JP2018187541A - 静電噴霧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば、一例として、パイプ等の内面のように、被塗物の外部から液体を噴霧したのでは良好に液体を塗布できない場合でも、良好な液体の塗布が行える静電噴霧装置を提供する。
【解決手段】本発明の静電噴霧装置10は、電圧の印加によって発生する静電気力でノズル11から液体を帯電状態で離脱させて液体を被塗物20に塗布し、前記液体の噴霧に際して霧化用エアを用いない静電噴霧装置であって、導電性のノズル11と、電圧が印加される電圧印加部12AB及び液体の流れる流路12aaを有する接続部12と、流路12aaとノズル11を繋ぐ絶縁性の絶縁パイプ13と、電圧印加部12ABに接続され、ノズル11に電圧を印加するように絶縁パイプ13内に配置される導電線14と、を備え、絶縁パイプ13及び導電線14が可撓性を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は静電噴霧装置に関する。
従来、霧化用エアで塗料を霧化するとともにノズルから吐出する塗料に高電圧を印加する静電塗装装置が知られている(特許文献1参照)。
このような静電塗装装置では、霧化用エアで霧化するだけの塗装装置に比べ、噴霧される塗料が帯電するため、被塗物へ付着効率を高くすることができる。
しかしながら、その塗料の帯電状態は、ノズルから被塗物に到達するまでの間の短い時間で帯電できるレベルに過ぎないため、全ての塗料が被塗物に付着するものでは無い。
一方、霧化用エアを用いずに電圧の印加のみで塗料等の液体を霧化する液塗布装置(以下、静電噴霧装置ともいう。)も知られている(特許文献2参照)。
この特許文献2の静電噴霧装置の場合、液体が静電爆発を起こすことで霧化する状態まで帯電するので、噴霧される液体は極めて高い帯電状態となる。
このため、被塗物にほぼ100%に近い付着効率で液体を塗布することが可能である。
そして、特許文献2には、被塗物が凹部を有する場合に、凹部の内面に効率よく液膜を形成することが困難であったという問題のために、静電噴霧により形成されるジェット部と拡がり部との境界が被塗物の凹部の中に位置するように静電噴霧部を制御する制御部を備えるようにすることが開示されている。
特開2016−007587号公報 特開2015−192961号公報
特許文献2のように、静電気力によって液体を霧化させる液体の噴霧方法の場合、液体が静電気力によって被塗物に強く引き寄せられることになるが、被塗物の小さい凹部程度の範囲であれば、凹部内の全面に液体を塗布することが可能である。
しかし、被塗物が長尺のパイプ等の場合、パイプの一方の開口から進入した液体は、その一方の開口近くでパイプの内面に強く引き寄せられて塗着してしまうため、パイプの他方の開口に至るまで液体を行きわたらせることが困難であり、パイプの内面全体に液体を塗布させることが難しいという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、例えば、一例として、パイプ等の内面のように、被塗物の外部から液体を噴霧したのでは良好に液体を塗布できない場合でも、良好な液体の塗布が行える静電噴霧装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の静電噴霧装置は、電圧の印加によって発生する静電気力でノズルから液体を帯電状態で離脱させて前記液体を被塗物に塗布し、前記液体の噴霧に際して霧化用エアを用いない静電噴霧装置であって、導電性のノズルと、前記電圧が印加される電圧印加部及び前記液体の流れる流路を有する接続部と、前記流路と前記ノズルを繋ぐ絶縁性の絶縁パイプと、前記電圧印加部に接続され、前記ノズルに前記電圧を印加するように前記絶縁パイプ内に配置される導電線と、を備え、前記絶縁パイプ及び前記導電線が可撓性を有している。
(2)上記(1)の構成において、前記導電線が導電性の単心のワイヤーである。
(3)上記(1)の構成において、前記導電線が、外側を被覆した導電性の複数のワイヤーである。
(4)本発明の静電噴霧装置は、電圧の印加によって発生する静電気力でノズルから液体を帯電状態で離脱させて前記液体を被塗物に塗布し、前記液体の噴霧に際して霧化用エアを用いない静電噴霧装置であって、導電性のノズルと、前記電圧を印加する電圧印加部及び前記液体の流れる流路を有する接続部と、前記接続部の前記流路と前記ノズルを繋ぎ、前記電圧印加部に接続される導電性の導電パイプと、前記導電パイプの外側に設けられた絶縁性の絶縁被覆と、を備え、前記導電パイプ及び絶縁被覆が可撓性を有している。
