JP2018200172A - プラスチック波長変換ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

プラスチック波長変換ファイバ及びその製造方法 Download PDF

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【課題】入射光の横断位置による発光量の低下を抑制可能な断面円形状のプラスチック波長変換ファイバを提供する。【解決手段】プラスチック波長変換ファイバ1は、放射線照射に伴いシンチレータから放出された第1の光を波長の異なる第2の光に変換して伝送するものである。第1の光を吸収して第2の光を発光する蛍光剤を含有するコア11と、コア11の外周面を被覆すると共に、コア11よりも低い屈折率を有するクラッド12と、を備えた断面円形状のプラスチック波長変換ファイバである。コア11における蛍光剤の濃度が、コア11の断面の中心から外周方向へ向かって上昇する分布を有している。【選択図】図1

Description

本発明はプラスチック波長変換ファイバ及びその製造方法に関する。
無機シンチレータ、有機液体シンチレータ、プラスチックシンチレータなどのシンチレータは、古くから素粒子検出など放射線検出分野で多用されており、放射線計測における重要部材である。これらのシンチレータは、光電子増倍管の最高感度に合わせ、放射線照射によって430nm付近の青色光を発光する蛍光剤を含有している。ここで、放射線照射によってシンチレータから発生した青色光を直接検出するのではなく、シンチレータで発生した青色光を光ファイバにおいて緑色光等に波長変換して伝播させ、間接的に検出する方法が知られている。
このような光ファイバは、波長変換(WLS:WaveLength Shifting)ファイバと呼ばれ、シンチレータにおいて発生した青色光を吸収して緑色光等に波長変換するコアの外周面に、コアよりも低屈折率のクラッドが被覆されたものである。特にプラスチックからなるプラスチック波長変換ファイバは、ガラス製に比べ低コストで加工が容易である。そのため、光ファイバ自体がシンチレーション性を有するプラスチックシンチレーションファイバと同様に、素粒子物理学研究用途などに多用されている。
プラスチック波長変換ファイバのコア基材としては、例えば高透明で比較的高屈折率を有する樹脂材料であるポリスチレンなどが用いられる。コア基材にポリスチレンを用いることによって屈折率差を大きく取れるので、クラッドとの全反射角を大きくすることができる。そのため、コア内で波長変換によって発生した緑色光をより広角度でコア内に閉じ込め、ファイバ端面まで伝送することができる。すなわち、コア基材にポリスチレンを用いることによって、高発光の波長変換ファイバを実現することができる。
図12は、青色光が照射された波長変換ファイバのコア内部における緑色発光の原理を示した図である。コア基材には、シンチレータの発光である波長430nm付近の青色光を吸収して550nm付近の緑色光に変換する有機蛍光剤が溶解されている。そのため、シンチレータにおいて発生し、波長変換ファイバを横断した青色光の一部もしくは全部が、図12に示すように、コア内で吸収されて緑色光に変換される。
図13は、波長変換ファイバを用いた検出器の模式図である。図13に示すように、シンチレータ(不図示)から発生した波長430nm付近の青色光は、波長変換ファイバ1を横断すると、コア11に含有される蛍光剤に吸収され、波長550nm付近の緑色光に変換される。コア11内部で発生した緑色光は、コア11/クラッド12界面で全反射を繰り返しながら波長変換ファイバ1の両端方向に伝播する。そして、波長変換ファイバ1の一端へ導かれた緑色光は、光電子倍増管(PMT:PhotoMultiplier Tube)によって電気信号として検出される。
図13に示したPMTに代えてシリコンアバランシェフォトダイオード(Si−APD:Silicon-Avalanche PhotoDiode)を用いたSi−PM(Silicon-PhotoMultiplier)等の半導体検出器を用いてもよい。最近では、Si−PMが小さくセグメント化され、多数配列させたMPPC(Multi-Pixel Photon Counter)アレイ等が多用されている。MPPCアレイでは、各ピクセルが波長変換ファイバの1本1本に接続されており、各波長変換ファイバで発生した緑色光を同時に検出することができる。
ところで、図14は、平板状のシンチレータの主面上に平行に複数配列された断面円形状の波長変換ファイバの斜視図である。図15は、平板状のシンチレータの主面上に平行に複数配列された断面円形状の波長変換ファイバの断面図である。図14、図15に示すように、平行に複数配列された断面円形状の波長変換ファイバ1を使用する検出器は、例えば中性子線を検出する無機多結晶からなる不透明なシンチレータ用に用いられる。
