JP2018200277A - 超音波センサ及び物体検知システム - Google Patents

超音波センサ及び物体検知システム Download PDF

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Abstract

【課題】探査波の送信中に位相等を切り替えるうえで、切り替え後の探査波をより安定させることが可能な超音波センサを提供する。【解決手段】所定の送信機会毎に探査波を送信する超音波センサ10であって、圧電素子を有し、その圧電素子へ電力が供給されることで共振して探査波の送信を行う送信部14と、圧電素子へ電力を供給する送信回路13と、1送信機会において、送信回路13を駆動して送信部14から探査波を送信させ、探査波の送信開始から所定時間経過後に、位相、周波数、周期及び振幅の少なくともひとつを含む送信特性を切り替えて送信回路13を駆動する送信制御部12と、を備え、送信制御部12は、送信特性の切り替え時に、送信回路13から圧電素子への電力の供給を中断するオフ期間を設ける。【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波センサ及び物体検知システムに関する。
従来、超音波を探査波として送信し、物体により反射された反射波を受信してその物体との距離や相対速度を検知する超音波センサが実現されている。
このような超音波センサとして、特許文献1に記載の超音波センサがある。特許文献1に記載の超音波センサでは、ある位相での探査波の送信に続いて、位相を変化させた探査波の送信を継続している。そして、反射波を含む受信波を受信した場合に、受信波の位相と探査波の位相とを比較することにより、その受信波が反射波であるか否かを判定している。
特許4283170号
特許文献1に記載の超音波センサのように、位相等の切り替えを行う場合には、切り替え前の位相での発振から、切り替え後の位相での発振へと遷移する際に、波形に乱れが生ずる。すなわち、位相等の制御の精度が低下した期間が生じ、これにより、受信波が反射波であるか否かの判定精度が低下する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、探査波の送信中に位相等を切り替えるうえで、切り替え後の探査波をより安定させることが可能な超音波センサを提供することにある。
本発明は、所定の送信機会毎に探査波を送信する超音波センサであって、圧電素子を有し、その圧電素子へ電力が供給されることで共振して前記探査波の送信を行う送信部と、前記圧電素子へ電力を供給する送信回路と、1送信機会において、前記送信回路を駆動して前記送信部から前記探査波を送信させ、前記探査波の送信開始から所定時間経過後に、位相、周波数、周期及び振幅の少なくともひとつを含む送信特性を切り替えて前記送信回路を駆動する送信制御部と、を備え、前記送信制御部は、前記送信特性の切り替え時に、前記送信回路から前記圧電素子への電力の供給を中断するオフ期間を設ける。
上記構成では、送信特性の切り替え時にオフ期間を設けているため、そのオフ期間において、圧電素子における切り替え前の送信特性の振動が収縮に向かう。これにより、送信特性の切り替え後の探査波の送信を、より安定した状態で開始することができる。また、コンデンサからの電力供給により探査波の送信を行うのであれば、そのオフ期間を用いてコンデンサに充電を行うことができる。したがって、送信特性の切り替え後の探査波を送信するうえで、圧電素子に対して十分な電力の供給を行うことができ、送信特性の切り替え後の探査波の送信をより安定した状態で行うことができる。
物体検知システムの構成を示す図である。 送受信回路の構成を示す図である。 オフ期間を設けない場合の振幅及び位相を示す図である。 オフ期間を設ける場合の振幅及び位相を示す図である。 第2実施形態に係る物体検知システムの送信位相を示す図である。 第3実施形態に係る物体検知システムの送信位相を示す図である。 第4実施形態に係る物体検知システムの送信位相を示す図である。 第5実施形態に係る物体検知システムの送信位相を示す図である。 第6実施形態に係る物体検知システムの送信位相を示す図である。 第7実施形態に係る物体検知システムの送信位相を示す図である。 第8実施形態に係る物体検知システムの送信位相を示す図である。 第8実施形態に係る物体検知システムの変形例を示す図である。 第9実施形態に係る物体検知システムの送信周波数を示す図である。 第10実施形態に係る物体検知システムの送信周波数を示す図である。 第11実施形態に係る物体検知システムの送信周波数を示す図である。 第12実施形態に係る物体検知システムの送信周波数を示す図である。
<第1実施形態>
本実施形態に係る物体検知システムは、移動体である車両に搭載されるものであり、超音波センサを備えている。超音波センサは、所定の送受信機会ごとに超音波である探査波を送信し、移動体の周囲に存在する物体により反射された反射波を受信波として受信し、探査波の送信から受信波の受信までの時間を測定することにより、車両と物体との距離を求める。そして、車両と物体との距離が所定距離よりも近い場合に、車両の運転者に対して物体との接近を報知したり、車両が備える制動装置を作動させたりする。
図1は、本実施形態に係る物体検知システムの構成図である。物体検知システムは、超音波センサ10と、その超音波センサ10と通信可能に接続されたECU21とを含んで構成されている。
超音波センサ10は、間隔を開けて複数配置されており、且つ、一方の超音波センサ10から探査波が送信され、周囲の物体によりその探査波が反射された場合、反射波はいずれの超音波センサ10においても受信可能とされている。すなわち、超音波センサ10は、自己が送信した探査波の反射波である直接波と、他のセンサが送信した探査波の反射波である間接波のいずれも受信可能である。
超音波センサ10は、ECU21との通信を行う通信部11、その通信部11から探査波の送信制御の開始信号を受け取り、探査波の送信制御を行う送信制御部12、及び、その送信制御部12により駆動される送信回路13を備えている。送信回路13は、送信制御部12からの駆動信号により駆動させられ、所定周波数の駆動電力が送受信部14へと供給される。
