JP2018189618A - 厚み測定装置、および厚み測定プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
(a)位置合わせの基準となる形状および板厚を有する基準部材の三次元形状データ(三次元CADデータ)を作成する。
(b)作成した三次元形状データに基づいて基準部材を作成する。
(c)基準部材に取り付けたプレス成形品の表面と裏面を、基準部材と共に撮像する。
(d)撮像により得られた撮像画像から、プレス成形品と基準部材の三次元化撮像データ(表面形状データ)を作成する。
(e)三次元化撮像データに含まれる基準部材の位置が、基準部材の三次元形状データにおける位置と一致するように、プレス成形品と基準部材の三次元化撮像データの位置合わせ処理を行うことで、プレス成形品の三次元化撮像データを補正する。
(f)補正後の三次元化撮像データから、プレス成形品の板厚を演算することで板厚を求める。
そのため、プレス成形品を撮像する際に、プレス成形品と基準部材との位置関係を固定しておく必要がある。
そこで、プレス成形品の板厚を適切に測定できるようにすることが求められている。
プレス成形品の厚みを測定する厚み測定装置であって、
前記プレス成形品の三次元形状データから、前記プレス成形品の厚み方向の一方の面の表面形状データと、他方の面の表面形状データを取得する表面形状データ取得手段と、
前記他方の面の表面形状データを面法線方向で反転させて、前記一方の面の表面形状データと前記反転させた前記他方の面の表面形状データとの前記面法線方向の差分から、前記プレス成形品の各部位の前記面法線方向の前記厚みを算出する厚み算出手段と、を有する構成の厚み測定装置とした。
ここで、プレス成形品の三次元形状データから取得した一方の面と他方の面の表面形状データは、面法線の方向が逆向きのデータである。そのため、他方の面の表面形状データを面法線方向で反転させて、一方の面の表面形状データと、反転させた他方の面の表面形状データの面法線の方向を揃えることで、一方の面の表面形状データと、反転させた他方の面の表面形状データとの差分から、プレス成形品の各部位の厚みを算出できる。
図1は、三次元形状測定装置1の全体の構成を説明する概略図である。
図2は、三次元形状測定装置1が備える処理装置5のCPU51の機能ブロック図である。
ここで、本実施形態で用いる測定対象物Wは、板状の鋼板のプレス成形により作製されたものであり、三次元的な形状を有している。
(a)厚み方向の一方の面Waと他方の面WbにアンコーデットマーカMU(位置認識用マーカ)が付された測定対象物Wの撮像画像(位置情報取得用の撮像画像)から、定盤2上の三次元空間SにおけるアンコーデットマーカMU各々の位置情報(三次元空間S内での絶対座標、他のアンコーデットマーカとの相対座標)を取得する。
(b)測定対象物Wの撮像画像(形状データ生成用の撮像画像)から、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データを生成する。
(c)測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データから、測定対象物Wの三次元形状データ(ソリッドデータ)を生成する。
(d)生成した三次元形状データを用いて測定対象物Wの各部位の厚み(板厚)を算出する。
定盤2の上面2aには、柱状部材22とスケールバー23とが複数ずつ設けられている。本実施形態では、柱状部材22が、支持台21を囲むように設けられており、柱状部材22の外周面には、複数のコーデットマーカMC(位置特定済マーカ)が設けられている。
ここで、スケールバー23は、軸部材231の長手方向の両端に、コーデットマーカMCが付された四角柱232を有している。
四角柱232では、軸部材231の周方向に連なる4つの面のうちの1つの面に、コーデットマーカMCが付されており、スケールバー23では、コーデットマーカMCが付された面を同じ方向に向けて、一端の四角柱232と他端の四角柱232が位置決めされている。
クロスバー24に付されたコーデットマーカMCは、三次元空間Sにおける原点のXYZ座標系の極性の決定に利用される。
例えば、コーデットマーカMCの形状の違いにより、複数のコーデットマーカMCのうちのどのコーデットマーカMCであるのかが特定できるようになっている。
なお、図1では、コーデットマーカMCおよびアンコーデットマーカMUを簡略化して標記している。
ここで、複数のアンコーデットマーカMUの各々もまた、それぞれ他のアンコーデットマーカMUやコーデットマーカMCから識別可能となっている。
そのため、複数のアンコーデットマーカMUが付された測定対象物Wを定盤2上に設置すると、コーデットマーカMCの位置から、アンコーデットマーカMU各々の三次元空間での位置(絶対座標)と、各アンコーデットマーカMUの位置関係(相対座標)を特定できるようになっている。
入出力ポート53には、表示部55と、操作入力部56と、撮像カメラ3と、撮像ユニット4とが、接続されている。
投光装置41は、測定対象物Wの三次元形状を測定する際に、測定対象物Wとその周囲に対して微少な縞模様や、格子模様を投影する。
このカメラは、例えば、撮像により得られた撮像画像をデジタルデータとして出力可能なデジタルカメラである。
また、記憶部52には、CPU51で実施される各処理のプログラムなどが記憶されている。さらに、記憶部52には、プログラムによる処理の過程で生成されるデータが記憶される。
ここで、撮像カメラ3から入力される撮像画像は、測定対象物Wを複数の異なる撮像点から撮像した撮像画像である。撮像装置42から入力される撮像画像は、縞模様が投影された測定対象物Wの表面(一方の面Wa、他方の面Wb)を撮像した撮像画像である。
そして、複数の撮像画像のフォトグラメトリ処理の結果から、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbに付されたアンコーデットマーカMU各々の三次元空間Sにおける位置情報(絶対座標、相対座標)を特定する。
