JP2018193353A - フラン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】極性基を有するフラン化合物を出発原料として、複数の極性基を有するフラン誘導体を効率よく製造できる方法を提供する。
【解決手段】スルホン酸基またはリン酸基を有する固体酸触媒の存在下、式(1)で表される化合物と、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとを反応させ、式(2)または式(3)で表される化合物を製造する、フラン誘導体の製造方法。
R1は、−CHO、−COOH、−CH2NH2、−CH2CN、−CH2CONH2、−CH2NCO、―CH(OH)C2H5、―CH(OH)CH3、または、式(4)で表される基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に、−CN、または、−COHを表す。*は結合位置を表す。
【選択図】なし
【解決手段】スルホン酸基またはリン酸基を有する固体酸触媒の存在下、式(1)で表される化合物と、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとを反応させ、式(2)または式(3)で表される化合物を製造する、フラン誘導体の製造方法。
R1は、−CHO、−COOH、−CH2NH2、−CH2CN、−CH2CONH2、−CH2NCO、―CH(OH)C2H5、―CH(OH)CH3、または、式(4)で表される基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に、−CN、または、−COHを表す。*は結合位置を表す。
【選択図】なし
Description
本発明は、フラン誘導体の製造方法に関する。
近年、バイオマス原料であるグルコースなどの単糖類から容易に得られる5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒド(HMF)は、様々な物質の原料として使用できる化合物として注目されている。
一方で、HMFと同様に単糖類から得られる化合物として、2−フルアルデヒドがある。近年、2−フルアルデヒドに、極性基であるヒドロキシ基を導入する技術が提案されている(非特許文献1)。非特許文献1では、モルデナイトを脱アルミ処理した固体触媒が用いられている。
一方で、HMFと同様に単糖類から得られる化合物として、2−フルアルデヒドがある。近年、2−フルアルデヒドに、極性基であるヒドロキシ基を導入する技術が提案されている(非特許文献1)。非特許文献1では、モルデナイトを脱アルミ処理した固体触媒が用いられている。
Ind Crop Product, 1999, 19, 235.
しかしながら、非特許文献1の製造方法では、生成物の収率は工業的な点からは十分とは言えず、さらなる改良が必要であった。
また、2−フルアルデヒドに限らず、カルボン酸基などの極性基を有するフラン化合物を用いて、複数の極性基を有するフラン誘導体を製造できる技術の開発も望まれていた。
本発明は、上記実情に鑑みて、極性基を有するフラン化合物を出発原料として、複数の極性基を有するフラン誘導体を効率よく製造できる方法を提供することを課題とする。
また、2−フルアルデヒドに限らず、カルボン酸基などの極性基を有するフラン化合物を用いて、複数の極性基を有するフラン誘導体を製造できる技術の開発も望まれていた。
本発明は、上記実情に鑑みて、極性基を有するフラン化合物を出発原料として、複数の極性基を有するフラン誘導体を効率よく製造できる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、所定の固体酸触媒を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、以下に示す手段により上記課題を解決し得る。
すなわち、以下に示す手段により上記課題を解決し得る。
(1) スルホン酸基、カルボン酸基またはリン酸基を有する固体酸触媒の存在下、後述する式(1)で表される化合物と、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとを反応させ、後述する式(2)または後述する式(3)で表される化合物を製造する、フラン誘導体の製造方法。
(2) 固体酸触媒が、後述する式(5)で表される基を有する、(1)に記載のフラン誘導体の製造方法。
(3) 固体酸触媒が、さらに、後述する式(6)で表される基または後述する式(7)で表される基を有する、(2)に記載のフラン誘導体の製造方法。
(4) R1が、−CHO、−COOH、−CH2NH2、−CH2CN、−CH2CONH2、−CH2NCO、または、後述する式(4)で表される基を表す、(1)〜(3)のいずれかに記載のフラン誘導体の製造方法。
(5) R1が、−CHOである、(1)〜(4)のいずれかに記載のフラン誘導体の製造方法。
(6) 固体酸触媒とホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとを混合し、その後、得られた混合物と式(1)で表される化合物とを混合して、反応を行う、(1)〜(5)のいずれかに記載のフラン誘導体の製造方法。
(2) 固体酸触媒が、後述する式(5)で表される基を有する、(1)に記載のフラン誘導体の製造方法。
(3) 固体酸触媒が、さらに、後述する式(6)で表される基または後述する式(7)で表される基を有する、(2)に記載のフラン誘導体の製造方法。
