JP2018194696A - 定着装置、画像形成装置、及び、定着方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置、及び、定着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】定着ベルトなどの構成部材が摺接によって変形してしまったり摩耗してしまったりする不具合が生じることなく、定着ベルトとニップ部形成部材との間に潤滑剤が長期にわたって介在される、定着装置、画像形成装置、及び、定着方法を提供する。【解決手段】ニップ部に対して定着ベルト21の回転方向下流側に対向する位置に、定着ベルト21の内周面に接触することなく、定着ベルト21の内側において潤滑剤を貯留可能に形成されるとともに、貯留した潤滑剤を定着ベルト21とニップ部形成部材26とが摺接する部分に直接的又は間接的に供給可能に形成された潤滑剤貯留部50が設けられている。【選択図】図4

Description

この発明は、シートの表面に担持されたトナー像を加熱して定着させる定着装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、定着装置における定着方法と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される定着装置において、定着ベルトとニップ部形成部材(ニップ形成部材)とが摺動する部分に潤滑剤を介在させたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、特許文献1の定着装置は、定着ベルトや、加圧ローラや、定着ベルトを介して加圧ローラに圧接してニップ部を形成するニップ部形成部材や、定着ベルトの内周面に対向するように設置されたヒータ(加熱手段)、等で構成されている。また、ニップ部形成部材には、定着ベルトとの摩擦抵抗を低下させるために、定着ベルトに摺接する部分に潤滑剤が直接的に塗布されたり、潤滑剤が含浸されたシート状部材(摺動部材)が覆設されたりしている。
そして、駆動手段によって加圧ローラが回転駆動されて、ニップ部における加圧ローラとの摩擦抵抗によって、定着ベルトも加圧ローラの回転にともない従動回転(連れ回り)することになる。
そして、ヒータによって定着ベルトが直接的に加熱されて、ニップ部に向けて搬送されるシート上のトナー像が、ニップ部にて熱と圧力とを受けてシート上に定着されることになる。
一方、特許文献1には、ニップ部に対して下流側の位置で、ニップ部形成部材のシート状部材(摺動部材)や定着ベルトの内周面に接触して、それらの部材に潤滑剤を供給する潤滑剤溜め部を設ける技術が開示されている。また、特許文献1には、その定着ベルトの内周面にブレード状の潤滑剤回収部材を摺接させて、定着ベルトの内周面に付着した潤滑剤を潤滑剤溜め部に回収する技術が開示されている。
上述した特許文献1の定着装置は、潤滑剤溜め部からニップ部形成部材などに潤滑剤が適宜に供給されているため、定着ベルトとニップ部形成部材との間に潤滑剤が長期にわたって介在される効果が期待できる。
しかし、潤滑剤溜め部や潤滑剤回収部材が定着ベルトの内周面に摺接しているため、定着ベルトや潤滑剤溜め部や潤滑剤回収部材が摺接によって変形してしまったり摩耗してしまったりする不具合が生じる可能性があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、定着ベルトなどの構成部材が摺接によって変形してしまったり摩耗してしまったりする不具合が生じることなく、定着ベルトとニップ部形成部材との間に潤滑剤が長期にわたって介在される、定着装置、画像形成装置、及び、定着方法を提供することにある。
この発明における定着装置は、加熱手段によって加熱されて、所定の回転方向に回転する定着ベルトと、前記定着ベルトに外接する加圧ローラと、前記定着ベルトの内側において前記定着ベルトを介して前記加圧ローラに圧接してシートが搬送されるニップ部を形成するニップ部形成部材と、を備え、前記定着ベルトが前記ニップ部形成部材に対して直接的又は間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在され、前記ニップ部に対して前記定着ベルトの回転方向下流側に対向する位置に、前記定着ベルトの内周面に接触することなく、前記定着ベルトの内側において潤滑剤を貯留可能に形成されるとともに、貯留した潤滑剤を前記摺接する部分に直接的又は間接的に供給可能に形成された潤滑剤貯留部が設けられたものである。