そのため、測定対象物W全体の撮像が完了するまでの間に変形や位置ずれが蓄積すると、各撮像画像から得られる表面形状データに含まれる誤差が大きくなる。
具体的には、例えば、測定対象物Wが車両用のドアパネルの場合には、撮像画像の範囲(撮像装置42による一回の撮像で得られる撮像画像の大きさ)は、例えばA4サイズの面積に設定されている。
例えば、測定対象物Wの表面積が大きくなるほど、撮像範囲も狭くなって、取得される表面形状データ生成用の撮像画像の数も増加する。
そして、表面形状データ生成手段512は、測定対象物Wの一方の面Waの表面形状データのパーツを複数繋いで、測定対象物Wの一方の面Waの表面形状データを生成する。さらに、表面形状データ生成手段512は、測定対象物Wの他方の面Wbの表面形状データのパーツを複数繋いで、測定対象物Wの他方の面Wbの表面形状データを生成する。
る。
そして、表面形状データ生成用の撮像画像の撮像範囲は、この互いに重なる領域内に、少なくとも2つ以上のアンコーデットマーカMUが共通して含まれるような範囲に設定されている。
さらに、位置情報取得手段511から、測定対象物Wの一方のWaと他方の面Wbに付されたアンコーデットマーカMUの三次元空間Sにおける位置情報(絶対座標)が入力される。
この適正位置への配置は、表面形状データに付されたアンコーデットマーカMUの位置が、位置情報取得手段511から入力されたアンコーデットマーカMUの位置情報で特定される位置に配置されるように、表面形状データを配置することで行われる。
そのため、プレス成形品のように成形後の板厚が薄い測定対象物Wの場合には、撮像の間に徐々に変形することがあり、変形の程度は、測定対象物Wが大きくなるほど、大きくなる傾向がある。
また、撮像環境(定盤2上の三次元空間S内の温度や湿度、そして空調のための空気の流れの有無)も、測定対象物Wの変形の程度に影響する。
すなわち、この位置情報は、測定対象物Wに付されたアンコーデットマーカの位置情報(絶対座標、相対座標)であって、測定対象物Wが定盤2上に設置されてからの経過時間が短い段階での位置情報である。
そのため、この位置情報は、長時間の撮像による影響(歪み、撓み)などの影響を受けていない状態の測定対象物WにおけるアンコーデットマーカMUの位置情報である。
具体的には、一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データに含まれるアンコーデットマーカMUの位置が、位置情報取得手段511から入力されたアンコーデットマーカMUの位置情報で特定された位置に重なるように、一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データを三次元空間内に配置する。
この三次元形状データは、表示制御手段516と表面形状データ取得手段514とに、それぞれ出力される。
厚み算出手段515は、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データを用いて、測定対象物Wの厚みを算出する。
そして、測定対象物Wの各部位の厚みを示す厚みデータを生成し、表示制御手段516に出力する。
図6の(a)は、三次元形状データPを模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)におけるA−A線に沿って三次元形状データPを切断した断面を模式的に示した図である。
図6の(c)は、三次元形状データPから取得した一方の面Waの表面形状データPaを模式的に示した斜視図であり、(d)は、(c)におけるB−B線に沿って表面形状データPaを切断した断面を模式的に示した図である。
図6の(e)は、三次元形状データPから取得した他方の面Wbの表面形状データPbを模式的に示した斜視図であり、(f)は、(c)におけるC−C線に沿って表面形状データPbを切断した断面を模式的に示した図である。
なお、図6では、一方の面Waの表面形状データPaと他方の面Wbの表面形状データPbとを区別できるようにするために、他方の面Wbの表面形状データPbの角に切欠きkを付して示している。
また、図6の(d)、(f)では、取得された表面形状データが、表面形状データPa、Pbのどちらを除去して得られたものであるのかを判り易くするために、三次元形状データPから除去した部分を破線で示している。
図7は、表面形状データを用いた厚みの算出を説明する図である。図7の(a)は、他方の面Wbの表面形状データPbの反転を説明する図であり、(b)は、一方の面Waの表面形状データPaと、反転した他方の面Wbの表面形状データPb’を用いた厚みtの算出を説明する図である。
そのため、一方の面Waの表面形状データPaと、他方の面Wbの表面形状データPbでは、面法線の方向が逆向きとなっている。
具体的には、表面形状データを構成する各ポリゴンデータを、各々の面法線方向で反転させる。
これにより、形状が同じで面法線の方向のみが反転された表面形状データPb’が取得される。
そして、表面形状データPaと反転させた表面形状データPbとの面法線方向の差分が、当該部分の厚みtとなるので、三次元形状データで特定される測定対象物Wの各部位毎に、面法線方向の差分を求めることで、測定対象物Wの各部位の厚みtを求めることができる。
表示制御手段516には、測定対象物Wの三次元形状データが、三次元形状データ生成手段513から入力されると共に、厚み算出手段515から、三次元形状データにより特定される測定対象物Wの各部位の厚みデータが入力される。
この際に、表示制御手段516は、厚み算出手段515から入力される厚みデータに基づいて、表示させた画像に、厚みtに応じた色を重畳して表示させる。
例えば、厚みtが設計上の規定厚み(閾値の厚み)T(mm)未満である薄肉領域がある場合には、表示された画像内に含まれる薄肉領域を、他の領域から区別できるようにして表示させる(図8参照)。
