JP2018196238A - 直流モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの体格を変更せずにブラシの温度上昇を抑えることができる直流モータを提供する。【解決手段】ロータ20、整流子24、ブラシホルダ12と、ヨークハウジング11と、を少なくとも備えた直流モータ10に関する。ブラシは、整流子24側の端部が開口しているブラシケース25内部に格納されており、ブラシケース25は、少なくとも一部が金属部で構成される。ブラシケース25の側壁部25Aのうち、ブラシの、整流子24と離れる側の端部と隣り合う部分は、切り欠かれている。ブラシケース25の、整流子24と離れる側の端部と、ヨークハウジング11との間には、絶縁ギャップK2が形成されており、絶縁ギャップK2において、ロータ20の回転方向上流側には、絶縁ギャップK2を閉塞するように阻害壁7が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は直流モータに係り、特に、ブラシにより整流を行う直流モータに関するものである。
一般的に、昨今の自動車には、快適な車内空間や効率的な運転を提供するために様々な機構が搭載されているが、それらの一つとして、例えば、ABS(アンチロックブレーキングシステム)が搭載されている。このABSの駆動源には、一般的に直流モータが使用されている。ABSにおいて、直流モータの回転力は、油圧ポンプのピストンの直線往復運動に変換され、これにより油圧が制御されることによって、ブレーキディスクの制動力が制御されるように構成されている。
モータ回転力をプランジャ(ピストン)の直線往復運動に変換する装置の一例としては、特許文献1に記載の装置が挙げられる。特許文献1に記載のモータは、ポンプ装置の動力源として用いられるものであり、給電ブラシによって外部電源から給電されている。詳しく説明すると、特許文献1ではモータに給電ブラシが保持されるブラシホルダが備えられており、このブラシホルダは、ヨークの開口部を閉塞するように配置されている。給電ブラシからは、給電ルートとなるピグテールの一端部が取付けられており、ピグテールの他端部は、外部電源へと接続される給電ターミナルに接続されている。また、給電ブラシは、径方向に延びる矩形ドーム状のブラシケース内に格納されており、これにより、周方向への移動が規制されている。そして、給電ブラシの径方向中心側端面は、整流子の外側面(整流子片)に当接しており、ロータの回転によって整流子の外側面(整流子片)に摺接する。
特開2015−027206号公報
ところで、従来のモータでは、モータの構造上、ブラシホルダに保持されたブラシの温度が上昇し易くなるという問題が生じていた。具体的に説明すると、従来のモータでは、矩形ドーム状のブラシケースの内部にブラシが格納されており、ブラシの両側面がブラシケースの側壁部によって覆われていた。このため、ロータの回転によってモータ内部に気流が生じたとき、気流がブラシケースの側壁部によって遮られて径方向外側(ヨーク側)に向かって流れてしまう。この結果、ブラシ保持部内のブラシに気流が当たり難くなるためにブラシから熱が放出され難くなり、ブラシ温度が上昇し易くなる。このようなブラシ温度の上昇は、ブラシの寿命に影響を及ぼす虞がある。
本発明の目的は、上記の問題点を解決することにあり、具体的には、モータの体格を変更せずにブラシの温度上昇を抑えることができる直流モータを提供することにある。
上記課題は、本発明に係る直流モータによれば、回転駆動されるロータと、該ロータを軸方向に貫通する回転軸と、該回転軸の出力側に固定された整流子と、該整流子に摺接するブラシと、該ブラシを支持し、中央部に前記整流子が配置される整流子配設孔を有するブラシホルダと、前記ブラシホルダ及び前記ロータを少なくとも被覆するヨークハウジングと、を少なくとも備えた直流モータであって、前記ブラシは、前記ブラシホルダに支持されると共に、前記ブラシホルダの径方向に沿って延び、前記整流子側の端部が開口しているブラシケースの内部に格納されており、前記ブラシケースは、少なくとも一部が金属部で構成され、前記ブラシケースの側壁部のうち、前記径方向において前記ブラシの前記整流子と離れる側の端部と隣り合う部分が切り欠かれており、前記ブラシケースの、前記径方向において前記整流子と離れる側の端部と、前記ヨークハウジングと、の間には、空隙部が形成されており、前記空隙部において、前記ロータの回転方向の上流側には、前記空隙部を閉塞するように阻害壁が形成されていることにより解決される。
このように本発明では、ブラシホルダに設けられたブラシケース内にブラシが格納されている。また、ブラシケースの、径方向において整流子と離れる側(以下、「後側」と規定する)と、ヨークハウジングの内壁と、の間には空隙部が形成されている。そして、本発明では、空隙部におけるロータの回転方向の上流側に、空隙部を閉塞するように阻害壁が設置されている。これにより、モータ回転によってモータ内部に発生した気流が上記の空隙部を通ってブラシケースの後側に回り込もうとしても、そのような気流の流れを阻害壁によって阻止することが可能となる。
さらに、ブラシケースの側壁部のうち、ブラシの後端部と隣り合う部分が切り欠かれているため、阻害壁に衝突した気流は、ブラシケースの内部においてブラシの後方を通過するようになる。これにより、ブラシケース内のブラシに気流が接し易くなるのでブラシから熱を除去し易くなる。この結果、ブラシの温度上昇を効果的に抑制することが可能となる。
また、上記課題は、本発明に係る他の直流モータによれば、回転駆動されるロータと、該ロータを軸方向に貫通する回転軸と、該回転軸の出力側に固定された整流子と、該整流子に摺接する複数のブラシと、該ブラシを支持し、中央部に前記整流子が配置される整流子配設孔を有するブラシホルダと、前記ブラシホルダ及び前記ロータを少なくとも被覆するヨークハウジングと、を少なくとも備えた直流モータであって、複数の前記ブラシは、前記ブラシホルダに支持されると共に、前記ブラシホルダの径方向に沿って延び、前記整流子側の端部が開口している複数のブラシケースの内部に各々格納されており、前記ブラシケースは、少なくとも一部が金属部で構成され、前記ブラシケースの側壁部のうち、前記径方向において前記ブラシの前記整流子と離れる側の端部と隣り合う部分が切り欠かれており、前記ブラシケースの、前記径方向において前記整流子と離れる側の端部と、前記ヨークハウジングと、の間には、空隙部が形成されており、前記ロータの回転方向において隣接する前記ブラシケースの間には、前記径方向に沿うと共に、基端部方向に立設する阻害壁が形成されていることにより解決される。
