシートの一方の面に、グラビアコート法により接着剤を塗工し、70℃の条件下で20秒〜40秒乾燥させることによって接着層を形成した。このとき用いた接着剤はポリウレタン系接着剤(主剤(製品名「アドロックRU−77T」、ロックペイント株式会社製)と硬化剤(製品名「ロックボンドJ H−7」、ロックペイント株式会社製)を、主剤:硬化剤=10:1で混合させた接着剤)を含んだものであった。この接着層を介して、多孔質ポリプロピレンシートに厚さ12μmのアルミニウム箔を貼り付け、アルミニウム箔付き多孔質ポリプロピレンシートを形成した。次いで、上記多孔質ポリプロピレンシートとは異なる第2の樹脂シートとしての厚さ70μmの多孔質ポリプロピレンシートの一方の面に、上記と同じ接着剤を介して、接着剤にアルミニウム箔が接するように上記アルミニウム箔付き多孔質ポリプロピレンシートを配置し、多孔質ポリプロピレンシートに上記アルミニウム箔付き多孔質ポリプロピレンシートを貼り付け、多孔質ポリプロピレンシート、アルミニウム箔、および多孔質ポリプロピレンシートがこの順で積層された積層体を形成した。そして、ドリル加工によって、上記積層体の厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を所定のパターンで、上記積層体に形成し、各区画領域が貫通孔からなる光透過領域および光透過領域以外の部分からなる光反射領域を有する縦5個×横12個の合計60個の区画領域を有する光透過反射シートを得た。光透過反射シートにおいては、各区画領域の大きさが縦22mm×横24.2mmであり、かつ各区画領域の中央部から外縁部に向けて開口率が漸増するものであり、各区画領域の開口率は20%であった。
<実施例2>
まず、実施例1と同様の方法によって、多孔質ポリプロピレンシート、アルミニウム箔、および多孔質ポリプロピレンシートがこの順で積層された積層体を得た。積層体を得た後、積層体1の両面に、接着剤を介して、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート(製品名「コスモシャインA4100」、東洋紡株式会社製)を配置し、上記積層体の両面にポリエチレンテレフタレートシートを貼り付け、ポリエチレンテレフタレートシート、多孔質ポリプロピレンシート、アルミニウム箔、多孔質ポリプロピレンシート、およびポリエチレンテレフタレートシートがこの順で積層された積層体を形成した。そして、ドリル加工によって、上記積層体の厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を所定のパターンで、上記積層体に形成し、各区画領域が貫通孔からなる光透過領域および光透過領域以外の部分からなる光反射領域を有する縦5個×横12個の合計60個の区画領域を有する光透過反射シートを得た。実施例2に係る光透過反射シートの各区画領域の大きさ、開口パターン、および各区画領域の開口率は実施例1に係る光透過反射シートと同様であった。また、ポリエチレンテレフタレートシート(製品名「コスモシャインA4100」、東洋紡株式会社製)のヤング率を、上記多孔質ポリプロピレンシートのヤング率の測定条件と同様の測定条件で測定したところ、3150MPaであった。
<実施例3>
まず、実施例1と同様にして、光反射性樹脂シートとしての厚さ70μmの多孔質ポリプロピレンシートを用意した。次いで、多孔質ポリプロピレンシートの一方の面に、カーボンブラックを含む光吸収層用組成物を塗布し、80℃の条件下で5〜30秒間乾燥させることによって、多孔質ポリプロピレンシート上に膜厚5μmの光吸収層を形成し、光吸収層付き多孔質ポリプロピレンシートを形成した。次いで、上記多孔質ポリプロピレンシートとは異なる第2の樹脂シートとしての厚さ70μmの多孔質ポリプロピレンシートの一方の面に、ポリウレタン系接着剤(主剤(製品名「アドロックRU−77T」、ロックペイント株式会社製)と硬化剤(製品名「ロックボンドJ H−7」、ロックペイント株式会社製)を、主剤:硬化剤=10:1で混合させた接着剤)を介して、接着剤に光吸収層が接するように上記光吸収層付き多孔質ポリプロピレンシートを配置し、多孔質ポリプロピレンシートに上記光吸収層付き多孔質ポリプロピレンシートを貼り付け、多孔質ポリプロピレンシート、光吸収層、および多孔質ポリプロピレンシートがこの順で積層された積層体を形成した。そして、ドリル加工によって、上記積層体の厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を所定のパターンで、上記積層体に形成し、各区画領域が貫通孔からなる光透過領域および光透過領域以外の部分からなる光反射領域を有する縦5個×横12個の合計60個の区画領域を有する光透過反射シートを得た。実施例3に係る光透過反射シートの各区画領域の大きさ、開口パターン、および各区画領域の開口率は実施例1に係る光透過反射シートと同様であった。
<比較例1>
