JP2018189394A - 沸騰水型原子炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉内の流動に影響を与えることなく、窒素−16を含む窒素化合物のタービン設備系統への移行を適切に阻止できる沸騰水型原子炉を提供する。【解決手段】原子炉圧力容器内で発生した蒸気を輸送する主蒸気管と、その主蒸気管で輸送される蒸気の輸送系統に配置される放射化窒素除去フィルタと、放射化窒素除去フィルタを透過しなかった物質を主蒸気管又は原子炉圧力容器から取り出して処理する気体廃棄物処理設備とを備える。放射化窒素除去フィルタは、蒸気を透過し、窒素および窒素化合物の透過を抑制する。【選択図】図1

Description

本発明は、沸騰水型原子炉に関する。
沸騰水型原子炉は、炉心での核分裂反応によって生じた熱エネルギーで、冷却水を沸騰させ蒸気に変える。このようにして得られた蒸気を気水分離器および蒸気乾燥器を経て蒸気タービンに送り、タービン発電機で発電する。沸騰水型原子炉は、炉心で直接蒸気を発生させるため、加圧水型原子炉に比べて蒸気発生器などが不要であり、システムを単純化できる。
原子炉の炉心部では核分裂反応により中性子が発生し、その中性子により炉水中の酸素分子(酸素−16)が放射化される。酸素−16は放射化されることで、高エネルギーガンマ線を放出する放射化窒素(窒素−16)となる。沸騰水型原子炉では、蒸気と一緒にこの窒素−16を含む窒素化合物がタービン設備系統に運ばれる。窒素化合物に含まれる窒素−16は、ガンマ線エネルギー(6.1MeV)が高いため、タービン設備系統における支配的な線源となる。
従来、沸騰水型原子炉では、特許文献1に記載されるように、タービンや主要な弁に関わる様々な系統を遮蔽することで、タービン設備系統の雰囲気線量の低減を図り、従事者の被ばく低減を図ると共に、放射線の漏洩を防いでいる。
タービン設備系統の線量の低減技術は、前述した遮蔽の他に、この窒素−16を含む窒素化合物のタービン設備系統への移行を遅らせる、もしくは防止することが考えられてきた。
例えば、原子炉圧力容器内に邪魔板を設置し、蒸気が炉心を出てからタービン設備系統へ到達するまでに掛かる時間を延ばすことで、タービン設備系統での線量の低減を図ることが考えられる。これは、窒素−16の半減期が7.13秒と短いことを利用して、その間に窒素−16を崩壊させることでタービン設備系統での線量の低減を図るものである。
また別の対策として、原子炉圧力容器内の炉心近くのチェレンコフ光が届く位置に触媒、およびその後段にゼオライトや活性炭などの吸着材を設置し、触媒の効果により窒素−16を揮発性の低い、もしくは吸着が容易な形態の窒素化合物に変えることが知られている。
この場合には、その窒素化合物をゼオライトや活性炭で吸着することで、できる限り窒素−16を含む窒素化合物を極力原子炉圧力容器内の留め、タービン設備系統への移行を防止し、タービン設備系統での線量の低減を図ることができる。
特開2000−147178号公報
ところで、近年、配管の応力腐食割れを防止する目的で、炉水に貴金属や水素、ヒドラジンなどを注入し、炉水中の溶存酸素を低減させることが行われている。この応力腐食割れ防止の技術は、プラント保全の観点からは好ましいものの、その結果、炉水が還元雰囲気に変化してしまう。炉水が還元雰囲気となった場合、酸素−16が放射化して生成される窒素−16は、一酸化窒素、アンモニアなどの窒素化合物の形態となりやすい。これらはいずれも揮発しやすいため、原子炉各系統内を移行しやすい化学形態になる。その結果、タービン設備系統へ移行する窒素−16を含む窒素化合物が増加して、遮蔽のためにタービン設備系統の建設コストやメンテナンスコストが増大する可能性がある。
また、上述したように原子炉圧力容器内に邪魔板を設置する場合、流動抵抗も大きくなるため、プラントの効率が低下するという問題が発生する。さらに、原子炉圧力容器の中に邪魔板という大型の構造物を設置するため、原子炉圧力容器自体の大型化を招き、その分コストが増大するという問題もある。