図8では、薄肉領域Rを囲むように、やや薄肉の領域Yと、領域Yよりも厚肉の領域Gと、その他の領域Bとが位置している。
よって、表示部55の表示画面551内の表示用の画像Wpにおいて、例えば、薄肉領域Rを「赤色」、領域Yを「黄色」、領域Gを「緑色」、領域Bを「水色」というように表示させることで、表示画面551内の表示用の画像Wpにおいて、薄肉領域Rの部分をユーザに視覚的に把握させることができる。
図4は、撮像カメラ3を用いて測定対象物Wを撮像する場合を説明する図である。図4の(a)は、定盤2を上方から見た状態を模式的に示した図であって、撮像カメラ3による撮像点の基準軸X周りの周方向の変位を説明する図である。図4の(b)は、(a)におけるA−A断面を模式的に示した図であって、撮像カメラ3における撮像点の基準軸Xの軸方向の変位と撮像角度の変位を説明する図である。
図5は、撮像ユニット4を用いて測定対象物Wを撮像する場合を説明する図である。図5の(a)は、定盤2を上方から見た状態を模式的に示した図であって、撮像ユニット4による撮像点の基準軸X周りの周方向の変位を説明する図である。図5の(b)は、撮像ユニット4における撮像点の基準軸Xの軸方向の変位と撮像角度の変位を説明する図である。
実施の形態では、撮像カメラ3による撮像で得られる各撮像画像に、アンコーデットマーカMUが所定枚数以上ずつ含まれるように、測定対象物WにおけるアンコーデットマーカMUを設ける間隔や、アンコーデットマーカMUの総数が決められている。
前記したように、柱状部材22、スケールバー23の外周面には、複数のコーデットマーカMCが設けられており、コーデットマーカMCは、定盤2の上面2aや、定盤2に設置したクロスバー24、支持台21にも設けられている。
なお、各コーデットマーカMCの登録は、例えば、処理装置5が備える操作入力部56を介して実施される。
このステップS101の撮像は、測定対象物Wに付されたアンコーデットマーカMUの位置情報を取得するための撮像(位置情報取得用の撮像)である。
この撮像位置の基準軸X周りの周方向の変位は、基準軸X周りの周方向の360度の範囲で実施される。
さらに、他方の面Wbを撮像した複数枚の撮像画像を繋ぎ合わせると、繋ぎ合わせた撮像画像内に、測定対象物Wの他方の面Wbの総てが含まれるようにするためである。
また、この際に、隣接する撮像画像には、所定数以上のアンコーデットマーカMUが共通して含まれるように、撮像カメラ3による撮像範囲を設定することが好ましい。
そして、新たな(a1)の方法による撮像が終了すると、(a2)基準軸Xに対する撮像カメラ3の撮像角θを別の角度に替えたのち、前記した(a1)の方法による撮像を実施する。
なお、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbを撮像する際には、各撮像画像に、測定対象物WのアンコーデットマーカMUと、測定対象物Wの周りのコーデットマーカMCとが、所定数ずつ含まれるように、撮像カメラ3の撮像位置が決定される。
そのため、ステップS101の測定対象物Wの撮像は、表面形状データ生成用の撮像(後記する、ステップS104)よりも、短い時間で完了する。
例えば、図示しない保持機構に保持させた撮像カメラ3の位置を、撮像が終わる度に移動機構により順番に変更しつつ、必要に応じて図示しない撮像カメラ3の基準軸Xに対する傾きを傾斜機構により変更して、実施される。
なお、図示しないユーザが、撮像カメラ3による撮像位置を順番に変更しながら行ってもよい。
さらに、図示しない回転駆動機構により、定盤2を基準軸X回りに回転させながら、位置を固定された撮像カメラ3に向ける面を変更することで、測定対象物Wの撮像を行うようにしても良い。
絶対座標は、三次元空間S内におけるアンコーデットマーカMUの位置を示す座標データであり、この座標データを参照することで、定盤2上の三次元空間S内におけるアンコーデットマーカMUの位置が特定できる。
実施の形態では、隣接する少なくとも3点以上のアンコーデットマーカMUとの位置関係(アンコーデットマーカMU間のピッチ)が、各アンコーデットマーカの相対座標として取得される。
取得されたアンコーデットマーカMUの位置情報(絶対座標、他のアンコーデットマーカMUとの相対座標)は、座標データ記憶領域520に記憶される。
具体的には、測定対象物Wに対して投光装置41から縞模様を投影した状態で、撮像装置42による縞模様が投影された領域の撮像(三次元形状データ取得用の撮像)を実施する。
これにより、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbについて、表面形状データの生成に必要な撮像画像が取得される。
なお、ステップS104における測定対象物Wの撮像は、前記したステップS101での撮像の際に用いていた柱状部材22、スケールバー23、クロスバー24を定盤2から取り除いた状態にて実施される。
すなわち、定盤2上に、支持台21に支持された測定対象物Wのみを配置した状態で、撮像が実施される。よって、支持台21に支持された測定対象物Wは、前記したステップS101での撮像の場合と同様に、アンコーデットマーカMUが付された一方の面Waと他方の面Wbを、定盤2の上面2aに直交する軸線(基準軸X)の径方向に向けている。すなわち、プレス成形品である測定対象物Wは、定盤2上で、直立した状態で支持されている(図1、図5参照)。
そして、撮像装置42による撮像は、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbを複数のブロックに分けて、ブロック毎に実施されるようになっている。
この撮像位置の基準軸X周りの周方向の変位は、基準軸X周りの周方向の360度の範囲で実施される。
さらに、他方の面Wbを撮像した複数枚の撮像画像を繋ぎ合わせると、繋ぎ合わせた撮像画像内に、測定対象物Wの他方の面Wbの総てが含まれるようにするためである。
そして、新たな(b1)の方法による撮像が終了すると、(b2)基準軸Xに対する撮像装置42の撮像角θを別の角度に替えたのち、前記した(b1)の方法による撮像を実施する。