上記のように構成された発明もまた、ブラシの温度上昇を効果的に抑制するという目的は同じである。上記の発明によれば、隣接するブラシケースの間において、阻害壁がブラシホルダの径方向に延びるように配置されている。このような構成であれば、ロータの回転によって生じる気流を途中で折り返してブラシケースに向かうように戻すことが可能となる。したがって、ブラシケース内部を一旦通過した気流が折り返されて再びブラシケース内部を通過することになり、ブラシケース内のブラシがより気流と接し易くなる。この結果、ブラシから熱を除去し易くなり、ブラシの温度上昇を効果的に抑制することが可能となる。
また、上述の構成において、前記ヨークハウジングの内壁には、界磁となるマグネットが配設されており、前記阻害壁は、前記ブラシホルダにおいて、前記ブラシケース及び前記ブラシが支持される基体板から基端部側へ向けて立設し、前記阻害壁の基端部側端部と、前記基体板と、の軸方向距離は、前記マグネットの出力側端部と、前記基体板と、の軸方向距離よりも小さくなるように構成されていると好適である。
以上のように構成されていると、阻害壁の基端部側の端部と、マグネットの出力側の端部と、が干渉するのを有効に回避することが可能となる。
さらに、上述の構成において、前記ヨークハウジングの内壁には、界磁となるマグネットが配設されており、前記阻害壁は、前記ブラシホルダにおいて、前記ブラシケース及び前記ブラシが支持される基体板から基端部側へ向けて立設し、前記阻害壁の基端部側端部と、前記基体板と、の軸方向距離は、前記ロータの出力側端部と、前記基体板と、の軸方向距離よりも小さくなるように構成されていると好適である。
以上のように構成されていると、阻害壁の基端部側の端部と、ロータの出力側の端部と、が干渉するのを有効に回避することが可能となる。
また、上記の構成において、前記ヨークハウジングの内壁には、界磁となるマグネットが配設されており、前記阻害壁は、前記ブラシホルダにおいて、前記ブラシケース及び前記ブラシが支持される基体板から基端部側へ向けて立設すると共に、前記径方向に沿って延びており、前記径方向において前記整流子側に配置される前側壁部と、前記径方向において前記整流子と離れる側に配置される後側壁部と、の2個の部分を有して構成され、前記後側壁部は、前記空隙部の前記回転方向の上流側に、前記空隙部を閉塞するように配置されると共に、前記前側壁部は、前記ブラシケースの側面に沿って延びており、前記後側壁部の基端部側端部と、前記基体板と、の軸方向距離は、前記マグネットの出力側端部と、前記基体板と、の軸方向距離よりも小さくなるように構成されており、前記前側壁部の基端部側端部と、前記基体板と、の軸方向距離は、前記ロータの出力側端部と、前記基体板と、の軸方向距離よりも小さくなるように構成されていると好適である。
以上のように構成されていると、阻害壁の基端部側の端部と、マグネットの出力側の端部と、が干渉することを有効に防止することができると共に、阻害壁の基端部側の端部と、ロータの出力側の端部と、が干渉するのを有効に回避することが可能となる。
なお、通常、基体板と、マグネットの出力側の端部と、の距離は、基体板と、ロータの出力側の端部と、の距離よりも大きくなる。換言すれば、ロータの出力側の端部は、マグネットの出力側の端部よりも、出力側に配置される。
このため、阻害壁を2部分に分けて、各々が対応する高さ(基体板から基端部側端部に至る起立距離)となるように構成されると好適である。
以上のように構成することで、例えば、前側壁部の高さを小さくしてロータとの干渉を回避しつつ、後側壁部の高さを、マグネットに干渉しない程度に大きくして、空隙部に気流が入り込むのを有効に阻止することが可能となる。
さらに、上記の構成において、前記ブラシホルダの仮想中心点を中心として2個の前記ブラシケースが点対称に配置されており、点対称に配置された2個の前記ブラシケースの各々と前記ヨークハウジングとの間に形成された前記空隙部のうち、一方の前記空隙部に配置された前記阻害壁の前記後側壁部から、前記仮想中心点を経由して、他方の前記空隙部に配置された前記阻害壁の前記後側壁部に達するまでの距離は、前記径方向における前記ロータの長さよりも大きくなるように構成されていると好適である。
以上のように構成されていると、2つの阻害壁の後側壁部の間において、ロータが各後側壁部と干渉することなく回転することが可能となる。
また、上記の構成において、前記ブラシケースの前記側壁部のうち、前記径方向において前記ブラシの前記整流子と離れる側の端部と隣り合う部分には、当該部分が矩形状に切り欠かれることによって形成された、前記ブラシの給電経路となるピグテールを貫通させるピグテール引出孔が設けられており、前記前側壁部の、前記径方向において前記整流子側となる端部は、前記ピグテール引出孔の、前記径方向において前記整流子と離れる側の端部よりも、更に前記径方向において前記整流子と離れる側に位置していると、好適である。
以上のように構成されていると、前側側壁部とピグテールとの干渉を回避することが可能である。
さらに、上記の構成において、前記空隙部にはシーリング材が配置されていてもよい。
本発明によれば、ブラシケースの後端部とヨークハウジングの内壁との間に形成される空隙部のうち、ロータの回転方向上流側に位置する端部に阻害壁を配置する。あるいは、隣接するブラシケースの間において、阻害壁をブラシホルダの径方向に延びるように配置する。そして、ブラシケースの側壁部のうち、ブラシの後端部と隣り合う部分が切り欠かれている。このため、ロータの回転によって生じた気流がブラシケース内部を通過してブラシの後端部と接し易くなる。この結果、ブラシから熱を除去し易くなり、ブラシの温度上昇を効果的に抑制することが可能となる。
