JP2018199238A - 液体噴射装置及びその充填方法 - Google Patents

液体噴射装置及びその充填方法 Download PDF

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晋亮 阿左美
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Abstract

【課題】充填時の気泡の発生を抑制した液体噴射装置及びその充填方法を提供する。
【解決手段】液体供給源と、前記液体供給源から供給された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体供給源からの液体を前記液体噴射ヘッドへ供給するように、前記液体供給源と前記液体噴射ヘッドとの間に設けられた流路と、前記流路内の液体に圧力を与える供給手段8、13と、前記流路内の液体の先端が前記流路の特定場所を通過する際に、前記液体の流量を変化させて充填を行うように前記供給手段8、13を制御する制御部と、を有する充填部241と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置及びその充填方法に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録装置及びその充填方法に関する。
液体噴射装置は、インクタンクなどの液体供給源から供給されたインク等の液体を圧力発生手段の圧力変化によって複数のノズルから液滴として噴射する液体噴射ヘッドを具備する。
しかしながら、液体供給源からの液体を液体噴射ヘッドに充填する際に、流路を通過する液体に気泡が発生し、予期せぬタイミングで気泡が液体噴射ヘッド側に流れて液滴の噴射不良等の不具合が発生するという問題がある。このため、液体の充填に先立って、液体噴射ヘッドに液体を供給する流路や液体噴射ヘッドに予め洗浄液を流して濡れ性を向上させることで液体が空気を巻き込み難くして、液体に気泡が生じるのを抑制した方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−112885号公報
しかしながら、洗浄液が流路中に残液となって、充填した液体と残液とが混ざり合う際に気泡が発生するという問題がある。このような気泡は微少なため、液体を強力に減圧・加圧しても排除するのが困難である。特に、昇華転写インクなどの撥液性が高いインクを用いた場合に、充填時に流路の途中で気泡が発生し易い。
なお、このような問題はインクジェット式記録装置だけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、充填時の気泡の発生を抑制した液体噴射装置及びその充填方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体供給源と、前記液体供給源から供給された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体供給源からの液体を前記液体噴射ヘッドへ供給するように、前記液体供給源と前記液体噴射ヘッドとの間に設けられた流路と、前記流路内の液体に圧力を与える供給手段と、前記流路内の液体の先端が前記流路の特定場所を通過する際に、前記液体の流量を変化させて充填を行うように前記供給手段を制御する制御部と、を有する充填部と、を備えることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体を充填する際の流量を変化させることで、液体の流路を通過する流速を変化させることができる。したがって、気泡が発生し易い場所で液体の流量を減少させて液体の先端の流速を低下させて、液体に気泡が生じるのを抑制することができる。また、液体に気泡が発生し難い場所では液体の流量を増大させて液体の先端の流速を高くして、液体の充填時間を短縮することができると共に気泡排出性を向上することができる。
ここで、前記供給手段は、前記液体供給源からの液体を加圧する加圧手段と、前記液体噴射ヘッドのノズル側から液体を少なくとも吸引する圧力調整手段との少なくとも一方を具備し、前記充填部は、前記液体供給側の圧力と前記ノズル側の圧力との差圧を調整することで流量を変化させることが好ましい。これによれば、充填部は加圧手段と圧力調整手段との少なくとも一方を制御することにより液体の流量を容易に制御することができる。また、充填部が加圧手段と圧力調整手段との両方を制御することにより、液体の流量の調整を高精度に行うことができると共に、流速を限りなくゼロに近づけることが可能となる。
また、前記圧力調整手段は、前記ノズル側から加圧可能であることが好ましい。これによれば、液体の流量の調整を高精度に行うことができると共に、流速を限りなくゼロに近づけることが可能となる。
また、前記流路は、第1の流路と、第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路とを接続する継手部分とを有し、前記充填部は、前記継手部分で、前記継手以外の部分に比べて前記流路内の液体の流量を低下させることが好ましい。これによれば、気泡の発生し易い継手部分で流量を低下させることで、気泡の発生を効率的に抑制することができる。
また、前記流路は、前記液体との親和性が低い材料で形成された流路と、前記液体との親和性が高い材料で形成された流路とを有し、前記充填部は、前記液体との親和性が低い材料で形成された流路の部分で、前記液体との親和性が高い材料で形成された流路の部分に比べて前記流路内の液体の流量を低下させることが好ましい。これによれば、気泡が発生し易い親和性が低い材料で形成された部分で流量を低下させることで、気泡の発生を効率的に抑制することができる。
