JP2018197765A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各光学系の光量制御と同時に焦点深度を調節でき、かつ、混信を防止できる撮像装置を提供する。【解決手段】同一円周上に配置され、互いに同じ光軸を有する第1光学系10A及び第2光学系10Bと、第1光学系10A及び第2光学系10Bを通過した光を選択的に受光する画素が規則的に配列されたイメージセンサと、第1光学系10Aの光量を調節する第1絞り20Aと、第2光学系10Bの光量を調節する第2絞り20Bとを備えた撮像装置1において、第1絞り20A及び第2絞り20Bが、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第1遮光部と、周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる第2遮光部と、を備える。【選択図】 図3

Description

本発明は、撮像装置に係り、特に同じ光軸を有する複数の光学系を備えた撮像装置に関する。
二次元的に配列された各画素が、光の入射角に関して指向性を有するイメージセンサが知られている。また、このイメージセンサ及び複数の光学系を使用して、複数の画像を同時に撮像する撮像装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
特開2015−119456号公報
従来、この種の撮像装置には、開口量を調節できる絞りが備えられていなかった。このため、光量の調節、及び、焦点深度の調節ができない、という問題があった。
また、この種の撮像装置のイメージセンサは、各画素で各光学系からの光を選択的に受光する際、隣接する光学系からの光を完全に分離して受光するのが難しいという問題がある。すなわち、光の分離は、マイクロレンズ及び遮光マスクを利用して行われるが、マイクロレンズの収差や、遮光マスクの形状誤差及び位置誤差などがあるため、隣接する光学系からの光を完全に分離するのが難しいという問題がある。この結果、各画素において、隣接する光学系の光が混ざって受光され、混信が生じる。混信が生じると、他の光学系の画像が、うっすらと重なった画像(図51参照)が撮像される、という問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、各光学系の光量制御と同時に焦点深度を調節でき、かつ、混信を防止できる撮像装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段は、次のとおりである。
(1)同一円周上に配置され、互いに同じ光軸を有する複数の光学系と、複数の光学系を通過した光を選択的に受光する画素が規則的に配列されたイメージセンサと、複数の光学系を通る光の光量を調節する絞りと、を備えた撮像装置であって、絞りは、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第1遮光部と、周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる第2遮光部と、を備える、撮像装置。
本態様によれば、絞りによって各光学系を通る光の光量を調節できる。絞りは、第1遮光部及び第2遮光部を備える。第1遮光部は、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる。第2遮光部は、周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる。第1遮光部及び第2遮光部を組み合わせて光量を調節することにより、各光学系の光量制御と同時に焦点深度を調節でき、かつ、混信を防止できる。焦点深度は、開口部の最大幅に応じて変化する。すなわち、開口部の最大幅が小さくなるほど、焦点深度は深くなる。したがって、開口部の最大幅が変化するように、第1遮光部及び第2遮光部で開口部を遮光することにより、焦点深度を調節できる。一方、混信は、各光学系の開口部の境界が拡がるほど改善される。したがって、各光学系の開口部の境界が拡がるように、第1遮光部及び第2遮光部で開口部を遮光することにより、混信を防止できる。
(2)絞りは、径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第3遮光部を更に備える、上記(1)の撮像装置。
本態様によれば、絞りが更に第3遮光部を備える。第3遮光部は、径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる。更に第3遮光部を組み合わせて光量を調節することにより、より効果的に焦点深度を調節でき、かつ、混信を防止できる。
(3)光学系は、互いに異なる撮像特性を有する、上記(1)又は(2)の撮像装置。
本態様によれば、複数の光学系が互いに異なる撮像特性を有する。ここで、撮像特性が異なるとは、レンズとしての作用が異なるこという。たとえば、焦点距離や合焦距離が異なる場合などである。
(4)光学系は、互いに焦点距離が異なる、上記(3)の撮像装置。
本態様によれば、複数の光学系が、互いに焦点距離の異なる光学系で構成される。これにより、たとえば、広角画像及び望遠画像のように、焦点距離の異なる複数の画像を一度に撮像できる。
(5)光学系は、互いに合焦距離が異なる、上記(3)の撮像装置。
本態様によれば、複数の光学系が、互いに合焦距離の異なる光学系で構成される。これにより、たとえば、近距離の被写体に合焦した画像及び遠距離の被写体に合焦した画像のように、合焦距離の異なる複数の画像を一度に撮像できる。
(6)光学系は、互いに透過波長特性が異なる、上記(3)の撮像装置。
本態様によれば、複数の光学系が、互いに透過波長特性の異なる光学系で構成される。たとえば、2つの光学系を有する場合において、一方を可視光での撮像に適した光学系で構成し、他方を赤外光での撮像に適した光学系で構成する。これにより、可視光画像及び赤外光画像の両方を一度に撮像できる。
(7)中央光学系と、中央光学系と同心状に配置可能な環状の光学系の一部で構成され、中央光学系と同じ光軸を有する少なくとも一つの外周光学系と、中央光学系を通過した光を選択的に受光する画素及び外周光学系を通過した光を選択的に受光する画素が規則的に配列されたイメージセンサと、外周光学系を通る光の光量を調節する外周絞りと、を備えた撮像装置であって、外周絞りは、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第1遮光部と、周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる第2遮光部と、を備える、撮像装置。
本態様によれば、外周絞りによって外周光学系の光量を調整できる。外周絞りは、第1遮光部及び第2遮光部を備える。第1遮光部は、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる。第2遮光部は、周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる。第1遮光部及び第2遮光部を組み合わせて光量を調節することにより、外周光学系について、光量制御と同時に焦点深度を調節できる。また、中央光学系との間で混信を防止できる。
(8)外周絞りは、径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第3遮光部を更に備える、上記(7)の撮像装置。
本態様によれば、外周絞りが更に第3遮光部を備える。第3遮光部は、径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる。更に第3遮光部を組み合わせて光量を調節することにより、より効果的に焦点深度を調節でき、かつ、混信を防止できる。
(9)中央光学系を通る光の光量を調節する中央絞りを更に備え、中央絞りは、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる、上記(7)又は(8)の撮像装置。
本態様によれば、中央絞りによって中央光学系の光量を調節できる。中央絞りは、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる。これにより、中央光学系について、光量制御と同時に焦点深度を調節できる。また、外周光学系との間で混信を防止できる。
(10)外周光学系は、光軸と直交する断面において、環状の光学系を扇状に切り出した形状を有する、上記(7)から(9)のいずれかの撮像装置。
本態様によれば、外周光学系が、光軸と直交する断面において、環状の光学系を扇状に切り出した形状を有する。これにより、外周光学系を容易に製造できる。すなわち、環状の光学系を所望の中心角で扇状に切り出すだけなので、容易に製造できる。
(11)外周光学系は、光軸と直交する断面において、環状の光学系を扇状に切り出し、更に、外周部及び内周部を互いに平行に切り出した形状を有する、上記(10)の撮像装置。
本態様によれば、外周光学系が、光軸と直交する断面において、環状の光学系を扇状に切り出し、更に、外周部及び内周部を互いに平行に切り出した形状を有する。これにより、外周光学系を構成する個々の光学素子の保持が容易になる。
(12)外周光学系は、光軸と直交する断面において、環状の光学系から光軸を挟んで互いに平行な2本の直線で挟まれる領域を切り出した形状を有する、上記(7)から(9)のいずれかの撮像装置。
本態様によれば、外周光学系が、光軸と直交する断面において、環状の光学系から光軸を挟んで互いに平行な2本の直線で挟まれる領域を切り出した形状を有する。これにより、外周光学系を構成する個々の光学素子の保持が容易になる。
(13)外周光学系は、光軸と直交する断面において、環状の光学系から光軸を挟んで互いに平行な2本の第1直線、及び、第1直線と直交し互いに平行な2本の第2直線で囲われる領域を切り出した形状を有する、上記(7)から(9)のいずれかの撮像装置。
本態様によれば、外周光学系が、光軸と直交する断面において、環状の光学系から光軸を挟んで互いに平行な2本の第1直線、及び、第1直線と直交し互いに平行な2本の第2直線で囲われる領域を切り出した形状を有する。これにより、外周光学系を構成する個々の光学素子の形状が、矩形断面を有する形状となり、その保持が容易になる。
(14)外周光学系は、開口部の最大幅が環状の光学系の内径以下である、上記(7)から(139のいずれかの撮像装置。
本態様によれば、外周光学系の開口部の最大幅が、環状の光学系の内径以下とされる。これにより、環状の光学系に比して、焦点深度を深くできる。なお、開口部とは、光学系において光が通る部分をいう。したがって、光軸と直交する断面において、光を遮るものがない場合は、その断面の全体が開口部となる。光軸と直交する断面において、光学系の最大幅が環状の光学系の内径よりも大きい場合は、遮光部材等で光を遮り、環状の光学系の内径以下にする。これにより、環状の光学系に比して焦点深度を深くできる。
(15)外周光学系が、環状の反射光学系の一部で構成される、上記(7)から(14)のいずれかの撮像装置。
本態様によれば、外周光学系が、環状の反射光学系の一部で構成される。これにより、外周光学系を望遠レンズで構成する場合に軽量かつコンパクトな構成にできる。
(16)外周光学系が、環状の屈折光学系の一部で構成される、上記(7)から(14)のいずれかの撮像装置。
本態様によれば、外周光学系が、環状の屈折光学系の一部で構成される。屈折光学系とは、光学素子に鏡を含まない光学系であり、レンズの屈折のみで所望の撮像特性を実現する光学系である。
(17)中央光学系及び外周光学系は、互いに異なる撮像特性を有する、上記(7)から(16の)いずれかの撮像装置。
本態様によれば、複数の光学系が互いに異なる撮像特性を有する。これにより、撮像特性の異なる画像を一度に撮像できる。
(18)中央光学系及び外周光学系は、互いに焦点距離が異なる、上記(17)の撮像装置。
本態様によれば、中央光学系及び外周光学系が、互いに焦点距離が異なる光学系で構成される。これにより、広角画像と望遠画像を同時に撮像できる。
(19)中央光学系及び外周光学系は、互いに合焦距離が異なる、上記(17)の撮像装置。
本態様によれば、中央光学系及び外周光学系が、互いに透過波長特性が異なる光学系で構成される。たとえば、中央光学系を可視光での撮像に適した光学系で構成し、外周光学系を赤外光での撮像に適した光学系で構成する。これにより、1つのレンズ装置で可視光画像及び赤外光画像の両方を撮像できる。
(20)中央光学系及び外周光学系は、互いに透過波長特性が異なる、上記(17)の撮像装置。
本態様によれば、中央光学系及び外周光学系が、互いに合焦距離が異なる光学系で構成される。これにより、たとえば、近距離の被写体に合焦する画像及び遠距離の被写体に合焦する画像を同時に撮像できる。
本発明によれば、各光学系の光量制御と同時に焦点深度を調節でき、かつ、混信も防止できる。
