JP2018186608A - 樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】別体の保持部材を用いることなくバスバーの温度を精度良く検出する。
【解決手段】本明細書によって開示される樹脂成形品10は、被接触面21を有するバスバー20と、一方向に開口した凹形状をなしバスバー20の被接触面21が内部に露出したセンサ収容部32を有し、バスバー20を保持した樹脂成形部30と、センサ収容部32の内部に収容された温度センサ40と、温度センサ40を埋設することで温度センサ40をセンサ収容部32に固定する封止材50とを備えた樹脂成形品10であって、センサ収容部32は、温度センサ40を被接触面21に向けて押圧することで温度センサ40を被接触面21に接触させる押圧部(押圧リブ37)を有している構成とした。
【選択図】図6

Description

本明細書によって開示される技術は、樹脂成形品に関する。
従来、コイル温度を検出することができる回転電機のステータとして、特開2016−123155号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。コイルエンドの外周面には、各相コイルの一端が接続される中性点バスバが溶接によって固定されている。中性点バスバは平角導線を曲げ加工等することによって形成され、略U字状に折り曲げられたクリップを備えている。このクリップは、中性点バスバの温度を検出する温度センサを挟み込んで保持する部分であるが、クリップに温度センサを挟み込んだ際に、クリップと温度センサとの間に隙間が生じた場合には樹脂を充填して温度センサを固定するものとされている。
特開2016−123155号公報
しかしながら、クリップと温度センサとの間に生じた隙間に樹脂を介在させると、中性点バスバの温度を精度良く検出することができず、好ましいとはいえない。かといって、別体の保持部材を用いてクリップと温度センサを密着させるようにすると、部品点数が増加し、やはり好ましいとはいえない。このように回転電気のステータ等の樹脂成形品において、別体の保持部材を用いることなくバスバの温度を精度良く検出することは容易ではなかった。
本明細書によって開示される樹脂成形品は、被接触面を有するバスバーと、一方向に開口した凹形状をなし前記バスバーの前記被接触面が内部に露出したセンサ収容部を有し、前記バスバーを保持した樹脂成形部と、前記センサ収容部の内部に収容された温度センサと、前記温度センサを埋設することで前記温度センサを前記センサ収容部に固定する封止材とを備えた樹脂成形品であって、前記センサ収容部は、前記温度センサを前記被接触面に向けて押圧することで前記温度センサを前記被接触面に接触させる押圧部を有している構成とした。
このような構成によると、温度センサをセンサ収容部の内部に収容すると、温度センサが押圧部によってバスバーの被接触面に向けて押圧され、温度センサがバスバーの被接触面に接触した状態で固定される。さらに、バスバーの被接触面に接触した状態となった温度センサが封止材で埋設されるようにしたから、温度センサがバスバーの被接触面に接触した状態でセンサ収容部に固定されることになる。したがって、別体の保持部材を用いることなくバスバーの温度を精度良く検出することができる。
本明細書によって開示される樹脂成形品は、以下の構成としてもよい。
前記センサ収容部は、前記押圧部による押圧方向と交差する方向において前記温度センサを挟持して固定する一対の挟持部を有している構成としてもよい。
このような構成によると、温度センサがセンサ収容部の内部に収容されると、一対の挟持部によって温度センサが挟持された状態になる。したがって、押圧部と一対の挟持部の双方によって温度センサをセンタリングすることができる。
前記温度センサは、導体が上方に引き出された導体引出面を有し、前記封止材の上面は、前記温度センサの前記導体引出面と前記センサ収容部の上端面との間に位置している構成としてもよい。
このような構成によると、ポッティング剤(封止材の元になる硬化前の樹脂)の注入量を目視で管理することができる。
前記センサ収容部は、前記温度センサを定位置に案内する誘い込み面を有している。
このような構成によると、温度センサをセンサ収容部の内部に挿入する際に、誘い込み面によって温度センサが定位置に案内される。
本明細書によって開示される樹脂成形品によれば、別体の保持部材を用いることなくバスバーの温度を精度良く検出することができる。
温度センサをセンサ収容部の内部に収容する前の状態を示した樹脂成形品の斜視図 温度センサがセンサ収容部の内部に収容された樹脂成形品の斜視図 センサ収容部の内部に封止材を注入して温度センサが封止材で埋設された状態を示した樹脂成形品の斜視図 温度センサが内部に収容されていないセンサ収容部を上方から見た樹脂成形品の平面図 温度センサがセンサ収容部の内部に収容された樹脂成形品の平面図 図5におけるA−A線断面図 図5におけるB−B線断面図
<実施形態>