また、前記充填部は、前記流路の内壁に傷を有する部分で流量を低下させることが好ましい。これによれば、気泡が発生し易い傷を有する部分で流量を低下させることで、気泡の発生を効率的に抑制することができる。
また、前記流路は、横断する開口面積が異なる流路同士が接続される部分を有し、前記充填部は、前記流路の横断する開口面積が異なる流路同士が接続された部分で流量を低下させることが好ましい。これによれば、気泡が発生し易い開口面積が異なる流路同士が接続された部分で流量を低下させることで、気泡の発生を効率的に抑制することができる。
また、前記流路は、所定の角度未満で屈曲する曲率半径が小さい部分と、所定の角度以上で屈曲するもしくは直線状の曲率半径が大きい部分とを有し、前記充填部は、前記流路の前記曲率半径が小さい部分において前記曲率半径が大きい部分に比べて前記流路内の液体の流量を低下させることが好ましい。これによれば、気泡が発生し易い曲率半径が小さい部分で流量を低下させることで、気泡の発生を効率的に抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、液体供給源と、前記液体供給源から供給された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体供給源からの液体を前記液体噴射ヘッドへ供給するように、前記液体供給源と前記液体噴射ヘッドとの間に設けられた流路と、を具備する液体噴射装置の液体充填方法であって、前記液体供給源から供給される液体の先端が前記流路の特定場所を通過する際の前記流路内の液体の流量と、前記流路の特定場所以外の少なくとも一部を通過する際の前記流路内の液体の流量とを変化させて前記液体供給源から前記液体噴射ヘッドまで液体を充填させることを特徴とする液体噴射装置の充填方法にある。
かかる態様では、液体を充填する際の流量を変化させることで、液体の流路を通過する流速を変化させることができる。したがって、気泡が発生し易い場所で液体の流量を減少させて液体の先端の流速を低下させて、液体に気泡が生じるのを抑制することができる。また、液体に気泡が発生し難い場所では液体の流量を増大させて液体の先端の流速を高くして、液体の充填時間を短縮することができると共に気泡排出性を向上することができる。
記録装置の概略構成を示す斜視図である。 第1継手部材を示す斜視図である。 第2継手部材を示す斜視図である。 圧力調整手段を示す斜視図である。 記録装置の電気的構成を示すブロック図である。 制御処理部の機能実現部を示すブロック図である。 気泡の発生を説明する図である。 気泡の発生を説明する図である。 気泡の発生を説明する図である。 インクのメニスカスを説明する図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略構成を示す斜視図、図2は、第1継手部材を示す斜視図であり、図3は、第2継手部材を示す斜視図であり、図4は、圧力調整手段を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット式記録装置Iでは、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド1(以下、記録ヘッド1とも言う)がキャリッジ2に搭載されている。そして、記録ヘッド1が搭載されたキャリッジ2は、装置本体3に取り付けられたキャリッジ軸2aに対して軸方向へ移動可能に設けられている。本実施形態では、記録シートSの搬送方向を第1の方向X、キャリッジ軸2aの軸方向を第2の方向Yと称する。また、第1の方向X及び第2の方向Yの両方に直交する方向、本実施形態では、記録ヘッド1から記録シートSに向かう方向を第3の方向Zと称する。なお、第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zは、互いにそれぞれ直交する方向としたが、特にこれに限定されず、直交以外の角度で交差する方向であってもよい。
記録ヘッド1は、記録シートSに相対向する面に、液体であるインクをインク滴として吐出するノズルが開口するノズル面を有する。また、記録ヘッド1の図示しない内部には、ノズルに連通する液体流路と、液体流路内のインクに圧力変化を生じさせる圧力発生手段等が設けられている。かかる圧力発生手段としては、例えば、電気機械変換機能を呈する圧電材料を有する圧電アクチュエーターの変形によって液体流路の容積を変化させて液体流路内のインクに圧力変化を生じさてノズルからインク滴を吐出させるものや、液体流路内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズルからインク滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気力を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルからインク滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、装置本体3の第2の方向Yの一端側には、タンクホルダー4が設けられており、タンクホルダー4には、液体供給源である複数のインクタンク5がそれぞれ着脱可能に装着されている。本実施形態では、インクタンク5は、3個設けられている。各インクタンク5には、互いに種類(色)の異なるインクが収容されている。
タンクホルダー4に装着された各インクタンク5は、チューブ等の供給管6を介して記録ヘッド1に接続されている。また、タンクホルダー4には、インクタンク5内のインクを記録ヘッド1に向かって圧送するポンプ等の加圧手段8が設けられている。加圧手段8によってインクタンク5からのインクは加圧されて記録ヘッド1に向かって圧送される。