さらに、界磁用マグネットやロータ等の周辺部材の位置を勘案して、阻害壁の高さを決定することにより、周辺部材と阻害壁とが干渉するのを回避することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るモータが使用されているポンプ用モータ装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るブラシホルダを基端部側から見た平面図である。 本発明の一実施形態に係る阻害壁の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るブラシ後端部付近の気流を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る阻害壁のサイズを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る阻害壁の他の部材に対するサイズ関係を示す説明図である。 本発明の第一改変例に係る阻害壁の形状についての説明図である。 本発明の第一改変例に係るブラシケースの構造を示す説明図である。 本発明の第一改変例に係る阻害壁がブラシケースの両脇位置に設けられた構成を示す図である。 本発明の第二改変例を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する構成は、本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変し得る。
本実施形態は、ブラシの温度上昇を抑制することが可能な直流モータに関するものであり、ロータの回転により発生する気流によってブラシの熱を除去し得る構造を特徴としている。
図1乃至図6は、本実施形態の説明図であり、図1はモータが使用されたポンプ用モータ装置の概略構成図、図2はブラシホルダを基端部側から見た平面図、図3は阻害壁の斜視図、図4はブラシ後端部付近の気流を示す説明図、図5は阻害壁のサイズを示す説明図、図6は阻害壁の他の部材に対するサイズ関係を示す説明図である。
また、図7は、第一改変例に係る阻害壁の形状についての説明図であり、図8は、第一改変例に係るブラシケースの構造を示す説明図であり、具体的には図7からブラシケースの天板部を取り外した図であり、図9は第一改変例に係る阻害壁がブラシケースの両側に設けられた構成を示す図である。
さらに、図10は、第二改変例を示す説明図である。
最初に、本発明に係る直流モータ(以下、「モータ10」と記す)の具体的適用例として、ポンプ用モータ装置Sの構成例について簡単に説明する。ポンプ用モータ装置Sは、アンチロックブレーキングシステムに好適に使用される装置であり、図1に示すように、モータ部1とポンプ部2とを組み合わせることにより構成されている。
なお、モータ10の出力側とは、モータ10の動力が伝達されていく側であり、本実施形態においてはポンプ部2に向かう側となる。また、基端部側とは、回転軸21の軸方向に沿って出力側とは反対側を指すものである。
<モータ部について>
モータ部1を構成するモータ10は、直流モータであり、本実施形態においては、所謂ポンプ用モータである。なお、図1は、本実施形態に係るポンプ用モータ装置Sの概略構成を説明する説明図であるが、説明のため、一部切欠き部分に内部形状を記してある。
図1に示すように、モータ10は、本実施形態のモータ10のケース部材として、有底円筒状のヨークハウジング11に囲繞されており、このヨークハウジング11の開口部(出力側に位置する端部)がブラシホルダ12で閉塞された基本構成を有する。なお、ブラシホルダ12及びこれに搭載される部材に関しては、本実施形態の主要構成となるため、後に詳述する。
ヨークハウジング11の筒部内周面には、界磁用のマグネット13が固着されている。本実施形態では、マグネット13の磁極数が6極である。ヨークハウジング11の底部中央部には、円筒状に屈曲形成された軸受保持部11aが設けられ、軸受保持部11aの内周面にはリア軸受14が圧入されている。マグネット13の内側にはロータ20が回転可能に収容され、ロータ20の回転軸21の基端部がリア軸受14にて支持されている。そして、軸受保持部11aの底面(基端部側を規定する面)と、リア軸受14の基端部側を向く面との間には、皿バネW1が配置されている。
ロータ20は、回転駆動される機器であり、図1に示すように、回転軸21と、回転軸21に一体回転可能に組み付けられるロータコア22と、ロータコア22に巻装されるコイル23と、回転軸21に固定されコイル23と電気的に接続される整流子24とを備えて構成されている。
なお、図示は省略するが、本実施形態に係るロータコア22は、平板状のコアシートが複数枚積層されて構成されている。コアシートは、円環状の部分から、T字形状の部分が複数個放射状に突出した形態を採るものであり、このT字形状の部分が複数枚重なった部分が所謂ティース部である。なお、本実施形態においては、マグネット13の磁極数が「6」であるのに対し、ロータ20側の突極数(つまり、ティース部の個数)が「19」に設定されている。
以上のように形成されたロータコア22の中心部において軸方向に貫通する孔が回転軸21の圧入のための軸孔となっており、当該軸孔に回転軸21が圧入されている。また、回転軸21の基端部は、リア軸受14にて回転可能に支持されている。なお、リア軸受14の外輪は、ヨークハウジング11の軸受保持部11aに圧入されるのに対し、内輪には回転軸21が遊嵌されている。つまり、回転軸21(ロータ20)は、軸方向に移動可能に支持されている。
軸受保持部11aの底面(基端部側を規定する面)と、リア軸受14の基端部側を向く面との間に配置された皿バネW1は、予圧部材である。つまり、皿バネW1は、軸方向への予圧を付与するものであり、軸受保持部11aの底面(基端部側を規定する面)を支点として、自身の付勢力をリア軸受14に作用させてロータ20を先端側(出力側)に押圧する。
また、図1に示すように、回転軸21の先端側には整流子24が固定されている。同図に示すように、整流子24の外周面には複数個のセグメント24aが固定されており、ロータコア22のティース部に巻装されたコイル23の端末線が対応のセグメント24aに対して接続されている。整流子24から突出する回転軸21の先端部は、出力部21aとなっている。出力部21aは、回転軸21と同軸の同軸部121aと、この回転軸21の軸からずれた位置(偏心した位置)に軸を持つ偏心部121bと、によって構成されている。
