JP2018186768A - 機能的snpの組合せ解析 - Google Patents

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Abstract

【課題】疾患のマーカーとしてSNPを用いる新しい検査方法を提供する。【解決手段】疾患の発症に関与することが知られている複数の遺伝子の機能的SNPを組合せ、疾患リスクを検査する。【選択図】図3

Description

複数のSingle Nucleotide Polymorphism(一塩基多型、以下SNPと記載する。)を用いて疾患の検査及び予測を行う方法に関する。特に、機能が知られているSNPを組合せて解析し、精度良く疾患の検査及び予測を行う方法に関する。
ある生物集団のゲノムの塩基配列中の一塩基が変異した多様性をSNPと呼ぶ。SNPは多くの場合、ゲノムDNAにおいて、遺伝子領域やその制御調節領域外に存在し、遺伝的な特徴の変化をもたらさない。しかし、遺伝子上のマーカーとなり得るものが存在するため、SNPを測定しその頻度を比較する研究が多数行われている。
例えば、病気のかかりやすさや薬の副作用の有無などと関連するSNPをマーカーとして使い、その頻度を比較する研究が行われている。日本では、肺がん、乳がんなどの悪性腫瘍や、心不全、心筋梗塞などの心血管系疾患をはじめとする35疾患の日本人患者集団における疾患ごとのSNP頻度と日本人の標準的なSNP頻度情報が比較研究され公開されている(JSNPデータベース、URL:http://snp.ims.u-tokyo.ac.jp/index_ja.html)。
これら疾患に関連することが明らかであるSNPは、連鎖解析や関連解析によって、疾患関連遺伝子の特定を行うマーカーとしての応用が提案されている。これら疾患と関連のあるSNPは、遺伝子発現量や翻訳されたタンパク質に質的な変化をもたらさない中立なものも多いが、中には遺伝子発現量、タンパク質の質的な変化などが解析されているものもある。
精神神経科領域の疾患に対する予測は、SNPを用いた検査方法が非常に有効であると考えられている。精神神経科領域では、患者の脳組織を検査のために採取することはできないことから、組織生検を行うことができない。したがって、疾患の診断、予測や、薬物に対する副作用の検査など、多くは医師の問診などによってなされており、客観的な検査方法の確立が望まれている。
例えば、統合失調症は思春期後半から青年期に発症し、慢性的な経過をたどる精神病性障害である。統合失調症の病像は多様であるが、その診断は医師の問診によってなされ、治療は抗精神薬によって行われる。統合失調症は、薬物による治療によって寛解する者も、治療抵抗性に至る者もいるが、治療反応性を予想する方法は確立されていない。
統合失調症には、初期治療においては反応良好であるが、経過と共に治療反応が乏しく治療抵抗化する「ドパミン過感受性精神病(Dopamine supersensitivity psychosis、以下、DSPと記載する。)」と呼ばれる患者の存在が古くから知られており問題となっている。その診断方法は以下に示す幾つかの研究用診断基準が提唱されている(非特許文献1、2)。
具体的には1)リバウンド精神病(抗精神病薬の減薬・中止・怠薬・切替え直後に速やかに精神病症状が再発する)、2)抗精神病薬の薬効への耐性(再発した際に、以前よりも重症度が高く、増量によってももはや症状制御が得られない)、3)遅発性ジスキネジアの存在(抗精神病薬による長期暴露によって出現する錐体外路症状の一つ)などがDSPの特徴とされる。しかし、これらも患者の病状の観察に基づいて判定するものである。
また、上記診断基準は、DSP発症後の診断基準であって、ドパミン感受性を予測し、DSP発症を予防する処置をとることができるわけではない。したがって、現状ではDSP発症を予測し、これを予防するような適切な治療を行うことはできない。
特開2017−60432号公報
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今までSNPを検査マーカーとして使用する場合には、単一遺伝子に存在するマーカーについて検討がなされていた。本発明は、疾患のマーカーとして、遺伝子発現に量的、あるいは質的な変化をもたらす複数のSNPを組合せて用いる新しい検査方法を提供することを課題とする。複数のSNPを組合せて用いることにより、感度よく疾患の診断、予測を行うことが可能となる。