なお、加圧手段8としては、ポンプに限定されず、例えば、インクタンク5を外部から押圧する押圧手段であってもよい。また、加圧手段8として、記録ヘッド1とインクタンク5との鉛直方向の相対位置を調整して発生する水頭圧差を用いるようにしてもよい。
このような供給管6の途中には、第1継手部材9が設けられている。図2に示すように、第1継手部材9は、タンクホルダー4の第3の方向Zの負側に設けられている。また、第1継手部材9には、内部に略直角に屈曲する流路9aが設けられている。すなわち、供給管6は、タンクホルダー4と第1継手部材9とを連通する第1供給管61と、第1継手部材9と記録ヘッド1とを接続する第2供給管62と、を具備し、第1供給管61のインクの流れを第1継手部材9によって略直角に屈曲させて第2供給管62に供給する。本実施形態において、第1供給管61内のインクが流れる流路と第2供給管62内のインクが流れる流路とのうち、一方が第1の流路であり、他方が第2の流路であり、第1継手部材9が第1の流路と第2の流路とを接続する継手部分である。
また、第2供給管62と記録ヘッド1との接続部分には第2継手部材10が設けられている。図3に示すように、第2継手部材10は、第2供給管62が固定されて記録ヘッド1の流路が接続されるものであり、内部に略直角に屈曲する流路10aが設けられている。本実施形態において、第2供給管62内のインクが流れる流路と記録ヘッド1内のインクが流れる流路とのうち、一方が第1の流路であり、他方が第2の流路であり、第2継手部材10が第1の流路と第2の流路とを接続する継手部分である。
このような第1継手部材9及び第2継手部材10は、例えば、樹脂を射出成形することによって安価に製造することができる。もちろん、第1継手部材9及び第2継手部材10の材料及びその製造方法は、特に限定されず、金属等であってもよく、切削等によって製造してもよい。
そして、図1に示すように、駆動モーター11の駆動力が複数のプーリー11aおよびタイミングベルト11bを介してキャリッジ2に伝達されることで、記録ヘッド1を搭載したキャリッジ2はキャリッジ軸2aに沿って移動される。一方、装置本体3には搬送手段としての搬送ローラー12が設けられており、紙等の被噴射媒体である記録シートSが搬送ローラー12により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
このようなインクジェット式記録装置Iでは、キャリッジ2がキャリッジ軸2aに沿って移動されると共に記録ヘッド1によってインクが噴射されて被噴射媒体である記録シートSに着弾、すなわち、印刷される。
また、キャリッジ2の移動方向の端部である搬送ローラー12の側方の被印刷領域には、圧力調整手段13が設けられている。
図4に示すように、圧力調整手段13は、キャップ131と、キャップ131にチューブ等の接続管132を介して接続されたポンプ等の圧力調整装置133とを具備する。
キャップ131は、記録ヘッド1のノズルが開口するノズル面に相対向して設けられ、ノズルの全てを覆う大きさを有する。具体的には、キャップ131は、記録ヘッド1のノズル面側に開口する凹部131aを有する。この凹部131aの開口縁部がノズル面に当接することで、キャップ131は凹部131aの内部にノズルを内包する。
また、キャップ131には、凹部131aの開口する面とは反対側の底部に凹部131aと連通する連通口131bが設けられており、この連通口131bに圧力調整装置133がチューブ等の接続管132を介して接続されている。
このようなキャップ131では、凹部131aの開口縁部をノズル面に当接し、凹部131aの内部にノズルを内包した状態で、圧力調整装置133が減圧することで、凹部131a内を負圧として、ノズルから記録ヘッド1の流路内の流体、例えば、インク、検査液、気体を吸引する吸引動作を行うことができる。
また、本実施形態の圧力調整装置133は、加圧することも可能である。すなわち、キャップ131の凹部131aの開口縁部を記録ヘッド1のノズル面に当接させた状態で、圧力調整装置133が加圧することで凹部131a内を正圧として、ノズルから記録ヘッド1の流路内を加圧する加圧動作を行うことができる。
このような圧力調整手段13による吸引動作及び加圧動作は、詳しくは後述するインクの充填時に行われる。
そして、本実施形態では、加圧手段8と圧力調整手段13とによって、液体供給源であるインクタンク5から記録ヘッド1にインクの充填が実行される。すなわち、本実施形態では、液体供給源であるインクタンク5から記録ヘッド1にインクを供給する供給手段として、加圧手段8と圧力調整手段13とを有する。
このようなインクジェット式記録装置Iは、制御部210を有する。ここで、制御部210は、インクジェット式記録装置Iの全体を制御する要素であり、図1に示すように、インクジェット式記録装置Iに設けられた制御装置200内に設けられている。
図5に示すように、制御部210は、CPU等を含んで構成した制御処理部211と記憶部212と駆動信号生成部213と外部I/F(interface)214と内部I/F215とを有する。被噴射媒体に印刷される画像を示す印刷データがホストコンピューターなどの外部装置230から外部I/F214に送信され、内部I/F215にはプリントエンジン220が接続される。プリントエンジン220は、制御部210による制御のもとで記録シートSに画像を記録する要素であり、記録ヘッド1と、搬送ローラー12等を有する紙送り機構221と、駆動モーター11、プーリー11a、タイミングベルト11b、キャリッジ軸2a等を有するキャリッジ機構222と、を有する。