また、炉心近くに触媒や吸着剤を設置した場合には、これらが過酷な環境に置かれることから性能を常に維持するのが難しいという問題がある。また炉心近くに触媒や吸着剤を設置した場合には、冷却材の流動特性に与える影響が大きい。
本発明は、炉内の流動に影響を与えることなく、窒素−16を含む窒素化合物のタービン設備系統への移行を阻止して、建設コストやメンテナンスコストを低減すると共に従事者の被ばく線量を低減できる沸騰水型原子炉を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならは、原子炉圧力容器内で発生した蒸気を輸送する主蒸気管と、主蒸気管で輸送される蒸気の輸送系統に配置された、蒸気を透過し、窒素および窒素化合物の透過を抑制する放射化窒素除去フィルタと、放射化窒素除去フィルタを透過しなかった物質を、主蒸気配管又は原子炉圧力容器から取り出して処理する気体廃棄物処理設備とを備える。
本発明によれば、窒素−16を含む窒素化合物を放射化窒素除去フィルタで捕捉することで、放射化窒素除去フィルタより下流側のタービン設備系統に窒素−16を含む窒素化合物が移行することを抑制することができる。それにより、コスト増を招く大掛かりな遮蔽を不要とし、かつタービン設備系統での雰囲気線量の低減し、従事者の被ばくを低減できるようになる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態例に係る沸騰水型原子炉の主要系統を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態例に係るフィルタ配置部を拡大して示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態例に係る沸騰水型原子炉の主要系統を示す構成図である。 本発明の第3の実施の形態例に係る沸騰水型原子炉の主要系統を示す構成図である。 本発明の第4の実施の形態例に係る沸騰水型原子炉の主要系統を示す構成図である。
[1.第1の実施の形態例]
以下、本発明の第1の実施の形態例を、図1および図2を参照して参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態例の沸騰水型原子炉の主要系統の構成を示す。
図1に示す沸騰水型原子炉の構成について説明すると、原子炉圧力容器1内では、炉心2での核分裂反応によって生じた熱エネルギーで、炉水を沸騰させ蒸気を発生させる。炉心2で発生した蒸気は、炉心2の上部に設置された気水分離器(図示せず)とさらに上部に設置した蒸気乾燥器(図示せず)により、蒸気に含まれる液滴が除去され乾燥される。そして、乾燥された蒸気が、蒸気タービンに供給するため主蒸気管3に流入する。
炉心2内では、炉心2で蒸気を発生させる際に、炉水に含まれる酸素−16が、核分裂反応により放出される中性子と核反応を起こし、放射性の窒素−16と水素原子とが生成される。生成された窒素−16は、炉水の水分子や、水分子が放射線分解して生成したラジカル等と反応し、アンモニアや窒素酸化物(一酸化窒素、二酸化窒素、硝酸イオンなど)の化学形態をとる。これらの窒素−16を含む窒素化合物のうち、揮発性の高いアンモニアや一酸化窒素は、蒸気とともに気水分離器、蒸気乾燥器を通り、蒸気の輸送系統である主蒸気管3に流入する。
主蒸気管3は、通常、複数本配置される。たとえば、改良型沸騰水型原子炉の場合は、主蒸気管3が4本配置される。図1では説明を簡単にするために、主蒸気管3を1本として示す。そして、この複数本の主蒸気管3内の蒸気圧力を均一にするために、主蒸気管3の途中に、主蒸気管ヘッダ5が設けられている。全ての主蒸気管3は主蒸気管ヘッダ5に接続されており、炉心2で発生した蒸気は全て主蒸気管ヘッダ5に流入する。そして、蒸気と共に窒素−16を含む窒素化合物のうち、揮発性の高いアンモニアや一酸化窒素も主蒸気管ヘッダ5に流入する。なお、原子炉圧力容器1と主蒸気管ヘッダ5との間の主蒸気管3には、主蒸気隔離弁4が取り付けられている。
主蒸気管ヘッダ5に一旦集められた蒸気は、蒸気の輸送系統の一部である蒸気配管33を介して、タービン設備系統に供給される。ここでのタービン設備系統は、プラント内の蒸気を利用する機器であり、後述する高圧タービン9や低圧タービン11などの蒸気タービンが含まれる。