特に、ここで例として挙げるDSPについては、具体的な検査方法を提供する。DSPについては、抗精神病薬が作用するドパミンD2受容体(以下、DRD2と記載することがある。)上の遺伝子多型と抗精神病薬反応性や有害事象発生脆弱性との関連が数多く研究されてきた。しかし、これらの知見はそれぞれ間接的にはDSP発生と関係する知見と言えるものの、直接的にSNPからDSP発生危険率を検証したわけではない。本発明は、統合失調症の治療に役立てるために、DSP発生危険率を算出することのできる検査方法を確立することを課題とする。
ドパミン過感受性(dopamine supersensitivity、以下DSと記載する。)が形成された患者では、服薬中断によって容易に再発したり、症状が悪化したり、高用量の抗精神病薬でも改善しないというDSPがみられることから、日常生活や社会生活に大きな支障をきたし、ときには長期入院を余儀なくされる。また、DSが形成されているという診断やDSPの診断は困難であり、DS形成予防やDSPの適切な治療がされることはほとんどない。したがって、DS形成リスクを見出して予防をすることができれば新たなDSP患者を減らすことが可能となり統合失調症スペクトラム患者の長期予後を改善することができる。またDSPを的確に診断して適切な治療を行うことが可能となれば長期入院患者の退院促進や安定した地域生活の維持に繋がり統合失調症スペクトラムの生活の質の改善に大きく貢献することができる。
また、非特許文献1又は2に報告されている研究用診断基準は、臨床経過と治療状況に関する情報で判断するため、DSPの本質である「脳内ドパミン受容体の過感受性形成」現象の実態を必ずしも反映していないと考えられる。また、患者の臨床的観察によってDSPを判定するため、客観性において十分ではなく、DSP発症後に診断が行えるに過ぎない。一方、本発明の検査方法は、ドパミン受容体の過感受性形成に関わる遺伝子の機能等を反映した複数のSNPより算出することになるので、客観的な検査結果から、DS形成、DSP発症を予防することができる。
本発明は、以下の疾患の検査方法、検査キットに関する。
(1)疾患に関与することが知られている少なくとも2つ以上の遺伝子のSNPを用いて疾患に対するリスクを検査する方法であって、前記SNPは遺伝子の発現量、又は翻訳されるタンパク質に質的な変化を与えるSNPであることを特徴とする検査方法。
(2)前記疾患がドパミン過感受性精神病であり、前記SNPがチロシン水酸化酵素(TH)遺伝子、カテコール−O−メチル転移酵素(COMT)遺伝子、ドパミンD2受容体(DRD2)遺伝子の遺伝子多型から選択される少なくとも2つ以上であることを特徴とする(1)記載の検査方法。
(3)前記SNPが、rs1799732、rs1800497、rs10770141、及びrs4680から選択される少なくとも2つ以上であるであることを特徴とする(2)記載の検査方法。
(4)前記SNPが、少なくともrs10770141、及びrs4680を含むことを特徴とする(2)又は(3)記載の検査方法。
(5)疾患に対するリスクを検査する検査チップであって、前記疾患に関与することが知られている複数の遺伝子のSNPが検出可能に保持されており、前記SNPは遺伝子の発現量、又は翻訳されるタンパク質に質的な変化を与えるSNPであることを特徴とする検査チップ。
(6)前記疾患がドパミン過感受性精神病であり、前記SNPが少なくともrs10770141、及びrs4680を含むことを特徴とする(5)記載の検査チップ。
(7)(5)、又は(6)記載の検査チップ、及び検査に必要な試薬を含む検査キット。
各アレルにおけるDSP患者の比率を示す図。 2種のSNPアレルセットでのDSP患者の比率を示す図。 3種のSNPアレルセットでのDSP患者の比率を示す図。 各アレル、アレルセットにおけるオッズ比を示す図。 各アレル、アレルセットにおけるDSP患者の比率を示す図。
以下、本発明について、DS、DSPを中心として説明するが、「機能的SNP」を組み合わせて用いる解析手法は、他の疾患、あるいは薬剤感受性などあらゆる疾患に応用できることは言うまでもない。
本明細書において、「機能的SNP」とは、遺伝子領域やその制御調節領域に存在するSNPであって、遺伝子発現の増減や翻訳されるタンパク質の質的変化など、何らかの変化を及ぼすものを指す。また、ある疾患に関し機能的SNPを複数解析する場合には、その疾患に関与することが明らかなシグナル伝達系、酵素カスケードなど、疾患に関与する遺伝子群を選択し、その機能的SNPを解析すればよい。以下に例として示すドパミン過感受性の場合には、ドパミン合成能、分解能、またその受容体であるDRD2の密度に関与する遺伝子領域、その制御調節領域に存在し、遺伝子発現量、あるいはタンパク質に変化を生じさせるSNPを指す。