図14、図15の例では、xy平面に平行なシンチレータ2の主面上にy軸方向に延設された複数の波長変換ファイバ1がx軸方向に配列されている。図15に示すように、平板状のシンチレータ2を放射線が通過すると、シンチレータ2内で青色光が発生する。その青色光が波長変換ファイバ1を横断すると、クラッド12に被覆されたコア11内部で緑色光に波長変換される。
図16は、断面円形状の波長変換ファイバ1を青色光が横断する様子を示す断面図である。図16に示すように、断面円形状の波長変換ファイバ1であれば、青色光がコア11の中心軸付近(中心部)を横断する場合と、クラッド12との界面である外周付近(外周部)を横断する場合とにおいて、横断距離が異なる。
そのため、コア11内での発光量すなわちフォトン発生数は、青色光の横断距離に応じて、中心部を横断する場合に多く、外周部を横断する場合に少なくなる。すなわち、青色光の横断距離に応じた検出感度となるため、場合によっては、青色光が中心部を横断する場合のみフォトンが検出され、青色光が外周部を横断する場合にはフォトンが検出されない虞がある。
その結果、図14、図15に示すような断面円形状の波長変換ファイバ1を配列させた検出器では、波長変換ファイバ1同士の中間部に感度のない不感領域が形成される虞があった(特許文献1〜3)。このように、入射した青色光の横断位置によって発光量が変化するのは、1本の波長変換ファイバにおいても望ましくない。
このような問題を抑制するため、通常、図17に示すように、断面矩形状の波長変換ファイバが用いられる。図17は、平板状のシンチレータの主面上に平行に複数配列された断面矩形状の波長変換ファイバの斜視図である。
図18は、断面矩形状の波長変換ファイバを青色光が横断する様子を示す断面図である。図18に示すように、断面矩形状の波長変換ファイバ1であれば、コア11の中心部でも外周部でも横断距離が同じである。そのため、クラッド12を除いて不感領域がなくなり、入射した青色光の横断位置によらずコア11内での発光量を同じにすることができる。
このような目的で、断面矩形状の波長変換ファイバ1を単層や多層に配列させた検出器が多数実用化されている。多層に配列させる場合、x方向に配列させた波長変換ファイバとy方向に配列させた波長変換ファイバとを交互に積層してもよい。
なお、図14〜図18に示した右手系xyz座標は、図面間において相互に対応しているが、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。
また、特許文献4については、本発明の実施の形態の説明において言及する。
特開昭63−129304号公報 特開2000−137122号公報 特開昭59−210401号公報 国際公開第2015/046512号
しかしながら、断面矩形状の波長変換ファイバは、断面円形状の波長変換ファイバに比べて製造するのが難しいため、高価であった。さらに、4隅の形状や4辺の真直度などの精度向上が、真円度の精度向上に比べて著しく困難である。そのため、コア/クラッド界面で全反射を繰り返しながら光を伝送させる光ファイバとして、光学性能的に劣るものしか得られない。すなわち、断面矩形状の波長変換ファイバでは、全反射条件が満たされないことによる伝送損失の悪化が、断面円形状の波長変換ファイバに比べて顕著であった。そのため、断面矩形状の波長変換ファイバを長尺の検出器や高感度の検出器に用いることには限界があった。
本発明は、入射光の横断位置による発光量の低下を抑制可能な断面円形状のプラスチック波長変換ファイバを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るプラスチック波長変換ファイバは、
放射線照射に伴いシンチレータから放出された第1の光を波長の異なる第2の光に変換して伝送するプラスチック波長変換ファイバであって、
前記第1の光を吸収して前記第2の光を発光する蛍光剤を含有するコアと、前記コアの外周面を被覆すると共に、前記コアよりも低い屈折率を有するクラッドと、を備え、
断面形状が円形状であり、
前記コアにおける前記蛍光剤の濃度が、前記コアの断面の中心から外周方向へ向かって上昇する分布を有するものである。
前記コアにおける前記蛍光剤の濃度が、前記コアの断面の中心から外周方向へ向かって上昇する分布を有しているため、断面円形状でありながら放射線の横断位置による発光量の低下を抑制することができる。
前記蛍光剤の濃度が、前記コアの断面の中心から外周方向へ向かって2段階以上で不連続に上昇する分布を有することが好ましい。あるいは、前記蛍光剤の濃度が、前記コアの断面の中心から外周方向へ向かって連続して上昇する分布を有することが好ましい。
前記クラッドが、インナークラッドと、前記インナークラッドの外周面を被覆すると共に、前記インナークラッドよりも低い屈折率を有するアウタークラッドとを含むマルチクラッド構造を有していることが好ましい。このような構成により、より広角度の光を捕捉し、伝搬させることができ、高発光の波長変換ファイバとすることができる。
