JP2018188417A - 固体製剤の潜像印刷物及びその撮像方法 - Google Patents

固体製剤の潜像印刷物及びその撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の波長域の紫外線照射により顕像化することが可能な潜像が表面に設けられた固体製剤の潜像印刷物及びその撮像方法を提供する。【解決手段】本発明に係る固体製剤の潜像印刷物は、表面の少なくとも一部に潜像が設けられた固体製剤10の潜像印刷物であって、波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収する潜像インク層11により潜像が形成された潜像領域Aと、少なくとも上記波長域の紫外線を反射し、及び/又は蛍光を発する非潜像領域Bとを少なくとも有し、潜像領域A及び非潜像領域Bに可視光を照射した場合の非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差が5未満であり、潜像領域A及び非潜像領域Bに少なくとも上記波長域の紫外線を含む光を照射した場合の非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差が5以上であることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は固体製剤の潜像印刷物及びその撮像方法に関し、より詳細には、特定の波長域の紫外線照射により顕像化することが可能な潜像が印刷された固体製剤の潜像印刷物及びその撮像方法に関する。
近年、医薬品等の錠剤に対し、直接インクジェット方式で薬剤名を印刷して表示することが増えつつある。特に、インクジェット方式は被記録媒体毎に異なる情報を印刷する可変印刷(バリアブル印刷)が可能なため、錠剤に対しても、薬剤名の他に、錠剤のロット番号や錠剤の消費期限、偽薬防止のためのセキュリティコード等を可変的に印刷する試みがなされている。
一方、薬剤名以外の製品情報は、一般消費者や患者が認識する必要のない情報である。そのため、例えば、可視光の下では一般消費者等に視認されないのが望ましい。このような印刷を可能にするインクとしては、例えば、リボフラビン類等を含み、紫外線が照射された場合にのみ色相変化して印刷画像を識別することが可能な可食性のインクが挙げられる(下記特許文献1参照)。また、可食性の蛍光染料を溶媒に溶かしたインクや、当該蛍光染料を溶媒に対し不溶性にしてレーキ化し、レーキ有機顔料として溶媒中に分散させたレーキ顔料インクも挙げられる。
しかし、これらのインクは、酸化鉄等の無機顔料を用いた可食性のインクと比較して、耐光性に劣るという問題がある。
2011−241312号公報
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、特定の波長域の紫外線照射により顕像化することが可能な潜像が表面に設けられた固体製剤の潜像印刷物及びその撮像方法を提供することにある。
本願発明者等は、上記問題点を解決すべく、固体製剤の潜像印刷物及びその撮像方法について検討した結果、下記構成を採用することにより上記の問題点を解決できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る固体製剤の潜像印刷物は、上記の課題を解決する為に、表面の少なくとも一部に潜像が設けられた固体製剤の潜像印刷物であって、波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収する潜像インク層により上記潜像が形成された潜像領域と、少なくとも上記波長域の紫外線を反射し、及び/又は蛍光を発する非潜像領域とを少なくとも有し、上記潜像領域及び非潜像領域に可視光を照射した場合の非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5未満であり、上記潜像領域及び非潜像領域に少なくとも上記波長域の紫外線を含む光を照射した場合の非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5以上であることを特徴とする。
上記の構成によれば、潜像領域は、当該潜像領域及び非潜像領域に可視光(波長域400nm〜760nm)を照射した場合に、非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5未満となる。そのため、可視光照射下では視認することが困難な潜像インク層により潜像が形成された潜像領域が、固体製剤の表面に設けられている。その一方、潜像領域は、波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収する潜像インク層からなる領域である。また、非潜像領域は、上記波長域の紫外線を反射し、及び/又は当該紫外線を吸収して他の紫外線領域や可視光領域に波長変換し蛍光を発する領域である。さらに、潜像領域は、当該潜像領域及び非潜像領域に紫外線を照射した場合に、当該非潜像領域に対する階調値の差が5以上となるように構成されている。そのため、前記潜像領域は紫外線照射下では潜像インク層により形成された潜像を良好なコントラストで顕像化することができる。
上記の構成においては、上記表面には、上記可視光を吸収する可視インク層により可視画像が形成された他の非潜像領域がさらに設けられており、上記非潜像領域及び他の非潜像領域に上記可視光を照射した場合の非潜像領域に対する他の非潜像領域の階調値の差が5以上であることが好ましい。
上記の構成によれば、他の非潜像領域は、可視光を吸収する可視インク層により可視画像が形成された領域であり、非潜像領域及び他の非潜像領域に可視光を照射した場合に、非潜像領域に対して階調値の差が5以上となる。そのため、可視インク層からなる可視画像は可視光照射下において、良好なコントラストで視認することができる。これに対して、潜像インク層により形成された潜像は、可視光照射下では視認が困難である一方、上記波長域の紫外線照射下では良好なコントラストで視認することができる。従って、上記構成であると、情報の内容等に応じて潜像又は可視画像として情報を固体製剤表面に記録することが可能になり、情報の記録方法の自由度を向上させることができる。
さらに上記の構成において、上記可視インク層は、上記波長域の紫外線を透過又は反射する層であり、上記非潜像領域及び他の非潜像領域に上記波長域の紫外線を含む光を照射した場合の非潜像領域に対する他の非潜像領域の階調値の差が5未満であることが好ましい。
上記の構成によれば、可視光の照射下では視認可能であった可視画像を、紫外線を含む光の照射下では視認困難なものにすることができる。一方、潜像は、可視光の照射下では視認困難なものである一方、紫外線を含む光の照射下では顕像化により視認可能となる。そのため、照射する光の波長域を変更することにより可視画像と潜像の反転表示を可能にする。その結果、固体製剤上の印刷可能な領域の面積が小さいときにも、より多くの情報を当該固体製剤表面に記録することが可能になる。
上記構成においては、上記潜像インク層が顔料としての酸化亜鉛粒子を少なくとも含むことが好ましい。潜像インク層に顔料としての酸化亜鉛粒子を少なくとも含有させることにより、当該潜像インク層に紫外線に対する良好な光吸収性を発現させることが可能になる。また、酸化亜鉛は薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合しているため、生体為害性が低い。その結果、医薬品や食品等の錠剤等の固体製剤に潜像を直接印刷することができる。さらに、染料を用いたインク層と比較して耐光性の向上も図れる。
また上記の構成においては、上記潜像インク層が可視光に対し光透過性を有することが好ましい。潜像インク層が可視光に対し光透過性を有することにより、潜像領域及び非潜像領域に可視光を照射した場合の、非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差をさらに低減することができる。その結果、潜像領域の可視光照射下での識別性を一層低下させることができる。また、例えば非潜像領域が可視光の少なくとも一部を反射するものである場合などでは、潜像インク層が光反射性を有することにより、可視光照射下での識別性を低下させることもできる。
本発明に係る固体製剤の潜像印刷物の撮像方法は、上記の課題を解決する為に、表面の少なくとも一部に潜像が設けられた固体製剤の潜像印刷物の撮像方法であって、上記固体製剤は、波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収する潜像インク層が設けられ、当該潜像インク層により上記潜像が形成された潜像領域と、少なくとも上記波長域の紫外線を反射し、及び/又は蛍光を発する非潜像領域とを少なくとも有し、上記潜像領域及び非潜像領域に可視光を照射した場合の非潜像潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5未満であり、上記潜像領域及び非潜像領域に上記波長域の紫外線を含む光を照射した場合の非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5以上のものであり、上記潜像領域及び非潜像領域に上記波長域の紫外線を少なくとも含む照射光を照射して、当該潜像領域の潜像を顕像化する顕像化工程と、上記照射光が上記非潜像領域で反射された反射光、及び/又は上記非潜像領域で発生した蛍光を受光し、上記顕像化工程で顕像化された潜像領域及び非潜像領域を撮像する撮像工程とを含むことを特徴とする。
上記構成によれば、撮像対象となる固体製剤の表面には、可視光照射下において非潜像領域に対する階調値の差が5未満の潜像領域が設けられている。そのため、潜像領域は、可視光照射下においてその視認が困難な潜像の形成を可能にしている。また、潜像領域は波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収する領域である。その一方、非潜像領域は上記波長域の紫外線を反射し、及び/又は蛍光を発する領域である。そして、潜像領域は、当該潜像領域及び非潜像領域に、上記波長域の紫外線を含む光が照射されると、当該非潜像領域に対する階調値の差が5以上となるように構成されている。そのため、上記構成においては、潜像領域及び非潜像領域に少なくとも上記波長域の紫外線を含む照射光を照射することにより、当該潜像領域を良好なコントラストで顕像化させることができる(顕像化工程)。その上で、上記構成においては、照射光が非潜像領域で反射された反射光、及び/又は非潜像領域で発生した蛍光を受光し、顕像化された潜像領域と、非潜像領域を撮像する(撮像工程)。これにより、例えば、偽造製品の製造防止等を目的とするために、製品情報等を潜像として形成した固体製剤の印刷物に対して、上記波長域の紫外線を照射することにより潜像を容易に顕像化することができ、当該潜像の判別や検査等を良好に行うことができる。
上記の構成において、上記顕像化工程は、上記照射光として波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線のみを用いる工程であることが好ましい。上記潜像インク層は波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収するものであるため、顕像化工程で使用する照射光を当該波長域の紫外線のみとすることで、非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差をさらに大きくすることができ、一層良好なコントラストで顕像化を図ることができる。
