JP2018187843A - 記録媒体 - Google Patents

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考利 田中
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クン オウ
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Abstract

【課題】印刷時のカールやコックリングを抑制した記録媒体の提供。【解決手段】本発明は、透気性基材上の少なくとも一方の面に、隣接した2層の非晶質シリカとバインダーからなるインク受容層を有する記録媒体において、前記多孔質インク受容層のうち、基材に近い側のインク受容層A及び基材から遠い側のインク受容層BのBET法で得られるピーク細孔直径D(A)とD(B)の差が、2nm≦D(A)−D(B)を満足し、前記インク受容層Bの厚みが5μm以上であることを特徴とする記録媒体である。【選択図】なし

Description

本発明は、記録媒体に関する。
インクジェット記録方法に用いる記録媒体(以下、インクジェット記録媒体ともいう)として、光沢面を有するインクジェット記録媒体が知られている。近年、光沢感のない、マット調の面質を有する記録媒体に関する技術が研究されている。特に、記録媒体を複数層設けることで、様々な効果をもつ記録媒体が提案されている。
特許文献1には、基材上に非晶質シリカとバインダーを含むインク受容層を2層有し、上層の非晶質シリカとバインダー比率を下層の比率よりも小さくした記録媒体が記載されている。
特許文献2には、支持体上に数平均粒子径1〜5μmの合成非晶質シリカを含有する第一のインク受容層と第一のインク受容層に隣接する数平均粒子径6〜15μmの合成非晶質シリカを含有する第二のインク受容層を有し、各層が同時塗布により形成された記録媒体が記載されている。
特許文献3には、支持体上に2層以上のインク受容層を有し、基材に近い側のインク受容層が平均二次粒子径8〜15μmの合成非晶質シリカとバインダーと架橋剤を含有する層であり、基材から遠い側のインク受容層が平均二次粒子径1.5〜2.5μmの合成非晶質シリカとバインダーと架橋剤を含有する層である記録媒体が記載されている。
特開2005−169666号公報 特開2004−175009号公報 特開2013−154613号公報
インクジェット記録媒体の基材として、特にマット調の面質を有する記録媒体は、多くの場合透気性基材を用いる。透気性基材を用いることで、パルプのインク吸収特性を活かした高いインク吸収性やパルプの質感を付与することが可能である。しかし、その反面パルプの吸収特性を活かすが故に、パルプがインク溶剤を吸収する際に用紙の変形に起因したカールやコックリングが生じる。
特にマット面調を有する記録媒体の場合、印刷時特に、インクジェットプリンタヘッドの往復移動時に前記カールやコックリングが生じ易く、その結果、カールやコックリングに起因して液滴の着弾位置ズレが生じ易くなり、一部のプリンタにおいて、印刷ムラが生じることが明らかとなった。
本発明者等が特許文献1に記載の技術について検討したところ、カールやコックリングに起因した印刷ムラに関しては、非晶質シリカとバインダーの混合比を調整しただけでは、カールやコックリングを抑制できず、印刷ムラが起こる場合があった。
特許文献2及び特許文献3に記載の技術について検討したところ、上下層の合成非晶質シリカの数平均粒子径を調整しただけでは、カールやコックリングを十分抑制できず、印刷ムラが起こる場合があった。
本発明は、上記した従来技術の課題を鑑みなされたものである。即ち、本発明は、透気性基材を用いたマット面調の記録媒体において、印刷時の記録媒体のカールやコックリングを抑制することを目的とする。
上記した課題は、以下に示す本発明によって解決される。即ち、本発明は、透気性基材上の少なくとも一方の面に、隣接した2層の非晶質シリカとバインダーからなるインク受容層を有する記録媒体において、前記多孔質インク受容層のうち、基材に近い側のインク受容層A及び基材から遠い側のインク受容層BのBET法で得られるピーク細孔直径D(A)及びD(B)の差が、2nm≦D(A)−D(B)を満足し、前記インク受容層Bの厚みが5μm以上であることを特徴とする記録媒体である。
本発明によれば、印刷時のカールやコックリングを抑制した記録媒体を提供することができる。また、更なる効果として、記録媒体を折り曲げた際の白スジ発生を抑制し、優れたインク吸収性を有する記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明の記録媒体は、透気性基材上の少なくとも一方の面に、非晶質シリカとバインダーからなる隣接した2層のインク受容層を有する。本発明においては、隣接した2層のインク受容層のうち、基材に近い側のインク受容層をインク受容層Aといい、基材から遠い側のインク受容層をインク受容層Bという。インク受容層Aやインク受容層Bは、基材の両面に設けられていてもよい。記録媒体が隣接した2層のインク受容層を有することで、インク受容層が隣接する界面でのインクの浸透を制御することができる。