(5)上記(4)の構成において、前記導電パイプは曲げた状態が保持できる。
(6)上記(5)の構成において、前記導電パイプは金属材料で形成されている。
(7)上記(6)の構成において、前記導電パイプは外径が1mm以上である。
本発明によれば、例えば、一例として、パイプ等の内面のように、被塗物の外部から液体を噴霧したのでは良好に液体を塗布できない場合でも、良好な液体の塗布が行える静電噴霧装置を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置を説明するための断面図である。 本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置で被塗物であるパイプの内面に液体を塗布するところを説明するための断面図である。 本発明に係る第1実施形態のガイドローラを説明するための図であり、(A)はガイドローラの斜視図であり、(B)はガイドローラの正面図である。 本発明に係る第2実施形態の静電噴霧装置を説明するための断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
また、特に断りがない場合、「先(端)」や「前(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向側を表し、「後(端)」や「後(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向と反対側を表すものとする。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置10を説明するための断面図であり、図2は静電噴霧装置10で被塗物20であるパイプの内面に液体を塗布するところを説明するための断面図である。
図1に示すように、静電噴霧装置10は、導電性の材料で形成されたノズル11と、接続部12と、絶縁性の材料で形成された絶縁パイプ13と、絶縁パイプ13内に配置される導電性の材料で形成された導電線14と、を備えている。
なお、ノズル11や導電線14に用いられる導電性の材料としては、銅、鉄及びステンレス(SUS)等を好適に用いることができるが、耐食性等を考慮すると、ノズル11や導電線14にはステンレス(SUS)を用いるのが好ましい。
一方、絶縁パイプ13に用いられる絶縁性の材料としては、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びウレタン系樹脂等を好適に用いることができるが、耐食性等を考慮すると、絶縁パイプ13にはテフロン(登録商標)、ポリプロピレン及びナイロン等を用いるのが好ましい。
また、静電噴霧装置10は、静電噴霧装置10(より具体的にはノズル11)と被塗物20の間に電圧を印加してノズル11から液体を帯電状態で離脱させる静電気力を発生させるための電圧印加手段15(電圧電源)と、ガイドローラ16と、を備えている。
接続部12は、絶縁性の材料で形成された本体部12AAと、本体部12AAに着脱可能に設けられ、電圧印加手段15によって電圧が印加される電圧印加部12ABと、を備えている。
なお、電圧印加部12ABもノズル11や導電線14に用いられるのと同様の導電性の材料で形成されており、耐食性等を考慮すると、電圧印加部12ABにはステンレス(SUS)を用いるのが好ましい。
また、本体部12AAも絶縁パイプ13に用いられるのと同様の絶縁性の材料で形成されており、耐食性等を考慮すると、本体部12AAにはテフロン(登録商標)、ポリプロピレン及びナイロン等を用いるのが好ましい。
本体部12AAは、長手方向(X方向参照)に貫通し、液体供給部(図示せず)から供給される液体が流れる流路12aaと、長手方向(X方向参照)に直交する方向(Y方向参照)に形成され、本体部12AAの外面から流路12aaに貫通し、内周面に螺合溝が設けられた螺合孔12abと、を備えている。
なお、図示を省略しているが、本体部12AAの流路12aaの絶縁パイプ13が接続されている側と反対側には、液体供給部からの液体供給配管が接続される。
一方、電圧印加部12ABは、電圧印加手段15からの一方の電気配線が接続されるヘッド部12baと、ヘッド部12baから延在し、ヘッド部12baの外形より小さい外径の先端部12bbと、を備えている。
なお、先端部12bbは、螺合孔12abの内径とほぼ等しい外径を有し、外周面に螺合孔12abの螺合溝に螺合する螺合溝が形成されている。