本発明の一態様に係るプラスチック波長変換ファイバの製造方法は、
前記蛍光剤を含有するコアと、前記コアの外周面を被覆するクラッドと、を備えたプラスチック波長変換ファイバの製造方法であって、
前記蛍光剤を含有する樹脂からなる棒状のコア用ロッドを、前記コア用ロッドよりも低い屈折率を有する樹脂からなる円筒状のクラッド用パイプに挿入してプリフォームを作製する工程と、
前記プリフォームを加熱しつつ線引きする工程と、を備え、
前記コア用ロッドにおける前記蛍光剤の濃度が、前記コア用ロッドの断面の中心から外周方向へ向かって上昇する分布を有するものである。
前記コア用ロッドにおける前記蛍光剤の濃度が、前記コア用ロッドの断面の中心から外周方向へ向かって上昇する分布を有しているため、得られるプラスチック波長変換ファイバは、断面円形状でありながら放射線の横断位置による発光量の低下を抑制することができる。
前記蛍光剤の濃度が、前記コア用ロッドの断面の中心から外周方向へ向かって2段階以上で不連続に上昇する分布を有することが好ましい。あるいは、前記蛍光剤の濃度が、前記コア用ロッドの断面の中心から外周方向へ向かって連続して上昇する分布を有することが好ましい。
前記クラッド用パイプを、インナークラッド用パイプと、前記インナークラッド用パイプの外周面を被覆すると共に、前記インナークラッド用パイプよりも低い屈折率を有する樹脂からなるアウタークラッド用パイプとから構成することが好ましい。このような構成により、得られるプラスチック波長変換ファイバは、より広角度の光を捕捉し、伝搬させることができ、高発光の波長変換ファイバとすることができる。
本発明により、入射光の横断位置による発光量の低下を抑制可能な断面円形状のプラスチック波長変換ファイバを提供することができる。
実施の形態に係る波長変換ファイバの一例の断面図である。 実施の形態に係る波長変換ファイバの一例の断面図である。 実施の形態に係る波長変換ファイバの一例の断面図である。 マルチクラッド構造を有する波長変換ファイバの模式図である。 実施例1及び比較例に係る波長変換ファイバにおける蛍光剤の濃度分布を示すグラフである。 ファイバ径方向位置による発光量変化を測定するための測定システムを示す模式図である。 スリットを有する可動箱体の断面図である。 ファイバ径方向位置による発光量変化の測定結果を示すグラフである。 実施の形態に係る波長変換ファイバの他の使用例を示す斜視図である。 実施の形態に係る波長変換ファイバの他の使用例を示す斜視図である。 図10のXI−XI断面図である。 青色光が照射された波長変換ファイバのコア内部における緑色発光の原理を示した図である。 波長変換ファイバを用いた検出器の模式図である。 平板状のシンチレータの主面上に平行に複数配列された断面円形状の波長変換ファイバの斜視図である。 平板状のシンチレータの主面上に平行に複数配列された断面円形状の波長変換ファイバの断面図である。 断面円形状の波長変換ファイバを青色光が横断する様子を示す断面図である。 平板状のシンチレータの主面上に平行に複数配列された断面矩形状の波長変換ファイバの斜視図である。 断面矩形状の波長変換ファイバを青色光が横断する様子を示す断面図である。
図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態に係る波長変換ファイバについて説明する。図1〜図3は、実施の形態に係る波長変換ファイバの一例の断面図である。図1〜図3に示すように、本実施の形態に係る波長変換ファイバ1は、断面円形状のプラスチック波長変換ファイバであって、コア11と、コア11の外周面を被覆するクラッド12と、を備えている。
コア11は、放射線照射に伴いシンチレータ(不図示)から放出される第1の光を吸収して波長の異なる第2の光を発光する蛍光剤を含んだ透明樹脂からなる。当該蛍光剤は、波長430nm付近の青色光を吸収するものに限られず、350nm付近の紫外光を吸収するもの、500nm付近の緑色光を吸収するものなどにも好適に適用され、限定されない。以下では、蛍光剤が吸収する光を例えば青色光とし、発光する光を例えば緑色光として説明する。コア基材としては、例えば安価で取り扱い容易なスチレン系樹脂が用いられる。コア11を構成するコア基材及び蛍光剤の詳細については後述する。
コア11の外周面を被覆するクラッド12は、コア11よりも低い屈折率を有する透明樹脂からなる。クラッド12の外径は例えば0.2〜2.0mmである。クラッド12を構成するクラッド基材については後述する。
ここで、図4は、マルチクラッド構造を有する波長変換ファイバの模式図である。
図4に示すように、クラッド12をインナークラッドとして、クラッド12の外周面により低屈折率を有するアウタークラッド13を設け、マルチクラッド構造としてもよい。マルチクラッド構造とすることにより、より広角度の光を捕捉し、伝搬させることができるため、検出感度が向上する。アウタークラッド13を構成するアウタークラッド基材については後述する。