そして、ステップS104による測定対象物Wの撮像は、測定対象物Wの端面Wcについても実施される。
なお、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbと端面Wcを撮像する際には、各撮像画像に、測定対象物WのアンコーデットマーカMUが、所定数ずつ含まれるように、撮像ユニット4の撮像位置が決定される。
そのため、ステップS104の測定対象物Wの撮像は、各アンコーデットマーカMUの位置情報を得るための撮像(前記した、ステップS101)よりも長い時間をかけて実施される。
なお、図示しない回転駆動機構により、定盤2を基準軸X回りに回転させながら、撮像ユニット4(投光装置41、撮像装置42)に向ける面を変更することで、測定対象物Wの撮像を行うようにしても良い。
具体的には、表面形状データ生成手段512は、撮像画像における縞模様の歪みなどに基づいて、測定対象物の一方のWaと他方の面Wbの表面形状データを、それぞれ生成する。
そのため、例えば測定対象物Wの一方の面Waの表面形状データを生成する際には、一方の面Waの撮像により得られた撮像画像の各々から、撮像画像に含まれる範囲の三次元的な表面形状を示す表面形状データ(一方の面Waの表面形状データのパーツ)を生成する。
同様に、測定対象物Wの他方の面Wbの撮像により得られた撮像画像の各々から、撮像画像に含まれる範囲の三次元的な表面形状を示す表面形状データ(他方の面Wbの表面形状データのパーツ)を生成する。
具体的には、表面形状データのパーツに含まれるアンコーデットマーカの位置が、位置情報取得手段511で得られたアンコーデットマーカMUの位置と重なるようにして、表面形状データのパーツを三次元空間S内に配置する。
(i)撮像ユニット4による表面形状データ生成用の撮像には時間がかかる。そのため、撮像が完了するまでの間に生じる測定対象物Wの撓みや変形、撮像環境(温度や湿度)の変動、撮像環境下での振動などの影響を受けて、表面形状データのパーツに含まれるアンコーデットマーカMUの位置にずれが生じる。
そして、利用するアンコーデットマーカMUの位置情報は、撮像ユニット4での撮像(表面形状データ生成用の撮像)に要する時間よりも短い時間で取得された複数の撮像画像から取得されたものである。
これにより、測定対象物Wの撓みや変形、撮像環境(温度や湿度)の変動や、撮像環境下での振動の影響を受けることなく、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データを生成できるようになっている。
すなわち、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbのより正確な表面形状データを生成できる。
ステップS108において、厚み算出手段515は、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データPa、Pbを用いて、測定対象物Wの厚みを算出する。
そして、厚み算出手段515は、表面形状データPaと反転させた表面形状データPb’との面法線方向の差分を測定対象物Wの各部位毎に算出して、測定対象物Wの各部位の厚みtとする。
さらに、厚み算出手段515は、測定対象物Wの各部位の厚みを示す厚みデータを生成し、表示制御手段516に出力する。
例えば、厚みtが設計上の規定厚み(閾値の厚み)T(mm)未満である薄肉領域を警告色で表示し、他の領域を厚みに応じた異なる色で階調表示する。
これにより、表示部55を見たユーザに、薄肉領域の存在と薄肉領域の範囲、そして厚みの分布を視覚的に把握させることができる。
図9の(a)は、表面形状データ生成用の撮像で得られた表面形状データのみから三次元形状データを生成する従来例の場合を説明する図である。図9の(b)は、本願発明にかかる方法にて、三次元形状データを生成する場合を説明する図である。
図10は、位置情報取得用の撮像で得られたアンコーデットマーカMUの位置情報を利用して、表面形状データのパーツDpを配置して表面形状データを生成する場合を説明する図である。
そして、(b)表面形状データ生成用の撮像により得られた表面形状データのパーツDpを、アンコーデットマーカMUの位置情報(絶対座標、相対座標)を利用して繋ぎ合わせることで、表面形状データを生成している。
そのため、プレス成形品のように成形後の板厚が薄い測定対象物Wの場合には、撮像の間に徐々に変形することがあり、変形の程度は、測定対象物Wが大きくなるほど、大きくなる傾向がある。
そのため、フォトグラメトリ処理を経て得られたアンコーデットマーカの位置情報(絶対座標、相対座標)を利用しない場合には、生成した三次元形状の精度が低いものとなる。
よって、精度の低い三次元形状データに基づいて測定対象物の厚みを参照しても、算出される厚みの精度もまた、低いものとなる。
具体的には、表面形状データのパーツDpに含まれる変形の影響で、複数のパーツDpを繋ぎ合わせて形成した表面形状データの精度が大きく低下しないように撮像範囲Rb(図9の(b))を設定している。
そのため、パーツDpの各々を、測定対象物の表面(図10の場合には一方の面Wa)に略沿って配置することが可能になる(図10:本願のパーツDp参照)。
しかし、各パーツDpに含まれるアンコーデットマーカMUの位置情報は、測定対象物Wの経時的な変形の影響を受けており、精度が低下した情報である。
そうすると、より精度の高い表面形状データから生成した三次元形状データを用いて、測定対象物Wの各部位の厚みtが算出されることになるので、算出される厚みもまた、精度の高い厚みとなる。
(1)プレス成形品である測定対象物Wの厚みを測定する機能を有する三次元形状測定装置1(厚み測定装置)であって、
三次元形状測定装置1の処理装置5は、
測定対象物Wの三次元形状データPから、測定対象物Wの厚み方向の一方の面Waの表面形状データPaと、他方の面Wbの表面形状データPbを取得する表面形状データ取得手段514と、