本発明によれば、定着ベルトなどの構成部材が摺接によって変形してしまったり摩耗してしまったりする不具合が生じることなく、定着ベルトとニップ部形成部材との間に潤滑剤が長期にわたって介在される、定着装置、画像形成装置、及び、定着方法を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 定着装置を示す構成図である。 定着装置を幅方向にみた概略上面図である。 ニップ部の近傍を示す拡大図である。 定着ベルトとガイド部材とを幅方向に示す概略図である。 潤滑剤貯留部における板状部材を幅方向にみた概略図である。 逆転モード時の定着装置の動作を示す概略図である。 逆転モード時の制御を示すフローチャートである。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部、等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、モータによって図1の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像部76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78の表面に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送されたシートP上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98(タイミングローラ対)等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙部12には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程である)。
その後、シートPは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2〜図8にて、画像形成装置本体1に設置される、定着装置20の構成・動作について詳述する。
定着装置20は、シートP(未定着状態のトナーが担持されたシートである。)を加熱しながら搬送する装置である。
図2〜図4等を参照して、定着装置20は、ベルト部材としての定着ベルト21、ニップ部形成部材26、補強部材23、加熱手段(加熱源)としてのヒータ25、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度検知センサ40(温度検知手段)、シート状部材22(潤滑剤供給部材)、潤滑剤貯留部50、等で構成される。
図2に示すように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21と加圧ローラ31とが、上下方向ではなくて、略水平方向に並ぶように配置されている。また、定着ベルト21と加圧ローラ31とのニップ部においてシートPが下方から上方に搬送されるように構成されている。
ここで、定着ベルト21は、加圧ローラ31に外接して、加圧ローラ31の回転にともない従動回転する無端状のベルト部材である。定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、所定の回転方向(図2の反時計方向である。)に回転(従動回転)する。定着ベルト21は、内周面(ニップ部形成部材26との摺接面である。)側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、シートP上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が5〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルフォン)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
定着ベルト21の内側(内周面側)には、ニップ部形成部材26、ヒータ25(加熱手段)、補強部材23、シート状部材22、反射板27、潤滑剤貯留部50(板状部材51)、等が設置されている。
ここで、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内側(内周面側)において定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接して、シートPが搬送されるニップ部を形成している。すなわち、ニップ部形成部材26は、定着ベルト21の内周面に摺接するように設置されている。そして、ニップ部形成部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、シートPが搬送されるニップ部が形成される。
そして、定着ベルト21は、その内部に設置されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱により直接的に加熱される。すなわち、加熱手段としてのヒータ25は、シートPを加熱するために定着ベルト21を加熱するものである。ヒータ25(加熱手段)は、ニップ部とは異なる定着ベルト21の周方向の領域を加熱領域Mとして加熱するように構成されている。