第1の実施の形態の撮像装置のシステム構成を示すブロック図 レンズ装置の概略構成を示す正面図 レンズ装置の概略構成を示す断面図 レンズ装置の動作状態を示す断面図 第1絞り及び第2絞りを構成する液晶絞りの概略構成を示す斜視図 第1液晶パネルの概略構成を示す正面図 第1液晶パネルの動作状態を示す正面図 第2液晶パネルの概略構成を示す正面図 第2液晶パネルの動作状態を示す正面図 第1液晶パネル及び第2液晶パネルを組み合わせて構成される液晶絞りの動作状態を示す正面図 イメージセンサの受光の概念図 イメージセンサを構成する画素の概略構成を示す断面図 隣接する第1画素及び第2画素の入射角感度特性を示す図 絞りによる混信防止効果を説明する図 第1遮光部を構成する第1液晶パネルの変形例を示す正面図 図15に示す第1液晶パネルの動作状態を示す正面図 図15に示す第1液晶パネル及び図8に示す第2液晶パネルを組み合わせて構成される液晶絞りの動作状態を示す正面図 第1液晶パネルの分割方向と直交する方向に一定の幅間隔で分割した構成の第2液晶パネルの正面図 第1遮光部及び第3遮光部として機能する第1液晶パネルの動作状態を示す正面図 径方向の両側から遮光領域を拡大させて光量を調整する場合の液晶絞りの動作状態を示す正面図 1枚で第1遮光部、第2遮光部及び第3遮光部の機能を有する液晶パネルの概略構成を示す正面図 第1絞り及び第2絞りを構成するメカニカル絞りの概略構成を示す斜視図 第1メカニカル絞りの概略構成を示す正面図 第2メカニカル絞りの概略構成を示す正面図 第1メカニカル絞り及び第2メカニカル絞りを組み合わせて構成されるメカニカル絞りの動作状態を示す正面図 4つの光学系で構成されるレンズ装置の概略構成を示す正面図 図26に示すレンズ装置の絞りの動作状態を示す正面図 絞りの遮光領域の可変態様を示す図 第2の実施の形態の撮像装置のシステム構成を示すブロック図 レンズ装置の概略構成を示す斜視図 レンズ装置の概略構成を示す断面図 図31の32−32断面図 中央光学系の光線軌跡を示す図 外周光学系の構成を説明する斜視図 外周光学系の光線軌跡を示す断面図 中央絞りの構成を示す正面図 中央絞りの動作状態を示す正面図 外周絞りの概略構成を示す斜視図 第1液晶パネルの概略構成を示す正面図 第1液晶パネルの動作状態を示す正面図 第2液晶パネルの概略構成を示す正面図 第2液晶パネルの動作状態を示す正面図 第1液晶パネル及び第2液晶パネルを組み合わせて構成される外周絞りの動作状態を示す正面図 第1液晶パネルの変形例を示す正面図 2つの外周光学系を備えたレンズ装置の概略構成を示す正面図 図45の46−46断面図 外周光学系の開口形状の第1の変形例を示す正面図 外周光学系の開口形状の第2の変形例を示す正面図 外周光学系の開口形状の第3の変形例を示す正面図 外周光学系が屈折光学系で構成されたレンズ装置の概略構成を示す断面図 混信が生じた画像の一例を示す図 混信のメカニズムの説明する図 真の第1画像Iw1、真の第2画像It1、出力第1画像Iw2、出力第2画像It2及び検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの関係を示す図 図53に示す行列式に対して「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列M」の逆行列M−1を適用して得られる行列式を示す図 図54の行列式を簡略化して表した行列式を示す図 図55に示す「W1」を構成する要素w1_11〜w1_mnを示す図 図55に示す行列式に基づいて導出される「w1_ij」の算出式を示す図 図55に示す行列式に基づいて導出される「t1_ij」の算出式を示す図 混信低減処理を行った場合に得られる第1画像及び第2画像の一例を示す図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
[第1の実施の形態]
《第1の実施の形態の撮像装置の装置構成》
図1は、第1の実施の形態の撮像装置のシステム構成を示すブロック図である。
本実施の形態の撮像装置1は、主として、レンズ装置10と、イメージセンサ30と、レンズ駆動制御部41と、イメージセンサ駆動制御部42と、アナログ信号処理部43と、デジタル信号処理部44と、表示部45と、内部メモリ46と、メディアインターフェース47と、システム制御部48と、操作部49と、を備えて構成される。
〈レンズ装置〉
図2は、レンズ装置の概略構成を示す正面図である。図3は、レンズ装置の概略構成を示す断面図である。図4は、レンズ装置の動作状態を示す断面図である。
レンズ装置10は、第1光学系10A及び第2光学系10Bを備える。第1光学系10A及び第2光学系10Bは、互いに同じ光軸Lを有し、光軸Lを中心とする同一円周上に配置される。
第1光学系10A及び第2光学系10Bは、1つの光学系を2分割した光学系で構成される。すなわち、1つの光学系を2分割したときの一方の光学系が第1光学系10Aを構成し、他方の光学系が第2光学系10Bを構成する。したがって、第1光学系10A及び第2光学系10Bは、光学系として、同じ構造を有し、かつ、同じ撮像特性を有する。
−第1光学系−
第1光学系10Aは、3群4枚のレンズで構成される単焦点の光学系であり、物体側から順に第1光学系第1レンズ10a1、第1光学系第2レンズ10a2、第1光学系第3レンズ10a3及び第1光学系第4レンズ10a4が光軸Lに沿って配置される。各構成要素は、半円形状を有する。
第1光学系第2レンズ10a2及び第1光学系第3レンズ10a3の間には、第1絞り20Aが備えられる。第1絞り20Aは、いわゆる液晶絞りで構成され、第1光学系10Aを通る光の光量を調節する。第1絞り20Aの構成については、後に詳述する。
第1光学系10Aの各構成要素は、それぞれ図示しない第1光学系保持枠に保持されて所定位置に配置される。第1光学系保持枠は、図示しない繰り出し機構によって、光軸Lに沿って前後移動可能に支持される。図4に示すように、第1光学系10Aは、第1光学系保持枠を光軸Lに沿って前後移動させることにより、全体が光軸Lに沿って前後移動する。これにより、第1光学系10Aの焦点調節が行われる。
−第2光学系−
第2光学系10Bの構成は、第1光学系10Aと同じである。すなわち、3群4枚のレンズで構成され、物体側から順に第2光学系第1レンズ10b1、第2光学系第2レンズ10b2、第2光学系第3レンズ10b3及び第2光学系第4レンズ10b4が光軸Lに沿って配置される。各構成要素は、半円形状を有する。
第2光学系第2レンズ10b2及び第2光学系第3レンズ10b3の間には、第2絞り20Bが備えられる。第2絞り20Bは、いわゆる液晶絞りで構成され、第2光学系10Bを通る光の光量を調節する。
第2光学系10Bの各構成要素は、それぞれ図示しない第2光学系保持枠に保持されて所定位置に配置される。第2光学系保持枠は、図示しない繰り出し機構によって、光軸Lに沿って前後移動可能に支持される。図4に示すように、第2光学系10Bは、第2光学系保持枠を光軸Lに沿って前後移動させることにより、全体が光軸Lに沿って前後移動する。これにより、第2光学系10Bの焦点調節が行われる。
−第1絞り及び第2絞り−
第1絞り20A及び第2絞り20Bの構成は同じであり、共に液晶絞りで構成される。
図5は、第1絞り及び第2絞りを構成する液晶絞りの概略構成を示す斜視図である。
図5に示すように、液晶絞り20は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24を重ね合わせて構成される。第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24は、共に半円形状を有し、重ね合わせることで、全体として半円形状の液晶絞り20を構成する。
図6は、第1液晶パネルの概略構成を示す正面図である。
第1液晶パネル22は、第1遮光部の一例である。第1液晶パネル22は、STN液晶パネル(STN:Super Twisted Nematic liquid crystal)やDSTN液晶パネル(DSTN:Dual scan Super Twisted Nematic)、TFT液晶パネル(TFT:Thin Film Transistor)等の液晶パネルで構成される。
第1液晶パネル22は、径方向に一定の幅で分割された複数の帯状の領域22a〜22jを有する。各領域22a〜22jは、第1液晶ドライバ26によって、それぞれ独立して制御され、透光状態又は遮光状態に設定される。
図7は、第1液晶パネルの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、開放状態、すなわち、遮光していない状態を示している。同図(B)は、1段階遮光した状態を示している。同図(C)は、5段階遮光した状態を示している。同図(D)は、9段階遮光した状態を示している。なお、図7(B)〜(D)において、斜線で示した領域が遮光状態の領域である。
図7(A)〜(D)に示すように、第1液晶パネル22は、径方向の内側から外側に向けて順に遮光領域を拡大させて光量を減少させる。
図8は、第2液晶パネルの概略構成を示す正面図である。
第2液晶パネル24は、第2遮光部の一例である。第2液晶パネル24は、STN液晶パネルやDSTN液晶パネル、TFT液晶パネル等の液晶パネルで構成される。
第2液晶パネル24は、周方向に一定の角度間隔で分割された複数の扇状の領域24a〜24jを有する。各領域24a〜24jは、左右対称に対を構成する。各領域24a〜24jは、第2液晶ドライバ28によって、それぞれ独立して制御され、透光状態又は遮光状態に設定される。
図9は、第2液晶パネルの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、開放状態、すなわち、遮光していない状態を示している。同図(B)は、1段階遮光した状態を示している。同図(C)は、5段階遮光した状態を示している。同図(D)は、9段階遮光した状態を示している。なお、図9(B)〜(D)において、斜線で示した領域が遮光状態の領域である。
図9(A)〜(D)に示すように、第2液晶パネル24は、周方向の両側から内側に向けて順に遮光領域を拡大させて光量を減少させる。
図10は、第1液晶パネル及び第2液晶パネルを組み合わせて構成される液晶絞りの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、開放状態、すなわち、最も開いた状態を示している。同図(B)は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24をそれぞれ1段階遮光した状態を示している。同図(C)は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24をそれぞれ5段階遮光した状態を示している。同図(D)は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24をそれぞれ9段階遮光した状態を示しており、最も絞った状態を示している。
図10(A)〜(D)に示すように、液晶絞り20は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24の組み合わせによって、その開口形状が変化する。すなわち、第1液晶パネル22の遮光状態、及び、第2液晶パネル24の遮光状態の組み合わせによって、その開口形状が変化する。したがって、液晶絞り20の開口の制御は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24を個別に制御することにより行われる。
液晶絞り20の開口形状は、絞り値ごとに定められる。第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24は、設定された絞り値に応じて、その駆動が制御される。
この際、第1液晶パネル22を優先して動作させることにより、混信を効果的に防止できる。すなわち、絞り込む際に第1液晶パネル22を優先して動作させることにより、第1光学系10A及び第2光学系10Bの開口領域の境界を拡大させるように遮光できる。これにより、混信を適切に防止できる。この点については、後に詳述する。
また、液晶絞り20は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24の少なくとも一方を全て遮光状態とすることにより、通過する光を完全に遮光できる。これにより、液晶絞り20をシャッターとして機能させることができる。
以上の構成のレンズ装置10は、第1光学系10A及び第2光学系10Bを光軸Lに沿って個別に前後移動させることにより、第1光学系10A及び第2光学系10Bの焦点を個別に調節できる。また、第1光学系10A及び第2光学系10Bに個別に備えられた絞りを個別に制御することにより、第1光学系10A及び第2光学系10Bの光量を個別に調節できる。
〈イメージセンサ〉
図11は、イメージセンサの受光の概念図である。
イメージセンサ30は、いわゆる指向性センサで構成される。指向性センサとは、各画素が光の入射角に関して指向性を有するイメージセンサである。
本実施の形態のイメージセンサ30は、第1光学系10Aを通過した光を選択的に受光する画素、及び、第2光学系10Bを通過した光を選択的に受光する画素を一定の配列規則に従って二次元的に配列して構成される。
第1光学系10Aを通過した光を選択的に受光する画素を第1画素32A、第2光学系10Bを通過した光を選択的に受光する画素を第2画素32Bとすると、本実施の形態のイメージセンサ30では、第1画素32A及び第2画素32Bが交互に配置される。