この送信制御部12は、変調部17から変調信号を受け取り、その変調信号に基づく駆動信号を送信回路13へ送信する。具体的には、変調部17は、複数のパルスからなるパルス列を信号生成部16から取得し、複数の符号の組合せで構成される符号系列に従って、パルス信号のパルス列ごとに位相を変更する。そして、位相が変更されたパルス列を変調信号として送信制御部12へ入力する。
送受信部14は、圧電素子を備える公知の構成となっている。送信回路13から所定周波数の駆動電力が圧電素子へと供給され、圧電素子がその駆動電力により発振することで超音波を探査波として送信する。
探査波の送信後に周囲の物体により探査波が反射された場合、反射された超音波である反射波が送受信部14へ入射する。また、周囲に他の超音波センサ等の超音波を発生させる装置が存在する場合には、その装置等から発せられた超音波等が送受信部14へ入射する。この、他の装置等から発せられた超音波等を、混信波と称する。
送受信部14が備える圧電素子は、受信波によって振動し、受信波の周波数と等しい周波数を有し、且つ、受信波の振幅に比例する電圧を有する電気信号を発生させる。圧電素子が発生させた電気信号は、受信回路15へ入力される。
以上のように構成される送信回路13、送受信部14、及び受信回路15について、図2を参照して詳述する。
送信回路13は、センタータップを備える第1コイル131、その第1コイル131と磁気的に結合する第2コイル132とを備えている。第1コイル131の両端のそれぞれには、スイッチ133,134の一端が接続され、スイッチ133,134の他端は接地部位に接続されている。第1コイル131のセンタータップには、抵抗135を介して電源136が接続されている。第1コイル131のセンタータップと抵抗135との間には、コンデンサ137の一端が接続されており、コンデンサ137の他端は接地部位に接続されている。
送信回路13の第2コイル132は、受信回路15を介して送受信部14に接続されている。具体的には、第2コイル132の一端が抵抗151を介して送受信部14を構成する圧電素子141の一端に接続されており、第2コイル132の他端が圧電素子141の他端に接続されている。
第2コイル132と抵抗151との直列接続体と、圧電素子141との間には、圧電素子141側から順にコンデンサ152、抵抗153が並列接続されている。これらコンデンサ152、抵抗153によりノイズフィルタ回路が構成され、圧電素子141から出力される所定周波数帯域の電気信号を通過させ、その所定周波数帯域外の電気信号を除去する。このノイズフィルタ回路を通過した電気信号は、電圧出力部154から出力される。
図1の説明に戻り、受信回路15から出力される電気信号は、位相算出部18及び距離算出部20へ入力される。位相算出部18は、復調部19から受信波の復調に用いる信号を取得し、受信波の復調を行う。具体的には、直交復調に用いる正弦波信号、及び、余弦波信号を取得し、受信波の信号に対して正弦波信号を乗算して同相成分を求め、受信波の信号に対して余弦波信号を乗算して直交位相成分を求める。そして、求められた同相成分及び直交位相成分に基づいて、受信波の位相を求める。
距離算出部20は、探査波の送信時刻から、受信波の受信時刻までの時間を求め、その時間の半分に音速を乗算したものを、物体との距離とする。探査波の送信時刻に関する情報は、送信制御部12から取得する。一方、受信波の受信時刻は、受信回路15から取得した電圧の値が所定の閾値を超えた時刻としている。
位相算出部18が算出した位相、及び、距離算出部20が算出した距離は、通信部11からECU21へと送信される。ECU21の通信部22は、取得した位相及び距離を判定部23へ送る。判定部23では、取得した位相と探査波の位相とを比較し、取得した位相と探査波との位相との差が予め定められた所定値以内である場合に、受信波が探査波の反射波であると判定する。また、ECU21は、取得した距離を用いて、周囲の物体との接近を車両の運転者に報知したり、その物体との衝突を防ぐべく制動制御を行ったりする。
以上のように構成される超音波センサ10により、周囲の物体との距離を求めるうえで、探査波の反射波ではない混信波を、受信波として受信する場合がある。そこで、本実施形態に係る超音波センサ10の送信制御部12は、探査波の送信開始から所定時間経過後に、探査波の位相を変化させる制御を行う。より具体的には、探査波の送信開始の位相を180°とすれば、所定時間経過後に位相を反転させて0°とした探査波を送信するものとしている。なお、探査波の位相は、送信特性と称することができ、受信波の位相は受信特性と称することができる。また、受信波の位相を算出する位相算出部18は、特性取得部と称することができる。
このように位相を反転させる制御を行う場合、反転後の位相の探査波を送信するうえで、十分な電力が必要である。ところが、上述したとおり、探査波の送信を行う場合にはコンデンサ152に蓄積された電力を用いているため、探査波の送信に伴いコンデンサ152に蓄積された電力が減少する。この場合の探査波の振幅及び位相について、図3を参照して説明する。図3で示す振幅は、振幅の包絡線を表している。図3では、時刻t11で探査波の位相が180°となる制御を開始し、時刻t12で探査波の位相が0°となる制御へと切り替え、時刻t13で探査波の送信を終了するものとしている。
時刻t11で圧電素子141へ駆動電圧の印加が開始されれば、それに伴い振幅も増加し、位相が180°である探査波が送信される。続く時刻t12から位相が0°である探査波を送信すべく、送信回路13の制御が行われる。この場合には、位相が180°となる送信回路13の制御が終了するのは、圧電素子141への通電が終了してから半周期(1/2T)後であり、位相が0°となる送信回路13の制御が開始してから半周期(1/2T)後に圧電素子141への通電が開始されるため、位相が180°である通電と、位相が0°である通電との間隔は、1周期(T)となる。このとき、圧電素子141は180°の位相で振動しており、その振動を停止させて0°の位相での振動を行わせる必要がある。上述したとおり、コンデンサ152に蓄積された電力は減少しているため、0°の位相での振動が安定するまでに時間を要し、これに伴い、振幅のピークも小さくなる。
そこで、本実施形態に係る超音波センサ10では、送信制御部12は、探査波を送信するうえで、探査波の送信開始から所定時間経過後に、圧電素子141への電力の供給を行わないオフ期間を設ける。なお、本実施形態では、オフ期間の長さを、1周期の4倍としている。
