JP2018191375A - アクティブフィルタ装置、及びそれを用いた空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
Description
高調波発生機器(10)に接続されたアクティブフィルタ装置において、
力率を改善するための補償電流(Ic)を、前記高調波発生機器(10)が接続された電力系統に流す電流源(110)と、
前記電力系統から前記高調波発生機器(10)に流れる電流の負荷電流(ir1,it1)に、前記高調波発生機器(10)以外の機器(20,200)における無効電流に相当する設定値(iq2*)を上乗せして前記補償電流(Ic)の大きさを求める力率制御器(120)と、
を備えたことを特徴とするアクティブフィルタ装置である。
前記設定値(iq2*)は、当該アクティブフィルタ装置が設置される設備全体における無効電流の1/3に相当する値に設定されていることを特徴とするアクティブフィルタ装置である。
前記設定値(iq2*)は、日によって、又は時間帯によって変更されることを特徴とするアクティブフィルタ装置である。
前記高調波発生機器(10)は、空気調和装置であることを特徴とするアクティブフィルタ装置である。
それぞれのアクティブフィルタ装置(100)で前記補償電流(Ic)を分担して出力することを特徴とする空気調和装置である。
図1は、本発明の実施形態1に係るアクティブフィルタ装置(100)を示すブロック図である。アクティブフィルタ装置(100)は、ビル、工場、マンション等に設置される。ビル等には、交流電源(30)を含む電力系統から電力が供給されている。この例では、交流電源(30)は、三相の交流電源(商用電源)である。なお、電力系統の送電網には、インピーダンスがある(図1では、交流電源(30)と分電盤(40)(後述)の間に、当該インピーダンスを示すためにコイルの記号を付与してある)。調相設備(200)の存在によって、交流電源(30)から分電盤(40)に電力が入る段階で、電流は進み位相となる傾向があり、当該インピーダンスの存在によって、分電盤(40)での受電電圧は、交流電源よりも高くなる。
図1に示すように、アクティブフィルタ装置(100)は、電流源(110)、力率制御器(120)、及びPWM制御器(140)を備えている。この例では、アクティブフィルタ装置(100)は、空気調和装置(10)に組み込まれている。アクティブフィルタ装置(100)は、後述の補償電流(Ic)を電源系統に流すことで、力率改善と空気調和装置(10)の高調波抑制とを行う。なお、ここでは、補償電流(Ic)は、一例として、アクティブフィルタ装置(100)から交流電源(30)に向かう方向を正とする。また、系統電流(Is)と補償電流(Ic)の和が、電源系統(交流電源(30))から空気調和装置(10)に流れる電流(負荷電流(I1))と調相設備(200)に流れる進相コンデンサ電流(Isc)との和に等しいものとする。
電流源(110)は、インバータ回路(111)とコンデンサ(113)を備えている。コンデンサ(113)は、例えば電解コンデンサで構成される。インバータ回路(111)は、補償電流(Ic)を入出力することにより、コンデンサ(113)に充放電を行わせる。この例では、インバータ回路(111)は、交流電源(30)に三相のリアクトル(160)を介して接続されている。
力率制御器(120)は、電源位相検出器(121)、位相演算部(122)、2つの電流センサ(123,124)、2つのdq変換器(126,127)、ハイパスフィルタ(129)、2つの加算器(130,132)、3つの減算器(131,133,135)、電圧制御器(134)、及び2つの電流制御器(136,137)を備えている。力率制御器(120)の主要部は、具体的には、マイクロコンピュータと、それを動作させるためのソフトウエアが格納されたメモリディバイス等を用いて構成することができる。
PWM制御器(140)は、d軸電圧指令値(Vid)及びq軸電圧指令値(Viq)に基づいて電流源(110)を駆動する駆動信号(G)を生成する。具体的に、PWM制御器(140)は、いわゆるPWM(pulse width modulation)制御を行って、電流源(110)に補償電流(Ic)の入出力を行わせる。PWM制御器(140)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるためのソフトウエアが格納されたメモリディバイスを用いて構成することができる。
アクティブフィルタ装置(100)は、空気調和装置(10)に組み込まれているので、アクティブフィルタ装置(100)を稼働させるには、空気調和装置(10)に通電させる。そうすると、力率制御器(120)では、dq変換器(126)によってq軸成分(iq1*)が求められる。このq軸成分(iq1*)は、加算器(130)に出力される。加算器(130)では、設定値(iq2*)とq軸成分(iq1*)とが加算されて、q軸電流指令値(iq*)が生成される。このq軸電流指令値(iq*)は、減算器(131)に出力される。
以上のように、本実施形態では、補償電流(Ic)の生成に用いるq軸電流指令値(iq*)は、高調波発生機器(この例では空気調和装置(10))の力率改善等に必要な電流(q軸成分(iq1*))に、他の負荷器の無効電流を想定した設定値(iq2*)が上乗せされたものである。この構成により、電流センサなどの新たな設備を追加せずに、ビル等における力率を改善することが可能になる。
図3は、本発明の実施形態2に係るアクティブフィルタ装置(100)を示すブロック図である。同図に示すように、アクティブフィルタ装置(100)の構成は、実施形態1と同じであるが、分電盤(40)には、高調波発生機器(空気調和装置(10))以外の機器として、電流に高調波成分を含まない誘導性のモータ(20)が接続されている。このモータ(20)が運転されると、モータに対する負荷に応じて電流(負荷電流(I2)と命名する)が流れる。この場合に、何らの手当も行わないとすれば、モータ(20)の影響によって、系統電流(Is)が遅れ位相となる可能性がある。
なお、設定値(iq2*)は、固定値であってもよいし、適宜、変更してもよい。例えば、負荷の大きさ(分電盤(40)よりも下流側で消費される電力)の変動に応じて、日によって設定値(iq2*)を変えたり、時間帯によって設定値(iq2*)を変えたりすることが考えられる。また、季節毎に設定値(iq2*)を変える構成でもよい。
20 モータ(機器)
100 アクティブフィルタ装置
110 電流源
120 力率制御器
200 調相設備(機器)
Claims (6)
- 高調波発生機器(10)に接続されたアクティブフィルタ装置において、
力率を改善するための補償電流(Ic)を、前記高調波発生機器(10)が接続された電力系統に流す電流源(110)と、
前記電力系統から前記高調波発生機器(10)に流れる電流の負荷電流(ir1,it1)に、前記高調波発生機器(10)以外の機器(20,200)における無効電流に相当する設定値(iq2*)を上乗せして前記補償電流(Ic)の大きさを求める力率制御器(120)と、
を備えたことを特徴とするアクティブフィルタ装置。 - 請求項1において、
前記設定値(iq2*)は、当該アクティブフィルタ装置が設置される設備全体における無効電流の1/3に相当する値に設定されていることを特徴とするアクティブフィルタ装置。 - 請求項1又は請求項2において、
前記設定値(iq2*)は、日によって、又は時間帯によって変更されることを特徴とするアクティブフィルタ装置。 - 請求項1から請求項3の何れかにおいて、
前記高調波発生機器(10)は、空気調和装置であることを特徴とするアクティブフィルタ装置。 - 請求項1から請求項4の何れかのアクティブフィルタ装置(100)が組み込まれていることを特徴とする空気調和装置。
- 請求項1から請求項4の何れかのアクティブフィルタ装置(100)を複数台備え、
それぞれのアクティブフィルタ装置(100)で前記補償電流(Ic)を分担して出力することを特徴とする空気調和装置。
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