本発明において、インク受容層A及びインク受容層Bのピーク細孔直径D(A)及びD(B)は、2nm≦D(A)−D(B)を満足する。BET法で得られるピーク細孔直径は、インク受容層を形成する非晶質シリカの一次粒子間の空隙に大きく依存する値である。ピーク細孔直径差D(A)−D(B)を2nm以上にすることで、インク受容層Aとインク受容層Bの界面において、インクの浸透を少し遅らせることが可能となり、透気性基材へのインクの浸透を遅くすることができる。
その結果、印刷時特に、インクジェットプリンタヘッドの往復移動時にカールやコックリングを抑制することが可能となり、カールやコックリングに起因して液滴の着弾位置ズレが生じにくくなるため、印刷ムラが起こりにくくなる。ピーク細孔直径差は、発色性やインク吸収性の観点から、7nm以下にすることが好ましい。ピーク細孔直径差は、5nm以下にすることが更に好ましい。
上記ピーク細孔直径は、記録媒体を窒素吸着脱離法によって測定された、窒素ガスの吸着脱離等温線よりBJH(Barrett-Joyner-Halenda)法を用いて求められる値である。この方法では、細孔直径とは、窒素ガス脱離時に測定される全細孔容積と比表面積から計算によって求めることができる。
上記のように、各層の細孔径ピーク位置を制御するためには、各層に用いる無機顔料を適宜選択することで達成される。具体的には、各層に用いられるインク受容層の細孔径ピーク位置をあらかじめ単独の層で測定し、細孔径ピーク位置が既知な層を、インク受容層層A、インク受容層Bとして組み合わせて2層の多孔質インク受容層を形成することで達成される。また、得られた記録媒体から、各層のピーク位置を測定する方法としては、インク受容層Bの厚み削り取る。更にインク受容層Aを削りとり、各々を測定することでピーク位置が得られる。
本発明において、インク受容層Bの厚みは、5μm以上である。5μm以上の厚みにすることで、上記細孔直径差を利用したインクの浸透を遅らせることが可能となり、印刷時のカールやコックリングの抑制が可能となる。インク受容層Bの厚みは、発色性や受容層強度の観点から、15μm以下にすることが好ましい。
本発明において、インク受容層Aの厚みは、15μm以上であることが好ましい。15μm以上の厚みを有することで、十分なインク吸収性を得ることができる。また記録媒体を折り曲げた際の白スジ発生を更に抑制する観点から、インク受容層厚みは30μm以下であることが好ましい。
本発明において、インク受容層A及びインク受容層Bに用いる非晶質シリカは、平均二次粒子径が4μm以上であることが好ましい。本発明において、非晶質シリカの平均二次粒子径は、レーザー回折法で測定した値である。平均二次粒子径が4μm以上の非晶質シリカを用いることで、非晶質シリカの二次粒子間で形成される空隙が大きくなり、記録媒体を折り曲げた際に、折り曲げ応力が空隙で緩和されるため、白スジ発生が抑制される。非晶質シリカの平均二次粒子径は、6μm以上であることが好ましい。非晶質シリカの平均二次粒子径は、受容層強度の観点から、15μm以下であることが好ましい。
以下、本発明の記録媒体に用いる材料についてより詳細に説明する。
<透気性基材>
本発明に用いる透気性基材としては、通常の上質紙や中性紙、白板紙等の紙基材を用いることができる。また、紙基材上にセルロース繊維や地合いを覆われるような厚みを有するコート層を設けても良い。透気性基材のISO−5636−5に基づく透気度は、150秒以下であることが好ましい。
本発明に用いる透気性基材としては、無サイズ紙から適度にサイジングが施されたサイズ紙まで広範囲で用いることが可能である。透気性基材のJIS−P8122に基づくステキヒトサイズ度は、600秒以下であることが好ましい。
本発明に用いる透気性基材の厚みとしては、クラフト用途での折り易さやプリンタ搬送性の観点から、220μm以下であることが好ましい。
<インク受容層>
本発明に用いるインク受容層、即ち、インク受容層A及びインク受容層Bは、いずれも非晶質シリカ、バインダーを含有する。本発明においては、上記した各インク受容層に含まれる材料を含む塗工液を調製し、係る塗工液を塗工、乾燥することで各インク受容層を形成することが好ましい。即ち、本発明において、インク受容層に含まれる材料は、インク受容層を形成するために用いる塗工液に含まれる材料と等しいことが好ましい。
本発明におけるインク受容層A及びインク受容層Bの非晶質シリカとバインダーの混合比P/Bは、100/25以上100/60以下であることが、受容層強度やインク吸収性の観点から好ましい。
(非晶質シリカ)
本発明のインク受容層A、インク受容層Bは共に、非晶質シリカを含有する。また、非晶質シリカのレーザー回折法で得られる平均二次粒子径は、どちらのインク受容層も4μm以上である。また、非晶質シリカは、1種類でも2種類以上を混合して使用しても良い。インク受容層A及びインク受容層Bに用いる非晶質シリカは、製造方法に依らず、いずれのものも好適に用いることができる。