(4) R1が、−CHO、−COOH、−CH2NH2、−CH2CN、−CH2CONH2、−CH2NCO、または、後述する式(4)で表される基を表す、(1)〜(3)のいずれかに記載のフラン誘導体の製造方法。
(5) R1が、−CHOである、(1)〜(4)のいずれかに記載のフラン誘導体の製造方法。
(6) 固体酸触媒とホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとを混合し、その後、得られた混合物と式(1)で表される化合物とを混合して、反応を行う、(1)〜(5)のいずれかに記載のフラン誘導体の製造方法。
本発明によれば、極性基を有するフラン化合物を出発原料として、複数の極性基を有するフラン誘導体を効率よく製造できる方法を提供できる。
以下に、本発明のフラン誘導体の製造方法の好適態様について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明においては、所定の官能基を有する固体酸触媒を用いることにより、アルデヒド基などの極性基を有するフラン化合物にヒドロキシ基を導入でき、結果として、複数の極性基を有するフラン誘導体を製造できる。また、本発明によれば、原料としてアセトアルデヒドを用いることにより、後述する式(1)で表される化合物に含まれる極性基(R1に相当)を複数有するフラン誘導体を製造できる。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明においては、所定の官能基を有する固体酸触媒を用いることにより、アルデヒド基などの極性基を有するフラン化合物にヒドロキシ基を導入でき、結果として、複数の極性基を有するフラン誘導体を製造できる。また、本発明によれば、原料としてアセトアルデヒドを用いることにより、後述する式(1)で表される化合物に含まれる極性基(R1に相当)を複数有するフラン誘導体を製造できる。
まず、本製造方法で使用される材料(固体酸触媒、式(1)で表される化合物など)について詳述し、その後、製造方法の手順について詳述する。
<固体酸触媒>
固体酸触媒は、スルホン酸基、カルボン酸基またはリン酸基(以下、これらをまとめて「特定官能基」とも称する。)を有する。なかでも、フラン誘導体の収率がより優れる点で、固体酸触媒は、スルホン酸基を有することが好ましく、式(5)で表される基を有することがより好ましい。*は、結合位置を表す。
固体酸触媒は、スルホン酸基、カルボン酸基またはリン酸基(以下、これらをまとめて「特定官能基」とも称する。)を有する。なかでも、フラン誘導体の収率がより優れる点で、固体酸触媒は、スルホン酸基を有することが好ましく、式(5)で表される基を有することがより好ましい。*は、結合位置を表す。
nは、1または2を表す。
固体酸触媒はスルホン酸基、カルボン酸基またはリン酸基以外の基を有していてもよく、固体酸触媒がスルホン酸基を有する場合は、さらに式(6)で表される基または式(7)で表される基を有していてもよい。*は、結合位置を表す。
*−SO3−Ra 式(6)
*−SO3 -Rb+ 式(7)
Raは、アルキル基またはベンジル基を表す。アルキル基の炭素数は特に制限されず、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。
Rb+は、カチオンを表す。カチオンの種類は特に制限されず、第4級アンモニウム塩(例えば、カチオン性界面活性剤)、1価の金属カチオン(例えば、アルカリ金属イオン)が挙げられる。
*−SO3−Ra 式(6)
*−SO3 -Rb+ 式(7)
Raは、アルキル基またはベンジル基を表す。アルキル基の炭素数は特に制限されず、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。
Rb+は、カチオンを表す。カチオンの種類は特に制限されず、第4級アンモニウム塩(例えば、カチオン性界面活性剤)、1価の金属カチオン(例えば、アルカリ金属イオン)が挙げられる。
固体酸触媒は特定官能基を有していればその基体は特に制限されず、例えば、樹脂、金属有機骨格材料、金属酸化物などが挙げられる。具体的には、固体酸触媒としては、特定官能基を有する樹脂、特定官能基を有する金属有機骨格材料、特定官能基を有する金属酸化物などが挙げられる。
樹脂の種類は特に制限されず、公知の樹脂から構成されていてもよく、樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、エステル系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。より具体的には、樹脂としては、フェノ−ルとホルムアルデヒドとを重縮合して得られる樹脂や、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合樹脂が挙げられる。
特定官能基を有する樹脂としては、公知の材料を使用でき、なかでも、スルホン酸基を有するスルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂が好ましく、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体を高分子基体とし、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂がより好ましい。
特定官能基を有する樹脂としては、公知の材料を使用でき、なかでも、スルホン酸基を有するスルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂が好ましく、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体を高分子基体とし、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂がより好ましい。
特定官能基を有する樹脂は、市販品でもよく、例えば、Amberlyst−15 Dry(オルガノ株式会社製)、Amberlyst−15 JWET(オルガノ株式会社製)、Amberlyst−35 JWET(オルガノ株式会社製)、Amberlyst−35 Dry(オルガノ株式会社製)、Nafion NR50(アルドリッチ社製)などが挙げられる。
金属有機骨格材料(MOF:Metal−Organic Frameworks)とは、金属イオンとそれらを連結する架橋性の有機配位子とが配位結合を介して結合し、規則的なサイズ・配列のナノ細孔を有する多孔性の有機金属錯体を意図する。
金属有機骨格材料の種類は特に制限されず、上記特定官能基を有していればよい。例えば、金属イオンとしてZnイオンを用い、有機配位子としてスルホン酸基を有するテレフタル酸を用いることにより得られる金属有機骨格材料が挙げられる。
金属有機骨格材料の種類は特に制限されず、上記特定官能基を有していればよい。例えば、金属イオンとしてZnイオンを用い、有機配位子としてスルホン酸基を有するテレフタル酸を用いることにより得られる金属有機骨格材料が挙げられる。
金属酸化物としては、公知の金属酸化物が挙げられ、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどが挙げられる。金属酸化物は、粒状体であっても、多孔体であってもよい。
特定官能基を有する金属酸化物の製造方法は特に制限されず、例えば、金属酸化物の表面を、特定官能基を有するシランカップリング剤で処理して、特定官能基を導入する方法が挙げられる。
特定官能基を有する金属酸化物の製造方法は特に制限されず、例えば、金属酸化物の表面を、特定官能基を有するシランカップリング剤で処理して、特定官能基を導入する方法が挙げられる。
<式(1)で表される化合物>
式(1)で表される化合物は、フラン誘導体の原料である。
式(1)で表される化合物は、フラン誘導体の原料である。
R1は、−CHO(アルデヒド基)、−COOH、−CH2NH2、−CH2CN、−CH2CONH2、−CH2NCO、−CH(OH)C2H5、−CH(OH)CH3、または、式(4)で表される基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に、−CN、または、−CHOを表す。
なかでも、−CHO、−COOH、−CH2NH2、−CH2CN、−CH2CONH2、−CH2NCO、または、式(4)で表される基が好ましく、フラン誘導体の収率がより優れる点で、−CHOが好ましい。
なかでも、−CHO、−COOH、−CH2NH2、−CH2CN、−CH2CONH2、−CH2NCO、または、式(4)で表される基が好ましく、フラン誘導体の収率がより優れる点で、−CHOが好ましい。
<ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド>
ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドは、フラン誘導体の原料である。これらの成分は使用される際に、水溶液として用いられてもよい。例えば、ホルムアルデヒドと水とメタノールとを含むホルムアルデヒド液(ホルマリン水溶液とも表記できる)として用いられてもよい。
また、ホルムアルデヒドは、縮合・重合化合物から供給してもよく、例えば、1,3,5−トリオキサンやポリアセタール(パラホルムアルデヒド)を分解してホルムアルデヒドを得てもよい。なお、1,3,5−トリオキサンやポリアセタール(パラホルムアルデヒド)が用いられる場合、これらの化合物と有機溶媒(例えば、メタノール)とを含む溶液として用いられてもよい。
ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドは、フラン誘導体の原料である。これらの成分は使用される際に、水溶液として用いられてもよい。例えば、ホルムアルデヒドと水とメタノールとを含むホルムアルデヒド液(ホルマリン水溶液とも表記できる)として用いられてもよい。
また、ホルムアルデヒドは、縮合・重合化合物から供給してもよく、例えば、1,3,5−トリオキサンやポリアセタール(パラホルムアルデヒド)を分解してホルムアルデヒドを得てもよい。なお、1,3,5−トリオキサンやポリアセタール(パラホルムアルデヒド)が用いられる場合、これらの化合物と有機溶媒(例えば、メタノール)とを含む溶液として用いられてもよい。
<その他の成分>
本製造方法においては、溶媒が使用されてもよい。つまり、溶媒の存在下にて、反応を実施してもよい。
溶媒としては、上記固体酸触媒、式(1)で表される化合物、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを溶解または分散させる溶媒であればよく、水、有機溶媒(例えば、メタノール)、またはこれらの混合液が挙げられる。なかでも、手順が容易であり工程がより簡便となる点で、水が好ましい。
本製造方法においては、溶媒が使用されてもよい。つまり、溶媒の存在下にて、反応を実施してもよい。
