JP2018188427A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】象牙質の耐酸性及びコラーゲン分解抑制を著しく向上させた口腔用組成物を提供すること。【解決手段】(A)成分:ピロリドンカルボン酸及びそのアルカリ金属塩の少なくともいずれかと、(B)成分:アルギニン等の塩基性アミノ酸及びその塩の少なくともいずれかと、(C)成分:モノフルオロリン酸ナトリウム等の水溶性フッ素化合物と、(D)成分:ピロリドンカルボン酸亜鉛と、を含有する口腔用組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔用組成物に関する。
高齢化社会を迎え、歯肉退縮により露出した象牙質に発症する根面う蝕が増加してきており、その予防が望まれている。
象牙質に発症する根面う蝕(象牙質う蝕)の発症機序としては、まず、象牙質表面に付着したプラーク中の細菌によって糖の代謝がおこり、酸が産生される。産生された酸により象牙質のミネラル成分が溶出(脱灰)し、有機質(コラーゲン)層が露出する。そして露出したコラーゲン層は、物理的・化学的に破壊され、歯の根元に実質的な欠損が生じ、根面う蝕となる。
従来、象牙質う蝕の予防方法として、フッ化物による脱灰抑制や再石灰化促進による方法が知られている。しかしながら、ミネラル密度が約97%のエナメル質に比べ、象牙質のミネラル密度は約50%と少ないため、物理的・化学的に脆弱である。そのため、従来の方法による予防効果は決して高いものではなかった。斯かる問題に鑑み、特許文献1〜10においては、脱灰抑制・再石灰化促進を図る技術が提案されている。
特許文献1には、コラーゲン分解抑制を含む象牙質う蝕の抑制効果の向上を目的として、ピロリドンカルボン酸、及びポリフェノールを含む口腔用組成物が開示されている。
特許文献2には、象牙質細管の封鎖、象牙質耐酸性及び硬さの向上、フッ素の安定化を目的として、乳清及び/又はラクトフェリン、フッ素化合物、並びに、硝酸、りん酸、塩酸、及び硫酸から選ばれる酸の、K塩又はNa塩を含む口腔用組成物が開示されている。
特許文献3には、象牙質細管封鎖、象牙質脱灰の抑制、フッ素の安定化及び製剤安定化を目的として、リュウガン種子抽出物、フッ素化合物及び糖アルコールを含む口腔用組成物が開示されている。
特許文献4には、コラーゲン分解抑制、象牙質の脱灰抑制を目的とし、フラバノン類及び/又はその配糖体からなる歯根面う蝕予防剤が開示されている。
特許文献5には、象牙質のミネラル溶出を抑制することを目的として、加水分解シルクと、一次粒子の平均粒子径が0.04〜0.5μmの範囲にある軽質炭酸カルシウムと、を成分として有する口腔用組成物が開示されている。
特許文献6には、再石灰化の促進を目的とし、水酸基を有するモノマーと、この水酸基を有するモノマーに対する配合量が5〜200重量%のリン原子含有酸性基を有するモノマーと、を成分として有する歯質再石灰化促進剤が開示されている。
特許文献7には、根面う蝕の予防を目的とし、(A)亜鉛化合物、(B)アルデヒド系化合物、フェノール系化合物及び茶抽出ポリフェノール化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種、を成分として有する口腔用組成物が開示されている。
特許文献8には、象牙質知覚過敏症の抑制、歯根面及び象牙質う蝕の抑制を目的とし、水溶性アルミニウム化合物、フッ化物及び水溶性カルシウム化合物を含有する口腔用組成物が開示されている。
特許文献9には、象牙質知覚過敏症の抑制及び良好な使用感を目的とし、水溶性アルミニウム化合物及びフッ化物を含有する口腔用組成物が開示されている。
特許文献10には、象牙質う蝕の抑制及び良好な使用感を目的とし、ピロリドンカルボン酸、6−オキソ−2−ピペリジンカルボン酸、3−(2−オキソ−1−アゼパニル)プロパン酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上のラクタム化合物と、水溶性2価金属塩と、水溶性フッ素化合物と、を含有する口腔用組成物が開示されている。
国際公開第2013/47826号 特開2012−232937号公報 特開2011−168510号公報 特開2009−256341号公報 特開2007−176862号公報 特開2006−8596号公報 特開平11−228368号公報 特開平5−155746号公報 特開平5−155745号公報 特開2016−145156号公報
しかしながら、象牙質う蝕抑制効果については、更なる向上が求められている。
本発明の課題は、象牙質の耐酸性及びコラーゲン分解抑制を著しく向上させた口腔用組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ピロリドンカルボン酸及びそのアルカリ金属塩の少なくともいずれかと、塩基性アミノ酸及びその塩の少なくともいずれかと、水溶性フッ素化合物と、ピロリドンカルボン酸亜鉛と、を含む口腔用組成物を用いることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕〜〔7〕を提供する。
〔1〕(A)成分:ピロリドンカルボン酸及びそのアルカリ金属塩の少なくともいずれか(以下、「(A)成分」ともいう)と、(B)成分:塩基性アミノ酸及びその塩の少なくともいずれか(以下、「(B)成分」ともいう)と、(C)成分:水溶性フッ素化合物(以下、「(C)成分」ともいう)と、(D)成分:ピロリドンカルボン酸亜鉛(以下、「(D)成分」ともいう)と、を含有する口腔用組成物。
