JP2018189554A - 熱流式センサモジュール - Google Patents

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Yukikatsu Ozaki
幸克 尾▲崎▼
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Hirohito Matsui
啓仁 松井
浩嗣 朝柄
Koji Asae
浩嗣 朝柄
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Toshiichi Harada
敏一 原田
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Abstract

【課題】表裏を通過する熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じた起電圧の少なくとも一方を検出可能な熱流式センサモジュールを提供する。
【解決手段】熱流式センサモジュール1は、第1熱流束センサ20、第2熱流束センサ30、および第1センサ出力および第2センサ出力に基づいて、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧および荷重変動に応じた起電圧の少なくとも一方を抽出する制御部56を備える。第1熱流束センサ20は、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧および荷重変動に応じた起電圧を第1センサ出力として出力する。第2熱流束センサ30は、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧および荷重変動に応じた起電圧を第2センサ出力として出力する。そして、各熱流束センサ20、30は、熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力されると共に、荷重変動に応じた起電圧が同極性となって出力されるように積層されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱流式センサモジュールに関する。
従来、厚み方向に通過する熱流束に応じた起電圧を出力する熱流束センサとして、第1熱電部材と第2熱電部材とが交互に直列接続された構造を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。この熱流束センサは、表裏の温度差によって表裏を通過する熱流束が生ずると、ゼーベック効果により第1熱電部材と第2熱電部材との間に生ずる起電圧をセンサ出力として出力する構成となっている。
特開2016−211991号公報
本発明者らは、上述の熱流束センサにおける熱流束の検出精度の向上を図るべく鋭意検討した。この結果、熱流束センサを被測定対象物に挟んで設置した場合、当該被測定対象物から熱流束センサに作用する荷重が変動すると、その影響により起電圧が生ずることが判った。そして、荷重変動に応じて生じた起電圧は、熱流束に応じた起電圧と共に、熱流束センサのセンサ出力として出力される。
このように、従来の熱流束センサでは、センサ出力に対して、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧以外にも、荷重変動に応じた起電圧が含まれる可能性がある。すなわち、従来の熱流束センサでは、熱流束の発生や荷重変動といった異なる事象による起電圧を分離して検出することができない。
本発明は上記点に鑑みて、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じた起電圧の少なくとも一方を検出可能な熱流式センサモジュールを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、熱流式センサモジュールを対象としている。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
表裏を通過する熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じた起電圧を第1センサ出力として出力する板状の第1熱流束センサ(20)と、
表裏を通過する熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じた起電圧を第2センサ出力として出力する板状の第2熱流束センサ(30)と、
第1センサ出力および第2センサ出力に基づいて、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧および荷重変動に応じた起電圧の少なくとも一方を抽出する抽出部(56)と、を備える。
そして、第1熱流束センサおよび第2熱流束センサは、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力されると共に、荷重変動に応じた起電圧が同極性となって出力されるように積層された積層体として構成されている。
これによれば、例えば、各熱流束センサからのセンサ出力の加減算等によって、熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じて起電圧の少なくとも一方を抽出することが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の熱流式センサモジュールの設置例を示す模式図である。 第1実施形態の熱流式センサモジュールの概略構成図である。 第1熱流束センサの表面側を示す模式的な正面図である。 第1熱流束センサの裏面側を示す模式的な背面図である。 熱流束センサに圧縮荷重が作用した際のセンサ出力を説明するための説明図である。 第1実施形態の熱流式センサモジュールの制御部が実行する検出処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の熱流式センサモジュールの概略構成図である。 第2実施形態の熱流式センサモジュールにおいて熱流束に応じた起電圧を抽出する際の切替器の状態を説明するための説明図である。 第2実施形態の熱流式センサモジュールにおいて荷重変動に応じた起電圧を抽出する際の切替器の状態を説明するための説明図である。 第3実施形態の熱流式センサモジュールの概略構成図である。 第4実施形態の熱流式センサモジュールの設置例を示す模式図である。 第4実施形態の熱流検出部の模式的な断面図である。 第1熱流束センサの表面側を示す模式的な正面図である。 第1熱流束センサの裏面側を示す模式的な背面図である。 各熱流束センサに圧縮荷重が作用した際のセンサ出力を説明するための説明図である。 各センサ出力から抽出された熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じた起電圧を説明するための説明図である。 第4実施形態の熱流式センサモジュールの制御部が実行する検出処理の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例となる熱流式センサモジュールの概略構成図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。本実施形態の熱流式センサモジュール1は、測定対象となる機器TDに生ずる熱流および荷重といった異なる事象の変化を検出する検出器として機能する。