実施形態を図1から図7の図面を参照しながら説明する。本実施形態における樹脂成形品10は、図1に示すように、バスバー20と、センサ収容部32を有し、かつ、バスバー20を保持した樹脂成形部30と、センサ収容部32の内部に収容された温度センサ40と、温度センサ40をセンサ収容部32に固定する封止材50とを備えて構成されている。樹脂成形品10は、例えばモータ等の機器に取り付けられる機器用コネクタとされている。
バスバー20は、導電性の良い金属板を打ち抜いて曲げ加工等を施すことによって形成されている。バスバー20は、例えばモータ等の機器の中性点バスバーとされている。バスバー20の一部はセンサ収容部32の内部に露出しており、この露出した平面は被接触面21とされている。
樹脂成形部30は、バスバー20に一体成形された樹脂部であって、バスバー20を保持している。樹脂成形部30は、センサ収容部32が上方に突出して設けられた本体部31を有している。本体部31は板状をなし、本体部31の側縁には、機器への取付部33が設けられている。
センサ収容部32は、方形の角筒状をなして上方のみに開口した凹形状をなしている。センサ収容部32の内部は、4つの内側壁と底壁35とによって囲まれた空間とされている。4つの内側壁は、第1の内側壁34A、これに直交して隣り合う第2の内側壁34Bと、これに直交して隣り合う第3の内側壁34Cと、これに直交して隣り合う第4の内側壁34Dとからなる。第1の内側壁34Aと第3の内側壁34Cは対向し、第2の内側壁34Bと第4の内側壁34Dは対向している。
上述したバスバー20の被接触面21は、第1の内側壁34Aにおいて露出している。被接触面21は平面とされ、第1の内側壁34Aの内側面に対して面一に配されている。第3の内側壁34Cには、押圧リブ37が設けられている。押圧リブ37は、図6に示すように、底壁35から垂直に立ち上がる押圧面37Aと、押圧面37Aの上端からテーパ状をなして上方に延びる誘い込み面37Bとを有している。押圧面37Aは、温度センサ40を被接触面21に向けて押圧する平面である。誘い込み面37Bは、底壁35に向かうほど第1の内側壁34Aに近づく形態の平面とされている。したがって、温度センサ40をセンサ収容部32の内部に挿入すると、誘い込み面37Bに摺動することによって温度センサ40が定位置に案内される。
第2の内側壁34Bと第4の内側壁34Dには、一対の挟持リブ36が設けられている。一対の挟持リブ36は、図7に示すように、底壁35から垂直に立ち上がり温度センサ40を挟持する一対の挟持面36Aと、一対の挟持面36Aの上端からテーパ状をなして上方に延びる一対の誘い込み面36Bとを有している。一対の挟持面36Aは対向配置され、温度センサ40を反対側の挟持面36Aに向けて押圧することで温度センサ40を挟持する一対の平面である。一対の挟持リブ36による挟持方向と、押圧リブ37による押圧方向と、温度センサ40のセンサ収容部32への挿入方向とは、互いに直交する配置とされている。一対の誘い込み面36Bは、センサ収容部32の底壁35に向かうほど互いに近づく形態の平面とされている。したがって、温度センサ40をセンサ収容部32の内部に挿入すると、一対の誘い込み面36Bに摺動することによって温度センサ40が定位置に案内される。
温度センサ40は、図1に示すように、直方体の形状をなすセンサ本体41と、センサ本体41の導体引出面(上面)42から上方に引き出された一対の導体43とを備えて構成されている。センサ本体41の内部には、サーミスタが埋設されており、サーミスタに一対の導体43が接続されている。
温度センサ40は、図2に示すように、センサ収容部32の内部に収容され、図3に示すように、封止材50によってセンサ収容部32に固定されている。封止材50は、センサ収容部32の内部に注入されたポッティング剤を硬化させたものである。封止材50の上面51は、温度センサ40のセンサ本体41の導体引出面42とセンサ収容部32の開口部38における上端面38Aとの間に位置している。これにより、ポッティング剤の注入量を目視で管理することができる。
さて、本実施形態では温度センサ40が押圧リブ37の押圧面37Aによって押圧されることでバスバー20の被接触面21に面接触した状態とされている。さらに、温度センサ40が一対の挟持リブ36に挟持されることでセンサ収容部32の内部においてセンタリングされて位置決めされるようになっている。言い換えると、温度センサ40は、一対の挟持リブ36と押圧リブ37に軽圧入されており、これらのリブ36、37によってセンサ収容部32内でセンタリングされるとともにセンサ収容部32に仮保持されている。このように温度センサ40がセンサ収容部32に仮保持された状態でポッティング剤がセンサ収容部32の内部に注入され硬化されることで、センサ本体41が封止材50に埋設された状態となる。したがって、センサ本体41がセンサ収容部32の内部に収容された状態で樹脂成形部30に固定される。このとき、温度センサ40はバスバー20の被接触面21に面接触しているから、バスバー20からの熱が温度センサ40に直接伝わり、バスバー20の温度を精度良く検出できることになる。
