JP2018189586A - 接触燃焼式ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】急激な感度低下が生じることなくシロキサン等に対する耐久性を向上させた接触燃焼式ガスセンサを提供する。【解決手段】被検知ガスと感応する検出素子を備えた接触燃焼式ガスセンサにおいて、検出素子は、貴金属線材11を覆い、被検知ガスと接触するガス感応部12を有し、ガス感応部12は、コア粒子として貴金属触媒を担持する絶縁性酸化物担体の外側に、金属酸化物微粒子を主成分とする微粒子層を備えた構成粒子Pを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、被検知ガスと感応する検出素子を備えた接触燃焼式ガスセンサに関する。
接触燃焼式ガス検知素子は、アルミナ等の金属酸化物焼結体に白金等の貴金属触媒を担持したガス感応部としての燃焼触媒部を、白金等の貴金属線に設けてある。当該燃焼触媒部において検知対象となる被検知ガスを貴金属触媒と接触・燃焼させ、燃焼の際に生じる温度変化を貴金属線の抵抗値の変化として検出する。被検知ガスの燃焼熱は被検知ガスの濃度に比例し、貴金属線の抵抗値は燃焼熱に比例するため、被検知ガスの燃焼による貴金属線の抵抗の変化値を測定することによって被検知ガスの濃度を測定することができる。
尚、本発明における従来技術となる接触燃焼式ガス検知素子は、一般的な技術であるため、特許文献等の従来技術文献は示さない。
接触燃焼式ガスセンサは、使用環境の雰囲気中にシロキサンあるいは硫化水素の蒸気が存在すると、検出感度が経時的に劣化(シリコーン被毒、或いは硫化水素被毒)することが知られている。
これに対して、例えば、ガス感応部をシロキサン等の蒸気とできるだけ接触するのを防ぐため、金属酸化物などのコーティング層を設けることが考えられる。しかし、この場合、被検知ガスの拡散制限により著しく感度が低下するため、実用的ではない。
従って、本発明の目的は、急激な感度低下が生じることなくシロキサン等に対する耐久性を向上させた接触燃焼式ガスセンサを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る接触燃焼式ガスセンサは、被検知ガスと感応する検出素子を備えた接触燃焼式ガスセンサであって、その第一特徴構成は、前記検出素子は、貴金属線材を覆い、被検知ガスと接触するガス感応部を有し、前記ガス感応部は、コア粒子として貴金属触媒を担持する絶縁性酸化物担体の外側に、金属酸化物微粒子を主成分とする微粒子層を備えた構成粒子を有する点にある。
本構成によれば、ガス感応部を構成する各構成粒子が、コア粒子として貴金属触媒を担持する絶縁性酸化物担体の外側に、金属酸化物微粒子を主成分とする微粒子層を備えるため、使用環境の雰囲気中に例えばシロキサンの蒸気が存在した場合であっても、当該シロキサンは金属酸化物微粒子を主成分とする微粒子層によってトラップすることができる。そのため、コア粒子である貴金属触媒を担持する絶縁性酸化物担体がシロキサンに接触し難くなり、それによって貴金属触媒の経年劣化を防止でき、当該コア粒子がシリコーン被毒するのを未然に防止することができる。また、後述の実施例で示したように本発明の接触燃焼式ガスセンサをシリコーン被毒処理した場合であっても、急激な感度低下が生じないことが認められている。従って、本発明の接触燃焼式ガスセンサは急激な感度低下が生じることなくシロキサン等に対する耐久性を向上させることができる。
また、被検知ガスは金属酸化物微粒子の隙間を通って被検知ガスを検知できるため、良好なガス拡散性および高感度な特性を有する接触燃焼式ガスセンサとすることができる。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの第二特徴構成は、前記貴金属触媒を白金およびパラジウムとした点にある。
本構成によれば、貴金属触媒を白金およびパラジウムとすることで、酸化活性を高めて接触燃焼式ガスセンサの感度を向上させることができる。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの第三特徴構成は、前記絶縁性酸化物担体をアルミナとした点にある。
本構成によれば、アルミナは細孔径が小さく、比表面積が大きいため、貴金属触媒を高分散させることができる。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの第四特徴構成は、前記金属酸化物微粒子を酸化スズとした点にある。