<蛍光剤の濃度分布>
同時に、図1〜図3は、コア11にドープされた蛍光剤の濃度分布を示している。従来の波長変換ファイバでは、コア内の蛍光剤の濃度が均一であるのに対し、図1〜図3に示すように、本実施の形態に係る波長変換ファイバ1では、コア11における蛍光剤の濃度が、コア11の断面の中心から外周方向へ向かって上昇する分布を有している。以下に、図1〜図3のそれぞれについて説明する。
図1に示した波長変換ファイバ1では、中心部における低濃度C1と、外周部における高濃度C2との2段階で、中心部から外周部へ向かって蛍光剤の濃度を不連続に上昇させている。
図2に示した波長変換ファイバ1では、中心部における低濃度C1と、外周部における高濃度C2との間に中濃度C3を設け、中心部から外周部へ向かって蛍光剤の濃度を3段階で不連続に上昇させている。
図3に示した波長変換ファイバ1では、中心部における低濃度C1から外周部における高濃度C2へ向かって蛍光剤の濃度を滑らかに連続して上昇させている。
図16を参照して説明したように、波長変換ファイバでは、コア基材と青色光が反応して緑色光を放出する確率は、青色光がコア基材を横断した横断距離に比例する。そのため、コアの外周部では横断距離が短くなり、コア内の蛍光剤の濃度が均一な従来の波長変換ファイバでは、発光量が低下してしまう。
これに対し、図1〜図3に示した本実施の形態に係る波長変換ファイバ1は、青色光の横断距離が短い外周部において蛍光剤の濃度が高くなるような濃度分布を有している。そのため、波長変換ファイバ1の外周部における発光量の低下を抑制することができる。すなわち、断面円形状の波長変換ファイバでありながら、青色光の横断位置による発光量の低下を抑制することができる。
従って、本実施の形態に係る波長変換ファイバ1を図14、図15に示したように配列させた検出器では、波長変換ファイバ1同士の中間部に形成される不感領域を抑制することができる。
さらに詳細に説明する。図1〜図3に示した本実施の形態に係る波長変換ファイバ1は、コア11の中心部において蛍光剤が低濃度、コア11の外周部において蛍光剤が高濃度となるように回転対称な濃度分布を有している。そのため、青色光がコア11の中心部を横断する場合、全横断距離は長くなるが、蛍光剤濃度が高い外周部の横断距離が短く、蛍光剤濃度が低い中心部の横断距離が長くなる。一方、青色光がコア11の外周部を横断する場合、全横断距離は短くなるが、蛍光剤濃度が高い外周部の横断距離が長くなる。
そのため、青色光がコア11の中心部を横断する場合に対する外周部を横断する場合の発光量の低下を抑制することができる。コア11内の蛍光剤の濃度分布を最適化することによって、青色光がコア11の中心部と外周部とを横断する場合の発光量を均一にすることができる。
なお、発光量は横断距離には比例するが、高濃度域では飽和するため蛍光剤濃度には必ずしも比例しない。そのため、コア内における発光量の均一性を高めるためには、実際の試作によって発光量の蛍光剤濃度依存性を確認することが好ましい。定性的には、蛍光剤の濃度が低過ぎると、青色光を効率よく吸収してより長い波長に波長変換することができない。一方、蛍光剤の濃度が高過ぎると、自己吸収のために波長変換効率が低下したり、発光した波長で自己吸収による透明性が悪化する。ここで、自己吸収は、図12に示した吸収発光特性の重なりに起因する。
例えば、蛍光剤の濃度分布については、コアの断面の中心の蛍光剤の濃度に対するコアの外周の蛍光剤の濃度を、1.5倍以上、2倍以上、3倍以上、5倍以上、10倍以上とすることができる。
また、蛍光剤が複数からなり、全体として、放射線照射に伴いシンチレータから放出される第1の光を吸収して波長の異なる第2の光を発光してもよい。例えば、第一蛍光剤と第二蛍光剤の2種類を用いる波長変換ファイバの場合、両者について濃度分布を持たせてもよいし、いずれか一方だけに濃度分布を持たせてもよい。波長変換ファイバにおける蛍光剤の役割は、青色光照射によってコア基材が発光した光を多段的に順次、長波長に波長変換することである。そのため、例えば第一蛍光剤又は第二蛍光剤にだけ濃度分布を持たせても本発明の効果は得られる。
<コア基材>
コア基材としては、透明で比較的高屈折率を有する樹脂材料を用いることが好ましい。例えば、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、1−フェニルエチルメタクリレート、1,2−ジフェニルエチルメタクリレート、ジフェニルエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、1−フェニルシクロヘキシルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、ペンタブロモフェニルメタクリレート、1−ナフチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエンからなるモノマー群のうちのいずれか1種類を重合して得られる重合体が好適である。