本実施形態では、機器TDとして、稼働状態において発熱や振動等に伴う荷重変動が生ずるモータ等のアクチュエータADを備えるものを想定している。なお、機器TDとしては、稼働状態において発熱や振動等に伴う荷重変動が生ずるものであればよく、アクチュエータADは必須ではない。
図1に示すように、機器TDは、土台となるブロック状の土台部82、アクチュエータAD等を設置するブロック状の設置部84、土台部82と設置部84との間に所定のスペースを形成するスペーサ86を備えている。
土台部82および設置部84は、金属ブロックで構成されている。スペーサ86は、樹脂ブロックで構成されている。土台部82および設置部84は、スペーサ86によって形成されたスペースに、後述する熱流式センサモジュール1の熱流検出部10が設置された状態で、ボルトネジ等の締結部材88によって互いに締結されている。なお、締結部材88は、設置部84およびスペーサ86を貫通して土台部82に締結されている。
熱流式センサモジュール1は、熱流検出部10および検出処理装置50を備えている。熱流検出部10は、土台部82と設置部84とで挟持された状態で、その位置が変化しないように、ボルト等の締結部材88によって土台部82と設置部84との間に固定されている。
熱流検出部10は、第1熱流束センサ20および第2熱流束センサ30を備えている。各熱流束センサ20、30それぞれは、板状の多層基板200、300で構成されている。各熱流束センサ20、30は、厚み方向(すなわち、多層基板200、300の積層方向)に通過する熱流束により生じた表面201、301と裏面202、302との温度差に起因してゼーベック効果による起電力が発生するようになっている。
各熱流束センサ20、30の具体的な構造については、図2〜図4を参照して説明する。図3は、第1熱流束センサ20の模式的な正面図である。また、図4は、第1熱流束センサ20の模式的な背面図である。なお、図3では、説明の便宜上、表面保護部材220の一部の図示を省略している。また、図4では、裏面保護部材230の一部の図示を省略している。
図2に示すように、各熱流束センサ20、30は、基本的な構造が同様となっている。すなわち、各熱流束センサ20、30は、絶縁基材210、310、表面保護部材220、320、裏面保護部材230、330を積層して構成される多層基板200、300で構成されている。
各絶縁基材210、310は、ポリエーテルエーテルケトン(すなわち、PEEK)、ポリエーテルイミド(すなわち、PEI)、液晶ポリマー(すなわち、LCP)等に代表される平面矩形状の熱可塑性樹脂フィルムで構成されている。
各絶縁基材210、310には、表裏を貫通する複数の第1ビアホール211、311および複数の第2ビアホール212、312が、互いに隣り合うようにマトリクス状に形成されている。なお、図2では、各ビアホール211、212、311、312が略円柱形状に形成されているものを例示したが、これに限定されない。各ビアホール211、212、311、312は、例えば、略円錐台形状や略角柱形状になっていてもよい。
第1ビアホール211、311には、第1層間接続部材240、340が埋め込まれている。また、第2ビアホール212、312には、第2層間接続部材250、350が埋め込まれている。このため、各絶縁基材210、310には、互いに隣り合うように第1層間接続部材240、340および第2層間接続部材250、350が設けられている。
第1層間接続部材240、340および第2層間接続部材250、350は、ゼーベック効果を発揮するように、互いに異なる半導体で構成されている。第1層間接続部材240、340は、例えば、Bi−Sb−Te合金の粉末が、焼結前における複数の金属原子の結晶構造を維持するように固定焼結されたP型半導体で構成される。また、第2層間接続部材250、350は、例えば、Bi−Te合金の粉末が、焼結前における複数の金属原子の結晶構造を維持するように固定焼結されたN型半導体で構成される。なお、第1層間接続部材240、340および第2層間接続部材250、350は、異なる半導体ではなく、異なる金属で構成されていてもよい。
各絶縁基材210、310の表面には、表面保護部材220、320が配置されている。各表面保護部材220、320は、ポリエーテルエーテルケトン(すなわち、PEEK)、ポリエーテルイミド(すなわち、PEI)、液晶ポリマー(すなわち、LCP)等に代表される平面矩形状の熱可塑性樹脂フィルムで構成されている。
各表面保護部材220、320は、各絶縁基材210、310と平面形状が同様の大きさとなっている。図3に示すように、第1熱流束センサ20の表面保護部材220には、絶縁基材210に相対する面に銅箔等がパターニングされた複数の表面パターン221が互いに離間するように形成されている。同様に、第2熱流束センサ30の表面保護部材320には、絶縁基材310に相対する面に銅箔等がパターニングされた複数の表面パターン321が互いに離間するように形成されている。
複数の表面パターン221、321は、それぞれ第1層間接続部材240、340および第2層間接続部材250、350に適宜電気的に接続されている。具体的には、隣り合う第1層間接続部材240、340と第2層間接続部材250、350とが一組の熱電素子260、360を構成している。そして、隣接する組の熱電素子260、360において、一方の組の熱電素子260、360の第1層間接続部材240、340と他方の組の熱電素子260、360の第2層間接続部材250、350とが、同じ表面パターン221、321に接続されている。すなわち、一組となる熱電素子260、360を跨いで第1層間接続部材240、340と第2層間接続部材250、350とが、同じ表面パターン221、321を介して接続されている。
各絶縁基材210、310の裏面には、各裏面保護部材230、330が配置されている。各裏面保護部材230、330は、ポリエーテルエーテルケトン(すなわち、PEEK)、ポリエーテルイミド(すなわち、PEI)、液晶ポリマー(すなわち、LCP)等に代表される平面矩形状の熱可塑性樹脂フィルムで構成されている。
