JP2018197328A - 二液主剤型アクリル系接着剤 - Google Patents

二液主剤型アクリル系接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】低臭気で各種被着材に対する接着性に優れた二液主剤型アクリル系接着剤を提供すること。【解決手段】(メタ)アクリル系モノマーと有機過酸化物とを含むA剤と、(メタ)アクリル系モノマーと還元剤とを含むB剤と、を含む二液主剤型アクリル系接着剤であって、A剤とB剤のそれぞれが、前記(メタ)アクリル系モノマーとして、一般式(1)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、一般式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレート、および一般式(3)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの3種の(メタ)アクリレートを含む。【選択図】なし

Description

本発明は二液主剤型アクリル系接着剤に関する。
従来から知られている二液型アクリル系接着剤は、(メタ)アクリル系モノマー〔本発明において(メタ)アクリルはアクリルまたはメタクリルを表すものとする〕、エラストマー、有機過酸化物及び還元剤の組み合わせから構成されている(例えば、特許文献1,2)。これを同じアクリル系接着剤である一液型の嫌気性接着剤と比較すると二液型であるため作業性の点では劣るが、様々な被着体に対する接着性や接着強度は格段に優れている。また、接着した部分からはみ出した空気接触部の硬化性も良好であることから電気、機械、建築等の広い分野で使用されている。また、二液型エポキシ系接着剤と比べると作業性の面では計量・混合を必要とせず、室温下、短時間に硬化して実用強度に達する。さらに油面接着性や剥離強度においてはかなり優れている。このように二液型アクリル系接着剤は、接着性、作業性の面で優れている。
一方、(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチルメタクリレートのような低沸点の(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステルが使用されている。しかし、(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステルは、臭気が強く、揮発性及び引火性が大きいため、作業環境面で大きな支障となっていた。これらの欠点を改善するために、(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステルに代わる低揮発性のモノマーを使用した接着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献3〜12)。
特公昭55−1957号公報 特開昭56−74165号公報 特開昭55−71770号公報 特開昭57−87484号公報 特開昭57−90073号公報 特開昭57−100168号公報 特開昭61−34082号公報 特開平10−7753号公報 特開2001−55420号公報 特開2001−55421号公報 特開2001−55422号公報 特開2001−55423号公報
しかしながら、得られる接着剤の揮発性や引火性は改善されるが、接着強度が(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステルを使用したものに比べて低下するという問題がある。また、またモノマーの種類によっては空気接触部の硬化が不十分なため、用途が制限されるという問題もある。
そこで、本発明は、低臭気で各種被着材に対する接着性に優れた二液主剤型アクリル系接着剤を提供することを目的とした。
本来の二液型アクリル系接着剤の特徴を損なわず、実質的に刺激臭や不快臭のない接着剤を開発するために鋭意検討した結果、特定のモノマーを配合することによって、従来品と比較して臭気が改善され、各種接着強度も優れ、空気接触部の硬化性も良好な二液主剤型アクリル系接着剤が得られることを見出して本発明に至った。
すなわち、本発明の二液主剤型アクリル系接着剤は、(メタ)アクリル系モノマーと有機過酸化物とを含むA剤と、(メタ)アクリル系モノマーと還元剤とを含むB剤と、を含む二液主剤型アクリル系接着剤であって、A剤とB剤のそれぞれが、前記(メタ)アクリル系モノマーとして、以下の一般式(1)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、以下の一般式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレート、および以下の一般式(3)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの3種の(メタ)アクリレートを含み、
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの含有量が前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、20〜70重量部であり、前記アルキル(メタ)アクリレートの含有量が前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、10〜60重量部であり、前記エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、5〜30重量部である、ことを特徴とする。
Figure 2018197328

(式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数2〜12のアルキレン基を表す。)
Figure 2018197328

(式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数5〜13のアルキル基を表す。)
Figure 2018197328