具体的には、非晶質シリカの製造方法としては、乾式法、湿式法が挙げられるが、本発明においては、いずれの方法により得られた非晶質シリカも、好適に用いることができる。以下、乾式法、湿式法についてより詳細に説明する。乾式法は更に燃焼法と加熱法に区別され、また、湿式法は更に沈殿法とゲル化法に区別される。乾式燃焼法は、気相法とも呼ばれる方法であり、気化させた四塩化ケイ素と水素との混合物を1500〜2000℃で空気中で燃焼させることで非晶質シリカを得る方法である。
湿式沈殿法は、ケイ酸ソーダと硫酸等を水溶液中で反応させることで、非晶質シリカを沈殿物として得る方法であり、反応温度や酸の添加速度等の条件によりシリカの一次粒子径等を調整することができる。また、乾燥や粉砕条件等で二次粒子径等も変化させることができる。湿式ゲル化法は、ケイ酸ソーダと硫酸を同時に添加することで非晶質シリカを得る方法であり、係る方法を用いることで、シラノール基の脱水縮合によるシリカ粒子同士の重合が進んだ、三次元的なハイドロゲル構造を有する非晶質シリカを得ることができる。
湿式ゲル化法で製造したシリカは、比較的小さなハイドロゲル構造であるため、湿式沈殿法と比べて比表面積の大きな二次粒子径を製造することが可能である。本発明においては、湿式ゲル化法による非晶質シリカが特に好ましい。
本発明に用いる非晶質シリカは、特に制限されるものでは無いが、JIS−K6217−4に準じて測定される吸油量が、150ml/100g以上、350ml/100g以下であることが好ましく、より好ましくは180ml/100g以上、330ml/100g以下である。
本発明に用いる非晶質シリカは、特に制限されるものではないが、BET法で得られる細孔容積は、1.0ml/g以上であることが好ましく、更に好ましくは、1.3ml/g以上である。また、BET法で得られる比表面積は、200m2/g以上500m2/g以下であることが好ましい。
尚、本発明においては、非晶質シリカ以外の無機顔料も、本発明の効果を損なわない範囲であれば非晶質シリカと共に用いることができる。係る無機顔料としては、例えば、アルミナ、アルミナ水和物、コロイダルシリカ、軽質炭酸カルシウム等の白色無機顔料を挙げることができる。
(バインダー)
本発明のインク受容層A、インク受容層Bはいずれもバインダーを含む。バインダーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等が挙げられる。
上記バインダーは、単独で、又は複数種を混合して用いることができる。中でも最も好ましく用いられるバインダーはPVAである。PVAとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のPVAを好適に用いることができる。PVAの平均重合度は1500以上5000以下であることが好ましい。また、PVAのケン化度は70以上100以下であることが好ましい。上記したPVA以外にも、末端にシラノール基を有するシラノール変性PVA等の変性PVAを用いても良い。前記PVAは、単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
(添加剤)
各インク受容層用の塗工液の添加剤として、顔料分散剤、堅牢性向上剤等を、適宜、使用することができる。塗工液の添加剤として、カチオン性ポリマーを加えることが、発色性や画像の堅牢性、耐水性の観点からは好ましい。カチオン性ポリマーとしては、例えば、分子内に1〜3級アミンを有する高分子や、4級アンモニウム塩を有する高分子が挙げられる。具体的には、ポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、ジシアン系カチオン樹脂、ポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリン‐ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムコロライド重合物、ジアリルアミン塩重合物等が挙げられる。添加剤の含有量は非晶質シリカ100質量%に対し0.1質量%以上、30質量%以下であることが好ましい。
<記録媒体の製造方法>
本発明の記録媒体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、以下の方法を用いて記録媒体を製造することが好ましい。まず、非晶質シリカ及びバインダー含むインク受容層A用塗工液を調製する。また、非晶質シリカ及びバインダーを含むインク受容層B用塗工液を調製する。尚、インク受容層B用塗工液の調製は、インク受容層A用塗工液の調製よりも先に行っても、後に行っても良いし、同時に行っても良い。
次に、調製したインク受容層A用塗工液を透気性基材に塗工及び乾燥することで、インク受容層Aを得る。その後、インク受容層Aの上にインク受容層B用塗工液を、インク受容層Bの厚みが5μm以上となるように塗工及び乾燥することでインク受容層Bを得る。