また、上記の構成においては、上記顕像化工程での上記照射光に含まれる上記紫外線の波長域と、上記撮像工程で受光する上記反射光及び/又は蛍光の波長域とが、少なくとも一部重複することが好ましい。これにより、撮像工程における受光量の増大が図られ、潜像領域と非潜像領域を良好なコントラストで撮像することが可能になる。
上記の構成において、上記固体製剤は、上記可視光を吸収する可視インク層により可視画像が形成された他の非潜像領域をさらに有しており、上記非潜像領域及び他の非潜像領域に可視光を照射した場合の非潜像領域に対する他の非潜像領域の階調値の差が5以上であり、上記撮像工程は、上記他の非潜像領域も撮像する工程とすることができる。
上記構成によれば、固体製剤の表面に、可視光を吸収する可視インク層により可視画像がさらに形成されたものも撮像対象にすることができる。そして、可視インク層が、例えば、上記波長域の紫外線の照射下においても視認可能なインク層である場合には、撮像工程において当該可視インク層が設けられた他の非潜像領域も撮像することにより、可視インク層の検査等を行うことが可能になる。
さらに上記の構成において、上記可視インク層は、上記波長域の紫外線を透過又は反射する層であり、上記非潜像領域及び他の非潜像領域に上記波長域の紫外線を含む光を照射した場合の非潜像領域に対する他の非潜像領域の階調値の差が5未満であり、上記顕像化工程は、上記他の非潜像領域にも上記波長域の紫外線を少なくとも含む照射光を照射することにより、上記他の非潜像領域の可視画像を潜像化させる工程であり、上記撮像工程は、上記顕像化工程で潜像化された他の非潜像領域も撮像する工程であることが好ましい。
上記構成によれば、他の非潜像領域は、上記波長域の紫外線を透過又は反射する可視インク層の形成により、当該紫外線を含む光の照射下において非潜像領域に対する階調値の差が5未満となる。そのため、他の非潜像領域は、顕像化工程において潜像化することができ、その視認を困難にする。これにより、撮像工程においては、顕像化工程で顕像化された潜像のみを撮像することが可能になり、当該潜像の判別や検査等が可視画像により阻害されるのを防止することができる。
また、上記の構成においては、上記固体製剤として、上記潜像インク層に顔料としての酸化亜鉛粒子が少なくとも含まれるものを用いることが好ましい。これにより、潜像インク層は紫外線に対する良好な光吸収性を発現するので、潜像領域及び非潜像領域に、200nm以上400nm未満の波長域の紫外線を少なくとも含む照射光を照射したとき、当該潜像領域の紫外線照射下での顕像化を可能にする。また、酸化亜鉛は薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合しているため、生体為害性が低い。その結果、医薬品や食品等の錠剤等の固体製剤に潜像を直接印刷することができる。さらに、染料を用いたインク層と比較して耐光性の向上も図れる。
また、上記の構成においては、潜像インク層が可視光に対し光透過性を有することが好ましい。潜像インク層が可視光に対し光透過性を有することにより、潜像領域及び非潜像領域に可視光を照射した場合の、非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差をさらに低減することができる。その結果、潜像領域の可視光照射下での識別性を一層低下させることができる。また、例えば非潜像領域が可視光の少なくとも一部を反射するものである場合などでは、潜像インク層が光反射性を有することにより、可視光照射下での識別性を低下させることもできる。
本発明に係る固体製剤の潜像印刷物によれば、潜像インク層により潜像が形成されている潜像領域は、当該潜像領域及び非潜像領域に可視光を照射した場合に、非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5未満となるように構成されている。そのため、本発明の潜像印刷物においては、可視光照射下では潜像を視認(識別)することが困難になっている。また、潜像領域は、波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収する潜像インク層により潜像が形成されている領域であり、非潜像領域は当該波長域の紫外線を反射し、及び/又は蛍光を発する領域である。そして、潜像領域は、当該潜像領域及び非潜像領域に紫外線を照射した場合に、当該非潜像領域に対する階調値の差が5以上となるように構成されている。そのため、本発明によれば、上記波長域の紫外線照射により良好なコントラストでの顕像化が可能な潜像を有する、固体製剤の潜像印刷物を提供することができる。
また、本発明に係る固体製剤の潜像印刷物の撮像方法によれば、固体製剤の潜像領域及び非潜像領域に、少なくとも上記波長域の紫外線を含む照射光を照射することにより潜像を顕像化させた後、非潜像領域で反射した反射光、及び/又は非潜像領域で発生した蛍光を受光して、顕像化された潜像領域と、非潜像領域を撮像するものである。そのため、例えば、偽造製品の製造防止等を目的として製品情報等が潜像として印刷された固体製剤の印刷物に対して、上記波長域の紫外線を照射することで容易に潜像を顕像化し撮像することができる。その結果、本発明によれば、固体製剤に設けられた潜像の判別や検査等を容易に行うことが可能な固体製剤の潜像印刷物の撮像方法を提供することができる。
本発明の実施の一形態に係る固体製剤の潜像印刷物を模式的に表す説明図である。 固体製剤の潜像印刷物の撮像方法に使用する撮像装置の概略を表す模式図である。 本発明の他の実施の形態に係る固体製剤の潜像印刷物を模式的に表す説明図である。 実施例1〜7で用いた水性インク組成物の190nm〜500nmの範囲における吸収スペクトルを表すグラフである。 実施例8及び9で用いた水性インク組成物の260nm〜800nmの範囲における吸収スペクトルを表すグラフである。
(実施の形態1)
<固体製剤の潜像印刷物>
本実施の形態に係る固体製剤の潜像印刷物(以下、「潜像印刷物」という。)について、以下に説明する。図1は本実施の形態に係る固体製剤の潜像印刷物を模式的に表す説明図である。
図1に示すように、本実施の形態の潜像印刷物は、固体製剤10の表面の少なくとも一部に潜像インク層11が設けられている。潜像インク層11は潜像としての印刷画像を形成する。そして、本実施の形態の潜像印刷物は、潜像インク層11が潜像を形成する潜像領域Aと、潜像が形成されていない非潜像領域Bとを少なくとも有している。
本明細書において「固体製剤」とは、食品製剤及び医薬製剤を含む意味であり、その形態としては、例えばOD錠、素錠、FC錠、糖衣錠等の錠剤又はカプセル剤が挙げられる。固体製剤10は、医薬品用途であってもよく、食品用途であってもよい。食品用途の錠剤の例としては、錠菓やサプリメント等の健康食品が挙げられる。固体製剤10のうち、錠剤は常温下において固体状であり、例えば、有効成分を含む錠剤材料を一定の形状に圧縮及び/又は成形により製造されたものが好ましい。錠剤の形状は特に限定されず、任意の形状を採用することができる。また、錠剤は、医薬品用途の錠剤であってもよく、食品用途の錠剤であってもよい。食品用途の錠剤の例としては、錠菓やサプリメント等の健康食品が挙げられる。
また、本明細書において「潜像」とは、可視光(波長域400nm〜760nm)が照射された環境下においては識別が困難であり、特定の条件下において顕像化する画像を意味する。さらに、本明細書における「潜像印刷物」とは、固体製剤10に潜像が印刷画像として印刷されたものを意味する。ここで、潜像として印刷される画像は、例えば、後述するインクジェット用水性インクを用いてインクジェット方式等により印刷可能である。尚、インクジェット方式による印刷とは、インクジェット用水性インク液を微細なインクジェットヘッドより液滴として吐出して、その液滴を固体製剤10に定着させ、画像を形成させる方式を意味する。
[潜像領域]
潜像領域Aは波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収する潜像インク層11により潜像が形成された領域である。上記波長域は、260nm以上380nm以下の範囲がより好ましく、280nm以上360nm以下の範囲が特に好ましい。また、潜像インク層11は可視光に対し光透過性を有することが好ましい。さらに、潜像インク層11は、可視光に対し光反射性を有していてもよい。この場合、例えば後述の通り、非潜像領域Bが可視光の少なくとも一部を反射するものであると、潜像インク層11により好適に潜像を形成することができる。尚、本明細書における「光透過性」とは、入射した可視光等の少なくとも一部を透過する性質を意味する。また光透過性には、潜像インク層11が無色である場合の他、有色である場合も含む意味である。さらに、本明細書における「光反射性」とは、入射した可視光等の少なくとも一部を反射する性質を意味する。
潜像領域Aには、可視光下で視認可能な画像を形成する可視インク層や、コーティング層が設けられていてもよい。潜像インク層11が可視光に対し光透過性を有することで、たとえ可視インク層が当該潜像インク層11の下層に設けられている場合であっても、その視認性を確保することができる。尚、可視インク層の詳細について、後段の実施の形態2において述べる。上記コーティング層としては、例えば、潜像インク層11を被覆して保護するためのオーバーコート層や、アンダーコート層が挙げられる。
潜像インク層11としては、インクジェット用水性インク(詳細については後述する。)の乾燥皮膜からなるものが好ましい。乾燥皮膜は、インクジェット用水性インクを用いて、例えばインクジェット方式等により固体製剤10表面に直接印刷されることにより形成することができる。また、潜像インク層11には、上記波長域の範囲の紫外線に対し光吸収性を有する成分(以下、「紫外線吸収成分」という場合がある。)が少なくとも含まれていることが好ましい。さらに、紫外線吸収成分は潜像インク層11中に均一に含まれていることが好ましい。紫外線吸収成分としては、例えば顔料としての酸化亜鉛粒子等が挙げられる。尚、潜像インク層11の厚さとしては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
[非潜像領域]
非潜像領域Bは、上記波長域の紫外線を少なくとも含む光(以下、「照射光」という。)が照射された場合に、当該紫外線を反射する領域である。あるいは、非潜像領域Bは上記紫外線を励起光として吸収し、蛍光を発する領域である。非潜像領域Bで発生する蛍光には、上記波長域の範囲の紫外線や可視光領域の光等も含み得る。また、照射される紫外線とは異なる波長の紫外線が蛍光として発生する場合も含み得る。尚、非潜像領域Bは上記紫外線の反射と蛍光の発生が同時に生じる領域であってもよい。
ここで本明細書における「蛍光」とは、200nm以上400nm未満の波長域の紫外線(励起光)が照射された場合に、当該紫外線を吸収して波長変換し、異なる波長の紫外線や可視光(380nm〜760nm)を蛍光として発することを意味する。また、紫外線の照射後においても発せられる残光のうち減衰時間の短い成分の蛍光も含む意味である。また、減衰時間とは、上記成分の発光開始から基底状態に戻る(蛍光が消失する)までの遷移に要する時間を意味する。