詳しくは、加熱手段としてのヒータ25は、ハロゲンヒータ(又は、カーボンヒータ)であって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている(図3を参照できる。)。そして、制御部60により出力制御されたヒータ25(加熱手段)の輻射熱によって、定着ベルト21においてニップとは異なる加熱領域(ヒータ25に対向する領域である。)が主として加熱される。さらに、加熱された定着ベルト21の表面からシートP上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーモパイル、サーミスタ等の温度検知センサ40(温度検知手段)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21の内周面側に2本のヒータ25(加熱手段)を設置したが、定着ベルト21の内周面側に1本又は3本以上のヒータを設置することもできる。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されるのではなく、定着ベルト21が周方向の比較的広い範囲にわたって加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。すなわち、比較的簡易な構成で効率よく定着ベルト21を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。
特に、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21がヒータ25(加熱手段)によって直接的に加熱されるように構成されているため、定着ベルト21の加熱効率がさらに向上するとともに、定着装置20をさらに低コスト化・小型化することができる。
図5を参照して、ガイド部材29は、定着ベルト21の略筒状の姿勢が保持されるように定着ベルト21の幅方向両端部を内周面側からそれぞれガイドするものである。
詳しくは、2つのガイド部材29は、耐熱性樹脂材料等で形成されていて、定着装置20の幅方向両端部の側板43にそれぞれ嵌め込まれている。ガイド部材29には、定着ベルト21の略円筒の姿勢を維持しながら定着ベルト21を保持するためのガイド部29aや、定着ベルト21の幅方向の移動(ベルト寄り)を規制するためのストッパ部、等が設けられている。
なお、ガイド部材29は、ニップ部形成部材26によるニップ部の形成を妨げないように、ニップ部を除く周方向の範囲であって、幅方向両端に配置されている。
なお、本実施の形態において、定着ベルト21の内周面に接触する部材は、幅方向両端でルーズに接触するガイド部材29と、ニップ部形成部材26(実際にはシート状部材22を介している。)と、のみであって、それ以外に内周面に接触して定着ベルト21の回転をガイドするような部材(ベルトガイド)は存在しない。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21のさらなる加熱効率の向上や装置の低コスト化・小型化等を目的として、パイプ状の加熱部材を取り外して、パイプ状の加熱部材を介することなく定着ベルト21を加熱手段(ヒータ25)によって直接的に加熱する構成を採用している。
ここで、本実施の形態では、ニップ部形成部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接するように、補強部材23が定着ベルト21の内側に設置されている。補強部材23は、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の強度を補強するものである。
図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さがニップ部形成部材26よりも長くなるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に保持されている。
そして、補強部材23がニップ部形成部材26及び定着ベルト21を介して加圧ローラ31に当接することで、ニップ部においてニップ部形成部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。この補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。
また、本実施の形態において、補強部材23とヒータ25との間には、反射板27が設置されている。これにより、ヒータ25から補強部材23に向かう熱(補強部材23を加熱する熱であって、赤外線である。)が反射板27で反射されて定着ベルト21の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21の加熱効率がさらに向上することになる。なお、反射板27の材料としては、アルミニウムやステンレス等を用いることができる。
また、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、鏡面処理を施したり断熱部材を設けたりした場合であっても、同じような効果を得ることができる。
図2を参照して、加圧ローラ31(加圧回転体)は、定着ベルト21に外接している。加圧ローラ31は、芯金32(軸部)上に弾性層33が設けられたものであって、駆動手段としての駆動モータ61によって所定方向(図2の時計方向である。)に回転駆動されるものである。