図12は、イメージセンサを構成する画素の概略構成を示す断面図である。
イメージセンサ30の各画素は、光電変換素子34と、マイクロレンズ36と、遮光マスク38と、を備える。
光電変換素子34は、光を受け、受けた光の強さに比例した電荷を蓄積する。光電変換素子34は、たとえば、フォトダイオードで構成される。
マイクロレンズ36は、光電変換素子34の前方に配置される。マイクロレンズ36は、第1光学系10A及び第2光学系10Bの瞳像を光電変換素子34に結像させる。
遮光マスク38は、マイクロレンズ36と光電変換素子34との間に配置される。遮光マスク38は、マイクロレンズ36を通過した光の一部を遮光する。第1画素32Aの遮光マスク38は、第2光学系10Bを通過した光を遮光する構成とされ、第2画素32Bの遮光マスク38は、第1光学系10Aを通過した光を遮光する構成とされる。これにより、第1画素32Aを構成する光電変換素子34には、第1光学系10Aを通過した光が選択的に受光され、第2画素32Bを構成する光電変換素子34には、第2光学系10Bを通過した光が選択的に受光される。
このように、イメージセンサ30は、各画素が光の入射角に応じて異なる感度をもって構成される。すなわち、第1画素32Aは、第1光学系10Aを介して入射する光を高感度に受光し、第2画素32Bは、第2光学系10Bを介して入射する光を高感度に受光する構成とされる。
イメージセンサ30は、各画素に蓄積された電荷を読み出して、電気信号として出力する。第1画素32Aに蓄積された電荷の電気信号を取得することにより、第1光学系10Aを介して得られる画像の画像信号を取得でき、第2画素32Bに蓄積された電荷の電気信号を取得することにより、第2光学系10Bを介して得られる画像の画像信号を取得できる。
なお、カラー画像を取得する場合には、各画素に所定のフィルタ配列でカラーフィルタが配置される。たとえば、赤(R:Red)、緑(G:Green)、青(B:Blue)の3色からなるカラーフィルタがベイヤー配列で配置される。これにより、カラー画像を取得できる。
イメージセンサ30は、たとえば、CCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)で構成できる。
〈レンズ駆動制御部〉
レンズ駆動制御部41は、システム制御部48からの指令に基づき、レンズ装置10の駆動を制御する。すなわち、第1絞り20A及び第2絞り20Bを制御する。
〈イメージセンサ駆動制御部〉
イメージセンサ駆動制御部42は、システム制御部48からの指令に基づき、イメージセンサ30の駆動を制御する。すなわち、イメージセンサ30からの画像信号の読み出しを制御する。
〈アナログ信号処理部〉
アナログ信号処理部43は、イメージセンサ30から出力される画素ごとのアナログの画像信号を取り込み、所定の信号処理を施した後、デジタル信号に変換して出力する。
〈デジタル信号処理部〉
デジタル信号処理部44は、デジタル信号に変換された画素ごとの画像信号を取り込み、所定の信号処理を施して、画像データを生成する。この際、デジタル信号処理部44は、イメージセンサ30の第1画素32Aの画像信号に基づいて、第1画像データを生成し、第2画素32Bの画像信号に基づいて、第2画像データを生成する。第1画像データは、第1光学系10Aを介して撮像される第1画像の画像データであり、第2画像データは、第2光学系10Bを介して撮像される第2画像の画像データである。
〈表示部〉
表示部45は、たとえば、液晶モニタで構成され、撮像済みの画像や撮像中の画像(いわゆるライブビュー画像)を表示する。また、表示部45は、必要に応じてGUI(GUI: Graphical User Interface)として機能する。
〈内部メモリ〉
内部メモリ46は、たとえば、RAM(RAM: Random Access Memory)で構成され、ワークメモリとして機能する。
〈メディアインターフェース〉
メディアインターフェース47は、システム制御部48から指令に基づいて、メモリーカード等の外部メモリ50に対して、データの読み書きを行う。
〈システム制御部〉
システム制御部48は、撮像装置全体の動作を統括制御する。システム制御部48は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Member)、RAMを備えたマイクロコンピュータで構成され、所定の制御プログラムを実行して、撮像装置1の全体を制御する。制御に必要なプログラム及び各種データは、ROMに格納される。
〈操作部〉
操作部49は、電源ボタンやシャッターボタン等の各種操作ボタン、及び、その駆動回路を備えて構成される。操作部49の操作情報は、システム制御部48に入力される。システム制御部48は、操作部49からの操作情報に基づいて、各部を制御する。
撮像装置1は、以上のように構成される。なお、本実施の形態の撮像装置1では、イメージセンサ駆動制御部42と、アナログ信号処理部43と、システム制御部48と、が協働して画像信号取得部を構成する。すなわち、イメージセンサ駆動制御部42と、アナログ信号処理部43と、システム制御部48と、が協働して、第1光学系10Aを介して得られる第1画像の画像信号、及び、第2光学系10Bを介して得られる第2画像の画像信号をイメージセンサ30から取得する。取得された第1画像信号及び第2画像信号は、内部メモリ46に格納される。
《第1の実施の形態の撮像装置の作用》
〈撮像動作〉
画像を記録するための撮像は、操作部49からの指示に基づいて実行される。ここでは、シャッターボタンの全押しで撮像の実行が指示されるものとする。
まず、各光学系の焦点調節が行われる。焦点調節は、光学系ごとに行われる。第1光学系10Aは、第1光学系10Aの全体を光軸Lに沿って前後移動させることにより、その焦点調節が行われる。第2光学系10Bは、第2光学系10Bの全体を光軸Lに沿って前後移動させることにより、その焦点調節が行われる。
各光学系の焦点合わせが完了したら、シャッターボタンを全押しして、撮像の実行を指示する。
シャッターボタンが全押しされると、まず、測光処理が実施される。システム制御部48は、イメージセンサ30から得られる画像信号に基づいて、EV値(exposure value)を求め、露出を決定する。すなわち、撮像時における絞り値及びシャッター速度を決定する。
露出が決定すると、画像の記録処理が実施される。システム制御部48は、レンズ駆動制御部41を介して、第1絞り20A及び第2絞り20Bを制御し、決定した絞り値に設定する。そして、決定したシャッター速度でイメージセンサ30を露光させ、記録用の画像を撮像する。
撮像により得られた画素ごとの画像信号は、イメージセンサ30からアナログ信号処理部43に出力される。アナログ信号処理部43は、イメージセンサ30から出力された画素ごとの画像信号を取り込み、所定の信号処理を施した後、デジタル信号に変換して出力する。
アナログ信号処理部43から出力された画素ごとの画像信号は、内部メモリ46に取り込まれ、その後、デジタル信号処理部44に送られる。デジタル信号処理部44は、得られた画像信号に所定の信号処理を施して、第1画像データ及び第2画像データを生成する。すなわち、イメージセンサ30の第1画素32Aの画像信号に基づいて、第1画像の画像データである第1画像データを生成する。また、第2画素32Bの画像信号に基づいて、第2画像の画像データである第2画像データを生成する。生成された第1画像データ及び第2画像データは、メディアインターフェース47を介して外部メモリ50に記録される。
このように、本実施の形態の撮像装置1によれば、一度に2枚の画像を撮像できる。この際、各光学系で個別に焦点調節するので、2枚とも適切に主要被写体に合焦した画像を撮像できる。また、各光学系で個別に光量調節するので、2枚とも適正な露出の画像を撮像でき、かつ、所望の暈け量の画像を撮像できる。
更に、本実施の形態の撮像装置1によれば、第1光学系10A及び第2光学系10Bにおいて、第1絞り20A及び第2絞り20Bを絞り込む際に、第1光学系10A及び第2光学系10Bの開口領域の境界を拡大させるように遮光して光量を調節するので、混信を適切に防止できる。以下において、この点を更に詳しく説明する。
〈絞りによる混信防止効果〉
図13は、隣接する第1画素及び第2画素の入射角感度特性を示す図である。
横軸は、光の入射角を示している。縦軸は、画素を構成する光電変換素子の感度を示している。入射角は、画素に垂直に入射する光を0°としている。
同図において、符号S1は、第1画素32Aの入射角感度特性のグラフである。また、符号S2は、第2画素32Bの入射角感度特性のグラフである。
第1画素32Aは、第1光学系10Aに対応した入射角の光に高い感度を有し、第2画素32Bは、第2光学系10Bに対応した入射角の光に高い感度を有する。
しかしながら、マイクロレンズの収差や、遮光マスクの形状誤差及び位置誤差などのため、第1画素32A及び第2画素32Bにおいて、各光学系からの光を完全に分離して受光するのは難しい。
このため、図13に示すように、2つのグラフS1、S2の間で重なり合う領域Zが発生する。この重なり合う領域Zで混信が発生する。そして、この重なり合う領域Zは、2つの光学系の境界を中心とする領域で発生する。
図14は、絞りによる混信防止効果を説明する図である。
図14(A)は、絞りがない場合の各画素の受光状態を示している。
いま、第1光学系10Aを介して第1画素32A及び第2画素32Bに入射する光束をLx1、第2光学系10Bを介して第1画素32A及び第2画素32Bに入射する光束をLx2とすると、両者が重なり合う領域Sxで混信が生じる。
図14(B)〜(D)は、絞りがある場合の各画素の受光状態を示している。
絞りは、(B)、(C)、(D)の順で絞る量を増やしている。絞る際、各光学系の開口領域の境界が拡大するように絞っている。
図14(B)〜(D)に示すように、絞りを備えることにより、混信が生じる入射角の光を遮光できる。そして、各光学系の開口領域の境界が拡大するように絞ることにより、混信が生じる入射角の光をより多く遮光できる。
このように、各光学系に絞りを設置し、各光学系の開口領域の境界が拡大するように絞ることにより、光量調節と同時に混信を防止できる。
なお、液晶絞り20で構成される第1絞り20A及び第2絞り20Bは、主として、第1液晶パネル22の機能、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる機能によって、混信防止が実現される。
一方、第2液晶パネル24は、主として、開口径を調節する機能を提供する。開口径は、焦点深度に関係し、開口径が小さくなるほど焦点深度が拡大する。第2液晶パネル24のように、周方向の両側から遮光領域を拡大させることにより、開口部の最大径(幅)を小さくでき、絞り込みと同時に焦点深度を拡大させることができる。
《第1絞り及び第2絞りを構成する絞りの変形例》
〈第1遮光部の遮光形態の変形例〉
絞りは、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第1遮光部、及び、周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる第2遮光部を備えて構成される。
上記実施の形態では、第1遮光部が、径方向の内側から外側に向けて直線的に遮光領域を拡大させている。第1遮光部は、円弧状に遮光領域を拡大させて、光量を減少させる構成とすることもできる。
図15は、第1遮光部を構成する第1液晶パネルの変形例を示す正面図である。
本例の第1液晶パネル22は、一定の幅で同心円状に分割された円弧状の領域22a〜22jを有する。各領域22a〜22jは、第1液晶ドライバ26によって、それぞれ独立して制御され、透光状態又は遮光状態に設定される。
図16は、図15に示す第1液晶パネルの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、開放状態、すなわち、遮光していない状態を示している。同図(B)は、1段階遮光した状態を示している。同図(C)は、5段階遮光した状態を示している。同図(D)は、9段階遮光した状態を示している。なお、図16(B)〜(D)において、斜線で示した領域が遮光状態の領域である。
図16(A)〜(D)に示すように、本例の第1液晶パネル22は、径方向の内側から外側に向けて円弧状に遮光領域を拡大させて光量を減少させる。
このように、第1遮光部は、径方向の内側から外側に向けて円弧状に遮光領域を拡大させて、光量を減少させる構成とすることもできる。
図17は、図15に示す第1液晶パネル及び図8に示す第2液晶パネルを組み合わせて構成される液晶絞りの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、開放状態、すなわち、最も開いた状態を示している。同図(B)は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24をそれぞれ1段階遮光した状態を示している。同図(C)は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24をそれぞれ5段階遮光した状態を示している。同図(D)は、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24をそれぞれ9段階遮光した状態を示しており、最も絞った状態を示している。
