以下、図1〜図11を用い、実施形態に係る画像読取装置を説明する。画像読取装置として、複合機100を例に挙げて説明する。本実施形態の説明に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
(複合機100)
図1を用いて、実施形態に係る複合機100を説明する。図1は、実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。図1に示すように、複合機100は、制御部1、記憶部2、印刷部3、原稿搬送部4、画像読取部5、操作パネル6、通信部7を含む。
制御部1は、複合機100の全体制御を司る。制御部1は、CPU11と画像処理部12を含む。記憶部2は、ROM、フラッシュROM、ストレージ(HDD)のような不揮発性の記憶装置を含む。記憶部2はRAMのような揮発性の記憶装置を含む。制御部1は、記憶部2に記憶されたプログラムやデータを利用して各部を制御する。制御部1は、コピーや送信のようなジョブでのスキャンを制御する。また、制御部1は、印刷、送信、画像データの記憶を制御する。画像処理部12は、画像読取部5が生成した画像データに画像処理を行う。例えば、画像処理部12は、画像データの回転処理を行う。
印刷部3は、給紙部3a、用紙搬送部3b、画像形成部3c、定着部3dを含む。印刷ジョブのとき、制御部1は用紙を給紙部3aに供給させる。制御部1は用紙を用紙搬送部3bに搬送させる。用紙搬送部3bは印刷済み用紙を機外に排出する。制御部1は画像データに基づくトナー像を画像形成部3cに形成させる。制御部1は搬送用紙へのトナー像の転写を画像形成部3cに行わせる。制御部1は転写されたトナー像の用紙への定着を定着部3dに行わせる。このように、制御部1は印刷部3の動作を制御する。
操作パネル6は、表示パネル61(表示部に相当)、タッチパネル62(操作部に相当)、ハードキー63(操作部に相当)を含む。制御部1は、メッセージや、設定用画面を表示パネル61に表示させる。また、制御部1は、操作用画像を表示パネル61に表示させる。例えば、操作用画像は、ボタン、キー、タブである。タッチパネル62の出力に基づき、制御部1は、表示された操作用画像のうち、操作されたものを認識する。ハードキー63は、スタートキーやテンキーを含む。タッチパネル62、ハードキー63は使用者の設定操作(ジョブに関する操作)を受け付ける。制御部1は操作パネル6と通信する。制御部1は設定内容を認識する。
通信部7は、コンピューター200やFAX装置300と通信可能に接続される。コンピューター200は、例えば、PCやサーバーである。コンピューター200やFAX装置300が操作パネル6で宛先に設定される。制御部1は、設定された宛先に向けて、原稿の読み取りに基づく画像データを通信部7に送信させる(スキャン送信、FAX送信)。また、通信部7は、コンピューター200やFAX装置300からの印刷用データを受信する。制御部1は、受信した印刷用データに基づき印刷部3に印刷させる(プリントジョブ、FAX受信印刷)。
(原稿搬送部4と画像読取部5)
次に、図2、3を用いて、実施形態に係る複合機100での原稿読み取りに関する部分を説明する。図2、図3は、実施形態に係る複合機100での原稿読み取りに関する部分の一例を示す図である。
図2に示すように、原稿搬送部4は画像読取部5の上方に設けられる。原稿搬送部4は、画像読取部5に対し上下方向に開閉する。原稿搬送部4は原稿を上方から押さえるカバーとして機能する。原稿搬送部4は、セットされた原稿を1枚ずつ送り読取用コンタクトガラス51(読み取り位置)に向けて搬送する。画像読取部5は、原稿搬送部4により搬送される原稿を読み取る。そして、画像読取部5は読取画像データD1を生成する。記憶部2は読取画像データD1を記憶する。例えば、記憶部2のストレージに読取画像データD1が記憶される。