溶媒としては、上記固体酸触媒、式(1)で表される化合物、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを溶解または分散させる溶媒であればよく、水、有機溶媒(例えば、メタノール)、またはこれらの混合液が挙げられる。なかでも、手順が容易であり工程がより簡便となる点で、水が好ましい。
<製造方法の手順>
本製造方法では、上述した固体酸触媒の存在下で、原料である式(1)で表される化合物と、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒド(以後、これらをまとめて「アルデヒド類」ともいう。)とを反応させる。
式(1)で表される化合物とホルムアルデヒドとを反応させることにより式(2)で表される化合物が得られ、式(1)で表される化合物とアセトアルデヒドとを反応させることにより式(3)で表される化合物が得られる。
本製造方法では、上述した固体酸触媒の存在下で、原料である式(1)で表される化合物と、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒド(以後、これらをまとめて「アルデヒド類」ともいう。)とを反応させる。
式(1)で表される化合物とホルムアルデヒドとを反応させることにより式(2)で表される化合物が得られ、式(1)で表される化合物とアセトアルデヒドとを反応させることにより式(3)で表される化合物が得られる。
反応条件は使用される成分の種類に応じて適宜最適な条件が選択されるが、生産性がより優れる点で、反応温度としては25〜150℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、85〜110℃がさらに好ましい。
反応時間としては、生成物の収率および経済性の点から、0.5〜48時間が好ましく、2〜30時間がより好ましく、2〜24時間がさらに好ましい。
反応時間としては、生成物の収率および経済性の点から、0.5〜48時間が好ましく、2〜30時間がより好ましく、2〜24時間がさらに好ましい。
各成分の使用量は特に制限されず、その種類によって最適な使用量が選択される。
なかでも、生成物の収率がより優れる点で、アルデヒド類の使用量は、式(1)で表される化合物の全モル量に対して、1.0〜150モル倍が好ましく、30〜80モル倍がより好ましく、40〜60モル倍がさらに好ましい。
また、生成物の収率がより優れる点で、固体酸触媒の使用量は、式(1)で表される化合物の全質量に対して、0.1〜10質量倍が好ましく、1〜5質量倍がより好ましい。
なかでも、生成物の収率がより優れる点で、アルデヒド類の使用量は、式(1)で表される化合物の全モル量に対して、1.0〜150モル倍が好ましく、30〜80モル倍がより好ましく、40〜60モル倍がさらに好ましい。
また、生成物の収率がより優れる点で、固体酸触媒の使用量は、式(1)で表される化合物の全質量に対して、0.1〜10質量倍が好ましく、1〜5質量倍がより好ましい。
反応雰囲気は特に制限されず、空気下であっても、不活性ガス雰囲気下であってもよい。
各成分を混合する方法は特に制限されないが、例えば、各成分を一括して混合する方法や、各成分を段階的に混合する方法が挙げられる。なかでも、生成物の収率がより優れる点で、各成分を段階的に混合する方法が好ましく、固体酸触媒とアルデヒド類とを混合して、その後、得られた混合物と式(1)で表される化合物とを混合する方法がより好ましい。なお、必要に応じて、固体酸触媒とアルデヒド類とを混合する際、反応温度にて攪拌して混合してもよい。
上述したように、本製造方法においては溶媒を使用してもよい。
例えば、使用される成分(例えば、アルデヒド類)を溶媒に溶解させて溶液として用いてもよい。
例えば、使用される成分(例えば、アルデヒド類)を溶媒に溶解させて溶液として用いてもよい。
上記反応系は、反応終了後、濾過または遠心分離のような分離方法により生成物と固体酸触媒とを容易に分離でき、工業的な観点から優れた系である。
なお、上記工程で生成された生成物は、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
なお、上記工程で生成された生成物は、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
なお、本製造方法の終了後に回収した固体酸触媒は、再度、本製造方法に適用することができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例A1>
固体酸触媒であるAmberlyst−15 Dry(オルガノ株式会社製)(200mg)と、ホルマリン水溶液(和光純薬工業社製、濃度:約37質量%、メタノール5〜10質量%添加)(5mL)とを混合して、混合物を得た。次に、得られた混合物を反応温度(ここでは90℃)にて1分撹拌後、2−フルアルデヒド(アクロスオーガニクス社製)(1mmol)をさらに添加した。得られた混合物を反応温度90℃にて12時間加熱した。加熱終了後、生成物を液体クロマトグラフィーにより分析して5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを同定し、収率(%){(生成した5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドのモル量/使用した2−フルアルデヒドのモル量)×100}を求めた。
