JP2001147291A - 沸騰水型原子力プラント - Google Patents

沸騰水型原子力プラント

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JP2001147291A
JP2001147291A JP33164599A JP33164599A JP2001147291A JP 2001147291 A JP2001147291 A JP 2001147291A JP 33164599 A JP33164599 A JP 33164599A JP 33164599 A JP33164599 A JP 33164599A JP 2001147291 A JP2001147291 A JP 2001147291A
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radioactive
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boiling water
nuclear power
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Hidetoshi Karasawa
英年 唐澤
Shinichi Ichikawa
伸一 市川
Tadashi Fujii
正 藤井
Shunji Nakao
俊次 中尾
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】沸騰水型原子力プラントにおいて、通常運転時
および水素注入時におけるタービン系の線量率を低減さ
せる。 【解決手段】N−16化合物およびC−15の化合物の
吸着設備7を原子炉圧力容器1に近い主蒸気配管3に設
置し、吸着設備7に主蒸気を通すことによって、主蒸気
中に同伴されて来るN−16化合物およびC−15の化
合物を吸着設備7で吸着保持して放射能の半減期をむか
えさせる。このようにして吸着設備7よりも下流側にお
ける設備へ供給される主蒸気中のN−16化合物および
C−15の化合物の濃度、すなわち主蒸気系の放射能、
を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子力プ
ラントの放射能低減技術に係わり、特に沸騰水型原子炉
で発生した高圧雰囲気を動力エネルギーとして受け入れ
る原子炉タービン系の放射線線量低減に好適な沸騰水型
原子力プラントの放射能低減技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、沸騰水型原子力プラントでは原子
炉圧力容器内の炉水中の溶存酸素を低減させて原子炉圧
力容器やその内部の構造物の構造材料の粒界応力腐食割
れを防止するために水素注入が試みられている。
【0003】しかし、水素注入量が増加するとタービン
系やサイト敷地境界の放射線線量率、特に放射性窒素に
起因する線量率が上昇するため、水素注入量には限界が
ある。これは、通常運転中は硝酸イオンとして炉水中に
溶けている放射性窒素が、水素注入により還元されてア
ンモニアやNOなどの気体として主蒸気に同伴されるた
めである。
【0004】この放射線線量率の上昇のしかたは、ある
水素濃度のしきい値までは通常運転時と変わらないが、
そのしきい値から急に上昇する傾向がある。したがっ
て、水素注入量には上限があり、この上限以下の水素注
入量で溶存酸素を低減する必要があった。
【0005】このため、アンモニアを錯体として炉水中
に溶存させて、放射性窒素の気相への移行を抑制させる
方法が、特開平5−209992 号公報に示されている。しか
し、水素注入時には試薬の注入量を制御する必要があ
り、通常運転時には効果が期待できない。
【0006】また、触媒を用いて放射性窒素化合物であ
るアンモニアやNOを低減させる方法が示されている。
特開平2−240597 号公報には、セパレータとドライヤの
間に白金触媒のフィルターを設置し、アンモニアをマン
ガン酸化物と反応させて窒素酸化物とする方法が示され
ている。また、アンモニアを酸化物触媒で窒素酸化物に
変化させる方法が、特開平3−116000 号公報に示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら方法は
アンモニアを対象としているため、NOに対する放射性
窒素の低減は困難である。特開平7−151898 号公報に
は、アンモニアとNOの揮発性放射性窒素を低減するた
め、白金などの触媒により炉水中の過酸化水素や酸素と
反応させて揮発性窒素を窒素酸化物イオンにする方法が
示されている。しかし、触媒表面上での水中接触反応で
あるため、効率に困難な点がある。
【0008】一方、炉水の放射線分解で生成する水素・
酸素を再結合させるため、原子炉圧力容器上部に貴金属