他方の面Wbの表面形状データPbを面法線方向で反転させて、一方の面Waの表面形状データPaと反転させた他方の面の表面形状データPb’との面法線方向の差分により、測定対象物Wの各部位の面法線方向の厚みtを算出する厚み算出手段515と、を有している構成とした。
上記のように構成して、測定対象物Wの三次元形状データPから、厚み方向の一方の面Waの表面形状データPaと、他方の面Wbの表面形状データPbを取得して、他方の面Wbの表面形状データPbを面法線方向で反転させると、一方の面Waの表面形状データPaと、反転させた他方の面Wbの表面形状データPb’の面法線の方向を揃えることができる。
これにより、一方の面Waの表面形状データPaと、反転させた他方の面Wbの表面形状データPb’との法線方向の差分を算出することが可能となり、算出した差分が、測定対象物Wの各部位の法線方向の厚みとなる。
よって、一方の面Waの表面形状データPaと、反転させた他方の面Wbの表面形状データPb’との法線方向の差分を算出することで、測定対象物Wの各部位の厚みtを算出できる。
すなわち、特定の作成方法で作成した三次元形状データに限定されることなく、三次元形状データで特定される測定対象物の各部位の厚みを算出できる。
よって、汎用性に優れた三次元形状測定装置1となる。
(2)三次元形状データPに基づいて、測定対象物Wの表示用の画像Wpを生成する表示制御手段516(表示用画像生成手段)、を有している。
表示制御手段516は、表示用の画像Wpを表示部55(表示手段)に表示させる際に、厚み算出手段515で算出した厚みtが、規定厚み(閾値の厚み)T(mm)未満である領域を、他の領域から識別可能に表示させる。
(3)三次元形状測定装置1の処理装置5は、位置情報取得手段511と、表面形状データ生成手段512と、三次元形状データ生成手段513と、を有している。
三次元形状測定装置1の処理装置5には、一方の面Waと他方の面Wbに複数のアンコーデットマーカMU(位置認識用マーカ)が付された測定対象物Wを、異なる複数の撮像点から撮像して得られた位置情報取得用の撮像画像が入力される。
位置情報取得手段511は、入力された撮像画像のフォトグラメトリ処理により、一方の面Waと他方の面Wbに付されたアンコーデットマーカMUの各々について、測定対象物Wが配置された三次元空間S内での位置情報(絶対座標、相対座標)を取得する。
三次元形状測定装置1の処理装置5には、一方の面Waと他方の面Wbに複数のアンコーデットマーカMUが付されている測定対象物Wを、三次元形状の特定用の模様を投影しつつ撮像して得られた表面形状データ生成用の撮像画像が入力される。
表面形状データ生成手段512は、入力された表面形状データ生成用の撮像画像から、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データを生成する。
三次元形状データ生成手段513は、一方の面Waの表面形状データに含まれるアンコーデットマーカMUの位置と、他方の面Wbの表面形状データに含まれるアンコーデットマーカMUの位置とが、位置情報取得手段511で取得されたアンコーデットマーカMUの各々の位置にそれぞれ配置されるように、一方の面Waの表面形状データと他方の面Wbの形状データを三次元空間S内に配置して、測定対象物Wの三次元形状データPを生成する。
よって、上位機のように構成すると、生成される測定対象物Wの三次元形状データPの精度が向上する。
これにより、精度が向上した三次元形状データPから、測定対象物Wの各部位の厚みを算出すると、算出した各部位の厚みの精度が高くなる。
よって、測定対象物Wの各部位の厚みをより正確に求めることができる。
(4)位置情報取得用の撮像画像は、一方の面Waと他方の面Wbに複数のアンコーデットマーカMUが付された測定対象物Wであり、この測定対象物Wを、三次元空間S内に設置した状態で撮像して得られたものである。
三次元空間S内には、当該三次元空間Sにおける位置が特定されたコーデットマーカMC(位置特定済マーカ)が複数配置されている。
位置情報取得手段511は、位置情報取得用の撮像画像に含まれるコーデットマーカMCを利用して、アンコーデットマーカMUの各々の三次元空間S内での位置情報(絶対座標、相対座標)を取得する。
よって、表面形状データを三次元空間S内に精度良く配置することができ、生成される測定対象物Wの三次元形状データを精度良く生成できる。
これにより、この三次元形状データから最終的に算出される測定対象物Wの各部位の厚みがより正確なものになる。
(5)表面形状データ生成手段512は、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データのパーツを、表面形状データ生成用の撮像画像の撮像範囲に応じた大きさで、それぞれ複数ずつ生成する。
表面形状データ生成手段512は、一方の面Waの表面形状データのパーツに含まれるアンコーデットマーカMUの位置情報(絶対座標、相対座標)を利用して、一方の面Waの表面形状データのパーツを複数繋いで、一方の面Waの表面形状データを生成する。
表面形状データ生成手段512は、他方の面Wbの表面形状データのパーツに含まれるアンコーデットマーカMUの位置情報(絶対座標、相対座標)を利用して、他方の面Ebの表面形状データのパーツを複数繋いで、他方の面Wbの表面形状データを生成する。
表面形状データのパーツを繋ぎ合わせる際には、最初のパーツの三次元空間Sでの位置を、パーツに含まれるアンコーデットマーカMUの位置情報(絶対座標)に基づいて配置する。
他のパーツは、パーツに含まれるアンコーデットマーカMUの位置情報(相対座標)を利用して、互いに繋がれる。
特に、三次元空間Sを規定する柱状部材22は、定盤2上に載置される構成とした。
そのため、定盤2における柱状部材22の位置を変更することで、三次元空間Sの範囲を、測定対象物Wの大きさに合わせて変更できる。さらに、長さの異なる柱状部材22を複数用意しておくことで、三次元空間Sの高さ方向の範囲も、測定対象物Wの高さに応じて変更できる。