〔2〕前記(A)成分の含有量が、0.1〜10質量%である上記〔1〕に記載の口腔用組成物。
〔3〕前記(B)成分の含有量が、0.05〜20質量%である上記〔1〕又は〔2〕に記載の口腔用組成物。
〔4〕前記(C)成分の含有量が、フッ素原子換算で、0.01〜0.5質量%である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔5〕前記(D)成分の含有量が、0.1〜10質量%である上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔6〕前記(B)成分が、アルギニン、リジン、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔7〕前記(C)成分が、フッ化ナトリウム又はモノフルオロリン酸ナトリウムである上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
本発明によれば、象牙質の耐酸性及びコラーゲン分解抑制を著しく向上させた口腔用組成物を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の口腔用組成物は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分と、を含有する。(A)〜(C)成分を含有することで、象牙質の耐酸性を著しく向上させることができる。また、(D)成分を含有することで、コラーゲン分解抑制効果を著しく向上させることができる。
[1.(A)成分]
(A)成分は、ピロリドンカルボン酸及びそのアルカリ金属塩の少なくともいずれかである。ピロリドンカルボン酸の構造式を下記式(1)に示す。
Figure 2018188427
ピロリドンカルボン酸は、通常、海草・小麦粉、サトウキビから抽出されたグルタミン酸を脱水することで生成され、上記式(1)で表される構造を有する。そこに、ナトリウムイオンを結合させたものをPCAソーダという。PCAソーダは、PCAよりも酸化安定性等の安定性が良好である。また、皮膚角質層の水分保持物質であるNMF(天然保湿因子)の構成要素でもある。
ピロリドンカルボン酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。ピロリドンカルボン酸又はそのアルカリ金属塩は、公知のスキームに従って合成したものを使用してもよく、市販品を用いてもよい。ピロリドンカルボン酸の市販品としては、味の素ヘルシーサプライ社製の「AJIDEW A−100(登録商標)」、ピロリドンカルボン酸のナトリウム塩の市販品としては、「AJIDEW−N−50、PCAソーダ(AI=50%水溶液)」等が挙げられる。
本発明の口腔用組成物における(A)成分の含有量は特に制限されないが、象牙質の耐酸性効果をより向上させる観点から、その下限は、口腔用組成物全体に対して0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。また、その上限も特に制限はないが、製剤の粘度上昇による押出し性の悪化の観点から、口腔用組成物全体に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
(A)成分の含有量は、口腔用組成物全体に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。
[2.(B)成分]
(B)成分は、塩基性アミノ酸である。塩基性アミノ酸としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジンが挙げられる。中でも、アルギニン及びリジンが好ましい。なお、塩基性アミノ酸はL−体であってもよく、D−体であってもよく、両方の光学異性体を任意の比率で混合したものであってもよい。
(B)成分は、塩基性アミノ酸の塩であってもよい。アルギニンの塩としては、例えば、L−アルギニンL−グルタミン酸塩、L−アルギニンL−アスパラギン酸塩、L−アルギニン塩酸塩が挙げられる。中でも、L−アルギニンL−グルタミン酸塩が好ましい。また、リジンの塩としては、L−リジンL−グルタミン酸塩、L−リジンL−アスパラギン酸塩、L−リジン塩酸塩が挙げられる。中でも、L−リジン塩酸塩が好ましい。
(B)成分としては、アルギニン、リジン、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(B)成分は、動物、植物等の天然物由来のものであってもよく、化学的に合成されたものであってもよく、市販品であってもよい。アルギニンの市販品としては、例えば、味の素社製の「L−アルギニン Cグレード」が挙げられる。リジン塩酸塩の市販品としては、例えば、味の素社製の「L−リジン塩酸塩(食添)」が挙げられる。
本発明の口腔用組成物における(B)成分の含有量は特に制限されないが、(A)成分の象牙質の耐酸性向上効果を促進する観点から、その下限は、口腔用組成物全体に対して0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましい。また、その上限も特に制限はないが、口腔内への刺激が悪化するという観点から、口腔用組成物全体に対して、20質量%以下が好ましい。
(B)成分の含有量は、口腔用組成物全体に対して0.05〜20質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜20質量%がさらに好ましい。