すなわち、主蒸気管ヘッダ5は、ヘッダ出口接続部5aから蒸気配管33により高圧タービン9に接続され、高圧タービン9に蒸気が供給される。ここで、主蒸気管ヘッダ5のヘッダ出口接続部5aには、放射化窒素除去フィルタ6が配置されている。
図2は、主蒸気管ヘッダ5の出口に放射化窒素除去フィルタ6が配置される状態を示した断面図である。
図2に示すように、主蒸気管ヘッダ5のヘッダ出口接続部5aには、放射化窒素除去フィルタ6が配置される。したがって、ヘッダ出口接続部5aから蒸気配管33に供給される蒸気は、放射化窒素除去フィルタ6を通過する。
放射化窒素除去フィルタ6は、蒸気を透過し窒素化合物の透過を抑制するフィルタとしての機能を持つ。この放射化窒素除去フィルタ6が窒素化合物の透過を抑制することで、窒素化合物に含まれる窒素−16についても、放射化窒素除去フィルタ6で除去される。
蒸気を透過し窒素化合物の透過を抑制する放射化窒素除去フィルタ6としては、例えば酸化グラフェン膜が適用可能である。酸化グラフェン膜は、蒸気を選択的に透過できる特性を持つと共に、蒸気を透過させる際の圧力損失が小さく、プラント効率や炉水の流動に悪影響を与えない特性を持っている。また万が一、燃料棒被覆管に極小さい孔が開いた場合、キセノンやクリプトンなどの放射性希ガスが蒸気中に混入する可能性があるが、酸化グラフェン膜はこれら放射性希ガスも捕捉できる。
図1の説明に戻ると、放射化窒素除去フィルタ6により窒素−16を含む窒素化合物が除去された蒸気は、主蒸気止め弁7および蒸気加減弁8を経て高圧タービン9に入る。高圧タービン9を出た蒸気は、クロスアラウンド管19を通り、湿分分離加熱器10で加熱され、低圧タービン11に入る。
湿分分離加熱器10の加熱源としては、主蒸気管ヘッダ5から加熱源取出し用配管34を介して取り出した蒸気が用いられる。
ここで、主蒸気管ヘッダ5の加熱源取出し用配管34の接続部についても、放射化窒素除去フィルタ6が配置されている。したがって、主蒸気管ヘッダ5から湿分分離加熱器10に加熱源として供給される蒸気についても、放射化窒素除去フィルタ6で窒素−16を含む窒素化合物が除去されたものになる。
このようにして、高圧タービン9および低圧タービン11に蒸気が供給されることで、高圧タービン9および低圧タービン11に接続された発電機12で発電が行われる。
低圧タービン11を出た蒸気は、復水器13で冷却水(一般的には海水)により冷やされ、水に戻る。冷却水は、循環水ポンプ15により復水器13に送られる。
復水器13で水に戻った炉水は、低圧復水ポンプ21により復水浄化装置20に送られ、原子炉給水として十分な水質に処理される。その後、高圧復水ポンプ22で昇圧され、低圧給水加熱器16で加熱される。そして、給水ポンプ18でさらに昇圧され、高圧給水加熱器17により加熱された後、原子炉圧力容器1に再び供給される。
また、沸騰水型原子炉は、起動時やタービントリップ時などに、主蒸気管ヘッダ5の蒸気を直接復水器13に導くタービンバイパス系29を備える。タービンバイパス系29には、タービンバイパス弁14が取り付けられている。
例えばタービントリップ時には主蒸気止め弁7を急閉してタービンをオーバースピードから保護すると共に、タービンバイパス弁14を急開し、主蒸気管ヘッダ5の蒸気を復水器13に逃がすことで原子炉圧力容器1や主蒸気管3等の圧力が上昇することを防止する。また、主蒸気管ヘッダ5には、放射化窒素除去フィルタ6で透過させない気体(窒素−16を含む窒素化合物)が溜まることになるが、この気体は、タービンバイパス弁14を開くことで、タービンバイパス弁14を介して復水器13に排出される。
ここで、復水器13には、気体廃棄物処理設備を備えた気体廃棄物処理ライン30が接続される。すなわち、復水器13に排出された窒素―16を含む窒素化合物、酸素、水素は、気体廃棄物処理ライン30に抜き出される。気体廃棄物処理ライン30には、空気抽出器32が接続され、空気抽出器32の駆動蒸気により水素ガス濃度を希釈した上で、復水器13で取り出した気体が排ガス予熱器23に供給される。排ガス予熱器23に供給された気体は、排ガス予熱器23で余熱された後、排ガス再結合器24に導かれ、内部の触媒25により水素と酸素を反応させて蒸気に戻される。その後、排ガス復水器26で水分を冷却除去し、気体廃棄物の体積を減らす処理が行われる。さらに、排ガス減衰管31により、窒素―16のような短半減期核種を減衰させる処理が行われる。その後、希ガスホールドアップ装置27により、放射性希ガスが万が一に含まれていた場合は吸着除去し、放射性物質を含まない気体を最終的に排気塔28から排出する。