本発明において、インク受容層用塗工液の塗工、乾燥方法は特に限定されず、いずれの方法も好適に用いることができる。具体的には、インク受容層用塗工液を塗工する際には、オンマシン、オフマシンのいずれの方法も用いることができ、塗工機としては各種カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーター等の塗工機をいずれも好適に用いることができる。尚、インク受容層用塗工液の塗工時に、塗工液の粘度調製等を目的として、塗工液を加温してもよく、コーターヘッドを加温してもよい。また、塗工後の塗工液の乾燥には、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機を好適に用いることができる。また、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を、適宜選択して用いることができる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。尚、下記実施例は、本発明のより一層深い理解のために示される具体例であって、本発明は、これらの具体例に何ら限定されるものではない。
<透気性基材の作製>
下記条件にて透気性基材を作製した。まず、下記に示す組成の紙料を固形分濃度が3.0質量%となるように水で調製した。
(紙料)
濾水度450mlCSFの、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP) 80質量部。
濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP) 20質量部。
カチオン化澱粉 0.60質量部。
重質炭酸カルシウム 10質量部。
軽質炭酸カルシウム 15質量部。
アルキルケテンダイマー 0.10質量部。
カチオン性ポリアクリルアミド 0.030質量部。
尚、上記紙料組成中、CSFとはCanadian Standard Freenessの略である。
次に、上記紙料を固形分濃度で3質量%含む水を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。その後、サイズプレス装置で、固形分が1.0g/mとなるように酸化澱粉水溶液を含浸し、乾燥した。その後、マシンカレンダー仕上げをすることで、坪量170g/m、厚み、200μm、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mNの基材を得た。
(分散液A、B、C、D、E、F、G、Hの調製)
純水中にシャロールDC−902(商品名、第一工業製薬(株)製)をシリカ100質量部に対して5質量部となるように添加した溶液中に、非晶質シリカ粉体A(商品名:ニップゲルAZ−400(東ソーシリカ社製)、平均二次粒子径:7μm)の固形分濃度が19質量%となるように、非晶質シリカ粉体Aを加え、撹拌機で十分撹拌し、分散液を得た。得られた分散液を非晶質シリカ粉体の固形分濃度が18質量%となるように適宜純水で希釈することで分散液Aを得た。
また、非晶質シリカ粉体Aを、非晶質シリカ粉体B(商品名:ミズカシルP78D(水澤化学工業社製)、平均二次粒子径:12μm)、非晶質シリカ粉体C(商品名:ニップゲルAY−603(東ソーシリカ社製)、平均二次粒子径:10μm)、非晶質シリカ粉体D(商品名:ニップゲルBZ−400(東ソーシリカ社製)、平均二次粒子径:7μm)、非晶質シリカ粉体E(商品名:BY−601(東ソーシリカ社製)、平均二次粒子径:10μm)、非晶質シリカ粉体F(商品名:ミズカシルP73(水澤化学工業社製)、平均二次粒子径:4μm)、非晶質シリカ粉体G(商品名:ミズカシルP78A(水澤化学工業社製)、平均二次粒子径:6μm)、非晶質シリカ粉体H(商品名:サイロイドC503(グレース社製)、平均二次粒子径:3μm)に変更した以外は分散液Aの調製と同様の操作を行い、固形分濃度を18質量%の分散液B、C、D、E、F、G及びHを得た。尚、非晶質シリカの平均二次粒子径は、いずれもレーザー回折法により測定された値である。
(インク受容層用塗工液A、B、C、D、E、F、G、Hの調整)
ポリビニルアルコール(PVA235:クラレ(株)製)をイオン交換水中に溶解することで、固形分8.0質量%のPVA水溶液を得た。その後、得られたPVA溶液を、非晶質シリカの固形分に対して、非晶質シリカ:バインダー(PVA)の質量比が100:40となるように、上記した操作によって得られた分散液Aに加えた。得られた混合液を混合液の総固形分濃度が13質量%となるように適宜純水で希釈することでインク受容層用塗工液Aを得た。
また、分散液B、C、D、E、F、G及びHに関しても上記分散液Aと同様の操作を行い、インク受容層用塗工液B、C、D、E、F、G及びHを得た。
また、上記でインク受容層用塗工液B作製時の非晶質シリカ:PVAの質量比が100:57及び100:67となるように調整し、インク受容層用塗工液I及びJを得た。
[実施例1]