触媒を設置する方法が、特開平10−232297号公報に示さ
れている。貴金属触媒に放射性窒素化合物は吸着する
が、特開平10−232297号公報に示されている方法では、
放射性窒素化合物を十分に低減できず、圧力損失増加に
よる発電効率の低下が考慮されていない。
【0009】本発明の目的は、沸騰水型原子力プラント
において、通常運転時および水素注入時におけるタービ
ン系の放射線線量率を低減させることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】その発明の目的を達成す
るために、放射性窒素と放射性炭素の化合物を少なくと
も半減期の寿命の間吸着する手段を前記化合物の通る箇
所に備えた沸騰水型原子力プラントを提供するものであ
って、このような沸騰水型原子力プラントによれば、原
子炉側で発生した高圧雰囲気(主蒸気)を受け入れるタ
ービン系へ、その高圧雰囲気に同伴されて放射性窒素と
放射性炭素の化合物が供給されることを、放射性窒素と
放射性炭素の化合物をその放射能寿命の半減期の間吸着
手段に吸着させて弱らせ、タービン系の放射線線量率の
増加を抑制する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施例では、沸騰水型原
子力プラントの主蒸気に同伴される放射性物質をその寿
命の間だけ吸着することにより、タービン系の線量率を
低減するものである。
【0012】タービン系の線量率の上昇は、炉心の高中
性子束場で冷却材である水の酸素原子が高エネルギーの
中性子との核反応により放射化され、その一部が気相で
ある主蒸気中へ移行することに起因する。高エネルギー
中性子による主な核反応は16O(n,p)16Nであり、そ
の他の核反応によりC−15やN−13が生成する。
【0013】ここで、N−16とC−15は、半減期が
それぞれ7.1秒と2.4秒で、ベータ崩壊時に放出する
γ線エネルギーはそれぞれ6.1MeVと5.3MeVで
ある。N−13の半減期は約10分で、ベータ崩壊時の
ベータ線エネルギーは約9.5keVである。
【0014】タービン系の主な放射線線量率は、半減期
は短いがγ線エネルギーの大きいN−16とC−15の
2核種に起因する。したがって、半減期が短いので触媒
により化学形態を変換させる必要はなく、その寿命の間
だけ保持すればよい。
【0015】主蒸気に同伴されるこれら核種の化学形態
は、N−16に関してはNOとアンモニアであり、C−
15に関してはCOまたはCO2 である。高エネルギー
中性子との核反応で生成するこれら核種は、高速で放出
されるが、周りの水分子との衝突により運動エネルギー
を失い、その運動エネルギーが数十keVになると中性
原子であるホットアトムとなる。
【0016】ホットアトムは水分子と相互作用すること
で放射性のNO,NH,NH2 やCH,COとなる。一
方、炉水は放射線分解し、OHラジカル,水素,酸素,
過酸化水素などが生成する。これら物質の複雑な反応に
より、NO,アンモニア,COが揮発性物質として生成
する。比較的寿命の長いN−13で測定した主蒸気内の
窒素の化学形態は、通常運転時には約85%がNOでア
ンモニアが約15%であった。水素注入時は、アンモニ
アの割合が増加する。
【0017】NO,アンモニアやCOを吸着する吸着材
は、白金,パラジウム,インジウムなどの貴金属であ
る。また、アンモニアを吸着する吸着材は、アルミナ,
珪酸,ゼオライトなどの酸化物である。これらの吸着材
の形状は、SUS板にメッキ,構造材にメッキ,メッシ
ュ,ワイア,酸化物のハニカム構造に貴金属を担持する
などであり、圧力損失を最小とする形状であればよい。
【0018】圧力損失を最小とするため、主蒸気の流れ
に対して平行、すなわち、流路壁面に吸着材を設置する
場合、乱流気相により流路壁面への放射性物質伝達量
は、一般に、M=kCという式で表せる。ただし、Mは
壁面への放射性物質伝達率(kg/m2/s)、Cは主蒸
気中放射性物質の平均濃度(kg/m3)、比例係数Kは
物質伝達係数(m/s)である。物質伝達係数Kは、熱
伝達のアナロジーから次式で表せる。
【0019】 K/ug =0.023(ugD/νg)-0.2(Dg/νg)2/3 ここで、ug は蒸気流速(m/s)、Dは流路等価直径
(m)、νg は動粘性係数(m2/s)、Dg は放射性
物質の拡散係数(m2/s)を示す。放射性物質の濃度
を低下させるには、等価直径の小さい管に低流速の蒸気
を通過させればよい。ただし、圧損を最小とするように
する。
【0020】いま、代表的な沸騰水型原子炉の原子炉圧
力容器内の炉内構造物であるセパレータ,ドライヤ、及
び沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器に接続される主蒸気