(式(3)中のXは、以下の一般式(4)で表される。)
Figure 2018197328

(式(4)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは酸無水物残基、mは1〜10の整数を表す。)
本発明によれば、低臭気で金属、硬質プラスチック、木材、セラミックス等の各種被着材に対する接着性に優れた二液主剤型アクリル系接着剤が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の二液主剤型アクリル系接着剤は、(メタ)アクリル系モノマーと有機過酸化物とを含むA剤と、(メタ)アクリル系モノマーと還元剤とを含むB剤と、を含み、A剤とB剤のそれぞれが、前記(メタ)アクリル系モノマーとして、一般式(1)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、一般式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレート、および一般式(3)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの3種の(メタ)アクリレートを含む。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、以下の一般式(1)で表される。
Figure 2018197328
式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数2〜12のアルキレン基を表す。
一般式(1)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシイソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等を挙げることができるが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、20〜70重量部、より好ましくは30〜60重量部である。含有量が20重量部未満であると、接着性が低くなり、硬化速度も遅くなる場合があるからである。また、70重量部を超えると耐湿性が低下する場合があるからである。
アルキル(メタ)アクリレートは、以下の一般式(2)で表される。
Figure 2018197328
式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数5〜13のアルキル基を表す。
一般式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。好ましくは、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、またはn−ラウリル(メタ)アクリレートである。
アルキル(メタ)アクリレートの含有量は、前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、10〜70重量部、より好ましくは20〜60重量部である。10重量部未満であると耐湿性が低くなる場合があるからである。また、60重量部を超えると接着性が低下する場合があるからである。
エポキシ(メタ)アクリレートは、以下の一般式(3)で表される。
Figure 2018197328
式(3)中のXは、以下の一般式(4)で表される。
Figure 2018197328
式(4)中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは酸無水物残基、mは1〜10の整数を表す。
一般式(3)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートは、原料としてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物と二塩基酸無水物から得られるハーフエステル化合物をビスフェノールA型エポキシ樹脂と反応させて得られるものである。二塩基酸無水物は無水物残基を構成するもので、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、フタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物等を挙げることができ、これらを単独または2種以上混合して用いることができる。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。一般式(3)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、サートマー社製のエポキシアクリレートオリゴマー(商品名CNUVE151)や、ダイセルオルネクス社製の変成エポキシアクリレート(商品名EBECRYL3708)として入手できる。
エポキシ(メタ)アクリレートの含有量は、前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、5〜30重量部、より好ましくは10〜20重量部である。含有量が5重量部未満であると接着性が低下し、また30重量部を超えても接着性が低下する場合があるからである。
A剤に含まれる有機過酸化物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシデカノエート等のアルキルパーオキシエステル類を挙げることができる。これらのうち、反応性の観点からハイドロパーオキサイド類が好ましい。
有機過酸化物の含有量は、一般式(1)、(2)、(3)で表される3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部である。1重量部未満では硬化速度が遅く、接着性も低くなり、また、10重量部を超えると保存安定性が低下するからである。
B剤に含まれる還元剤は、A剤に含まれる有機過酸化物とレドックス触媒系を形成する。還元剤としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の第3級アミン、2−メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素等のチオ尿素誘導体、およびナフテン酸コバルト、バナジウム化合物等の金属塩を挙げることができる。好ましくは金属塩、より好ましくはバナジウム化合物である。バナジウム化合物の具体例としては、オクテン酸バナジル、ナフテン酸バナジル、ステアリン酸バナジル等の金属石けん、バナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート等の金属キレート等を挙げることができる。
バナジウム化合物の含有量は、一般式(1)、(2)、(3)で表される3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部である。0.1重量部未満では硬化速度が遅く、接着性も低くなり、また、3重量部を超えると保存安定性が低下するからである。
また、A剤およびB剤が、エラストマーを含んでもよい。エラストマーは常温付近でゴム弾性を示す高分子物質のことである。エラストマーは、接着剤としての衝撃強度や剥離強度をさらに向上させることができる。エラストマーの具体例としては、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン共重合体(MBAS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等の熱可塑性樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムを挙げることができる。熱可塑性樹脂のうち、さらに好ましいのはMBS樹脂である。例えば、カネカ社製MBS樹脂(商品名カネエースB56)等を市販品として入手できる。また、合成ゴムのうち、さらに好ましい合成ゴムとしては、デュポン社製エチレン−アクリルゴム(商品名ベイマックG)、日本ゼオン社製カルボキシル基含有アクリロニトリルーブタジエンゴム(商品名ニポール1072)等を市販品として入手できる。