まず、実施例1と同様にして、厚さ70μmの多孔質ポリプロピレンシートを用意した。次いで、多孔質ポリプロピレンシートに、ドリル加工によって、多孔質ポリプロピレンシートの厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を所定のパターンで形成し、各区画領域が貫通孔からなる光透過領域および光透過領域以外の部分からなる光反射領域を有する縦5個×横12個の合計60個の区画領域を有する光透過反射シートを得た。比較例1に係る光透過反射シートの各区画領域の大きさ、開口パターン、および各区画領域の開口率は実施例1に係る光透過反射シートと同様であった。
<比較例2>
厚さ500μmの多孔質ポリエチレンテレフタレートシート(「登録商標MCPET、製品名M4」、古河電気工業株式会社製)に、ドリル加工によって、多孔質ポリプロピレンシートの厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を所定のパターンで形成し、各区画領域が貫通孔からなる光透過領域および光透過部領域以外の部分からなる光反射領域を有する縦5個×横12個の合計60個の区画領域を有する光透過反射シートを得た。比較例2に係る光透過反射シートの各区画領域の大きさ、開口パターン、および各区画領域の開口率は実施例1に係る光透過反射シートと同様であった。
<色度測定>
実施例および比較例に係る光透過反射シートをLED面光源装置に組み込み、LED面光源装置において、色度を測定した。まず、LED面光源装置に用いるLED実装基板を作製した。具体的には、縦111mm×横293mmおよび厚さ50μmのポリエチレンナフタレートフィルムの一方の面に、配線用の厚さ35μmの銅層を積層した。その後、配線用の銅層をエッチングして、銅配線部を形成した。銅配線部を形成した後、スクリーン印刷法によって膜厚50μmの絶縁性保護膜を形成し、フレキシブル配線基板を得た。フレキシブル配線基板を得た後、フレキシブル配線基板の銅配線部にリフロー方式によりはんだ層を介して縦5個×横12個の合計60個のLED素子を実装して、LED実装基板を得た。
また、第1のスペーサーを作製した。第1のスペーサーは、格子状となっており、ポリカーボネート樹脂を用いて射出成形によって作製した。第1のスペーサーは、縦20mm×横22.4mmの第1のスペーサーの高さ方向に貫通する縦5個×横12個のマトリクス状に配置された開口部と、縦111mm×横290mm、幅2mmおよび高さ2mmの四角形状の枠部、および開口部間を仕切り、枠部と一体的に形成された幅2mmおよび高さ2mmの仕切部を有する壁部とを備えているものであった。壁部は、全ての開口部の周囲を取り囲むものであった。
さらに、第2のスペーサーを作製した。第2のスペーサーは、ポリカーボネート樹脂を用いて射出成形によって作製した。第2のスペーサーは、縦117mm×横310mm、幅2mm、および高さ5mmの枠部と、枠部の内側に大きさが縦113mm×横306mmの第2のスペーサーの高さ方向に貫通する1つの開口部とを備えているものであった。
そして、大きさが縦117mm×横310mm×高さ7mmの収容空間を有するアルミニウム製の筐体本体に、上記作製したLED実装基板をLED素子が上側になるように配置した。次いで、LED実装基板におけるフレキシブル配線基板の表面に上記作製した第1のスペーサーを両面テープ(製品名「No.5000NS」、日東電工社製)を介して固定し、さらに第1のスペーサー上に各光透過反射シートを両面テープ(製品名「No.5000NS」、日東電工社製)を介して固定した。なお、第1のスペーサーは、第1のスペーサーの開口部を介して各LED素子からの光が通過するように配置され、また光透過反射シートは区画領域間の境界部が第1のスペーサーの仕切部の位置となるように配置された。また、上記作製した第2のスペーサーを筐体本体とLED実装基板および第1のスペーサーとの間に配置するとともに、筐体本体の底面に第2のスペーサーを両面テープ(製品名「No.5000NS」、日東電工社製)を介して固定した。さらに、第2のスペーサー上に縦117mm×横310mmおよび厚さ1.5mmの光拡散シートを配置した。最後に、大きさが縦110mm×横303mmの開口部を有する枠状の蓋体を筐体本体に勘合させて、LED面光源装置を得た。なお、フレキシルブル配線基板の表面から光透過反射シートまでの距離は2mmであり、フレキシルブル配線基板の表面から光拡散シートまでの距離は4.8mmであり、光透過反射シートと光拡散シートとの間の距離は2.3mmであった。
このようなLED面光源装置において、LED面光源装置の発光面(光拡散シートの表面)におけるLED素子の直上の光透過反射シートの光反射領域に対応する部分(光反射領域対応部分)および光透過領域に対応する部分(光透過領域対応部分)の色度x、yを測定した。色度x、yは、LED素子1個当たり180mAの電流を投入して、LED素子を点灯させた状態で、光拡散シートから1m離れた正面位置に分光放射輝度計(製品名「CS−2000」、コニカミノルタ株式会社製)を設置し、この分光放射輝度計によって測定された。
<可視光反射率>
実施例および比較例に係る光透過反射シートの光反射領域において、可視光領域の光の反射率を測定した。反射率は、分光光度計(製品名「V670DS」、日本分光株式会社製)に積分球付属装置(積分球ユニットISN−723)を取り付け、硫酸バリウムを標準板とし、450nm〜750nmの波長領域において標準板の反射率を100%とした相対反射率を測定した値とした。反射率は3回測定して得られた値の算術平均値とした。