また、消費された2−フルアルデヒドのモル量に対する5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドのモル量の割合を、選択率(%){(生成した5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドのモル量/消費された2−フルアルデヒドのモル量)×100}として表す。上記選択率は、生成物中における、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドのモル割合と略同義である。結果を表1に示す。
なお、Amberlyst−15 Dryは、nが1である式(5)で表される基を有する。
固体酸触媒であるAmberlyst−15 Dry(オルガノ株式会社製)(200mg)と、ホルマリン水溶液(和光純薬工業社製、濃度:約37質量%、メタノール5〜10質量%添加)(5mL)とを混合して、混合物を得た。次に、得られた混合物を反応温度(ここでは90℃)にて1分撹拌後、2−フルアルデヒド(アクロスオーガニクス社製)(1mmol)をさらに添加した。得られた混合物を反応温度90℃にて12時間加熱した。加熱終了後、生成物を液体クロマトグラフィーにより分析して5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを同定し、収率(%){(生成した5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドのモル量/使用した2−フルアルデヒドのモル量)×100}を求めた。
また、消費された2−フルアルデヒドのモル量に対する5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドのモル量の割合を、選択率(%){(生成した5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドのモル量/消費された2−フルアルデヒドのモル量)×100}として表す。上記選択率は、生成物中における、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドのモル割合と略同義である。結果を表1に示す。
なお、Amberlyst−15 Dryは、nが1である式(5)で表される基を有する。
<実施例A2〜実施例A5、比較例A10〜A12>
固体酸触媒を表1に示す種類に変更した以外は、実施例A1と同様手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。結果を表1にまとめて示す。
なお、実施例A2で使用したAmberlyst−15 JWET(オルガノ株式会社製)はnが1である式(5)で表される基を有する。
また、実施例A3で使用したAmberlyst−35 JWET(オルガノ株式会社製)および実施例A4で使用したAmberlyst−35 Dry(オルガノ株式会社製)は、nが2である式(5)で表される基を有する。
また、実施例A5で使用したNafion NR50(アルドリッチ社製)は、スルホン酸基を有するが、式(5)で表される基は有していなかった。
一方で、比較例A10で使用したZSM−5(SiO2/Al2O3=90、クラリアント触媒株式会社製)、比較例A11で使用したMOR(モルデナイト)(SiO2/Al2O3=20、東ソー株式会社製)、比較例A12で使用したHY型ゼオライト(SiO2/Al2O3=5.5、東ソー株式会社製)は、スルホン酸基、カルボン酸基およびリン酸基のいずれも有していなかった。
固体酸触媒を表1に示す種類に変更した以外は、実施例A1と同様手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。結果を表1にまとめて示す。
なお、実施例A2で使用したAmberlyst−15 JWET(オルガノ株式会社製)はnが1である式(5)で表される基を有する。
また、実施例A3で使用したAmberlyst−35 JWET(オルガノ株式会社製)および実施例A4で使用したAmberlyst−35 Dry(オルガノ株式会社製)は、nが2である式(5)で表される基を有する。
また、実施例A5で使用したNafion NR50(アルドリッチ社製)は、スルホン酸基を有するが、式(5)で表される基は有していなかった。
一方で、比較例A10で使用したZSM−5(SiO2/Al2O3=90、クラリアント触媒株式会社製)、比較例A11で使用したMOR(モルデナイト)(SiO2/Al2O3=20、東ソー株式会社製)、比較例A12で使用したHY型ゼオライト(SiO2/Al2O3=5.5、東ソー株式会社製)は、スルホン酸基、カルボン酸基およびリン酸基のいずれも有していなかった。
表1に示すように、本製造方法によれば、フラン誘導体を効率よく製造できることが確認された。
なかでも、実施例A1〜A5の比較より、式(5)で表される基を有する固体酸触媒を使用した実施例A1〜A4においてより優れた効果が得られた。
なかでも、実施例A1〜A5の比較より、式(5)で表される基を有する固体酸触媒を使用した実施例A1〜A4においてより優れた効果が得られた。
<実施例B1>
実施例A1の反応時間を12時間から3時間に変更した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。結果を表2に示す。
実施例A1の反応時間を12時間から3時間に変更した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。結果を表2に示す。
<実施例B2〜B3>
反応温度を90℃から100℃または110℃に変更した以外は、実施例B1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。結果を表2に示す。