同軸部121aの外周にはフロント軸受17が配置されており、偏心部121bの外周には出力用軸受121dが配置されている。フロント軸受17は、ポンプ部2を構成するポンプハウジング31に配設されると共に、出力用軸受121dの外周部は、ポンプ部2を構成するピストン32に当接するよう配置される。
また、前述の通り、ロータ20は、19本のティース部を有すると共に、整流子24には19個のセグメント24aが配置されている。また、本実施形態において、ステータであるヨークハウジング11に配設されるマグネット13は、6磁極となるように構成されている。また、本実施形態において、コイル23は、ロータコア22に波巻により巻装されている。
以上のように構成されたロータ20等を内部に収容したヨークハウジング11の開口部には、ブラシホルダ12が装着される。ブラシホルダ12の中心部に設けた挿通孔12gからは、回転軸21の先端部に設けた出力部21aが外部に突出している。
なお、本実施形態において、挿通孔12gは、径の異なる2個の部分にて構成されている。つまり、基端部側には、整流子24の径と整合する径を有する整流子配設孔G1が形成され、その整流子配設孔G1の出力側には、フロント軸受17の最大径と整合する径を有する軸受配設孔G2が形成されている。このように構成されているため、回転軸21を配設した状態において、ブラシホルダ12の基端部側(整流子配設孔G1)には、整流子24が配置されると共に、出力側(軸受配設孔G2)にはフロント軸受17の基端部側の一部が配置されることとなる。
また、ブラシホルダ12の基端部側面にはブラシ27が配置されている。本実施形態では、図2に示すように2個のブラシ27が配置されている。ブラシ27は、整流子24の外周面のセグメント24aに圧接するよう構成されており、ブラシ27及び整流子24を通じてロータ20のコイル23に給電が行われ、ロータ20に回転のための磁界を生じさせる。
また、ブラシホルダ12には、外部から電源を供給するための給電ターミナル50が配置されている。給電ターミナル50は、長尺の矩形平板を屈曲させてL字形状に形成した部材であり、ブラシホルダ12側に露出しているブラシ接続側ターミナル部51と、ブラシ接続側ターミナル部51に対して約90°を成して屈曲して延びる外部接続側ターミナル部52と、を有して構成されている。そして、ブラシ接続側ターミナル部51と、ブラシ27から引き出されるピグテールP1とが電気的に接続されることにより、外部電源からブラシ27への給電が行われる。ピグテールP1は、ブラシ27への給電経路をなすケーブル材である。
さらに、ブラシホルダ12に形成された挿通孔12gの近傍には、ブラシホルダ12の出力側の面から軸方向の出力側に突出する態様でブラシホルダ保持部12bが一体に形成されている。ブラシホルダ保持部12bには、外部接続側ターミナル部52が、その自由端部を突出させた状態で埋設されている。ブラシホルダ12は、ブラシホルダ保持部12bを介してポンプハウジング31に固定されている。
<ポンプ部について>
次に、ポンプ部2について説明する。ポンプ部2は、図1に示すように、ポンプハウジング31を備えており、そのモータ部1と対向する面にモータ部1から突出する偏心部121b及び出力用軸受121dを格納する伝達室31aが形成されている。伝達室31aは、ポンプハウジング31においてモータ部1と当接する面を回転軸21の軸方向に沿って有底円筒状に凹設するように穿たれた孔部であり、出力用軸受121dを外装した偏心部121bが偏心運動可能となる空間サイズが確保されている。以下、略円筒状に穿たれた伝達室31aの底面部分を「伝達室底面部311」と呼ぶこととし、側面部分を「伝達室側面部312」と呼ぶこととする。
また、ポンプハウジング31には伝達室31aから径方向外側に延びる態様でピストン収容部31bが形成されている。ピストン収容部31bに収容されたピストン32は、偏心部121bの径方向において出力用軸受121dと当接しており、ロータ20の回転に伴ってピストン収容部31b内を摺動する。ピストン32が摺動することによってピストン収容部31bに連通する油圧室31c内の流体が加圧され、油圧室31c内に充填された作動油が圧送される。
<モータ部とポンプ部の組付け>
モータ部1は、ポンプ部2に組付けられる。このとき、ブラシホルダ12を構成するブラシホルダ保持部12bが、ポンプハウジング31に固定される。また、出力用軸受121dが外装された偏心部121bは、伝達室31a内部に配置される。このとき、出力用軸受121dの外側壁は、ピストン32の端部に当接している。
そして、フロント軸受17が、伝達室31aにおけるモータ部1配設側の開口端を閉塞するように取付けられる。つまり、伝達室31aを構成する伝達室側面部312の開口端付近に取付けられることとなる。より詳しく説明すると、フロント軸受17は、その基端部側がブラシホルダ12に形成された軸受配設孔G2に配置された状態で、その出力側が伝達室31aを構成する伝達室側面部312に取付けられる。
以上のように構成されているので、モータ部1をポンプ部2に組み付けた状態では、回転軸21がリア軸受14とフロント軸受17とによって回転可能に支承されると共に、伝達室31a内に偏心部121b及び出力用軸受121dが配置されており、回転軸21の回転力を偏心部121b及び出力用軸受121dに伝達することが可能となる。そして、出力用軸受121dは、偏心部121bを介してピストン32に対して駆動力を付与する。
<ブラシホルダ及びこれに搭載された部材について>
次に、図2乃至図7を参照しながら、ブラシホルダ12及びこれに搭載された部材の配置について説明する。図2は、ブラシホルダ12を示す図であり、ブラシホルダ12を基端部側から見た図となっている。なお、本実施形態に直接的な関係の少ない部材については、図示を省略している。また、図2では、後述の阻害壁7が取り外された状態のブラシホルダ12を図示している。