したがって、主蒸気管ヘッダ5内に窒素化合物などが溜まった場合であっても、その主蒸気管ヘッダ5内の気体を、タービンバイパス系29を介して復水器13に排出することで、気体廃棄物処理設備で放射性物質を含まない気体となって排出させることができる。
以上説明したように、本実施の形態例の沸騰水型原子炉は、主蒸気管ヘッダ5に取り付けられた放射化窒素除去フィルタ6により、原子炉圧力容器1内で発生した蒸気に含まれる窒素−16を含む窒素化合物を、主蒸気管ヘッダ5内に溜めることができる。これにより、タービン設備系統への窒素−16を含む窒素化合物の移行を抑制できるようになる。タービン設備系統への窒素−16を含む窒素化合物の移行が抑制されることで、タービン設備系統の遮蔽を不要、もしくは万が一の事態に備えての最小限の遮蔽とすることができ、タービン設備系統の建設コストやメンテナンスコストを低減することができる。また、従事者の被ばく量を低減することができる。
また、主蒸気管ヘッダ5に溜まった窒素−16を含む窒素化合物は、タービンバイパス系29を介して復水器13に排出した後、復水器13に接続された気体廃棄物処理設備で処理するようにしたため、既設の沸騰水型原子炉への本実施の形態例の適用を容易にできる。すなわち、既設の沸騰水型原子炉は、復水器13に気体廃棄物処理系が接続されており、既設の気体廃棄物処理設備をそのまま利用することができ、主蒸気管ヘッダ5に放射化窒素除去フィルタ6を取り付ける改造だけで、本実施の形態例を適用することが可能になる。
[2.第2の実施の形態例]
次に、本発明の第2の実施の形態例を、図3を参照して参照して説明する。この図3において、第1の実施の形態例で説明した図1および図2に対応する部分には同一符号を付し、重複説明は省略する。
図3は、第2の実施の形態例の沸騰水型原子炉の主要系統の構成を示す。
図3に示す沸騰水型原子炉は、主蒸気管ヘッダ5の蒸気配管33への出口(ヘッダ出口接続部5a)に放射化窒素除去フィルタ6を取り付けると共に、主蒸気管ヘッダ5の加熱源取出し用配管34への出口に放射化窒素除去フィルタ6を取り付ける点は、第1の実施の形態例と同じである。
さらに、本実施の形態例では、主蒸気管ヘッダ5のタービンバイパス系29への出口にも、放射化窒素除去フィルタ6を取り付け、タービンバイパス系29にも窒素−16を含む窒素化合物が供給されないようにしている。
そして、主蒸気管ヘッダ5に、気体廃棄物処理ライン30が接続される。気体廃棄物処理ライン30には、排ガス予熱器23、排ガス再結合器24、触媒25、排ガス復水器26、排ガス減衰管31および希ガスホールドアップ装置27が順に接続される。そして、希ガスホールドアップ装置27に接続された排気塔28から、放射性物質を含まない気体が排出される。なお、図1の気体廃棄物処理ライン30に接続される空気抽出器32は、図3の例では接続されない。
図3に示す沸騰水型原子炉のその他の箇所については、図1に示す沸騰水型原子炉と同様の構成とする。
本実施の形態例の沸騰水型原子炉は、主蒸気管ヘッダ5に取り付けられた放射化窒素除去フィルタ6により、原子炉圧力容器1内で発生した蒸気に含まれる窒素−16を含む窒素化合物を、主蒸気管ヘッダ5内に溜めることができる。特に、主蒸気管ヘッダ5からタービンバイパス系29への出口にも放射化窒素除去フィルタ6を配置したことで、主蒸気管ヘッダ5より先のタービン設備系統への窒素−16を含む窒素化合物の移行を抑制できるようになる。したがって、復水器13を小型に構成できるようになる。