図17(A)〜(D)に示すように、本例の液晶絞り20も、第1液晶パネル22及び第2液晶パネル24の組み合わせによって、その開口形状が変化する。すなわち、第1液晶パネル22の遮光状態、及び、第2液晶パネル24の遮光状態の組み合わせによって、その開口形状が変化する。
〈第2遮光部の遮光形態の変形例〉
上記実施の形態では、第2遮光部として機能する第2液晶パネルが、周方向の両側から遮光領域を拡大させて光量を減少させている。
第2遮光部は、周方向の片側から遮光領域を拡大させて光量を減少させる構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、第2液晶パネルが、周方向に一定の角度間隔で分割される構成としているが、第1液晶パネルの分割方向と直交する方向に一定の幅間隔で分割する構成としてもよい。
図18は、第1液晶パネルの分割方向と直交する方向に一定の幅間隔で分割した構成の第2液晶パネルの正面図である。
同図に示すように、第2液晶パネル24は、一定の幅で分割された複数の帯状の領域24a〜24jを有する。この場合、第2液晶パネル24は、複数に分割された各領域24a〜24jの両側から遮光領域を拡大させて、光量を減少させる。本例のように、帯状の領域に分割して遮光する場合も、周方向から遮光する態様に含まれる。
〈第3遮光部〉
第1絞り20A及び第2絞り20Bを構成する絞りは、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第1遮光部、及び、周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる第2遮光部に加えて、更に径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第3遮光部を備えて構成することもできる。
上記実施の形態の液晶絞り20において、第3遮光部の機能は、第1液晶パネル22で実現される。すなわち、第1液晶パネル22において、遮光する際、径方向の外側の領域から順に遮光状態に切り替える。これにより、径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させることができる。
図19は、第1遮光部及び第3遮光部として機能する第1液晶パネルの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、径方向の内側から3段階遮光した状態を示している。同図(B)は、径方向の内側から3段階遮光し、かつ、外側から1段階遮光した状態を示している。同図(C)は、径方向の内側から4段階遮光し、かつ、外側から4段階遮光した状態を示している。同図(D)は、径方向の内側から4段階遮光し、かつ、外側から5段階遮光した状態を示している。なお、同図において、斜線で示した領域が遮光状態の領域である。
図19(B)〜(D)に示すように、第1液晶パネル22において、径方向の外側の領域から順に透光状態から遮光状態に切り替えることにより、径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させることができる。
このように、径方向に遮光領域を拡大して、光量を調節する場合、径方向の両側から遮光領域を拡大させることができる。
しかし、径方向の両側から遮光領域を拡大させて、光量を調節する場合、内側を優先させることが好ましい。すなわち、最初に内側から遮光領域を拡大させて、光量を調節する。これにより、混信を効果的に防止できる。
混信は、径方向の内側から外側に向けて一定範囲遮光すれば防止できる。したがって、径方向の両側から遮光領域を拡大させて、光量を調整する場合は、最初に径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させ、その後、外側から内側に向けて遮光領域を拡大させることが好ましい。そして、外側からの遮光に切り替えるタイミングは、混信防止が完了するタイミングとすることが好ましい。
図20は、径方向の両側から遮光領域を拡大させて光量を調整する場合の液晶絞りの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、第1液晶パネル22を径方向の内側から3段階遮光した状態を示している。同図(B)は、第1液晶パネル22を径方向の内側から3段階遮光すると同時に外側から1段階遮光し、かつ、第2液晶パネル24を8段階遮光した状態を示している。同図(C)は、第1液晶パネル22を径方向の内側から3段階遮光すると同時に外側から4段階遮光し、かつ、第2液晶パネル24を8段階遮光した状態を示している。同図(D)は、第1液晶パネル22を径方向の内側から3段階遮光すると同時に外側から6段階遮光し、かつ、第2液晶パネル24を9段階遮光した状態を示しており、最も絞った状態を示している。
図17(A)〜(D)に示すように、上記実施の形態の液晶絞り20では、径方向の両側から遮光領域を拡大させて光量を調整することもできる。
第1液晶パネル22として、図15に示す構成の液晶パネルを使用した場合も同様に、径方向の両側から遮光領域を拡大させて、光量を調節できる。
〈液晶絞りの変形例〉
上記実施の形態では、2枚の液晶パネルを組み合わせて、1つの液晶絞りを構成しているが、1枚の液晶パネルで液晶絞りを構成することもできる。すなわち、1枚の液晶パネルで第1遮光部、第2遮光部及び第3遮光部の機能を実現することもできる。
図21は、1枚で第1遮光部、第2遮光部及び第3遮光部の機能を有する液晶パネルの概略構成を示す正面図である。
本例の液晶パネル25は、升目状に分割された複数の領域i(m,n)を有する。各領域i(m,n)は、半円状の開口領域を同心状に一定の幅間隔で分割し、かつ、周方向に一定の角度間隔で分割して生成される。各領域i(m,n)は、液晶ドライバ27によって、それぞれ独立して制御され、透光状態又は遮光状態に設定される。
各領域i(m,n)の透光及び遮光の状態を個別に制御することにより、全体として光の透過する領域をコントロールできる。すなわち、所望の開口形状にコントロールできる。
このように、第1絞り20A及び第2絞り20Bを液晶絞りで構成する場合、その液晶絞りは1枚の液晶パネルで実現することもできる。
〈第1絞り及び第2絞りの変形例〉
上記実施の形態では、第1絞り20A及び第2絞り20Bを液晶絞りで構成しているが、機械的な構造の絞り、いわゆるメカニカル絞りで第1絞り20A及び第2絞り20Bを構成することもできる。
図22は、第1絞り及び第2絞りを構成するメカニカル絞りの概略構成を示す斜視図である。
図22に示すように、メカニカル絞り60は、第1メカニカル絞り62及び第2メカニカル絞り64を重ね合わせて構成される。
図23は、第1メカニカル絞りの概略構成を示す正面図である。なお、同図(A)は、絞りを最も開いた状態を示しており、同図(B)は、最も絞りを絞った状態を示している。
図23に示すように、第1メカニカル絞り62は、短冊状の絞り羽根62Aを複数枚重ね合わせて構成される。各絞り羽根62Aは、図示しない駆動手段に駆動されて、互いに重なり合った状態で径方向にスライドする。これにより、径方向に遮光領域が拡縮する。
図24は、第2メカニカル絞りの概略構成を示す正面図である。なお、同図(A)は、絞りを最も開いた状態を示しており、同図(B)は、最も絞りを絞った状態を示している。
図24に示すように、第2メカニカル絞り64は、扇状の絞り羽根64Aを複数枚重ね合わせて構成される。各絞り羽根64Aは、図示しない駆動手段に駆動されて、互いに重なり合った状態で周方向にスライドする。これにより、周方向に遮光領域が拡縮する。
図25は、第1メカニカル絞り及び第2メカニカル絞りを組み合わせて構成されるメカニカル絞りの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、開放状態、すなわち、最も開いた状態を示している。同図(B)は、最も絞った状態を示している。なお、図25において、波線で示す領域が、開口領域である。
メカニカル絞り60は、第1メカニカル絞り62及び第2メカニカル絞り64を組み合わせることにより、その開口形状が変化する。特に、第1メカニカル絞り62を作動させることにより、径方向の内側から外側に向かって遮光領域が拡大して、開口量が調節される。また、第2メカニカル絞り64を作動させることにより、周方向の両側から遮光領域が拡大して、開口量が調節される。
《レンズ装置の変形例》
〈光学系の数〉
レンズ装置を構成する光学系の数は、2つに限定されるものではない。レンズ装置は、複数の光学系で構成できる。
図26は、4つの光学系で構成されるレンズ装置の概略構成を示す正面図である。
レンズ装置10は、第1光学系10A、第2光学系10B、第3光学系10C及び第4光学系10Dを有する。各光学系10A〜10Dは、1つの光学系を4分割した光学系で構成され、同じ光軸Lを有する。また、各光学系10A〜10Dは、同一円周上に配置される。
このように、レンズ装置10は、同じ光軸Lを有し、同一円周上に配置される複数の光学系で構成できる。
この場合も各光学系10A〜10Dは、個別に絞りが備えられ、かつ、個別に焦点調節が可能に構成される。各光学系10A〜10Dの絞りは、少なくとも第1遮光部及び第2遮光部を備える。第1遮光部は、径方向の内側から外側に向かって遮光領域を拡大させて、光量を調節する。第2遮光部で周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて、光量を調節する。
図27は、図26に示すレンズ装置の絞りの動作状態を示す正面図である。
同図において、斜線で示す領域が遮光された領域である。各光学系10A〜10Dは、個別に絞りが調節される。
なお、本例のように、4つの光学系10A〜10Dでレンズ装置を構成する場合、イメージセンサもその光学系の構成に合ったものが使用される。すなわち、各光学系からの光を選択的に受光可能な構成のものが使用される。
〈光学系の撮像特性〉
上記実施の形態では、同じ撮像特性を有する光学系でレンズ装置を構成しているが、レンズ装置は、互いに異なる撮像特性を有する光学系で構成することもできる。
一例として、互いに焦点距離の異なる光学系で構成することができる。これにより、たとえば、広角画像及び望遠画像のように、焦点距離の異なる複数の画像を一度に撮像できる。
また、他の一例として、互いに透過波長特性の異なる光学系で構成することができる。たとえば、2つの光学系で構成する場合において、一方を可視光での撮像に適した光学系で構成し、他方を赤外光での撮像に適した光学系で構成する。これにより、可視光画像及び赤外光画像の両方を一度に撮像できる。
また、上記実施の形態では、各光学系が個別に焦点調節可能に構成されているが、固定焦点の光学系を採用することもできる。この場合、たとえば、各光学系は、互いに合焦距離の異なる光学系で構成することができる。
また、上記実施の形態では、各光学系を単焦点の光学系で構成されているが、いわゆるズーム機能を備えた光学系で構成することもできる。
《絞りの遮光領域の可変態様》
図28は、絞りの遮光領域の可変態様を示す図である。同図(A)は、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させる態様、同図(B)は、周方向の両側から遮光領域を拡大させる態様、同図(C)は、径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させる態様を示している。
各光学系に備えられる絞りは、主として、この3つの遮光態様の組み合わせで開口量が調節される。
混信防止の観点からは、絞る際、各光学系の開口の境界を拡げるように遮光する態様が採用される。したがって、この場合、図28(A)及び(B)に示す遮光態様が優先的に採用される。特に、図28(A)に示す遮光態様が優先的に採用される。
一方、焦点深度を深くするという観点からは、絞る際、開口径が小さくなるように遮光する態様が採用される。どのような順で遮光領域を拡大させれば、開口径を小さくできるかは、絞りを組み込む光学系の開口形状によって異なる。したがって、絞りを組み込む光学系の開口形状に応じて適宜最適な順に定められる。たとえば、上記実施の形態のように、2分割した光学系の場合、図28(A)に示す遮光態様が優先的に採用され、次いで、図28(B)に示す遮光態様が採用される。
また、混信防止の効果は、各光学系の開口の境界を一定幅以上遮光すれば確保できるので、その後は、焦点深度を深くする観点から開口を制御することが好ましい。
[第2の実施の形態]
《第2の実施の形態の撮像装置の装置構成》
図29は、第2の実施の形態の撮像装置のシステム構成を示すブロック図である。
本実施の形態の撮像装置100は、主として、レンズ装置110と、イメージセンサ30と、レンズ駆動制御部41と、イメージセンサ駆動制御部42と、アナログ信号処理部43と、デジタル信号処理部44と、表示部45と、内部メモリ46と、メディアインターフェース47と、システム制御部48と、操作部49と、を備えて構成される。
レンズ装置以外の構成は、概ね上述した第1の実施の形態の撮像装置1と同じである。したがって、ここでは、レンズ装置110の構成についてのみ説明する。