加圧ローラ31の芯金32は、金属材料で形成された中空構造体である。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図3を参照して、加圧ローラ31には駆動モータ61による駆動力が入力されるギア65が設置されていて、加圧ローラ31は駆動モータ61によって図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に軸受42を介して回転可能に支持されている。
加圧ローラ31の弾性層33を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、ニップ部形成部材26に生じる負荷を軽減することができる。さらに、加圧ローラ31の断熱性が高められて、定着ベルト21の熱が加圧ローラ31側に移動しにくくなるために、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
図4を参照して、定着ベルト21の内周面に摺接するニップ部形成部材26は、加圧ローラ31との対向面(摺接面)が、加圧ローラ31の曲率にならうように凹状に形成されている。これにより、シートPは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後のシートPが定着ベルト21に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。
なお、本実施の形態では、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成するニップ部形成部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、ニップ部形成部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状がシートPの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21とシートPとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出されたシートPを定着ベルト21から容易に分離することができる。
なお、ニップ部形成部材26を形成する材料としては、樹脂材料や金属材料を用いることができるが、加圧ローラ31による加圧力を受けても大きく撓むことがない程度の剛性があり、熱性と断熱性とを有する樹脂材料(液晶ポリマー(LCP)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等である。)が好適である。本実施の形態では、ニップ部形成部材26の材料として、液晶ポリマー(LCP)を用いている。
また、図4を参照して、ニップ部形成部材26には、定着ベルト21との摺動抵抗を減ずるために、PTFE等の低摩擦材料からなるシート状部材22が覆設されている。詳しくは、シート状部材22は、ニップ部の位置でニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に幅方向のほぼ全域にわたって介在されるように、ニップ部形成部材26の周囲(図4に示すような断面でみたニップ部形成部材26の周囲である。)の一部又は全部を覆うように設置されている。また、本実施の形態におけるシート状部材22は、潤滑剤が含浸された繊維材料(PTFE等のフッ素樹脂からなる布部材である。)で形成されている。これにより、ニップ部形成部材26と定着ベルト21とが当接する面に潤滑剤が保持された状態になる。したがって、ニップ部形成部材26と定着ベルト21との摺接によって双方の部材21、26が磨耗する不具合が軽減される。
なお、シート状部材22に含浸される潤滑剤としては、フッ素グリス、シリコーングリス、シリコーンオイル等を用いることができる。
このように、本実施の形態では、ニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に、潤滑剤が含浸されたシート状部材22を設けているために、定着ベルト21がニップ部形成部材26に対して間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在されていることになる。これに対して、潤滑剤が含浸されたシート状部材を設置せずに、ニップ部形成部材26と定着ベルト21との間に潤滑剤を直接的に塗布することにより、定着ベルト21がニップ部形成部材26に対して直接的に摺接する部分に潤滑剤を介在させても良い。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21の内側に、潤滑剤貯留部50(板状部材51)が設置されているが、これについては後で詳しく説明する。