この場合の探査波の振幅及び位相について、図4を参照して説明する。図4で示す振幅は、振幅の包絡線を表している。図4では、時刻t21で探査波の位相が180°となる制御を開始し、時刻t22から時刻t23までをオフ期間とし、時刻t23で探査波の位相が0°となる制御へと切り替え、時刻t24で探査波の送信を終了するものとしている。
時刻t21で圧電素子141へ駆動電圧の印加が開始されれば、それに伴い振幅も増加し、位相が180°である探査波が送信される。続く時刻t22でオフ期間が開始されて圧電素子141への通電を停止すれば、振幅が小さくなるとともに、コンデンサ152への充電が行われる。このオフ期間の長さは、位相が180°となる制御の終了から4周期(4T)としているため、位相が0°である探査波の送信制御の開始は、位相が180°となる制御の終了から4.5周期(4.5T)後である。
このようにオフ期間を設けているため、このオフ期間でコンデンサ152への充電が行われる。また、このオフ期間で振幅が減衰する。これにより、図4で示すように、時刻t23から時刻t24の範囲において位相は0°近傍で安定する。また、オフ期間後の振幅のピーク値は、オフ期間前の振幅のピーク値と概ね等しくなる。
なお、本実施形態では、オフ期間の長さを探査波の周期の4倍としているが、オフ期間の長さはこれに限られない。すなわち、オフ期間の長さは、探査波の周期の第1所定倍よりも長く且つ第2所定倍よりも短く設定すればよい。この場合、第1所定倍としては、コンデンサ152に対して圧電素子141の駆動に十分な電荷が蓄積されるまでの時間に基づいて設定されればよく、第2所定倍としては、コンデンサ152の電荷が飽和するまでの時間に基づいて設定されればよい。すなわち、オフ期間の長さは、コンデンサ152の容量や、電源136からコンデンサ152へ供給される電流等により定まる。
オフ期間の長さを探査波の周期の第1所定倍よりも長くすれば、送信特性の切り替え後の探査波の送信開始時には振幅が十分に小さくなっており、且つ、コンデンサ152への充電時間を十分に確保することができる。また、オフ期間の長さを探査波の周期の第2所定倍よりも短くすれば、1送信機会の長さを制限することができ、受信波を受信可能な期間を十分に確保することができる。
また、送信制御部12は、送信機会毎にオフ期間の有無を切り替えるものとしてもよい。ひとつの送受信部14で探査波の送信及び反射波の受信を行う場合、探査波の送信中は反射波の受信を行うことができない。すなわち、1送信機会の長さが長くなるほど、受信波を受信可能な期間の始期が遅くなり、これは近距離の物体の検知ができなくなることを意味する。特に、送信特性の切り替えを行ううえでオフ期間を設けているため、1送信機会の長さがより長くなり、近距離の物体の検知がより困難になる。この点、探査波の送信機会ごとにオフ期間を設けるか否かを切り替えることにより、ある送信機会ではオフ期間を設けることで近距離の物体の検知が困難となっていても、次の送信機会ではオフ期間を設けないため、近距離の物体の検知が可能である。したがって、送信特性の切り替えを行いつつ、近距離の物体を精度よく検知することができる。
上記構成により、本実施形態に係る超音波センサは、以下の効果を奏する。
・位相の切り替え時にオフ期間を設けているため、そのオフ期間を用いてコンデンサ152に充電を行うことができる。したがって、位相の切り替え後の探査波を送信するうえで、圧電素子141に対して十分な電力の供給を行うことができ、送信特性の切り替え後の探査波の送信をより安定した状態で行うことができる。
・位相の切り替え時にオフ期間を設けているため、そのオフ期間において、圧電素子141における切り替え前の位相の振動が収縮に向かう。これにより、送信特性の切り替え後の探査波の送信を、より安定した状態で開始することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、物体検知システムに含まれる超音波センサの配置について具体化している。図5を参照して、物体検知システムに含まれる超音波センサの配置について説明する。
図5に示すように、車両の前方には、左側から順に、第1〜第4前方センサ31〜34が互いに間隔を開けて(隣り合って)設けられている。車両の後方には、左側から順に、第1〜第4後方センサ41〜44が互いに間隔を開けて(隣り合って)設けられている。車両の左側方には、前側から順に、第1、2左側方センサ51,52が間隔を開けて(隣り合って)設けられており、車両の右側方には、前側から順に、第1、2右側方センサ61,62が間隔を開けて設けられている。また、第1前方センサ31と第1左側方センサ51とは隣り合って設けられている。第4前方センサ34と第1右側方センサ61とは隣り合って設けられている。第1後方センサ41と第2左側方センサ52とは隣り合って設けられている。第4後方センサ44と第2右側方センサ62とは隣り合って設けられている。
第1〜第4前方センサ31〜34、第1左側方センサ51、及び第1右側方センサ61は、車両のフロントバンパに取り付けられており、第1〜第4後方センサ41〜44、第2左側方センサ52、及び第2右側方センサ62は、車両のリアバンパに取り付けられている。これら第1〜第4前方センサ31〜34、第1〜第4後方センサ41〜44、第1、2左側方センサ51,52、第1、2右側方センサ61,62の具体的な構成は、第1実施形態における超音波センサ10と同じ構成である。すなわち、各センサ31〜34,41〜44,51,52,61,62は、共通の構成である。
図5では、位相を変化させた探査波を送信するセンサを三角で図示しており、位相を変化させない探査波を送信するセンサを丸で図示している。すなわち、第1〜第4前方センサ31〜34及び第1〜第4後方センサ41〜44は位相を変化させた探査波を送信するものとして設定されており、第1、2左側方センサ51,52、及び第1、2右側方センサ61,62は位相を変化させない探査波を送信するものとして設定されている。
以上の構成の物体検知システムにおいて、間隔を開けて隣り合うセンサどうしでは、自己で送信した探査波の反射波に加えて、他のセンサが送信した探査波の反射波も受信可能である。