配管の内面に貴金属をメッキすると、放射性物質の濃度
は、セパレータ,ドライヤ,主蒸気配管でそれぞれ約
4,38,73%低減され、全体で約84%低減でき
る。しかし、放射性物質の濃度を1桁以上下げるために
は、主蒸気配管内に内面を貴金属メッキした細管を入れ
る必要がある。細管を入れることにより管表面摩擦によ
る圧力損失が生じる。この圧力損失は、一般に次式で表
せる。
【0021】ΔP=λ(l/D0)(ρug 2/2) ここで、λ:管摩擦係数,l:管軸長さ(m),D0
細管直径(m),ρ:流体密度(kg/m3)である。
【0022】いま、放射性物質を1/50にするために
必要な管軸長さと圧力損失を流路等価直径の関数とし
て、図2に示す。流路面積は広いほど流速が小さくな
り、圧力損失は小さくなる。また、細管直径が大きくな
るほど圧力損失は減少するが、必要な管軸長さが長くな
る。代表的な沸騰水型原子炉の主蒸気配管を考慮する
と、管軸長さは5〜10mが適当と考えられる。従っ
て、流路等価直径は0.01〜0.02mとなる。
【0023】吸着材に吸着したNOは、N−16がベー
タ崩壊してO−16に変化して非放射性のO2 となる。
吸着材表面上のO2 は脱離するか、主蒸気中の水素との
触媒作用により水蒸気となって脱離する。これは、貴金
属の吸着材には触媒作用があるからである。なお、崩壊
の際には、高エネルギーのγ線を放出するため、自分自
身の核は反跳により脱離しやすくなる。アンモニアは、
崩壊後、水蒸気となって脱離する。また、COはベータ
崩壊で非放射性のNOとなり、反跳により脱離するか、
触媒作用によりアンモニアまたはNO2 となって脱離す
る。
【0024】より一層具体的には、発明の第1実施例は
以下の通りである。沸騰水型原子炉は、図1に示す原子
炉圧力容器1内で発生した高温高圧な蒸気(主蒸気とも
いう。)の雰囲気を主蒸気配管3によりタービンに送
り、そのタービンを回転駆動して、タービンに接続され
た発電機を駆動して発電する。また、その蒸気はタービ
ンで使用された後に水に戻り、給水配管4により原子炉
圧力容器1に戻り、インターナルポンプ6により炉心に
送られ、再度蒸気となる。また、原子炉格納容器2内に
は、水を貯えた圧力抑制プール5が設置されており、万
一の事故時にその水を原子炉圧力容器内1に供給して、
炉心を冷却する系統(図示せず)も備える。
【0025】本実施例では、吸着設備7を、タービン系
での放射線線量を低減させるため、原子炉格納容器2内
でなるべく原子炉圧力容器1に近い主蒸気配管3に設置
している。吸着設備7は、図3に示すような複数の細管
81を並列にならべて束ねて構成される配管8である。
その配管8は、主蒸気配管3の途中に主蒸気配管3と直
列にフランジを介して取り付けても良く、主蒸気配管3
の中に入れて固定する取付けであってもよい。
【0026】細管81は直径10〜20mm程度で、長さ
は5〜10m程度で、直径が小さいほど長さを短くでき
る。細管81はステンレス製で、内外面を白金でメッキ
してある。圧力損失を現実的に最小とするように、主蒸
気配管3の流路面積の2倍として細管81の本数を決め
る。また、細管81の端面は、圧力損失を減らすため、
45度の面取りをしてある。代表的な沸騰水型原子力発
電所の主蒸気配管では、白金の全表面積は1200〜1
400m2 以上となる。なお、圧力損失を最小とするこ
とを配慮しなければ、メッキの代わりに白金線や白金メ
ッシュを、細管81に入れてもよい。
【0027】吸着設備7の別の実施例を図4に示す。吸
着設備7として、ハニカム型吸着器9を用いる。図4
(b)に示すように、ステンレス製の基体10にウオッ
シュコート11を施し、白金12を混ぜる。基体10の
サイズは、圧力損失を小さくするため、1インチ平方に
100〜300程度のセル密度とした。この場合、セル
の等価直径は約2mmなので、吸着設備7の管軸長さは1
m以下にできるが、上記実施例による圧力損失は約10
%大きくなる。
【0028】本実施例により、主蒸気中のN−16化合
物、および、C−15の化合物の濃度、すなわち、主蒸
気系の放射能が1/50以下となる。また、同時に主蒸
気内の水素/酸素は、白金を触媒として再結合するた
め、オフガス系での水素/酸素の処理が不要となる。
【0029】本発明の第2実施例を、図5に示す。図5
は沸騰水型原子炉の圧力容器1を示す。炉心13の構造
物は、シュラウド16,燃料棒14と制御棒15から成
り、燃料棒14内の核燃料の核反応熱で炉水を沸騰させ
る。発生した蒸気は、シュラウドヘッド17からセパレ
ータスタンド18,セパレータ19で気水分離され、ド
ライヤ20で乾燥されてから、上部プレナム21を経て
主蒸気出口22から主蒸気配管3経由でタービンに高温
高圧な蒸気の雰囲気で供給される。その蒸気は主蒸気と
もいわれる。タービンで主蒸気が使用されると、その主