各裏面保護部材230、330は、各絶縁基材210、310と平面形状が同様の大きさとなっている。図4に示すように、第1熱流束センサ20の裏面保護部材230には、各絶縁基材210に相対する面に銅箔等がパターニングされた複数の裏面パターン231が互いに離間するように形成されている。同様に、第2熱流束センサ30の裏面保護部材330には、絶縁基材310に相対する面に銅箔等がパターニングされた複数の裏面パターン331が互いに離間するように形成されている。
複数の裏面パターン231、331は、それぞれ第1層間接続部材240、340および第2層間接続部材250、350に適宜電気的に接続されている。具体的には、各組の熱電素子260、360を構成する第1層間接続部材240、340と第2層間接続部材250、350とが、同じ裏面パターン231、331で接続されている。
第1層間接続部材240、340および第2層間接続部材250、350は、表面パターン221、321および裏面パターン231、331によって互いに直列に接続されている。
図2に示すように、第1層間接続部材240、340および第2層間接続部材250、350の直列接続体には、一端側に第1電位測定端子201a、301aが設けられ、他端側に第2電位測定端子201b、301bが設けられている。
第1電位測定端子201a、301aは、各熱流束センサ20、30の裏面202、302側から表面201、301側に通過する熱流束が生じた際に電位が最も高くなる端子である。また、第2電位測定端子201b、301bは、各熱流束センサ20、30の裏面202、302側から表面201、301側に通過する熱流束が生じた際に電位が最も低くなる端子である。
第1電位測定端子201a、301aおよび第2電位測定端子201b、301bには、2点間の電位差を検出処理装置50に出力するための第1信号配線52a、54aおよび第2信号配線52b、54bが接続されている。
このように構成される各熱流束センサ20、30は、何らかの要因によって厚み方向に作用する荷重が変動すると、当該荷重変動に起因する起電圧が発生する。この起電圧は、圧電効果によるものと推定される。
図5は、各熱流束センサ20、30に作用する荷重が変動した際のセンサ出力の評価結果を示している。具体的には、図5は、各熱流束センサ20、30の一方を、所定の圧縮荷重が付与されるように一対の金属製の板材で挟んだ状態で、圧縮荷重を増加させた際の熱流束センサ20、30のセンサ出力を示している。この評価は、熱流束センサ20、30の厚み方向に熱流が通過しないように、一対の金属製の板材の温度が同じ温度となっている状態で行った。
本発明者らは、図5に示すセンサ出力の評価結果等によって、熱流束センサ20、30に作用する荷重が変動すると、その荷重変動に応じた起電圧が生ずることが判った。そして、荷重変動に応じて生じた起電圧は、熱流束に応じた起電圧と共に、熱流束センサ20、30のセンサ出力として出力される。すなわち、本実施形態の各熱流束センサ20、30は、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧だけでなく、荷重変動に応じた起電圧をセンサ出力として出力する構成となっている。
このため、各熱流束センサ20、30を単体で使用する場合、センサ出力に対して、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧以外にも、荷重変動に応じた起電圧が含まれる可能性がある。
そこで、本実施形態では、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力されると共に、荷重変動に応じた起電圧が同極性となって出力されるように、各熱流束センサ20、30を積層体として構成している。すなわち、本実施形態の熱流検出部10は、各熱流束センサ20、30における熱流束に応じた起電圧の極性が反対となり、各熱流束センサ20、30における荷重変動に応じた起電圧の極性が同じとなるように、各熱流束センサ20、30が配置されている。
具体的には、各熱流束センサ20、30は、互いの裏面保護部材230、330が対向するように積層されている。各熱流束センサ20、30は、互いの位置がずれないように互いの裏面202、302が接着剤等によって接合されている。
このように構成された熱流検出部10は、例えば、第1熱流束センサ20の表面201側から裏面202側に熱流が通過した際に、当該熱流が第2熱流束センサ30の裏面302側から表面301側に通過する。また、熱流検出部10は、例えば、第2熱流束センサ30の表面301側から裏面302側に熱流が通過した際に、当該熱流が第1熱流束センサ20の裏面202側から表面201側に通過する。これにより、各熱流束センサ20、30は、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力される。
一方、熱流検出部10は、例えば、第1熱流束センサ20および第2熱流束センサ30に対して圧縮荷重が作用すると、各熱流束センサ20、30それぞれが同様に圧縮される。また、熱流検出部10は、例えば、第1熱流束センサ20および第2熱流束センサ30に対して引張荷重が作用すると、各熱流束センサ20、30それぞれが同様に伸張される。これにより、各熱流束センサ20、30は、荷重変動に応じた起電圧が同極性となって出力される。
続いて、熱流式センサモジュール1の検出処理装置50について、図1、図2を参照して説明する。本実施形態の検出処理装置50は、第1電位差測定部52、第2電位差測定部54、および制御部56を備えている。
第1電位差測定部52は、第1熱流束センサ20から出力された熱流束に応じた起電圧および荷重変動に応じた起電圧を第1センサ出力V1として測定する電圧センサである。第1電位差測定部52は、第1信号配線52aおよび第2信号配線52bを介して、第1熱流束センサ20の第1電位測定端子201aおよび第2電位測定端子201bに接続されている。
第2電位差測定部54は、第2熱流束センサ30から出力された熱流束に応じた起電圧および荷重変動に応じた起電圧を第2センサ出力V2として測定する電圧センサである。第2電位差測定部54は、第1信号配線54aおよび第2信号配線54bを介して、第2熱流束センサ30の第1電位測定端子301aおよび第2電位測定端子301bに接続されている。
制御部56は、プロセッサ、メモリを有する周知のマイクロコンピュータ、およびその周辺回路にて構成される。なお、制御部56のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成される。
制御部56は、センサ配線561、562を介して各電位差測定部52、54に接続されている。これにより、制御部56には、第1熱流束センサ20から出力された第1センサ出力V1および第2熱流束センサ30から出力された第2センサ出力V2が入力される構成となっている。
