JP2018194715A - レンズユニットおよびカメラモジュール - Google Patents
レンズユニットおよびカメラモジュール Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018194715A JP2018194715A JP2017099459A JP2017099459A JP2018194715A JP 2018194715 A JP2018194715 A JP 2018194715A JP 2017099459 A JP2017099459 A JP 2017099459A JP 2017099459 A JP2017099459 A JP 2017099459A JP 2018194715 A JP2018194715 A JP 2018194715A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lens
- lenses
- lens unit
- stray light
- annular groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】低コストでゴーストを抑制することができる広角のレンズユニットおよびこのレンズユニットを備えるカメラモジュールを提供する。【解決手段】複数のレンズ3〜9とこれら複数のレンズ3〜9を支持する筒状の鏡筒2とを備えるとともに、水平画角150度以上の広角のレンズユニット1であって、複数のレンズ3〜9は、レンズの光軸方向において互いに隣接する2つの樹脂レンズ4,5を含み、鏡筒2内を通る迷光の光路上で、かつ前記2つの樹脂レンズ4,5のうちの物体側に位置する樹脂レンズ4の有効径外部分4bにおける結像側の面4cに、断面形状が略三角形状の環状溝4dが形成されているので、低コストでゴーストを抑制することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、レンズユニットおよびこのレンズユニットを備えるカメラモジュールに関する。
近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行われており、さらに自動運転への応用が試みられている。このような車載カメラに用いられるレンズユニットには、その用途によって広角なレンズユニットが求められることがある。
レンズユニットにおいては、いわゆるゴーストが問題となることがある。広角のレンズユニットにおいては、物体側から1番目のレンズの径が大きくなり、結像に寄与しない光が入射しやすく、この結像に寄与しない光が迷光としてレンズユニットに含まれるレンズの有効径外部分を通った後に、撮像素子に届くことがあり、これがゴーストの原因となる。
このようなゴーストを防ぐ為の対策として、例えば、レンズユニットに絞り(絞り部材)を入れたりレンズに墨塗りをしたりすることでゴーストの元となる光の通過を防いだり(例えば、特許文献1)、レンズの有効径外部分にシボ加工を施してゴーストの元となる光を拡散させたり、レンズに形成する反射防止膜の分光特性をゴーストが生じにくいものに調整したりすることが行なわれている。
ところで、ガラスレンズには墨塗りをすることが可能であるが、樹脂レンズには墨塗りをすることができないという問題がある。また、レンズに墨塗りができない場合に、絞り部材を追加することにより、ゴーストを防ごうとすると、部品点数が増えるため、レンズユニットの製造コストが高くなってしまうおそれがある。また、部品が増えると、光軸方向におけるレンズの位置がずれやすくなってしまい、レンズユニットの光学性能が低下してしまうおそれもある。
また、有効径外部分にシボ加工を施すだけでは、ゴーストの原因となる光を十分に拡散することができず、ゴーストを十分に除去できない恐れがある。
また、反射防止膜の分光特性を変えることによりゴーストの発生を抑えようとすると、分光特性に関する量産時の管理を、レンズユニットの機種ごとに変える必要が出てしまい、レンズユニットの製造コストが高くなってしまうおそれがある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、低コストでゴーストを抑制することができる広角のレンズユニットおよびこのレンズユニットを備えるカメラモジュールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のレンズユニットは、複数のレンズとこれら複数のレンズを支持する筒状の鏡筒とを備えるとともに、水平画角150度以上の広角のレンズユニットであって、前記複数のレンズは、レンズの光軸方向において互いに隣接する2つの樹脂レンズを含み、前記鏡筒内を通る迷光の光路上で、かつ前記2つの樹脂レンズのうちの物体側に位置する樹脂レンズの有効径外部分における結像側の面に、断面形状が略三角形状の環状溝が形成されていることを特徴とする。