ガス感応部における構成粒子は、例えば液相析出(LPD)法により、コア粒子(貴金属触媒を担持する絶縁性酸化物担体)の表面に、酸化スズを主成分とする微粒子層を析出して形成する。この場合、LPD法で作製される酸化スズの微粒子層は、均一な膜として形成されず、数nmの酸化スズ粒子が密に充填するように核(例えば担持アルミナ)となる材料周囲に析出するため、被検知ガスはその酸化スズ粒子の隙間を通り、触媒に到達・燃焼するため、本発明の接触燃焼式ガスセンサは良好なガス拡散性および高感度な特性を有する。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの第五特徴構成は、被検知ガスを炭化水素ガスとした点にある。
本構成によれば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン等の炭化水素ガスを検知することができる。
本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの第六特徴構成は、前記微粒子層の膜厚を60nm以下とした点にある。
本構成のように微粒子層の膜厚を設定すれば、本発明の接触燃焼式ガスセンサのシロキサン等に対する耐久性を確実に向上させることができる。
本発明の接触燃焼式ガスセンサの概要を示す図である。 ブリッジ回路の概略図である。 検出素子の概略図である。 構成粒子の概略図である。 構成粒子のSTEM−HAADF像を示した写真図である((a)析出時間6時間、(b)析出時間12時間、(c)析出時間24時間)。 析出時間の変化による微粒子層の厚さの変化を示したグラフである。 シリコーン被毒処理したときのメタン感度を測定した結果を示したグラフである。 微粒子層の形成(析出工程)に要した時間によって、メタン感度がどのように変化するかを調べた結果を示したグラフである。 本発明の接触燃焼式ガスセンサの温度特性を調べた結果を示したグラフである。 本発明の接触燃焼式ガスセンサの湿度特性を調べた結果を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜2に示したように、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは、被検知ガス(メタンなどの炭化水素ガス)と感応する検出素子10と、環境の変化等、被検知ガスの燃焼以外の温度変化に基づく検出素子10の抵抗値の変化を補正する補償素子20と、固定抵抗R1,R2と、をブリッジ回路(図2)に組み込んで構成してある。ブリッジ回路は、電源Eによって常時約100〜200mAの電流を供給し、検出素子10を被検知ガスが接触燃焼し易い温度に保持してある。
本発明の接触燃焼式ガスセンサXにおいて、検出素子10は、貴金属線材11を覆い、被検知ガスと接触するガス感応部12を有し、当該ガス感応部12は、コア粒子P1として貴金属触媒13aを担持する絶縁性酸化物担体13bの外側に、金属酸化物微粒子14を主成分とする微粒子層P2を備えた構成粒子Pを有する(図3,4)。
検出素子10は、電気抵抗に対する温度係数が高い白金やタングステン等を含む貴金属線材11のコイルの表面が、被検知ガスに対して活性な貴金属触媒13aを担持する絶縁性酸化物担体13bで被覆されて形成してある。
当該貴金属触媒13aとしては、例えば白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。本実施形態では白金およびパラジウムを使用する場合について説明する。これら貴金属触媒13aを組み合わせて使用する場合の組み合わせもこれに限定されるものではなく、組み合わせる数についても限定されるものではない。
絶縁性酸化物担体13bとしては、例えばアルミナ(Al)やシリカアルミナ等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。本実施形態ではアルミナを使用する場合について説明する。
金属酸化物微粒子14としては、例えば酸化スズ、酸化タングステン・酸化インジウム・酸化亜鉛等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。本実施形態では酸化スズを使用する場合について説明する。
微粒子層P2の厚みは、上限が60〜70nm程度、好ましくは60nm程度とするのがよい。また、微粒子層P2の厚みは0でなければ本発明の効果を奏することが期待できるため、微粒子層P2の厚みの下限は0に設定しなければよく、使用環境によって適宜設定できる。そのため、微粒子層P2の厚みは60nm以下に設定するのがよく、好ましくは約20〜60nmとするのがよい。本構成のように微粒子層の膜厚を設定すれば、本発明の接触燃焼式ガスセンサXのシロキサン等に対する耐久性を確実に向上させることができる。