以下の説明において、車両の左前方のセンサ群、すなわち、第1前方センサ31、第2前方センサ32、及び第1左側方センサ51について説明する。車両の右前方のセンサ群、左後方のセンサ群、及び、右後方のセンサ群については、車両の左前方のセンサ群と同等の機能を有するもので、具体的な説明は省略する。
車両の左前方のセンサ群において、第1前方センサ31は、自己が送信した探査波の反射波に加えて、第2前方センサ32の探査波に基づく反射波を受信可能であり、且つ、第1左側方センサ51の探査波に基づく反射波を受信可能である。また、第1左側方センサ51は、自己が送信した探査波の反射波に加えて、第1前方センサ31の探査波の反射波を受信可能である。
上述した通り、第1前方センサ31及び第2前方センサ32は、位相を変化させた探査波を送信するものとして設定されており、第1左側方センサ51は位相を変化させない探査波を送信するものとして設定されている。すなわち、車両において隣り合って設けられた第1前方センサ31と第1左側方センサ51とは、互いに位相(送信特性)が異なる探査波を送信する。
このように探査波の位相の変化の有無が設定されているため、第2前方センサ32、及び第1左側方センサ51が探査波を送信した場合には、第1前方センサ31に入射した反射波がいずれのセンサから送信された探査波に基づくものであるのか判定することができる。
また、第1前方センサ31及び第1左側方センサ51が探査波を送信した場合には、第1前方センサ31に入射した反射波がいずれのセンサから送信された探査波に基づくものであるのか判定することができ、且つ、第1左側方センサ51に入射した反射波がいずれのセンサから送信された探査波に基づくものであるのか判定することができる。
<第3実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、各センサにおける送信位相の一部を第2実施形態と異ならせている。図6を参照して、本実施形態に係る物体検知システムについて説明する。
図6では、第2実施形態と同様に、位相を変化させた探査波を送信するセンサを三角で図示しており、位相を変化させない探査波を送信するセンサを丸で図示している。すなわち、第1〜第4前方センサ31〜34、第2左側方センサ52、及び第2右側方センサ62は位相を変化させた探査波を送信するものとして設定されており、第1〜第4後方センサ41〜44、第1左側方センサ51、及び第1右側方センサ61は位相を変化させない探査波を送信するものとして設定されている。
以上のように構成される物体検知システムにおいて、第1左側方センサ51は隣り合う第2左側方センサ52が送信した探査波の反射波を受信可能であり、第2左側方センサ52は隣り合う第1左側方センサ51が送信した探査波の反射波を受信可能である。第1右側方センサ61は隣り合う第2右側方センサ62が送信した探査波の反射波を受信可能であり、第2右側方センサ62は隣り合う第1右側方センサ61が送信した探査波の反射波を受信可能である。この点、第1左側方センサ51から送信される探査波は位相が変化されず、第2左側方センサ52から送信される探査波は位相が変化されるため、第1左側方センサ51、及び第2左側方センサ52のそれぞれにおいて、受信波がいずれのセンサの探査波の反射波であるかを判定することができる。同様に、第1右側方センサ61から送信される探査波は位相が変化されず、第2右側方センサ62から送信される探査波は位相が変化されるため、第1右側方センサ61、及び第2右側方センサ62のそれぞれにおいて、受信波がいずれのセンサの探査波の反射波であるかを判定することができる。
なお、車両の左前方のセンサ群、右前方のセンサ群、左後方のセンサ群、及び、右後方のセンサ群のそれぞれにおいては、第2実施形態と同等の機能であるため、具体的な説明を省略する。
上記構成により、本実施形態に係る物体検知システムは、第1実施形態に準ずる効果を奏する。
また、左側方センサが3つ以上設けられており、それらにおいて隣り合う探査波の送信位相(送信特性)が互いに異なっていてもよい。すなわち、車両の左側方に少なくとも2つのセンサ(物体検知装置)が隣り合って設けられており、前記少なくとも2つのセンサにおいて隣り合うセンサの送信特性が互いに異なっていてもよい。右側方センサについても同様である。
<第4実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、各センサにおける送信位相の一部を第2実施形態と異ならせている。図7を参照して、本実施形態に係る物体検知システムについて説明する。
図7では、第2実施形態と同様に、位相を変化させた探査波を送信するセンサを三角で図示しており、位相を変化させない探査波を送信するセンサを丸で図示している。すなわち、第1、2前方センサ31,32、第3、4後方センサ43,44、第2左側方センサ52、及び第1右側方センサ61は位相を変化させた探査波を送信するものとして設定されており、第3、4前方センサ33,34、第1、2後方センサ41,42、第1左側方センサ51、及び第2右側方センサ62は位相を変化させない探査波を送信するものとして設定されている。
以下の説明において、車両の前方のセンサ群、すなわち、第1〜4前方センサ31〜34について説明する。車両の後方のセンサ群、すなわち第1〜4後方センサ41〜44については、車両の前方のセンサ群と同等の機能を有するもので、具体的な説明は省略する。
以上のように構成される物体検知システムにおいて、第2前方センサ32は、自己が送信した探査波の反射波に加えて、隣り合う第1前方センサ31の探査波に基づく反射波を受信可能であり、且つ、隣り合う第3前方センサ33の探査波に基づく反射波を受信可能である。また、第3前方センサ33は、自己が送信した探査波の反射波に加えて、隣り合う第2前方センサ32の探査波の反射波を受信可能であり、且つ、隣り合う第4前方センサ34の探査波の反射波を受信可能である。
上述した通り、第1、2前方センサ31,32は、位相を変化させて探査波を送信するものとして設定されており、第3、4前方センサ33,34は位相を変化させず探査波を送信するものとして設定されている。
このように探査波の位相の変化の有無が設定されているため、第1前方センサ31、及び第3前方センサ33が探査波を送信した場合には、第2前方センサ32に入射した反射波がいずれのセンサから送信された探査波に基づくものであるのか判定することができる。同様に、第2前方センサ32、及び第4前方センサ34が探査波を送信した場合には、第3前方センサ33に入射した反射波がいずれのセンサから送信された探査波に基づくものであるのか判定することができる。