非潜像領域Bが200nm以上400nm未満の波長域の紫外線に対し光反射性を備えるためには、例えば、固体製剤10に当該波長域の紫外線を反射するための成分が含まれていることが好ましい。この点に関し、例えば、一般に市販されている白色性の錠剤やカプセル剤等は上記波長域の紫外線を反射する性質を有するので、非潜像領域Bを形成することが可能である。尚、固体製剤10自体に酸化亜鉛の紫外線吸収成分が含まれる場合であっても、上記波長域の紫外線に対し光反射性を示す成分を含む紫外線反射層を固体製剤10表面に設けることにより、非潜像領域Bを形成することが可能である。あるいは、潜像インク層11に含まれる酸化亜鉛粒子等の粒子径を制御し、潜像インク層11の紫外線に対する吸収波長を、固体製剤10に含まれる酸化亜鉛等の吸収波長と異ならせることによっても、非潜像領域Bを形成することが可能である。
また、非潜像領域Bが、上記波長域の範囲の紫外線を照射された場合に蛍光性を示す性質を備えるためには、例えば、固体製剤10に当該波長域の紫外線を励起光として吸収し、蛍光を発する蛍光成分が含まれていることが好ましい。そのような蛍光成分としては可食性を有するものであれば特に限定されず、具体的には、例えばリボフラビン等が挙げられる。これらの蛍光成分は1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。尚、固体製剤10自体に酸化亜鉛等の紫外線吸収成分が含まれる場合であっても、上記波長域の紫外線に対し蛍光成分を含む蛍光層を固体製剤10表面に設けることにより、非潜像領域Bを形成することが可能である。ここで、本明細書における「蛍光性」とは、蛍光を発する性質を意味する。また、「可食性」とは、医薬品若しくは医薬品添加物として経口投与が認められている物質、及び/又は食品若しくは食品添加物として認められている物質のみからなることを意味する。
また、非潜像領域Bは、上記可視光の照射下において当該可視光の少なくとも一部を反射又は吸収する場合も含み得る。また、非潜像領域Bにおいても、他のインク層やコーティング層等が設けられていてもよい。
[潜像領域及び非潜像領域の階調値の差]
潜像領域A及び非潜像領域Bに可視光を同時に照射した場合の、非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差は5未満であることが好ましい。階調値の差を5未満にすることにより、可視光照射下において潜像(潜像インク層11)が視認(又は識別)されるのを困難にし、又は低減することができる。
本明細書において「階調値」とは、撮像された画像の濃淡を表す値であって、画像データを単純平均法、加重平均法又は中間値法等によりグレースケールに変換して得られた8ビットの階調値(0から255までの256段階の値)を意味する。また、本明細書において「階調値の差」とは、潜像領域Aの階調値の平均値から非潜像領域Bの階調値の平均値を差し引いた値を意味する。さらに、階調値の平均値とは、潜像領域A又は非潜像領域Bの画像データにおける複数のピクセルの階調値の平均値を意味する。
潜像領域A及び非潜像領域Bに、紫外線を少なくとも含む照射光を同時に照射した場合の、非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差は5以上であり、好ましくは15以上、より好ましくは30以上である。階調値の差を5以上にすることにより、紫外線照射下において潜像領域Aを顕像化し観察することを可能にする。
照射光を照射した場合の潜像領域A及び非潜像領域Bにおける階調値は、例えば当該照射光の光強度を調節することにより制御可能である。具体的には、照射光の光強度を適切に制御することにより潜像領域Aと非撮像領域Bの階調値の差を最大化し、より鮮明な撮像を可能にする。例えば照射光の光源の光強度が弱すぎるために潜像領域Aと非潜像領域Bの階調値が共に小さな値となり、かつ、その差が小さい場合は、光源の光強度を大きくすることにより階調値の差を大きくすることが可能になる。また、光源の光強度が大きすぎて、撮像が露出オーバーとなり潜像領域Aと非潜像領域Bの階調値が共に大きな値となり、かつ、その差が大きい場合は、光源の光強度を小さくすることにより、階調値の差を大きくすることが可能になる。また、非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差は、照射光の光強度に加えて、照射光に少なくとも含まれる紫外線の波長との最適な組み合わせにより制御可能である。あるいは、潜像インク層11に含まれる紫外線吸収成分の濃度を調節することにより、潜像領域Aにおける紫外線吸収能を向上又は低下させ、非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差を制御してもよい。
[潜像用水性インク]
潜像領域Aを形成する潜像インク層11の構成材料として、本実施の形態においては可食性を有する潜像用水性インクを用いるのが好ましい。潜像用水性インクは潜像用水性インク組成物を含み、当該潜像用水性インク組成物は顔料組成物(詳細については後述する。)と、主溶媒としての水とを少なくとも含む。また、本実施の形態の潜像用水性インク組成物は可食性を有し、インクジェット記録用として好適に用いられるものである。さらに、潜像用水性インク組成物は色材として顔料が用いられることから、染料を用いたインク組成物と比較して発色性や耐光性、耐水性等の点で優れている。
顔料組成物の含有量は、潜像用水性インク組成物の全質量に対し顔料分換算で2質量%〜40質量%の範囲が好ましく、5質量%〜30質量%の範囲内がより好ましい。顔料組成物の含有量を2質量%以上にすることにより、着色力を向上させることができる。その一方、顔料組成物の含有量を40質量%以下にすることにより、分散性を向上させることができる。
本実施の形態に係る潜像用水性インク組成物においては、水(主溶媒としての水)を含有する。水としては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものを用いるのが好ましい。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、水の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
本実施の形態の潜像用水性インク組成物においては、その他の添加剤が配合されていてもよい。但し、医薬品等の錠剤に対するインクジェット用インクとして用いる場合には、薬事法等の基準に適合するものであることが好ましい。
添加剤としては、表面張力調整剤、湿潤剤(乾燥防止剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤の含有量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
表面張力調整剤としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリル酸デカグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル等が挙げられる。
表面張力調整剤の添加量は、潜像用水性インク組成物の表面張力を25〜40mN/mに調整できる範囲が好ましく、27〜36mN/mに調整できる範囲がより好ましい。添加量が上記範囲内であると、インクジェット方式での印刷の際の吐出安定性の確保等が図れる。
湿潤剤としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
湿潤剤の添加量は、潜像用水性インク組成物の全質量に対し、3質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。
本実施の形態の潜像用水性インク組成物の粘度は、インクジェットノズルからの吐出安定性を考慮すると、インクジェットノズル吐出時において、2mPa・s〜7mPa・sが好ましく、3mPa・s〜5mPa・sがより好ましい。潜像用水性インク組成物の粘度を上記数値範囲内にすることにより、インクジェットノズルでの目詰まりの発生を抑制して良好な吐出安定性の維持が図れ、飛翔性の低下を抑制することができる。尚、潜像用水性インク組成物の粘度は、例えば、粘度計(商品名:VISCOMATE MODEL VM−10A、(株)セコニック製)を用いて、測定温度25℃の条件下で測定することにより得られる。
本実施の形態の潜像用水性インク組成物は、前述の各成分を適宜な方法で混合することよって製造することができる。即ち、例えば、顔料組成物の分散液に、別途添加剤等を加え、更に水にて希釈する。その後、十分に撹拌し、必要に応じて目詰まりの原因となる粗大粒子及び異物を除去するための濾過を行う。これにより、本実施の形態に係る潜像用水性インク組成物を得ることができる。
尚、各材料の混合方法としては特に限定されず、例えば、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合を行う。また、濾過方法としては特に限定されず、例えば、遠心濾過、フィルター濾過等を採用することができる。
本実施の形態の潜像用水性インク組成物は薬事法等の基準に適合した成分からなるので、可食性を有しており、医薬品やサプリメント等の錠剤の表面に直接印刷することが可能である。また、素錠やOD錠など表面の平滑性が悪い錠剤に対しても、インクジェット方式による非接触印刷を可能にする。さらに、潜像用水性インク組成物は耐光性にも優れているので、医薬品やサプリメント等の錠剤の表面に直接印刷しても滲みの発生を防止することができる。
[顔料組成物]
潜像用水性インク組成物に含まれる顔料組成物は、酸化亜鉛(ZnO)粒子からなる顔料(紫外線吸収成分)と、顔料分散剤としてのポリアクリル酸ナトリウムとを少なくとも含む顔料分散体の組成物である。本実施の形態において、酸化亜鉛粒子からなる顔料は紫外線吸収成分としての機能を有している。
酸化亜鉛粒子からなる顔料は白色顔料であり、紫外線遮蔽性を有する無機顔料である。尚、本実施の形態の顔料組成物には顔料以外に、公知の顔料が含まれていてもよい。
酸化亜鉛粒子の表面は親水化処理されていてもよい。但し、酸化亜鉛粒子の表面は、二酸化ケイ素の水和物(含水シリカ)により親水化処理されていないものが好ましい。すなわち、表面に二酸化ケイ素の水和物(含水シリカ)からなる被膜を形成して親水化処理した酸化亜鉛粒子を、顔料分散剤として後述のポリアクリル酸ナトリウムと共に用いた場合、当該酸化亜鉛粒子からなる顔料の平均分散粒子径は大きくなり、保存安定性が低下することがある。酸化亜鉛粒子として、その表面が二酸化ケイ素の水和物により親水化処理されていないものを用いることにより、分散した酸化亜鉛粒子の平均分散粒子径を、当該酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径に近づけることが可能になる。尚、本発明において酸化亜鉛粒子とは、特に断らない限り結晶性の酸化亜鉛粒子を意味する。また、酸化亜鉛粒子においては、二酸化ケイ素の水和物以外の化合物により表面が被覆されて親水化処理されたものを用いることができる。
酸化亜鉛粒子としては市販品を用いることも可能であり、そのような市販品としては、例えば、FINEX−50(商品名、堺化学工業(株)製)、FINEX−30(商品名、堺化学工業(株)製)、FINEX−25(商品名、堺化学工業(株)製)等が挙げられる。
酸化亜鉛粒子の顔料は、本実施の形態の顔料組成物を医薬品やサプリメント等の錠剤表面への印刷用として用いる場合、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準(以下、「薬事法等の基準」という。)に適合するものであることが好ましい。
酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径(体積平均粒子径)としては、20nm〜400nmが好ましく、30nm〜200nmがより好ましく、40nm〜100nmが特に好ましい。平均一次粒子径を20nm以上にすることにより、印刷画像の耐光性の低下を抑制すると共に、顔料の濃度を大きくすることができ、透明性の向上が図れる。また、十分な隠蔽性を確保することもできる。その一方、平均一次粒子径を400nm以下にすることにより、高色彩化が図れると共に、酸化亜鉛粒子の沈降やノズルの目詰まりの防止が可能になる。また、通常、平均一次粒子径が大きい顔料粒子を選択した場合、インクジェット方式での印刷に求められる平均分散粒子径のレベルでの顔料分散を可能にするために、顔料粒子を十分に摩砕するための工程時間が長くなる。しかし、上述の通り、平均一次粒子径を400nm以下にすることにより、工程時間の長期化も抑制することができる。
尚、本発明において「平均一次粒子径」とは一次粒子の平均粒子径を意味し、一次粒子とは一般的に粉末を構成する最も小さい粒子のことをいい、単結晶又はそれに近い結晶子が集まって形成している粒子を含む意味である。
また、平均一次粒子径は酸化亜鉛粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径である。本実施の形態においては、単分散の粒径分布を持つ酸化亜鉛粒子を用いるが、本発明はこれに限定されず、多分散の粒径分布を持つ酸化亜鉛粒子を用いてもよい。また、単分散の粒径分布を持つ顔料を2種以上混合して使用してもよい。
酸化亜鉛粒子の形状は特に限定されず、球状、棒状、針状、紡錘状、板状等の任意の形状のものを使用することができる。本実施の形態においては同種の形状の酸化亜鉛粒子を用いてもよく、2種以上の異なる形状のものを混合して用いてもよい。尚、棒状、針状、紡錘状粒子である場合の平均一次粒子径は長軸の長さ(又は高さ)と短軸の長さ(又は幅)の相乗平均値で規定する。
顔料の含有量は画像濃度に直接影響するものであり、潜像用水性インク組成物の保存性や粘度、pH等に影響を及ぼすものであることから、これらの点を考慮して適宜設定すればよい。通常は、顔料組成物の全質量に対し2質量%〜20質量%の範囲内が好ましく、5質量%〜15質量%の範囲内がより好ましい。酸化亜鉛粒子からなる顔料の含有量を2質量%以上にすることにより、画像濃度の低下を抑制することができる。その一方、酸化亜鉛粒子からなる顔料の含有量を20質量%以下にすることにより、光沢性の低下やノズルの目詰まり、吐出安定性の低下を防止することができる。
ポリアクリル酸ナトリウムは、本実施の形態の顔料に対し顔料分散剤として機能する。ポリアクリル酸ナトリウムを配合することにより、顔料の分散性の向上が図れる。また、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることにより、顔料組成物及び潜像用水性インク組成物に気泡が発生するのを抑制することができる。その結果、消泡剤の添加が省略可能である。さらに、インクジェットヘッドから本実施の形態の潜像用水性インク組成物を吐出させる際には、当該気泡が当該潜像用水性インク組成物中に存在しないことから、ノズル抜けや吐出不良、オープンタイムの低下も抑制することができる。尚、ポリアクリル酸ナトリウムは、薬事法等で定める基準に適合するものである。従って、ポリアクリル酸ナトリウムは、医薬品又は食品等の錠剤等への印刷に好適に用いることができる。
ポリアクリル酸ナトリウムの質量平均分子量は10000以下であり、好ましくは1500〜10000、より好ましくは2000〜8000である。ポリアクリル酸ナトリウムの質量平均分子量を10000以下にすることにより、酸化亜鉛粒子の表面に吸着するポリアクリル酸ナトリウムの分子鎖が過度に長くなるのを防止する。その結果、前化亜鉛粒子からなる顔料同士が架橋されて凝集するのを低減することができる。尚、ポリアクリル酸ナトリウムの質量平均分子量を1500以上にすることにより、酸化亜鉛粒子の表面に吸着したポリアクリル酸ナトリウムが立体障害等による反発力を十分に発揮させることを可能にする。その結果、酸化亜鉛粒子同士が再凝集するのを抑制することができる。尚、ポリアクリル酸ナトリウムの質量平均分子量は、例えば、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
本実施の形態の顔料とポリアクリル酸ナトリウムとの含有比は、質量基準で1:0.05〜1:1.5であることが好ましく、1:0.1〜1:1であることがより好ましい。含有比を1:0.05以上にすることにより、酸化亜鉛粒子の顔料の分散性低下を防止することができる。その一方、含有比を1:1.5以下にすることにより、例えば、潜像用水性インク組成物に用いた場合に、ノズルプレートへの付着に起因する吐出安定性の低下を防止することができる。
尚、ポリアクリル酸ナトリウムは、例えば、後述する分散媒に添加する際に、他の従来の顔料分散剤と比べ、比較的気泡が発生しにくい。そのため、本実施の形態の顔料組成物においては消泡剤の添加を省略することができる。
本実施の形態に係る顔料組成物においては、酸化亜鉛粒子の顔料を分散させるための分散媒が含まれる。分散媒としては水が挙げられ、より詳細には、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものが挙げられる。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、分散媒の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、分散媒としては、水と水溶性有機溶剤の混合溶液を用いてもよい。水溶性有機溶剤としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。さらに、分散媒に水溶性有機溶剤を用いる場合の配合量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
分散状態にある酸化亜鉛粒子の平均分散粒子径D50は、20nm〜500nmの範囲内が好ましく、40nm〜100nmの範囲内がより好ましい。また、顔料の分散粒子径D99(体積積算粒度分布における積算粒度で99%の粒径)は、1000nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましい。D50を20nm以上にすることにより、保存安定性、耐光性及び吐出安定性の悪化を防止し、印刷濃度の低下も防止することができる。その一方、D50を500nm以下、又はD99を1000nm以下にすることにより、顔料の分離や沈降及び凝集を防止し、保存安定性の維持が図れる。尚、顔料の平均分散粒子径D50及びD99は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した値である。
また、酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径と、分散媒に分散した酸化亜鉛粒子の平均分散粒子径D50の比は1:0.3〜1:3の範囲内であることが好ましい。本実施の形態においては、例えば、表面が二酸化ケイ素の水和物により親水化処理されていない酸化亜鉛粒子を顔料として用い、さらに顔料分散剤として質量平均分子量が10000以下のポリアクリル酸ナトリウムを用いることにより、酸化亜鉛粒子の平均分散粒子径を酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径とほぼ同様のレベルにすることができる。その結果、例えば、平均一次粒子径が小さい酸化亜鉛粒子を用いた場合には、平均分散粒子径D50の小さい顔料組成物を得ることができ、顔料の分離や沈降及び凝集を防止し、保存安定性の維持が図れる。尚、酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径と、酸化亜鉛粒子の平均分散粒子径D50の比は、より好ましくは1:0.5〜1:2.5、特に好ましくは1:0.8〜1:2である。
本実施の形態の顔料組成物の製造方法において、酸化亜鉛粒子からなる顔料、ポリアクリル酸ナトリウム、分散媒及び必要に応じて配合するその他の添加剤の混合方法や添加順序は、特に限定されない。例えば、酸化亜鉛粒子の顔料、ポリアクリル酸ナトリウム及び分散媒としての水等を一度に混合し、この混合液に対し通常の分散機を用いて分散処理を施してもよい。
但し、本実施の形態においては、顔料分散剤としてのポリアクリル酸ナトリウムを用いることにより、顔料組成物及び当該顔料組成物を含む潜像用水性インク組成物に気泡が発生するのを抑制することができる。そのため、当該気泡を低減又は消失させるための消泡工程を省略することができ、製造効率の向上が図れる。また、消泡剤の含有も省略できるので、薬事法等の基準に適合した顔料組成物及び潜像用水性インク組成物の製造が一層容易になる。
分散処理における分散時間は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。顔料の分散処理の際に使用される分散機としては、一般に使用される分散機であれば特に限定されない。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ナノマイザー等が挙げられる。
尚、本実施の形態の顔料組成物は、最終製品たる潜像用水性インク組成物の形態のほか、当該潜像用水性インク組成物を調製するための顔料分散液の形態をも包含するものである。
<固体製剤の潜像印刷物の印刷方法>
固体製剤10の表面に潜像(潜像インク層11)を印刷する方法としては、例えば、潜像用水性インク組成物からなる潜像用水性インクを用いたインクジェット記録方法が挙げられる。上述の通り、本実施の形態の潜像用水性インク組成物は耐光性に優れ、滲みの発生もないので、固体製剤10の製品情報等を顕像化可能な潜像として印刷することができる。
錠剤の表面に対するインクジェット記録方法については、特に限定されない。具体的には、例えば、微細なノズルより潜像用水性インク組成物を液滴として吐出し、その液滴を錠剤表面に付着させることにより行うことができる。吐出方法としては特に限定されず、例えば、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型等)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等)等の公知の方法を採用することができる。
また、潜像印刷工程には、固体製剤10の表面に付着した潜像用水性インクの液滴を乾燥させる乾燥工程を含むことができる。乾燥方法としては特に限定されず、熱風乾燥の他、自然乾燥等を行うことができる。また、乾燥時間や乾燥温度等の乾燥条件についても特に限定されず、液滴の吐出量や潜像用水性インク組成物の種類等に応じて適宜設定することができる。
<固体製剤の潜像印刷物の撮像方法>
次に、本実施の形態に係る固体製剤の潜像印刷物の撮像方法について以下に説明する。
本実施の形態の撮像方法は、潜像を顕像化する顕像化工程と、当該顕像化工程で顕像化された潜像を撮像する撮像工程とを少なくとも含む。