制御部56は、各電位差測定部52、54で測定された各熱流束センサ20、30のセンサ出力V1、V2に基づいて、機器TDに生ずる熱流および荷重といった異なる事象の変化を個別に検出する検出処理を実行する構成となっている。なお、本実施形態では、制御部56が、第1センサ出力V1および前記第2センサ出力V2に基づいて、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧および荷重変動に応じた起電圧の少なくとも一方を抽出する抽出部として機能する。
また、図示しないが、制御部56は、その出力側に機器TDの状態に関する情報を表示する表示装置が接続されている。制御部56は、表示装置に対して、各熱流束センサ20、30それぞれのセンサ出力に基づいて、機器TDに生ずる熱流および荷重といった異なる事象に関する情報を出力する構成となっている。
次に、本実施形態の制御部56が実行する検出処理について、図6を参照して説明する。制御部56は、図6に示す検出処理を所定の周期で実行する。なお、図6に示す各制御ステップは、制御部56が有する各種の機能実現手段を構成する。
制御部56は、ステップS110にて、各電位差測定部52、54を介して、第1熱流束センサ20から出力された第1センサ出力V1および第2熱流束センサ30から出力された第2センサ出力V2を読み込む。
続いて、制御部56は、ステップS120にて、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2に基づいて、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧Vqを抽出する。前述したように、本実施形態の各熱流束センサ20、30は、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧Vqが逆極性となって出力され、荷重変動に応じた起電圧Vfが同極性となって出力される。
このため、本実施形態の制御部56は、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2を以下の数式F1に代入して、熱流束に応じた起電圧Vqを算出する。
Vq=(V1−V2)/2 …F1
ここで、第1センサ出力V1に含まれる熱流束に応じた起電圧の絶対値をVq1とし、第1センサ出力V1に含まれる荷重変動に応じた起電圧の絶対値をVf1としたとき、第1センサ出力V1は、例えば、「Vq1+Vf1」となる。
一方、第2センサ出力V2に含まれる熱流束に応じた起電圧の絶対値をVq2とし、第2センサ出力V2に含まれる荷重変動に応じた起電圧の絶対値をVf2としたとき、第2センサ出力V2は、例えば、「−Vq2+Vf2」となる。
このため、上述の数式F1の如く、第1センサ出力V1と第2センサ出力V2との減算を含む演算処理によれば、荷重変動に応じた起電圧Vf1、Vf2がキャンセルされる。すなわち、制御部56では、上述の数式F1で示す減算を含む演算処理によって、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧Vqを抽出することができる。
続いて、制御部56は、ステップS130にて、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2に基づいて、荷重変動に応じた起電圧Vfを抽出する。本実施形態の各熱流束センサ20、30は、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧Vqが逆極性となって出力され、荷重変動に応じた起電圧Vfが同極性となって出力される。
このため、本実施形態の制御部56は、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2を以下の数式F2に代入して、荷重変動に応じた起電圧Vfを算出する。
Vf=(V1+V2)/2 …F2
上述の数式F2の如く、第1センサ出力V1と第2センサ出力V2との加算を含む演算処理によれば、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧Vq1、Vq2がキャンセルされる。すなわち、制御部56では、上述の数式F2で示す加算を含む演算処理によって、荷重変動に応じた起電圧Vfを抽出することができる。
続いて、制御部56は、ステップS140にて、熱流束に応じた起電圧Vqおよび荷重変動に応じた起電圧Vfを、機器TDに関する情報として表示装置に出力する。これにより、機器TDに関する情報が表示装置を介してユーザに提供される。なお、制御部56は、例えば、各起電圧Vq、Vfが異常値を示す場合に、異常状態とであることを示すメッセージを表示装置に出力する構成となっていてもよい。
以上説明した熱流式センサモジュール1は、第1熱流束センサ20および第2熱流束センサ30が、熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力されると共に、荷重変動に応じた起電圧が同極性となって出力されるように積層された積層体で構成されている。
これによると、例えば、各熱流束センサ20、30からのセンサ出力の加減算等によって、熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じて起電圧の少なくとも一方を検出することが可能となる。
特に、本実施形態では、各熱流束センサ20、30からのセンサ出力の減算を含む演算処理によって、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧Vqを抽出し、各センサ出力の加算を含む演算処理によって、荷重変動に応じた起電圧を抽出する構成となっている。これによれば、各熱流束センサ20、30からのセンサ出力に基づいて、熱流束の発生や荷重変動といった異なる事象による起電圧を分離して検出することができる。
ここで、本実施形態の各熱流束センサ20、30は、それぞれ熱可塑性樹脂フィルムが積層された多層基板200、300で構成されている。そして、熱流検出部10は、各熱流束センサ20、30の積層体で構成されている。このため、熱流検出部10は、全体として可撓性を有している。したがって、熱流検出部10は、平坦面だけでなく、多少の凹凸のある面に対しても設置可能となっている。
なお、本実施形態では、制御部56において、各熱流束センサ20、30のセンサ出力の加減算を含む演算処理によって、熱流束に応じた起電圧Vqおよび荷重変動に応じた起電圧Vfの双方を検出する例について説明したが、これに限定されない。制御部56は、例えば、熱流束に応じた起電圧Vqおよび荷重変動に応じた起電圧Vfの一方だけを検出する構成となっていてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図7〜図9を参照して説明する。図7に示すように、本実施形態の検出処理装置50は、単一の電位差測定部53、および各熱流束センサ20、30の接続状態を切り替える切替器58を含んで構成されている。