なお、(B)成分を2種以上使用する際の(B)成分の含有量は、合計の含有量である。
[3.(C)成分]
(C)成分は、水溶性フッ素化合物である。水溶性フッ素化合物としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化スズ、アミンフッ化物、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化ケイ素ナトリウム、フッ化ケイ素カルシウムが挙げられる。中でも、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムが好ましい。
本発明の口腔用組成物における(C)成分の含有量は特に制限されないが、十分な耐酸性効果を得る観点から、その下限は、フッ素原子換算で、0.01質量%(100ppm)以上が好ましく、0.05質量%(500ppm)以上がより好ましい。また、その上限も特に制限はないが、フッ素取込の向上が得られないという観点から、口腔用組成物全体に対して、0.5質量%(5000ppm)以下が好ましく、0.4質量%(4000ppm)以下がより好ましい。
(C)成分の含有量は、口腔用組成物全体に対して0.01〜0.5質量%(100〜5000ppm)が好ましく、0.05〜0.4質量%(500〜4000ppm)がより好ましい。
[4.(D)成分]
(D)成分は、ピロリドンカルボン酸亜鉛である。上記した通り、ピロリドンカルボン酸は、通常、海草・小麦粉、サトウキビから抽出されたグルタミン酸を脱水することで生成され、これに、亜鉛イオンを結合させたものをピロリドンカルボン酸亜鉛(以下、「PCA亜鉛」ともいう)という。
ピロリドンカルボン亜鉛としては、公知のスキームに従って合成したものを使用してもよく、市販品を用いてもよい。ピロリドンカルボン酸亜鉛の市販品としては、AJIDEW ZN−100(味の素社製)が挙げられる。
本発明の口腔用組成物における(D)成分の含有量は特に制限されないが、象牙質のコラーゲン分解抑制効果をより向上させる観点から、その下限は、口腔用組成物全体に対して0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。また、その上限も特に制限はないが、口腔内への刺激が悪化するという観点から、10質量%以下が好ましい。また、製剤の粘度上昇による押出し性の悪化の観点から、5質量%以下がより好ましい。
(D)成分の含有量は、口腔用組成物全体に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。
[5.比率]
本発明の口腔用組成物における(A)〜(D)成分の構成比率としては、次のことがいえる。
(A)成分に対する(B)成分の比率((B)/(A))は、0.033〜20であることが好ましく、0.067〜6.7であることがより好ましい。
(A)成分に対する(C)成分の比率((C)/(A))は、0.003〜1であることが好ましく、0.010〜0.20であることがより好ましい。
(A)成分〜(C)成分の合計に対する(D)成分の比率((D)/{(A)+(B)+(C)})は、0.020〜1.96であることが好ましく、0.098〜1.96であることがより好ましい。
[6.任意成分]
本発明の口腔用組成物には、上記各成分に加えて、コラーゲン分解抑制や、耐酸性効果の向上等の本発明の効果を損なわない範囲において、組成物に必要な任意成分を配合することができる。任意成分としては、例えば、研磨剤、粘結剤、界面活性剤、粘稠剤、甘味剤、防腐剤、香料、酸味料、滑沢剤、着色剤、光沢剤、流動化剤、結合剤、崩壊剤、薬用成分、pH調整剤、水等の溶剤、賦形剤が挙げられる。以下に任意成分の具体例を示すが、本発明の組成物に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。
研磨剤としては、例えば、無水ケイ酸(以下、研磨剤としての無水ケイ酸を「研磨性シリカ」又は「無水ケイ酸(研磨性)」ともいう)、結晶性シリカ、非晶性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、ゼオライト、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム2水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第4リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤が挙げられる。
研磨性シリカの吸液量は、通常、0.5〜2.0mL/gであり、好ましくは0.7〜1.5mL/gである。
なお、吸液量は、以下の方法により測定した値である。即ち、試料1gをガラス板上に量りとり、ビュレットを用いて42.5質量%グリセリン水溶液を滴下しながらヘラで液が均一になるように混合する。試料が1つの塊となり、ヘラでガラス板よりきれいにはがれるようになったときを終点とし、試料1.0gに対して要したグリセリン水溶液量を吸液量(mL/g)として表す。
研磨剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。研磨剤を含有する場合、その含有量は、歯磨剤においては組成物全体の2〜40質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。洗口剤においては、組成物全体の10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