透気性基材上に、インク受容層用塗工液Aを、乾燥厚みが20μmとなるように塗工後、100℃で乾燥することで、インク受容層Aを形成した。その後、インク受容層A上にインク受容層用塗工液Bを、乾燥厚みが7μmなるように塗工後、100℃で乾燥することで、インク受容層Bを形成し、インクジェット記録媒体1を得た。
[実施例2]
インク受容層Bを形成するために用いたインク受容層用塗工液Bをインク受容層用塗工液Cに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体2を得た。
[実施例3]
インク受容層Bを形成するために用いたインク受容層用塗工液Bをインク受容層用塗工液Dに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体3を得た。
[実施例4]
インク受容層Aを形成するために用いたインク受容層用塗工液Aをインク受容層用塗工液Cに、インク受容層Bを形成するために用いたインク受容層用塗工液Bをインク受容層用塗工液Eに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体4を得た。
[実施例5]
インク受容層用塗工液Bを、乾燥厚みが5μmになるように塗工したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体5を得た。
[実施例6]
インク受容層用塗工液Bを、乾燥厚みが15μmになるように塗工したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体6を得た。
[実施例7]
インク受容層用塗工液Bを、乾燥厚みが16μmになるように塗工したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体7を得た。
[実施例8]
インク受容層Bを形成するために用いたインク受容層用塗工液Bをインク受容層用塗工液Hに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体8を得た。
[実施例9]
インク受容層Aを形成するために用いたインク受容層用塗工液Aをインク受容層用塗工液Bに、インク受容層Bを形成するために用いたインク受容層用塗工液Bをインク受容層用塗工液Fに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体9を得た。
[実施例10]
インク受容層用塗工液Aを、乾燥厚みが14μmになるように塗工したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体10を得た。
[実施例11]
インク受容層用塗工液Aを、乾燥厚みが15μmになるように塗工したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体11を得た。
[実施例12]
インク受容層用塗工液Aを、乾燥厚みが30μmになるように塗工したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体12を得た。
[実施例13]
インク受容層用塗工液Aを、乾燥厚みが32μmになるように塗工したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体13を得た。
[比較例1]
インク受容層用塗工液Bを塗工しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体14を得た。
[比較例2]
インク受容層Aを形成するために用いたインク受容層用塗工液Aをインク受容層用塗工液Bに、インク受容層Bを形成するために用いたインク受容層用塗工液Bをインク受容層用塗工液Gに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体15を得た。
[比較例3]
インク受容層用塗工液Bを、乾燥厚みが4μmになるように塗工したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体16を得た。
[比較例6]
インク受容層Aを形成するために用いたインク受容層用塗工液Aをインク受容層用塗工液Bに、インク受容層Bを形成するために用いたインク受容層用塗工液Bをインク受容層用塗工液Hに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体17を得た。
[比較例7]
インク受容層Aを形成するために用いたインク受容層用塗工液Aをインク受容層用塗工液Iに、インク受容層Bを形成するために用いたインク受容層用塗工液Bをインク受容層用塗工液Jに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体18を得た。
<インク受容層のピーク細孔直径の測定方法>
測定には下記の装置を用いた。
ピーク細孔直径の測定:(株)島津製作所製 自動比表面積/細孔分布測定装置 TriStar3000
サンプル前処理:(株)島津製作所製 バキュプレップ061。