ブラシホルダ12は、中心部に挿通孔12gが形成された円環状の板体である基体板12Aと、基体板12Aの基端部側面に突設される複数のブラシケース25と、を有する。なお、本実施形態では、図2に示すように、2個のブラシケース25が中心角180°離隔して配置されている。すなわち、2個のブラシケース25は、ブラシホルダ12の仮想中心点Cを中心にして点対称に配置されている。
以下、ブラシホルダ12(厳密には基体板12A)の径方向において中心(回転中心)により近い側を「前側」とし、その反対側、つまり円周部側を「後側」とする。
本実施形態において、基体板12Aは、樹脂製の円環状板体として構成されている。基体板12Aの外周端部には、外周の湾曲に沿うような円弧状のリブRが形成されている。リブRは、周方向等間隔に6個形成されている。換言すれば、各リブRが中心角60°の間隔にて離隔して配置されている。また、本実施形態において、ブラシケース25は、ロータ20の回転方向(以下、単に回転方向)において隣接する2つのリブR,R間にその後側端部が位置するように配置されており、その配置位置にて径方向前側に延びるように設けられている。
ブラシケース25は、ブラシ27を格納できる間隙をもって基体板12Aから起立する2個の側壁部25A,25Aと、これら側壁部25A,25Aの基端部側を架橋するように配置される天板部25Bと、を有して矩形ドーム状に形成されている。側壁部25A,25Aは、基体板12Aと一体的に形成された樹脂製の部分であり、天板部25Bは、導電性の部材(本実施形態においては真鍮)にて構成されている。
なお、側壁部25Aの高さ(基体板12Aからの突出長)は、ブラシ27の高さ以上となるように構成されている。これにより、ブラシケース25と基体板12Aとで囲まれた空間(以下、「ブラシ収納空間K1」と呼ぶ)の内部にブラシ27を格納することが可能となっている。
また、側壁部25A,25Aは、基体板12Aの中心から円周部に向かって径方向に延びている。また、矩形ドーム状のブラシケース25と基体板12Aとによって構成される略角筒状の部分は、前側及び後側に矩形の開口を持つようになる。このため、ブラシ収納空間K1に格納されたブラシ27は、前側の開口部から露出した前側端面にて、挿通孔12gに配置された整流子24と当接する。
また、天板部25Bは、その後側端部が基体板12A側に向かって折り曲げられている。さらに、ブラシケース25の後端側には、コイルバネからなる付勢部材28の一端部が固定されると共に、他端部は、ブラシ27の後側端面に圧接している。これにより、ブラシ27は、径方向において中心側(つまり、整流子24側)へと押圧されている。この結果、ブラシ27の前側端面は、整流子24を構成するセグメント24aに圧接し、ロータ20の回転に伴い整流子24が回転すると、ブラシ27の前側端面が各セグメント24aに摺接することとなる。
なお、基体板12Aにおいて、ブラシケース25の後端部よりも更に後方(つまり、基体板12Aの周端部側)にはシーリング材8が配置されている。シーリング材8は、ブラシホルダ12がヨークハウジング11の開口部に配置された時に、鉄製のヨークハウジング11の内壁とブラシケース25の後端部との間に形成される絶縁ギャップK2となる位置に配置され、かかる位置での絶縁を確実に確保するために利用されるものである。つまり、絶縁ギャップK2にシーリング材8が配置されている。なお、絶縁ギャップK2は、本発明の「空隙部」に相当する。
また、2つの側壁部25A,25Aの各々では、ブラシ27の後端部と隣り合う部分(より厳密には、回転方向においてブラシ27の後端部と隣り合う部分)が切り欠かれていて、後述する気流の通過口を形成している。より詳しく説明すると、各側壁部25Aの基端部側の端部は、図5に示すように矩形状に切り欠かれている。なお、この切り欠きの高さ(軸方向における切り欠きの開口端から切り欠きの底まで距離)は、ブラシ27の高さ(軸方向におけるブラシ27の長さ)よりも短くなっている。したがって、ブラシ27が上記の切り欠きを通じてブラシ収納空間K1の外側に脱しないようになっている。
また、一方の側壁部25A(厳密には、給電ターミナル50との距離がより近い方の側壁部25A)に形成された切り欠き穴は、ピグテール引出孔25gを構成している。ピグテール引出孔25gからは、ピグテールP1が引き出されている。なお、ピグテール引出孔25gは、径方向に沿って長い孔であるため、ブラシ27の摩耗によるブラシ27の前進に追従することが可能である。
図2に示すように、ピグテール引出孔25gから引出されたピグテールP1は、給電ターミナル50のブラシ接続側ターミナル部51に接続される。給電ターミナル50は、前述のようにL字形状に屈曲形成された板状の導電性部材であり、給電ターミナル50中のブラシ接続側ターミナル部51が、ブラシホルダ12の基体板12Aに配置され、外部接続側ターミナル部52がブラシホルダ保持部12bに埋設される。
なお、ブラシ接続側ターミナル部51は、基体板12Aに載置されており、基体板12A形成された孔部(図示せず)から外部接続側ターミナル部52が出力側へと導出される。また、ブラシ27、ブラシケース25及び給電ターミナル50の各々は、それぞれ陽極用及び陰極用に2セット備えられている。
本実施形態では、ブラシホルダ12に阻害壁7が配置されている。阻害壁7は、上述の絶縁ギャップK2を閉塞するように設けられている。以下、この阻害壁7の構成及び機能について詳細に説明する。なお、陽極側の構成と陰極側の構成とは、同じ構成であるため、一方の構成のみを説明する。
阻害壁7は、ブラシケース25周りに配置された周辺部材との干渉を回避する上で、例えば、図3の(a)や(b)に示すような形状であると好適である。なお、図3の(a)及び(b)に例示した阻害壁7の構成は、あくまでも一例に過ぎず、様々な形状に形成可能なものである。つまり、阻害壁7については、他部材との干渉を避けたり、設計上の制約を加味したりすることで種々の構成に変更することが可能である。換言すれば、ブラシケース25の後方に形成される絶縁ギャップK2において回転方向上流側を閉塞するように配置することができ、他部材と干渉しない形状である限り、下記の構成以外の阻害壁7を用いてもよい。