記憶部212は、制御プログラム等を記録するROMと、画像の印刷に必要な各種のデータを一時的に記録するRAMとを含む。制御処理部211は、記憶部212に記録された制御プログラムを実行することによりインクジェット式記録装置Iの各要素を統括的に制御する。また、制御処理部211は、外部装置230から外部I/F214に送信される印刷データを、記録ヘッド1の各ノズルからのインク滴の噴射/非噴射を圧力発生素子毎に指示するヘッド制御信号、例えば、クロック信号CLK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、画素データSI、設定データSP等に変換し、内部I/F215を介して記録ヘッド1に送信する。また、駆動信号生成部213は、駆動信号(COM)を生成し内部I/F215を介して記録ヘッド1に送信する。すなわち、ヘッド制御データや駆動信号等の噴射データは、送信部である内部I/F215を介して記録ヘッド1に送信される。
制御部210からヘッド制御信号及び信号等の噴射データが供給された記録ヘッド1は、ヘッド制御信号及び駆動信号から駆動パルスを生成し、駆動パルスを圧力発生手段に印加する。すなわち、駆動パルスとは、圧力発生手段に印加する印加パルスのことである。
ここで、制御部210の制御処理部211は、詳しくは後述するが、液体供給源であるインクタンク5から記録ヘッド1にインクを供給する供給手段を制御して、インクタンク5から記録ヘッド1にインクを供給させてインクを記録ヘッド1に充填する充填作業を実行する。
制御処理部211は、記憶部212に記録された制御プログラムを実行することにより、供給手段を制御する機能を実現する。このような制御プログラムは、外部I/F214を介して直接接続された、又はホストコンピューターを介して接続されたフロッピィディスクやCDROM、DVDROM、USBメモリー等の記録媒体から読み込まれる。もちろん、制御プログラムは、ホストコンピューターにプリンタードライバーとして備えられていてもよい。このように制御プログラムがホストコンピューターに備えられた場合には、制御部210は、制御プログラムを具備するホストコンピューターとなる。
また、制御処理部211は、外部装置230から外部I/F214を介して受信した印刷データから紙送り機構221及びキャリッジ機構222の移動制御信号を生成し、内部I/F215を介して紙送り機構221及びキャリッジ機構222に送信し、紙送り機構221及びキャリッジ機構222の制御を行う。
ここで、制御処理部211の判定を行う機能実現部についてさらに図6を参照して説明する。なお、図6は、制御処理部211の機能実現部を示すブロック図である。
図6に示すように、制御処理部211は、インク位置取得部240と充填部241とを具備する。
インク位置取得部240は、充填時にインクタンク5から記録ヘッド1へ供給したインクの先端の位置を取得するものであり、例えば、供給管6や加圧手段8等にインクタンク5から記録ヘッド1へ供給したインクの流量を検出するセンサー250を設け、このセンサー250が検出した流量から充填時のインクの流量を積算するものである。なお、インク位置取得部240は、インクタンク5から記録ヘッド1に供給したインクの流量を直接検出するものに限定されず、例えば、インクタンク5のインクの残量を検出するセンサーなどから記録ヘッド1に供給したインクの流量を検出するようにしてもよい。
充填部241は、液体供給源であるインクタンク5からのインクを記録ヘッド1に供給する供給手段を制御してインクタンク5から記録ヘッド1へのインクの充填を実行させる。また、充填部241は、充填時においてインクタンク5から記録ヘッド1に供給するインクの先端が特定場所を通過する際に流量を変化させて充填を行うように制御する。さらに詳細に説明すると、液体供給源であるインクタンク5からのインクを記録ヘッド1に供給する際に、インクの先端が特定場所を通過する際のインクの流量を、インクの先端が特定場所以外の場所を通過する際のインクの流量よりも少なくする。
ここで、記録ヘッド1へのインクの充填とは、インクタンク5に接続された供給管6及び記録ヘッド1の内部にインクが充填されていない状態からインクを充填することをいう。すなわち、供給管6及び記録ヘッド1の内部に充填されたインク以外の流体、例えば、空気等の気体や検査液等を外部に排出して、内部にインクを充填することをいう。記録ヘッド1へのインクの充填には、例えば、インクジェット式記録装置Iを初めて使用する際の初期充填や、インクジェット式記録装置Iや記録ヘッド1のメンテナンスやクリーニング等によって内部のインクを全て排出させた後のインクの充填などが含まれる。
また、流量とは、単位時間当たりにインクが流れる量のことであり、インクの先端が特定場所を通過する際に流量を変化させて充填するとは、1回の充填において流量を変化させることをいう。
さらに、供給手段とは、液体供給源であるインクタンク5からのインクを記録ヘッド1に供給するものであり、本実施形態では、加圧手段8と圧力調整手段13とを有する。そして、本実施形態では、充填部241は、供給手段である加圧手段8と圧力調整手段13との差圧を変化させることで、インクタンク5から記録ヘッド1に供給するインクの流量を変化させる。具体的には、充填部241は、加圧手段8を制御することで、インクタンク5から記録ヘッド1へインクを加圧して供給する圧力を調整する。また、充填部241は、圧力調整手段13を制御することで、ノズルから吸引する負圧を調整する。そして、充填部241は、加圧手段8と圧力調整手段13との両方を制御することで、加圧手段8による正圧と圧力調整手段13による負圧との差圧が変化するように制御する。すなわち、加圧手段8を制御して供給するインクの正圧を小さくすることで圧力調整手段13によるキャップ131の凹部131a内の負圧との差圧は小さくなり、圧力調整手段13を制御してキャップ131の凹部131a内の負圧を小さくすることで加圧手段8による供給されるインクの正圧との差圧は小さくなる。このように充填部241が加圧手段8と圧力調整手段13とを制御して供給されるインクの正圧とキャップ131の凹部131a内の負圧との差圧を変化させることで、インクタンク5から記録ヘッド1に供給するインクの流量を変化させることができる。