また、以下のようにして測定を行った。上記実施例及び比較例で記載した方法で、インク受容層Aのみ塗工したインクジェット記録媒体とインク受容層A及びインク受容層B塗工したインクジェット記録媒体を、5.0×10cmのサイズに断裁した後、これを平均細孔半径測定用の3/8inセルに入る大きさに切り分けた。この後、これをセルに投入し、バキュプレップ061を用いて、マニュアルに従い、80℃に加熱しながら20millitorr以下になるまで脱気乾燥を行った。
脱気乾燥を行ったサンプルを、TriStar3000を用いて、窒素吸着脱離法により、マニュアルに従ってピーク細孔直径の測定を行った。インク受容層Aのみ塗工した記録媒体から、インク受容層Aのピーク細孔直径を、またインク受容層A及びインク受容層Bの両方を塗工した記録媒体の測定結果とインク受容層Aのみ塗工した記録媒体の測定結果から、インク受容層Bのピーク細孔直径をそれぞれ得た。
各記録媒体の平均二次粒子径、ピーク細孔直径、受容層厚みを表1に示す。
<記録媒体の評価>
(カール・コックリング耐性)
インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS MG5530 キヤノン社製)を用いて、写真用紙「マットフォトペーパー」モード(標準設定)で、上記作製したインクジェット記録媒体1〜18のそれぞれに、フォトショップ(登録商標)を用いて(R、G、B)=(85、85、85)のベタバッチを作製し、全面ふち無し状態で印刷を行った。得られた印刷物を目視にて確認し、下記評価基準を用いて、印刷物のカール・コックリング耐性を評価した。評価結果を表2に示す。
A:印刷物上端部に印刷ムラがほとんど視認されない。
B:印刷物上端部に印刷ムラがわずかに視認されるが、実用上問題ないレベル。
C:印刷物上端部に印刷ムラがはっきり視認され、実用上問題となるレベル。
(折り曲げ耐性)
インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS MG5530 キヤノン製)を用いて、写真用紙「マットフォトペーパー」モード(標準設定)で、上記作製したインクジェット記録媒体1〜18のそれぞれに、フォトショップ(登録商標)を用いて(R、G、B)=(0、0、0)のベタバッチを作製し、全面ふち無し状態で印刷を行った。得られた記録物を印刷面が内側になるように2つ折りにし、更に、プレス機を用いて500kgの荷重をかけて5分間保持し、折り目をつけた。折り目がついた記録媒体を20回開閉した後、折り目部分を目視で確認し、下記評価基準を用いて、記録物の折り曲げ耐性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
AA:白い筋がほとんど視認されなかった。
A:白い筋がわずかに視認された。
B:白い筋が少々視認される。
C:白い筋が明確に視認され、実用上問題あるレベル。
(インク吸収性)
インクジェット方式を用いたフォト用プリンタ(商品名:PIXUS MG5530 キヤノン製)を用いて、写真用紙「マットフォトペーパー」モード(標準設定)で、上記作製したインクジェット記録媒体1〜18のそれぞれに、フォトショップ(登録商標)を用いて(R、G、B)=(0、255、0)の5cm×5cmのベタバッチを作製し、印刷を行った。得られた印刷物を目視にて確認し、下記評価基準を用いて、印刷物のインク吸収性を評価した。評価結果を表2に示す。
AA:印刷物のビーディングがほとんど確認されない。
A:印刷物のビーディングがわずかに視認される。
B:印刷物のビーディングが少々視認される。
C:印刷物のビーディングがはっきり視認され、実用上問題となるレベル。

Claims (5)

  1. 透気性基材上の少なくとも一方の面に、隣接した2層の非晶質シリカとバインダーからなるインク受容層を有する記録媒体において、
    前記多孔質インク受容層のうち、基材に近い側のインク受容層A及び基材から遠い側のインク受容層BのBET法で得られるピーク細孔直径D(A)とD(B)の差が、2nm≦D(A)−D(B)を満足し、
    前記インク受容層Bの厚みが5μm以上であることを特徴とする記録媒体。
  2. 上記インク受容層Bの厚みが15μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 上記インク受容層Aの厚みが15μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体。
  4. 上記非晶質シリカの平均二次粒子径が4μm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の記録媒体。
  5. 上記ピーク細孔直径の差がD(A)−D(B)≦7nmを満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の記録媒体。
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