そして、流路12aaを形成する接続部12の内面と先端面12bcの間に、導電線14の一方の端部14aを配置した状態で、先端部12bbを螺合孔12abに螺合させていくと、導電線14の一方の端部14aが先端部12bbの先端面12bcと流路12aaを形成する接続部12の内面との間に狭持され、導電線14と電圧印加手段15からの一方の電気配線とが電圧印加部12ABを介して電気的に接続される。
絶縁パイプ13は、接続部12(より具体的には本体部12AA)の流路12aaとノズル11とを繋ぎ、液体をノズル11に供給する流路を形成する部材である。
図1に示すように、接続部12の流路12aaは、先端側の孔径が若干拡径され、絶縁パイプ13の外径とほぼ等しい孔径に形成されており、絶縁パイプ13が挿入できるようになっている。
そして、絶縁パイプ13は、接続部12の流路12aa内に挿入される一方の端部側の絶縁パイプ13の外周面に、例えば、接続部12の流路12aaを形成する接続部12の内面と絶縁パイプ13の外周面の間に隙間ができないように絶縁性の材料からなる接着剤を設け、液体が漏れないように接続部12に対して固定されている。
ただし、絶縁パイプ13を接続部12に固定する手段は、接着剤に限定される必要はなく、液体が漏れないように固定できれば別の方法によって固定してもよい。
一方、絶縁パイプ13の内径は、ノズル11の外径とほぼ等しい内径に形成されており、絶縁パイプ13の他方の端部には、ノズル11が固定されている。
例えば、ノズル11は、ノズル11の絶縁パイプ13内に挿入される外周面に、絶縁パイプ13の内周面とノズル11の外周面の間に隙間ができないように絶縁性の材料からなる接着剤を設け、液体が漏れないように絶縁パイプ13に対して固定されている。
ただし、ノズル11を絶縁パイプ13に固定する手段は、接着剤に限定される必要はなく、液体が漏れないように固定できれば別の方法によって固定してもよい。
導電線14は、電圧印加手段15とノズル11との間を電気的に接続する部材であり、本実施形態では、導電線14に導電性の単心のワイヤー(被覆を有しない裸線のワイヤー)が用いられている。
具体的には、導電線14は、一方の端部14aが電圧印加部12ABに接触して、電圧印加部12ABに電気的に接続された状態とされるとともに、他方の端部14bがノズル11内に挿入され、ノズル11に接触して、ノズル11に電気的に接続された状態とされている。
このため、電圧印加手段15によって印加される電圧は、電圧印加部12AB及び導電線14を介してノズル11にも印加されることになる。
そして、導電線14の直径は、絶縁パイプ13の内径及びノズル11の内径よりも小さくされ、導電線14によって、ノズル11に供給される液体の流れが阻害されないようにしている。
なお、本実施形態では、導電線14の他方の端部14bがノズル11内に挿入されているが、導電線14の他方の端部14bは、ノズル11内に挿入される必要はない。
これは、印加される電圧が高いことから、直接、ノズル11と導電線14が接触していなくても、導電線14の他方の端部14bがノズル11の近傍に位置していれば、液体を通じてノズル11に電圧を印加することができるためである。
このことから、導電線14の他方の端部14bは、ノズル11から20mm以内に配置されていることが好ましい。
また、本実施形態のように、導電線14を単心のワイヤーとすると、液体が導電線14内に染み込むことがないので、液体を噴霧した後に、洗浄液を流すことで液体をきれいに洗い流すことが可能である。
一方、複数本のワイヤーを撚り合わせた撚り線の場合、洗浄液で洗浄を行っても、内部に染み込んだ液体を洗い流すことができない場合があり、その染み込んだ液体が固化するおそれがある。
そうすると、次の液体噴霧時に、固化した液体が固形物の状態で剥がれ落ちて、被塗物20に付着する場合がある。
したがって、導電線14には、本実施形態のように、単心のワイヤーを用いることが好ましい。
一方、導電線14に導電性の複数のワイヤーを用いる場合には、それら複数のワイヤーの外側を樹脂等で被覆し、電圧印加部12AB側の端部14a及びノズル11側の端部14bについてだけ被覆を除去するようにして、液体が内部に染み込み難くするのが好ましい。
ノズル11は、電圧印加手段15によって電圧が印加される一方の電極(静電噴霧装置10側の電極)として機能する。
一方、電圧印加手段15からは、他方の電気配線が被塗物20に接続されており、被塗物20は、電圧印加手段15によって電圧が印加される他方の電極になっている。