図3の(a)に図示の阻害壁7は、基体板12Aから基端部側に向かって起立するように設けられており、後側壁部71と前側壁部72とを有して構成されている。後側壁部71は、矩形の壁体であり、その前側を向く面にて前側壁部72と連結している。前側壁部72は、軸方向と垂直な面での断面がL字状となるように屈曲した壁体であり、その一端部が後側壁部71の前側を向く面に接し、他端部が前方に向かって延びるように設けられている。
阻害壁7は、図5に示すように、後側壁部71の後ろを向く面が基体板12Aの外周端部に合わせられ、前側壁部72の前方に向けて延びる部分が、ブラシケース25の側壁部25A(回転方向上流側に配置される方の側壁部25A)に沿うように配置される。また、後側壁部71において回転方向上流側を向く面が、リブRの端部に沿うように配置されている。
なお、図3の(a)に図示した阻害壁7を用いる構成では、ブラシケース25の側壁部25Aにおける後端部の両側部が周方向に若干膨出して膨出部分25xを構成している。また、阻害壁7の前側壁部72のうち、前側壁部72の前方に向けて延びる部分は、側壁部25Aの膨出部分25xに沿って配置される。また、後側壁部71及び前側壁部72は、いずれも基体板12Aから起立するように配置されており、後側壁部71の高さ(基体板12Aからの立ち上がり距離であって、軸方向基端部側へ延びる距離。以下、同じ)が前側壁部72の高さよりも大きくなるように構成されている。
次に、阻害壁7の機能について、図2、並びに図4の(a)及び(b)を参照しながら説明する。図4の(a)は、従来のモータにおける空気の流れを示しているのに対し、図4の(b)は、本実施形態に係るモータ10における空気の流れを示している。
ロータ20が図2に図示した黒矢印の方向に回転すると、これに伴い、同方向に沿って流れる気流が発生する。従来のモータでは、気流がブラシケース25と衝突する等し、結果として図4の(a)に示すようにブラシケース25の後端部とリブRとの間に形成された絶縁ギャップK2を抜けて下流側へと流れていく。このため、ブラシケース25内のブラシ27に気流が当たらず、ブラシ27から熱が逃げ難くなり、結果としてブラシ27の温度が上昇し易くなる。このような構造を採る従来のモータでは、ブラシ27の温度上昇を原因としてブラシ27の寿命を低下させる虞があった。
これに対して、本実施形態のモータ10では、絶縁ギャップK2において回転方向上流側に阻害壁7が設置されている。つまり、気流が絶縁ギャップK2を通過するように流れるのをブラシケース25の手前で阻害壁7が阻止する。そして、阻害壁7に衝突した気流は、図4(b)のように、ブラシケース25において回転方向上流側に位置する方の側壁部25Aに形成された切り欠きを通じて、ブラシ収納空間K1内に入り込む。ブラシ収納空間K1内において、気流は、ブラシ27の後側(厳密には、付勢部材28が配置されているスペース)を通過する。やがて、気流は、反対側の側壁部25Aに形成された切り欠き、すなわち、ピグテール引出孔25gを通じてブラシ収納空間K1の外に出る。
以上のように阻害壁7は、ロータ20の回転によって生じた気流が絶縁ギャップK2を通ってブラシケース25の後側に回り込むのを阻止し、ブラシケース25内に気流を引き込む。これにより、ブラシ27に気流が当たってブラシ27から熱を取り除き易くなるため、ブラシ27の温度上昇が抑制され、結果としてブラシ27の温度上昇を原因とするブラシ27の寿命低下を改善することが可能となる。
なお、阻害壁7は、気流が絶縁ギャップK2を通過するのを阻止するように配置されればよいため、絶縁ギャップK2を閉塞し得る構成であれば、機能的には足りる。ゆえに、製造上の制約等を加味しないでよい場合には、図3の(b)に図示の阻害壁7を用いてもよい。図3の(b)に図示の阻害壁7は、図3の(a)に図示した阻害壁7の形状を若干変形したものである。図3の(b)に図示の阻害壁7では、図3の(a)に図示した阻害壁7と比較して、後側壁部71が後端側に幾分延びている。また、図3の(b)に図示の阻害壁7では、前側壁部72のうち、前方に向けて延びる部分が、側壁部25Aの膨出部分25xに沿って当該膨出部分25xよりも幾分前方に延びている。
次に、図5及び図6の(a)〜(d)を参照しながら、阻害壁7各部の寸法等について説明する。
なお、以下の説明中、「高さ」とは、軸方向において基体板12Aの基端部側を向く面から基端部側に向かって伸びている長さを意味することとする。
また、図5に示すように、後側壁部71の高さ(すなわち、後側壁部71の基端部側端部と基体板12Aとの軸方向距離)をt1とし、前側壁部72の高さ(すなわち、前側壁部72の基端部側端部と基体板12Aとの軸方向距離)をt2とする。
また、図5に示すように、点対称に配置された2つの阻害壁7の後側壁部71同士の間の距離をt3とする。ここで、「点対称に配置された2つの阻害壁7」とは、仮想中心点Cを中心として点対称に配置された2個のブラシケース25の各々とヨークハウジング11の内壁との間に形成された空隙部、すなわち、絶縁ギャップK2に配置された阻害壁7である。つまり、距離t3は、一方の絶縁ギャップK2に配置された阻害壁7の後側壁部71の前方側端部から、仮想中心点Cを経由して、他方の絶縁ギャップK2に配置された阻害壁7の後側壁部71の前方側端部に達するまでの距離のことである。
また、図5に示すように、径方向における阻害壁7の全長(すなわち、後側壁部71の後端部と前側壁部72の前端部との間の距離)をt4とする。
図6の(a)に示すように、後側壁部71の高さt1は、基体板12Aとマグネット13の出力側端部との距離(図中、t11にて示す距離)よりも小さくなるように構成されている。このような構成により、マグネット13と後側壁部71が干渉するのを回避することが可能となる。
また、図6の(b)に示すように、前側壁部72の高さt2は、基体板12Aとロータ20の出力側端部との距離(図中、t21にて示す距離)よりも小さくなるように構成されている。さらに、図6の(c)に示すように、点対称に配置された2つの阻害壁7の後側壁部71同士の間の距離t3は、径方向におけるロータ20の出力側端部の幅(図中、t31にて示す長さ)よりも大きくなるように構成されている。このような構成により、後側壁部71及び前側壁部72がロータ20と干渉するのを回避することが可能となる。