本実施形態の電位差測定部53は、各熱流束センサ20、30から出力されたセンサ出力を測定する電圧センサである。電位差測定部53は、検出端子の一方が第1信号配線52aを介して第1電位測定端子201aに接続されている。また、電位差測定部53は、検出端子の他方が切替器58、第1信号配線54aまたは第2信号配線54bを介して、第1電位測定端子301aおよび第2電位測定端子301bの一方に接続されている。なお、電位差測定部53は、センサ配線563を介して制御部56に接続されている。
切替器58は、電位差測定部53と各熱流束センサ20、30における各電位測定端子201a、201b、301a、301bとの接続状態を切り替えるものである。具体的には、切替器58は、電位差測定部53の検出端子の他方と第1電位測定端子301aとを接続する第1接続状態、および電位差測定部53の検出端子の他方と第2電位測定端子301bとを接続する第2接続状態を選択的に切替可能に構成されている。
なお、第1接続状態は、図8に示すように、第1信号配線54aを介して電位差測定部53の検出端子の他方と第1電位測定端子301aとが接続され、第2信号配線54bを介して第2電位測定端子201bと第2電位測定端子301bとが接続される状態である。
この場合、電位差測定部53では、第1熱流束センサ20の第1電位測定端子201aと第2熱流束センサ30の第1電位測定端子301aとの電位差ΔV(=V1−V2)を測定することができる。すなわち、電位差測定部53では、荷重変動に応じた起電圧Vf1、Vf2がキャンセルされた電位差、すなわち、熱流束に応じた起電圧Vq1、Vq2の合算値を測定することができる。
第2接続状態は、図9に示すように、第2信号配線54bを介して電位差測定部53の検出端子の他方と第2電位測定端子301bとが接続され、各信号配線52b、54aを介して第2電位測定端子201bと第1電位測定端子301aとが接続される状態である。
この場合、電位差測定部53は、第1熱流束センサ20の第1電位測定端子201aと第2熱流束センサ30の第2電位測定端子301bとの電位差ΔV(=V1+V2)を測定することができる。すなわち、電位差測定部53では、熱流束に応じた起電圧Vq1、Vq2がキャンセルされた電位差、すなわち、荷重変動に応じた起電圧Vf1、Vf2の合算値を測定することができる。
本実施形態の制御部56は、熱流束に応じた起電圧を抽出する際に上述の第1接続状態となるように切替器58を制御し、荷重変動に応じた起電圧を抽出する際に上述の第2接続状態となるように切替器58を制御する。
本実施形態の制御部56は、上述の第1接続状態となるように切替器58を制御することで、熱流束に応じた起電圧Vqを抽出することができる。また、本実施形態の制御部56は、上述の第2接続状態となるように切替器58を制御することで、荷重変動に応じた起電圧Vfを抽出することができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の熱流式センサモジュール1は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、本実施形態の熱流式センサモジュール1は、切替器58による各熱流束センサ20、30の接続状態の切り替えによって、単一の電位差測定部53で、熱流束に応じた起電圧Vqおよび荷重変動に応じた起電圧Vfを抽出可能となっている。これによると、熱流式センサモジュール1の簡素な構成で実現することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態では、第1熱流束センサ20を構成する多層基板200および第2熱流束センサ30を構成する多層基板300の一部が共通化されている例について説明する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、第1熱流束センサ20を構成する多層基板を第1多層基板200と呼び、第2熱流束センサ30を構成する多層基板を第2多層基板300と呼ぶ。
具体的には、図10に示すように、本実施形態の各熱流束センサ20、30は、第1多層基板200の裏面保護部材に相当する部位と、および第2多層基板300の裏面保護部材に相当する部位とが、共通の保護部材270で構成されている。なお、保護部材270は、第1実施形態で説明した裏面保護部材230、330と同様に構成されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の熱流式センサモジュール1は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、本実施形態では、第1熱流束センサ20を構成する多層基板200および第2熱流束センサ30を構成する多層基板300の一部が共通化されているので、熱流式センサモジュール1の簡素化を図ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図11〜図18を参照して説明する。図11、図12に示すように、本実施形態の熱流検出部10は、第1熱流束センサ20と第2熱流束センサ30との間に、弾性体40が配置されている。
図13に示すように、本実施形態の第1熱流束センサ20は、複数の表面パターン221が、それぞれ第1層間接続部材240および第2層間接続部材250に適宜電気的に接続されている。同様に、本実施形態の第2熱流束センサ30は、複数の表面パターン321が、それぞれ第1層間接続部材340および第2層間接続部材350に適宜電気的に接続されている。
また、図14に示すように、本実施形態の第1熱流束センサ20は、複数の裏面パターン231が、それぞれ第1層間接続部材240および第2層間接続部材250に適宜電気的に接続されている。同様に、本実施形態の第2熱流束センサ30は、複数の裏面パターン331が、それぞれ第1層間接続部材340および第2層間接続部材350に適宜電気的に接続されている。
続いて、弾性体40は、弾性変形可能であって、伸縮した際に温度が変化する材料で構成されている。本実施形態の弾性体40は、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム等のゴム材料で構成されている。なお、弾性体40としては、伸縮した際に温度が変化する材料であれば、樹脂等の高分子材料で構成されていてもよい。
ここで、例えば、アクチュエータADの振動によって、機器TDの設置部84が振動すると、設置部84と土台部82との間隔が変化することで弾性体40が伸縮する。この際、弾性体40は、可逆変化であるグー・ジュール効果によって温度が変化する。