粘結剤としては、有機系粘結剤、無機系粘結剤が例示される。なお、粘結剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機系粘結剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、プルラン、ゼラチン、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーが挙げられる。
無機系粘結剤としては、例えば、無水ケイ酸(以下、粘結剤としての無水ケイ酸を「増粘性シリカ」又は「無水ケイ酸(増粘性)」ともいう)、ベントナイトが挙げられる。中でも、無水ケイ酸(増粘性)が好ましい。
増粘性シリカの吸液量は、2.1mL/g以上が好ましく、2.1〜5mL/gであることがより好ましい。
有機系粘結剤、無機粘結剤は、各々、1種であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。粘結剤は、有機系粘結剤及び無機系粘結剤の組み合わせであってもよい。
有機系粘結剤を用いる場合、その含有量は、通常、口腔用組成物全体に対して0.01〜3.5質量%である。無機系粘結剤を用いる場合、その含有量は、1〜10質量%が好ましく、1〜7質量%がより好ましく、2〜6質量%が更に好ましい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸塩が挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等が好ましく、発泡性及び耐硬水性の点で、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキル鎖の炭素鎖長として炭素原子数が10〜16のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等がより好ましい。
また、N−アシルアミノ酸塩としては、例えば、N−アシルタウリン塩が挙げられ、炭素原子数が8〜18、好ましくは12〜16の直鎖又は分岐鎖の飽和若しくは不飽和炭化水素基を有する、ラウロイルメチルタウリン塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン塩、ミリストイルメチルタウリン塩等のメチルタウリン塩;ラウロイルメチルアラニン塩等のメチルアラニン塩;ラウロイルグルタミン酸塩、ミリストイルグルタミン酸塩等のグルタミン酸塩も使用し得る。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアミド、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル等が好適に用いられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、アルキル鎖の炭素鎖長が、炭素原子数で14〜18であることが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が15〜30であることが好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、エチレンオキサイド平均付加モル数(平均付加EO)が20〜100であることが好ましい。アルキロールアミドは、アルキル鎖の炭素鎖長が炭素原子数12〜14であることが好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素原子数が12〜18であることが好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素原子数が16〜18であることが好ましい。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が10〜40であることが好ましい。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、ヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタインが挙げられ、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。
界面活性剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。口腔用組成物が界面活性剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して、通常、10質量%以下であり、0.01〜5質量%が好ましい。
粘稠剤としては、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール(ソルビット)、ポリエチレングリコール等が挙げられる。その含有量は、通常、口腔用組成物全体に対して、5〜70質量%である。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジンヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、ソーマチン、パラチノース、マルチトール、キシリトール、アラビトール等が挙げられる。