顕像化工程は、潜像領域A及び非潜像領域Bに紫外線を少なくとも含む照射光を照射することにより行われる。照射光の照射により、潜像領域Aの潜像インク層11では紫外線を吸収する。その一方、非潜像領域Bでは紫外線を反射し、及び/又は蛍光を発する。これにより、潜像領域Aでは非潜像領域Bに対する階調値の差が5以上となり、潜像インク層11が形成する潜像を顕像化することができる。
紫外線の波長域は200nm以上400nm未満の範囲内であり、潜像インク層11に含まれる紫外線吸収成分の種類に応じて適宜設定することができる。また、照射光の出射の際の光強度(μW/cm)は、紫外線吸収成分の種類や潜像インク層11中の含有量、紫外線の光吸収性の程度等に応じて適宜設定することができる。例えば、紫外線吸収成分として酸化亜鉛を用いた場合、光強度は4000μW/cm〜35000μW/cmの範囲であり、より好ましくは5000μW/cm〜30000μW/cm、特に好ましくは10000μW/cm〜20000μW/cmである。さらに、照射光の固体製剤10に対する照射角度は特に限定されず、適宜設定することができる。尚、「照射角度」とは、固体製剤10に対して照射される照射光の照射方向と、当該固体製剤10が載置された水平面とのなす角度を意味する。
撮像工程は、照射光が非潜像領域Bで反射された反射光、及び/又は非潜像領域Bで発生した蛍光(以下、「反射光等」という。)を受光し、顕像化工程で顕像化された潜像領域と非潜像領域を撮像することにより行われる。受光条件は照射光の波長域に対し最大感度を示す様に設定することが好ましい。具体的には、受光可能な光の波長域を、照射光の波長域と少なくとも一部一致させる様に受光条件を設定することが好ましく、より好ましくは受光可能な光の波長域を400nm未満に設定する。これにより、受光量の増大が図られ、潜像領域Aと非潜像領域Bを良好なコントラストで撮像することが可能になる。反射光等の波長域に対し受光感度が低い、あるいはない場合には、顕像化された潜像領域Aと非潜像領域Bを撮像することが困難になる場合がある。
反射光等を受光する際の受光角度は特に限定されず、反射光等の受光量が最大となる様に適宜設定すればよい。尚、「受光角度」とは、非潜像領域Bにおける反射光等の光量が最大となる光線と、水平面に対する法線とのなす角度を意味する。
尚、本実施の形態の潜像印刷物の撮像方法においては、撮像工程の後に、潜像インク層11の印刷不良の有無を確認する検査工程をさらに行うことも可能である。この場合、印刷不良の有無を確認する検査方法としては特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。
<固体製剤の潜像印刷物の撮像装置>
次に、潜像印刷物の撮像方法に用いる撮像装置について、図2に基づき以下に説明する。図2は、撮像方法に使用する撮像装置の概略を表す模式図である。
図2に示すように、本実施の形態の撮像装置は、固体製剤10に照射光を照射するための光照射手段21と、当該固体製剤10を撮像するための撮像手段22とを少なくとも備える。
光照射手段21としては、波長域が200nm以上400nm未満の波長域の紫外線を含む光を照射できるものであれば特に限定されない。例えば、ブラックライト、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、LED等の各種公知のものが挙げられる。
また、光照射手段21が可視光等を含む光を照射するものであって、固体製剤10に対し上記波長域の紫外線のみを照射したい場合には、当該波長域以外の波長域の光(例えば、可視光や赤外光等)を遮断し、又は減衰させる第1光学フィルター23を介して照射してもよい。あるいは、光照射手段21として、そのような第1光学フィルター23を内蔵したものを用いてもよい。
撮像手段22は照射光の照射により非潜像領域Bで反射した反射光や蛍光を受光し、潜像領域Aと非潜像領域Bの画像を撮像するものである。撮像手段22としては、より具体的には、従来公知の紫外線カメラ等が挙げられる。
また、撮像手段22で受光する光の波長を制御したい場合には、波長フィルター等の第2光学フィルター24を介して、撮像手段22で受光を行ってもよい。これにより、例えば、受光する光の波長域を、照射光の波長域と一致させることができる。第2光学フィルター24としては特に限定されず、例えば、可視光や赤外光等を遮断し、又は減衰させることが可能な従来公知の波長フィルター等が挙げられる。また、撮像手段22として、そのような第2光学フィルター24を内蔵したものを用いてもよい。
(実施の形態2)
<固体製剤の潜像印刷物>
実施の形態2に係る固体製剤の潜像印刷物について、以下に説明する。図3は本実施の形態に係る固体製剤の潜像印刷物を模式的に表す説明図である。尚、以下では実施の形態1と同一の構成については同様の符号を付して、その説明を省略する。
本実施の形態の潜像印刷物は、図3に示すように、実施の形態1の潜像印刷物と比較して、可視インク層12により可視画像が形成された他の非潜像領域Cがさらに設けられている点が異なる。可視インク層12は固体製剤10の表面上に設けられており、可視インク層12上には潜像インク層11が一部重複した状態で積層して設けられている。
ここで、本明細書において「可視画像」とは、可視光(波長域400nm〜760nm)が照射された環境下において識別可能な画像を意味する。さらに、可視画像には、波長域が200nm以上400nm未満の紫外線が照射された環境下において潜像化し、識別が困難になる画像を含み得る。可視画像として印刷される画像は、例えば、後述のインクジェット用水性インクを用いてインクジェット方式により印刷可能である。
[他の非潜像領域]
他の非潜像領域Cは、少なくとも可視光(波長域400nm〜760nm)を吸収する可視インク層12により可視画像が形成された領域である。
本実施の形態の様に潜像インク層11と可視インク層12を少なくとも一部重複した状態で積層する場合、潜像インク層11は可視インク層12上に積層されるのが好ましい。これにより、潜像インク層11が可視光に対し光透過性を有する場合には、可視光が潜像インク層11を透過するため、当該潜像インク層11に阻害されることなく可視画像の識別が可能である。その結果、印刷可能な領域の面積が小さい場合にも、より多くの情報を固体製剤10表面に記録することが可能になる。また、潜像の顕像化の際に、潜像インク層11の全領域に紫外線を照射させることが可能になる。その結果、潜像を良好な状態で顕像化することができる。
可視インク層12は、波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線に対して、これを吸収する層でもよいが、透過又は反射する層であることが好ましい。そうすることで、非潜像領域Bは紫外線を反射、及び/又は蛍光を発する領域であるため、紫外線の照射により、紫外線照射の際に可視インク層12により形成されている可視画像を潜像化することができる。その結果、潜像領域Aの潜像を顕像化する際に、可視画像と重複して視認されるのを回避することができ、顕像化された潜像の視認性の向上が図れる。
可視インク層12としては、後述する可視画像用水性インクの乾燥皮膜からなるものが好ましい。乾燥皮膜は、可視画像用水性インクを用いて、例えばインクジェット方式等により固体製剤10表面に直接印刷されることにより形成することができる。また、可視インク層12には、可視光に対し光吸収性を有する成分(以下、「可視光吸収成分」という場合がある。)が少なくとも含まれていることが好ましい。さらに、可視光吸収成分は可視インク層12中に均一に含まれていることが好ましい。可視光吸収成分としては染料や顔料が挙げられる(詳細について、後述する)。尚、可視インク層12の厚さとしては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
尚、本実施の形態は、潜像インク層11が可視インク層12上に積層される場合に限定されるものではない。例えば、潜像インク層11と可視インク層12は、固体製剤10の表面上の異なる領域にそれぞれ設けることもできる。これにより、可視インク層12が上記波長域の紫外線を吸収する層であり、当該紫外線照射下において潜像化しない場合であっても、顕像化された潜像と重複して視認されるのを防止し、顕像化された潜像と可視画像の双方の視認性が低下するのを防止することができる。また、潜像インク層11上に可視インク層11が積層されていてもよい。
[非潜像領域及び他の非潜像領域の階調値の差]
非潜像領域B及び他の非潜像領域Cに可視光を同時に照射した場合の、非潜像領域Bに対する他の非潜像領域Cの階調値の差は5以上であり、好ましくは15以上、より好ましくは30以上である。階調値の差を5以上にすることにより、可視光照射下における可視画像(可視インク層12)の良好な視認(又は識別)を可能にする。
尚、本実施の形態でいう「階調値」は実施の形態1で説明したのと同様である。また、本実施の形態でいう「階調値の差」とは、他の非潜像領域Cの階調値の平均値から非潜像領域Bの階調値の平均値を差し引いた値を意味する。さらに、階調値の平均値とは、他の非潜像領域C又は非潜像領域Bの画像データにおける複数のピクセルの階調値の平均値を意味する。
可視光の照射下における可視画像の好適な視認性は、可視インク層12に含まれる可視光吸収成分が当該可視光を最も吸収するピーク波長と照射する可視光の波長との組み合わせにより制御可能である。あるいは、可視インク層12に含まれる可視光吸収成分の濃度を調節することにより、可視インク層12の可視光吸収能を向上させ、非潜像領域Bに対する他の非潜像領域Cの階調値の差が最大化するように制御してもよい。
非潜像領域B及び他の非潜像領域Cに、紫外線を少なくとも含む照射光を同時に照射した場合の、非潜像領域Bに対する他の非潜像領域Cの階調値の差は5未満であることが好ましい。階調値の差を5未満にすることにより、紫外線照射下において可視画像(可視インク層12)が視認(又は識別)されるのを困難にし、又は低減することができる。すなわち、これにより上記波長域の紫外線を含む光の照射下において、可視画像の潜像化を可能にする。可視画像の潜像化を可能にするためには、可視インク層12を、紫外線を透過し、又は反射させる層とすることにより可能である。
[可視画像用水性インク]
他の非潜像領域Cを形成する可視インク層12の構成材料として、本実施の形態においては可食性を有する可視画像用水性インクを用いるのが好ましい。可視画像用水性インクは可視画像用水性インク組成物を含む。
可視画像用水性インク組成物において、着色剤(可視光吸収成分)として染料を用いる場合、可視画像用水性インク組成物は少なくとも1種の染料と、主溶媒としての水とを少なくとも含む。
染料としては特に限定されず、従来公知の食用合成色素(合成タール色素)や食用天然色素等が挙げられる。
食用合成色素としては、アゾ系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料及びインジゴイド系染料からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。さらに、アゾ系染料としては特に限定されず、例えば、赤色2号、赤色102号、赤色40号、黄色4号及び黄色5号からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。トリフェニルメタン系染料としては特に限定されず、例えば、青色1号又は緑色3号の少なくとも何れかが挙げられる。キサンテン系染料としては特に限定されず、例えば、赤色3号、赤色104号、赤色105号及び赤色106号からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。インジゴイド系染料としては、青色2号が挙げられる。