また、後側壁部71の高さt1は、前側壁部72の高さt2よりも大きくなるように構成されている。つまり、後側壁部71の前端部分と前側壁部72の後端部分との間には段差が形成されている。そして、点対称に配置された2つの阻害壁7の各々の段差間においてロータ20の出力側端部が配置されている。換言すれば、前側壁部72の高さt2を比較的小さくすることでロータ20との干渉を回避しつつ、後側壁部71の高さt1を前側壁部72の高さt2より大きくして絶縁ギャップK2への気流の流入を効果的に阻止している。
また、図6の(d)に示すように、径方向における阻害壁の全長t4は、同方向におけるブラシホルダ12の外周端部からピグテールP1の引出位置までの距離(図中、記号t41にて示す距離)よりも短くなっている。換言すると、前側壁部72の前端部がピグテール引出孔25gの後端部よりも更に後方に位置するように、阻害壁7のサイズが調整されている。このような構成により、阻害壁7が周辺の部品と干渉するのを回避しつつ、後側壁部71によって絶縁ギャップK2の回転方向上流側を有効に閉塞することが可能となる。
<第一改変例>
上記の実施形態では、ブラシケース25と阻害壁7とが別体であることとした。ただし、これに限定されるものではなく、図7乃至図9に示すように、阻害壁がブラシケース25と一体化していてもよい。以下、図7乃至図9を参照しながら、阻害壁がブラシケース25と一体化している例(第一改変例)について説明する。なお、以下では、第一改変例のうち、上記と実施形態と同様の構成については説明を省略し、異なる部分のみについて説明することとする。
第一改変例に係る阻害壁(以下、阻害壁107)は、図7及び図8に示すように、ブラシケース25の後端部と一体化している。より詳しく説明すると、ブラシケース25の膨出部分25xに相当する部分から阻害壁107が回転方向上流側のリブRに向かって延設されている。
また、阻害壁107において径方向前側に位置する面(内壁面)は、緩やかなカーブをなすように湾曲している。より詳しく説明すると、阻害壁107の内壁面は、図7及び図8に示すように、ブラシケース25の後端部に設けられた2つの膨出部分25xのうち、回転方向上流側にある膨出部分25xと隣り合い、回転方向上流側に近付くにつれて径方向前側に向かうように湾曲している。さらに、阻害壁107の内壁面は、その回転方向下流側の端がブラシケース25の側壁部25A(回転方向上流側に配置される方の側壁部25A)に形成された切り欠きの後端と隣り合うように延びている。
以上のように構成された阻害壁107であれば、ブラシケース25の後端部とヨークハウジング11の内壁との間の空隙部、すなわち絶縁ギャップK2を良好に閉塞すると共に、気流が阻害壁107の内壁面に沿って流れることにより当該気流をブラシケース25内部へスムーズに引き込むことが可能となる。つまり、図8に示すように、阻害壁107の内壁面が上記の如く湾曲しているため、当該内壁面に沿って流れている気流がブラシケース25の側壁部25A(回転方向上流側に配置される方の側壁部25A)に形成された切り欠きを通じてブラシケース25内に進入し、ブラシ27の後方を通過して反対側の側壁部25Aに形成された切り欠き(すなわち、ピグテール引出孔25g)を通じてブラシケース25の外に出るようになる。
なお、図7及び図8に図示の構成では、ブラシケース25から見て回転方向の一方側(具体的には、回転方向上流側)にのみ阻害壁107が設けられているが、これに限定されるものではない。図9に示すように、回転方向においてブラシケース25の両側に阻害壁107が設けられていてもよい。このような構成は、正方向及び逆方向の両方向で回転可能なモータにおいて有効である。
<第二改変例>
上述の実施形態では、ブラシケース25の後端部とヨークハウジング11の内壁との間の空隙部(絶縁ギャップK2)を閉塞する位置に阻害壁7が配置されていることとした。ただし、これに限定されるものではなく、図10の(a)に示す位置に阻害壁が配置されている構成(以下、第二改変例)も考えられる。以下、図10の(a)及び(b)を参照しながら第二改変例について説明する。なお、以下では、第二改変例のうち、上記と実施形態と同様の構成については説明を省略し、異なる部分のみについて説明することとする。
第二改変例に係る阻害壁(以下、阻害壁207)は、図10の(a)に示すように、回転方向において隣接するブラシケース25,25の間に配置されており、図10の(b)に示すように、矩形平板状の壁体によって構成されている。つまり、第二改変例では、ブラシケース25,25が周方向において中心角180°離隔して配置されており、阻害壁207は、各ブラシケース25と中心角90°離隔して配置されている。
そして、阻害壁207は、上述の配置位置において、ブラシホルダ12の径方向略全長に亘って起立する(軸方向基端部側へと起立する)ように配置されている。このような構成により、ロータ20の回転に沿って生じる気流が、ブラシケース25内を通過した後、阻害壁207によって途中で折り返されて当該ブラシケース25に向かって戻るようになる。したがって、ブラシケース25の内部を一旦通過した気流が折り返されて当該ブラシケース25の内部を再び通過することになる。この結果、ブラシケース25内に格納されたブラシ27がより気流と接し易くなるのでブラシ27から熱を除去し易くなり、ブラシの温度上昇を効果的に抑えられるようになる。
S ポンプ用モータ装置、1 モータ部、2 ポンプ部
10 モータ(直流モータ)
11 ヨークハウジング、11a 軸受保持部
12 ブラシホルダ、12A 基体板
12g 挿通孔、G1 整流子配設孔、G2 軸受配設孔
12b ブラシホルダ保持部
13 マグネット、14 リア軸受、17 フロント軸受
20 ロータ、22 ロータコア、23 コイル
21 回転軸、21a 出力部、121a 同軸部、121b 偏心部
121d 出力用軸受
24 整流子、24a セグメント
25 ブラシケース、25A 側壁部、25B 天板部
25g ピグテール引出孔、25x 膨出部分
27 ブラシ、28 スプリング
31 ポンプハウジング、31a 伝達室、31b ピストン収容部
31c 油圧室、32 ピストン
50 給電ターミナル
51 ブラシ接続側ターミナル部、52 外部接続側ターミナル部
7,107,207 阻害壁