また、測定対象物Wの三次元形状データの生成と、生成した三次元形状データを用いた測定対象物Wの各部位の厚みtの算出に、従来例のような基準部材を必要としない。
よって、基準部材よりも大きな測定対象物Wであっても、三次元形状データの生成と、生成した三次元形状データを用いた測定対象物Wの各部位の厚みtの算出を行うことができる。これにより、厚みの算出対象となる測定対象物Wの大きさの限界が緩和される。
(6)表面形状データのパーツと、当該表面形状データのパーツに三次元空間S内で隣接する他の表面形状データのパーツは、互いに重なる領域を持って生成される。
表面形状データ生成手段512は、互いに重なる領域内に含まれるアンコーデットマーカMUの位置情報(相対座標)を利用して、表面形状データのパーツと他の表面形状データのパーツとを繋ぎ合わせる。
(7)撮像装置42による撮像範囲の大きさは、表面形状データ生成用の撮像画像の取得のために、測定対象物Wの全領域の撮像に要する時間内での変位量が、所定の閾値未満となるように設定されている。
すなわち、
(8)処理装置5(コンピュータ)を、
測定対象物Wの三次元形状データPから、測定対象物Wの厚み方向の一方の面Waの表面形状データPaと、他方の面Wbの表面形状データPbを取得する表面形状データ取得手段514と、
他方の面Wbの表面形状データPbを面法線方向で反転させて、一方の面Waの表面形状データPaと反転させた他方の面の表面形状データPb’との面法線方向の差分により、測定対象物Wの各部位の面法線方向の厚みtを算出する厚み算出手段515と、として機能させる厚み測定プログラムである。
処理装置5(コンピュータ)を、
三次元形状測定装置1の処理装置5は、三次元形状データPに基づいて、測定対象物Wの表示用の画像Wpを生成する表示制御手段516(表示用画像生成手段)として機能させる。
表示制御手段516は、表示用の画像Wpを表示部55(表示手段)に表示させる際に、厚み算出手段515で算出した厚みtが、規定厚み(閾値の厚み)T(mm)未満である領域を、他の領域から識別可能に表示させる。
処理装置5(コンピュータ)を、位置情報取得手段511、表面形状データ生成手段512、三次元形状データ生成手段513、として機能させる。
を有している。
三次元形状測定装置1の処理装置5には、一方の面Waと他方の面Wbに複数のアンコーデットマーカMU(位置認識用マーカ)が付された測定対象物Wを、異なる複数の撮像点から撮像して得られた位置情報取得用の撮像画像が入力される。
位置情報取得手段511は、入力された撮像画像のフォトグラメトリ処理により、一方の面Waと他方の面Wbに付されたアンコーデットマーカMUの各々について、測定対象物Wが配置された三次元空間S内での位置情報(絶対座標、相対座標)を取得する。
三次元形状測定装置1の処理装置5には、一方の面Waと他方の面Wbに複数のアンコーデットマーカMUが付されている測定対象物Wを、三次元形状の特定用の模様を投影しつつ撮像して得られた表面形状データ生成用の撮像画像が入力される。
表面形状データ生成手段512は、入力された表面形状データ生成用の撮像画像から、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データを生成する。
三次元形状データ生成手段513は、一方の面Waの表面形状データに含まれるアンコーデットマーカMUの位置と、他方の面Wbの表面形状データに含まれるアンコーデットマーカMUの位置とが、位置情報取得手段511で取得されたアンコーデットマーカMUの各々の位置にそれぞれ配置されるように、一方の面Waの表面形状データと他方の面Wbの形状データを三次元空間S内に配置して、測定対象物Wの三次元形状データPを生成する。
(11)位置情報取得用の撮像画像は、一方の面Waと他方の面Wbに複数のアンコーデットマーカMUが付された測定対象物Wであり、この測定対象物Wを、三次元空間S内に設置した状態で撮像して得られたものである。
三次元空間S内には、当該三次元空間Sにおける位置が特定されたコーデットマーカMC(位置特定済マーカ)が複数配置されている。
位置情報取得手段511は、位置情報取得用の撮像画像に含まれるコーデットマーカMCを利用して、アンコーデットマーカMUの各々の三次元空間S内での位置情報(絶対座標、相対座標)を取得する。
(12)表面形状データ生成手段512は、測定対象物Wの一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データのパーツを、表面形状データ生成用の撮像画像の撮像範囲に応じた大きさで、それぞれ複数ずつ生成する。
表面形状データ生成手段512は、一方の面Waの表面形状データのパーツに含まれるアンコーデットマーカMUの位置情報(絶対座標、相対座標)を利用して、一方の面Waの表面形状データのパーツを複数繋いで、一方の面Waの表面形状データを生成する。
表面形状データ生成手段512は、他方の面Wbの表面形状データのパーツに含まれるアンコーデットマーカMUの位置情報(絶対座標、相対座標)を利用して、他方の面Ebの表面形状データのパーツを複数繋いで、他方の面Wbの表面形状データを生成する。
(13)表面形状データのパーツと、当該表面形状データのパーツに三次元空間S内で隣接する他の表面形状データのパーツは、互いに重なる領域を持って生成される。
表面形状データ生成用の撮像画像の撮像範囲は、互いに重なる領域内に少なくとも2つ以上のアンコーデットマーカMUが含まれる範囲に設定されている。
表面形状データ生成手段512は、互いに重なる領域内に含まれるアンコーデットマーカMUの位置情報(相対座標)を利用して、表面形状データのパーツと他の表面形状データのパーツとを繋ぎ合わせる。
(14)撮像装置42による撮像範囲の大きさは、表面形状データ生成用の撮像画像の取得のために、測定対象物Wの全領域の撮像に要する時間内での変位量が、所定の閾値未満となるように設定されている。