また、食用天然色素としては、コチニール色素、銅クロロフィリンナトリウム、カカオ色素及びカラメル色素からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
さらに本実施の形態においては、上記に例示した染料を公知のレーキ化剤によりレーキ化したレーキ顔料を用いることもできる。
これらの染料等は、適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。また、これらの染料等は、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合したものである。
上記に例示した染料等は可視光に対して光吸収性を示す。また、これらの染料は200nm以上400nm未満の波長域の紫外線に対して光透過性を示す。そのため、これらの染料を可視インク層12の構成材料に用いた場合には、可視光照射下では視認が可能であり、上記波長域の紫外線照射下では、非潜像領域Bが当該紫外線を反射、及び/又は蛍光を発する領域であるため、潜像化により視認を困難にする可視インク層12を形成することができる。尚、上記に例示した各染料は単独で、又は2種以上を併用することができる。また、これらの染料は、何れも薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合したものであることが好ましい。
染料の含有量は特に限定されないが、通常は、可視画像用水性インク組成物の全質量に対し、0.2質量%〜20質量%の範囲内であり、好ましくは1質量%〜10質量%である。
本実施の形態の可視画像用水性インク組成物には、表面張力調整剤が含まれていてもよい。表面張力調整剤は、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、カプリル酸デカグリセリル、ラウリン酸ヘキサグリセリンエステル、オレイン酸ヘキサグリセリンエステル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。表面張力調整剤の含有量は特に限定されないが、通常は可視画像用水性インク組成物の全質量に対し、0.5質量%〜5質量%の範囲内である。
また、本実施の形態の可視画像用水性インク組成物には、湿潤剤が含まれていてもよい。湿潤剤は、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。湿潤剤の添加量は特に限定されないが、通常は水性インク組成物の全質量に対し、20質量%〜50質量%の範囲内である。
本実施の形態の可視画像用水性インク組成物においては、その他の添加剤が配合されていてもよい。但し、医薬品等の固体製剤に対するインクジェット用インクとして用いる場合には、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものであることが好ましい。添加剤としては、水溶性樹脂、有機アミン、界面活性剤、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、消泡剤等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、本実施の形態の可視画像用水性インク組成物においては、着色剤(可視光吸収成分)として顔料を用いることも可能である。この場合、可視画像用水性インク組成物としては顔料組成物と、主溶媒としての水とを少なくとも含む。
顔料組成物は、少なくとも顔料と顔料分散剤を含む組成物である。顔料組成物の含有量は特に限定されないが、通常は可視画像用水性インク組成物の全質量に対し顔料分換算で0.5質量%〜20質量%の範囲である。
顔料としては、例えば、カーボンブラックや黒色酸化鉄等が挙げられる。これらの顔料は可視光に対し光吸収性を有する。そのため、非潜像領域Bが可視光を反射する場合には、これらの顔料を可視インク層12の構成材料に用いることにより、非潜像領域Bに対する他の非潜像領域Cの階調値の差を大きくすることができる。尚、これらの顔料は波長域が200nm以上400nm未満の紫外線に対しても光吸収性を有する。そのため、紫外線を照射して潜像インク層11からなる潜像を顕像化させた場合には、可視インク層12からなる可視画像も当該顕像化された潜像と共に、固体製剤10表面に視認される。従って、これらの顔料を用いる場合には、顕像化された潜像が十分に視認(判別)できる様にするのが好ましい。具体的には、可視インク層12を潜像インク層11とは異なる領域に印刷したり、顔料の濃度を、可視光照射の際の視認性が十分に確保される範囲内で少なくすることができる。尚、上記に例示した各顔料は単独で、又は2種以上を併用することができる。また、これらの顔料は、何れも薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合したものであることが好ましい。
顔料の含有量は特に限定されず、可視画像用水性インク組成物の保存性や粘度、画像濃度を考慮して適宜設定することができる。通常は、顔料の含有量は、顔料組成物の全質量に対し0.5質量%〜40質量%の範囲である。
顔料分散剤としては、インクジェット用の水性インク組成物に通常用いられるものを使用することができる。具体的には、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリソルベート、オレイン酸デカグリセリル等が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。但し、本実施の形態の顔料組成物を医薬品や食品等の錠剤表面への印刷用として用いる場合、薬事法で定める医薬添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものを用いるのが好ましい。
また、顔料組成物においては、顔料を分散させるための分散媒が含まれ、当該分散媒としては実施の形態1の潜像用水性インク組成物における顔料組成物で用いるものと同様のものを採用することができる。従って、その詳細については説明を省略する。
本実施の形態に係る可視画像用水性インク組成物においては、水(主溶媒としての水)を含有する。水としては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものを用いるのが好ましい。水の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
本実施の形態の可視画像用水性インク組成物においては、表面張力調整剤、湿潤剤(乾燥防止剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の添加剤が配合されていてもよい。但し、医薬品等の錠剤に対するインクジェット用インクとして用いる場合には、薬事法等の基準に適合するものであることが好ましい。
表面張力調整剤としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリル酸デカグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル等が挙げられる。表面張力調整剤の添加量は特に限定されないが、通常は潜像用水性インク組成物の表面張力が25〜40mN/mの範囲に調整できる様に設定される。
湿潤剤としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。湿潤剤の添加量は特に限定されないが、通常は可視画像用水性インク組成物の全質量に対し3質量%〜50質量%の範囲である。
顔料組成物及び可視画像用水性インク組成物の製造方法については特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。
<固体製剤の潜像印刷物の印刷方法>
本実施の形態に係る固体製剤の潜像印刷物の印刷方法は、固体製剤の表面上に可視画像を印刷する可視画像印刷工程と、固体製剤の表面上に潜像を印刷する潜像印刷工程とを少なくとも含む。
可視画像印刷工程は、固体製剤10の表面に、可視画像用水性インクを用いて可視インク層12を印刷することにより、可視画像を形成する工程である。可視インク層12を形成する方法としては特に限定されないが、インクジェット方式による印刷が好ましい。インクジェット方式による可視インク層12の印刷は、より具体的には、微細なノズルより、可視画像用水性インクを液滴として吐出し、その液滴を固体製剤10上に付着させることにより行う。可視画像用水性インクの吐出方法として特に限定されず、例えば、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型等)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等)等の公知の方法を採用することができる。インク滴の吐出量、印刷速度等の印刷条件は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、可視画像印刷工程には、固体製剤10の表面に付着した可視画像用水性インクの液滴を乾燥させる乾燥工程を含むことができる。乾燥方法としては特に限定されず、熱風乾燥の他、自然乾燥等を行うことができる。また、乾燥時間や乾燥温度等の乾燥条件についても特に限定されず、液滴の吐出量や可視画像用水性インク組成物の種類等に応じて適宜設定することができる。
潜像印刷工程は、固体製剤10の表面に、潜像用水性インクを用いて潜像インク層11を印刷することにより、潜像を形成する工程である。潜像インク層11を形成する方法としては特に限定されないが、可視画像印刷工程の場合と同様、インクジェット方式による印刷が好ましい。インクジェット方式による潜像インク層11の印刷は、潜像用水性インクを用いる他は、可視画像印刷工程の場合と同様である。また、潜像印刷工程には、固体製剤10の表面に付着した潜像用水性インクの液滴を乾燥させる乾燥工程を含むことができる。乾燥方法や乾燥条件は可視画像印刷工程の場合と同様である。
ここで、可視画像の印刷領域(他の非潜像領域C)と潜像の印刷領域(潜像領域A)を、固体製剤10の表面上で相互に異ならせる場合、可視画像印刷工程と潜像印刷工程の順序は特に限定されない。例えば、潜像印刷工程を可視画像印刷工程よりも先に行う場合、可視画像の印刷予定領域とは異なる領域に潜像を印刷すればよい。その一方、可視画像の印刷領域と潜像の印刷領域を、本実施の形態の様に固体製剤10の表面上で少なくとも一部重複させる場合、先ず、可視画像印刷工程において可視画像を印刷した後に、潜像印刷工程において潜像を印刷するのが好ましい。これにより、可視画像と潜像が重複している領域では、可視インク層12の上に潜像インク層11を積層することができ、当該潜像インク層11の顕像化の際に、紫外線が潜像インク層11の全領域に照射されるようにすることができる。
<固体製剤の潜像印刷物の撮像方法及び撮像装置>
次に、本実施の形態に係る固体製剤の潜像印刷物の撮像方法について以下に説明する。
本実施の形態の固体製剤の潜像印刷物の撮像方法は、実施の形態1の場合と同様、潜像を顕像化する顕像化工程と、当該顕像化工程で顕像化された潜像を撮像する撮像工程とを少なくとも含む。