上述のように、レンズが樹脂レンズの場合には、墨塗りを施すことができない。したがって、従来は、2つの樹脂レンズが隣接している部分を通る迷光の進行を防ぐには2つの樹脂レンズの間に絞り部材を配置する等する必要があった。しかし、本発明の構成によれば、迷光の光路上に環状溝が形成されているので、この環状溝によってレンズユニットとともに用いられる撮像素子等に向かう迷光を、所定方向に反射または屈折等させることができる。また、環状溝は、断面形状が略三角形状となっているため、三角形を構成する各辺で反射あるいは屈折される迷光の向かう方向を揃え、所定方向に光を集めることができる。
したがって、絞り部材を用いたり反射防止膜の分光特性を調整したりすることなく、レンズユニットとともに用いられる撮像素子等に届く迷光の量を減らすことができ、低コストでゴーストを抑制することができる。
したがって、絞り部材を用いたり反射防止膜の分光特性を調整したりすることなく、レンズユニットとともに用いられる撮像素子等に届く迷光の量を減らすことができ、低コストでゴーストを抑制することができる。
また、本発明のカメラモジュールは、前記構成のレンズユニットを備えるとともに、前記構成のレンズユニットにより結像された画像を撮像する撮像素子を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、カメラモジュールは、前述のレンズユニットと同様の作用効果を奏することができる。
このような構成によれば、カメラモジュールは、前述のレンズユニットと同様の作用効果を奏することができる。
本発明によれば、広角のレンズユニットおよびこのレンズユニットを備えるカメラモジュールにおいて、低コストでゴーストを抑制することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態のレンズユニット1は、例えば、車載カメラ等に用いることができるが、車載カメラ用に限定されるものではなく、その他のカメラに用いることもできる。また、レンズユニット1は、水平画角が190度程度の広角のレンズユニットである。
また、レンズユニット1は、撮像素子100、配線基板、信号処理回路、フレキシブル配線シートおよびコネクタ等とともに、カメラモジュールを構成する。なお、カメラモジュールとは、少なくともレンズユニットと撮像素子とを備えたものを言う。本実施の形態のカメラモジュールにおいては、レンズユニット1の結像側(レンズユニット1が像を結ぶ側)に撮像素子100が配置され、レンズユニット1で結像される画像を撮影することが可能となっている。
本実施の形態のレンズユニット1は、例えば、車載カメラ等に用いることができるが、車載カメラ用に限定されるものではなく、その他のカメラに用いることもできる。また、レンズユニット1は、水平画角が190度程度の広角のレンズユニットである。
また、レンズユニット1は、撮像素子100、配線基板、信号処理回路、フレキシブル配線シートおよびコネクタ等とともに、カメラモジュールを構成する。なお、カメラモジュールとは、少なくともレンズユニットと撮像素子とを備えたものを言う。本実施の形態のカメラモジュールにおいては、レンズユニット1の結像側(レンズユニット1が像を結ぶ側)に撮像素子100が配置され、レンズユニット1で結像される画像を撮影することが可能となっている。
図1に示すように、本実施の形態のレンズユニット1は、略円筒状の鏡筒2と、7つのレンズ3,4,5,6,7,8,9と、絞り部材11と、Oリング12とを備えている。
鏡筒2は、結像側の端部である、一方の端部の内周側に、内径が小さくなるように内側に突出して形成された係止部2aを備えている。また、鏡筒2の物体側の端部2bはかしめられた状態となっている。また、鏡筒2内には、レンズ3、レンズ4、レンズ5、絞り部材11、レンズ6、レンズ7、レンズ8およびレンズ9が、物体側から結像側(撮像対象側)に向かって、この順に配置されている。また、レンズ9は、後述する有効径外部分9bの結像側の面が係止部2aに当接している。また、レンズ3は、後述する有効径外部分3bの物体側の面が、鏡筒2のかしめられた端部2bに当接している。そして、鏡筒2内に収納されたレンズ3〜9および絞り部材11は、隣接する部材どうしが互いに当接するとともに、結像側が係止部2aに係止され、物体側がかしめられた端部2bに係止されることによって、鏡筒2の軸方向における位置決めがされている。