また、第2前方センサ32及び第3前方センサ33が探査波を送信した場合には、第2前方センサ32、第3前方センサ33のそれぞれにおいて、入射した反射波がいずれのセンサから送信された探査波に基づくものであるのか判定することができる。
なお、車両の左前方のセンサ群、右前方のセンサ群、左後方のセンサ群、及び、右後方のセンサ群のそれぞれにおいては、第2実施形態と同等の機能であるため、具体的な説明を省略する。
上記構成により、本実施形態に係る物体検知システムは、第1実施形態に準ずる効果を奏する。
また、第1〜4前方センサ31〜34の全てにおいて、隣り合う探査波の送信位相(送信特性)が互いに異なっていもよい。すなわち、車両の前端部に少なくとも2つのセンサ(物体検知装置)が隣り合って設けられており、前記少なくとも2つのセンサにおいて隣り合うセンサの送信特性が互いに異なっていてもよい。車両の後端部に設けられるセンサについても同様である。
<第5実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、処理の一部を第2実施形態と異ならせている。本実施形態における処理について、図8を参照して説明する。
本実施形態では、送信位相を第2実施形態と同様に設定した第1設定(図8(a)に図示)と、送信位相を第2実施形態と異ならせた第2設定(図8(b)に図示)とを切り替えて用いる。
第2設定では、図8(b)に図示するように、第1設定において位相を変化させた探査波を送信するセンサについては、位相を変化させない探査波を送信するものとし、第1設定において位相を変化させない探査波を送信するセンサについては、位相を変化させた探査波を送信するものとしている。すなわち、第1〜第4前方センサ31〜34及び第1〜第4後方センサ41〜44は位相を変化させず探査波を送信するものとして設定されており、第1、2左側方センサ51,52、及び第1、2右側方センサ61,62は位相を変化させて探査波を送信するものとして設定されている。
第1設定と第2設定との切り替えは、所定期間ごとに行われる。この場合には、各センサでそれぞれ1回ずつ送受信制御が行われることを所定期間として設定してもよいし、各センサでそれぞれ複数回の送受信制御が行われることを所定期間として設定してもよい。
上記構成により、本実施形態に係る物体検知システムは、以下の効果を奏する。
・物体検知システムの近傍に、位相の変化の有無が共通する探査波を送信する他の超音波センサが存在する場合、他の超音波センサから送信された探査波を受信し、自己の探査波の反射波であると誤認識する可能性がある。この点、本実施形態では、位相の変化の有無を所定期間ごとに切り替えるものとしているため、位相の変化の有無を、他の超音波センサの位相の変化の有無と異なるものとすることができ、混信を抑制することができる。
<第6実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、各センサにおける送信位相の一部を第2実施形態と異ならせている。図9を参照して、本実施形態に係る物体検知システムについて説明する。
本実施形態では、いずれのセンサについても位相の変更を行うものとしており、変更後の位相を、それぞれ、第1位相、第2位相、第3位相としている。
図9では、第1位相で探査波を送信するセンサを三角で図示しており、第2位相で探査波を送信するセンサを丸で図示しており、第3位相で探査波を送信するセンサを四角で図示している。すなわち、第1〜第4前方センサ31〜34及び第1〜第4後方センサ41〜44は第1位相で探査波を送信するものとして設定されており、第1、2左側方センサ51,52は第3位相で探査波を送信するものとして設定されており、第1、2右側方センサ61,62は第2位相で探査波を送信するものとして設定されている。
このように送信周波数を設定することで、本実施形態に係る物体検知システムは、第2実施形態に係る物体検知システムが奏する効果に加えて、以下の効果を奏する。
・本実施形態と同等の構成の物体検知システムを備える車両が並走する場合、一方の車両の左側方と他方の車両の右側方とが近接することとなる。このとき、車両どうしの距離が近いほど、他の車両のセンサから送信される探査波を受信しやすくなる。本実施形態では、第1、2左側方センサ51,52の位相と、第1、2右側方センサ61,62の位相を異なるものとしているため、車両が横並びとなり、他の車両に設けられた物体検知システムの探査波を受信した場合に、判定部103は、受信波が、他の物体検知システムの探査波等に起因するものであると判定し、自己の距離計測には用いないものとすることができる。したがって、本実施形態と同等の構成の物体検知システムを備える車両が横並びになった場合における混信を、抑制することができる。
また、第1〜第4前方センサ31〜34を省略したり、第1〜第4後方センサ41〜44を省略したり、第1〜第4前方センサ31〜34及び第1〜第4後方センサ41〜44を省略したりしてもよい。
<第7実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、各センサにおける送信位相の一部を第2実施形態と異ならせている。図10を参照して、本実施形態に係る物体検知システムについて説明する。
本実施形態では、第6実施形態と同様に、第1位相、第2位相及び第3位相を用いるものとしている。
図10では、第1位相で探査波を送信するセンサを三角で図示しており、第2位相で探査波を送信するセンサを丸で図示しており、第3位相で探査波を送信するセンサを四角で図示している。すなわち、第1〜第4前方センサ31〜34は第2位相で探査波を送信するものとして設定されており、第1〜第4後方センサ41〜44は第3位相で探査波を送信するものとして設定されており、第1、2左側方センサ51,52及び第1、2右側方センサ61,62は第1位相で探査波を送信するものとして設定されている。
このように送信周波数を設定することで、本実施形態に係る物体検知システムは、第2実施形態に係る物体検知システムが奏する効果に加えて、以下の効果を奏する。