このため、電圧印加手段15によって電圧を印加すると、被塗物20とノズル11との間に電位差に伴う静電気力が発生し、後述するように、この静電気力によって液体が帯電状態となって、被塗物20に噴霧されることになる。
なお、被塗物20が導電性の材料で形成されている場合には、被塗物20の表面抵抗がはじめから1010Ω以下であるため、被塗物20に電圧印加手段15からの他方の電気配線を直接又は間接的に接触させることで電圧を印加する電極として機能させることができる。
一方、被塗物20が絶縁性の材料で形成されている場合には、そのままでは電極として機能させることができないが、例えば、被塗物20の表面に帯電防止処理を行えば、表面抵抗が1010Ω以下程度にすることが可能であり、十分に、電極として機能させることが可能である。
このため、被塗物20は導電性の材料で形成されたものに限定される必要はない。
ガイドローラ16は、図1の点線矢印で示すように、被塗物20であるパイプの一方の端部側からノズル11を被塗物20内に挿入するとき、及び、パイプの一方の端部側から取り出すときに、図2に示すように、被塗物20の内部のほぼ中央にノズル11が位置するようにしつつ、ノズル11が被塗物20内をスムーズに移動できるようにガイドする部材である。
なお、以下では、ノズル11を被塗物20であるパイプ内に挿入するとき及びパイプ内から取り出すときを合わせて、ノズル11の挿脱時ともいう場合がある。
図3はガイドローラ16を説明するための図であり、図3(A)はガイドローラ16の斜視図であり、図3(B)はガイドローラ16の正面図である。
図3に示すように、ガイドローラ16は、ガイド本体16Aと、ガイド本体16Aに対して回転可能に設けられた3つのローラ16Bと、を備えている。
ガイド本体16Aは、中央に絶縁パイプ13を保持する貫通孔16aaが設けられるとともに、外周部から外側に延在し、ローラ16Bを間に位置させるように設けられた一対のローラ保持部16abが周方向に120度ピッチで3つ設けられている。
一対のローラ保持部16abの向かい合う面には、ローラ16Bの回転軸16bを回転可能に保持する凹部(図示せず)が形成されており、その凹部にローラ16Bの回転軸16bが回転可能に保持されている。
そして、ガイドローラ16を用いることで、図2に示すように、ローラ16Bが被塗物20であるパイプの内面に接触して、被塗物20内のほぼ中央にノズル11が位置するとともに、ノズル11の挿脱時にローラ16Bが回転し、ノズル11がスムーズに被塗物20内で移動できるようになっている。
なお、ガイドローラ16がノズル11から大きく離れた位置に設けられていると、絶縁パイプ13の撓みによって、ノズル11の先端が被塗物20であるパイプの内面に接触する場合がある。
そうすると、被塗物20であるパイプの内面に塗布される液体の膜厚にばらつきが発生するおそれがあるため、ガイドローラ16は、ノズル11の近くの絶縁パイプ13を保持するように設けられることが好ましい。
ところで、本実施形態の静電噴霧装置10ではアース手段30を設けており、電圧印加手段15と被塗物20を電気的に接続する他方の電気配線がアース手段30にも電気的に接続され、被塗物20をアースするようにしている。
このアース手段30は必須の要件ではないが、被塗物20は作業者が触れるおそれがあるため、このようにアース手段30を設け、被塗物20をアースするようにしておくことが安全面で好ましい。
次に、図1及び図2を参照しながら、静電噴霧装置10を用いて、被塗物20であるパイプの内面に液体を塗布する方法を説明しながら、より詳細に静電噴霧装置10について説明する。
本実施形態では、絶縁パイプ13及び導電線14が可撓性を有するものとしており、図2に示すように、被塗物20であるパイプに曲がりがあったとしても、図1の点線矢印で示すように、被塗物20であるパイプの一方の端部側からノズル11を被塗物20内に挿入していき、被塗物20であるパイプの他方の端部側に位置させるように送り込むことができるようになっている。
そして、液体の供給及び電圧印加手段15による電圧の印加に先立って、図1の点線矢印で示すように、被塗物20であるパイプの一方の端部側からノズル11を被塗物20内に挿入していき、被塗物20であるパイプの他方の端部側の内面に液体が塗布できる位置にノズル11を配置したら、液体の供給及び電圧印加手段15による電圧の印加を開始する。