以下、上述のように構成された定着装置20の通常時の動作について簡単に説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、ニップ部における加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動回転(連れ回り)する。
その後、給紙部12からシートPが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、シートP上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持されたシートPは、ガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、ヒータ25によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強されたニップ部形成部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、シートPの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出されたシートPは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、本実施の形態における定着装置20において、特徴的な構成・動作について、詳しく説明する。
図2、図4等に示すように、本実施の形態における定着装置20には、ニップ部に対して定着ベルト21の回転方向下流側に対向する位置に、潤滑剤貯留部50が設けられている。
この潤滑剤貯留部50は、定着ベルト21の内周面に接触することなく、定着ベルト21の内側において潤滑剤を貯留可能に形成されるとともに、その貯留した潤滑剤をニップ部形成部材26(シート状部材22)と定着ベルト21とが摺接する部分に直接的又は間接的に供給可能に形成されたものである。
詳しくは、潤滑剤貯留部50は、ニップ部形成部材26の上方に設けられていて、その底部がシート状部材22を介してニップ部形成部材26の上面に連通するように形成されている。
また、潤滑剤貯留部50には、定着ベルト21の内周面との間で潤滑剤を貯留する空間を形成する板状部材51が設けられている。すなわち、板状部材51と、それに対向する定着ベルト21の内周面の部分と、で略椀状の空間が形成されて、その空間に潤滑剤が貯留されることになる。そして、その椀状の空間の底部は、シート状部材22の上面の一部になっていて、潤滑剤貯留部50に貯留された潤滑剤がシート状部材22に供給されることになる。
なお、潤滑剤貯留部50に貯留される潤滑剤は、予めその空間に貯留されたものの他、ニップ部の位置(又は、潤滑剤貯留部50の位置)で定着ベルト21の内周面に付着した潤滑剤が潤滑剤貯留部50の上方の位置(潤滑剤回収領域Bである。)で自重落下したものである。特に、ニップ部の下流側において定着ベルト21の内周面に付着した潤滑剤は、定着ベルト21の熱によって充分に加熱されて粘性が低下した状態であるため、定着ベルト21に対して自重によって離間して潤滑剤貯留部50で回収されやすい。
また、図4にて破線で囲んだ部分を参照して、潤滑剤貯留部50の空間を形成するための板状部材51は、その上端が定着ベルト21の内周面に接触しないように配置されている。
なお、潤滑剤貯留部50の上方の位置から自重落下した潤滑剤は、そのほとんどが板状部材51の傾斜面(図4の左方から右方に向けて下方に傾斜する傾斜面であって、定着ベルト21の内周面に対向する傾斜面である。)に沿うように滑落して、潤滑剤貯留部50の底部に達することになる。そのため、潤滑剤貯留部50の貯留された潤滑剤のうち、定着ベルト21の内周面に直接的に付着するものは少なくなる。
このように、本実施の形態では、潤滑剤貯留部50からニップ部形成部材26(シート状部材22)に潤滑剤を適宜に供給するように構成しているため、定着ベルト21とニップ部形成部材26(シート状部材22)との間に潤滑剤が長期にわたって介在されることになる。したがって、経時で定着ベルト21とニップ部形成部材26(シート状部材22)との間に介在される潤滑剤が不足してしまって、定着装置20の駆動トルクが増加してしまうような不具合が軽減されることになる。
また、本実施の形態では、潤滑剤貯留部50の空間を形成するための板状部材51が定着ベルト21の内周面に摺接しないように配置されているため、定着ベルト21や板状部材51(潤滑剤貯留部50)が摺接によって変形してしまったり摩耗してしまったりする不具合も生じることはない。
ここで、図6を参照して、本実施の形態における潤滑剤貯留部50において、板状部材51は、その上端が、幅方向両端部が幅方向中央部に比べて定着ベルト21に近接するように形成されている。
すなわち、板状部材51は、幅方向両端部と定着ベルト21とのギャップG2が、幅方向中央部と定着ベルト21とのギャップG1に比べて、小さくなるように形成されている(G2<G1)。さらに換言すると、板状部材51は、その下端(潤滑剤貯留部50の底部を形成する部分である。)からの高さが、幅方向中央部に比べて幅方向両端部が高くなるように形成されている。