また、DSP以外にも、糖尿病や高血圧、高脂血症など、罹患率の極めて高い他の多因子疾患も、機能的SNPの解析が進められている。これらの疾患についても複数のSNPを組合せて解析することにより、感度良く疾患の検出を行うことができるものと考えられる。本発明の方法は、ゲノムを利用した検出方法であるので、発症前に予測できることはもちろん、病状・病期に影響を受けず、疾患の予後、進展を予測することができるため、予防の観点から非常に重要な検査となる。
また、本発明の検査チップは、検出したい複数のSNPに相補的なオリゴヌクレオチドを基板に直接固定してもよいし、ビーズなどの担体に固定したうえで基板に保持させてもよい。患者の血液などから核酸を抽出して、常法によりハイブリダイゼーションを行い、2本鎖を形成した核酸を検出すればよい。あるいは、インベーダー法、リアルタイムPCR法など、PCRを用いた公知の検査方法によって検出対象とする複数のSNPを同時に検出できるように構成してもよい。また、一つの検査チップに他の疾患を検査することができる機能的SNPを併せて固定し、複数の疾患を同時に検査することができるように構成してもよい。
以下、DSPについて具体的に説明する。統合失調症では中脳辺縁系ドパミン作動性神経における神経終末でのドパミン放出の亢進とシナプス間隙のドパミン濃度の上昇が示唆されている(非特許文献3、4)。一方で、抗精神病薬によって陽性症状が改善する群ではドパミン合成能が高まっており、改善しない群ではその合成能が健常者と同等であるという報告がなされており(非特許文献5)、ドパミン合成能やシナプス間隙のドパミン濃度が症状や抗精神病薬への治療反応性に関わっていることが示唆される。
抗精神病薬は広義の向精神薬の一種で、主に統合失調症や躁状態の治療に承認されている薬剤である。抗精神病薬は、主に中脳辺縁系のドパミン作動性神経のドパミンD2受容体を遮断することによって、受容体を介したドパミン神経伝達を低下させて作用を発現している。DSPはもともと抗精神病薬に反応していた統合失調症患者においてDSが形成されたことに基づいて生じるものである。
DS形成に関与すると考えられる遺伝子に存在する機能的SNPには次のようなものが存在することがすでに報告されている。統合失調症の薬理遺伝学的研究や画像研究では、DRD2遺伝子及び近接するザ アンキリン リピート アンド キナーゼ ドメイン コンテイニング 1(the ankyrin repeat and kinase domain containing 1、以下ANKK1と記載する。)遺伝子の1塩基多型と、DRD2密度や抗精神病薬に対する反応性との関連を示唆する報告が多数存在する。DRD2密度や抗精神病薬に対する反応性との関連が示唆されている1塩基多型として、具体的にはDRD2遺伝子の−141位の塩基シトシンの挿入/欠失(−141C Ins/Del)多型やANKK1遺伝子のTaq1A多型を挙げることができる。
DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型に関し、−141位のCの欠失アレル保有者はDRD2密度が高いこと、抗精神病薬への反応性が不良であること、及び遅発性ジスキネジアのリスクが高いことが報告されている(非特許文献6〜9)。本発明者らのグループも、−141Cの欠失アレル保有者は長期の抗精神病薬治療によりDSPが形成される可能性が高いことを報告しているが(非特許文献10、特許文献1)、さほど感度の高い検出方法ではないことから、さらに精度の高い判定法が必要である。
また、Taq1A多型に関し、A1アレル保有者はDRD2密度が低いこと(非特許文献11)及び抗精神病薬への反応性が良好であること(非特許文献12、13)、並びにA2アレル保有者は遅発性ジスキネジアのリスクが高いこと(非特許文献14)が報告されている。
また、ドパミン合成酵素であるチロシン水酸化酵素(Tyrosine Hydroxylase、以下THと記載することもある。)の−824番目のCがTに置換するC−824T多型において、Tアレル保有者はTアレル非保有者よりもドパミン合成能が高いことが報告されている(非特許文献15)。
ドパミン代謝酵素であるカテコール−O−メチル転移酵素(Catecol−O−methyltransferase、以下COMTと記載する。)の158位のバリンがメチオニンに変異するVal158Met多型については統合失調症との関連はないが(非特許文献16)、抗精神病薬への反応性はMetアレル保有者では非保有者よりも酵素活性が低い、すなわちドパミン代謝が遅く、シナプス間隙のドパミン濃度が高いことが報告されている(非特許文献17)。
DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型、ANKK1遺伝子のTaq1A多型、TH遺伝子プロモーター領域のC−824T遺伝子多型及びCOMT遺伝子Val158Met多型は、米国国立バイオテクノロジー情報センターのSNPデータベースにそれぞれrs1799732、rs1800497、rs10770141、及びrs4680として登録された1塩基多型である(非特許文献18〜21)。
本実施例は、千葉大学医学部の倫理審査委員会で承認を受け、また、世界医師会によるヘルシンキ宣言及び日本精神神経学会の倫理規約に則し、十分なインフォームド・コンセントを得て、プライバシーに関する守秘義務を遵守し、匿名性の保持に十分な配慮をした上で実施した。
統合失調症患者は、アメリカ精神医学会出版の精神障害の診断と統計マニュアル第4版テキスト改訂版(DSM−4−TR;diagnostic and statistical manual of mental disorders−IV−text revision)で診断基準を満たすものを選択した。さらに、DSPの有無で分類し、DSPエピソードを有する患者群(以下、DSP群と称する。)とDSPエピソードのない患者群(以下、非DSP群と称する。)の2群間で比較検討を行った。DSPエピソードの評価はChouinardの基準(非特許文献1)に基づいて行った。具体的には、1)リバウンド精神病、2)抗精神病薬の薬効への耐性、3)遅発性ジスキネジアの存在の3項目のうちいずれかを満たした場合にDSPエピソードを有すると評価した。
同意が得られた357名の統合失調症患者は、DSP群130名、非DSP群227名であった。患者の年齢、病歴等を表1に示す。t−テストにより検定した結果、DSP群、非DSP群の両群間で有意な差は見られなかった。
これら統合失調症患者から採取した血液由来のDNAをQIAamp DNA Blood Minikit(Qinagen)用いて抽出し解析を行った。解析はリアルタイムPCRの手法(TaqMan SNP Genotyping Assay(サーモフィッシャー・サイエンティフィック))によりドパミンの合成や分解、DRD2の密度に対する機能が示唆されている上述の4つのSNPについて、各患者の遺伝子型を同定した。すなわちTH遺伝子C−824T遺伝子多型(rs10770141、Tアレル)と、COMT遺伝子Val158Met多型(rs4680、Metアレル)、DRD2遺伝子Taq1A多型(rs1800497、A1アレル)、及びその上流近傍に位置するANKK1の−141CIns/Del多型(rs1799732、Delアレル)を解析した。
図1に各アレルにおけるDSP患者の比率、表2にDSP群、非DSP群における各アレルの割合、表3に各アレルにおけるDSP罹患リスク及びオッズ比を示す。TH遺伝子のC−824T遺伝子多型(rs10770141)において、CがTに置換しているものをT(+)、COMT遺伝子Val158Met多型(rs4680)において、Metに置換しているものをMet(+)、DRD2遺伝子Taq1A多型(rs1800497)におけるA1アレル保有者をA1(+)、−141CIns/Del多型(rs1799732)におい欠失が認められるものをDel(+)と表示している(以下の図、表においても同様の表記で示す。)。
図1では各アレルにおけるDSPの比率を黒で示しているが、いずれのSNPにおいてもDSP群、非DSP群との間で有意な差は見られなかった。また、カイ二乗検定による解析でも、各アレルの分布や遺伝子型は、DSP群、非DSP群間で差は認められなかった(表2、表3)。また、COMTの遺伝子型(rs4680)についてはPCRによって遺伝子型が同定できなかったものが5例(DSP群2例、非DSP群3例)あったため、確認できたものについて解析を行った。
次に、2種類のSNPのアレルセット(図2、表4、表5)、3種類のSNPのアレルセット(図3、表6)におけるDSP患者の割合、罹患リスク及びオッズ比を解析した。
上記の4つのアレルを2つずつ組合せて、DSP群、非DSP群との相関を解析した(図2、表4、5)。図2、表4に示すように、TH遺伝子のTアレル(rs10770141)、COMT遺伝子のMetアレル(rs4680)を組合せた場合には、DSP群、非DSP群との間に有意な相関が見られた。2つのSNPを組合せた場合、T(+);Met(−)アレルでは、DSP群が57.9%と最も高い値を示し、対立するT(−);Met(+)アレルでは、34.1%と最も低い値を示した(図2)。表5に各アレルを組合せた場合のDSP群、非DSP群における疾患リスクをまとめているが、T(+);Met(−)アレル、T(−);Met(+)アレル両者では有意な差が認められた(χ=4.153、p=0.048)。