また、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、1−フェニルエチルメタクリレート、1,2−ジフェニルエチルメタクリレート、ジフェニルエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、1−フェニルシクロヘキシルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、ペンタブロモフェニルメタクリレート、1−ナフチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエンからなるモノマー群のうちのいずれか2種類以上を共重合して得られる共重合体も適している。重合に際しては、一般的な重合開始剤及び分子量調整剤を添加してもよい。
<クラッド基材>
クラッド基材としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレートおよびブチルアクリレートからなるモノマー群のうちの1種類以上を重合または共重合して得られる重合体が適している。中でも、メチルメタクリレートの重合体またはメチルメタクリレートと他のモノマーとの共重合体が望ましい。メチルメタクリレートは透明性が高く、容易に重合するため取り扱いやすい利点がある。重合に際しては、一般的な重合開始剤及び分子量調整剤を添加してもよい。
<アウタークラッド基材>
アウタークラッド基材としては、前述のクラッド基材より低屈折率であれば市販のものでもよい。具体的には、メチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート,2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、α−フルオロアクリル酸メチルおよび2−(トリフルオロメチル)プロペン酸メチルからなるモノマー群のうちの1種類以上を重合または共重合して得られる重合体、および、前記重合体とポリフッ化ビニリデンの混合物が適している。特には、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートポリマーとポリフッ化ビニリデンの混合物が望ましい。
<蛍光剤>
青色光を吸収して緑色光に波長変換する蛍光剤としては、例えばHOSTASOL YELLOW 3G、HOSTASOL YELLOW 8Gなどが、青色光を吸収して橙色光に変換する蛍光剤としてはLUMOGEN F ORANGE 240などが、青色光を吸収して赤色光に波長変換するものではLUMOGEN F RED 300などが用いられる。
波長変換蛍光剤の選定に当たっては、コア基材の原料であるモノマー、さらにその重合体への溶解性が高いことが好ましい。また、高発光の波長変換ファイバを得るには、蛍光剤の吸収スペクトルと、シンチレータによる青色光の発光スペクトルとの重なりが大きいことが好ましい。同時に、量子効率が高く、吸収したフォトンが熱などによって損失されずに長波長のフォトンに変換されることが好ましい。さらに、蛍光剤における吸収波長スペクトル分布と発光波長スペクトル分布の重なりが小さいことが好ましい。重なりが大きいと、コア内部で波長変換された緑色光が自己吸収されるため、変換効率が悪化する上、波長変換ファイバ内における緑色光の長距離伝送が阻害され、伝送損失が悪化する。
蛍光剤の濃度は、30〜10000質量ppmが、さらに50〜1000質量ppmが、さらには100〜500質量ppmが好適である。好適な濃度の指標は、蛍光剤のモル吸光係数である。例えば、1mm径の波長変換ファイバであれば1mmの横断距離でシンチレータからの青色光を70〜99%吸収できるような濃度に設定する。この指標を用いた場合、波長変換ファイバの径を1/2倍の0.5mmにすれば、蛍光剤の濃度を2倍にすればよい。一方、波長変換ファイバの径を2倍の2mmにすれば、蛍光剤の濃度を1/2倍にすればよい。
シンチレータから発生する青色光を波長変換ファイバに高効率に吸収させるためには蛍光剤を高濃度に溶解させればよい。しかしながら、上述の通り、あらゆる波長変換用の蛍光剤は、吸収スペクトルと発光スペクトルとに多少なりとも重なりを有しているため、蛍光剤の過剰添加は自己吸収を増大させる。その結果、変換効率が悪化する上、透明性が低下して伝送損失が悪化する。従って、最適な蛍光剤濃度は、蛍光剤種とファイバ径に応じて、発光量と透明性とが最大となるようにバランスさせることによって決定される。
<ファイバの製造方法>
波長変換ファイバの製造方法については特に制限はない。例えば、低屈折率基材からなるクラッド用の円筒状透明重合体(クラッド用パイプ)に高屈折率基材からなるコア用の透明棒状重合体(コア用ロッド)を挿入してプリフォームロッドを作製した後、先端を加熱して細く線引きするロッド線引き法を用いることができる。