なお、加圧手段8を制御してインクを供給管6に供給する圧力を調整するとは、本実施形態の加圧手段8は、ポンプからなるため、ポンプの出力を調整することで実現できる。また、圧力調整手段13を制御してキャップ131の凹部131a内の圧力を調整するとは、圧力調整装置133は、ポンプからなるため、ポンプの出力を調整することで実現できる。
また、本実施形態の圧力調整手段13は、キャップ131の凹部131a内の圧力を加圧することで、インクをノズル側から加圧(正圧)とすることも可能である。このように圧力調整手段13がノズル側から加圧することによっても加圧手段8によるインクへの供給側からの圧力との差圧は小さくなる。ただし、充填時において圧力調整手段13のキャップ131の凹部131a内を加圧する圧力は、加圧手段8の供給インクを加圧する圧力を上回らないのが好ましい(|加圧手段8の圧力|≧|圧力調整手段13の圧力|)。例えば、充填時において、圧力調整手段13により与えられるキャップ131の凹部131a内の圧力が、加圧手段8により与えられる供給インクへの圧力よりも大きくなると、インクが記録ヘッド1側からインクタンク5側に逆流してしまうからである。もちろん、充填以外のクリーニング等の目的によって圧力調整手段13の圧力が、加圧手段8の圧力よりも大きくなってもよい。
また、充填部241は、充填時において、供給管6の特定場所をインクの先端が通過する際に、インクの流量を変化させる。この特定場所とは、インク充填時に気泡が発生し易い場所のことである。充填部241は、気泡が発生し易い特定場所をインクの先端が通過する際のインク流量が小さくなるように制御する。
このような充填時に気泡が発生し易い特定場所としては、例えば、流路同士を接続する継手部分、インクに対する親和性が低い材料で流路が形成された部分、流路の内壁に傷を有する部分、流路を横断する開口面積が異なる流路同士が接続された部分、及び、曲率半径が小さい部分から選択される少なくとも1つが挙げられる。
ここで流路同士を接続する継手部分は、流路を横断する開口面積が異なる流路同士の接続部分となっている。このように流路を横断する開口面積が異なる流路同士が接続された継手部分では、インクの流れに乱流が生じ易く、充填するインクの先端部分においてインクと空気とが混ざり合ってインクに微少な気泡が発生し易い。なお、流路の開口面積とは、流路を流れるインクを横断する断面における開口面積のことである。本実施形態では、第1継手部材9及び第2継手部材10と供給管6との接続部分(継手部分)において流路の開口面積が異なる。したがって、開口面積が異なる流路同士の接続部分には、第1継手部材9及び第2継手部材10と供給管6との接続部分が含まれる。なお、例えば供給管6の第1供給管61や第2供給管62が樹脂等で一体成型され継手部分との接続部分ではなく中間部分で開口面積が変化している場合でも、同様にインクの流れに乱流が生じ易く、充填するインクの先端部分においてインクと空気とが混ざり合ってインクに微少な気泡が発生し易い。
また、インクに対する親和性が低い材料で形成された流路、すなわち、インクに対する撥液性が高い材料で形成された流路では気泡が発生し易い。これは、図7に示すように、洗浄に用いた洗浄液や検査に用いた検査液が流路内に残留して残液300となっている場合、図8に示すように、充填されたインク301と残液300とが接触し、液体が同一化する際に、残液部分だけ逆方向の力が発生する。これにより、図9に示すように、充填されたインクはそのまま進むため、残液300部分だけ空間、すなわち、気泡302が発生する。このような気泡302は、流路を形成する部材がインクに対する親和性が低い場合、すなわち、インクに対する撥液性が高い場合に、図7に示すように、残液300の接触角が高くなるため、残液300の高さが高くなり、また、充填されるインク301の先端のメニスカス形状が急峻になるために特に発生し易い。なお、残液300と充填されたインク301とが混ざり合う際の気泡は、特にインクとして昇華転写インクなどの撥液性が高いインクを用いた場合に発生し易い。
例えば、供給管6の第1供給管61を形成する材料のインクとの親和性が、第2供給管62を形成する材料のインクとの親和性よりも低い場合は、インクの先端が第1供給管61内の流路を通過する際のインクの流量を、インクの先端が第2供給管62内の流路を通過する際のインクの流量よりも小さくする。または、供給管6を形成する材料のインクとの親和性が、継手部分を形成する材料のインクとの親和性よりも低い場合は、インクの先端が供給管6内の流路を通過する際のインクの流量を、インクの先端が継手部分内の流路を通過する際のインクの流量よりも小さくする。
また、流路内の傷が発生した部分においても残液300が生じやすく、気泡302が発生し易い。なお、流路内の傷とは、例えば、樹脂を射出成形した際に発生する傷、ボイド、バリや、流路同士を接続する部分の溝状の境界部分などが挙げられる。したがって、第1継手部材9及び第2継手部材10が樹脂を射出成形したものである場合には、流路に傷が発生した部分には、第1継手部材9及び第2継手部材10が含まれる。ちなみに、第1継手部材9及び第2継手部材10を射出成形して実際には傷が生じていない場合であっても、射出成形によって形成した第1継手部材9及び第2継手部材10には供給管6に比べて傷が発生する確率が高いため、流路に傷が発生した部分には、射出成形した部材、例えば、第1継手部材9及び第2継手部材10を含むのが好ましい。ちなみに、流路内や流路同士を接続する境界部分に傷をなくすことは設計の制約や品質管理のコストが高くなり、現実的ではない。