顕像化工程は、潜像領域A、非潜像領域B及び他の非潜像領域Cに紫外線を少なくとも含む照射光を照射することにより行われる。照射光の照射により、潜像領域Aの潜像インク層11では紫外線を吸収し、非潜像領域Bでは紫外線を反射し、及び/又は蛍光を発する。一方、可視インク層12が紫外線を透過又は反射する層である場合、他の非潜像領域Cでは非潜像領域Bに対する階調値の差が5未満となり、可視インク層12が形成する可視画像を潜像化することができる。但し、可視インク層12が、潜像インク層11と同様、紫外線を吸収する層である場合には、他の非潜像領域Cの非潜像領域Bに対する階調値の差は5以上となり、可視インク層12は紫外線の照射下でも識別される。
尚、紫外線の照射条件は、実施の形態1で述べたのと同様である。従って、その詳細については説明を省略する。
撮像工程は、照射光が非潜像領域Bで反射された反射光、及び/又は非潜像領域Bで発生した蛍光(以下、「反射光等」という。)を受光し、顕像化工程で顕像化された潜像領域A、非潜像領域B及び他の非潜像領域Cを撮像することにより行われる。ここで、可視インク層12が紫外線を反射する層からなる場合には、当該可視インク層12で反射される反射光も受光され得る。尚、受光条件は、実施の形態1で述べたのと同様である。従って、その詳細については説明を省略する。
また、本実施の形態の潜像印刷物の撮像方法においては、撮像工程の後に、潜像インク層11に加えて、可視インク層12の印刷不良の有無も確認する検査工程を行うことができる。
尚、本実施の形態の潜像印刷物の撮像方法に用いる撮像装置は、実施の形態1で使用する撮像装置と同様の構成を採用することができる。従って、その詳細については説明を省略する。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施例に記載されている材料や含有量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。
(潜像用水性インク組成物の調製)
先ず、顔料組成物の作製を行った。すなわち、顔料として酸化亜鉛ナノ粒子、顔料分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム及び分散媒としての純水を容器に入れ、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて、常温下で24時間(分散時間)分散させた。また、分散の際にはジルコニアビーズを混合させて行った。これにより、顔料組成物を作製した。尚、酸化亜鉛ナノ粒子としては、堺化学工業(株)製のFINEX−30(型番、平均一次粒子径35nm、表面が二酸化ケイ素の水和物(含水シリカ)により親水化処理されていない)を用いた。さらに、酸化亜鉛ナノ粒子の形状は略球状であった。また、ポリアクリル酸ナトリウムとしては、Evonik社製のTEGO Dispers 715W(質量平均分子量3000)を用いた。
次に、顔料組成物に、表面張力調整剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:SYグリスター、阪本薬品工業(株)製)、湿潤剤としてのプロピレングリコール及び純水を加え、下記表1に示す配合割合となる様に調製し、ディスパーにて撹拌した。これにより、潜像用水性インク組成物を作製した。
尚、顔料組成物及び潜像用水性インク組成物の作製過程においては、いずれも気泡が発生しなかったことから消泡剤の添加による消泡工程は行わなかった。また、下記表1中の数値は、特に表記がない限り、潜像用水性インク組成物の全質量に対する質量%で表したものである。また、各材料は何れも薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものである。
(可視画像用水性インク組成物Aの調製)
先ず、顔料組成物の作製を行った。すなわち、顔料としてカーボンブラック、顔料分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル及び分散媒としての純水を容器に入れ、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて、常温下で24時間(分散時間)分散させた。また、分散の際にはジルコニアビーズを混合させて行った。これにより、顔料組成物を作製した。
次に、顔料組成物に、表面張力調整剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:SYグリスター、阪本薬品工業(株)製)、湿潤剤としてのプロピレングリコール及び純水を加え、下記表2に示す配合割合となる様に調製し、ディスパーにて撹拌した。これにより、可視画像用水性インク組成物を作製した。
尚、下記表2中の数値は、特に表記がない限り、可視画像用水性インク組成物Aの全質量に対する質量%で表したものである。また、各材料は何れも薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものである。
(可視画像用水性インク組成物Bの調製)
染料としての食用緑色3号、表面張力調整剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:SYグリスター、阪本薬品工業(株)製)、湿潤剤としてのプロピレングリコール及び純水を加え、下記表3に示す配合割合となる様に調製し、ディスパーにて撹拌した。これにより、可視画像用水性インク組成物Bを作製した。
(潜像用水性インク組成物の光吸収スペクトル)
潜像用水性インク組成物について、紫外−可視光領域(190nm〜500nm)における吸収スペクトルを、分光光度計(商品名:UVmini−1240、島津製作所(株)製)を用いて確認した。尚、調製した潜像用水性インク組成物を原液の状態で測定するには濃度が高すぎるため、純水で4000倍に希釈したもので測定を行った。また、測定には光路長1cmの石英セルを用いた。結果を図4に示す。
(可視画像用水性インク組成物A及びBの光吸収スペクトル)
可視画像用水性インク組成物A及びBのそれぞれについて、紫外−可視光領域(260nm〜800nm)における吸収スペクトルを、分光光度計(商品名:UVmini−1240、島津製作所(株)製)を用いて確認した。尚、調製した可視画像用水性インク組成物A及びBをそれぞれ原液の状態で測定するには濃度が高すぎるため、純水で4000倍に希釈したもので測定を行った。また、測定には光路長1cmの石英セルを用いた。結果を図5に示す。
(ポリアクリル酸ナトリウムの質量平均分子量の測定)
アルギン酸ナトリウムの質量平均分子量は、ポリエチレンオキサイド(PEO)/ポリエチレングリコール(PEG)を標準品として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる値である。
(酸化亜鉛ナノ粒子の平均一次粒子径及び平均分散粒子径の測定)
酸化亜鉛ナノ粒子の平均一次粒子径、並びに平均分散粒子径D50及びD99は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した。
(実施例1〜7)
前述の潜像用水性インク組成物からなる潜像用水性インクを用いて、インクジェット記録方法により素錠に対し潜像の印刷を行った。印刷は、素錠の一方の面にのみ行い、かつ、インクジェットプリンタ(KC 600dpiヘッド搭載印字治具)を用いてシングルパス(ワンパス)方式にて行った。印刷条件は、液滴1滴当たりの質量を7ng、液適量を7plとした。また、印刷後は、印刷画像面を24時間の自然乾燥により乾燥させた。
次に、潜像を印刷した素錠に対し、可視光(室内灯)下における、潜像用水性インク組成物で印刷していない領域(非潜像領域B)に対する、当該潜像用水性インク組成物で印刷した領域(潜像領域A)の階調値の差を求めた。素錠における潜像が印刷された面の撮像には、スマートフォン内蔵カメラ(商品名:iPhone6(登録商標)、Apple Inc.製)を用いた。
階調値の差は、次の様にして求めた。すなわち、デジタルカメラで撮像し取得した画像データを市販のソフトウェアを用いて8ビットグレースケールに画像変換し、複数のピクセルにおける0から255までの256段階の階調値を求めた。さらに得られた階調値の平均値を算出し、潜像領域Aの階調値の平均値から非潜像領域Bの階調値の平均値を差し引いて階調値の差を算出した。
次に、潜像を印刷した素錠に対し、実施例毎に波長を変えながら紫外線を照射し(顕像化工程)、当該潜像を顕像化して撮像を行った(撮像工程)。照射手段としては、下記表4に示す朝日分光(株)製のキセノン光源(商品名;MAX−303)を用いた。照射する紫外線の波長の変更は、キセノン光源に付属のミラーモジュールと、各種のUVバンドパスフィルター(第1光学フィルター)を併用することにより行った。紫外線の波長は、下記表6に示す通り、260nm、280nm、300nm、320nm、340nm、360nm、380nmとした。また、キセノン光源の光強度は約5000μW/cmとした。
また、撮像工程で用いる撮像手段としては、下記表5に示す紫外線カメラを用いた。また、撮像は、キセノン光源以外の外光が侵入しない暗室にて行った。
続いて、各波長の紫外線照射下における、潜像用水性インク組成物で印刷していない領域(非潜像領域B)に対する、当該潜像用水性インク組成物で印刷した領域(潜像領域A)の階調値の差を算出した。当該階調値の差は、可視光照射下での場合と同様にして求めた。結果を下記表6に示す。
(実施例8)
前述の可視画像用水性インク組成物Aからなる可視画像用水性インクを用いて、インクジェット記録方法により素錠に対し可視画像の印刷を行った。印刷は、素錠の一方の面にのみ行い、かつ、インクジェットプリンタ(KC 600dpiヘッド搭載印字治具)を用いてシングルパス(ワンパス)方式にて行った。印刷条件は、液滴1滴当たりの質量を7ng、液適量を7plとした。また、印刷後は、印刷画像面を24時間の自然乾燥により乾燥させた。
次に、前述の潜像用水性インク組成物からなる潜像用水性インクを用いて、インクジェット記録方法により素錠に対し潜像の印刷を行った。潜像の印刷は、可視画像の印刷面に行った。また、潜像としては、GS1QRコードを印刷した。さらに、印刷方法及び印刷条件は実施例1と同様にした。
次に、可視画像及び潜像を印刷した素錠に対し、可視光(室内灯)下における、可視画像用水性インク組成物A及び潜像用水性インク組成物で印刷していない領域(非潜像領域B)に対する、当該潜像用水性インク組成物で印刷した領域(潜像領域A)の階調値の差を求めた。さらに、非潜像領域Bに対する、可視画像用水性インク組成物Aで印刷した領域(他の非潜像領域C)の階調値の差も求めた。素錠における可視画像及び潜像が印刷された面の撮像には、デジタルカメラ(商品名:PIASTM−II、QEA社製)を用いた。
階調値の差は、次の様にして求めた。すなわち、デジタルカメラで撮像し取得した画像データについて、中間値法にて算出した8bitグレースケール換算での階調値を求めた。さらに得られた潜像領域Aの階調値から非潜像領域Bの階調値を差し引いて階調値の差を算出した。
次に、可視画像及び潜像を印刷した素錠に対し、波長が320nmの紫外線を照射し(顕像化工程)、当該潜像を顕像化すると共に、可視画像を潜像化して撮像を行った(撮像工程)。照射手段、紫外線の波長域を除く照射条件、及び撮像装置は実施例1と同様とした。