<コア用ロッドの製造方法>
コア用ロッドは円筒状の重合容器にモノマーを入れて、熱重合によって製造できる。重合方法は、開始剤を添加せずに熱だけによる自発的重合が好ましいが、最小限量の熱解裂型ラジカル開始剤を添加してもよい。さらに、光解裂型ラジカル開始剤を併用してもよい。また、コア用ロッドは、分子量が低過ぎると、光ファイバとして機械的強度や信頼性が確保できないことがある。逆に、分子量が高過ぎると、溶融粘度が高くなるため、加熱温度を高くする必要があり、熱劣化による着色や熱分解といった問題が発生することがある。このため、必要に応じて、分子量調整剤を添加してもよい。
例えば、図1、図2に示すような蛍光剤濃度分布が不連続な波長変換ファイバを製造する場合には、蛍光剤濃度が小さく、直径の小さいロッドと、蛍光剤濃度が高く、直径の大きいパイプといった、異なる複数のロッド及びパイプを重合した後、組み合わせてコア用ロッドとすればよい。
また、特許文献4に開示されているように、モノマーを連続して注入しながら、回転する円筒容器中で遠心力によってモノマーを側面に押し付けるようにして中空部を形成させながら重合固化させるモノマー連続注入方式を用いてもよい。本発明による、蛍光剤濃度等を断続的もしくは図3に示すように連続して変化させる場合にはこのモノマー連続注入方式を好適に用いることができる。
<クラッド用パイプ製造方法>
クラッド用パイプは、円形ダイを装着した溶融押出機に熱可塑性樹脂ペレットを投入してパイプ状に押出成形する方法により製造することができる。また、回転する円筒容器中で遠心力によってモノマーを側面に押し付けるようにして中空部を形成させながら重合固化させる方法を用いてもよい。さらに、ロッド状の重合体の軸中心部にドリル等で穴を開けて中空部を形成する方法を用いてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は係る実施例により何ら限定されない。
<実施例1>
[コア用ロッド]
モノマー連続注入方式によって、コア用ロッドを作製した。具体的には、回転する内径70mmの円筒容器内に、外周部から中心部まで連続して濃度が変化するように蛍光剤HOSTASOL YELLOW 8Gが添加されたスチレンモノマーを注入しながら重合した。ここで、蛍光剤の濃度は、外周部で400質量ppm(0.04質量%)、中心部で50質量ppm(0.005質量%)とした。円筒容器から取り出して外径70mm、内径約10mmのポリスチレン製コア用中空ロッドを得た。このポリスチレン製コア用中空ロッドの屈折率は25℃で1.59であった。
[クラッド用パイプ]
メチルメタクリレートモノマーに重合開始剤(日油社製パーオクタO(登録商標)(PO−O):0.05質量%、日油社製パーヘキサV(登録商標)(PH−V):0.05質量%)と分子量を調整するための連鎖移動剤n−オクチルメルカプタン(n−OM:0.25質量%)を添加した。これを内径75mmの円筒容器に充填し、熱媒中で軸中心に回転させながら70〜120℃で加熱重合させることによって、外径75mm、内径71mmのポリメチルメタクリレート(PMMA)製クラッド用パイプを得た。このPMMA製クラッド用パイプの屈折率は25℃で1.49であった。
[プリフォーム作製及び加熱線引き]
ポリスチレン製コア用中空ロッドとPMMA製クラッド用パイプとを組み合わせてプリフォームを作製した。コア用中空ロッドの中心と、コア用中空ロッドとクラッド用パイプとの間隙部を減圧しながら、このプリフォームを加熱線引きし、外径1mmの波長変換ファイバを得た。コア径は960μm、クラッド厚は約30μmであった。
<実施例2>
実施例1と同様の方法でコア用ロッドとクラッド用パイプとを作製し、このクラッド用パイプをインナークラッド用パイプとした。
[アウタークラッド用パイプ]
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)モノマーに重合開始剤(PO−O:0.05質量%、PH−V:0.05質量%)と分子量を調整するための連鎖移動剤n−オクチルメルカプタン(n−OM:0.025質量%)を添加した。これを内径80mmの円筒容器に入れ、熱媒中で軸中心に回転させながら加熱重合させて外径80mm、内径76mmのポリトリフルオロエチルメタクリレート製アウタークラッド用パイプを得た。このポリトリフルオロエチルメタクリレート製アウタークラッド用パイプの屈折率は25℃で1.42であった。
[プリフォーム作製及び加熱線引き]
ポリスチレン製コア用ロッドとPMMA製インナークラッド用パイプとポリトリフルオロエチルメタクリレート製アウタークラッド用パイプとを組み合わせてプリフォームを作製した。コア用中空ロッドの中心、コア用中空ロッドとインナークラッド用パイプとの間隙部、及びインナークラッド用パイプとアウタークラッド用パイプとの間隙部を減圧しながら、このプリフォームを加熱線引きし、外径1mmの波長変換ファイバを得た。コア径は900μm、クラッド厚は全体で約50μmであった。