さらに、流路の曲率半径が小さい部分では、大きい部分に比べて乱流が発生し易く、インクに微少な気泡が生じ易い。本実施形態では、図2及び図3に示すように、第1継手部材9及び第2継手部材10の流路9a、10aは略直角に屈曲して設けられているため、流路の曲率半径が小さい部分には、第1継手部材9及び第2継手部材10が含まれる。本実施形態において、流路の曲率半径が小さい部分と流路の曲率半径が大きい部分とは、該当部分の曲率半径を比較して相対的に大小関係が成り立つ部分、充填時に気泡が発生しやすくなる所定の角度未満で屈曲する流路の部分を流路の曲率半径が小さい部分、当該所定の角度以上で屈曲するまたは直線状の部分を流路の曲率半径の大きい部分とすることができる。
充填部241は、充填時において上述した特定場所の少なくとも1つをインクの先端が通過する際に、インクタンク5から記録ヘッド1に供給するインクの流量が小さくなるように制御する。本実施形態では、特定場所には、第1継手部材9及び第2継手部材10が含まれるため、充填部241は、第1継手部材9及び第2継手部材10をインクの先端が通過する際に、インクの流量が小さくなるように制御する。このように気泡が発生し易い特定部分において、流量を小さくすることで、充填されるインクの先端の流速が小さくなるため、インクに気泡が発生し難い。つまり、親和性が低い材料で形成された特定部分では、インクの先端の流速が遅くなれば、充填されるインクの先端に対して残液によって働く逆方向の力が小さくなるため、気泡が発生し難くなる。また、継手部分や曲率半径が小さい部分では、インクの先端の流速を遅くすることで乱流が抑制されるため、インクに気泡が混ざり合い難く、気泡が発生し難い。特に、本実施形態では、気泡が発生し易い特定場所において、図10に示すように、インクの流量を小さくして流速が0(ゼロ)又は略0(ゼロ)になる程度に遅くすることで、充填時のインク301の先端のメニスカスをインクの表面張力によって凹状となるようにするのが好ましい。すなわち、インク301の先端のメニスカスを凹状とするとは、インク301の先端と流路の内壁との接触角を、90度以下とすることである。これにより、残液300とインク301の先端の液面との接触角が小さくなり、気泡302を発生し難くすることができる。
なお、充填部241は、特定場所以外の場所では、インクの先端が通過する特定場所に比べてインクの流量が大きくなるように制御を行う。ちなみに、常に特定場所と同じ流量でインクを充填すると、充填に時間がかかり、インクジェット式記録装置Iを使用できないダウンタイムが長くなってしまう。特に、インクタンク5が装置本体3に固定されて、記録ヘッド1と供給管6を介して接続された構成を有する流路の経路が長いインクジェット式記録装置Iの場合にダウンタイムが長くなる不具合が顕著に表れる。また、流路の途中にインクに含まれるゴミや気泡などを捕捉するフィルターが設けられている場合、充填時の流速が遅くなることによって、気泡がフィルターを通過し難くなり、気泡排出性が低下する。本実施形態では、特定場所以外の場所では、特定場所に比べてインクの流量を大きくすることで、充填にかかる時間を短縮することができ、ダウンタイムを短くすることができると共に、気泡排出性を向上することができる。
すなわち、充填部241は、充填時のインクの先端が第1継手部材9及び第2継手部材10を通過する際に、インクタンク5から記録ヘッド1に供給されるインクの流量を小さくし、その他の部分、本実施形態では、供給管6を通過する際にインクの供給量を大きくするように供給手段である加圧手段8及び圧力調整手段13を制御する。これにより、気泡の発生し易い第1継手部材9及び第2継手部材10において気泡の発生を抑制しつつ、できるだけ短時間で且つ気泡排出性を向上してインクの充填を行うことができる。そして、流路中のインクに気泡を生じ難くすることで、インクを充填した後の印刷時において、気泡が予期せぬタイミングで記録ヘッド1に流れ込み、インク滴の吐出不良が発生するのを抑制することができる。また、インクを充填した後に、インクを強力に減圧・加圧して気泡を排除する必要がないため、無駄なインクの消費を抑制することができる。また、流路内や流路同士を接続する境界部分に傷が存在しても、気泡の発生を抑制することができるため、設計の制約や品質管理のコストが高くなるのを抑制することができる。
なお、充填部241は、インク位置取得部240が取得した充填時に供給したインクの流量に基づいて充填時におけるインクの先端の位置を把握して、流量を制御する。すなわち、インク位置取得部240が取得したインクタンク5から記録ヘッド1へインクを供給した流量によって、充填部241は、インクの先端が流路のどの位置を通過しているかを把握することができる。したがって、充填部241は、インク位置取得部240からの充填時のインクの流量に基づいてインクの先端の位置を把握して、インクタンク5から記録ヘッド1に供給するインクの流量を変化させるように制御している。
ちなみに、本実施形態では、インクの流量を検出するセンサー250を設け、インク位置取得部240はセンサー250からの流量情報に基づいて充填時のインクの先端の位置を取得するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、充填を開始してからの経過時間を測定する計時手段を設け、インク位置取得部240は、計時手段が測定した経過時間に基づいて充填時のインクの先端の位置を把握するようにしてもよい。また、供給管を通過するインクの先端位置を供給管の外部から直接検出するセンサーなどを用いて、インクの先端位置を把握するようにしてもよい。