反応温度を90℃から100℃または110℃に変更した以外は、実施例B1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。結果を表2に示す。
なお、表2中、収率および選択率は、実施例B1の収率および選択率を「1」とした場合の相対値で示す。
表2に示すように、反応温度が高くなるにつれて、収率が高くなることが確認された。
<実施例C>
ホルマリン水溶液の使用量を5mLから25mLに、2−フルアルデヒドの使用量を1mmolから5mmolに変更した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、実施例A1の収率よりは劣るが、効率よく5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドが得られた。
ホルマリン水溶液の使用量を5mLから25mLに、2−フルアルデヒドの使用量を1mmolから5mmolに変更した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、実施例A1の収率よりは劣るが、効率よく5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドが得られた。
<実施例D1>
2−フルアルデヒド(アクロスオーガニクス社製)を2−フランカルボン酸(アルドリッチ社製)に変更した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フランカルボン酸を製造した。5−ヒドロキシメチル−2−フランカルボン酸の収率は23.4%であり、選択率は36.3%であった。
2−フルアルデヒド(アクロスオーガニクス社製)を2−フランカルボン酸(アルドリッチ社製)に変更した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フランカルボン酸を製造した。5−ヒドロキシメチル−2−フランカルボン酸の収率は23.4%であり、選択率は36.3%であった。
<実施例D2>
2−フルアルデヒド(アクロスオーガニクス社製)を2−アミノメチルフラン(東京化成工業株式会社製)に、反応時間を12時間から1時間に変更した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−アミノメチルフランを製造した。5−ヒドロキシメチル−2−アミノメチルフランの収率は11.4%であり、選択率は12.3%であった。
2−フルアルデヒド(アクロスオーガニクス社製)を2−アミノメチルフラン(東京化成工業株式会社製)に、反応時間を12時間から1時間に変更した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−アミノメチルフランを製造した。5−ヒドロキシメチル−2−アミノメチルフランの収率は11.4%であり、選択率は12.3%であった。
<実施例E>
実施例A1の終了後、固体酸触媒をろ過により回収し、回収された固体酸触媒を1Lの蒸留水で洗浄し、次いで、110℃で一晩乾燥処理し、得られた固体酸触媒を用いて実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行った。結果を表3に示す。固体酸触媒を1〜3回にわたって再利用した場合でも、初回の収率および選択率と同程度の収率および選択率を示すことが確認された。
実施例A1の終了後、固体酸触媒をろ過により回収し、回収された固体酸触媒を1Lの蒸留水で洗浄し、次いで、110℃で一晩乾燥処理し、得られた固体酸触媒を用いて実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行った。結果を表3に示す。固体酸触媒を1〜3回にわたって再利用した場合でも、初回の収率および選択率と同程度の収率および選択率を示すことが確認された。
<実施例F1>
2−フルアルデヒドに対するホルムアルデヒドのモル比(ホルムアルデヒドのモル量/2−フルアルデヒドのモル量)が48となるようにホルマリン水溶液の使用量を調整した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率39.1%、選択率53.8%であり、実施例A1と同程度の収率および選択率が確認された。
2−フルアルデヒドに対するホルムアルデヒドのモル比(ホルムアルデヒドのモル量/2−フルアルデヒドのモル量)が48となるようにホルマリン水溶液の使用量を調整した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率39.1%、選択率53.8%であり、実施例A1と同程度の収率および選択率が確認された。
<実施例F2>
2−フルアルデヒドに対するホルムアルデヒドのモル比(ホルムアルデヒドのモル量/2−フルアルデヒドのモル量)が36となるようにホルマリン水溶液の使用量を調整した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率34.5%、選択率53.7%であった。
2−フルアルデヒドに対するホルムアルデヒドのモル比(ホルムアルデヒドのモル量/2−フルアルデヒドのモル量)が36となるようにホルマリン水溶液の使用量を調整した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率34.5%、選択率53.7%であった。
<実施例F3>
