JP2018193923A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
マイコンは、例えば一定時間毎の時間同期処理によって、インジェクタからの燃料噴射を開始すべきクランク位置を、要求噴射位置として算出する。
第2処理部は、エンジンのクランク位置が、第1処理部により算出された要求噴射位置よりも前の基準位置になったときに動作する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示すように、第1実施形態の燃料噴射制御装置としての電子制御装置(以下、ECU1)には、クランクセンサ3と、カムセンサ4と、インジェクタ5とが、接続されている。ECUは、「Electronic Control Unit」の略である。
マイコン11は、プログラムを実行するCPU13と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ)14と、を備える。更に、マイコン11は、インジェクタ5の駆動を制御するための機能部分として、第1設定部15と、第2設定部16と、信号生成部17と、を備える。第1設定部15と第2設定部16は、例えばレジスタであって良い。また、第1設定部15と第2設定部16は、例えばメモリ14における一部の記憶領域であっても良い。
信号生成部17は、第1設定部15にセットされた噴射開始タイミング情報が示す噴射開始タイミングが到来したと判断すると、当該信号生成部17が生成する噴射パルスを非アクティブレベルからアクティブレベルにする。そして、信号生成部17は、噴射パルスをアクティブレベルにしてから、第2設定部16にセットされた噴射時間が経過したと判断すると、噴射パルスを非アクティブレベルに戻す。
次に、マイコン11が燃料噴射制御のために実行する処理について、図2,図3のフローチャートを用いて説明する。
マイコン11は、図2に示す時間同期処理を一定時間毎に実行する。
図2に示すように、マイコン11は、時間同期処理を開始すると、S100にて、要求噴射位置RAを算出する処理を行う。要求噴射位置RAは、インジェクタ5からの燃料噴射を開始すべきクランク位置である。
マイコン11は、S105の噴射時間算出処理では、噴射時間を算出するための最新の制御情報を取得し、その取得した制御情報を用いて噴射時間を算出する。噴射時間を算出するための制御情報としては、例えば、エンジン回転速度や吸入空気量等の他に、インジェクタ5に供給される燃料の圧力や温度等がある。算出される噴射時間は、インジェクタ5から噴射すべき燃料噴射量を実現するための噴射時間である。噴射時間は、必要な燃料噴射量が算出されてから、その燃料噴射量に基づき算出されても良いし、各種情報から直接的に算出されても良い。尚、このS105で算出される噴射時間は、仮の噴射時間(以下、仮噴射時間)である。
マイコン11は、図3のクランク同期処理を、クランク軸7が所定角度回転する毎に実行する。その所定角度は、本実施形態では30°である。また、本実施形態では、クランク信号に立ち上がりエッジが生じる10°CA毎のタイミングの何れかが、例えば上死点のタイミングになっている。そして、クランク信号に立ち上がりエッジが生じるタイミングのうち、例えば上死点のタイミングを含む30°CA毎のタイミングにて、クランク同期処理が実行される。尚、これらの角度の値は一例である。また、マイコン11は、クランク信号に基づいて現在のクランク位置を把握している。
一方、マイコン11は、S110にて、当該クランク同期処理の今回の起動が噴射直前起動であると判定した場合には、S120に進む。
マイコン11は、第1セット処理では、まず、現時点から要求噴射位置RAのタイミングまでの時間T1、即ち、現時点からクランク位置が要求噴射位置RAになるまでの時間T1を、現在のエンジン回転速度に基づき算出する。要求噴射位置RAのタイミングとは、クランク位置が要求噴射位置RAになるタイミングのことである。具体的には、マイコン11は、現在のクランク位置から要求噴射位置RAまでのクランク角の差分を、現在のエンジン回転速度で割ることにより、現時点から要求噴射位置RAのタイミングまでの時間T1を算出する。
マイコン11は、S180では、現在の噴射継続時間がS130で算出された正式噴射時間を超えているか否かを判定する。現在の噴射継続時間とは、現在実施中の燃料噴射の継続時間である。また、現在の噴射継続時間は、第1設定部15にセットされた噴射開始タイミング情報が示す時刻(即ち、噴射開始時刻)から現在時刻までの時間として算出される。