この場合には、反転させた一方の面Waの表面形状データPa'と、他方の面Wbの表面形状データPbとの差分により、測定対象物Wの各部位の厚みtを算出することができる。
(i)表面形状データ生成手段512が、一方の面Waの表面形状データと、他方の面Wbの表面形状データとを生成する。
(ii)三次元形状データ生成手段が、一方の面Waの表面形状データと、他方の面Wbの表面形状データとから、測定対象物Wの三次元形状データPを生成する。
(iii)表面形状データ取得手段514が、測定対象物Wの三次元形状データPから、一方の面Waの表面形状データPaと、他方の面Wbの表面形状データPbとを取得する。
(iv)厚み算出手段515が、一方の面Waの表面形状データPaと、他方の面Wbの表面形状データPbとから、測定対象物Wの各部位の厚みを算出する。
この場合には、三次元形状データPを経ずに、厚みを算出するようにしても良い
具体的には、三次元形状データ生成用の撮像により得られた撮像画像から、一方の面Waの表面形状データPaと、他方の面Wbの表面形状データPbを直接生成し、これら表面形状データPa、Pbから、厚み算出手段515が、測定対象物Wの各部位の厚みを算出する。
2 定盤
21 支持台
22 柱状部材
23 スケールバー
24 クロスバー
3 撮像カメラ
4 撮像ユニット
41 投光装置
42 撮像装置
5 処理装置(コンピュータ)
51 CPU
510 撮像画像取得手段
511 位置情報取得手段
512 表面形状データ生成手段
513 三次元形状データ生成手段
514 表面形状データ取得手段
515 厚み算出手段
516 表示制御手段(表示用画像生成手段)
52 記憶部
520 座標データ記憶領域
53 入出力ポート
54 バス
55 表示部(表示手段)
551 表示画面
56 操作入力部
Dp 表面形状データのパーツ
Dp’ 表面形状データのパーツ
MC コーデットマーカ(位置特定済マーカ)
MU アンコーデットマーカ(位置認識用マーカ)
P 三次元形状データ
Pa 一方の面の表面形状データ
Pb 他方の面の表面形状データ
Pb’ 反転した表面形状データ
R 薄肉領域
Ra 投影範囲
Rb 撮像範囲
S 三次元空間
W 測定対象物(プレス成形品)
Wa 一方の面
Wb 他方の面
Wc 端面
Wp 画像
X 基準軸
プレス成形品の厚みを測定する厚み測定装置であって、
前記プレス成形品の三次元形状データから、前記プレス成形品の厚み方向の一方の面の表面形状データと、他方の面の表面形状データを取得する表面形状データ取得手段と、
前記他方の面の表面形状データを構成する各ポリゴンデータを、各々の面法線方向で反転させて、前記一方の面の表面形状データと前記反転させた前記他方の面の表面形状データとの前記面法線方向の差分から、前記プレス成形品の各部位の前記面法線方向の前記厚みを算出する厚み算出手段と、を有する構成の厚み測定装置とした。
Claims (14)
- プレス成形品の厚みを測定する厚み測定装置であって、
前記プレス成形品の三次元形状データから、前記プレス成形品の厚み方向の一方の面の表面形状データと、他方の面の表面形状データを取得する表面形状データ取得手段と、
前記他方の面の表面形状データを面法線方向で反転させて、前記一方の面の表面形状データと前記反転させた前記他方の面の表面形状データとの前記面法線方向の差分から、前記プレス成形品の各部位の前記面法線方向の前記厚みを算出する厚み算出手段と、を有することを特徴とする測定装置。 - 前記三次元形状データに基づいて、前記プレス成形品の表示用画像を生成する表示用画像生成手段、を有しており、
前記表示用画像生成手段は、前記表示用画像を表示手段に表示させる際に、前記厚み算出手段で算出した厚みが閾値の厚み未満である領域を、他の領域から識別可能に表示させることを特徴とする請求項1に記載の厚み測定装置。 - 前記一方の面と前記他方の面に複数の位置認識用マーカが付されたプレス成形品を、異なる複数の撮像点から撮像して得られた位置情報取得用の撮像画像が入力されると、入力された複数の位置情報取得用の撮像画像のフォトグラメトリ処理により、前記一方の面と前記他方の面に付された前記位置認識用マーカの各々について、前記プレス成形品が配置された三次元空間内での位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記一方の面と前記他方の面に複数の前記位置認識用マーカが付されている前記プレス成形品を、三次元形状の特定用の模様を投影しつつ撮像して得られた表面形状データ生成用の撮像画像が入力されると、入力された表面形状データ生成用の撮像画像から、前記プレス成形品の一方の面と他方の面の表面形状データを生成する表面形状データ生成手段と、
前記一方の面の表面形状データに含まれる前記位置認識用マーカの位置と、前記他方の面の表面形状データに含まれる前記位置認識用マーカの位置とが、前記位置情報取得手段で取得された前記位置認識用マーカの各々の位置にそれぞれ配置されるように、前記一方の面の表面形状データと前記他方の面の形状データを前記三次元空間内に配置して、前記プレス成形品の三次元形状データを生成する三次元形状データ生成手段と、を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の厚み測定装置。 - 前記三次元空間内には、当該前記三次元空間における位置が特定された位置特定済マーカが複数配置されており、
前記位置情報取得手段は、
前記位置情報取得用の撮像画像に含まれる位置特定済みマーカを利用して、前記位置認識用マーカの各々の前記三次元空間内での位置情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の厚み測定装置。 - 表面形状データ生成手段は、
前記プレス成形品の前記一方の面と前記他方の面の表面形状データのパーツを、前記表面形状データ生成用の撮像画像の撮像範囲に応じた大きさで、それぞれ複数ずつ生成し、