本実施形態の第1熱流束センサ20は、設置部84と弾性体40とで挟持されている。具体的には、本実施形態の第1熱流束センサ20は、表面201が設置部84に当接し、裏面202が弾性体40に当接している。これにより、第1熱流束センサ20は、裏面202側が弾性体40に近い温度となり、表面201側が設置部84に近い温度となる。
設置部84は、金属ブロックで構成されており、熱容量が大きいことから、弾性体40の温度変化の周期で見ると略一定の温度となる。このため、第1熱流束センサ20における表裏の温度差は、弾性体40の温度変化、すなわち、設置部84に設置されたアクチュエータADの振動に応じたものとなる。このため、第1熱流束センサ20において、弾性体40の伸縮に起因して生ずる熱流束を検出することができれば、アクチュエータADの振動を検出することが可能となる。
しかしながら、弾性体40が振動すると、第1熱流束センサ20に作用する荷重が変動することで、第1熱流束センサ20に荷重変動に応じた起電力が生ずる。また、設置部84と土台部82との間に温度差が生ずると、第1熱流束センサ20に設置部84と土台部82との温度差に起因して生ずる熱流束に応じた起電力が生ずる。
このため、第1熱流束センサ20を単体で使用すると、センサ出力に対して、弾性体40の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧以外にも、荷重変動に応じた起電圧や、設置部84と土台部82との温度差に応じた起電力が含まれる可能性がある。
そこで、本実施形態では、弾性体40の伸縮に起因して生ずる起電圧が逆極性となり、荷重変動に応じた起電圧および設置部84と土台部82との温度差に応じた起電力が同極性となるように、各熱流束センサ20、30および弾性体40を積層している。
具体的には、第1熱流束センサ20は、表面保護部材220が設置部84に当接し、裏面保護部材230が弾性体40に当接するように配置されている。なお、第1熱流束センサ20および弾性体40は、接着剤等によって接合されている。
また、第2熱流束センサ30は、表面保護部材220が弾性体40に当接し、裏面保護部材230が土台部82に当接するように配置されている。なお、第2熱流束センサ30および弾性体40は、接着剤等によって接合されている。
このように構成された熱流検出部10は、例えば、弾性体40が伸縮によって発熱した際に、第1熱流束センサ20の裏面202側から表面201側に熱流が通過すると共に、第2熱流束センサ30の表面301側から裏面302側に熱流が通過する。また、熱流検出部10は、例えば、弾性体40が伸縮によって低温になった際に、第1熱流束センサ20の表面201側から裏面202側に熱流が通過すると共に、第2熱流束センサ30の裏面302側から表面301側に熱流が通過する。これにより、本実施形態の各熱流束センサ20、30では、弾性体40の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力される。
一方、例えば、第1熱流束センサ20および第2熱流束センサ30に対して圧縮荷重が作用すると、各熱流束センサ20、30それぞれが同様に圧縮される。また、例えば、第1熱流束センサ20および第2熱流束センサ30に対して引張荷重が作用すると、各熱流束センサ20、30それぞれが同様に伸張される。これにより、各熱流束センサ20、30では、荷重変動に応じた起電圧が同極性となって出力される。
また、設置部84と土台部82との温度差に生ずる熱流は、基本的に各熱流束センサ20、30、および弾性体40の積層方向における一方向に作用する。このため、各熱流束センサ20、30では、設置部84と土台部82との温度差に起因して生ずる起電圧が同極性となって出力される。
ここで、図15は、各熱流束センサ20、30に荷重変動が生じた際のセンサ出力の評価結果を示している。具体的には、図15は、各熱流束センサ20、30および弾性体40の積層体を、所定の圧縮荷重が付与されるように一対の金属製の板材で挟んだ状態で、圧縮荷重を増加させた際の各熱流束センサ20、30のセンサ出力を示している。この評価は、熱流束センサ20、30の厚み方向に熱流が通過しないように、一対の金属製の板材の温度が同じ温度となっている状態で行った。
図15に示すように、荷重変動によって弾性体40が伸縮すると、第1熱流束センサ20からの第1センサ出力V1および第2熱流束センサ30からの第2センサ出力V2が逆極性となって出力される。この際、荷重変動による起電力が同極性となって出力されることで、各センサ出力V1、V2に差が生ずる。
ここで、例えば、第1センサ出力V1が「Vqv1+Vf1」となる場合、第2センサ出力V2が「−Vqv2+Vf2」となる。なお、「Vqv1」は、第1センサ出力V1に含まれる弾性体40の伸縮に起因する熱流束に応じた起電圧の絶対値である。「Vf1」は、第1センサ出力V1に含まれる荷重変動に応じた起電圧の絶対値である。また、「Vqv2」は、第2センサ出力V2に含まれる弾性体40の伸縮に起因する熱流束に応じた起電圧の絶対値である。「Vf2」は、第2センサ出力V2に含まれる荷重変動に応じた起電圧の絶対値である。
したがって、本実施形態の熱流式センサモジュール1では、第1センサ出力V1と第2センサ出力V2との減算を含む演算処理によって、図16に示すように、弾性体40の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧Vqvを抽出することができる。また、本実施形態の熱流式センサモジュール1では、第1センサ出力V1と第2センサ出力V2との加算を含む演算処理等によって、荷重変動に応じた起電圧Vfを抽出することが可能となる。
次に、本実施形態の制御部56が実行する検出処理について、図17を参照して説明する。制御部56は、図17に示す検出処理を所定の周期で実行する。なお、図17に示す各制御ステップは、制御部56が有する各種の機能実現手段を構成する。
制御部56は、ステップS210にて、各電位差測定部52、54を介して、第1熱流束センサ20から出力された第1センサ出力V1および第2熱流束センサ30から出力された第2センサ出力V2を読み込む。
続いて、制御部56は、ステップS220にて、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2に基づいて、弾性体40の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧Vqvを抽出する。具体的には、本実施形態の制御部56は、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2を以下の数式F3に代入して、弾性体40の伸縮に起因する熱流束に応じた起電圧Vqvを算出する。
Vqv=(V1−V2)/2 …F3
ここで、第1センサ出力V1に含まれる設置部84と土台部82との温度差に起因して生ずる起電力をVqs1としたとき、第1センサ出力V1は、例えば、「Vqv1+Vqs1+Vf1」となる。