マイコン11は、S160では、仮噴射時間よりも正式噴射時間の方が長いか否かを判定し、正式噴射時間の方が長いと判定した場合には、S170に進む。
[1−3.作用例と比較例]
図2及び図3の処理による作用例及び効果と、比較例とを、図4を用いて説明する。
また、図4の例では、時刻t0で時間同期処理が起動され、時刻t1,t2の各々でクランク同期処理が起動されている。そして、時刻t4は、時間同期処理で算出された要求噴射位置RAのタイミングである。このため、時刻t1で起動されるクランク同期処理が、要求噴射位置RAの直前に起動されたクランク同期処理、即ち、直前クランク同期処理である。また、図4において、一点鎖線の矢印は、第1設定部15に噴射開始タイミング情報がセットされてから、その噴射開始タイミング情報によって示される噴射開始タイミングが到来するまでの期間を示している。また、図4において、二点鎖線の矢印は、第2設定部16に噴射時間がセットされることを示している。
(A1)の部分に示す比較例では、上記実施形態と比較すると、下記〈a〉〜〈c〉の点が異なる。
〈b〉クランク同期処理では、S110にて、当該クランク同期処理の今回の起動が噴射直前起動であると判定された場合に、S120,S125の処理が行われずに、S130の噴射時間算出処理が行われる。
一方、比較例において、(A2)の部分に示すように、直前クランク同期処理における噴射時間算出処理の実行終了が、他の優先度の高い処理が実行されるなどして、遅れてしまい、噴射開始タイミング情報及び噴射時間のセットが行われる時刻t5が、時刻t4よりも後になったとする。
一方、本実施形態では、図4の(B)の部分に示すように、時間同期処理において、要求噴射位置RAと、仮噴射時間とが算出される。そして、時刻t1で起動されるクランク同期処理においては、噴射時間算出処理よりも前のS120,S125にて、第1設定部15への噴射開始タイミング情報のセットと、第2設定部16への仮噴射時間のセットとが行われる。
以上詳述した実施形態によれば、上記作用例のところで述べた効果が得られ、更に、以下の効果も奏する。
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。尚、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
マイコン11は、信号生成部17で生成される噴射パルスがローレベルからハイレベルになったとき、即ち、インジェクタ5からの燃料噴射の開始時に、例えば割り込み処理として、図5の噴射開始時処理を行う。
また、マイコン11は、S310にて、噴射時間算出処理が終了していないと判定した場合には、S320に進み、簡略化フラグをオンした後、当該噴射開始時処理を終了する。簡略化フラグは、図3のS130で実行される噴射時間算出処理の簡略化を示すフラグである。
図6に示すように、マイコン11は、図3のS130で噴射時間算出処理を開始すると、まずS410にて、噴射時間を算出するための最新の制御情報を取得する。
マイコン11は、次のS430では、簡略化フラグがオンか否かを判定し、簡略化フラグがオンでなければ、即ちオフであれば、S440に進む。
マイコン11は、S460では、S440で算出された第1補正後の基本噴射時間に対して第2の補正を行うことにより、第2補正後の基本噴射時間を算出する。第2の補正としては、例えば、第1補正後の基本噴射時間に第2の補正係数を乗じたり加算したりする処理が行われる。
つまり、図6の噴射時間算出処理では、基本噴射時間に対する補正を実施する前毎に、簡略化フラグを参照し、簡略化フラグがオンであれば、その時点で補正の実施を取り止めて、処理内容を簡略化することにより、正式噴射時間の算出が早期に完了されるようになっている。
また、第1及び第2実施形態において、図2のS105で実行される噴射時間算出処理は、図6からS430,S450を除いた処理であっても良いし、図6からS430〜S460を除いた処理であっても良い。
[2−2.第2実施形態の効果]