〈レンズ装置〉
図30は、レンズ装置の概略構成を示す斜視図である。図31は、レンズ装置の概略構成を示す断面図である。図32は、図31の32−32断面図である。
レンズ装置110は、互いに同じ光軸Lを有する中央光学系120及び外周光学系130を備える。中央光学系120及び外周光学系130は、互いに焦点距離の異なる光学系で構成される。特に、本実施の形態では、中央光学系120が、焦点距離の短い広角レンズで構成され、外周光学系130が、焦点距離の長い望遠レンズで構成される。
−中央光学系−
図33は、中央光学系の光線軌跡を示す図である。
中央光学系120は、焦点距離の短い広角レンズである。図33に示すように、中央光学系120は、3群8枚のレンズで構成され、物体側から順に中央光学系第1レンズ群120A、中央光学系第2レンズ群120B、中央光学系第3レンズ群120Cが、光軸Lに沿って配置される。各構成要素の形状は円形である。
中央光学系第1レンズ群120Aは、4枚のレンズで構成される。中央光学系第1レンズ群120Aは、物体側から順に中央光学系第1レンズ120a、中央光学系第2レンズ120b、中央光学系第3レンズ120c、及び、中央光学系第4レンズ120dが光軸Lに沿って配置されて構成される。
中央光学系第2レンズ群120Bは、1枚のレンズで構成される。中央光学系第2レンズ群120Bは、光軸L上に配置された中央光学系第5レンズ120eで構成される。
中央光学系第3レンズ群120Cは、3枚のレンズで構成される。中央光学系第3レンズ群120Cは、物体側から順に中央光学系第6レンズ120f、中央光学系第7レンズ120g、及び、中央光学系第8レンズ120hが光軸Lに沿って配置されて構成される。
中央光学系120に入射した光は、中央光学系第1レンズ群120A、中央光学系第2レンズ群120B、中央光学系第3レンズ群120Cを通過して共通レンズ140に入射する。
中央光学系120は、中央光学系第2レンズ群120B及び中央光学系第3レンズ群120Cの間に中央絞り220を有する。中央絞り220は、中央光学系120を通る光の光量を調節する。中央絞り220の構成については、後に詳述する。
また、中央光学系120は、図示しない繰り出し機構によって、全群が光軸Lに沿って移動可能に設けられる。中央光学系120は、全群を光軸Lに沿って前後移動させることにより焦点調節される。
−外周光学系−
外周光学系130は、環状の光学系の一部で構成される。この環状の光学系は、中央光学系120と同心状に配置可能に構成される。すなわち、外周光学系130は、中央光学系120と同心状に配置可能な環状の光学系の一部を光軸Lに沿って切り出したものとして構成される。
図34は、外周光学系の構成を説明する斜視図である。
同図において、二点破線で示す環状の光学系Xは、中央光学系120と同心状に配置される光学系である。外周光学系130は、この環状の光学系Xの周方向の一部を光軸に沿って切り出した光学系として構成される。したがって、その光軸は、中央光学系120の光軸と同じである。
本実施の形態のレンズ装置10では、環状の光学系Xを8等分割し、その1つを外周光学系130として使用している。この場合、その光軸Lと直交する断面の形状は、中心角が45°の扇形となり、(図31参照)、外周光学系130を構成する各光学素子の形状も扇形となる。
図35は、外周光学系の光線軌跡を示す断面図である。
外周光学系130は、焦点距離の長い望遠レンズである。外周光学系130は、いわゆる反射光学系で構成され、外周光学系第1レンズ130aと、外周光学系第2レンズ130bと、外周光学系第3レンズ130cと、主鏡130dと、副鏡130eと、を備える。
外周光学系第1レンズ130a、外周光学系第2レンズ130b及び外周光学系第3レンズ130cは、環状のレンズの一部で構成され、物体側から外周光学系第1レンズ130a、外周光学系第2レンズ130b及び外周光学系第3レンズ130cの順で光軸Lに沿って配置される。
主鏡130dは、外周光学系第3レンズ130cの像面側の面に備えられる。主鏡130dは、外周光学系第3レンズ130cの像面側の面の全面に金属又は誘電体の膜をコーティングして、外周光学系第3レンズ130cの像面側の面の全面に備えられる。
副鏡130eは、外周光学系第2レンズ130bの像面側の面に備えられる。副鏡130eは、外周光学系第2レンズ130bの像面側の面の内周部分に金属又は誘電体の膜をコーティングして、外周光学系第2レンズ130bの像面側の面の内周部分に備えられる。
外周光学系130に入射した光は、外周光学系第1レンズ130a、外周光学系第2レンズ130b、外周光学系第3レンズ130cを通過して、主鏡130dに入射する。主鏡130dに入射した光は、主鏡130dで反射し、外周光学系第3レンズ130cを通って副鏡130eに入射する。副鏡130eに入射した光は、副鏡130eで反射して、共通レンズ140に入射する。
外周光学系130は、副鏡130eの後段に外周絞り230を有する。外周絞り230は、外周光学系130を通る光の光量を調節する。外周絞り230の構成については、後に詳述する。
また、外周光学系130は、図示しない繰り出し機構によって、全群が光軸Lに沿って移動可能に設けられる。外周光学系130は、全群を光軸Lに沿って前後移動させることにより焦点調節される。
−共通レンズ−
共通レンズ140は、中央光学系120及び外周光学系130で共用されるレンズであり、光軸L上の一定位置に配置される。共通レンズ140は、イメージセンサ30への光の入射角度を調整するレンズである。中央光学系120及び外周光学系130を通過した光は、それぞれ共通レンズ140を介してイメージセンサ30に入射する。
−中央絞り−
中央絞り220は、中央光学系第2レンズ群120B及び中央光学系第3レンズ群120Cの間にされ、中央光学系120を通る光の光量を調節する。
図36は、中央絞りの構成を示す正面図である。
中央絞り220は、液晶絞りで構成される。中央絞り220は、円盤状の液晶パネル222を有する。
液晶パネル222は、同心状に分割された複数の領域222a〜222jを有する。各領域222a〜222jは、液晶ドライバ224によって、それぞれ独立して制御され、透光状態又は遮光状態に設定される。
図37は、中央絞りの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、5段階絞った状態を示している。同図(B)は、9段階絞った状態を示している。なお、図37において、斜線で示した領域が遮光状態の領域である。
図37に示すように、中央絞り220は、径方向の外側から内側に向けて順に遮光領域を拡大させて、光量を減少させる。
なお、中央絞り220は、全領域を遮光状態とすることにより、中央光学系120を通過する光を完全に遮光できる。これにより、中央絞り220を中央光学系120のシャッターとして機能させることができる。
−外周絞り−
外周絞り230は、副鏡130eの後段に配置され、外周光学系130を通る光の光量を調節する。
図38は、外周絞りの概略構成を示す斜視図である。
外周絞り230は、液晶絞りで構成され、第1液晶パネル232及び第2液晶パネル234を重ね合わせて構成される。第1液晶パネル232及び第2液晶パネル234は、共に扇形状を有し、重ね合わせることで、全体として扇形状の外周絞り230を構成する。この外周絞り230の形状は、外周光学系130の開口形状に対応した形状である。
図39は、第1液晶パネルの概略構成を示す正面図である。
第1液晶パネル232は、第1遮光部の一例である。第1液晶パネル232は、同心円状に分割された複数の円弧状の領域232a〜232jを有する。各領域232a〜232jは、第1液晶ドライバ236によって、それぞれ独立して制御され、透光状態又は遮光状態に設定される。
図40は、第1液晶パネルの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、4段階遮光した状態を示している。同図(B)は、9段階遮光した状態を示している。なお、図40において、斜線で示した領域が遮光状態の領域である。
図40に示すように、第1液晶パネル232は、径方向の内側から外側に向けて順に遮光領域を拡大させて光量を減少させる。
図41は、第2液晶パネルの概略構成を示す正面図である。
第2液晶パネル234は、第2遮光部の一例である。第2液晶パネル234は、周方向に一定の角度間隔で分割された複数の扇状の領域234a〜234hを有する。各領域234a〜234hは、左右対称に対を構成する。各領域234a〜234hは、第2液晶ドライバ238によって、それぞれ独立して制御され、透光状態又は遮光状態に設定される。
図42は、第2液晶パネルの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、5段階遮光した状態を示している。同図(B)は、7段階遮光した状態を示している。なお、図42において、斜線で示した領域が遮光状態の領域である。
図42に示すように、第2液晶パネル234は、周方向の両側から内側に向けて順に遮光領域を拡大させて光量を減少させる。
図43は、第1液晶パネル及び第2液晶パネルを組み合わせて構成される外周絞りの動作状態を示す正面図である。
同図(A)は、第1液晶パネル232を4段階遮光し、第2液晶パネル234を5段階遮光した状態を示している。同図(B)は、第1液晶パネル22を9段階遮光し、第2液晶パネル234を7段階遮光した状態を示している。
図43に示すように、外周絞り230は、第1液晶パネル232及び第2液晶パネル234の組み合わせによって、その開口形状が変化する。
外周絞り230の開口形状は、絞り値ごとに定められる。第1液晶パネル232及び第2液晶パネル234は、設定された絞り値に応じて、その駆動が制御される。
この際、第1液晶パネル232を優先して動作させることにより、混信を効果的に防止できる。すなわち、絞り込む際に第1液晶パネル232を優先して動作させることにより、中央光学系120及び外周光学系130の開口領域の境界を拡大させるように遮光できる。これにより、混信を適切に防止できる。
なお、外周絞り230は、第1液晶パネル232及び第2液晶パネル234の少なくとも一方を全て遮光状態とすることにより、外周光学系130を通過する光を完全に遮光できる。これにより、外周絞り230を外周光学系130のシャッターとして機能させることができる。
以上の構成のレンズ装置110は、中央光学系120及び外周光学系130を光軸Lに沿って個別に前後移動させることにより、中央光学系120及び外周光学系130の焦点を個別に調節できる。また、中央光学系120及び外周光学系130に個別に備えられた絞りを個別に制御することにより、中央光学系120及び外周光学系130光量を個別に調節できる。
〈イメージセンサ〉
イメージセンサ30は、中央光学系120を通過した光を選択的に受光する画素、及び、外周光学系130を通過した光を選択的に受光する画素を一定の配列規則に従って二次元的に配列して構成される。
《第2の実施の形態の撮像装置の作用》
〈撮像動作〉
画像を記録するための撮像は、操作部49からの指示に基づいて実行される。ここでは、シャッターボタンの全押しで撮像の実行が指示されるものとする。
まず、各光学系の焦点調節が行われる。焦点調節は、光学系ごとに行われる。中央光学系120は、中央光学系120の全体を光軸Lに沿って前後移動させることにより、その焦点調節が行われる。外周光学系130は、外周光学系130の全体を光軸Lに沿って前後移動させることにより、その焦点調節が行われる。
各光学系の焦点合わせが完了したら、シャッターボタンを全押しして、撮像の実行を指示する。
シャッターボタンが全押しされると、まず、測光処理が実施される。システム制御部48は、イメージセンサ30から得られる画像信号に基づいて、EV値(exposure value)を求め、露出を決定する。すなわち、撮像時における絞り値及びシャッター速度を決定する。
露出が決定すると、画像の記録処理が実施される。システム制御部48は、レンズ駆動制御部41を介して、第1絞り20A及び第2絞り20Bを制御し、決定した絞り値に設定する。そして、決定したシャッター速度でイメージセンサ30を露光させ、記録用の画像を撮像する。
撮像により得られた画素ごとの画像信号は、イメージセンサ30からアナログ信号処理部43に出力される。アナログ信号処理部43は、イメージセンサ30から出力された画素ごとの画像信号を取り込み、所定の信号処理を施した後、デジタル信号に変換して出力する。
アナログ信号処理部43から出力された画素ごとの画像信号は、内部メモリ46に取り込まれ、その後、デジタル信号処理部44に送られる。デジタル信号処理部44は、得られた画像信号に所定の信号処理を施して、第1画像データ及び第2画像データを生成する。すなわち、イメージセンサ30の第1画素32Aの画像信号に基づいて、第1画像の画像データである第1画像データを生成する。また、第2画素32Bの画像信号に基づいて、第2画像の画像データである第2画像データを生成する。生成された第1画像データ及び第2画像データは、メディアインターフェース47を介して外部メモリ50に記録される。