また、本構成のように、微粒子層P2の厚さを60nm以下と超薄膜にすれば、コーティングした微粒子層P2の粒子径は極めて小さく(<微粒子層P2の厚さ)、高活性となる。従って、本構成のように超薄膜の微粒子層P2を有する構成粒子Pを使用して構成したガス感応部12により、良好なガス拡散性および高感度な特性を有するガス検知素子とすることができる。よって、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは良好な応答特性を有する。
当該検出素子10は、被検知ガス中に置かれたとき、通電により発熱することで自身が備える貴金属触媒13aが加熱されて被検知ガスと反応し、その反応熱に応じて(被検知ガスの濃度に応じて)抵抗値が変化する。
被検知ガスとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン等の炭化水素ガスが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、例えば水素を被検知ガスとしてもよい。本実施形態ではメタンを検知する場合について説明する。
補償素子20は、検知素子と同様に被検知ガス中に置かれて通電されることで、検知素子の温度補償を行うための素子であり、検知素子が有する触媒による燃焼熱に応じた抵抗値の変化分のみ取り出すために用いられる。
補償素子20は、例えば検出素子10と同等のコイルの表面がアルミナ等の担体で被覆されて形成されている。補償素子20は触媒を有しないため、触媒反応による被検知ガスの燃焼が生じないため、被検知ガスに対して不活性とされる。当該補償素子20は、通電されることにより発熱してその周囲を覆うアルミナ等の担体を加熱するものであり、熱により自らの抵抗値が変化する。
通常、接触燃焼式ガスセンサXは、被検知ガスが検出素子10の触媒に接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子10と、被検知ガスによる燃焼反応が発生せず検出素子10よりも低温の補償素子20との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して被検知ガスの濃度を検出することができる。
補償素子20は、周囲温度の変化の影響を相殺するために使用する。すなわち、センサ素子のガスとの反応による温度変化は数10℃程度と小さく、周囲温度が例えば0℃〜40℃の範囲で変化すると、ガスとの反応によるセンサ出力変化と周囲温度の変化によるセンサ出力変化が区別できないため、検出素子10と同程度の抵抗値を有し周囲温度に対して同じような抵抗変化をする補償素子20を検出素子10と並列に接続して、検出素子10の検出電圧に周囲温度の影響が現れないようにしている。
図1に示した濃度演算手段40は、検出素子10及び補償素子20によって得られた出力に対して、例えばガス種識別手段30によって決定されたガス種に応じた係数を乗じて被検知ガスの濃度を算出する。
上述したように検出素子10は、通電により発熱することで貴金属触媒13aが加熱されて被検知ガスと反応し、その反応熱に応じて(被検知ガスの濃度に応じて)抵抗値が変化する。濃度演算手段40は、このように変化する抵抗値を検知して得られた出力値に、ガス種識別手段30によって決定されたガス種に応じた係数を乗じて被検知ガスの濃度を算出するマイコンなどで構成してあれば、どのような態様であってもよい。当該係数は、ガス種に応じた固有の値を予め決定しておいた数値とするのがよい。
本発明の接触燃焼式ガスセンサXは、ガス感応部12を構成する各構成粒子Pが、コア粒子P1として貴金属触媒13aを担持する絶縁性酸化物担体13bの外側に、金属酸化物微粒子14を主成分とする微粒子層P2を備えるため、使用環境の雰囲気中にシロキサンの蒸気が存在した場合であっても、当該シロキサンは金属酸化物微粒子14を主成分とする微粒子層P2(酸化スズ粒子)によってトラップすることができる。そのため、コア粒子P1である貴金属触媒13aを担持する絶縁性酸化物担体13bがシロキサンに接触し難くなり、それによって貴金属触媒13aの経年劣化を防止でき、当該コア粒子P1がシリコーン被毒するのを未然に防止することができる。従って、本発明の接触燃焼式ガスセンサXはシロキサン等に対する耐久性を向上させることができる。尚、シロキサン以外の化合物としては、硫化水素が挙げられるがこれに限定されるものではない。