・本実施形態と同等の構成の物体検知システムを備える車両が縦並びになった場合、例えば、渋滞している道路を走行している場合、一方の車両の前端部と他方の車両の後端部とが近接することとなる。このとき、車両どうしの距離が近いほど、他の車両の物体検知システムから送信される探査波を受信しやすくなる。本実施形態では、前方センサ31〜34の位相と、後方センサ41〜44の位相とを異なるものとしているため、車両が縦並びとなり、他の車両に設けられた物体検知システムの探査波を受信した場合に、判定部103は、受信波が、他の物体検知システムの探査波等に起因するものであると判定し、自己の距離計測には用いないものとすることができる。したがって、本実施形態と同等の構成の物体検知システムを備える車両が縦並びになった場合における混信を、抑制することができる。
<第8実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、各センサにおける送信位相の一部を第2実施形態と異ならせている。図11を参照して、本実施形態に係る物体検知システムについて説明する。
本実施形態では、第6、7実施形態と同様に、第1位相、第2位相及び第3位相を用いるものとしている。
図11では、第1位相で探査波を送信するセンサを三角で図示しており、第2位相で探査波を送信するセンサを丸で図示しており、第3位相で探査波を送信するセンサを四角で図示している。すなわち、第1前方センサ31、第4前方センサ34、第1後方センサ41、第4後方センサ44は第1位相で探査波を送信するものとして設定されており、第3前方センサ33、第2後方センサ42、第1左側方センサ51、第2右側方センサ62は第2位相で探査波を送信するものとして設定されており、第2前方センサ32、第3後方センサ43、第2左側方センサ52、第1右側方センサ61は第3位相で探査波を送信するものとしている。
このように位相を設定することで、いずれのセンサにおいても、自己の送信位相及び両隣の位相がいずれも異なるものとなる。したがって、いずれかのセンサ及びその両隣のセンサから探査波を送信した場合においても、受信波がいずれのセンサの探査波の反射波であるかを判定することができる。これは、仮にすべてのセンサから探査波をほぼ同時に送信したとしても、各センサにおいて受信波がいずれのセンサの探査波の反射波であるかを判定できることを意味している。
なお、図12に示すように、第1前方センサ31、第3前方センサ33、第1右側方センサ61、第2後方センサ42、第4後方センサ44、第2左側方センサ52は第1位相(送信特性)で探査波を送信するものとして設定されており、第2前方センサ32、第4前方センサ34、第1後方センサ41、第3後方センサ43、第1左側方センサ51、第2右側方センサ62は第2位相(送信特性)で探査波を送信するものとして設定されていてもよい。その構成において、第2前方センサ32、第3前方センサ33、第2後方センサ42、第3後方センサ43を省略したり、第1左側方センサ51、第2左側方センサ52、第1右側方センサ61、第2右側方センサ62を省略したりしてもよい。すなわち、車両の外周縁部に少なくとも8つのセンサ(物体検知装置)が隣り合って設けられており、前記少なくとも8つのセンサにおいて隣り合うセンサの送信特性が互いに異なっていてもよい。
<第9実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、処理の一部を第2実施形態と異ならせている。本実施形態における処理について、図13を参照して説明する。
本実施形態では、第1設定(図13(a)に図示)と、第2設定(図13(b)に図示)とを切り替えて用いる。
第1設定では、図13(a)に図示するように、第2前方センサ32、第3後方センサ43、第2左側方センサ52、及び第1右側方センサ61は第1位相で探査波を送信するものとして設定されており、第3前方センサ33、第2後方センサ42、第1左側方センサ51、及び第2右側方センサ62は第2位相で探査波を送信するものとして設定されている。破線で示した第1前方センサ31、第4前方センサ34、第1後方センサ41、第4後方センサ44は探査波を送信しない。
第2設定では、図13(b)に図示するように、第1設定において探査波を送信するセンサについては探査波を送信しないものとし、第1設定において探査波を送信しないセンサについては探査波を送信するものとしている。すなわち、第4前方センサ34及び第1後方センサ41は第1位相で探査波を送信するものとして設定されており、第1前方センサ31及び第4後方センサ44は第2位相で探査波を送信するものとして設定されている。破線で示した第2前方センサ32、第3前方センサ33、第2後方センサ42、第3後方センサ43、第1左側方センサ51、第2左側方センサ52、第1右側方センサ61、及び第2右側方センサ62は探査波を送信しない。
第1設定と第2設定との切り替えは、所定期間ごとに行われる。この場合には、各センサでそれぞれ1回ずつ送受信制御が行われることを所定期間として設定してもよいし、各センサでそれぞれ複数回の送受信制御が行われることを所定期間として設定してもよい。
上記構成により、本実施形態に係る物体検知システムは、以下の効果を奏する。
・例えば、車両の左前方のセンサ群では、互いに送信特性が異なる第2前方センサ32及び第1左側方センサ51が間隔を開けて設けられている。このため、第1前方センサ31が取得した受信特性に基づいて、その受信波が第2前方センサ32及び第1左側方センサ51のうちいずれの送信特性の探査波の反射波であるかを判定することができる。なお、車両の右前方のセンサ群、左後方のセンサ群、及び右後方のセンサ群でも同様である。
・送信周波数を所定期間ごとに切り替えるものとしているため、探査波の送信周波数を、他の超音波センサの探査波の送信周波数と異なるものとすることができ、混信を抑制することができる。
・第1実施形態に準ずる効果を奏する。
<第10実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、処理の一部を第2実施形態と異ならせている。本実施形態における処理について、図14を参照して説明する。
本実施形態では、第1設定(図14(a)に図示)と、第2設定(図14(b)に図示)とを切り替えて用いる。
第1設定では、図14(a)に図示するように、第9実施形態の図13(a)と同様の設定にしている。