2−フルアルデヒドに対するホルムアルデヒドのモル比(ホルムアルデヒドのモル量/2−フルアルデヒドのモル量)が24となるようにホルマリン水溶液の使用量を調整した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率22.2%、選択率46.8%であった。
2−フルアルデヒドに対するホルムアルデヒドのモル比(ホルムアルデヒドのモル量/2−フルアルデヒドのモル量)が24となるようにホルマリン水溶液の使用量を調整した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率22.2%、選択率46.8%であった。
<実施例G1>
ホルマリン水溶液の代わりに、1,3,5−トリオキサン(東京化成工業株式会社製)を溶解した水溶液(5mL)を使用した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率17.6%、選択率32.1%であった。
ホルマリン水溶液の代わりに、1,3,5−トリオキサン(東京化成工業株式会社製)を溶解した水溶液(5mL)を使用した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率17.6%、選択率32.1%であった。
<実施例G2>
ホルマリン水溶液の代わりに、1,3,5−トリオキサン(東京化成工業株式会社製)を溶解した10体積%メタノール水溶液(5mL)を使用した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率21.5%、選択率38.8%であった。
ホルマリン水溶液の代わりに、1,3,5−トリオキサン(東京化成工業株式会社製)を溶解した10体積%メタノール水溶液(5mL)を使用した以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの製造を行ったところ、収率21.5%、選択率38.8%であった。
<実施例H>
後述する手順に従ってAmberlyst−15 Dry(オルガノ株式会社製)中のスルホン酸基の一部を−SO3CH3に変換した固体酸触媒Xを用いた以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの収率は35.5%と実施例A1より劣るが、選択率が63.1%とより優れていた。
なお、上記では、スルホン酸基の一部を−SO3CH3に変換した固体酸触媒Xを使用した場合について述べたが、スルホン酸基の一部を−SO3C2H5に変換した固体酸触媒Y、スルホン酸基の一部を−SO3C4H9に変換した固体酸触媒Z、スルホン酸基の一部を−SO3CH(CH3)2に変換した固体酸触媒W、スルホン酸基の一部を−SO3C2H4C6H5に変換した固体酸触媒Vの場合も、固体酸触媒Xの場合と同様に、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの収率は実施例A1より劣るが、選択率が実施例A1よりも優れていた。上記固体酸触媒Y、固体酸触媒Z、固体酸触媒W、固体酸触媒Vは、(固体酸触媒Xの製造方法)においてオルト酢酸トリメチル(4.2mL)の代わりに、オルト酢酸トリエチル(6.1mL)、オルトぎ酸トリブチル(8.9mL)、オルトぎ酸トリイソプロピル(7.4mL)、オルトぎ酸ジエチルフェニル(6.4mL)をそれぞれ使用した以外は、同様の手順に従って、製造した。
後述する手順に従ってAmberlyst−15 Dry(オルガノ株式会社製)中のスルホン酸基の一部を−SO3CH3に変換した固体酸触媒Xを用いた以外は、実施例A1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの収率は35.5%と実施例A1より劣るが、選択率が63.1%とより優れていた。
なお、上記では、スルホン酸基の一部を−SO3CH3に変換した固体酸触媒Xを使用した場合について述べたが、スルホン酸基の一部を−SO3C2H5に変換した固体酸触媒Y、スルホン酸基の一部を−SO3C4H9に変換した固体酸触媒Z、スルホン酸基の一部を−SO3CH(CH3)2に変換した固体酸触媒W、スルホン酸基の一部を−SO3C2H4C6H5に変換した固体酸触媒Vの場合も、固体酸触媒Xの場合と同様に、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドの収率は実施例A1より劣るが、選択率が実施例A1よりも優れていた。上記固体酸触媒Y、固体酸触媒Z、固体酸触媒W、固体酸触媒Vは、(固体酸触媒Xの製造方法)においてオルト酢酸トリメチル(4.2mL)の代わりに、オルト酢酸トリエチル(6.1mL)、オルトぎ酸トリブチル(8.9mL)、オルトぎ酸トリイソプロピル(7.4mL)、オルトぎ酸ジエチルフェニル(6.4mL)をそれぞれ使用した以外は、同様の手順に従って、製造した。
(固体酸触媒Xの製造方法)
Amberlyst−15 Dry(オルガノ株式会社製)(2.0g)とオルト酢酸トリメチル(4.2mL)とを混合して、窒素雰囲気下、室温にて1日攪拌した。攪拌終了後、ろ過により固形分を回収し、回収した固形分をアセトンで3回洗浄して、乾燥することにより、固体酸触媒Xを得た。
Amberlyst−15 Dry(オルガノ株式会社製)(2.0g)とオルト酢酸トリメチル(4.2mL)とを混合して、窒素雰囲気下、室温にて1日攪拌した。攪拌終了後、ろ過により固形分を回収し、回収した固形分をアセトンで3回洗浄して、乾燥することにより、固体酸触媒Xを得た。
<実施例I>