すなわち、従来の一般的な沸騰水型原子炉では、復水器に流入する蒸気に、窒素−16のような放射能が含まれ、その放射能を減ずる目的で復水の滞留時間(およそ2、3分)を稼ぐために、水に戻った蒸気を一旦滞留させる場所として大型のホットウェルを備えている。しかしながら、本実施の形態例では、復水器13に流入する蒸気から、放射能を持つ窒素−16を含む窒素化合物が除去されているため、ホットウェルの大きさは低圧復水ポンプ21が安定的に吸い込める最小のサイズとすることができ、復水器13を小型化することができる。
また、窒素−16を含む窒素化合物が供給される箇所として、主蒸気管ヘッダ5から気体廃棄物処理ライン30に接続された系に限られるため、それだけタービン設備系統の遮蔽を簡素化することが可能になる。
[3.第3の実施の形態例]
次に、本発明の第3の実施の形態例を、図4を参照して参照して説明する。この図4において、第1および第2の実施の形態例で説明した図1〜図3に対応する部分には同一符号を付し、重複説明は省略する。
図4は、第3の実施の形態例の沸騰水型原子炉の主要系統の構成を示す。
図4に示す沸騰水型原子炉は、主蒸気管3から主蒸気管ヘッダ5への入口である、ヘッダ入口接続部5bに、放射化窒素除去フィルタ6を取り付けている。そして、主蒸気管ヘッダ5の出口側には、放射化窒素除去フィルタ6が配置されない。すなわち、主蒸気管ヘッダ5からの出口である、蒸気配管33と、加熱源取出し用配管34と、タービンバイパス系29には、放射化窒素除去フィルタ6が配置されない構成になる。
また、本実施の形態例では、主蒸気管ヘッダ5の上流部の主蒸気管3の途中に、気体廃棄物処理ライン30を接続する。ここで、気体廃棄物処理ライン30の取り込み口を放射化窒素除去フィルタ6に近接した上流部とし、窒素―16を含む窒素化合物、酸素、水素など放射化窒素除去フィルタ6を透過しなかった物質は気体廃棄物処理ライン30に供給される。気体廃棄物処理ライン30に接続される気体廃棄物処理設備の構成は、第2の実施の形態例で説明した図3の例と同じであり、放射化窒素除去フィルタ6を透過しなかった物質が気体廃棄物処理設備で処理され、放射性物質を含まない気体が排気塔28から排出される。
図4に示す沸騰水型原子炉のその他の箇所については、図1に示す沸騰水型原子炉と同様の構成とする。
本実施の形態例の沸騰水型原子炉は、主蒸気管ヘッダ5についても、窒素―16を含む窒素化合物の流入が防がれるようになる。したがって、主蒸気管ヘッダ5についても遮蔽する必要がなくなり、遮蔽が必要な範囲を狭くできるようになる。
[4.第4の実施の形態例]
次に、本発明の第4の実施の形態例を、図5を参照して参照して説明する。この図5において、第1〜第3の実施の形態例で説明した図1〜図4に対応する部分には同一符号を付し、重複説明は省略する。
図5は、第4の実施の形態例の沸騰水型原子炉の主要系統の構成を示す。
図5に示す沸騰水型原子炉は、原子炉圧力容器1の主蒸気管3への出口部3a(主蒸気管3の入口部)に、放射化窒素除去フィルタ6を配置する。そして、主蒸気管ヘッダ5には、放射化窒素除去フィルタ6が配置されない構成になる。
また、気体廃棄物処理ライン30の取り込み口を、原子炉圧力容器1の上部(運転中はほぼ蒸気のみが存在する部分)とし、窒素―16を含む窒素化合物、酸素、水素など放射化窒素除去フィルタ6を透過しなかった物質を気体廃棄物処理設備で処理させる。気体廃棄物処理ライン30に接続される気体廃棄物処理設備の構成は、第2の実施の形態例で説明した図3の例と同じであり、放射化窒素除去フィルタ6を透過しなかった物質が気体廃棄物処理設備で処理され、放射性物質を含まない気体が排気塔28から排出される。
図5に示す沸騰水型原子炉のその他の箇所については、図1に示す沸騰水型原子炉と同様の構成とする。
本実施の形態例の沸騰水型原子炉は、窒素―16を含む窒素化合物を、原子炉圧力容器1内に閉じ込めることができ、遮蔽が必要な範囲を限定できる。特に、原子炉圧力容器1は元々生体遮蔽が施されているため、特段の遮蔽の追加の必要がない。但し、本実施の形態例の場合には、気体廃棄物処理ライン30を原子炉圧力容器1と接続する必要があるため、原子炉圧力容器1および原子炉格納容器に貫通孔を追加する必要が生じ、万が一の事故に備え、隔離弁などの追加が必要となる。
[5.変形例]