被検知ガスは金属酸化物微粒子(酸化スズ粒子)の隙間を通って被検知ガスを検知できるため、良好なガス拡散性および高感度な特性を有する接触燃焼式ガスセンサXとすることができる。
尚、本発明の接触燃焼式ガスセンサXの微粒子層P2は、半導体式ガス検知素子等との検知原理(動作温度等)の違いから、被検知ガスである例えばメタンに対しては動作温度以下(400℃付近)でも酸化活性が低いため、センサの検知に関与しない保護層としてのみ機能する。そのため、動作温度以下であっても貴金属触媒13aの経年劣化を防止でき、シロキサン等に対する耐久性を向上させることができる。
<ガス感応層の構成粒子の製造方法>
ガス感応部12における構成粒子Pは、液相析出(LPD:Liquid Phase Deposition)法により、コア粒子P1(貴金属触媒13aを担持する絶縁性酸化物担体13b)の表面に、酸化スズ(SnO)を主成分とする微粒子層P2を析出して形成される。
貴金属触媒13aとして白金およびパラジウムを使用し、絶縁性酸化物担体13としてアルミナを使用した構成粒子Pの製造方法の概要を以下に説明する。
反応母液であるスズフルオロ錯体(後述)に、貴金属触媒13a(白金およびパラジウムが担持されたアルミナ)を添加して分散させる分散工程と、反応開始剤であるホウ酸水溶液を加えて析出反応を開始させる反応開始工程と、溶液の温度を室温に維持して溶液を攪拌しながら2〜24時間のあいだ析出反応を持続させる析出工程と、を行う。
さらに、析出工程により形成された構成粒子Pを遠心分離する遠心分離工程と、当該遠心分離された構成粒子Pをイオン交換水等で洗浄する洗浄工程と、当該洗浄された構成粒子Pを減圧して乾燥する乾燥工程と、乾燥した構成粒子Pを500〜750℃、5〜6時間で焼成する焼成工程と、を行う。焼成後、粉砕して得られた構成粒子Pをガス感応部12の構成材料とする。
反応母液の濃度および析出時間は、膜厚を決定する重要なパラメータとなる。本発明のガス感応部12の構成粒子Pの製造方法では、当該微粒子層P2の膜厚を、60nm以下に制御することが可能である。
LPD法で作製される酸化スズの微粒子層P2は、均一な膜として形成されず、数nmの酸化スズ粒子が密に充填するように核(ここでは担持アルミナ)となる材料周囲に析出するため、被検知ガスはその酸化スズ粒子の隙間を通り、触媒に到達・燃焼するため、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは高感度を有する。
LPD法を用いた触媒を使用すれば、1回塗布・焼成しただけでセンサとして駆動させることが可能であるため、製造工程を簡略化(工程数の減少)することができる。
このようにして作製された構成粒子Pをペースト化したものを、貴金属線材11である白金線をコイル状に巻いたものに公知の手法で塗布・焼成することで検出素子10を作製することができる。
尚、アルミナをペースト化したものを貴金属線材11である白金線をコイル状に巻いたものに公知の手法で塗布・焼成することで補償素子20とすることができる。
〔実施例1〕
ガス感応部12の構成粒子Pの製造方法について説明する。
以下に、貴金属触媒13aとして白金およびパラジウムを使用し、絶縁性酸化物担体13としてアルミナを使用した構成粒子Pの製造方法について説明する。
貴金属触媒13aを以下のようにして調製した。
(1)白金或いはパラジウムを含む溶液を金属濃度が0.5〜1.5g/Lの濃度となるように蒸留水に溶解させた。
(2)ビーカーに市販のアルミナ、スターラーチップを入れ、上記溶液をアルミナに対して5〜25wt%担持されるよう添加・含浸し撹拌した。
(3)アルミナが分散した溶液を撹拌しながら蒸発乾固させた後、取り出し乳鉢で粉砕した。
(4)電気炉にて600℃・6時間で焼成し、(5〜25wt%白金およびパラジウムが担持された)貴金属触媒13aとした。
微粒子層P2を以下のようにして調製した。
(5)微粒子層P2の原料である低結晶性酸化スズ粉末(フッ化水素酸に容易に溶解できるように調製している)を合成した。第一フッ化スズを精製水に完全に溶かした後、過酸化水素水を徐々に加えて低結晶性酸化スズを沈殿させた。沈殿した低結晶性酸化スズを遠心分離により精製、回収した。その後、0.45〜0.90gを量り取り、0.5〜1.5Mのフッ化水素酸へ溶解させ、スズフルオロ錯体の濃度が60〜120mMであるような反応母液を得た。当該反応母液に、(4)で得た貴金属触媒13a(白金およびパラジウムが担持されたアルミナ)を0.1〜0.5g添加して分散させる分散工程を行った。
(6)反応容器内で反応開始剤であるホウ酸を0.3〜0.5Mとなるよう精製水に溶解させた(反応開始工程)。