そうすると、被塗物20であるパイプとノズル11の間に静電気力が発生し、その静電気力によって液体が帯電状態になるとともに、帯電した液体が静電気力によってノズル11から前方側に引き出される。
より具体的には、図2に示すように、ノズル11の先端外周縁への表面張力や粘度による付着力に対して、液体を前方に引っ張る静電気力が釣り合うことで、ノズル11の先端側に供給された液体が、その先端で円錐形の形状となるテーラコーン40が形成される。
このテーラコーン40は、電場の作用によって、液体中で正/負電荷の分離が起こり、過剰電荷で帯電したノズル11の先端のメニスカスが変形して円錐状となって形成されているものであり、テーラコーン40の先端から静電気力によって、更に液体が引っ張られ、その後、静電爆発によって液体が噴霧される。
この噴霧された液体、つまり、ノズル11から離脱して液体粒子となった液体は、離脱前の状態に比べ、空気に触れる面積が飛躍的に大きくなるため溶媒の気化が促進され、その溶媒の気化に伴って帯電している電子間の距離が近づき、静電反発(静電爆発)が発生して、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
この分裂が起こると、さらに、分裂前に比べ空気に触れる表面積が増えることになるため、溶媒の気化が促進され、上述したのと同様に静電爆発が発生し、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
このような静電爆発が繰り返されることで液体が霧化される。
そして、そのように噴霧された液体は帯電しているため、図2に示すように、静電気力によって被塗物20であるパイプの内面に引き寄せられて、高い効率で被塗物20に液体が塗着することになる。
このようにして、液体を噴霧しながら、ノズル11を被塗物20であるパイプの一方の端部側に動かしていくことで、他方の端部側から一方の端部側に至る被塗物20であるパイプの内面全体に液体を塗布していく。
具体的には、接続部12を被塗物20から離れる方向に動かすようにして、絶縁パイプ13を被塗物20内から引き出すようにし、ノズル11を被塗物20であるパイプの一方の端部側に動かすことで、他方の端部側から一方の端部側に至る被塗物20であるパイプの内面全体に液体を塗布していく。
以上、本実施形態の静電噴霧装置10では、接続部12からノズル11までの液体の供給を絶縁パイプ13で行うとともに、電圧印加手段15によるノズル11への電圧の印加を絶縁パイプ13内に配置した導電線14で行うようにしているため、接続部12より先端側を細長く形成することが可能である。
このため、内径が小さく、細長いパイプ等の被塗物20であって、かつ、液体を塗布させる部分がそのパイプの内面のような場合でも、良好に液体を塗布することが可能である。
例えば、液体の噴霧に際して霧化用エアを用いるような噴霧装置の場合、その霧化用エアの供給路や霧化用エアによって液体を霧化するためのノズル先端の構造等の関係で本実施形態の静電噴霧装置10のようにスリム化を行うことが困難であり、細長いパイプ等の被塗物20の内面に液体を塗布することが困難である。
一方、本実施形態の静電噴霧装置10であれば、液体の噴霧に際して霧化用エアを用いないため、上述のように、接続部12より先端側を細長くすることができ、従来では困難であったような細長いパイプ等の被塗物20の内面に液体を塗布することが可能である。
また、絶縁パイプ13及び導電線14が可撓性を有するものとしているため、被塗物20が曲がりを有するパイプ等であっても、ノズル11を被塗物20内に挿入することができる。
このため、複雑な形状を有するパイプの内面に対しても、簡単に液体を塗布することができる。
なお、本実施形態では、被塗物20へのノズル11の挿脱時のガイドを行うガイド部として、図3に示したガイドローラ16を用いているが、例えば、ガイド部としては、絶縁パイプ13のノズル11近傍の外周面の周方向に、摺動抵抗が小さくなるようにした突起(例えば、先端が丸みを帯びた突起)を設けるようにしてもよい。
このようにすれば、絶縁パイプ13の外径よりも若干大きい程度の内径のパイプ内にノズル11を挿入していくことも可能であり、極めて内径の小さいパイプのような被塗物20の内面に対しても、液体を塗布することが可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の静電噴霧装置10について説明する。
なお、第1実施形態と同様である部分については、説明を省略する場合がある。
図4は、本発明に係る第2実施形態の静電噴霧装置10を説明するための断面図である。