このように、本実施の形態の撮像装置100によれば、一度に2枚の画像を撮像できる。この際、各光学系で個別に焦点調節するので、2枚とも適切に主要被写体に合焦した画像を撮像できる。また、各光学系で個別に光量調節するので、2枚とも適正な露出の画像を撮像でき、かつ、所望の暈け量の画像を撮像できる。
更に、本実施の形態の撮像装置100によれば、中央光学系120及び外周光学系130において、絞りを絞り込む際に、中央光学系120及び外周光学系130の開口領域の境界を拡大させるように遮光して光量を調節するので、混信を適切に防止できる。
また、本実施の形態の撮像装置100では、外周光学系130が環状の光学系Xの一部で構成されるので、環状の光学系をそのまま使用した場合には実現し得ない深い焦点深度の光学系を外周光学系130で実現できる。
なお、外周光学系130については、その開口の最大幅が、元となる環状の光学系Xの内径以下となるようにすることで、元となる環状の光学系Xでは実現し得ない深い焦点深度の光学系を実現できる。
一般に光学系は、開口が小さくなるに従って光量が低下し、また、回折効果により解像度も低下する。したがって、外周光学系130については、光量及び回折効果による解像度低下を考慮して、その開口の大きさを決定することが好ましい。このうち光量の低下に関しては、使用するイメージセンサの感度との組み合わせで解消することが可能である。したがって、回折効果による解像度低下を起こさない範囲で外周光学系の開口の大きさを決定することが好ましい。回折効果による解像度低下は、一般に絞り値がF32以下になると顕著に現れるので、外周光学系の開口の大きさは、絞り値でF32を下回らない範囲内で設定することが好ましい。したがって、外周光学系は、その開口の最大幅が環状の光学系の内径以下であり、かつ、絞り値でF32を下回らない大きさとすることが好ましい。一般に、絞り値Fは、光学系の開口幅(レンズの口径)をD、焦点距離をfとすると、F=f/Dにより求められる。
《中央絞りの変形例》
上記実施の形態では、中央絞りを液晶絞りで構成しているが、機械的な構造の絞り、いわゆるメカニカル絞りで構成することもできる。
《外周絞りの変形例》
〈遮光形態の変形例〉
図44は、第1液晶パネルの変形例を示す正面図である。
本例の第1液晶パネル232は、径方向に一定の幅で分割された複数の帯状の領域232a〜232jを有する。各領域232a〜232jは、第1液晶ドライバ26によって、それぞれ独立して制御され、透光状態又は遮光状態に設定される。光量を減少させる場合は、径方向の内側から順に遮光領域に切り替える。
このように、第1液晶パネル232は、径方向の内側から外側に向けて直線状に遮光領域を拡大させて、光量を減少させる構成とすることもできる。
〈第2遮光部の遮光形態の変形例〉
上記実施の形態では、第2液晶パネルが、周方向の両側から遮光領域を拡大させて光量を減少させている。第2遮光部は、周方向の片側から遮光領域を拡大させて光量を減少させる構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、第2液晶パネルが、周方向に一定の角度間隔で分割される構成としているが、第1液晶パネルの分割方向と直交する方向に一定の幅間隔で分割する構成としてもよい。
〈第3遮光部〉
外周絞り230は、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第1遮光部、及び、周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる第2遮光部に加えて、更に径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第3遮光部を備えて構成することもできる。
上記構成の外周絞り230の場合、第3遮光部の機能は、第1液晶パネル232で実現される。すなわち、第1液晶パネル232において、遮光する際、径方向の外側の領域から順に遮光状態に切り替える。これにより、径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させることができる。
なお、第1液晶パネル232については、径方向の内側を優先して遮光することが好ましい。すなわち、最初に内側から遮光領域を拡大させて光量を調節する。これにより、混信を効果的に防止できる。
混信は、径方向の内側から外側に向けて一定範囲遮光すれば防止できる。したがって、径方向の両側から遮光領域を拡大させて、光量を調整する場合は、最初に径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させ、その後、外側から内側に向けて遮光領域を拡大させることが好ましい。そして、外側からの遮光に切り替えるタイミングは、混信防止が完了するタイミングとすることが好ましい。
〈一体構成した外周絞り〉
上記実施の形態では、2枚の液晶パネルを組み合わせて、1つの液晶絞りを構成しているが、1枚の液晶パネルで液晶絞りを構成することもできる。すなわち、1枚の液晶パネルで第1遮光部、第2遮光部及び第3遮光部の機能を実現することもできる。
〈メカニカル絞り〉
外周絞りについても、機械的な構造の絞り、いわゆるメカニカル絞りで構成することができる。
《レンズ装置の変形例》
〈外周光学系の数〉
上記実施の形態では、レンズ装置が、1つの中央光学系及び1つの外周光学系を備えている。レンズ装置には、複数の外周光学系を備えることができる。
図45は、2つの外周光学系を備えたレンズ装置の概略構成を示す正面図である。図46は、図45の46−46断面図である。
本例のレンズ装置110は、中央光学系120の外周部に2つの外周光学系を有する。2つの外周光学系の一方を第1外周光学系130A、他方を第2外周光学系130Bとする。
第1外周光学系130A及び第2外周光学系130Bは、中央光学系120を中心として対称に配置される。
第1外周光学系130A及び第2外周光学系130Bの構成は、同じであり、共に中央光学系120と同心状に配置可能な環状の光学系Xの一部で構成される。なお、本例の第1外周光学系130A及び第2外周光学系130Bの構成は、上記実施の形態のレンズ装置110の外周光学系130の構成と同じである。すなわち、環状の光学系Xを8等分割した1つで構成され、いわゆる反射光学系で構成される。
第1外周光学系130Aは、外周光学系第1レンズ130Aaと、外周光学系第2レンズ130Abと、外周光学系第3レンズ130Acと、主鏡130Adと、副鏡130Aeと、を備え、副鏡130Aeの後段に第1外周絞り230Aを備える。第1外周光学系130Aは、図示しない繰り出し機構によって、全群が光軸Lに沿って移動可能に設けられる。第1外周光学系130Aは、全群を光軸Lに沿って前後移動させることにより焦点調節される。
第2外周光学系130Bは、外周光学系第1レンズ130Baと、外周光学系第2レンズ130Bbと、外周光学系第3レンズ130Bcと、主鏡130Bdと、副鏡130Beと、を備え、副鏡130Aeの後段に第1外周絞り230Aを備える。第2外周光学系130Bは、図示しない繰り出し機構によって、全群が光軸Lに沿って移動可能に設けられる。第2外周光学系130Bは、全群を光軸Lに沿って前後移動させることにより焦点調節される。
以上の構成のレンズ装置110によれば、第1外周光学系130A及び第2外周光学系130Bを光軸Lに沿って個別に前後移動させることにより、第1外周光学系130A及び第2外周光学系130Bの焦点を個別に調節できる。また、第1外周光学系130A及び第2外周光学系130Bに個別に備えられた外周絞りを個別に制御することにより、第1外周光学系130A及び第2外周光学系130Bの光量を個別に調節できる。
このように、レンズ装置には、複数の外周光学系を備えることができる。この場合、各外周光学系を異なる撮像特性の光学系で構成することもできる。
〈外周光学系の開口形状〉
上記実施の形態では、外周光学系130の開口形状、すなわち、光軸Lと直交する断面の形状が扇形状であるが、外周光学系130の開口形状は、これに限定されるものではない。
−外周光学系の開口形状の変形例1−
図47は、外周光学系の開口形状の第1の変形例を示す正面図である。
本例の外周光学系130は、光軸Lと直交する断面において、環状の光学系Xを扇状に切り出し、更に、扇の外周部及び内周部を互いに平行に切り出した形状を有する。この場合、図47に示すように、外周光学系130の開口形状は台形となる。
このような構成の外周光学系130は、各光学素子の外周部及び内周部が平面状に構成されるため、各光学素子を保持するための機構を簡素化できる。また、第2光学系駆動部の構造も簡素化できる。
本例の場合も、外周光学系130は、その最大幅Wを環状の光学系Xの内径以下にすることにより、環状の光学系では実現し得ない深い焦点深度の光学系を構成できる。
−外周光学系の開口形状の変形例2−
図48は、外周光学系の開口形状の第2の変形例を示す正面図である。
本例の外周光学系130は、光軸Lと直交する断面において、環状の光学系Xから光軸Lを挟んで互いに平行な2本の直線m1、m2で挟まれる領域を切り出した形状を有する。
本例の場合も、外周光学系130は、その最大幅を環状の光学系の内径以下にすることにより、環状の光学系では実現し得ない深い焦点深度の光学系を構成できる。
−外周光学系の開口形状の変形例3−
図49は、外周光学系の開口形状の第3の変形例を示す正面図である。
本例の外周光学系130は、光軸Lと直交する断面において、環状の光学系Xから光軸Lを挟んで互いに平行な2本の第1直線m1、m2、及び、第1直線m1、m2と直交し互いに平行な2本の第2直線n1、n2で囲われる領域を切り出した形状を有する。この場合、図49に示すように、外周光学系130の開口形状は、矩形状となる。
このような構成の外周光学系130は、光学系の各構成要素が矩形状となるため、光学系の各構成要素を保持するための機構を簡素化できる。
本例の場合も、外周光学系130は、その最大幅を環状の光学系の内径以下にすることにより、環状の光学系では実現し得ない深い焦点深度の光学系を構成できる。
〈光学系の撮像特性〉
上記実施の形態では、異なる焦点距離の光学系で中央光学系及び外周光学系を構成しているが、中央光学系及び外周光学系を構成する光学系は、これに限定されるものではない。
一例として、互いに透過波長特性の異なる光学系で構成することができる。たとえば、2つの光学系で構成する場合において、一方を可視光での撮像に適した光学系で構成し、他方を赤外光での撮像に適した光学系で構成する。これにより、可視光画像及び赤外光画像の両方を一度に撮像できる。
また、上記実施の形態では、各光学系が個別に焦点調節可能に構成されているが、固定焦点の光学系を採用することもできる。この場合、たとえば、各光学系は、互いに合焦距離の異なる光学系で構成することができる。
また、上記実施の形態では、各光学系を単焦点の光学系で構成されているが、いわゆるズーム機能を備えた光学系で構成することもできる。
更に、実施の形態のレンズ装置では、外周光学系を反射光学系で構成しているが、外周光学系は屈折光学系で構成することもできる。
ここで、屈折光学系とは、構成要素に鏡を含まない光学系であり、レンズの屈折のみで所望の撮像特性を実現する光学系である。
図50は、外周光学系が屈折光学系で構成されたレンズ装置の概略構成を示す断面図である。
同図に示すように、レンズ装置310は、中央光学系320及び外周光学系330を備える。中央光学系320及び外周光学系330は、同じ光軸Lを有し、かつ、共に屈折光学系で構成される。
−中央光学系−
中央光学系320は、4群7枚の広角レンズで構成され、物体側から順に中央光学系第1レンズ群320A、中央光学系第2レンズ群320B、中央光学系第3レンズ群320C、中央光学系第4レンズ群320Dが、光軸Lに沿って配置される。
中央光学系第1レンズ群320Aは、2枚のレンズで構成される。中央光学系第1レンズ群320Aは、物体側から順に中央光学系第1レンズ320a、中央光学系第2レンズ320bが光軸Lに沿って配置されて構成される。
中央光学系第2レンズ群320Bは、1枚のレンズで構成される。中央光学系第2レンズ群320Bは、光軸L上に配置された中央光学系第3レンズ320cで構成される。
中央光学系第3レンズ群320Cは、2枚のレンズで構成される。中央光学系第3レンズ群320Cは、物体側から順に中央光学系第4レンズ320d、中央光学系第5レンズ320eが光軸Lに沿って配置されて構成される。
中央光学系第4レンズ群320Dは、2枚のレンズで構成される。中央光学系第4レンズ群320Dは、物体側から順に中央光学系第6レンズ320f、中央光学系第7レンズ320gが光軸Lに沿って配置されて構成される。
中央光学系320を構成する各レンズは、円形のレンズで構成される。
中央光学系320に入射した光は、中央光学系第1レンズ群320A、中央光学系第2レンズ群320B、中央光学系第3レンズ群320C、中央光学系第4レンズ群320Dを通って、イメージセンサ30に入射する。
中央光学系320は、中央光学系第2レンズ群320B及び中央光学系第3レンズ群320Cの間に中央絞り340を有する。中央絞り340は、中央光学系320を通る光の光量を調節する。
中央絞り340は、上記実施の形態のレンズ装置110と同様に、液晶絞り又はメカニカル絞りで構成できる。