甘味剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。甘味剤を用いる場合、含有量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸塩、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
防腐剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。防腐剤を用いる場合、含有量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
香料としては、例えば、天然香料、合成香料(単品香料)、調合香料(油脂香料(油性香料)、粉末香料等)が挙げられる。香料は、前記香料のうち、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
天然香料としては、例えば、マスティック油、パセリ油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、メントール油、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、コリアンダー油、オレンジ油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローレル油、カモミール油、カルダモン油、キャラウェイ油、ベイ油、レモングラス油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、ペパーミントアブソリュート、ローズアブソリュート、オレンジフラワー、シトラス油、ミックスフルーツ油、ストロベリー油、シナモン油、クローブ油、グレープ油、タイム油、セージ油、ハッカ油、ローズマリー油、シソ油、マジョラム油、オリガナム油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚子油、マンゴーアブソリュート、オレンジフラワーアブソリュート、トウガラシ抽出物、ジンジャーオレオレジン、ペッパーオレオレジン、カプシカムオレオレジン等が挙げられる。
単品香料としては、例えば、1−メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、サリチル酸メチル、チモール、シンナムアルデヒド、リナロール、リナリルアセテート、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネロール、ワニリン、メントン、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルアンスラニレート、バニリン、ウンデカラクトン(γ−ウンデカラクトン、δ−ウンデカラクトン等)、ヘキサナール(トランス−2−ヘキセナール等)、エチノンアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール(シス−3−ヘキセノール等)、ジメチルサルフェイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルリオアセテート、シネオール(1,8−シネオール等)、メンソフラン、リナロールオキサイド、バニリルブチルエーテル、イソプレゴール、フラネオール、エチルシクロペンテノロン、2−メチルブチリックアシッド、プロピオニックアシッド、デカラクトン(γ−デカラクトン、δ−デカラクトン等)、ノナラクトン(γ−ノナラクトン、δ−ノナラクトン等)、ヘキサラクトン(γ−ヘキサラクトン、δ−ヘキサラクトン等)、イソアミルアセテート、ベンズアルデヒド、ヘキシルアセテート、エチル−2−メチルブチレート、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、フェニルエチルグリシデート、フェニルエチルアルコール、アリルヘキサノエート、メチルシンナメート、エチルβ−メチルチオプロピオネート、シス−6−ノネノール、キャロン、メチルジャスモネートが挙げられる。
単品香料は冷感剤であってもよい。冷感剤としては、メントール、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、N−(エトキシカルボニルメチル)−3−p−メンタンカルボキシアミド、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、3−(L−メトキシ)プロパン−1,2−ジオール、乳酸メンチル(メンチルラクテート)、コハク酸モノメンチル、メントングリセリンアセタール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メントングリセリンエーテル、スピラントール、モノメンチルサクシネート等が例示される。
調合香料とは、単品香料及び/又は天然香料を調合して作られる香料である。例えば、メントールミクロン、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、ヨーグルトフレーバー、フルーツミックスフレーバー、ハーブミントフレーバーが挙げられる。
香料としては、例えば、ペパーミント、スペアミント、ローズマリー油、セージ油、シソ油、レモン油、オレンジ油等の精油、レモン、ストロベリー等のフルーツ系のエッセンス、1−メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、リナロール、リモネン、オシメン、シネオール、n−デシルアルコール、シトロネロール、ワニリン、α−テルピネオール、サリチル酸メチル、チモール等の香料素材が好ましい。