以上のような第2実施形態によれば、インジェクタ5からの燃料噴射の開始時において、図3のS130で実行される噴射時間算出処理が終了していない場合には、簡略化フラグがオンされて、その噴射時間算出処理が簡略化される。この場合、噴射時間算出処理の実行に要する時間が短くなるため、噴射時間算出処理が終了した時点で、仮噴射時間による燃料噴射が既に終了しているといったケースや、既に正式噴射時間よりも長く燃料噴射が行われてしまっているといったケースの発生を抑制することができる。よって、燃料噴射量の制御精度を向上させることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
また、第1設定部15、第2設定部16及び信号生成部17は、マイコン11の外部に設けられていても良い。
Claims (4)
- インジェクタ(5)からエンジンへの燃料噴射を開始するタイミングを示す噴射開始タイミング情報がセットされる第1設定部(15)と、
前記インジェクタからの燃料噴射の継続時間である噴射時間がセットされる第2設定部(16)と、
前記第1設定部にセットされた噴射開始タイミング情報が示すタイミングが到来したと判断すると、前記インジェクタからの燃料噴射を開始させ、この燃料噴射の開始時から前記第2設定部にセットされた噴射時間が経過したと判断すると、前記インジェクタからの燃料噴射を終了させるように構成されたインジェクタ制御部(17)と、
前記インジェクタからの燃料噴射を開始すべき前記エンジンのクランク位置を、要求噴射位置として算出するように構成された第1処理部(11,S100)と、
前記エンジンのクランク位置が、前記算出された要求噴射位置よりも前の基準位置になったときに動作するように構成された第2処理部(11,S120〜S210)と、を備え、
前記第2処理部は、
前記エンジンのクランク位置が前記算出された要求噴射位置になるタイミングで前記インジェクタからの燃料噴射が開始されるようにするための前記噴射開始タイミング情報を、前記第1設定部にセットする処理(S120)と、前記第2設定部に仮の噴射時間をセットする処理(S125)と、を行った後に、正式な噴射時間を算出するための噴射時間算出処理(S130)を行い、
更に、前記噴射時間算出処理を終了した時点で、前記インジェクタからの燃料噴射が開始されていない場合、あるいは、前記仮の噴射時間による前記インジェクタからの燃料噴射が実施中である場合には、前記噴射時間算出処理により算出された正式な噴射時間を前記第2設定部にセットし直す再セット処理(S200,S210)を行うように構成されている、
燃料噴射制御装置。 - 請求項1に記載の燃料噴射制御装置であって、
前記2処理部は、
前記噴射時間算出処理を終了した時点で、前記仮の噴射時間による前記インジェクタからの燃料噴射が終了しており、且つ、前記仮の噴射時間よりも前記噴射時間算出処理により算出された正式な噴射時間の方が長い場合には、前記正式な噴射時間と前記仮の噴射時間との差の時間だけ前記インジェクタから燃料を噴射させるための再噴射処理(S170)を行うように構成されている、
燃料噴射制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置であって、
前記第2処理部は、
前記噴射時間算出処理を終了した時点で、前記仮の噴射時間による前記インジェクタからの燃料噴射が実施中であり、且つ、実施中の燃料噴射の継続時間が前記噴射時間算出処理により算出された正式な噴射時間を超えている場合には、前記再セット処理ではなく、前記インジェクタからの燃料噴射を停止させるための噴射停止処理(S190)を行うように構成されている、
燃料噴射制御装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の燃料噴射制御装置であって、
前記インジェクタからの燃料噴射の開始時において、前記第2処理部による前記噴射時間算出処理が終了していない場合に、前記噴射時間算出処理を簡略化させるように構成された簡略化部(11,S320,S430,S450)、を更に備える、
燃料噴射制御装置。
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JPH08144806A (ja) * | 1994-11-17 | 1996-06-04 | Mitsubishi Motors Corp | 内燃機関用燃料噴射制御装置及び内燃機関の燃料噴射制御方法 |
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2017
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