<比較例>
[コア用ロッド]
スチレンモノマーに蛍光剤HOSTASOL YELLOW 8Gを均一に溶解し、これを内径70mmの円筒容器中に入れ、70〜120℃に温度調節して熱重合させた。円筒容器から取り出し、蛍光剤を含んだポリスチレン製コア用ロッドを得た。このポリスチレン製コア用ロッドの屈折率は25℃で1.59であった。
[クラッド用パイプ]
実施例1と同様の方法で、外径75mm、内径71mmのPMMA製クラッド用パイプを得た。このPMMA製クラッド用パイプの屈折率は25℃で1.49であった。
[プリフォーム作製及び加熱線引き]
ポリスチレン製コア用ロッドとPMMA製クラッド用パイプとを組み合わせてプリフォームを作製した。このプリフォームを加熱線引きし、外径1mmの波長変換ファイバを得た。コア径は960μm、クラッド厚は約30μmであった。
<蛍光剤濃度分布測定>
実施例1及び比較例に係る波長変換ファイバの製造に使用したコア用ロッドの一部を切断して、径方向でサンプリングし、クロロホルム溶剤に溶解・希釈した後、蛍光剤の吸光度を測定することにより、蛍光剤の濃度分布を得た。
図5に、線引き後の波長変換ファイバの径に換算した蛍光剤の濃度分布の測定結果を示す。図5は、実施例1及び比較例に係る波長変換ファイバにおける蛍光剤の濃度分布を示すグラフである。横軸はファイバ径方向位置(μm)、縦軸は蛍光剤濃度(質量ppm)を示している。ファイバ径方向位置500μm付近が、中心部に対応している。
図5に示すように、比較例では、ファイバ径方向位置によらずほぼ同じ濃度であったのに対し、実施例1では、中心部から外周部に向かって連続して濃度が上昇するような蛍光剤の濃度分布となった。すなわち、実施例1に係る波長変換ファイバは、図3に示した波長変換ファイバに対応している。
<発光量変化測定>
実施例1及び比較例に係る外径1mmの波長変換ファイバについて、ファイバ径方向位置による発光量変化を測定した。図6は、ファイバ径方向位置による発光量変化を測定するための測定システムを示す模式図である。図7は、スリットを有する可動箱体の断面図である。なお、図6、図7に示した右手系xyz座標は、図面間において相互に対応しているが、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。z軸プラス向きが鉛直上向き、xy平面が水平面である。
図6に示すように、y軸方向に延設された波長変換ファイバ1に対して、青色LEDから出射された青色光(ピーク波長450nm)を上側から照射した。ここで、図7に示すように、青色LEDから出射された青色光は、コリメータレンズを介してz軸に平行にされた後、可動箱体に設けられたスリットを介して波長変換ファイバ1に照射される。可動箱体の天板と底板とには、幅100μmのスリットが対応する位置に設けられている。そのため、幅100μmの疑似直線光が波長変換ファイバ1に照射される。可動箱体をx軸方向に移動させることによって、幅100μmの疑似直線光の照射位置もx軸方向に移動するため、ファイバ径方向位置による発光量変化を測定することができる。
そして、図6に示すように、青色光の照射により波長変換ファイバ1内に発生した緑色光を、波長変換ファイバ1の一端に設置されたSi−APD検出器によって検出した。Si−APD検出器から出力された電気信号を光パワーメータよって計測した。このような構成によって、青色光の照射により波長変換ファイバ1内に発生した緑色光の光強度を測定した。
図8は、ファイバ径方向位置による発光量変化の測定結果を示すグラフである。横軸はファイバ径方向位置(μm)、縦軸は相対発光量を示している。ファイバ径方向位置500μm付近が、中心部に対応している。
図8に示すように、比較例では、青色光の通過位置が中心部(ファイバ径方向位置500μm付近)に近いほど高発光で、中心部から遠ざかり外周部に近づくほど低発光であった。すなわち、1本の波長変換ファイバにおいて、青色光が中心部を通過した場合と、外周部を通過した場合とでは、発光量が異なり、外周部ほど検出感度が低くなる。このように、青色光の横断位置によって発光量が変化するのは、1本の波長変換ファイバにおいても好ましくない。特に、図14、図15に示すように波長変換ファイバを配列させて用いる検出器では、波長変換ファイバ同士の中間部に不感領域が形成される虞があり、好ましくない。
これに対し、図8に示すように、実施例1では、ファイバ径方向位置によらずほぼ同じ発光量であって、高発光が維持された。すなわち、実施例1に係る波長変換ファイバは、断面円形状でありながら、断面矩形状の波長変換ファイバと同様に、ファイバ径方向位置によらず均一な発光量が得られた。このように、青色光の横断位置による発光量の低下が抑制されることは、1本の波長変換ファイバにおいても好ましい。特に、図14、図15に示すように波長変換ファイバを配列させて用いる検出器では、波長変換ファイバ同士の中間部に不感領域が形成されることを抑制することができ、好ましい。