続いて、各波長の紫外線照射下における、可視画像用水性インク組成物A及び潜像用水性インク組成物で印刷していない領域(非潜像領域B)に対する、当該潜像用水性インク組成物で印刷した領域(潜像領域A)の階調値の差を算出した。さらに、非潜像領域Bに対する、可視画像用水性インク組成物Aで印刷した領域(他の非潜像領域C)の階調値の差も求めた。これらの階調値の差は、実施例1での紫外線照射の場合と同様にして求めた。結果を下記表7に示す。尚、非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差を求めるにあたっては、他の非潜像領域Cに対して、明度・色彩・コントラストの調整・2値化などの画像処理を行うことで不可視化し、潜像領域A以外の領域に対する潜像領域Aの階調値の差として求めてもよい。
(実施例9)
実施例9においては、実施例8と比較して可視画像用水性インク組成物Aに代えて可視画像用水性インク組成物Bを用いた。それ以外は実施例8と同様にして、各潜像を顕像化した後に紫外線カメラにて撮像を行った。また、実施例8と同様にして、波長320nmの紫外線照射下における、非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値、及び非潜像領域Bに対する他の非潜像領域C階調値の差をそれぞれ算出した。結果を下記表7に示す。
(顕像化した潜像の視認性及び読み取り性)
実施例1〜7においては、顕像化した潜像の紫外線照射下における視認性の評価を行った。また、紫外線照射前の素錠に対しても、可視光下での視認性の評価を行った、評価基準は下記の通りとした。結果を表6に示す。
○:非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差が5以上であり、潜像が視認可能
×:非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差が5未満であり、潜像の視認が困難
また、実施例8及び9においては、可視画像と顕像化した潜像の紫外線照射下における視認性の評価をそれぞれ行った。また、紫外線照射前の素錠に対しても、可視光下での可視画像の視認性の評価を行った。評価基準は、上記のものに加え、下記の通りとした。結果を表7に示す。
○:非潜像領域Bに対する他の非潜像領域Cの階調値の差が5以上であり、可視画像が視認可能
×:非潜像領域Bに対する他の非潜像領域Cの階調値の差が5未満であり、可視画像の視認が困難
さらに、実施例8及び9においては、潜像として印刷したGS1QRコード(以下、「潜像GS1QRコード」という。)の読み取り性の評価も行った。評価は、上述の視認性評価において撮像された画像に対して、スマートフォン内蔵カメラ(商品名:iPhone6(商標登録)、Apple Inc.製)をかざし、GS1QRコード読み取りアプリ(アプリ名:GS1QR scodt、Leontec製)を用いて潜像GS1QRコードを読み取ることで行った。評価基準は、下記の通りとした。結果を表7に示す。
○:潜像GS1QRコードの読み取りが可能であり、表示された内臓情報も正確
△:潜像GS1QRコードの読み取りは可能であったが、表示された内臓情報は不正確
×:潜像GS1QRコードの読み取りが不可
(結果)
表6に示す通り、潜像を印刷した素錠の可視光照射下における、非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差は1であり、当該潜像を目視により確認することはできなかった。これにより、潜像用水性インク組成物として顔料に酸化亜鉛ナノ粒子を用いたことで、良好な潜像を印刷できることが確認された。
次に、表6に示す通り、実施例1〜7の素錠に対して、260nm〜380nmの範囲でそれぞれ所定の波長の紫外線を照射すると、潜像用水性インク組成物により印刷された潜像領域Aにおいては照射した紫外線が吸収された結果、紫外線カメラにおいて黒く撮像された。その一方、潜像用水性インク組成物により印刷されていない非潜像領域Bにおいては照射した紫外線が反射された結果、紫外線カメラにおいて白く撮像された。さらに各実施例1〜7においては、非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差を5以上にすることができ、潜像領域Aと非潜像領域Bの間で潜像が十分に視認可能な程度にコントラストを生じさせることができた。これにより、顔料に酸化亜鉛ナノ粒子を含む潜像用水性インク組成物を用いた印刷においては、潜像を紫外線照射下において顕像化することができ、印刷画像を十分に識別できることが確認された。
また、表7に示す通り、実施例8及び9においては、素錠の可視光照射下における非潜像領域Bに対する潜像領域Aの階調値の差はそれぞれ0.5及び4であり、当該潜像を目視により確認することはできなかった。さらに、潜像GS1QRコードの読み取り性評価においても、潜像GS1QRコードを読み取ることができなかった。これにより、潜像用水性インク組成物として顔料に酸化亜鉛ナノ粒子を用いたことで、良好な潜像を印刷できることが確認された。一方、素錠の可視光照射下における非潜像領域Bに対する他の非潜像領域Cの階調値の差はそれぞれ81.5及び133であり、当該可視画像を目視により十分に識別することができた。
次に、表7に示す通り、実施例8及び9の素錠に対して、波長が320nmの紫外線をそれぞれ照射した場合、潜像用水性インク組成物により印刷された潜像領域Aにおいては照射した紫外線が吸収された結果、紫外線カメラにおいて黒く撮像された。その一方、潜像用水性インク組成物により印刷されていない非潜像領域Bにおいては照射した紫外線が反射された結果、紫外線カメラにおいて白く撮像された。但し、実施例8においては、緑色3号を用いた可視画像用水性インク組成物により印刷した他の非潜像領域Cにおいて、可視画像が潜像化した結果、紫外線カメラでは白く撮像され、当該可視画像を識別することはできなかった。その一方、実施例9においては、カーボンブラックを用いた可視画像用水性インク組成物により印刷された他の非潜像領域Cにおいて、照射した紫外線が吸収された結果、紫外線カメラでは黒く撮像された。また、潜像GS1QRコードの読み取り性評価においては、実施例8及び9において共に潜像GS1QRコードを読み取ることができた。特に、実施例9では、潜像GS1QRコードと可視画像とが共に視認されたが、潜像GS1QRコードに内蔵された情報も正しく表示された。これにより、実施例8及び実施例9の両方で、潜像GS1QRコードを正確に読み取り可能であることも分かった。
10 固体製剤
11 潜像インク層
12 可視インク層
21 光照射手段
22 撮像手段
23 第1光学フィルター
24 第2光学フィルター
A 潜像領域
B 非潜像領域
C 他の非潜像領域

Claims (12)

  1. 表面の少なくとも一部に潜像が設けられた固体製剤の潜像印刷物であって、
    波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収する潜像インク層により前記潜像が形成された潜像領域と、
    少なくとも前記波長域の紫外線を反射し、及び/又は蛍光を発する非潜像領域とを少なくとも有し、
    前記潜像領域及び非潜像領域に可視光を照射した場合の非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5未満であり、
    前記潜像領域及び非潜像領域に少なくとも前記波長域の紫外線を含む光を照射した場合の非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5以上である固体製剤の潜像印刷物。
  2. 前記表面には、前記可視光を吸収する可視インク層により可視画像が形成された他の非潜像領域がさらに設けられており、
    前記非潜像領域及び他の非潜像領域に前記可視光を照射した場合の非潜像領域に対する他の非潜像領域の階調値の差が5以上である請求項1に記載の固体製剤の潜像印刷物。
  3. 前記可視インク層は、前記波長域の紫外線を透過又は反射する層であり、
    前記非潜像領域及び他の非潜像領域に前記波長域の紫外線を含む光を照射した場合の非潜像領域に対する他の非潜像領域の階調値の差が5未満である請求項2に記載の固体製剤の潜像印刷物。
  4. 前記潜像インク層が顔料としての酸化亜鉛粒子を少なくとも含む請求項1〜3の何れか1項に記載の固体製剤の潜像印刷物。
  5. 前記潜像インク層が可視光に対し光透過性又は光反射性を有する請求項1〜4の何れか1項に記載の固体製剤の潜像印刷物。
  6. 表面の少なくとも一部に潜像が設けられた固体製剤の潜像印刷物の撮像方法であって、
    前記固体製剤は、
    波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線を吸収する潜像インク層が設けられ、当該潜像インク層により前記潜像が形成された潜像領域と、
    少なくとも前記波長域の紫外線を反射し、及び/又は蛍光を発する非潜像領域とを少なくとも有し、
    前記潜像領域及び非潜像領域に可視光を照射した場合の非潜像潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5未満であり、前記潜像領域及び非潜像領域に前記波長域の紫外線を含む光を照射した場合の非潜像領域に対する潜像領域の階調値の差が5以上のものであり、
    前記潜像領域及び非潜像領域に前記波長域の紫外線を少なくとも含む照射光を照射して、当該潜像領域の潜像を顕像化する顕像化工程と、
    前記照射光が前記非潜像領域で反射された反射光、及び/又は前記非潜像領域で発生した蛍光を受光し、前記顕像化工程で顕像化された潜像領域及び非潜像領域を撮像する撮像工程とを含む固体製剤の潜像印刷物の撮像方法。
  7. 前記顕像化工程は、前記照射光として波長域が200nm以上400nm未満の範囲の紫外線のみを用いる工程である請求項6に記載の固体製剤の潜像印刷物の撮像方法。
  8. 前記顕像化工程での前記照射光に含まれる前記紫外線の波長域と、前記撮像工程で受光する前記反射光及び/又は蛍光の波長域とが、少なくとも一部重複する請求項6又は7に記載の固体製剤の潜像印刷物の撮像方法。
  9. 前記固体製剤は、
    前記可視光を吸収する可視インク層により可視画像が形成された他の非潜像領域をさらに有しており、
    前記非潜像領域及び他の非潜像領域に可視光を照射した場合の非潜像領域に対する他の非潜像領域の階調値の差が5以上であり、
    前記撮像工程は、前記他の非潜像領域も撮像する工程である請求項6〜8の何れか1項に記載の固体製剤の潜像印刷物の撮像方法。
  10. 前記可視インク層は、前記波長域の紫外線を透過又は反射する層であり、
    前記非潜像領域及び他の非潜像領域に前記波長域の紫外線を含む光を照射した場合の非潜像領域に対する他の非潜像領域の階調値の差が5未満であり、
    前記顕像化工程は、前記他の非潜像領域にも前記波長域の紫外線を少なくとも含む照射光を照射することにより、前記他の非潜像領域の可視画像を潜像化させる工程であり、
    前記撮像工程は、前記顕像化工程で潜像化された他の非潜像領域も撮像する工程である請求項9に記載の固体製剤の潜像印刷物の撮像方法。
  11. 前記固体製剤として、前記潜像インク層に顔料としての酸化亜鉛粒子が少なくとも含まれるものを用いる請求項6〜10の何れか1項に記載の固体製剤の潜像印刷物の撮像方法。
  12. 前記潜像インク層が可視光に対し光透過性又は光反射性を有する請求項6〜11の何れか1項に記載の固体製剤の潜像印刷物の撮像方法。
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