7つのレンズ3〜9は、それぞれの光軸を一致させた状態で、鏡筒2内に配置され、鏡筒2に支持されている。すなわち、各レンズ3〜9は、1つの光軸に沿って並べられた状態となっており、これにより撮像に用いられる1群のレンズ群15が構成されている。したがって、以下に単に光軸と記載した場合には、各レンズ3〜9の光軸を示すとともにレンズ群15の光軸を示すものとする。
なお、光軸と鏡筒2の軸方向は一致した状態となっている。また、レンズ群15のうち、物体側から1番目のレンズ3と6番目のレンズ8とはガラスレンズ(ガラス製のレンズ)であり、その他のレンズ4,5,6,7,9は、樹脂レンズ(樹脂製のレンズ)である。また、各レンズ3〜9は、ガラスレンズであってもよく、樹脂レンズであってもよい。
なお、光軸と鏡筒2の軸方向は一致した状態となっている。また、レンズ群15のうち、物体側から1番目のレンズ3と6番目のレンズ8とはガラスレンズ(ガラス製のレンズ)であり、その他のレンズ4,5,6,7,9は、樹脂レンズ(樹脂製のレンズ)である。また、各レンズ3〜9は、ガラスレンズであってもよく、樹脂レンズであってもよい。
7つのレンズ3〜9はそれぞれ、有効径部分3a,4a,5a,6a,7a,8a,9aと、有効径外部分3b,4b,5b,6b,7b,8b,9bと、を有している。
ここで、有効径とは、結像に寄与する全光線とレンズ面との交わる点のうち、光軸に直交する方向における最も外側の点(光軸から最も離れた点)からなる円の直径を意味する。また、有効径部分3a〜9aとは、レンズ3〜9における当該円の内側の部分を意味し、有効径外部分3b〜9bとは、レンズ3〜9における当該円の外側の部分を意味する。
なお、参考として、図1および図3に、最も物体側のレンズ3の物体側の面における有効径Dを示す。
ここで、有効径とは、結像に寄与する全光線とレンズ面との交わる点のうち、光軸に直交する方向における最も外側の点(光軸から最も離れた点)からなる円の直径を意味する。また、有効径部分3a〜9aとは、レンズ3〜9における当該円の内側の部分を意味し、有効径外部分3b〜9bとは、レンズ3〜9における当該円の外側の部分を意味する。
なお、参考として、図1および図3に、最も物体側のレンズ3の物体側の面における有効径Dを示す。
有効径部分3a〜9aは、レンズ3〜9において、当該レンズに設定され、かつ、許容される光学特性を有し、実際にレンズとして使用可能な部分となっている。一方、有効径外部分3b〜9bは、レンズ3〜9において、レンズとして使用されない部分となっている。また、有効径外部分3b〜9bは、円環状のフランジ部となっており、有効径部分3a〜9aの周囲を囲うように有効径部分3a〜9aと一体的に成形されている。
そして、レンズユニット1が、撮像素子100に所望の像を結像するための光は、鏡筒2に支持された全てのレンズ3〜9の有効径部分3a〜9aを通過し、有効径外部分3b〜9bは通過しないようになっている。
そして、レンズユニット1が、撮像素子100に所望の像を結像するための光は、鏡筒2に支持された全てのレンズ3〜9の有効径部分3a〜9aを通過し、有効径外部分3b〜9bは通過しないようになっている。
物体側から1番目のレンズ3の有効径外部分3b(フランジ部)の像側の面は、断面直線状の平坦面になっているとともに、不要光を遮断するための墨塗りが施されており、これにより当該部分を通る不要光が遮断されている。
また、物体側から1番目のレンズ3には、外周面の結合側の端部に、結像側および径方向外側に開口する環状のOリング用溝3cが形成されている。そして、このOリング用溝3cにOリング12が装着されている。Oリング12は、弾性変形して鏡筒2およびレンズ3に密着した状態となっており、このOリング12によって、鏡筒2とレンズ3との間がシールされ、レンズユニット1の物体側が気密状態とされている。
また、物体側から1番目のレンズ3には、外周面の結合側の端部に、結像側および径方向外側に開口する環状のOリング用溝3cが形成されている。そして、このOリング用溝3cにOリング12が装着されている。Oリング12は、弾性変形して鏡筒2およびレンズ3に密着した状態となっており、このOリング12によって、鏡筒2とレンズ3との間がシールされ、レンズユニット1の物体側が気密状態とされている。