香料の形態は限定されず、精油、抽出物、固形物、及びこれらのいずれかを噴霧乾燥した粉体のいずれでも構わない。口腔用組成物が香料素材を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して0.000001〜1.5質量%が好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して0.1〜2.0質量%が好ましい。
酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸等の有機酸が挙げられる。酸味料を含有する場合、含有量は組成物全体に対して、0.001〜5質量%が好ましい。
滑沢剤としては、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、ベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、タマリンド色素等の天然色素や、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の法定色素、リボフラビン、銅クロロフィリンナトリウム、二酸化チタン等が挙げられる。
口腔用組成物が着色剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して0.00001〜3質量%が好ましい。
光沢剤としては、例えば、シェラック、カルナウバロウ、キャンデリラロウなどのワックス類、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。
口腔用組成物が光沢剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して0.01〜5質量%が好ましい。
流動化剤としては、微粒子二酸化ケイ素等が挙げられる。
口腔用組成物が流動化剤を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して0.01〜5質量%が好ましい。
結合剤としては、例えば、プルラン、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラヤガム、カルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。
結合剤を含有する場合、含有量は製剤により異なり一律に規定することはできない。例えばフィルムの場合には、通常、組成物全体に対し0.01〜90質量%が好ましい。フィルム以外の場合には、通常、組成物全体に対して0.01〜10質量%が好ましい。
崩壊剤としては、アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、クロスポピドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。崩壊剤は錠菓において含有されることが多い。また錠菓において含有される結合剤の例としては、前記のうち、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カラヤガム等が挙げられる。錠菓において崩壊剤及び/又は結合剤を含有する場合、それぞれの含有量は、組成物全体に対して0.1〜10質量%が好ましい。
さらに薬用成分として、クロロヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛等の殺菌又は抗菌剤;縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤:トラネキサム酸、グリチルリチン2カリウム塩、ε−アミノカプロン酸、オウバクエキス等の抗炎症剤;ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のコーティング剤;アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ビタミンC、塩化リゾチーム、グリチルレチン酸及びその塩類、塩化ナトリウム、アラントイン等の収斂剤;塩化ストロンチウム等の知覚過敏抑制剤;ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のステイン除去剤;デキストラナーゼ、ムタナーゼ等の酵素剤等が挙げられる。
薬用成分は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。薬用成分を使用する場合の含有量は、それぞれの薬用成分について薬剤学的に許容できる範囲で使用することができる。
本発明の口腔用組成物のpHは有効性及び安定性の観点から7〜8であることが好ましく、必要に応じてpH調整剤を使用してpH調整することができる。pH調整剤としては、例えば、リン酸又はその塩(リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなど)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウムなど)、リンゴ酸又はその塩、グルコン酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、グルタミン酸又はその塩、乳酸、塩酸、酢酸、硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムが挙げられる。pH調整剤を含有する場合、その含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