また、中央光学系320は、図示しない繰り出し機構によって、全群が光軸Lに沿って移動可能に設けられる。中央光学系320は、全群を光軸Lに沿って前後移動させることにより焦点調節される。
−外周光学系−
外周光学系330が、2群5枚の望遠レンズで構成され、物体側から順に外周光学系第1レンズ群330A、外周光学系第2レンズ群330Bが、光軸Lに沿って配置される。
外周光学系第1レンズ群330Aは、3枚のレンズで構成される。外周光学系第1レンズ群330Aは、物体側から順に外周光学系第1レンズ330a、外周光学系第2レンズ330b、外周光学系第3レンズ330cが光軸Lに沿って配置されて構成される。
外周光学系第2レンズ群330Bは、2枚のレンズで構成される。外周光学系第2レンズ群330Bは、物体側から順に外周光学系第4レンズ330d、外周光学系第5レンズ330eが光軸Lに沿って配置されて構成される。
外周光学系330は、環状の屈折光学系の一部で構成される。本例のレンズ装置310では、円環状の光学系を8等分割した1つで構成される。したがって、外周光学系330を構成する各レンズは、扇形状を有する。
外周光学系330に入射した光は、外周光学系第1レンズ群330A、外周光学系第2レンズ群330Bを通って、イメージセンサ30に入射する。
外周光学系330は、外周光学系第1レンズ群330A及び外周光学系第2レンズ群330Bの間に外周絞り360を有する。外周絞り360は、外周光学系330を通る光の光量を調節する。
外周絞り360は、上記実施の形態のレンズ装置110と同様に、液晶絞り又はメカニカル絞りで構成できる。
また、外周光学系330は、図示しない繰り出し機構によって、全群が光軸Lに沿って移動可能に設けられる。外周光学系330は、全群を光軸Lに沿って前後移動させることにより焦点調節される。
このように、外周光学系は、屈折光学系で構成することもできる。なお、図50に示すレンズ構成は一例であり、目的に応じたレンズ構成が採用される。たとえば、外周光学系を広角レンズで構成し、中央光学系を望遠レンズで構成することもできる。
[第3の実施の形態]
上記第1及び第2の実施の形態の撮像装置では、各光学系の光量調節と同時に混信を防止できる。混信を防止する効果は、各光学系に備えられた絞りを絞り込むほど高くなる。一方、混信の影響は、画像処理によっても除去できる。したがって、絞りで除去できない混信の影響については、画像処理によって除去することにより、より高品質な画像を取得できる。以下、画像処理にて、混信の影響を除去する方法について説明する。
《混信発生のメカニズム》
まず、混信によって生じる画像品質の低下について説明する。なお、ここでは、上述した第2の実施の形態の撮像装置100で撮像した場合を例に説明する。
図51は、混信が生じた画像の一例を示す図である。同図(a)は、中央光学系120で撮像される第1画像を示している。中央光学系120は広角の光学系であるので、第1画像は広角画像である。同図(b)は、外周光学系130で撮像される第2画像を示している。外周光学系130は望遠の光学系であるので、第2画像は望遠画像である。
イメージセンサ30の各画素で受光される光の分離性が不十分であると、イメージセンサ30の各画素の出力には、本来受光されないはずの画像成分の信号が混入する。この結果、図51に示すように、一方の画像に他方の画像が重なった画像が撮像される。
図52は、混信のメカニズムの説明する図である。
図52において、符号「Iw1」は、広角の真の第1画像を示し、符号「It1」は、望遠の真の第2画像を示す。ここで、真の第1画像Iw1及び真の第2画像It1とは、混信のない状態で撮像される画像のことである。
一方、符号「Iw2」は、出力第1画像を示し、符号「It2」は、出力第2画像を示す。ここで、出力第1画像Iw2とは、イメージセンサ30の第1画素32Aから実際に出力される信号によって生成される画像のことであり、出力第2画像It2とは、イメージセンサ30の第2画素32Bから実際に出力される信号によって生成される画像のことである。
イメージセンサ30の各画素で受光される光の分離性が十分であれば、第1画素32Aからは、真の第1画像Iw1を表わす画像信号が出力され、第2画素32Bからは、真の第2画像It1を表す画像信号が出力される。
しかし、光分離性が不十分であると、出力第1画像Iw2及び出力第2画像It2のように、第1画像及び第2画像が混在した多重画像の画像信号が、第1画素32A及び第2画素32Bから出力される。
たとえば、真の第1画像Iw1を表わす第1画像光のうち、第1画素32Aによって適切に受光される成分を示す分布情報(指標)を「第1検出ゲイン分布D1」とし、第2画素32Bによって不適切に受光される成分を示す分布情報(指標)を「第1混信ゲイン分布D2」とする。また、真の第2画像It1を表わす第2画像光のうち、第1画素32Aによって不適切に受光される成分を示す分布情報(指標)を「第2混信ゲイン分布D3」とし、第2画素32Bによって適切に受光される成分を示す分布情報(指標)を「第2検出ゲイン分布D4」とする。
ここで、真の第1画像Iw1に対して第1検出ゲイン分布D1を適用することで得られる第1画像成分であって、第1画素32Aに受光される第1画像成分を「真第1画像成分E1」とする。また、真の第2画像It1に対して第2混信ゲイン分布D3を適用することで得られる第2画像成分であって、第1画素32Aに受光される第2画像成分を「混信第2画像成分E2」とする。また、真の第1画像Iw1に対して第1混信ゲイン分布D2を適用することで得られる第1画像成分であって、第2画素32Bに受光される第1画像成分を「混信第1画像成分E3」とする。また、真の第2画像It1に対して第2検出ゲイン分布D4を適用することで得られる第2画像成分であって、第2画素32Bに受光される第2画像成分を「真第2画像成分E4」とする。
この場合、第1画素32Aから出力される画像信号によって生成される出力第1画像Iw2は、真第1画像成分E1と混信第2画像成分E2とを加算して得られる画像に基づく。また、第2画素32Bから出力される画像信号によって生成される出力第2画像It2は、混信第1画像成分E3と真第2画像成分E4とを加算して得られる画像に基づく。
イメージセンサ30の各画素で受光される光の分離性能が優れているほど、混信第2画像成分E2及び混信第1画像成分E3の成分割合はゼロ(ブランク)に近づき、出力第1画像Iw2及び出力第2画像It2は、それぞれ真の第1画像Iw1及び真の第2画像It1に近づく。
一方、光分離性能が劣るほど、混信第2画像成分E2及び混信第1画像成分E3の成分割合は増え、出力第1画像Iw2では混信第2画像成分E2の比重が大きくなり、出力第2画像It2では混信第1画像成分E3の比重が大きくなる。
このように、混信が発生している場合にイメージセンサ30から出力される画像信号は、真の画像に検出ゲイン分布を適用して得られる画像成分と、別チャンネルの画像に混信ゲイン分布を適用して得られる画像成分とが加算されたものに相当する。このような混信により、光分離性能が十分ではない撮像装置からは、第1画像及び第2画像が重なった画像(画像信号)が出力される。
《画像処理方法》
次に、画像処理によって、第1画像及び第2画像から混信の影響を除去する方法について説明する。
ここでは、第1画像及び第2画像の検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づいて、第1画像及び第2画像の両画像データの補正処理を行う場合を例に説明する。
図53は、真の第1画像Iw1、真の第2画像It1、出力第1画像Iw2、出力第2画像It2及び検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの関係を示す図である。
なお、図53に示す「真の第1画像Iw1」、「真の第2画像It1」、「出力第1画像Iw2」及び「出力第2画像It2」は、それぞれ図52に示す「真の第1画像Iw1」、「真の第2画像It1」、「出力第1画像Iw2」及び「出力第2画像It2」に対応する。なお、図53中の「W1」、「W2」、「T1」、「T2」については、後述する。
イメージセンサ30から出力される画像信号から生成される出力第1画像Iw2及び出力第2画像It2は、「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列M」と、「中央光学系120及び外周光学系130の各々を通過した光束によって生成される本来の第1画像及び第2画像である真の第1画像Iw1及び真の第2画像It1」との積で表される。
検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mは、第1検出ゲイン分布D1、第1混信ゲイン分布D2、第2混信ゲイン分布D3及び第2検出ゲイン分布D4によって構成される2×2行列である。
なお、「第1検出ゲイン分布D1」、「第1混信ゲイン分布D2」、「第2混信ゲイン分布D3」及び「第2検出ゲイン分布D4」は、それぞれ図52に示す「第1検出ゲイン分布D1」、「第1混信ゲイン分布D2」、「第2混信ゲイン分布D3」及び「第2検出ゲイン分布D4」に対応する。
図54は、図53に示す行列式に対して「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列M」の逆行列M−1を適用して得られる行列式を示す図である。
図54に示すように、「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列M」の逆行列M−1と「イメージセンサ30から出力される画像信号から生成される出力第1画像Iw2及び出力第2画像It2」との積によって、「本来の第1画像及び第2画像である真の第1画像Iw1及び真の第2画像It1」を取得することができる。
図55は、図54の行列式を簡略化して表した行列式を示す図である。
図55において、「W1」は真の第1画像Iw1の画素成分(画素値)を集合的に表し、「T1」は真の第2画像It1の画素成分を集合的に表す。また、「W2」は出力第1画像Iw2の画素成分を集合的に表し、「T2」は出力第2画像It2の画素成分を集合的に表す。
また、図55において、「A」、「B」、「C」、及び「D」は、それぞれ第1検出ゲイン分布D1、第2混信ゲイン分布D3、第1混信ゲイン分布D2、及び第2検出ゲイン分布D4を構成する要素を集合的に表す。
図56は、図55に示す「W1」を構成する要素w1_11〜w1_mnを示す図である。
「W1」は、真の第1画像Iw1の画素成分(画素値)に対応する要素w1_11〜w1_mnによって構成される。
なお、「m」及び「n」は、それぞれ2以上の整数を示す。「m」及び「n」は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
同様に、図55に示す「W2」、「T1」及び「T2」も、それぞれ出力第1画像Iw2、真の第2画像It1及び出力第2画像It2の画素成分(画素値)に対応する要素w2_11〜w2_mn、t1_11〜t1_mn、及びt2_11〜t2_mnによって構成される(図示省略)。
また、図55に示す「A」、「B」、「C」、及び「D」も、それぞれ第1画像及び第2画像の各画素に応じて定められる要素a11〜amn、b11〜bmn、c11〜cmn、及びd11〜dmnによって構成される(図示省略)。
図57は、図55に示す行列式に基づいて導出される「w1_ij」の算出式を示す図である。また、図58は、図55に示す行列式に基づいて導出される「t1_ij」の算出式を示す図である。
図57及び図58において、「i」は、1〜mのうちのいずれかの整数を示し、「j」は1〜nのうちのいずれかの整数を示す。図57及び図58に示すように、真の第1画像Iw1の画素成分(画素値)に対応する要素w1_11〜w1_mn及び真の第2画像It1の画素成分(画素値)に対応する要素t1_11〜t1_mnは、出力第1画像Iw2及び出力第2画像It2と逆行列M−1とから演算により算出することができる。
混信による影響は、図57及び図58により表される演算式に基づいて、第1画像及び第2画像の両画像データを補正処理することにより除去できる。
補正処理は、デジタル信号処理部44で実施される。すなわち、デジタル信号処理部44が、画像信号処理部として機能し、第1画像から外周光学系が与えた影響を除去する処理、及び、第2画像から中央光学系が与えた影響を除去する処理を行う。
デジタル信号処理部44は、図57及び図58により表される演算式に基づいて、第1画像及び第2画像の両画像データに対して補正処理を行い、第1画像に混入した第2画像成分」の影響、及び、「第2画像に混入した第1画像成分」の影響を低減する処理を実行する。