物体側から2番目のレンズ4の有効径外部分4b(フランジ部)の結像側の面4cは、光軸に略直交している。また、物体側から3番目のレンズ5の有効径外部分5b(フランジ部)の物体側の面5cは、光軸に略直交している。そして、面4cと面5cとは、互いに当接した状態となっている。
面4cには、図2に示すように、断面形状が三角形状(V字状)であって、円環状の環状溝4dが形成されている。また、環状溝4dは、結像側からから見たときに、有効径部分4aを囲うように形成されている。また、環状溝4dは、結像側が開口した溝であり、物体側に向けて凹んで形成されている。
なお、環状溝4dは、円環状でなくてもよく、多角形状の環状であってもよい。
なお、環状溝4dは、円環状でなくてもよく、多角形状の環状であってもよい。
環状溝4dは、レンズ4の径方向外側に配置された傾斜面4eと、レンズ4の径方向内側に配置された傾斜面4fとを備える。傾斜面4eと傾斜面4fとは、面4cに対して傾斜した面であり、光軸(および光軸に直交する面)に対して約45度の角度で傾斜している。そして、傾斜面4eと傾斜面4fとは、略直角に交わっており、傾斜面4eと傾斜面4fとによって、V字が形成されている。
また、面4c、傾斜面4eおよび傾斜面4fには、シボ加工が施されている。
また、面4c、傾斜面4eおよび傾斜面4fには、シボ加工が施されている。
次に、迷光について図3を参照しながら説明する。なお、図3は、環状溝4dが無い場合の迷光の光路を示すものである。
ここで、迷光とは、正規の光路を通らずに撮像素子100に届く光をいう。言い換えると、迷光とは、結像に寄与しない光のことをいう。そして、この迷光がゴーストの原因となる。
ここで、迷光とは、正規の光路を通らずに撮像素子100に届く光をいう。言い換えると、迷光とは、結像に寄与しない光のことをいう。そして、この迷光がゴーストの原因となる。
最も物体側のレンズ3の有効径部分3aから入射する光であって、結像に寄与しない入射角の光Lを図3に示す。この光Lは、ゴーストの原因となる迷光Lである。レンズ3の有効径部分3aにおける、迷光Lが入射している位置は、本来的に画角180度程度の光線が入射して結像する場所である。レンズ3から入射した迷光Lは、レンズ3により集光され、強い光となって各レンズの予定しない光路を通過して撮像素子100に到達する。
環状溝4dが無い場合、迷光Lは、レンズ3の有効径部分3aから入射し、レンズ4の有効径外部分4bを通過して、最終的に撮像素子100に届く。このため、撮像素子100で撮像される画像に、迷光Lが、映り込んでしまうこととなる。しかし、迷光Lは、撮像素子100に所望の像を結像させるために必要な光ではなく、不要な光であるため、画像の中にゴーストとして現れる。
しかし、このレンズユニット1においては、迷光Lの光路上であって、レンズ4の有効径外部分4bの結像側の面4cに、くさび状の環状溝4dが形成されている。このため、環状溝4dによって、迷光Lの光路を変えることができる。すなわち、環状溝4dに向かってきた迷光Lなどを、環状溝4dの傾斜面4eまたは傾斜面4fで反射あるいは屈折させ、迷光Lの光路を変えることができる。具体的には、傾斜面4eに入射した迷光Lは屈折作用により光軸から遠ざかる方向に向きをかえ、傾斜面4fに入射した迷光Lは全反射することにより向きを大きく変えるため、迷光Lが絞り部材11の開口部へ入射することを抑制できる。
このように絞り部材11の開口部への迷光Lの入射を抑制することにより、撮像素子100に届く迷光の量を減らし、ゴーストを抑制することができる。特に、環状溝4dの傾斜面4eおよび傾斜面4fで迷光Lを反射・屈折させることにより、物体側から結像側に向かう迷光Lの結像側に向かう力を弱めたり、あるいは、結像側から物体側に向かうように迷光Lを反射させたりすることができるので、これにより、ゴーストを効果的に抑制することができる。
なお、正規の光路を通らずに撮像素子100に届く迷光は、図3に示す迷光Lの他にも存在する場合もあるが、特に強度の強い迷光あるいは撮像素子100で撮像される画像に強い影響を与える迷光が通る箇所に、環状溝4dを設けることが望ましい。特に画角150度以上の光学系においては、特に強度の強い迷光が発生する傾向があるが、この迷光を環状溝4dで抑制できる