(7)水温(25〜35℃)を一定に保ったウォーターバス内に上記容器を設置し、溶液を攪拌しながら4〜24時間(4,6,12,24時間)のあいだ析出反応を持続させる析出工程を行った。
(8)上記時間経過後、構成粒子Pを遠心分離する遠心分離工程(2000〜2500rpm、5〜10分)による精製を行ない、遠心分離された構成粒子Pをイオン交換水で洗浄する洗浄工程を行ない、洗浄された構成粒子Pを減圧(25〜50℃、300hPa以下)して乾燥する乾燥工程を行い、乾燥処理後粉体として回収した。
(9)回収粉体を600℃・6時間で焼成する焼成工程を行った。焼成後、粉砕して構成粒子Pを得た。
原子分解能分析電子顕微鏡(JEOL ARM200:日本電子株式会社製)を使用して構成粒子PのSTEM−HAADF像を図5に示した。図5には上述した析出時間を6,12,24時間行った結果を示した。この結果、微粒子層P2がコア粒子P1を略均一に覆っているものと認められた。また、析出時間(微粒子層成長時間T)の変化による微粒子層P2の厚さの変化を示したグラフを図6に示した。微粒子層P2の厚さは、エネルギー分散型X線分光器(EDS)によるEDSマッピングを行い、Al−K線,Sn−L線として得られたシグナル強度に基づいて算出した。この結果、析出時間が6時間のときの微粒子層P2の厚さは約22nm、析出時間が12時間のときの微粒子層P2の厚さは約46nm、析出時間が24時間のときの微粒子層P2の厚さは約52nmとなっていた。これより、微粒子層P2の厚さは、析出時間が長いほど厚くなる(析出時間が6〜24時間において約20〜60nm)と認められた。
〔実施例2〕
実施例1で作製した構成粒子P(析出時間24時間)をペースト化し、貴金属線材11である白金線をコイル状に巻いたものに塗布・焼成(600℃、2時間)することで検出素子10を作製した。当該検出素子10を備えた本発明の接触燃焼式ガスセンサXを使用して、メタン感度を測定した。試験条件は、シリコーン被毒処理として10ppmのHMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)を1時間曝露させた後の10%LELメタン感度を測定した。
比較センサとして、検出素子の構成が、酸化スズを主成分とする外層と、Pd,Pt担持アルミナを有する内層である接触燃焼式ガスセンサを使用した。
結果を図7に示した。その結果、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは、メタン検知の1時間後では約80%(4000/5000)の感度を有し、5時間後であっても、約60%(3000/5000)の感度を有していた。一方、比較センサは、メタン検知の1時間後には約20%(1000/5000)の感度となって急激に感度が低下し、5時間後には、感度は略無い状態であった。そのため、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは、急激な感度低下が生じることなくシロキサン耐久性を向上させることができるものと認められた。
尚、本実施例で使用した検出素子10の素子径は約1mmであったが、当該素子径を0.8mmとした場合であっても同様のデータが得られた(データは示さない)。
〔実施例3〕
ガス感応部12の構成粒子Pの製造方法で説明したように、反応母液の濃度および析出時間は、膜厚を決定する重要なパラメータとなる。本実施例では、微粒子層P2の形成(析出工程)に要した時間によって、メタン感度がどのように変化するかを調べた。
析出工程の時間は、4〜24時間とした。比較センサは実施例1で使用したセンサとした。シリコーン被毒処理は実施例2と同様の処理を行った。結果を図8に示した。
この結果、比較センサは1時間でメタン感度が2割程度まで急激に低下する一方で、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは、析出工程が4,6,12,24時間の場合において急激な感度低下が生じることなく、1時間でメタン感度は7割程度維持されることが判明した。
析出工程が4,6,12,24時間の場合は、メタン検知の5時間後には約20〜50%の感度を有しており、特に析出工程が6,12,24時間の場合(微粒子層P2の膜厚約20〜60nm)、これら3つの条件で作製した構成粒子Pを有するガス感応部12のメタン検知の傾向は略同様であると認められた。即ち、構成粒子Pの製造時において、析出時間を長くして微粒子層P2の膜厚を厚くすることで、シロキサン耐久性を向上させることができるものと認められた。また、析出工程が6,12,24時間の場合で、同様のシロキサン耐久性であったことから、微粒子層P2の膜厚はある程度(例えば約20nm)の膜厚以上であればシロキサン耐久性はあまり変化しないものと認められた。また初期メタン感度は微粒子層成長時間Tが長くなるほど低くなることから、最適な微粒子層P2厚さは約20nmであると認められた。