一方、第2センサ出力V2に含まれる設置部84と土台部82との間に生ずる熱流による起電力をVqs2としたとき、第2センサ出力V2は、例えば、「−Vqv2+Vqs2+Vf2」となる。
このため、上述の数式F3の如く、第1センサ出力V1と第2センサ出力V2との減算を含む演算処理によれば、荷重変動に応じた起電圧Vf1、Vf2、および設置部84と土台部82との温度差による起電力Vqs1、Vqs2がキャンセルされる。すなわち、制御部56では、上述の数式F3で示す減算を含む演算処理によって、弾性体40の伸縮に起因する熱流束に応じた起電圧Vqvを抽出することができる。
続いて、制御部56は、ステップS230にて、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2に基づいて、荷重変動に応じた起電圧Vfを抽出する。具体的には、制御部56は、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2の加算を含む演算処理によって得られた演算結果における低周波成分をカットすることで、荷重変動に応じた起電圧Vfを算出する。なお、設置部84と土台部82との温度差に起因して生ずる起電圧Vqsは、荷重変動に応じた起電圧Vfに比べて変動周波数が小さい。このため、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2の加算を含む演算処理によって得られた演算結果における低周波成分をカットすることで、荷重変動に応じた起電圧Vfを算出することができる。
続いて、制御部56は、ステップS240にて、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2に基づいて、設置部84と土台部82との温度差に起因する起電圧Vqsを抽出する。具体的には、制御部56は、第1センサ出力V1および第2センサ出力V2の加算を含む演算処理によって得られた演算結果における高周波成分をカットすることで、設置部84と土台部82との温度差に起因する起電圧Vqsを算出する。
続いて、制御部56は、ステップS250にて各起電圧Vqv、Vqs、Vfを、機器TDに関する情報として表示装置に出力する。これにより、機器TDに関する情報が表示装置を介してユーザに提供される。なお、制御部56は、例えば、各起電圧Vqv、Vqs、Vfが異常値を示す場合に、異常状態であることを示すメッセージを表示装置に出力する構成となっていてもよい。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の熱流式センサモジュール1は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。すなわち、本実施形態の熱流式センサモジュール1では、各熱流束センサ20、30からのセンサ出力に基づいて、異なる事象で生じた起電圧を個別に検出することができる。
特に、本実施形態では、弾性体40が伸縮した際に生ずる熱流束に応じた起電圧Vqvを検出する構成となっているので、弾性体40が伸縮した際に生ずる熱流束に応じた起電圧Vqvに基づいて、機器TDの振動状態を把握することが可能となる。
なお、本実施形態では、制御部56において、各熱流束センサ20、30のセンサ出力の加減算を含む演算処理によって、異なる事象で生じた各起電圧Vqv、Vqs、Vfそれぞれを検出する例について説明したが、これに限定されない。制御部56は、例えば、異なる事象で生じた各起電圧Vqv、Vqs、Vfの一部だけを検出する構成となっていてもよい。
(変形例)
上述の第4実施形態では、第1電位差測定部52および第2電位差測定部54によって各熱流束センサ20、30から出力された起電圧を検出する例について説明したが、これに限定されない。熱流式センサモジュール1は、例えば、図18に示すように、各熱流束センサ20、30の接続状態を切替器58で切り替えることで、単一の電位差測定部53によって各起電圧Vqv、Vqs、Vfを抽出する構成となっていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の各実施形態では、熱流式センサモジュール1の熱流検出部10が機器TDの土台部82と設置部84との間に配置される例について説明したが、これに限定されない。熱流検出部10は、例えば、温度の異なる機器の間に配置されていてもよい。
上述の各実施形態では、制御部56が機器TDに関する情報を表示装置に出力する例について説明したが、これに限定されない。制御部56は、例えば、機器TDを制御する機器側制御装置に対して、機器TDに関する情報を出力する構成となっていてもよい。
上述の各実施形態では、多層基板200、300を構成する絶縁基材210、310、表面保護部材220、320、裏面保護部材230、330が、熱可塑性樹脂フィルムで構成される例について説明したが、これに限定されない。絶縁基材210、310、表面保護部材220、320、裏面保護部材230、330は、熱可塑性樹脂フィルム以外のフィルム状の部材で構成されていてもよい。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、熱流式センサモジュールの各熱流束センサは、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力されると共に、荷重変動に応じた起電圧が同極性となって出力されるように積層されている。
第2の観点によれば、熱流式センサモジュールは、抽出部が、第1センサ出力と第2センサ出力との減算を含む演算処理によって、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧を抽出する構成となっている。また、抽出部は、第1センサ出力と第2センサ出力との加算を含む演算処理によって、荷重変動に応じた起電圧を抽出する構成となっている。これによれば、各熱流束センサからのセンサ出力に基づいて、熱流束の発生や荷重変動といった異なる事象による起電圧を分離して検出することができる。
第3の観点によれば、熱流式センサモジュールは、第1熱流束センサおよび第2熱流束センサの接続状態を切り替える切替器を備える。抽出部は、切替器によって、第1熱流束センサおよび第2熱流束センサの接続状態を、第1センサ出力および第2センサ出力の減算値が出力される接続状態とすることで、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧を抽出する構成となっている。また、抽出部は、切替器によって、第1熱流束センサおよび第2熱流束センサの接続状態を、第1センサ出力および第2センサ出力の加算値が出力される接続状態とすることで、荷重変動に応じた起電圧を抽出する構成となっている。これによっても、各熱流束センサからのセンサ出力に基づいて、熱流束の発生や荷重変動といった異なる事象による起電圧を分離して検出することができる。