以上説明したように、液体供給源であるインクタンク5と、インクタンク5から供給された液体であるインクをノズルから噴射する記録ヘッド1と、インクタンク5からのインクを記録ヘッド1へ供給するように、インクタンク5と記録ヘッド1との間に設けられた流路と、流路内のインクに圧力を与える供給手段と、流路内のインクの先端が流路の特定場所を通過する際に、インクの流量を変化させて充填を行うように供給手段を制御する制御部210と、を有する充填部241と、を備える。これにより、充填時のインクの先端の流速を変化させることができ、気泡が発生し易い場所でインクの流量を減少させてインクの先端の流速を低下させて、インクに気泡が発生するのを抑制することができる。また、インクに気泡が発生し難い場所ではインクの流量を増大させてインクの先端の流速を高くして、インクの充填時間を短縮することができると共に気泡排出性を向上することができる。
また、供給手段は、液体供給源であるインクタンク5からのインクを加圧する加圧手段8と、記録ヘッド1のノズル側からインクを少なくとも吸引する圧力調整手段13との少なくとも一方を具備し、充填部241は、インクタンク側の圧力とノズル側の圧力との差圧を調整することで流量を変化させることが好ましい。これにより、充填部241は、加圧手段8と圧力調整手段13との少なくとも一方を制御することにより、インクの流量を容易に制御することができる。また、充填部241が加圧手段8と圧力調整手段13との両方を制御することにより、加圧手段8及び圧力調整手段13の何れか一方のみを制御する場合に比べてインクの流量の調整を高精度に行うことができる。特に、加圧手段8のみを制御する場合には、インクが毛細管力によって流路を進んでしまう場合が考えられるが、加圧手段8と圧力調整手段13とを制御することにより、インクの先端の流速をゼロ又はゼロに近くなるまで遅くすることが可能である。
また、圧力調整手段13は、ノズル側からインクを加圧可能とすることで、充填時のインクの先端の流速をゼロ又はゼロに近くなるまで遅くすることができる。
流路は、第1供給管61内の流路及び第2供給管62内の流路の何れか一方の第1の流路と、他方の第2の流路と、第1の流路と前記第2の流路とを接続する継手部分とを有し、充填部241は、継手部分で、継手以外の部分に比べて流路内のインクの流量を低下させることが好ましい。この場合、継手部分が流路の特定場所であり、継手部分以外の部分が流路の特定場所以外である。特に、継手部分では、横断する開口面積が異なる流路同士が接続された部分である。本実施形態では、流路の継手部分である第1継手部材9及び第2継手部材10と供給管6との接続部分において流量を低下させることで、この接続部分において乱流が発生するのを抑制してインクに気泡が生じるのを抑制することができる。また、継手以外の部分では、流量を低下させないようにすることで、インクの充填を短時間で行うことができると共に気泡排出性を向上することができる。
流路は、インクとの親和性が低い材料で形成された流路と、インクとの親和性が高い材料で形成された流路とを有し、充填部241は、インクとの親和性が低い材料で形成された流路の部分で、インクとの親和性が高い材料で形成された流路の部分に比べて流路内のインクの流量を低下させることが好ましい。これによれば、インクに対して親和性が低い材料で形成された流路の部分で流量を低下させることで、インクに対して親和性が高い材料で形成された部分に比べてインクの先端の流速を低下させて、インクに気泡が生じるのを抑制することができる。また、親和性が高い材料で形成された流路の部分で流量を低下させないようにすることで、インクの充填を短時間で行うことができると共に気泡排出性を向上することができる。
充填部241は、流路の内壁に傷を有する部分で流量を低下させることが好ましい。これによれば、傷によって検査液やクリーニング液の残液が生じ、残液と充填したインクとが混ざり合う際にインクの先端の速度を遅くすることで、気泡の発生を抑制することができる。
流路は、所定の角度未満で屈曲する曲率半径が小さい部分と、所定の角度以上で屈曲するもしくは直線状の曲率半径が大きい部分とを有し、充填部241は、流路の前記曲率半径が小さい部分において曲率半径が大きい部分に比べて流路内のインクの流量を低下させることが好ましい。これによれば、流路の曲率半径が小さい部分で発生する乱流を抑制して、気泡の発生を抑制することができる。また、曲率半径が大きい部分で流量を低下させないようにすることで、インクの充填を短時間で行うことができると共に気泡排出性を向上することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1では、充填部241は、加圧手段8と圧力調整手段13との両方を制御してこれらの差圧を変化させて流量を変化させるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、加圧手段8のみを制御して加圧を変化させることで差圧を変化させるようにしてもよく、また圧力調整手段13のみを制御して負圧を変化させることで差圧を変化させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態1では、インクの充填時にインクの先端が、第1継手部材9及び第2継手部材10を通過する際に、その他の部分を通過する際よりもインクの流量が小さくなるようにしたが、もちろん、これに限定されるものではなく、その他の部分においても流量が小さくなるようにしてもよい。気泡が発生しにくい流路の特定場所以外の少なくとも一部、例えば直線状の流路部分をインクの先端が通過する際のインクの流量を、流路の特定場所をインクの先端が通過する際のインクの流量よりも大きくすることで、インクの充填を短時間で行うことができると共に気泡排出性を向上することができる。