71 後側壁部、72 前側壁部
8 シーリング材
C 仮想中心点
K1 ブラシ収納空間、K2 絶縁ギャップ(空隙部)
P1 ピグテール、R リブ、W1 皿バネ

Claims (8)

  1. 回転駆動されるロータと、該ロータを軸方向に貫通する回転軸と、該回転軸の出力側に固定された整流子と、該整流子に摺接するブラシと、該ブラシを支持し、中央部に前記整流子が配置される整流子配設孔を有するブラシホルダと、前記ブラシホルダ及び前記ロータを少なくとも被覆するヨークハウジングと、を少なくとも備えた直流モータであって、
    前記ブラシは、前記ブラシホルダに支持されると共に、前記ブラシホルダの径方向に沿って延び、前記整流子側の端部が開口しているブラシケースの内部に格納されており、
    前記ブラシケースは、少なくとも一部が金属部で構成され、
    前記ブラシケースの側壁部のうち、前記径方向において前記ブラシの前記整流子と離れる側の端部と隣り合う部分が切り欠かれており、
    前記ブラシケースの、前記径方向において前記整流子と離れる側の端部と、前記ヨークハウジングと、の間には、空隙部が形成されており、
    該空隙部において、前記ロータの回転方向の上流側には、前記空隙部を閉塞するように阻害壁が形成されていることを特徴とする直流モータ。
  2. 回転駆動されるロータと、該ロータを軸方向に貫通する回転軸と、該回転軸の出力側に固定された整流子と、該整流子に摺接する複数のブラシと、該ブラシを支持し、中央部に前記整流子が配置される整流子配設孔を有するブラシホルダと、前記ブラシホルダ及び前記ロータを少なくとも被覆するヨークハウジングと、を少なくとも備えた直流モータであって、
    複数の前記ブラシは、前記ブラシホルダに支持されると共に、前記ブラシホルダの径方向に沿って延び、前記整流子側の端部が開口している複数のブラシケースの内部に各々格納されており、
    前記ブラシケースは、少なくとも一部が金属部で構成され、
    前記ブラシケースの側壁部のうち、前記径方向において前記ブラシの前記整流子と離れる側の端部と隣り合う部分が切り欠かれており、
    前記ブラシケースの、前記径方向において前記整流子と離れる側の端部と、前記ヨークハウジングと、の間には、空隙部が形成されており、
    前記ロータの回転方向において隣接する前記ブラシケースの間には、前記径方向に沿うと共に、基端部方向に立設する阻害壁が形成されていることを特徴とする直流モータ。
  3. 前記ヨークハウジングの内壁には、界磁となるマグネットが配設されており、
    前記阻害壁は、前記ブラシホルダにおいて、前記ブラシケース及び前記ブラシが支持される基体板から基端部側へ向けて立設し、
    前記阻害壁の基端部側端部と、前記基体板と、の軸方向距離は、
    前記マグネットの出力側端部と、前記基体板と、の軸方向距離よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の直流モータ。
  4. 前記ヨークハウジングの内壁には、界磁となるマグネットが配設されており、
    前記阻害壁は、前記ブラシホルダにおいて、前記ブラシケース及び前記ブラシが支持される基体板から基端部側へ向けて立設し、
    前記阻害壁の基端部側端部と、前記基体板と、の軸方向距離は、
    前記ロータの出力側端部と、前記基体板と、の軸方向距離よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の直流モータ。
  5. 前記ヨークハウジングの内壁には、界磁となるマグネットが配設されており、
    前記阻害壁は、前記ブラシホルダにおいて、前記ブラシケース及び前記ブラシが支持される基体板から基端部側へ向けて立設すると共に、前記径方向に沿って延びており、
    前記径方向において前記整流子側に配置される前側壁部と、前記径方向において前記整流子と離れる側に配置される後側壁部と、の2個の部分を有して構成され、
    前記後側壁部は、前記空隙部の前記回転方向の上流側に、前記空隙部を閉塞するように配置されると共に、前記前側壁部は、前記ブラシケースの側面に沿って延びており、
    前記後側壁部の基端部側端部と、前記基体板と、の軸方向距離は、前記マグネットの出力側端部と、前記基体板と、の軸方向距離よりも小さくなるように構成されており、
    前記前側壁部の基端部側端部と、前記基体板と、の軸方向距離は、前記ロータの出力側端部と、前記基体板と、の軸方向距離よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の直流モータ。
  6. 前記ブラシホルダの仮想中心点を中心として2個の前記ブラシケースが点対称に配置されており、
    点対称に配置された2個の前記ブラシケースの各々と前記ヨークハウジングとの間に形成された前記空隙部のうち、一方の前記空隙部に配置された前記阻害壁の前記後側壁部から、前記仮想中心点を経由して、他方の前記空隙部に配置された前記阻害壁の前記後側壁部に達するまでの距離は、前記径方向における前記ロータの長さよりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の直流モータ。
  7. 前記ブラシケースの前記側壁部のうち、前記径方向において前記ブラシの前記整流子と離れる側の端部と隣り合う部分には、当該部分が矩形状に切り欠かれることによって形成された、前記ブラシの給電経路となるピグテールを貫通させるピグテール引出孔が設けられており、
    前記前側壁部の、前記径方向において前記整流子側となる端部は、前記ピグテール引出孔の、前記径方向において前記整流子と離れる側の端部よりも、更に前記径方向において前記整流子と離れる側に位置していることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の直流モータ。
  8. 前記空隙部には、シーリング材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の直流モータ。
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