また比較センサは、メタン検知の2時間後には、感度は略無い状態であった。そのため、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは、比較センサに比べてシロキサン耐久性を遥かに向上させることができるものと認められた。
尚、ガス感応部12の構成粒子Pにおける微粒子層P2の膜厚によって、接触燃焼式ガスセンサXの応答速度がどのように変化するかを調べた。析出時間は、2,4,6時間とした構成粒子Pであるガス感応部12を使用し、メタン2500ppmの応答速度を測定したところ、何れのガス感応部12を有する接触燃焼式ガスセンサXの応答速度について、略同様の結果が得られた(データは示さない)。従って、何れの接触燃焼式ガスセンサXについても、優れたガス拡散性および高感度な特性を有するガス感応部12を有するものと認められた。
〔実施例4〕
実施例2で使用した本発明の接触燃焼式ガスセンサX、および、比較センサを使用して、各センサの温度特性を調べた。温度は−20〜60℃まで変化させた。被検知ガスはメタンを使用し、10,25,50,75,100%LELメタンの感度を測定した。結果を図9に示した。図9における一番下のデータはメタンが無い状態での出力(ベース出力)を示した。このベース出力は略一定であることから、温度が変化しても接触燃焼式ガスセンサXが安定に動作していることを示している。
この結果、各メタンの濃度および各温度において、本発明の接触燃焼式ガスセンサXの指示値の変動は小さいものであった。そのため、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは温度変化に安定したセンサ特性を有するものと認められた。
〔実施例5〕
実施例2で使用した本発明の接触燃焼式ガスセンサX、および、比較センサを使用して、各センサの湿度特性を調べた。温度を40℃に固定した状態で、湿度は10〜90%RHまで変化させた。被検知ガスはメタンを使用し、10,25,50,75,100%LELメタンの感度を測定した。結果を図10に示した。図10における一番下のデータはメタンが無い状態での出力(ベース出力)を示した。このベース出力は略一定であることから、湿度が変化しても接触燃焼式ガスセンサXが安定に動作していることを示している。
この結果、各メタンの濃度および各湿度において、本発明の接触燃焼式ガスセンサXの指示値の変動は小さいものであった。そのため、本発明の接触燃焼式ガスセンサXは湿度変化に安定したセンサ特性を有するものと認められた。
本発明は、被検知ガスと感応する検出素子を備えた接触燃焼式ガスセンサに利用できる。
X 接触燃焼式ガスセンサ
P 構成粒子
P1 コア粒子
P2 微粒子層
10 検出素子
11 貴金属線材
12 ガス感応部
13a 貴金属触媒
13b 絶縁性酸化物担体
14 金属酸化物微粒子

Claims (6)

  1. 被検知ガスと感応する検出素子を備えた接触燃焼式ガスセンサにおいて、
    前記検出素子は、貴金属線材を覆い、被検知ガスと接触するガス感応部を有し、
    前記ガス感応部は、コア粒子として貴金属触媒を担持する絶縁性酸化物担体の外側に、金属酸化物微粒子を主成分とする微粒子層を備えた構成粒子を有する接触燃焼式ガスセンサ。
  2. 前記貴金属触媒が、白金およびパラジウムである請求項1に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  3. 前記絶縁性酸化物担体がアルミナである請求項1または2に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  4. 前記金属酸化物微粒子が酸化スズである請求項1〜3の何れか一項に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  5. 被検知ガスが炭化水素ガスである請求項1〜4の何れか一項に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
  6. 前記微粒子層の膜厚が60nm以下である請求項1〜5の何れか一項に記載の接触燃焼式ガスセンサ。
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