蒸気は復水化され、その復水化された復水は、給水配管
4経由で給水入口25から原子炉圧力容器1内に入れら
れてインターナルポンプ6により炉心13に供給され
る。
【0030】第1実施例と同様に、主蒸気配管3に吸着
設備7を設置し、さらに、原子炉圧力容器1内の上部プ
レナム21の内部にドライヤ20と原子炉圧力容器1内
壁面の間に白金メッシュ23を充填してある。白金メッ
シュの代わりに白金線を充填してもよい。
【0031】第2実施例によれば、原子炉圧力容器1内
で発生した主蒸気が主蒸気配管3に入る前に、主蒸気が
白金メッシュ23に接して主蒸気中のN−16化合物お
よび、C−15の化合物が白金メッシュ23に吸着され
て放射能寿命が少なくとも半減期になるまで保持され
る。
【0032】白金メッシュ23に吸着しきれなかった、
あるいは半減期になるまで保持しきれずに離脱したN−
16化合物およびC−15の化合物は主蒸気配管3途中
の吸着設備7で吸着されて主蒸気内の放射能と水素/酸
素の一部を低減できる。
【0033】このように、原子炉圧力容器1内で一旦主
蒸気内の放射能と水素/酸素の一部を低減し、主蒸気配
管3内でも吸着設備7で主蒸気内の放射能と水素/酸素
の一部を低減できるので、吸着設備7の長さを短くでき
る。また、図6のように、第2実施例の構成に加えて、
ドライヤ20の上方空間、即ち原子炉圧力容器内上部空
間(上部プレナム21)内に白金メッシュ23又は白金
メッシュの代わりに白金線を置くことで主蒸気を白金メ
ッシュ23又は白金線に接触させるようにしても良い。
この場合には、主蒸気の白金メッシュ23又は白金線に
接触する機会が増えることによって主蒸気内の放射能と
水素/酸素の一部を低減する効果の向上が期待できる。
【0034】本発明の第3実施例は第1実施例と同様に
主蒸気配管7に吸着設備7を設置し、さらに、シュラウ
ドヘッド17,セパレータスタンド18,セパレータ1
9,ドライヤ20の蒸気が接する部分の全部、または、
一部を白金でメッキする。そのメッキによる白金に接触
した蒸気中のN−16化合物およびC−15の化合物は
白金に吸着されて少なくとも主蒸気内の放射能と水素/
酸素の一部を低減する効果が得られる。
【0035】さらに、放射能と水素/酸素の一部を低減
する作用を受けた主蒸気は主蒸気配管3の吸着設備7に
よっても吸着されて一層のこと放射能と水素/酸素の一
部を低減する作用効果を受ける。
【0036】これにより、タービン系の放射線線量率を
減少できるが、さらに減少させるためには、図6のよう
に上部プレナム21内に白金メッシュ25を設置する。
白金メッシュの代わりに、白金線を用いてもよい。本実
施例でも、主蒸気配管3に入る前に、主蒸気内の放射能
と水素/酸素の一部を低減できるため、主蒸気配管3内
の吸着設備7を短くできる。
【0037】図7に示す第4実施例は、給水配管4に、
復水脱塩装置26,高圧復水ポンプ27,低圧給水加熱
器28,主給水ポンプ29,高圧給水加熱器30を連接
装備して給水系を構成する。その給水系の復水脱塩装置
26と高圧復水ポンプ27との間の給水配管4部分に遷
移金属イオン供給器31を弁を介して連接接続して設置
する。その弁を開くことによって遷移金属イオン供給器
31は給水配管4内の給水に遷移金属イオンを供給する
ことができる。
【0038】また、第1実施例と同様の吸着設備7を第
1実施例と同様に主蒸気配管3に設置する。そのため、
第1実施例と同様に原子炉圧力容器1内からタービン側
へ供給される主蒸気中のN−16化合物およびC−15
の化合物の濃度、すなわち、主蒸気系の放射能が低減で
きる。
【0039】その上、遷移金属イオン供給器31が給水
配管4内の給水に遷移金属イオンを供給すると以下のよ
うな状況が生じる。即ち、遷移金属イオンとして、銅,
クロム,モリブデンなどの硫酸塩、または、硝酸塩を用
いる。給水配管4内の給水中の遷移金属イオン濃度は、
1E−5M以下とする。遷移金属イオンが遷移金属イオ
ン供給器31から給水配管4内の給水中に入れられる
と、遷移金属イオンが給水とともに原子炉圧力容器1内
に入り炉水の一部になる。
【0040】遷移金属イオン(例えばCu2+イオン)
は炉水の放射線分解で生成する水和電子,水素原子,酸
素イオンなどにより還元される。この還元された遷移金
属イオン(例えばCu+イオン)は、炉水の放射線分解
で生成する過酸化水素を分解して、OHラジカルを生成
する。OHラジカルは炉水中の放射性NOを酸化して硝
酸イオンにする。このため、炉水から主蒸気系(主蒸気
配管3のある系統)へ移行する放射性窒素量が減少し、
吸着設備7の容量を少なくできる。
【0041】これにより、主蒸気系の放射能を1桁以上
低減でき、同時に、主蒸気内の水素/酸素を除去でき
る。
【0042】なお、上記の各実施例では吸着材として白
金を用いたが、パラジウムなどの貴金属を用いても同様