また、上述したインクジェット式記録装置Iでは、記録ヘッド1がキャリッジ2に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド1が固定されて、記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置Iは、液体貯留手段であるインクタンク5が装置本体3に固定された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクカートリッジ等の液体供給源がキャリッジ2に搭載された構成としてもよい。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
I…液体噴射装置(インクジェット式記録装置)、1…液体噴射ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)、2…キャリッジ、2a…キャリッジ軸、3…装置本体、4…タンクホルダー、5…インクタンク(液体供給源)、6…供給管、8…加圧手段(供給手段)、9…第1継手部材、9a…流路、10…第2継手部材、10a…流路、11…駆動モーター、11a…プーリー、11b…タイミングベルト、12…搬送ローラー、13…圧力調整手段(供給手段)、61…第1供給管、62…第2供給管、131…キャップ、131a…凹部、131b…連通口、132…接続管、133…圧力調整装置、200…制御装置、210…制御部、211…制御処理部、212…記憶部、213…駆動信号生成部、220…プリントエンジン、221…機構、222…キャリッジ機構、230…外部装置、240…インク位置取得部、241…充填部、250…センサー、300…残液、301…インク、302…気泡、X…第1の方向、Y…第2の方向、Z…第3の方向

Claims (9)

  1. 液体供給源と、
    前記液体供給源から供給された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体供給源からの液体を前記液体噴射ヘッドへ供給するように、前記液体供給源と前記液体噴射ヘッドとの間に設けられた流路と、
    前記流路内の液体に圧力を与える供給手段と、前記流路内の液体の先端が前記流路の特定場所を通過する際に、前記液体の流量を変化させて充填を行うように前記供給手段を制御する制御部と、を有する充填部と、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記供給手段は、前記液体供給源からの液体を加圧する加圧手段と、前記液体噴射ヘッドのノズル側から液体を少なくとも吸引する圧力調整手段との少なくとも一方を具備し、
    前記充填部は、前記液体供給側の圧力と前記ノズル側の圧力との差圧を調整することで流量を変化させることを特徴とする請求項1記載の液体噴射装置。
  3. 前記圧力調整手段は、前記ノズル側から加圧可能であることを特徴とする請求項2記載の液体噴射装置。
  4. 前記流路は、第1の流路と、第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路とを接続する継手部分とを有し、
    前記充填部は、前記継手部分で、前記継手以外の部分に比べて前記流路内の液体の流量を低下させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記流路は、前記液体との親和性が低い材料で形成された流路と、前記液体との親和性が高い材料で形成された流路とを有し、
    前記充填部は、前記液体との親和性が低い材料で形成された流路の部分で、前記液体との親和性が高い材料で形成された流路の部分に比べて前記流路内の液体の流量を低下させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記充填部は、前記流路の内壁に傷を有する部分で流量を低下させることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  7. 前記流路は、横断する開口面積が異なる流路同士が接続される部分を有し、
    前記充填部は、前記流路の横断する開口面積が異なる流路同士が接続された部分で流量を低下させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記流路は、所定の角度未満で屈曲する曲率半径が小さい部分と、所定の角度以上で屈曲するもしくは直線状の曲率半径が大きい部分とを有し、
    前記充填部は、前記流路の前記曲率半径が小さい部分において前記曲率半径が大きい部分に比べて前記流路内の液体の流量を低下させることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  9. 液体供給源と、前記液体供給源から供給された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体供給源からの液体を前記液体噴射ヘッドへ供給するように、前記液体供給源と前記液体噴射ヘッドとの間に設けられた流路と、を具備する液体噴射装置の液体充填方法であって、
    前記液体供給源から供給される液体の先端が前記流路の特定場所を通過する際の前記流路内の液体の流量と、前記流路の特定場所以外の少なくとも一部を通過する際の前記流路内の液体の流量とを変化させて前記液体供給源から前記液体噴射ヘッドまで液体を充填させることを特徴とする液体噴射装置の充填方法。
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