ホルマリン水溶液(和光純薬工業社製、濃度:約37質量%、メタノール5〜10質量%添加)(5mL)と2−フルアルデヒド(アクロスオーガニクス社製)(1mmol)とを混合した後に、得られた混合物に固体酸触媒であるAmberlyst−15 Dry(オルガノ株式会社製)(200mg)をさらに添加する形で混合順番を変更した以外は、実施例B1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。
実施例Hの収率を、実施例B1の収率を1とした場合の相対値で表すと、0.84であり、固体酸触媒とアルデヒド類とを先に混合する手順のほうがより収率が高いことが確認された。
ホルマリン水溶液(和光純薬工業社製、濃度:約37質量%、メタノール5〜10質量%添加)(5mL)と2−フルアルデヒド(アクロスオーガニクス社製)(1mmol)とを混合した後に、得られた混合物に固体酸触媒であるAmberlyst−15 Dry(オルガノ株式会社製)(200mg)をさらに添加する形で混合順番を変更した以外は、実施例B1と同様の手順に従って、5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを製造した。
実施例Hの収率を、実施例B1の収率を1とした場合の相対値で表すと、0.84であり、固体酸触媒とアルデヒド類とを先に混合する手順のほうがより収率が高いことが確認された。
<実施例J>
ホルマリン水溶液(和光純薬工業社製、濃度:約37質量%、メタノール5〜10質量%添加)(5mL)の代わりに、アセトアルデヒド(3mL)を用いた以外は、実施例A1と同様の手順に従って、所望のフラン誘導体(式(3)で表される化合物)を製造した。
ホルマリン水溶液(和光純薬工業社製、濃度:約37質量%、メタノール5〜10質量%添加)(5mL)の代わりに、アセトアルデヒド(3mL)を用いた以外は、実施例A1と同様の手順に従って、所望のフラン誘導体(式(3)で表される化合物)を製造した。
Claims (6)
- スルホン酸基、カルボン酸基またはリン酸基を有する固体酸触媒の存在下、式(1)で表される化合物と、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとを反応させ、式(2)または式(3)で表される化合物を製造する、フラン誘導体の製造方法。
- 前記固体酸触媒が、式(5)で表される基を有する、請求項1に記載のフラン誘導体の製造方法。
- 前記固体酸触媒が、さらに、式(6)で表される基または式(7)で表される基を有する、請求項2に記載のフラン誘導体の製造方法。
*−SO3−Ra 式(6)
*−SO3 -Rb+ 式(7)
Raは、アルキル基またはベンジル基を表す。Rb+は、カチオンを表す。*は、結合位置を表す。 - R1が、−CHO、−COOH、−CH2NH2、−CH2CN、−CH2CONH2、−CH2NCO、または、前記式(4)で表される基を表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラン誘導体の製造方法。
- 前記R1が、−CHOである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラン誘導体の製造方法。
- 前記固体酸触媒と前記ホルムアルデヒドまたは前記アセトアルデヒドとを混合し、その後、得られた混合物と前記式(1)で表される化合物とを混合して、反応を行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラン誘導体の製造方法。
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JP2017100728A JP2018193353A (ja) | 2017-05-22 | 2017-05-22 | フラン誘導体の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111285827A (zh) * | 2019-12-08 | 2020-06-16 | 南京工业大学 | 一种新型双呋喃类化合物的制备方法 |
CN111303088A (zh) * | 2019-12-08 | 2020-06-19 | 南京工业大学 | 一种新型双呋喃类化合物的合成方法 |
US11691956B2 (en) | 2019-07-08 | 2023-07-04 | Ndsu Research Foundation | Bio-based diols from sustainable raw materials, uses thereof to make diglycidyl ethers, and their coatings |
-
2017
- 2017-05-22 JP JP2017100728A patent/JP2018193353A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111285827A (zh) * | 2019-12-08 | 2020-06-16 | 南京工业大学 | 一种新型双呋喃类化合物的制备方法 |
CN111303088A (zh) * | 2019-12-08 | 2020-06-19 | 南京工业大学 | 一种新型双呋喃类化合物的合成方法 |
CN111303088B (zh) * | 2019-12-08 | 2022-10-14 | 南京工业大学 | 一种双呋喃类化合物的合成方法 |
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