さらに、DRD2のA1アレルを組合せるとより顕著な差が見られることが明らかとなった(図3、表6)。T(+);Met(−)アレル、T(−);Met(+)アレルにA1アレル(rs1800497)を組合せた場合に、DSP群、非DSP群間に有意な差が認められた。T(+);Met(−);A1(+)アレルでは64.3%の患者がDSP群であるのに対し、T(−);Met(+);A1(−)では29.9%の患者がDSP群であった(χ=5.974、p=0.029)。
図4、表7は各アレル、2つ、3つのアレルを組合せた際のオッズ比を示す。図4の各ラインは95%信頼区間を、オッズ比はライン上中央の●で示している。2つのアレルセットではTH遺伝子C−824TのTアレルを有し、COMT遺伝子Val158Met多型のMetアレルを保有しない場合と、Tアレルを保有せず、Metアレルを保有する場合ではオッズ比は2.654(p<0.05;95%信頼領域[1.036−6.787])であった。
また3つのアレルセットでは、TH遺伝子C−824T遺伝子多型のTアレルを保有し、COMT遺伝子Val158Met多型のMetアレルを保有せず、DRD2遺伝子Taq1A多型のA1アレルも保有する場合とTアレルを保有せず、Metアレルを保有し、A1アレルを保有しない場合のオッズ比は4.230(p<0.05;95%信頼領域[1.306−13.619])で有意に高かった。
SNP解析を行ったアレルにおけるDSP患者の比率を示す(図5)。黒で示しているのは、DSP罹患リスクを有するアレルの組合せ(Risk)、灰色で示しているのはDSPに罹患しにくいアレルの組合せ(Protective)である。星印は、DSP群、非DSP群で有意な差が認められたアレルセットを示す。遺伝子型が、T(+);Met(−)アレルである患者は、DSPとなるリスクが高く、T(−);Met(+)である患者は、DSPになりにくいことが明らかである。
DSP形成・発生の機序として、従来から抗精神病薬による慢性的な過剰遮断によるDRD2の代償的増加現象、すなわち過感受性形成が中心にあると推定されてきた。しかし、動物実験などの基礎研究等の知見も併せて考えると、広く脳内ドパミン信号に関与するドパミン合成・放出・代謝、また、ドパミンが作用する受容体が実際には複雑に関係するものと推定される。これまでの抗精神病薬の反応性に関わるSNPの検証では単一遺伝子を対象としており、ドパミンシグナル系を包括的に検討したものはなかった。上記解析は、このドパミンシグナル系の主要因子の活性に影響を有する機能的SNPを初めて組合せて解析し有意な差を見出したものである。
上記で示してきたように、単一のSNPでは、疾患との相関が見られない場合であっても複数の機能的SNPを組み合わせて解析することによって、有意差を見いだせることが明らかとなった。ここではドパミンの発現や代謝に関与する機能的SNPの解析により、DSPの罹患リスクの解析を行ったが、同様の手法を用いることで、糖尿病や高血圧、高脂血症など、罹患率の極めて高い他の多因子疾患にも応用し、解析を行うことができる。

Claims (7)

  1. 疾患に関与することが知られている少なくとも2つ以上の遺伝子のSNPを用いて疾患に対するリスクを検査する方法であって、
    前記SNPは遺伝子の発現量、又は翻訳されるタンパク質に質的な変化を与えるSNPであることを特徴とする検査方法。
  2. 前記疾患がドパミン過感受性精神病であり、
    前記SNPがチロシン水酸化酵素(TH)遺伝子、カテコール−O−メチル転移酵素(COMT)遺伝子、ドパミンD2受容体(DRD2)遺伝子の遺伝子多型から選択される少なくとも2つ以上であることを特徴とする請求項1記載の検査方法。
  3. 前記SNPが、
    rs1799732、rs1800497、rs10770141、及びrs4680から選択される少なくとも2つ以上であるであることを特徴とする請求項2記載の検査方法。
  4. 前記SNPが、
    少なくともrs10770141、及びrs4680を含むことを特徴とする請求項2又は3記載の検査方法。
  5. 疾患に対するリスクを検査する検査チップであって、
    前記疾患に関与することが知られている複数の遺伝子のSNPが検出可能に保持されており、
    前記SNPは遺伝子の発現量、又は翻訳されるタンパク質に質的な変化を与えるSNPであることを特徴とする検査チップ。
  6. 前記疾患がドパミン過感受性精神病であり、
    前記SNPが少なくともrs10770141、及びrs4680を含むことを特徴とする請求項5記載の検査チップ。
  7. 請求項5、又は6記載の検査チップ、及び検査に必要な試薬を含む検査キット。
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