第4の観点によれば、熱流式センサモジュールは、第1熱流束センサと第2熱流束センサとの間に配置され、伸縮した際に温度が変化する弾性体を備える。第1センサ出力には、弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧が含まれている。また、第2センサ出力には、弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧が含まれている。そして、第1熱流束センサ、第2熱流束センサ、および弾性体は、弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力されるように積層された積層体として構成されている。
これによれば、例えば、各熱流束センサからのセンサ出力の加減算等によって、弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じた起電圧の少なくとも一方を検出することが可能となる。
第5の観点によれば、熱流式センサモジュールは、抽出部が、第1センサ出力と第2センサ出力との減算を含む演算処理によって、弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧を抽出する構成となっている。これによれば、各熱流束センサからのセンサ出力に基づいて、弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧を高精度に検出することができる。
第6の観点によれば、熱流式センサモジュールは、第1熱流束センサおよび第2熱流束センサそれぞれが多層基板で構成されている。この多層基板は、表裏を貫通する複数の第1ビアホールおよび複数の第2ビアホールが形成された絶縁基材、各ビアホールに埋め込まれると共に互いに異なる金属または半導体で形成された第1層間接続部材および第2層間接続部材を含んで構成されている。そして、第1熱流束センサを構成する多層基板を第1多層基板とし、第2熱流束センサを構成する多層基板を第2多層基板としたとき、第1多層基板および第2多層基板の一部が、共通化されている。これによると、熱流式センサモジュールを簡素な構成で実現することができる。
1 熱流式センサモジュール
20 第1熱流束センサ
30 第2熱流束センサ
56 制御部(抽出部)

Claims (6)

  1. 熱流式センサモジュールであって、
    表裏を通過する熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じた起電圧を第1センサ出力として出力する板状の第1熱流束センサ(20)と、
    表裏を通過する熱流束に応じた起電圧、および荷重変動に応じた起電圧を第2センサ出力として出力する板状の第2熱流束センサ(30)と、
    前記第1センサ出力および前記第2センサ出力に基づいて、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧および荷重変動に応じた起電圧の少なくとも一方を抽出する抽出部(56)と、を備え、
    前記第1熱流束センサおよび前記第2熱流束センサは、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力されると共に、荷重変動に応じた起電圧が同極性となって出力されるように積層された積層体として構成されている熱流式センサモジュール。
  2. 前記抽出部は、
    前記第1センサ出力と前記第2センサ出力との減算を含む演算処理によって、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧を抽出し、
    前記第1センサ出力と前記第2センサ出力との加算を含む演算処理によって、荷重変動に応じた起電圧を抽出する構成となっている請求項1に記載の熱流式センサモジュール。
  3. 前記第1熱流束センサおよび前記第2熱流束センサの接続状態を切り替える切替器(58)を備え、
    前記抽出部は、
    前記切替器によって、前記第1熱流束センサおよび前記第2熱流束センサの接続状態を、前記第1センサ出力および前記第2センサ出力の減算値が出力される接続状態とすることで、表裏を通過する熱流束に応じた起電圧を抽出し、
    前記切替器によって、前記第1熱流束センサおよび前記第2熱流束センサの接続状態を、前記第1センサ出力および前記第2センサ出力の加算値が出力される接続状態とすることで、荷重変動に応じた起電圧を抽出する構成となっている請求項1に記載の熱流式センサモジュール。
  4. 前記第1熱流束センサと前記第2熱流束センサとの間に配置され、伸縮した際に温度が変化する弾性体(40)を備え、
    前記第1センサ出力には、前記弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧が含まれており、
    前記第2センサ出力には、前記弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧が含まれており、
    前記第1熱流束センサ、前記第2熱流束センサ、および前記弾性体は、前記弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧が逆極性となって出力されるように積層された積層体として構成されている請求項1に記載の熱流式センサモジュール。
  5. 前記抽出部は、前記第1センサ出力と前記第2センサ出力との減算を含む演算処理によって、前記弾性体の伸縮に起因して生ずる熱流束に応じた起電圧を抽出する構成となっている請求項4に記載の熱流式センサモジュール。
  6. 前記第1熱流束センサおよび前記第2熱流束センサそれぞれは、表裏を貫通する複数の第1ビアホール(211、311)および複数の第2ビアホール(212、312)が形成された絶縁基材(210)、前記第1ビアホールおよび前記第2ビアホールに埋め込まれると共に互いに異なる金属または半導体で形成された第1層間接続部材(240、340)および第2層間接続部材(250、350)を有する多層基板(200、300)で構成されており、
    前記第1熱流束センサを構成する前記多層基板を第1多層基板(200)とし、前記第2熱流束センサを構成する前記多層基板を第2多層基板(300)としたとき、前記第1多層基板および前記第2多層基板の一部が、共通化されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱流式センサモジュール。
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