第2設定では、図14(b)に図示するように、第9実施形態の図13(b)と同様の設定に加えて、第1右側方センサ61は第2位相で探査波を送信するものとして設定されており、第2右側方センサ62は第1位相で探査波を送信するものとして設定されている。すなわち、第1左側方センサ51、第2左側方センサ52、第1右側方センサ61、及び第2右側方センサ62は、常に探査を送信している。
上記構成により、本実施形態に係る物体検知システムは、第9実施形態に準ずる効果を奏する。さらに、第1左側方センサ51、第2左側方センサ52、第1右側方センサ61、及び第2右側方センサ62は、常に探査を送信しているため、側方の物体を常に検知することができる。
<第11実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、処理の一部を第2実施形態と異ならせている。本実施形態における処理について、図15を参照して説明する。
本実施形態では、第1設定(図15(a)に図示)と、第2設定(図15(b)に図示)とを切り替えて用いる。
第1設定では、図15(a)に図示するように、第1前方センサ31、第4後方センサ44、第2左側方センサ52、及び第1右側方センサ61は第1位相で探査波を送信するものとして設定されており、第3前方センサ33、第2後方センサ42は第2位相で探査波を送信するものとして設定されている。破線で示した第2前方センサ32、第4前方センサ34、第1後方センサ41、第3後方センサ43、第1左側方センサ51、及び第2右側方センサ62は探査波を送信しない。
第2設定では、図15(b)に図示するように、第1設定において探査波を送信するセンサについては探査波を送信しないものとし、第1設定において探査波を送信しないセンサについては探査波を送信するものとしている。すなわち、第2前方センサ32及び第2右側方センサ62は第1位相で探査波を送信するものとして設定されており、第4前方センサ34及び第1左側方センサ51は第2位相で探査波を送信するものとして設定されている。破線で示した第1前方センサ31、第3前方センサ33、第2後方センサ42、第4後方センサ44、第2左側方センサ52、及び第1右側方センサ61は探査波を送信しない。
第1設定と第2設定との切り替えは、所定期間ごとに行われる。この場合には、各センサでそれぞれ1回ずつ送受信制御が行われることを所定期間として設定してもよいし、各センサでそれぞれ複数回の送受信制御が行われることを所定期間として設定してもよい。
上記構成により、本実施形態に係る物体検知システムは、以下の効果を奏する。
・例えば、車両の前側のセンサ群では、互いに送信特性が異なる第2前方センサ32及び第1左側方センサ51が間隔を開けて設けられている。このため、第1前方センサ31が取得した受信特性に基づいて、その受信波が第2前方センサ32及び第1左側方センサ51のうちいずれの送信特性の探査波の反射波であるかを判定することができる。第3前方センサ33が取得した受信特性に基づいて、その受信波が第2前方センサ32及び第4前方センサ34のうちいずれの送信特性の探査波の反射波であるかを判定することができる。なお、車両の後側のセンサ群でも同様である。
・送信位相を所定期間ごとに切り替えるものとしているため、探査波の送信位相を、他の超音波センサの探査波の送信位相と異なるものとすることができ、混信を抑制することができる。
・第1実施形態に準ずる効果を奏する。
<第12実施形態>
本実施形態では、物体検知システム全体の構成は第2実施形態と共通しており、処理の一部を第2実施形態と異ならせている。本実施形態における処理について、図16を参照して説明する。
本実施形態では、第1設定(図16(a)に図示)と、第2設定(図16(b)に図示)とを切り替えて用いる。
第1設定では、図16(a)に図示するように、第11実施形態の図15(a)と同様の設定に加えて、第1左側方センサ51及び第2右側方センサ62は第2位相で探査波を送信するものとして設定されている。
第2設定では、図16(b)に図示するように、第11実施形態の図15(b)と同様の設定に加えて、第2左側方センサ52及び第1右側方センサ61は第1位相で探査波を送信するものとして設定されている。すなわち、第1左側方センサ51、第2左側方センサ52、第1右側方センサ61、及び第2右側方センサ62は、常に探査を送信している。
上記構成により、本実施形態に係る物体検知システムは、第11実施形態に準ずる効果を奏する。さらに、第1左側方センサ51、第2左側方センサ52、第1右側方センサ61、及び第2右側方センサ62は、常に探査を送信しているため、側方の物体を常に検知することができる。
<変形例>
・各実施形態において、探査波の位相を切り替えるものとしたが、探査波の位相を切り替える代わりに、探査波の周波数を切り替えるものとしてもよい。この場合、探査波の周波数についても、位相と同様に送信特性、受信特性と称することができる。
・各実施形態において、探査波の位相を切り替えるものとしたが、探査波の位相を切り替えず、オフ期間を設けるものとしてもよい。この場合には、オフ期間を設けることで、振幅の包絡線のピークが複数生ずることとなる。振幅の包絡線のピークが複数生ずれば、反射波の振幅の包絡線についても複数のピークが生ずることとなるため、受信波が探査波の反射波であるか否かを判定することができる。なお、振幅の包絡線のピークの数についても、位相と同様に送信特性、受信特性と称することができる。
・実施形態では、オフ期間の長さを周期の所定数倍とした。この点、オフ期間の長さを探査波の振幅が第1所定値を下回るまでの時間よりも長く、且つ、探査波の振幅が第1所定値よりも小さい第2所定値を下回るまでの時間よりも短くしてもよい。探査波の振幅が第1所定値を下回るまでの時間よりも長くすれば、送信特性の切り替え後の探査波の送信開始時には振幅が十分に小さくなっており、且つ、コンデンサへの充電時間を十分に確保することができる。オフ期間の長さを探査波の振幅が第2所定値を下回るまでの時間よりも短くすれば1送信機会の長さを制限することができ、受信波を受信可能な期間を十分に確保することができる。
・第2〜第5実施形態では、位相を変化させた探査波を送信するセンサと、位相の変化を行わず探査波を送信するセンサとを用いることで、受信波の区別を行うものとした。この点、いずれのセンサにおいても位相の変更を行い、且つ、変更後の位相として互いに異なる第1位相、第2位相を用いることにより区別を行うものとしてもよい。