このように構成することにより、潤滑剤貯留部50に貯留された潤滑剤が幅方向両端部から溢れ出てしまう不具合を軽減することができる。また、板状部材51は、定着ベルト21に対して全体的に狭いギャップG2で近接させるのではなくて、その幅方向両端部のみを狭いギャップG2で近接させているため、仮にその狭いギャップG2のために定着ベルト21に板状部材51が接触してしまっても、接触による影響を小さくすることができる。
ここで、図4を参照して、本実施の形態における定着装置20は、ニップ部に対して定着ベルト21の回転方向上流側の位置に、潤滑剤が滞留する潤滑剤滞留領域Aが形成される。
詳しくは、定着装置20において、シート状部材22(ニップ部形成部材26)や定着ベルト21や潤滑剤貯留部50を除く部分には潤滑剤が存在することを予定していないが、実際には、定着装置20を使用しているうちに潤滑剤が滞留してしまう部分(潤滑剤滞留領域A)がある。
具体的に、潤滑剤滞留領域Aは、図4に示すように、定着ベルト21の内周面において最下部からニップ部までの回転方向に沿った領域である。特に、ニップ部の下方(入口側)では、シート状部材22に含浸された潤滑剤の一部が自重により落下して滞留してしまう。また、定着ベルト21の内周面における最下部では、定着ベルト21の回転にともない搬送された潤滑剤の一部が重力に逆らう方向に搬送されきれずに滞留してしまう。また、その最下部からニップ部に至る領域は、上述した2つの理由で滞留した潤滑剤が留まりやすい領域となる。特に、潤滑剤滞留領域Aは、ヒータ25によって定着ベルト21が充分に加熱された領域であるため、その領域にある潤滑剤も充分に加熱されて粘性が低下した状態になって、定着ベルト21に付着しにくく、定着ベルト21の回転にともない搬送されにくくなる。
そして、このように潤滑剤滞留領域Aに滞留される潤滑剤は、そのままでは、定着ベルト21の回転によってニップ部にはほとんど供給されなくて、定着装置20の稼働にともない増加して、定着装置20から溢れ出てしまうことになる。さらには、経時で定着ベルト21とニップ部形成部材26(シート状部材22)との間に介在される潤滑剤や、潤滑剤貯留部50に貯留される潤滑剤が、不足してしまうことになる。
本実施の形態では、このような不具合を軽減するために、図7に示すように、非定着工程時において所定のタイミングで、定着ベルト21を通常時(定着工程時)の回転方向に対して逆方向(図4、図7の時計方向である。)に回転させて、逆回転する定着ベルト21によって潤滑剤滞留領域Aに滞留する潤滑剤を潤滑剤貯留部50の位置(潤滑剤回収領域B)まで搬送する「逆転モード」が実行される。
すなわち、定着装置20における定着方法には、非定着工程時において所定のタイミングで、定着ベルト21を通常時の回転方向に対して逆方向に回転させて、逆回転する定着ベルト21によって潤滑剤滞留領域Aに滞留する潤滑剤を潤滑剤貯留部50の位置(潤滑剤回収領域B)まで搬送する工程があることになる。
具体的に、加圧ローラ31(定着装置20)を駆動する駆動モータ61は、正逆回転型のモータであって、「逆転モード」が実行されるときには制御部による制御によって駆動モータ61が逆回転されることになる。
潤滑剤滞留領域Aの下流側には、ニップ部が形成されていて、定着ベルト21が正方向(反時計方向)に回転されても、潤滑剤滞留領域Aに滞留した潤滑剤は、ニップ部に塞き止められてしまって、定着ベルト21の回転にともない搬送されにくくなる。これに対して、定着ベルト21が逆方向(時計方向)に回転される場合には、潤滑剤滞留領域Aに滞留した潤滑剤は、ニップ部に塞き止められることなく、定着ベルト21に付着した状態で定着ベルト21の逆方向の回転にともない搬送されることになる。
そして、定着ベルト21の逆回転にともない潤滑剤滞留領域Aが潤滑剤回収領域Bに達すると、その位置で潤滑剤滞留領域Aの潤滑剤が自重落下して、潤滑剤貯留部50に回収(貯留)されることになる。すなわち、潤滑剤滞留領域Aに滞留していた潤滑剤が、逆回転する定着ベルト21によって搬送された後に、潤滑剤貯留部50に回収(貯留)されることになる。
このように「逆転モード」を実行することにより、潤滑剤滞留領域Aに滞留される潤滑剤が定着装置20から溢れ出てしまう不具合が軽減されることになる。
このような「逆転モード」は、通常の定着工程がおこなわれていない非定着工程時(例えば、定着工程が終了した直後や、定着工程が開始される直前である。)におこなわれるが、非定着工程時に常におこなう必要はなくて、潤滑剤滞留領域Aに滞留される潤滑剤の量がある程度多くなるタイミングを見計らって実行することが好ましい。例えば、潤滑剤滞留領域Aに滞留される潤滑剤の量が、定着装置20の累積稼働時間にほぼ比例して増加するような場合には、定着装置20の累積稼働時間が所定値に達するごとに、「逆転モード」を実行するように制御部によって駆動モータ61を制御することができる。このような制御をおこなうことにより、「逆転モード」を無駄なく効率的に実行することができる。