エラストマーの含有量は、一般式(1)、(2)、(3)で表される3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、20〜60重量部、好ましくは30〜50重量部である。20重量部未満であると接着性が低くなり、60重量部を超えると粘度が高くなって取扱いに支障をきたす場合があるからである。
また、B剤が、以下の一般式(5)で表されるアシッドホスホキシアルキル(メタ)アクリレートを含んでもよい。アシッドホスホキシアルキル(メタ)アクリレートは、A剤およびB剤が混合または接触して重合反応が開始した際の硬化を促進し、かつ被着材に対する密着性を向上させる。
Figure 2018197328
式(5)中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1または2の整数を表す。
アシッドホスホキシアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。好ましくは、アシッドホスホキシエチルメタクリレートである。アシッドホスホキシアルキル(メタ)アクリレートは、例えば、城北化学社製2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート(商品名JPA−514)として入手できる。
アシッドホスホキシアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、一般式(1)、(2)、(3)で表される3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部である。0.1重量部未満では硬化速度が遅く、金属に対する接着性も低くなり、また10重量部を超えても硬化速度の向上は見られないからである。
さらに、必要に応じて、A剤および/またはB剤に以下の化合物を添加することもできる。
(硬化促進剤)
以下の化合物を硬化促進剤として、A剤および/またはB剤に添加することができる。例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、p−トリルジエタノールアミン等の芳香族第3級アミン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の第4級アンモニウム塩、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のα−ヒドロキシカルボン酸等を挙げることができる。硬化促進剤の含有量は、一般式(1)、(2)、(3)で表される3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。
(重合禁止剤)
以下の化合物を重合禁止剤として、A剤および/またはB剤に添加することができる。例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、キンヒドロン、p−ベンゾキノン、トルキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル−p−クレゾール)]等を挙げることができる。重合禁止剤の含有量は、一般式(1)、(2)、(3)で表される3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、0.01〜2重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。
さらに、必要に応じてA剤および/またはB剤に揺変性を付与させるために、フュームドシリカ、ベントナイト等の揺変性付与剤、空気接触部の硬化をより促進するためにパラフィン類やワックス類、及び顔料や着色剤等を添加することもできる。
本発明の接着剤は、A剤およびB剤が、一般式(1)、(2)、(3)で表される3種の(メタ)アクリレートを含んでいるので、臭気を改善することができる。この理由としては、例えば、これら3種の(メタ)アクリレートのうち、一般式(1)、(3)で表される(メタ)アクリレートは高沸点で低臭気であり、かつ、一般式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数が5〜13と大きいことにより、臭気が低く、高沸点でかつ揮発性も低いためであると考えられる。さらに、本発明の接着剤は、金属、硬質プラスチック、木材、セラミックス等の種々の被着体を室温下で短時間に強力に接着することができる。特に金属に対しては剥離強度を大きく向上させることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。なお、各成分の使用量を示す部はすべて重量部を示す。
(A剤およびB剤の組成)
(1)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
・三菱ケミカル社製の2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(以下、HPMAと略す)
・共栄社化学社製の4−ヒドロキシブチルメタクリレート(以下、HBMAと略す)
(2)アルキル(メタ)アクリレート
・三菱ケミカル社製の2−エチルヘキシルメタクリレート(以下、EHMAと略す)
・共栄社化学社製のイソデシルメタクリレート(以下、IDMAと略す)
・三菱ケミカル社製のn−ラウリルメタクリレート(以下、LMAと略す)
(3)エポキシ(メタ)アクリレート
・サートマー社製エポキシアクリレート(商品名CNUVE151)(以下、CNUVE151と略す)
・ダイセルオルネクス社製エポキシアクリレート(商品名EBECRYL3708)(以下、EB3708と略す)
・共栄社化学社製脂肪族エポキシアクリレート(商品名エポキシエステル70PA)(以下、70PAと略す)
ここで、70PAは、プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物である。
・共栄社化学社製ビスフェノールA型エポキシメタクリレート((商品名エポキシエステル3002M)(以下、3002Mと略す)
ここで、3002Mは、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物ジグリシジルエーテルのメタクリル酸付加物である。
・サートマー社製大豆油エポキシアクリレート(商品名CN111)(以下、CN111と略す)
ここで、CN111は、不飽和植物油である大豆油の二重結合に過酢酸、過安息香酸でエポキシ化したエポキシ化植物油のエポキシ基に、アクリル酸を開環付加重合させた化合物である。
(4)前記の3種の(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレート
・第一工業製薬社のエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(商品名ニューフロンティアBPE−4)(以下、BPE−4と略す)
ここで、BPE−4は、以下の一般式(6)で表される。なお、ZはビスフェノールA骨格を表し、m+nは約4である。