原稿搬送部4は、原稿搬送方向上流側から順に、原稿トレイ41、供給ローラー42、原稿搬送路43、複数の搬送ローラー対44、排出ローラー対45、排出トレイ46を含む。原稿トレイ41には、原稿セットセンサー81が設けられる。また、原稿搬送路43には、原稿排出センサー82、原稿検知センサー83が設けられる。
図3に示すように、原稿搬送制御部40が原稿搬送部4内に設けられる。原稿搬送制御部40はCPUやメモリーを含む基板である。原稿セットセンサー81の出力は原稿搬送制御部40に入力される。原稿搬送制御部40は、原稿セットセンサー81の出力に基づき、原稿トレイ41上の用紙の有無を認識する(検知する)。原稿搬送制御部40は、制御部1に原稿トレイ41上の用紙の有無を制御部1に通知してもよい。制御部1は、原稿トレイ41上の用紙の有無を認識できる。
原稿排出センサー82は、排出トレイ46への原稿排出完了を検知するためのセンサーである。原稿排出センサー82は排出ローラー対45の近傍に設けられる。原稿排出センサー82は排出ローラー対45の搬送方向上流側に設けられる。原稿排出センサー82の出力は原稿搬送制御部40に入力される。原稿検知センサー83は、センサー設置位置への原稿の到達と通過を検知するためのセンサーである。原稿検知センサー83は、給紙ローラーと送り読取用コンタクトガラス51の間の搬送経路に設けられる。原稿検知センサー83は、送り読取用コンタクトガラス51の近傍に設けられる。原稿検知センサー83の出力も原稿搬送制御部40に入力される。
原稿読取ジョブの実行指示が操作パネル6になされたとき(スタートキーが操作されたとき)、制御部1は、原稿搬送制御部40と通信する。原稿読取ジョブには、例えば、コピージョブ、スキャン送信ジョブ、スキャン保存ジョブがある。コピーは、読み取りで得られた画像データに基づき印刷部3に印刷させるジョブである。スキャン保存ジョブは、読み取りで得られた画像データを記憶部2(ストレージ)に不揮発的に記憶させるジョブである。
原稿読取ジョブを開始するとき、制御部1は原稿トレイ41にセットされた原稿があるか否かを確認する。原稿トレイ41に原稿があるとき、制御部1は原稿搬送指示を出す。この指示を受け、原稿搬送制御部40は原稿搬送モーター47を駆動させる。原稿搬送モーター47により、供給ローラー42や搬送ローラー対44が回転する。そして原稿は読み取り位置に向けて搬送される。原稿は、送り読取用コンタクトガラス51の上側(一方側)を通過する。送り読取用コンタクトガラス51は、画像読取部5の上面に設けられる。通過の際、画像読取部5(読取ユニット53)が原稿を読み取る(送り読み取り)。
画像読取部5の上面右側に、載置読取用コンタクトガラス52が配される。載置読取用コンタクトガラス52には、書籍のような原稿がセットされる。原稿搬送部4に原稿がセットされていないとき、画像読取部5は、載置読取用コンタクトガラス52にセットされた原稿に光を照射する。画像処理部12は原稿の表面を読み取って画像データを生成する(テーブル読み取り)。
図3に示すように、画像読取部5には、読取制御部50が設けられる。読取制御部50は画像読取部5の動作を制御する。読取制御部50は、CPU、メモリー、その他の回路を含む基板である。読取制御部50は、制御部1からの指示、信号を受け、原稿の読み取りを行う。
図2に示すように、画像読取部5は、読取ユニット53、ワイヤー54、巻取ドラム55を含む。読取ユニット53は、CIS方式のスキャンユニットである。ワイヤー54は読取ユニット53と巻取ドラム55に接続される。巻取ドラム55は、正逆回転する巻取モーター56(図3参照)により回転する。テーブル読み取りのとき、読取制御部50は、巻取ドラム55を回転させる。これにより、読取ユニット53は水平方向(副走査方向、図2の左右方向)に移動する。送り読み取りのとき、読取制御部50は、送り読取用コンタクトガラス51の下方に読取ユニット53を配置する。