溶剤としては、例えば、水や、エタノール、プロパノール等の炭素原子数3以下の低級アルコールが挙げられる。溶剤は、液体系の口腔用組成物には通常含有される。口腔用組成物が溶剤として水を含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して20〜95質量%が好ましい。口腔用組成物が溶剤として低級アルコールを含有する場合、その含有量は、口腔用組成物全体に対して1〜20質量%が好ましい。
賦形剤としては、例えば、水飴、ブドウ糖、果糖、転化糖、デキストリン、オリゴ糖が挙げられる。口腔用組成物が食品製剤である場合、通常、賦形剤を含有する。賦形剤を含有する場合、その含有量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。
[7.形状、剤形]
本発明の口腔用組成物の形状、剤形は特に限定されない。例えば、液体系(液体、液状、ペースト状)、固体系(固体、固形状)等の各種形状で調製できる。剤形の例としては、練歯磨剤、液体歯磨剤、液状歯磨剤、粉歯磨剤等の歯磨剤組成物、洗口剤組成物、塗布剤組成物、口腔用パスタ、口中清涼剤組成物、食品形態(チューインガム、錠菓、キャンディ、グミ、フィルム、トローチ等)が挙げられる。
本発明の口腔用組成物は、歯磨剤組成物又は洗口剤組成物であることが好ましい。本発明の口腔用組成物が歯磨剤組成物である場合、練歯磨剤であることがより好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。
[象牙質耐酸性効果の評価]
ヒト抜去歯の象牙質をマイクロカッターにて厚さ250μmの切片状に切り出した。試験部位として2mm×2mmのウィンドウを残し、それ以外の部分をマニキュア被覆してヒト象牙質サンプルとした。このサンプルを下記に示す歯磨剤組成物調製方法で調製した組成物の3倍水希釈液に3分間、室温で浸漬した(以下、「組成物処置」ともいう)。精製水で洗浄後、再石灰化液(1.5mM CaCl,5mM KHPO,0.1M 酢酸,0.1M NaCl,pH6.5)0.5mlに浸漬し、37℃でインキュベートした。組成物処置を2回/日実施し、それ以外の時間は再石灰化液に浸漬し、これを合計3日間繰り返した。サンプルを脱灰液(2.2mM CaCl,2.2mM KHPO,50mM 酢酸,pH5.0)0.5mlに浸漬し、37℃で6時間インキュベートした。この脱灰液を50μl採取し、原子吸光光度計(日立製作所製:Z−5310)を用いて脱灰液中のカルシウム濃度を測定した。測定は5回実施し、平均値を算出した。下記の式より、測定したカルシウム濃度から溶出カルシウム量を算出し、以下に示す基準で評価した。
なお、コントロール群とは、実施例・比較例に示す組成物で処置をしない群を示しており、同様に5回の平均値で評価した。
Figure 2018188427
[耐酸性効果の評点基準]
A:溶出カルシウム量(μg)が15μg未満
B:溶出カルシウム量(μg)が15μg以上20μg未満
C:溶出カルシウム量(μg)が20μg以上25μg未満
D:溶出カルシウム量(μg)が25μg以上
[コラーゲン分解抑制効果の評価]
ウシ抜去歯の象牙質をマイクロカッターにて厚さ300μmの切片状に切り出した。試験部位として2mm×220mmのウィンドウを残し、それ以外の部分をマニキュア被覆してウシ象牙質サンプルとした。このサンプルを脱灰液(2.2mM CaCl,2.2mM KHPO,50mM 酢酸,pH4.0)に浸漬し、37℃で48時間インキュベートした。各サンプルを下記に示す歯磨剤組成物調製方法で調製した組成物の3倍水希釈液に3分間、室温で浸漬した。精製水で洗浄後、Clostridium histolyticum由来collagenase(C9891−500MG,Sigma) 20U/mlを溶解した50mM PIPES緩衝液(0.05M PIPES,0.15M NaCl,0.005M CaCl,pH6.5)に37℃で6時間浸漬した。象牙質切片をプレパラートに乗せ、顕微鏡用デジタルカメラ(オリンパス製、DP−62)により画像を取り込み、画像解析した。下記の式より平均コラーゲン分解深さを算出し、以下に示す基準で評価した。
Figure 2018188427
[コラーゲン分解抑制効果の評点基準]
A:平均コラーゲン分解深さ(μm)が50μm未満
B:平均コラーゲン分解深さ(μm)が50μm以上55μm未満
C:平均コラーゲン分解深さ(μm)が55μm以上60μm未満
D:平均コラーゲン分解深さ(μm)が60μm以上
[押し出し易さの官能評価]
10名の被験者が、各組成の歯磨剤組成物をチューブから押し出したときの指圧の程度から、下記3段階の評点で押し出し易さを評点した。10名の被験者の評点から平均値を算出し、以下に示す評価基準で押し出し易さを評価した。
[評点]
3点:わずかな力で簡単に歯磨剤をチューブから出すことができる
2点:やや強い力で歯磨剤をチューブから出すことができる
1点:強く握らないと歯磨剤がチューブから出てこない
[評価基準]
A:平均点が2.5点以上3点以下
B:平均点が2点以上2.5点未満
C:平均点が1.5点以上2点未満
D:平均点が1.5点未満
[口腔内の刺激の無さの評価]