厳密に補正処理を行う観点からは、検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布は、第1画像及び第2画像の各々を構成する画素の数と同じ数の要素によって構成され、検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布を構成する要素毎(対応画素毎)の逆行列M−1が、デジタル信号処理部44において用いられることが好ましい。ただし、シェーディングが小さい場合等のように「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布を構成する要素」が、「第1画像及び第2画像を構成する画素の一部又は全部」において近似するケースでは、計算コストを優先させる観点から、その近似範囲において共通の代表値によって「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布を構成する要素」を表してもよい。したがって、「第1画像及び第2画像を構成する画素の全部」が近似する場合には、検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布を単一の代表値によって表すことができ、「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列の逆行列に基づく補正処理」を簡素且つ高速に行うことが可能になる。
なお、第1検出ゲイン分布D1、第1混信ゲイン分布D2、第2混信ゲイン分布D3及び第2検出ゲイン分布D4に基づく行列M(図55の「A」、「C」、「B」及び「D」参照)は、使用するレンズ装置及びイメージセンサによって定められる。撮像装置は、この行列Mからあらかじめ導出される逆行列M−1の要素を記憶保持しており、その記憶保持している逆行列M−1の要素を出力第1画像Iw2及び出力第2画像It2に適用することで、第1画像における第2画像光の影響を低減し、かつ、第2画像における第1画像光の影響を低減できる。
また、上述のデジタル信号処理部44における「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1に基づく補正処理」(以下、混信低減処理という)は、第1画像及び第2画像の両画像データに対して行われるが、これに限定されるものではない。デジタル信号処理部44で生成した第1画像及び第2画像の両画像データを図示しない内部メモリ46に一旦記憶しておき、この画像記憶部からデジタル信号処理部44が、両画像データを読み出して補正処理を行ってもよい。
また、上述のデジタル信号処理部44における混信低減処理は、実際には、第1画像及び第2画像の両画像データを構成する色チャンネル毎に行われる。デジタル信号処理部44は、その色チャンネルの各々に関する「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1」を記憶保持する。たとえば、イメージセンサ30がR、G、Bのカラーフィルタを有し、RGBデータによって構成される第1画像及び第2画像の両画像データが画像信号としてイメージセンサ30から出力される場合を例に挙げて説明する。この場合、デジタル信号処理部44は、RGBの各々の色チャンネルに関する「検出ゲイン分布及び混信ゲイン分布によって構成される行列Mの逆行列M−1」を保持して、出力第1画像Iw2及び出力第2画像It2に適用する。
図59は、混信低減処理を行った場合に得られる第1画像及び第2画像の一例を示す図である。なお、同図(a)は、混信低減処理を行った場合に得られる第1画像を示し、同図(b)は、混信低減処理を行った場合に得られる第2画像を示している。
図59に示すように、混信低減処理後の第1画像及び第2画像では、混信低減処理前の状態(図51)参照)と比較して、「第1画像に混入した第2画像成分」の影響又は「第2画像に混入した第1画像成分」の影響を低減できる。その結果、全体として視認性に優れた高品質の画質を取得できる。
《変形例》
上記のように、絞りによる混信抑制効果は、絞りを絞り込むほど高くなる。したがって、絞り値に応じて、混信低減処理のON/OFFを切り替えるようにしてもよい。すなわち、一定以上絞った場合、すなわち、混信が生じない範囲まで絞った場合には、混信低減処理をOFFする。これにより、過補正を防止でき、より高品位な画像を撮像できる。
また、絞り値に応じて、すなわち、絞りで調整する光量に応じて画像処理パラメータを変更してもよい。上記の例では、画像処理に用いる行列の要素値を絞り値に応じて変更する。これにより、混信比率に応じて適切に画像を補正でき、より高品位な画像を取得できる。
[その他の実施の形態]
撮像装置は、単体のカメラとして構成することもできるが、他の機器に組み込むこともできる。たとえば、スマートフォンやタブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータに組み込むこともできる。
また、撮像装置としての用途も特に限定されず、通常のカメラ用途の他、監視カメラや車載カメラなどの用途に用いることもできる。
1…撮像装置、10…レンズ装置、10A…第1光学系、10B…第2光学系、10C…第3光学系、10D…第4光学系、10a1…第1光学系第1レンズ、10a2…第1光学系第2レンズ、10a3…第1光学系第3レンズ、10a4…第1光学系第4レンズ、10b1…第2光学系第1レンズ、10b2…第2光学系第2レンズ、10b3…第2光学系第3レンズ、10b4…第2光学系第4レンズ、20…液晶絞り、20A…第1絞り、20B…第2絞り、22…第1液晶パネル、24…第2液晶パネル、25…液晶パネル、26…第1液晶ドライバ、27…液晶ドライバ、28…第2液晶ドライバ、30…イメージセンサ、32A…第1画素、32B…第2画素、34…光電変換素子、36…マイクロレンズ、38…遮光マスク、41…レンズ駆動制御部、42…イメージセンサ駆動制御部、43…アナログ信号処理部、44…デジタル信号処理部、45…表示部、46…内部メモリ、47…メディアインターフェース、48…システム制御部、49…操作部、50…外部メモリ、60…メカニカル絞り、62…第1メカニカル絞り、62A…絞り羽根、64…第2メカニカル絞り、64A…絞り羽根、100…撮像装置、110…レンズ装置、120…中央光学系、120A…中央光学系第1レンズ群、120B…中央光学系第2レンズ群、120C…中央光学系第3レンズ群、120a…中央光学系第1レンズ、120b…中央光学系第2レンズ、120c…中央光学系第3レンズ、120d…中央光学系第4レンズ、120e…中央光学系第5レンズ、120f…中央光学系第6レンズ、120g…中央光学系第7レンズ、120h…中央光学系第8レンズ、130…外周光学系、130A…第1外周光学系、130Aa…外周光学系第1レンズ、130Ab…外周光学系第2レンズ、130Ac…外周光学系第3レンズ、130Ad…主鏡、130Ae…副鏡、130B…第2外周光学系、130Ba…外周光学系第1レンズ、130Bb…外周光学系第2レンズ、130Bc…外周光学系第3レンズ、130Bd…主鏡、130Be…副鏡、130a…外周光学系第1レンズ、130b…外周光学系第2レンズ、130c…外周光学系第3レンズ、130d…主鏡、130e…副鏡、140…共通レンズ、220…中央絞り、222…液晶パネル、224…液晶ドライバ、230…外周絞り、230A…第1外周絞り、232…第1液晶パネル、234…第2液晶パネル、236…第1液晶ドライバ、238…第2液晶ドライバ、310…レンズ装置、320…中央光学系、320A…中央光学系第1レンズ群、320B…中央光学系第2レンズ群、320C…中央光学系第3レンズ群、320D…中央光学系第4レンズ群、320a…中央光学系第1レンズ、320b…中央光学系第2レンズ、320c…中央光学系第3レンズ、320d…中央光学系第4レンズ、320e…中央光学系第5レンズ、320f…中央光学系第6レンズ、320g…中央光学系第7レンズ、330…外周光学系、330A…外周光学系第1レンズ群、330B…外周光学系第2レンズ群、330a…外周光学系第1レンズ、330b…外周光学系第2レンズ、330c…外周光学系第3レンズ、330d…外周光学系第4レンズ、330e…外周光学系第5レンズ、340…中央絞り、360…外周絞り、D1…第1検出ゲイン分布、D2…第1混信ゲイン分布、D3…第2混信ゲイン分布、D4…第2検出ゲイン分布、E1…真第1画像成分、E2…混信第2画像成分、E3…混信第1画像成分、E4…真第2画像成分、It1…第2画像、It2…出力第2画像、Iw1…第1画像、Iw2…出力第1画像、L…光軸、X…環状の光学系

Claims (20)

  1. 同一円周上に配置され、互いに同じ光軸を有する複数の光学系と、
    複数の前記光学系を通過した光を選択的に受光する画素が規則的に配列されたイメージセンサと、
    複数の前記光学系を通る光の光量を調節する絞りと、
    を備えた撮像装置であって、
    前記絞りは、
    径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第1遮光部と、
    周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる第2遮光部と、
    を備える、
    撮像装置。
  2. 前記絞りは、
    径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第3遮光部を更に備える、
    請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記光学系は、互いに異なる撮像特性を有する、
    請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記光学系は、互いに焦点距離が異なる、
    請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記光学系は、互いに合焦距離が異なる、
    請求項3に記載の撮像装置。
  6. 前記光学系は、互いに透過波長特性が異なる、
    請求項3に記載の撮像装置。
  7. 中央光学系と、
    前記中央光学系と同心状に配置可能な環状の光学系の一部で構成され、前記中央光学系と同じ光軸を有する少なくとも一つの外周光学系と、
    前記中央光学系を通過した光を選択的に受光する画素及び前記外周光学系を通過した光を選択的に受光する画素が規則的に配列されたイメージセンサと、
    前記外周光学系を通る光の光量を調節する外周絞りと、
    を備えた撮像装置であって、
    前記外周絞りは、
    径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第1遮光部と、
    周方向の少なくとも一方から遮光領域を拡大させて光量を減少させる第2遮光部と、
    を備える、
    撮像装置。
  8. 前記外周絞りは、
    径方向の外側から内側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる第3遮光部を更に備える、
    請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記中央光学系を通る光の光量を調節する中央絞りを更に備え、
    前記中央絞りは、径方向の内側から外側に向けて遮光領域を拡大させて光量を減少させる、
    請求項7又は8に記載の撮像装置。
  10. 前記外周光学系は、前記光軸と直交する断面において、前記環状の光学系を扇状に切り出した形状を有する、
    請求項7から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  11. 前記外周光学系は、前記光軸と直交する断面において、前記環状の光学系を扇状に切り出し、更に、外周部及び内周部を互いに平行に切り出した形状を有する、
    請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記外周光学系は、前記光軸と直交する断面において、前記環状の光学系から前記光軸を挟んで互いに平行な2本の直線で挟まれる領域を切り出した形状を有する、
    請求項7から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  13. 前記外周光学系は、前記光軸と直交する断面において、前記環状の光学系から前記光軸を挟んで互いに平行な2本の第1直線、及び、前記第1直線と直交し互いに平行な2本の第2直線で囲われる領域を切り出した形状を有する、
    請求項7から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  14. 前記外周光学系は、開口部の最大幅が前記環状の光学系の内径以下である、
    請求項7から13のいずれか1項に記載の撮像装置。
  15. 前記外周光学系が、環状の反射光学系の一部で構成される、
    請求項7から14のいずれか1項に記載の撮像装置。
  16. 前記外周光学系が、環状の屈折光学系の一部で構成される、
    請求項7から14のいずれか1項に記載の撮像装置。
  17. 前記中央光学系及び前記外周光学系は、互いに異なる撮像特性を有する、
    請求項7から16のいずれか1項に記載の撮像装置。
  18. 前記中央光学系及び前記外周光学系は、互いに焦点距離が異なる、
    請求項17に記載の撮像装置。
  19. 前記中央光学系及び前記外周光学系は、互いに合焦距離が異なる、
    請求項17に記載の撮像装置。
  20. 前記中央光学系及び前記外周光学系は、互いに透過波長特性が異なる、
    請求項17に記載の撮像装置。
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