このように絞り部材11の開口部への迷光Lの入射を抑制することにより、撮像素子100に届く迷光の量を減らし、ゴーストを抑制することができる。特に、環状溝4dの傾斜面4eおよび傾斜面4fで迷光Lを反射・屈折させることにより、物体側から結像側に向かう迷光Lの結像側に向かう力を弱めたり、あるいは、結像側から物体側に向かうように迷光Lを反射させたりすることができるので、これにより、ゴーストを効果的に抑制することができる。
なお、正規の光路を通らずに撮像素子100に届く迷光は、図3に示す迷光Lの他にも存在する場合もあるが、特に強度の強い迷光あるいは撮像素子100で撮像される画像に強い影響を与える迷光が通る箇所に、環状溝4dを設けることが望ましい。特に画角150度以上の光学系においては、特に強度の強い迷光が発生する傾向があるが、この迷光を環状溝4dで抑制できる
また、環状溝4dが形成されたレンズ4よりも結像側に、絞り部材11(遮光板)が設けられているので、環状溝4dで反射あるいは屈折された迷光Lが、絞り部材11(遮光板)に当たるように、迷光Lを反射あるいは屈折するようにすることで、撮像素子100に届く迷光の量を減らし、ゴーストを強く抑制することができる。
また、傾斜面4eおよび傾斜面4fにはシボ加工が施されているので、このシボ加工部分により、傾斜面4eまたは傾斜面4fにおいて反射または屈折される迷光Lを拡散させることができる。したがって、この反射あるいは屈折された光が図3に示す迷光Lの光路とは別の経路を辿って撮像素子100の所定位置に集中するのを防ぎ、ゴーストを抑制することができる。
また、環状溝4dは、断面三角形状であるため、環状溝4dに向かってきた迷光Lを所定の方向に集中して反射・屈折させて出射させることができる。例えば、環状溝4dが断面半円状等となっており、連続する曲面を有している場合、この環状溝4dから反射または屈折される光は、環状溝4dから満遍なく多方向に反射または屈折されることになるので、このうちの一部の光は図3に示す迷光Lのように撮像素子100に届いてしまうおそれがある。本実施の形態においては、環状溝4dは、断面三角形状であるため、迷光Lを所定の方向に集中して反射または屈折させることができ、撮像素子100に届く迷光の量を大幅に減らすことができるので、ゴーストを強く抑制することができる。
なお、環状溝4dの断面形状は、正確な三角形状である必要はなく、三角形の角部分が丸みを帯びたり、三角形の辺部分が緩い曲面で構成された略三角形状であってもよい
また、環状溝4dの断面形状は、三角形状ではなく、他の多角形状であってもよい。また、多角形状の場合も、正確な多角形状である必要はなく、多角形の角部分が丸みを帯びたり、多角形の辺部分が緩い曲面で構成された略多角形状であってもよい。このように、環状溝4dが、複数の辺を持つ断面形状となっていれば、所定の方向に光が集まるように、迷光Lを反射または屈折させることができる。
なお、環状溝4dの断面形状は、正確な三角形状である必要はなく、三角形の角部分が丸みを帯びたり、三角形の辺部分が緩い曲面で構成された略三角形状であってもよい
また、環状溝4dの断面形状は、三角形状ではなく、他の多角形状であってもよい。また、多角形状の場合も、正確な多角形状である必要はなく、多角形の角部分が丸みを帯びたり、多角形の辺部分が緩い曲面で構成された略多角形状であってもよい。このように、環状溝4dが、複数の辺を持つ断面形状となっていれば、所定の方向に光が集まるように、迷光Lを反射または屈折させることができる。
ここで、あるレンズとレンズとの間に迷光の光路を変化させる環状溝を配置したい場合には、結像側にあるレンズの物体側の面に環状溝を形成するよりも、物体側にあるレンズの結像側の面に環状溝を形成する方が望ましい。この理由は、以下の通りである。
一般に鏡筒内には気体(空気)が充満しているため、2つのレンズが隣接している部分において、実際にはレンズとレンズとの間に気体の層が形成されている。また、レンズと気体とでは、レンズの方が屈折率が高い。すなわち、鏡筒内の当該部分においては、相対的に屈折率の低い気体が、相対的に屈折率の高いレンズに挟まれていることとなる。また、光は、その性質から、屈折率の高い物質から屈折率の低い物質に向かう場合には、その境界で反射されやすい。逆に、光は、屈折率の低い物質から屈折率の高い物質に向かう場合には、屈折率の高い物質に引き込まれやすい。したがって、物体側にあるレンズの結像側の面に環状溝を形成することで、この環状溝で反射される迷光の割合を増やし、結像側に向かう迷光の量を減らすことができる。逆に、結像側にあるレンズの物体側の面に環状溝を形成しても、当該結像側にあるレンズには迷光が引き込まれやすいので、物体側にあるレンズの結像側の面に環状溝を形成した場合に比べると、ゴーストの原因となる迷光の量を減らす効果が低くなる。