以上のように本実施形態では、温度センサ40をセンサ収容部32の内部に収容すると、温度センサ40が押圧部(押圧リブ37)によってバスバー20の被接触面21に向けて押圧され、温度センサ40がバスバー20の被接触面21に接触した状態で固定される。さらに、バスバー20の被接触面21に接触した状態となった温度センサ40が封止材50で埋設されるようにしたから、温度センサ40がバスバー20の被接触面21に接触した状態でセンサ収容部32に固定されることになる。したがって、別体の保持部材を用いることなくバスバー20の温度を精度良く検出することができる。
センサ収容部32は、押圧部による押圧方向と交差する方向において温度センサ40を挟持して固定する一対の挟持部(挟持リブ36)を有しいる構成としてもよい。
このような構成によると、温度センサ40がセンサ収容部32の内部に収容されると、一対の挟持部によって温度センサ40が挟持された状態になる。したがって、押圧部と一対の挟持部の双方によって温度センサ40をセンタリングすることができる。
温度センサ40は、導体43が上方に引き出された導体引出面42を有し、封止材50の上面51は、温度センサ40の導体引出面42とセンサ収容部32の上端面38Aとの間に位置している構成としてもよい。
このような構成によると、ポッティング剤(封止材50の元になる硬化前の樹脂)の注入量を目視で管理することができる。
センサ収容部32は、温度センサ40を定位置に案内する誘い込み面36B、37Bを有している。
このような構成によると、温度センサ40をセンサ収容部32の内部に挿入する際に、誘い込み面36B、37Bによって温度センサ40が定位置に案内される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では押圧リブ37の押圧面37Aが底壁35から立ち上がる形態とされているものの、押圧面37Aは底壁35とは離間して配されているものとしてもよい。
(2)上記実施形態では押圧部の一例としてリブ状の押圧リブ37を開示しているものの、押圧部は半球状をなす突起であってもよい。
(3)上記実施形態では温度センサ40がバスバー20の被接触面21に面接触しているものを例示しているものの、温度センサ40が被接触面21に線接触しているものとしてもよいし、点接触しているものとしてもよい。
(4)上記実施形態では押圧リブ37による押圧方向と一対の挟持リブ36による挟持方向とが直交する配置とされているものの、交差する角度は90°以外でもよい。
(5)上記実施形態では各リブ36、37に各誘い込み面36B、37Bが設けられているものの、各リブ36、37とは別に誘い込み面を有するリブを設けてもよい。
(6)上記実施形態では温度センサ40のセンサ本体41の全体が封止材50に埋設されているものの、センサ本体41の一部が封止材50に埋設されているものとしてもよい。
(7)上記実施形態では封止材50の上面51が温度センサ40の導体引出面42とセンサ収容部32の上端面38Aとの間に位置しているものの、挟持リブの上面と押圧リブの上面とがセンサ収容部32の上端面38Aよりも低い場合には、導体引出面42と各リブの上面との間に封止材50の上面51が位置するようにしてもよい。
10…樹脂成形品
20…バスバー
21…被接触面
30…樹脂成形部
32…被接触面
35…底壁
36…挟持リブ(挟持部)
36B…誘い込み面
37…押圧リブ(押圧部)
37B…誘い込み面
38A…上端面
40…温度センサ
42…導体引出面
43…導体
50…封止材
51…上面

Claims (4)

  1. 被接触面を有するバスバーと、
    一方向に開口した凹形状をなし前記バスバーの前記被接触面が内部に露出したセンサ収容部を有し、前記バスバーを保持した樹脂成形部と、
    前記センサ収容部の内部に収容された温度センサと、
    前記温度センサを埋設することで前記温度センサを前記センサ収容部に固定する封止材とを備えた樹脂成形品であって、
    前記センサ収容部は、前記温度センサを前記被接触面に向けて押圧することで前記温度センサを前記被接触面に接触させる押圧部を有している樹脂成形品。
  2. 前記センサ収容部は、前記押圧部による押圧方向と交差する方向において前記温度センサを挟持して固定する一対の挟持部を有している請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 前記温度センサは、導体が上方に引き出された導体引出面を有し、前記封止材の上面は、前記温度センサの前記導体引出面と前記センサ収容部の上端面との間に位置している請求項1または請求項2に記載の樹脂成形品。
  4. 前記センサ収容部は、前記温度センサを定位置に案内する誘い込み面を有している請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の樹脂成形品。
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