なお、上述した各実施の形態例で説明した構成は、それぞれ好適な一例を示したものであり、本発明は各図に示す構成に限定されるものではない。例えば、蒸気を透過し窒素化合物の透過を抑制する放射化窒素除去フィルタ6として、上述した実施の形態例では酸化グラフェン膜を使用したが、蒸気を透過し窒素化合物の透過を抑制するフィルタであれば、他の素材を使ったフィルタを使用してもよい。
また、本発明は上記した各実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態例の構成の一部を他の実施の形態例や変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態例の構成に他の実施の形態例や変形例の構成に置き換えることも可能である。また、実施の形態例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…主蒸気管、3a…出口部、4…主蒸気隔離弁、5…主蒸気管ヘッダ、5a…ヘッダ出口接続部、5b…ヘッダ入口接続部、6…放射化窒素除去フィルタ、7…主蒸気止め弁、8…蒸気加減弁、9…高圧タービン、10…湿分分離加熱器、11…低圧タービン、12…発電機、13…復水器、14…タービンバイパス弁、15…循環水ポンプ、16…低圧給水加熱器、17…高圧給水加熱器、18…給水ポンプ、19…クロスアラウンド管、20…復水浄化装置、21…低圧復水ポンプ、22…高圧復水ポンプ、23…排ガス予熱器、24…排ガス再結合器、25…触媒、26…排ガス復水器、27…希ガスホールドアップ装置、28…排気塔、29…タービンバイパス系、30…気体廃棄物処理ライン、31…排ガス減衰管、32…空気抽出器、33…蒸気配管、34…加熱源取出し用配管

Claims (8)

  1. 原子炉圧力容器内で発生した蒸気を輸送する主蒸気管と、
    前記主蒸気管で輸送される蒸気の輸送系統に配置され、蒸気を透過し、窒素および窒素化合物の透過を抑制する放射化窒素除去フィルタと、
    前記放射化窒素除去フィルタを透過しなかった物質を、前記主蒸気管又は前記原子炉圧力容器から取り出して処理する気体廃棄物処理設備と、を備える
    沸騰水型原子炉。
  2. 前記主蒸気管により輸送される蒸気を復水器に導くタービンバイパス配管を備え、
    前記タービンバイパス配管には、前記放射化窒素除去フィルタを透過していない蒸気を供給し、
    前記気体廃棄物処理設備を前記復水器に接続するようにした
    請求項1に記載の沸騰水型原子炉。
  3. 前記主蒸気管に取り付けられた主蒸気管ヘッダの出口に、前記放射化窒素除去フィルタを配置し、
    前記タービンバイパス配管を、前記主蒸気管ヘッダから引き出すようにした
    請求項2に記載の沸騰水型原子炉。
  4. 前記放射化窒素除去フィルタを、前記主蒸気管ヘッダから湿分分離加熱器の加熱源取出し用配管にも配置した
    請求項3に記載の沸騰水型原子炉。
  5. 前記主蒸気管により輸送される蒸気を、前記放射化窒素除去フィルタを介して復水器に導くタービンバイパス配管を備える
    請求項1に記載の沸騰水型原子炉。
  6. 前記主蒸気管に取り付けられた主蒸気管ヘッダの入口に、前記放射化窒素除去フィルタを配置し、
    前記主蒸気管ヘッダの入口より上流の前記主蒸気管から取り出した前記物質を、前記気体廃棄物処理設備に供給するようにした
    請求項1に記載の沸騰水型原子炉。
  7. 前記原子炉圧力容器に取り付けられた前記主蒸気管の入口に、前記放射化窒素除去フィルタを配置し、
    前記主蒸気管とは別の気体廃棄物処理ラインの取り込み口を、前記原子炉圧力容器に設け、前記気体廃棄物処理ラインを介して取り出した前記物質を、前記気体廃棄物処理設備に供給するようにした
    請求項1に記載の沸騰水型原子炉。
  8. 前記放射化窒素除去フィルタとして、酸化グラフェン膜を用いた
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の沸騰水型原子炉。
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