一般に鏡筒内には気体(空気)が充満しているため、2つのレンズが隣接している部分において、実際にはレンズとレンズとの間に気体の層が形成されている。また、レンズと気体とでは、レンズの方が屈折率が高い。すなわち、鏡筒内の当該部分においては、相対的に屈折率の低い気体が、相対的に屈折率の高いレンズに挟まれていることとなる。また、光は、その性質から、屈折率の高い物質から屈折率の低い物質に向かう場合には、その境界で反射されやすい。逆に、光は、屈折率の低い物質から屈折率の高い物質に向かう場合には、屈折率の高い物質に引き込まれやすい。したがって、物体側にあるレンズの結像側の面に環状溝を形成することで、この環状溝で反射される迷光の割合を増やし、結像側に向かう迷光の量を減らすことができる。逆に、結像側にあるレンズの物体側の面に環状溝を形成しても、当該結像側にあるレンズには迷光が引き込まれやすいので、物体側にあるレンズの結像側の面に環状溝を形成した場合に比べると、ゴーストの原因となる迷光の量を減らす効果が低くなる。
本実施の形態においては、光軸方向において隣接するレンズ4とレンズ5とのうち、物体側にあるレンズ4の結像側の面4cに環状溝4dが形成されているので、レンズ5の物体側の面5cに環状溝が形成されている場合に比べ、ゴーストを強く抑制することができる。
また、レンズ4とレンズ5とは、樹脂レンズであるため、墨塗りをすることができない。このため、従来であれば、レンズ4とレンズ5との有効径外部分4b,5bを通過する迷光Lによるゴーストを抑制することは難しい。しかし、本実施の形態においては、環状溝4dによって迷光Lによるゴーストを抑制しているので、従来であれば対応困難な迷光Lによるゴーストを抑制することができる。
なお、上述のような光路の迷光Lが生じるのは、レンズユニット1が水平画角130度以上の広角のレンズユニットのためである。すなわち、レンズユニット1が広角である場合、一番物体側のレンズ3は径が大きくなり、迷光が生じる可能性が高くなるので、この迷光に対する対策をする必要が生じる。このことからわかるように、本発明は広角のレンズユニットであるほど効果を発揮し、特に水平画角130度以上のレンズユニットにおいて有用である。また、水平画角150度以上のレンズユニットであると、さらに有用となる。
1 レンズユニット
2 鏡筒
3,4,5,6,7,8,9 レンズ
3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b 有効径外部分
4d 環状溝
100 撮像素子
L 迷光
2 鏡筒
3,4,5,6,7,8,9 レンズ
3b,4b,5b,6b,7b,8b,9b 有効径外部分
4d 環状溝
100 撮像素子
L 迷光
Claims (2)
- 複数のレンズとこれら複数のレンズを支持する筒状の鏡筒とを備えるとともに、水平画角150度以上の広角のレンズユニットであって、
前記複数のレンズは、レンズの光軸方向において互いに隣接する2つの樹脂レンズを含み、
前記鏡筒内を通る迷光の光路上で、かつ前記2つの樹脂レンズのうちの物体側に位置する樹脂レンズの有効径外部分における結像側の面に、断面形状が略三角形状の環状溝が形成されていることを特徴とするレンズユニット。 - 請求項1に記載のレンズユニットを備えるとともに、前記レンズユニットにより結像された画像を撮像する撮像素子を備えることを特徴とするカメラモジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017099459A JP2018194715A (ja) | 2017-05-19 | 2017-05-19 | レンズユニットおよびカメラモジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017099459A JP2018194715A (ja) | 2017-05-19 | 2017-05-19 | レンズユニットおよびカメラモジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018194715A true JP2018194715A (ja) | 2018-12-06 |
Family