ここで、本実施の形態では、「逆転モード」が実行されるときに、ヒータ25(加熱手段)によって定着ベルト21が加熱されるようにしている。具体的に、逆転モード時にヒータ25がオン状態になるように制御される。
これにより、潤滑剤滞留領域Aに滞留していた潤滑剤が、逆回転する定着ベルト21によって潤滑剤回収領域Bの位置に搬送されたときに、ヒータ25によって加熱された定着ベルト21の熱によって潤滑剤が充分に加熱されて粘性が低下した状態になる。そのため、定着ベルト21から潤滑剤が離間しやすくなって、潤滑剤貯留部50に回収されやすくなる。
また、本実施の形態において、逆転モード時のヒータ25(加熱手段)による加熱は、定着ベルト21の逆方向の回転を開始して潤滑剤滞留領域Aがヒータ25による加熱領域Mを通過した後に開始される。
これは、定着ベルト21の逆方向の回転を開始してすぐに、潤滑剤滞留領域Aに滞留する潤滑剤がヒータ25によって加熱されてしまうと、潤滑剤の粘性の低下にともない定着ベルト21への付着力が低下して、定着ベルト21の逆方向の回転にともない潤滑剤を搬送しにくくなってしまうためである。潤滑剤滞留領域Aが加熱領域Mを通過した後にヒータ25による定着ベルト21の加熱を開始することで、潤滑剤滞留領域Aの潤滑剤を潤滑剤回収領域Bまで良好に搬送した後に、潤滑剤回収領域Bで潤滑剤貯留部50に良好に回収することができる。
なお、逆転モード時においてヒータ25の加熱を終了するタイミングは、遅くとも、定着ベルト21の逆転駆動が終了するまでとすることが好ましい。定着ベルト21が回転停止した後もヒータ25が点灯されていると、定着ベルト21が局所的に加熱されてしまって、その部分に熱的劣化が生じてしまう可能性があるためである。
図7(A)〜(C)は、ここまで述べた逆転モード時の定着装置20の動作を図示したものである。
まず、非定着工程時において、所定の条件に基いて逆転モードが開始されて、定着ベルト21(駆動モータ61)が逆回転されるが、このとき、図7(A)に示すようにヒータ25は点灯されない。
そして、図7(B)に示すように、潤滑剤滞留領域Aが加熱領域Mを通過した後のタイミングで、ヒータ25が点灯されて、定着ベルト21が加熱開始される。
そして、図7(C)に示すように、潤滑剤滞留領域Aが潤滑剤回収領域Bに達して、潤滑剤滞留領域Aの潤滑剤が潤滑剤貯留部50に回収されることになる。そして、ヒータ25が消灯されるとともに、定着ベルト21(駆動モータ61)が回転停止される。
図8は、さらに逆転モード時の制御フローを図示したものである。
まず、一連の定着工程が終了した状態(又は、定着工程が開始される前の状態)になると(ステップS1)、逆転モードを実行する条件(例えば、累積稼働時間が所定値に達しているか否かである。)になっているかが判別される(ステップS2)。その結果、実行条件を満たしていないものと判別された場合には、潤滑剤滞留領域Aに潤滑剤がほとんど滞留していないものとして、逆転モードを実行しないで本フローを終了する。
これに対して、ステップS2で、実行条件を満たしているものと判別された場合には、潤滑剤滞留領域Aに潤滑剤が滞留しているものとして、逆転モードを実行する。詳しくは、まず、定着ベルト21を逆回転させるために、駆動モータ61を逆転駆動する(ステップS3)。そして、所定時間T1(潤滑剤滞留領域Aが加熱領域Mを通過するまでの時間である。)が経過したものと判別された後に、ヒータ25による加熱を開始する(ステップS4、S5)。そして、所定時間T2(潤滑剤滞留領域Aが潤滑剤回収領域Bに達するまでの時間である。)が経過したものと判別された後に、ヒータ25による加熱を終了するとともに駆動モータ61の逆転駆動を停止して(ステップS6、S7)、本フローを終了する。
以上説明したように、本実施の形態における定着装置20は、ニップ部に対して定着ベルト21の回転方向下流側に対向する位置に、定着ベルト21の内周面に接触することなく、定着ベルト21の内側において潤滑剤を貯留可能に形成されるとともに、貯留した潤滑剤を定着ベルト21とニップ部形成部材26とが摺接する部分に直接的又は間接的に供給可能に形成された潤滑剤貯留部50が設けられている。
これにより、定着ベルト21や板状部材51などの構成部材が摺接によって変形してしまったり摩耗してしまったりする不具合が生じることなく、定着ベルト21とニップ部形成部材26との間に潤滑剤を長期にわたって介在させることができる。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21を加熱する加熱手段(加熱源)としてヒータ25を用いたが、定着ベルトを加熱する加熱手段(加熱源)はこれに限定されることなく、例えば、加熱手段として電磁誘導コイルを用いることもできるし、加熱手段として抵抗発熱体を用いることもできる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
なお、本願明細書等において、「幅方向」とは、シートの搬送方向に対して直交する方向であって、定着ベルトや加圧ローラの回転軸方向と同じ方向であるものと定義する。