図4に示すように、第2実施形態の静電噴霧装置10においても、第1実施形態の静電噴霧装置10と同様に、導電性の材料で形成されたノズル11と、接続部12と、静電噴霧装置10(より具体的にはノズル11)と被塗物20の間に電圧を印加してノズル11から液体を帯電状態で離脱させる静電気力を発生させるための電圧印加手段15(電圧電源)と、アース手段30と、を備えている。
一方、第2実施形態の静電噴霧装置10では、接続部12の電圧印加部12ABとノズル11の間の電気的な接続を行う部分が導電線14ではなく、導電性の材料で形成された導電パイプ17で行われており、この導電パイプ17が接続部12(より具体的には本体部12AA)の流路12aaとノズル11とを繋ぎ、液体をノズル11に供給する流路を形成する部材にもなっている。
なお、導電パイプ17に用いられる導電性の材料としては、第1実施形態で説明したノズル11や導電線14に用いられる導電性の材料と同様の材料を好適に用いることができ、耐食性等を考慮するとステンレス(SUS)を用いるのが好ましい。
より詳細に説明すると、流路12aaの電圧印加部12ABが位置する部分の内径は導電パイプ17の外径とほぼ同程度の内径とされている。
そして、導電パイプ17は、流路12aaの先端側から電圧印加部12ABが位置する部分よりも奥側(液体が供給される側)まで挿入されており、電圧印加部12ABが導電パイプ17の表面に接触する程度に接続部12(より具体的には本体部12AA)の螺合孔12abに螺合されている。
なお、電圧印加部12ABは、第1実施形態と同様に、ヘッド部12baと、ヘッド部12baから延在する先端部12bbと、を備えているが、先端部12bbの長さは、本体部12AAにヘッド部12baが当接するところまで電圧印加部12ABを螺合孔12abに螺合させると、丁度、先端部12bbが導電パイプ17の表面に接触する程度の長さになっている。
先端部12bbの長さを、このような長さにしておくことで、螺合孔12abに電圧印加部12ABを螺合させ過ぎて、導電パイプ17が電圧印加部12ABに押し潰されることが回避できる。
また、第2実施形態の静電噴霧装置10は、導電パイプ17の外側(外周)に設けられ、第1実施形態の絶縁パイプ13と同じ外径の絶縁性の材料からなる絶縁被覆18を備えている。
なお、絶縁被覆18も絶縁パイプ13に用いられるのと同様の絶縁性の材料で形成されればよく、絶縁被覆18にはフッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びウレタン系樹脂等を好適に用いることができる。
そして、この絶縁被覆18は、第1実施形態と同様に、接続部12の流路12aaの先端側の孔径が拡径された範囲に位置するように配置され、第1実施形態の絶縁パイプ13と同様に、絶縁被覆18の外周面には、接続部12の流路12aaを形成する接続部12の内面との間で隙間ができないように絶縁性の材料からなる接着剤が設けられ、液体が漏れないように接続部12に対して固定されている。
一方、図4に示すように、ノズル11の外径は導電パイプ17の内径とほぼ等しい外径とされ、導電パイプ17内にノズル11の一部が圧入されることで、ノズル11は導電パイプ17に対して固定され、導電パイプ17とノズル11が電気的に接続された状態になっている。
ただし、導電パイプ17に対するノズル11の固定は、圧入に限定される必要はなく、導電性の接着剤等を用いてノズル11を導電パイプ17に対して接着固定してもよい。
なお、本実施形態では、導電パイプ17とノズル11の重なり部分に絶縁被覆18が設けられていない場合を示しているが、この重なり部分においても絶縁被覆18を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、導電パイプ17上に一体に絶縁被覆18が形成されている場合を示しているが、導電パイプ17上に絶縁被覆18となる絶縁性の材料で形成されたパイプを被せるようにして、一部で接着剤等を用いて導電パイプ17に対して絶縁被覆18を固定するようにしてもよい。
そして、導電パイプ17及び絶縁被覆18の部分は、人の力で折り曲げることができる程度の可撓性を有するが、曲げた状態が維持できる程度の剛性を有するものとしている。
具体的には、金属材料で形成されている導電パイプ17の外径を1mm以上として曲げ状態が維持できる程度の剛性を持たせるようにしている。