ID=64569027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017099459A Pending JP2018194715A (ja) | 2017-05-19 | 2017-05-19 | レンズユニットおよびカメラモジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018194715A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112596322A (zh) * | 2019-09-17 | 2021-04-02 | 大阳科技股份有限公司 | 相机模块以及电子装置 |
WO2022188247A1 (zh) * | 2021-03-12 | 2022-09-15 | 浙江舜宇智领技术有限公司 | 镜头 |
JP7451334B2 (ja) | 2020-07-16 | 2024-03-18 | 東芝テック株式会社 | 光学アレイ、光学装置及び画像形成装置 |
-
2017
- 2017-05-19 JP JP2017099459A patent/JP2018194715A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112596322A (zh) * | 2019-09-17 | 2021-04-02 | 大阳科技股份有限公司 | 相机模块以及电子装置 |
JP7451334B2 (ja) | 2020-07-16 | 2024-03-18 | 東芝テック株式会社 | 光学アレイ、光学装置及び画像形成装置 |
WO2022188247A1 (zh) * | 2021-03-12 | 2022-09-15 | 浙江舜宇智领技术有限公司 | 镜头 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102620545B1 (ko) | 촬상 광학계 | |
CN111399171B (zh) | 图像拍摄透镜系统 | |
KR20190013888A (ko) | 이미지 픽셀, 이미지 획득 장치, 지문 획득 장치 및 디스플레이 장치 | |
JP2009134175A (ja) | 結像光学系 | |
JP6818981B2 (ja) | 広角レンズ、撮像装置及び無人機 | |
JP2015194528A (ja) | 撮像レンズおよび撮像レンズを備えた撮像装置 | |
TWI598620B (zh) | Optical lens | |
JP2005532589A (ja) | 光学レンズ要素及びこのレンズ要素を備える光学レンズ装置 | |
JP2012093760A (ja) | パノラマ撮影システム | |
JPWO2007088917A1 (ja) | 広角レンズおよびこれを用いた光学装置並びに広角レンズの製造方法 | |
JP2018194715A (ja) | レンズユニットおよびカメラモジュール | |
JP2010169792A (ja) | 光学素子及びそれを用いた光学ユニット | |
WO2010084915A1 (ja) | 光学系 | |
CN110471162A (zh) | 图像捕捉镜头系统 | |
JP2010107611A (ja) | 結像光学系及びそれを用いた撮像装置 | |
KR20190128900A (ko) | 이미지 센서용 장파장 적외선 카메라 렌즈 및 그 카메라 렌즈를 포함하는 광학계 | |
TWI808479B (zh) | 透鏡組、光學裝置與電子裝置 | |
JP2006293093A (ja) | 反射防止構造体を備えたレンズ鏡筒、レンズ鏡筒を備える撮像装置ならびにカメラ | |
JP5361480B2 (ja) | 光学系 | |
JP2011221136A (ja) | 組合せレンズ、レンズユニット、撮像装置、及び組合せレンズの連結固定方法 | |
JP2010020181A (ja) | レンズ鏡筒 | |
JP2018087896A (ja) | レンズユニットおよびカメラモジュール | |
US8830598B2 (en) | Subminiature optical system | |
JP5679902B2 (ja) | 撮像レンズ | |
TWI420230B (zh) | 間隔環及使用該間隔環的鏡頭模組 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20171110 |