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(ベルト部材)、
22 シート状部材、
23 補強部材、
25 ヒータ(加熱手段)、
26 ニップ部形成部材(固定部材)、
29 ガイド部材(フランジ)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
50 潤滑剤貯留部、
51 板状部材、
61 駆動モータ(駆動手段)、
A 潤滑剤滞留領域、 B 潤滑剤回収領域、 M 加熱領域、
P シート(記録媒体)。
特開2014−178520号公報

Claims (9)

  1. 加熱手段によって加熱されて、所定の回転方向に回転する定着ベルトと、
    前記定着ベルトに外接する加圧ローラと、
    前記定着ベルトの内側において前記定着ベルトを介して前記加圧ローラに圧接してシートが搬送されるニップ部を形成するニップ部形成部材と、
    を備え、
    前記定着ベルトが前記ニップ部形成部材に対して直接的又は間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在され、
    前記ニップ部に対して前記定着ベルトの回転方向下流側に対向する位置に、前記定着ベルトの内周面に接触することなく、前記定着ベルトの内側において潤滑剤を貯留可能に形成されるとともに、貯留した潤滑剤を前記摺接する部分に直接的又は間接的に供給可能に形成された潤滑剤貯留部が設けられたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記ニップ部に対して前記定着ベルトの回転方向上流側の位置に、潤滑剤が滞留する潤滑剤滞留領域が形成され、
    非定着工程時において所定のタイミングで、前記定着ベルトを前記回転方向に対して逆方向に回転させて、逆回転する前記定着ベルトによって前記潤滑剤滞留領域に滞留する潤滑剤を前記潤滑剤貯留部の位置まで搬送する逆転モードが実行されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ベルトと前記加圧ローラとが略水平方向に並ぶように配置されるとともに、前記ニップ部においてシートが下方から上方に搬送されるように構成され、
    前記潤滑剤貯留部は、前記ニップ部形成部材の上方に設けられ、
    前記潤滑剤滞留領域は、前記定着ベルトの内周面において最下部から前記ニップ部までの前記回転方向に沿った領域であることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記逆転モードが実行されるときに、前記加熱手段によって前記定着ベルトが加熱されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記逆転モード時の前記加熱手段による加熱は、前記定着ベルトの前記逆方向の回転を開始して前記潤滑剤滞留領域が前記加熱手段による加熱領域を通過した後に開始されることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記潤滑剤貯留部は、その底部が、前記ニップ部形成部材の上面に連通するように形成されたことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記潤滑剤貯留部は、前記定着ベルトの内周面との間で潤滑剤を貯留する空間を形成する板状部材を具備し、
    前記板状部材は、その上端が、幅方向両端部が幅方向中央部に比べて前記定着ベルトに近接するように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 加熱手段によって加熱されて所定の回転方向に回転する定着ベルトと、前記定着ベルトに外接する加圧ローラと、前記定着ベルトの内側において前記定着ベルトを介して前記加圧ローラに圧接してシートが搬送されるニップ部を形成するニップ部形成部材と、を備えて、前記定着ベルトが前記ニップ部形成部材に対して直接的又は間接的に摺接する部分に潤滑剤が介在された定着装置における定着方法であって、
    前記ニップ部に対して前記定着ベルトの回転方向下流側に対向する位置に、前記定着ベルトの内周面に接触することなく、潤滑剤を貯留可能に形成されるとともに、貯留した潤滑剤を前記摺接する部分に直接的又は間接的に供給可能に形成された潤滑剤貯留部が設けられ、
    前記ニップ部に対して前記定着ベルトの回転方向上流側の位置に、潤滑剤が滞留する潤滑剤滞留領域が形成され、
    非定着工程時において所定のタイミングで、前記定着ベルトを前記回転方向に対して逆方向に回転させて、逆回転する前記定着ベルトによって前記潤滑剤滞留領域に滞留する潤滑剤を前記潤滑剤貯留部の位置まで搬送する工程を備えたことを特徴とする定着方法。
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