CH=CHCO(OCHCH−Z−O(CHCHO)CH=CH (6)
・第一工業製薬社のエチレンオキサイド変性水素添加ビスフェノールAジアクリレート(商品名ニューフロンティアHBPE−4)(以下、HBPE−4と略す)
ここで、BPE−4は、以下の一般式(7)で表される。なお、Z‘は水添ビスフェノールA骨格を表し、m+nは約4である。
CH=CHCO(OCHCH−Z‘−O(CHCHO)CH=CH (7)
(5)エラストマー
・カネカ社製MBS樹脂(商品名カネエースB56)(以下、B56と略す)
・デュポン社製エチレン−アクリルゴム(商品名ベイマックG)(以下、ベイマックGと略す)
・日本ゼオン社製カルボキシル基含有アクリロニトリルーブタジエンゴム(ニポール1072)(以下、1072と略す)
(6)有機過酸化物
・日油社製のクメンハイドロパーオキサイド(以下、CHPと略す)
(7)バナジウム化合物
・新興化学社製のバナジルアセチルアセトネート(以下、VOAA2と略す)
(8)アシッドホスホキシアルキル(メタ)アクリレート
・城北化学社製2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート(商品名JPA−514)(以下、JPA514と略す)
(9)重合禁止剤
重合禁止剤としてA剤にp−ベンゾキノン(以下、PBQと略す)、B剤にハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、MEHQと略す)を用いた。
また、以下の実施例、比較例において各被着材に対する接着強度は以下の条件で測定した。
<引張剪断強度>
金属板として、100×20×2.3mmのSPHCのサンドブラスト処理鋼板、100×20×3.0mmのA1050Pのサンドブラスト処理アルミニウム板、硬質プラスチック板として、100×25×3.0mmのアクリル板とABS板を用いた。同種の板同士を接着し、24時間後に引張速度25mm/分で強度を測定した。測定温度は23℃である。なお、ラップの長さは、金属板は10mm、硬質プラスチック板は12.5mmとした。
<T型剥離強度>
金属板として、150×25×0.3mmのSPHCのサンドブラスト処理鋼板、A1050Pのサンドブラスト処理アルミニウム板、およびSUS304のサンドブラスト処理ステンレス板を用いた。同種の板同士を接着し、24時間後に引張速度250mm/分で強度を測定した。測定温度は23℃である。
<臭気評価>
下記の臭気強度表示法により、臭気指数を評価した。
0:無臭
1:やっと感知できる臭い
2:何の臭いであるかがわかる弱い臭い
3:楽に感知できる臭い
4:強い臭い
5:強烈な臭い
(結果)
表1及び表2にA剤とB剤の組成および評価結果を示す。なお、表1,2中の*印は、材料が測定中に破壊されたことを示す。
Figure 2018197328
Figure 2018197328
比較例1〜3は、実施例1〜4で用いたものとは構造の異なるエポキシ(メタ)アクリレートを用いた例である。実施例1〜4では、比較例1〜3と比べて、金属と硬質プラスチックの引張剪断強度が向上した。特に硬質プラスチックについては、顕著に引張剪断強度が向上した。また、金属の剥離強度も、比較例1〜3と比べて大きく向上した。また、実施例1〜4の臭気は、臭気指数2であった。
また、比較例4,5は、実施例5〜8で用いたエポキシ(メタ)アクリレートに代えて、二官能の(メタ)アクリレートを用いた例である。実施例5〜8では、比較例4,5と比べて、金属と硬質プラスチックの引張剪断強度が向上した。特に硬質プラスチックについては、顕著に引張剪断強度が向上した。また、金属の剥離強度も、比較例4,5と比べて大きく向上した。また、実施例5〜8の臭気は、臭気指数2であった。
以上の結果から明らかなように、本発明の接着剤は、低臭気で、金属、硬質プラスチック等の被着体に強力に接着した。特に金属に対して大きな剥離強度を有していた。
本発明によれば、低臭気で各種被着材に対する接着性に優れた二液主剤型アクリル系接着剤を提供することができる。さらに、揮発性や引火性が低減することによって作業環境の改善に大きく寄与することができる。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル系モノマーと有機過酸化物とを含むA剤と、(メタ)アクリル系モノマーと還元剤とを含むB剤と、を含む二液主剤型アクリル系接着剤であって、
    A剤とB剤のそれぞれが、前記(メタ)アクリル系モノマーとして、以下の一般式(1)で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、以下の一般式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレート、および以下の一般式(3)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの3種の(メタ)アクリレートを含み、
    前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの含有量が前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、20〜70重量部であり、前記アルキル(メタ)アクリレートの含有量が前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、10〜60重量部であり、前記エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、5〜30重量部である、二液主剤型アクリル系接着剤。
    Figure 2018197328
    (式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数2〜12のアルキレン基を表す。)
    Figure 2018197328
    (式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数5〜13のアルキル基を表す。)
    Figure 2018197328
    (式(3)中のXは、以下の一般式(4)で表される。)
    Figure 2018197328
    (式(4)中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは酸無水物残基、mは1〜10の整数を表す。)
  2. 前記B剤が、以下の一般式(5)で表されるアシッドホスホキシルアルキル(メタ)アクリレートを、前記3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部中、0.2〜10重量部含む、請求項1記載の二液主剤型アクリル系接着剤。
    Figure 2018197328
    (式(5)中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1または2の整数を表す。)
  3. 前記A剤とB剤のそれぞれが、エラストマーを、前記の3種の(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、20〜60重量部含む、請求項1または2に記載の二液主剤型アクリル系接着剤。
  4. 前記還元剤が、バナジウム化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二液主剤型アクリル系接着剤。
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