実施例2に係るマルチクラッド型の波長変換ファイバは、図5に示した実施例1と同様の蛍光剤濃度分布を有し、図8に示した実施例1と類似した発光量変化を示した。さらに、実施例2の発光量は、シングルクラッド型の実施例1に比べて平均的に30%高発光であった。
なお、上述の通り、実施例1は図3に示した連続した蛍光剤濃度分布を有する波長変換ファイバであるが、図1、図2に示したような不連続な蛍光剤濃度分布を持つものについても同様な効果が得られる。
<その他の実施の形態>
図9、図10は、実施の形態に係る波長変換ファイバの他の使用例を示す斜視図である。図9の例では、角棒状の透明なシンチレータ2の上面において長手方向に延設された溝21に波長変換ファイバ1が配置されている。図10の例では、平板状の透明なシンチレータ2の上面においてU字状に形成された溝21に波長変換ファイバ1が配置されている。
図11は、図10のXI−XI断面図である。図11に示すように、放射線がシンチレータ2を貫通する際に、シンチレータ2の内部で青色光が発生する。その青色光はシンチレータ2の内部で全反射を繰り返しながら一部が波長変換ファイバ1を横断する。その際、波長変換ファイバ1のコア11内部で緑色光が発生し、当該緑色光が波長変換ファイバ1の端面まで伝送されてPMTやSi−PMなどの光検出器によって検出される。図9の例の場合も同様である。
なお、図9、図10の例において、溝に代えて貫通孔を設けて、当該貫通孔に波長変換ファイバ1を挿入してもよい。あるいは、溝を設けずに、シンチレータ2の平坦な上面に波長変換ファイバ1を配置してもよい。
本発明は上記実施の形態に限られず、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 波長変換ファイバ
2 シンチレータ
11 コア
12 クラッド(インナークラッド)
13 アウタークラッド
21 溝

Claims (8)

  1. 放射線照射に伴いシンチレータから放出された第1の光を波長の異なる第2の光に変換して伝送するプラスチック波長変換ファイバであって、
    前記第1の光を吸収して前記第2の光を発光する蛍光剤を含有するコアと、前記コアの外周面を被覆すると共に、前記コアよりも低い屈折率を有するクラッドと、を備え、
    断面形状が円形状であって、
    前記コアにおける前記蛍光剤の濃度が、前記コアの断面の中心から外周方向へ向かって上昇する分布を有する、プラスチック波長変換ファイバ。
  2. 前記蛍光剤の濃度が、前記コアの断面の中心から外周方向へ向かって2段階以上で不連続に上昇する分布を有する、請求項1に記載のプラスチック波長変換ファイバ。
  3. 前記蛍光剤の濃度が、前記コアの断面の中心から外周方向へ向かって連続して上昇する分布を有する、請求項1に記載のプラスチック波長変換ファイバ。
  4. 前記クラッドが、インナークラッドと、前記インナークラッドの外周面を被覆すると共に、前記インナークラッドよりも低い屈折率を有するアウタークラッドとを含むマルチクラッド構造を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチック波長変換ファイバ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラスチック波長変換ファイバの製造方法であって、
    前記蛍光剤を含有する樹脂からなる棒状のコア用ロッドを、前記コア用ロッドよりも低い屈折率を有する樹脂からなる円筒状のクラッド用パイプに挿入してプリフォームを作製する工程と、
    前記プリフォームを加熱しつつ線引きする工程と、を備え、
    前記コア用ロッドにおける前記蛍光剤の濃度が、前記コア用ロッドの断面の中心から外周方向へ向かって上昇する分布を有する、プラスチック波長変換ファイバの製造方法。
  6. 前記蛍光剤の濃度が、前記コア用ロッドの断面の中心から外周方向へ向かって2段階以上で不連続に上昇する分布を有する、請求項5に記載のプラスチック波長変換ファイバの製造方法。
  7. 前記蛍光剤の濃度が、前記コア用ロッドの断面の中心から外周方向へ向かって連続して上昇する分布を有する、請求項5に記載のプラスチック波長変換ファイバの製造方法。
  8. 前記クラッド用パイプを、インナークラッド用パイプと、前記インナークラッド用パイプの外周面を被覆すると共に、前記インナークラッド用パイプよりも低い屈折率を有する樹脂からなるアウタークラッド用パイプとから構成する、請求項5〜7のいずれか一項に記載のプラスチック波長変換ファイバの製造方法。
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