<全光線透過率>
実施例および比較例に係る光透過反射シートの光反射領域において、JIS K7361−1:1997に従って全光線透過率を測定した。光反射領域の全光線透過率の測定は、分光光度計(製品名「V670DS」、日本分光株式会社製)に積分球付属装置(積分球ユニットISN−723)を取り付けることによって行われた。全光線透過率はそれぞれ3回測定して得られた値の算術平均値とした。
<撓み量測定>
実施例および比較例に係る光透過反射シートにおいて、撓み量を測定した。具体的には、各光透過反射シートから幅20mm、長さ120mmにカットした試験片を、水平な定盤から一端が100mmはみ出すように固定して、自重による試験片のはみ出した端の撓み量を測定した。撓み量はそれぞれ3回測定して得られた値の算術平均値とした。
以下、結果を表1に示す。
Figure 2018200375
以下、結果について述べる。比較例1、2に係る光透過反射シートにおいては、遮光層を備えていなかったので、光反射領域に対応する部分の色度と光透過領域に対応する部分の色度の差が大きかった。これに対し、実施例1〜3に係る光透過反射シートにおいては、遮光層を備えていたので、光反射領域に対応する部分の色度と光透過領域に対応する部分の色度の差がなかった。これは、光透過反射シートにおける光反射領域の透過光がなかったためである。これにより、色ムラが抑制されることが確認された。
10、15、20、25、30…光透過反射シート
10A、15A、20A、25A、30A…光透過領域
10B、15B、20B、25B、30B…光反射領域
10E…区画領域
10F…中央部
10G…外縁部
11、31…光透過反射樹脂シート
11A、12A、13A…開口部
11B、13B…光反射部
12…遮光層
12B…遮光部
13…樹脂シート
21…光反射層
50…LED画像表示装置
60…LED面光源装置
80…LED実装基板
82…LED素子

Claims (10)

  1. 光を透過する光透過領域および光を反射する光反射領域を有する光透過反射シートであって、
    前記光透過領域に位置する第1の開口部および前記光反射領域に位置する第1の光反射部を有する光透過反射樹脂シートと、
    前記光透過反射樹脂シートの一方の面側に設けられ、かつ前記光透過領域に位置する第2の開口部および前記光反射領域に位置する遮光部を有する遮光層と、
    を備える、光透過反射シート。
  2. 前記遮光層が、金属層または光吸収層である、請求項1に記載の光透過反射シート。
  3. 前記金属層が、アルミニウム、銀、ニッケル、およびクロムからなる群から選択される1以上の金属を含む層である、請求項2に記載の光透過反射シート。
  4. 前記光反射領域の全光線透過率が、0.5%未満である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光透過反射シート。
  5. 前記遮光層における前記光透過反射樹脂シート側とは反対側に設けられ、かつ前記光透過領域に位置する第3の開口部を有する樹脂シートをさらに備える、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光透過反射シート。
  6. 前記樹脂シートが、前記第3の開口部および前記光反射領域に位置する第2の光反射部を有する光透過反射樹脂シートである、請求項5に記載の光透過反射シート。
  7. 前記樹脂シートにおける前記遮光層側とは反対側に設けられ、かつ前記光透過領域に位置する第4の開口部および前記光反射領域に位置する第3の光反射部を有する光反射層をさらに備える、請求項5に記載の光透過反射シート。
  8. 前記光透過反射シートが、平面視において複数に分割された複数の区画領域をさらに備え、前記複数の区画領域の各々が、前記光透過領域および前記光反射領域を有し、前記複数の区画領域の各々において、前記光透過領域の面積割合である開口率が、前記区画領域の中央部から前記区画領域の外縁部に向けて漸増している、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の光透過反射シート。
  9. 配線基板、および前記配線基板の一方の面に実装された複数のLED素子を備えるLED実装基板と、
    前記複数のLED素子と対向するように配置された請求項1ないし8のいずれか一項に記載の光透過反射シートと、を備え、
    前記光透過反射シートの前記光透過反射樹脂シートが前記遮光層よりも前記LED実装基板側に位置している、LED面光源装置。
  10. 請求項9に記載のLED面光源装置と、
    前記LED面光源装置よりも観察者側に配置された表示パネルと、
    を備える、LED画像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10996509B2 (en) 2019-07-25 2021-05-04 Samsung Display Co., Ltd. Backlight unit and display device having the same

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