の効果が得られる。また、図4の吸着設備9のハニカム
基体10にステンレスを用いたが、アルミナ,シリカ,
ゼオライトなどのセラミックを用いても同等の効果が得
られる。
【0043】いずれの実施例でも、主蒸気が集中的に集
まる主蒸気配管4に吸着設備7を備えて、主蒸気が必ず
吸着設備7を通るようにしたから、効果的に主蒸気や主
蒸気系のN−16化合物およびC−15の化合物による
放射能が低減できる。同時に主蒸気内の水素/酸素は、
白金を触媒として再結合するため、オフガス系での水素
/酸素の処理が不要となる。その上、沸騰水型原子力プ
ラントにおいて、通常運転時および水素注入時における
N−16化合物およびC−15の化合物によるタービン
系の線量率を低減させるのに有効である。
【0044】
【発明の効果】本発明により、主蒸気中のN−16化合
物およびC−15の化合物の濃度、すなわち主蒸気系の
放射能、を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による原子力プラントの要
部断面図である。
【図2】放射能低減に必要な管軸長さと圧力損失の等価
直径依存性を示すグラフ図である。
【図3】本発明の実施例における吸着設備の一例を示す
斜視図である。
【図4】本発明の実施例における吸着設備の別な例を示
す図であって、(a)図は全体斜視図であり、(b)図
は(a)図の吸着設備の半径方向の断面で見た吸着設備
内のハニカム構造の断面図である。
【図5】本発明の第2実施例による原子炉圧力容器の縦
断面図である。
【図6】本発明の第2実施例の変形例による原子炉圧力
容器の縦断面図である。
【図7】本発明の第4実施例による原子力プラントの要
部断面図である。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…原子炉格納容器、3…主蒸気
配管、4…給水配管、7…吸着設備。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 正 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 中尾 俊次 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射性窒素と放射性炭素の化合物を少なく
    とも半減期の放射能の寿命の間吸着する手段を前記化合
    物の通る箇所に備えた沸騰水型原子力プラント。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記吸着する手段は、
    白金であることを特徴とする沸騰水型原子力プラント。
  3. 【請求項3】請求項1において、放射性窒素と放射性炭
    素の化合物を吸着する手段を原子炉圧力容器に接続され
    た主蒸気配管に設置することを特徴とする沸騰水型原子
    力プラント。
  4. 【請求項4】請求項1において、放射性窒素と放射性炭
    素の化合物を吸着する手段を、原子炉圧力容器内の炉心
    構造物とセパレータとドライヤと原子炉圧力容器内上部
    空間との全部または一部に設置することを特徴とする沸
    騰水型原子力プラント。
  5. 【請求項5】請求項1において、放射性窒素と放射性炭
    素の化合物を吸着する手段は、貴金属をメッキした複数
    の細管を並列にならべて構成されていることを特徴とす
    る沸騰水型原子力プラント。
  6. 【請求項6】請求項1において、放射性窒素と放射性炭
    素の化合物を吸着する手段として、貴金属を担持したハ
    ニカム構造物を用いることを特徴とする沸騰水型原子力
    プラント。
  7. 【請求項7】請求項1において、放射性窒素と放射性炭
    素の化合物を吸着する手段として、貴金属線または貴金
    属のメッシュを、原子炉圧力容器上部空間に設置するこ
    とを特徴とする沸騰水型原子力プラント。
  8. 【請求項8】請求項1において、放射性窒素と放射性炭
    素の化合物を吸着する手段として、原子炉圧力容器の内
    面全部または一部を貴金属でメッキして用いることを特
    徴とする沸騰水型原子力プラント。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項8までのいずれか一項
    において、遷移イオンを原子炉圧力容器内の炉水に添加
    する設備を備えることを特徴とする沸騰水型原子力プラ
    ント。
JP33164599A 1999-11-22 1999-11-22 沸騰水型原子力プラント Pending JP2001147291A (ja)

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