10名の被験者が、歯磨剤組成物を使用した歯みがき直後の口腔内の刺激の無さの程度から、下記4段階の評点で口腔内の刺激の無さを評点した。10名の被験者の評点の平均値を算出し、以下に示す評価基準で口腔内の刺激の無さを評価した。
なお、歯みがきは、各被験者において、約1gの歯磨剤組成物を歯ブラシにつけ、3分間ブラッシングした後、口腔内を水ですすぐことにより実施した。
[評点]
4点:口腔内の刺激を感じない
3点:口腔内の刺激をほとんど感じない
2点:口腔内の刺激を感じた
1点:口腔内の刺激を強く感じた
[評価基準]
A:平均点3.5点以上
B:平均点3.0点以上3.5点未満
C:平均点2.0点以上3.0点未満
D:平均点2.0点未満
[歯磨剤組成物調製方法]
歯磨剤組成物は、以下のようにして調製した。まず、精製水に(A)成分:ピロリドンカルボン酸Na、(B)成分:塩基性アミノ酸、(C)成分:水溶性フッ素化合物、(D)成分:ピロリドンカルボン酸亜鉛、サッカリンナトリウム、70%ソルビット液、及び無水ケイ酸(増粘性)を溶解してX液を調製した。
別途、プロピレングリコールに、カルボキシメチルセルロースナトリウムを分散させてY液を調製した。
撹拌中のX液に、Y液及び酸化チタンを加えた後、香料、酸化チタン、無水ケイ酸(研磨性)、ラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加え、さらに減圧下で撹拌して歯磨剤組成物を得た。製造には、1.5Lニーダー(石山工作所社製)を用いた。
歯磨剤組成物の調製に用いた各成分の詳細を下記に示し、各成分の使用量を下記表1に記す。
(A)成分:ピロリドンカルボン酸Na(AJIDEW N−50(味の素社製))
(B)成分:塩異性アミノ酸(L−アルギニン Cグレード(味の素社製)又はリジン塩酸塩(L−リジン塩酸塩(食添)(味の素社製)))
(C)成分:水溶性フッ素化合物(フッ化ナトリウム(精製フッ化ナトリウム(S)RKX−32(ステラケミファ製))又はモノフルオロリン酸ナトリウム(ICL Japan Ltd.))
(D)成分:ピロリドンカルボン酸亜鉛(AJIDEW ZN−100(味の素社製))
その他の成分については医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
Figure 2018188427
(実施例1〜25、比較例1〜11)
(A)〜(D)成分を表2〜4に記載した配合量とし、上記歯磨剤組成物調製方法に記載の方法で歯磨剤組成物を調製した。調製した歯磨剤組成物について、各種評価試験を行った。評価結果を表2〜4に併せて記す。
Figure 2018188427
Figure 2018188427
Figure 2018188427
表2〜3から、本発明の口腔用組成物は、象牙質の耐酸性効果とコラーゲンの分解抑制効果に優れるものであった(実施例1〜25参照)。従って、本発明の口腔用組成物は、象牙質う蝕の予防効果に優れるものであった。また、実施例の口腔用組成物について、使用性を評価するために押し出し性と口腔内の刺激の無さを評価した。その結果、大部分の両評価結果がともに「A」であり、歯磨剤組成物としての使用性に問題がないことが認められた。
なお、ピロリドンカルボン酸ナトリウム又はピロリドンカルボン酸亜鉛の配合量が10%の場合であると(実施例5、20参照)、押し出し性の評価結果が「B」又は「C」であるが、実用上は問題ない。
これに対し、表4からわかるように、(A)成分〜(C)成分のいずれかを含有しない口腔用組成物は、象牙質の耐酸性効果に劣るものであった(比較例1〜3参照)。また、(D)成分を含有しないか、代替成分として塩化亜鉛又はクエン酸亜鉛を含有する口腔用組成物は、コラーゲン分解抑制効果に劣るものであった(比較例4、6〜7参照)。さらに、(A)成分〜(D)成分のいずれか2成分を含有しない口腔用組成物は、象牙質の耐酸性効果及びコラーゲン分解抑制効果の少なくともいずれかが劣るものであった(比較例5、8〜11参照)。

Claims (7)

  1. (A)成分:ピロリドンカルボン酸及びそのアルカリ金属塩の少なくともいずれかと、
    (B)成分:塩基性アミノ酸及びその塩の少なくともいずれかと、
    (C)成分:水溶性フッ素化合物と、
    (D)成分:ピロリドンカルボン酸亜鉛と、を含有する口腔用組成物。
  2. 前記(A)成分の含有量が、0.1〜10質量%である請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 前記(B)成分の含有量が、0.05〜20質量%である請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. 前記(C)成分の含有量が、フッ素原子換算で、0.01〜0.5質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  5. 前記(D)成分の含有量が、0.1〜10質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  6. 前記(B)成分が、アルギニン、リジン、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  7. 前記(C)成分が、フッ化ナトリウム又はモノフルオロリン酸ナトリウムである請求項1〜6のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
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