表面形状データ生成手段は、
前記一方の面の表面形状データのパーツに含まれる前記位置認識用マーカの位置情報を利用して、前記一方の面の表面形状データのパーツを複数繋ぎ合わせて、前記一方の面の表面形状データを生成すると共に、
前記他方の面の表面形状データのパーツに含まれる前記位置認識用マーカの位置情報を利用して、前記他方の面の表面形状データのパーツを複数繋ぎ合わせて、前記他方の面の表面形状データを生成することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の厚み測定装置。 - 前記表面形状データのパーツと、当該表面形状データのパーツに前記三次元空間内で隣接する他の前記表面形状データのパーツは、互いに重なる領域を持って生成され、
表面形状データ生成手段は、
前記互いに重なる領域内に含まれる前記位置認識用マーカの位置情報を利用して、前記表面形状データのパーツと他の前記表面形状データのパーツとを繋ぎ合わせることを特徴とする請求項5に記載の厚み測定装置。 - 撮像範囲の大きさは、前記表面形状データ生成用の撮像画像の取得のために、前記プレス成形品の全領域の撮像に要する時間内での変位量が、所定の閾値未満となるように設定されていることを特徴とする請求項3から請求項6の何れか一項に記載の厚み測定装置。
- プレス成形品の三次元形状データから、前記プレス成形品の厚みを算出する厚み測定プログラムであって、
コンピュータを、
前記プレス成形品の三次元形状データから、前記プレス成形品の厚み方向の一方の面の表面形状データと、他方の面の表面形状データを取得する表面形状データ取得手段、
前記他方の面の表面形状データを面法線方向で反転させて、前記一方の面の表面形状データと前記反転させた前記他方の面の表面形状データとの前記面法線方向の差分により、前記プレス成形品の各部位の厚みを算出する厚み算出手段、
として機能させることを特徴とする厚み測定プログラム。 - 前記厚み測定プログラムは、
前記コンピュータを、
前記三次元形状データに基づいて、前記プレス成形品の表示用画像を生成する表示用画像生成手段、としてさらに機能させ、
前記表示用画像生成手段は、前記表示用画像を表示手段に表示させる際に、前記厚み算出手段で算出した厚みが閾値の厚み未満である領域を、他の領域から識別可能に表示させることを特徴とする請求項8に記載の厚み測定プログラム。 - 前記厚み測定プログラムは、
前記コンピュータを、
前記一方の面と前記他方の面に複数の位置認識用マーカが付されたプレス成形品を、異なる複数の撮像点から撮像して得られた位置情報取得用の撮像画像が入力されると、入力された複数の位置情報取得用の撮像画像のフォトグラメトリ処理により、前記一方の面と前記他方の面に付された前記位置認識用マーカの各々について、前記プレス成形品が配置された三次元空間内での位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記一方の面と前記他方の面に複数の位置認識用マーカが付されている前記プレス成形品を、三次元形状の特定用の模様を投影しつつ撮像して得られた表面形状データ生成用の撮像画像が入力されると、入力された表面形状データ生成用の撮像画像から、前記プレス成形品の一方の面Waと他方の面Wbの表面形状データを生成する表面形状データ生成手段、
前記一方の面Waの表面形状データに含まれる前記位置認識用のマーカの位置と、前記他方の面Wbの表面形状データに含まれる前記位置認識用のマーカの位置とが、前記位置情報取得手段で取得された前記位置認識用のマーカの各々の位置にそれぞれ配置されるように、前記一方の面Waの表面形状データと前記他方の面Wbの形状データを前記三次元空間内に配置して、前記プレス成形品の三次元形状データを生成する三次元形状データ生成手段、として機能させることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の厚み測定プログラム。 - 前記三次元空間内には、当該前記三次元空間における位置が特定された位置特定済マーカが複数配置されており、
前記位置情報取得手段は、
前記位置情報取得用の撮像画像に含まれる位置特定済みマーカを利用して、前記位置認識用マーカの各々の前記三次元空間内での位置情報を取得することを特徴とする請求項10に記載の厚み測定プログラム。 - 表面形状データ生成手段は、
前記プレス成形品の前記一方の面と前記他方の面の表面形状データのパーツを、前記表面形状データ生成用の撮像画像の撮像範囲に応じた大きさで、それぞれ複数ずつ生成し、
表面形状データ生成手段は、
前記一方の面の表面形状データのパーツに含まれる前記位置認識用マーカの位置情報を利用して、前記一方の面の表面形状データのパーツを複数繋ぎ合わせて、前記一方の面の表面形状データを生成すると共に、
前記他方の面の表面形状データのパーツに含まれる前記位置認識用マーカの位置情報を利用して、前記他方の面の表面形状データのパーツを複数繋ぎ合わせて、前記他方の面の表面形状データを生成することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の厚み測定プログラム。 - 前記表面形状データのパーツと、当該表面形状データのパーツに前記三次元空間内で隣接する他の前記表面形状データのパーツは、互いに重なる領域を持って生成され、
表面形状データ生成手段は、
前記互いに重なる領域内に含まれる前記位置認識用マーカの位置情報を利用して、前記表面形状データのパーツと他の前記表面形状データのパーツとを繋ぎ合わせることを特徴とする請求項12に記載の厚み測定プログラム。 - 撮像範囲の大きさは、前記表面形状データ生成用の撮像画像の取得のために、前記プレス成形品の全領域の撮像に要する時間内での変位量が、所定の閾値未満となるように設定されていることを特徴とする請求項10から請求項13の何れか一項に記載の厚み測定プログラム。
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