このため、図4に示すように、被塗物20が有底筒状で内径より小さい開口部21を有するような場合でも、開口部21の周囲の裏側の面21Aに対してノズル11を向けるように、導電パイプ17及び絶縁被覆18の部分を曲げるようにすることができるため、裏側の面21Aに液体を良好に塗布することが可能である。
しかも、第2実施形態の静電噴霧装置10でも、液体の噴霧に際して霧化用エアを用いていないため、被塗物20の角部C等に噴霧される液体が霧化用エアの流れのために吹き返されるようなことが無い。
このため、霧化用エアを用いた場合に、塗布ムラが発生しやすい角部C等においても塗布ムラが無い良好な液体の塗布が可能である。
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明の静電噴霧装置10について説明してきたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではない。
例えば、第1実施形態では、形状維持しない程度に変形自在な可撓性を有する絶縁パイプ13及び導電線14を用い、複雑な形状を有するパイプ内にノズル11が簡単に挿入できるようにしていた。
しかしながら、導電線14に、形状を変化させることが可能であるとともに、その形状が維持できる程度の剛性を有する可撓性のものを用いれば、第1実施形態の静電噴霧装置10であっても、第2実施形態と同様の液体の塗布作業を行うことが可能となる。
逆に、第2実施形態では、人の力で変形させることが可能であり、その変形させた形状が維持できる程度の剛性を有する導電パイプ17を用いていたが、この導電パイプ17に、形状維持しない程度に変形自在な可撓性を有するものを用いれば、第2実施形態の静電噴霧装置10であっても、第1実施形態と同様の液体の塗布作業を行うことができる。
このように、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 静電噴霧装置
11 ノズル
12 接続部
12AA 本体部
12aa 流路
12ab 螺合孔
12AB 電圧印加部
12ba ヘッド部
12bb 先端部
12bc 先端面
13 絶縁パイプ
14 導電線
14a、14b 端部
15 電圧印加手段
16 ガイドローラ
16A ガイド本体
16aa 貫通孔
16ab ローラ保持部
16B ローラ
16b 回転軸
17 導電パイプ
18 絶縁被覆
20 被塗物
21 開口部
21A 面
30 アース手段
40 テーラコーン

Claims (7)

  1. 電圧の印加によって発生する静電気力でノズルから液体を帯電状態で離脱させて前記液体を被塗物に塗布し、前記液体の噴霧に際して霧化用エアを用いない静電噴霧装置であって、
    導電性のノズルと、
    前記電圧が印加される電圧印加部及び前記液体の流れる流路を有する接続部と、
    前記流路と前記ノズルを繋ぐ絶縁性の絶縁パイプと、
    前記電圧印加部に接続され、前記ノズルに前記電圧を印加するように前記絶縁パイプ内に配置される導電線と、を備え、
    前記絶縁パイプ及び前記導電線が可撓性を有していることを特徴とする静電噴霧装置。
  2. 前記導電線が導電性の単心のワイヤーであることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  3. 前記導電線が、外側を被覆した導電性の複数のワイヤーであること特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  4. 電圧の印加によって発生する静電気力でノズルから液体を帯電状態で離脱させて前記液体を被塗物に塗布し、前記液体の噴霧に際して霧化用エアを用いない静電噴霧装置であって、
    導電性のノズルと、
    前記電圧を印加する電圧印加部及び前記液体の流れる流路を有する接続部と、
    前記接続部の前記流路と前記ノズルを繋ぎ、前記電圧印加部に接続される導電性の導電パイプと、
    前記導電パイプの外側に設けられた絶縁性の絶縁被覆と、を備え、
    前記導電パイプ及び絶縁被覆が可撓性を有していることを特徴とする静電噴霧装置。
  5. 前記導電パイプは曲げた状態が保持できることを特徴とする請求項4に記載の静電噴霧装置。
  6. 前記導電パイプは金属材料で形成されていることを特徴とする請求項5に記載の静電噴霧装置。
  7. 前記導電パイプは外径が1mm以上であることを特徴とする請求項6に記載の静電噴霧装置。
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