・第6〜第8実施形態では、いずれのセンサにおいても位相の変更を行い、且つ、変更後の位相として互いに異なる第1〜第3位相を用いることにより区別を行うものとした。この点、変更後の位相として第1位相、第2位相を送信するものに加え、位相を変更しないセンサを用いることにより、区別を行うものとしてもよい。
10…超音波センサ、12…送信制御部、13…送信回路、14…送受信部、18…位相算出部、23…判定部、103…判定部、137…コンデンサ、141…圧電素子。

Claims (17)

  1. 所定の送信機会毎に探査波を送信する超音波センサ(10)であって、
    圧電素子(141)を有し、その圧電素子へ電力が供給されることで共振して前記探査波の送信を行う送信部(14)と、
    前記圧電素子へ電力を供給する送信回路(13)と、
    1送信機会において、前記送信回路を駆動して前記送信部から前記探査波を送信させ、前記探査波の送信開始から所定時間経過後に、位相、周波数、周期及び振幅の少なくともひとつを含む送信特性を切り替えて前記送信回路を駆動する送信制御部(12)と、を備え、
    前記送信制御部は、前記送信特性の切り替え時に、前記送信回路から前記圧電素子への電力の供給を中断するオフ期間を設ける、超音波センサ。
  2. 前記送信回路は、コンデンサ(137)を有し、そのコンデンサに蓄積された電力を前記圧電素子へ供給する、請求項1に記載の超音波センサ。
  3. 前記オフ期間の長さは、前記探査波の周期の第1所定倍よりも長く、且つ、前記探査波の周期の第2所定倍よりも短い、請求項1又は2に記載の超音波センサ。
  4. 前記第1所定倍は4倍である、請求項3に記載の超音波センサ。
  5. 前記オフ期間の長さは、前記探査波の振幅が第1所定値を下回るまでの時間よりも長く、且つ、前記探査波の振幅が前記第1所定値よりも小さい第2所定値を下回るまでの時間よりも短い、請求項1又は2に記載の超音波センサ。
  6. 前記送信制御部は、送信機会毎に前記オフ期間の有無を切り替える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波センサ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波センサを複数備える物体検知システムであって、
    前記送信部は、さらに、前記探査波の反射波を含む受信波を受信する送受信部として機能し、
    前記受信波の位相、周波数、周期及び振幅の少なくともひとつを含む受信特性を取得する特性取得部(18)と、
    前記受信波がいずれの超音波センサから送信された探査波の反射波であるかを判定する判定部(23)と、を備える、物体検知システム。
  8. 少なくともひとつの前記超音波センサは、自己が送信した探査波の反射波である直接波と、他の前記超音波センサが送信した探査波の反射波である間接波とを受信可能に配置されており、
    自己が送信する探査波の前記送信特性と他の前記超音波センサが送信する探査波の前記送信特性とは異なっており、
    前記判定部は、前記受信特性に基づいて、前記超音波センサが受信した受信波が前記直接波及び前記間接波のいずれであるかを判定する、請求項7に記載の物体検知システム。
  9. 少なくともひとつの前記超音波センサは、互いに前記送信特性が異なる他の複数の前記超音波センサが送信した探査波の反射波である間接波を受信可能に配置されており、
    前記判定部は、前記受信特性に基づいて、前記超音波センサが受信した受信波がいずれの前記超音波センサの間接波であるかを判定する、請求項7又は8に記載の物体検知システム。
  10. 前記超音波センサは、前記送信特性を所定期間ごとに切り替える、請求項7〜9のいずれか1項に記載の物体検知システム。
  11. 車両に搭載され、
    前記車両の右側方に設けられる前記超音波センサ(51,52)の前記送信特性と、前記車両の左側方に設けられる前記超音波センサ(61,62)の前記送信特性とが異なる、請求項7〜10のいずれか1項に記載の物体検知システム。
  12. 車両に搭載され、
    前記車両の前端部に設けられる前記超音波センサ(31〜34)の前記送信特性と、前記車両の後端部に設けられる前記超音波センサ(41〜44)の前記送信特性とが互いに異なる、請求項7〜10のいずれか1項に記載の物体検知システム。
  13. 車両に搭載され、
    前記車両において隣り合って設けられ、互いに前記送信特性が異なる前記超音波センサ(31〜34,51,61,41〜44,52,62)を含む、請求項7〜10のいずれか1項に記載の物体検知システム。
  14. 前記車両の前端部に少なくとも2つの前記超音波センサ(31〜34)が隣り合って設けられており、前記少なくとも2つの前記超音波センサにおいて隣り合う前記超音波センサの前記送信特性が互いに異なり、
    前記車両の後端部に少なくとも2つの前記超音波センサ(41〜44)が隣り合って設けられており、前記少なくとも2つの前記超音波センサにおいて隣り合う前記超音波センサの前記送信特性が互いに異なる、請求項13に記載の物体検知システム。
  15. 前記車両の左側方に少なくとも2つの前記超音波センサ(51,52)が隣り合って設けられており、前記少なくとも2つの前記超音波センサにおいて隣り合う前記超音波センサの前記送信特性が互いに異なり、
    前記車両の右側方に少なくとも2つの前記超音波センサ(61,62)が隣り合って設けられており、前記少なくとも2つの前記超音波センサにおいて隣り合う前記超音波センサの前記送信特性が互いに異なる、請求項13又は14に記載の物体検知システム。
  16. 前記車両の外周縁部に少なくとも8つの前記超音波センサ(31〜34,41〜44、51,52,61,62)が隣り合って設けられており、前記少なくとも8つの前記超音波センサにおいて隣り合う前記超音波センサの前記送信特性が互いに異なる、請求項13〜15のいずれか1項に記載の物体検知システム。
  17. 車両に搭載され、
    前記車両において間隔を開けて複数設けられ、互いに前記送信特性が異なる前記超音波センサ(31〜34,51,61,41〜44,52,62)を含む、請求項7〜10のいずれか1項に記載の物体検知システム。
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