図3に示すように、読取ユニット53はランプ53aとイメージセンサー53bを含む。ランプ53aは原稿に光を照射する。イメージセンサー53bは主走査方向に並べられた複数の受光素子(画素)を含む。各受光素子は反射光量に応じたアナログ電気信号を出力する。画像読取部5は画像データ生成部57を含む。画像データ生成部57は、A/D変換部57a、補正部57b、画像メモリー57cを含む。A/D変換部57aは、イメージセンサー53bの各受光素子のアナログ信号を補正する。また、A/D変換部57aは、補正後の各受光素子のアナログ信号をディジタル値に変換する(例えば、8ビットや10ビット)。補正部57bは、読み取りに起因する画像の濃度の歪みを補正する処理を行う。例えば、補正部57bはシェーディング補正を行う。画像データ生成部57により生成された各ラインの画像データは、画像メモリー57cに蓄積される。
このように、画像読取部5は、原稿読み取りに基づく読取画像データD1を生成する。画像メモリー57cに蓄積された画像データは、記憶部2に送信される。つまり、各原稿の読取画像データD1は、記憶部2に送信される。
(送り読み取り時の基本的な処理の流れ)
次に、図4を用いて、送り読み取り時の基本的な処理の流れの一例を説明する。図4は、実施形態に係る複合機100での送り読み取り時の基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4のスタートは、原稿読取ジョブを開始する時点である。例えば、操作パネル6のスタートキー(ハードキー63)が操作された時点である。原稿読取ジョブに関する設定は既になされている。また、送り読み取りを行うので、原稿が原稿トレイ41にセットされている。原稿セットセンサー81の出力に基づき、制御部1は原稿トレイ41への原稿セットを認識している。
読取制御部50は、ジョブ開始からページ全体を読み取った(読み取ることができた)原稿の枚数のカウントを開始する(ステップ♯11)。ジョブ開始時点では、カウント値は0である。以後、原稿のページ全体を読み取るごとに、読取制御部50は、カウント値を更新する。具体的に、読取制御部50は、原稿のページ全体を読み取るごとにカウント値に1を加算する。
制御部1は、原稿トレイ41にセットされた原稿(セット原稿)の搬送を原稿搬送部4に開始させる(ステップ♯12)。制御部1は、原稿搬送制御部40に搬送開始指示を出す。この指示に基づき、原稿搬送制御部40は、搬送用の回転体を回転させる。原稿が1枚ずつ、送り読取用コンタクトガラス51に向けて搬送される。以後、原稿搬送制御部40は、一定の紙間を設けつつ、セット原稿を1枚ずつ、自動的、連続的に搬送する。
原稿の搬送開始後、制御部1は原稿の読み取りを画像読取部5(読取ユニット53)に開始させる(ステップ♯13)。制御部1は読取制御部50に読取開始指示を出す。この指示に基づき、読取制御部50は、搬送される原稿を1枚ずつ、読取ユニット53に読み取らせる。これにより、原稿の各ページの読取画像データD1が記憶部2に記憶される。
ここで、原稿検知センサー83が原稿搬送路43に設けられる(図2参照)。原稿検知センサー83は、例えば、光センサーである。原稿検知センサー83は、原稿の存在を検知しているとき第1レベルを出力する。原稿検知センサー83は、原稿の存在を検知していないとき第2レベルを出力する。原稿検知センサー83の出力に基づき、原稿検知センサー83の設置位置への原稿の到達と通過を検知することができる。
原稿検知センサー83の出力は、原稿搬送制御部40、読取制御部50に入力される。出力が第2レベルから第1レベルに変化したとき、原稿搬送制御部40と読取制御部50は、原稿検知センサー83の設置位置に原稿の先端が到達したと認識する。出力が第1レベルから第2レベルに変化したとき、原稿搬送制御部40と読取制御部50は、原稿後端が原稿検知センサー83の設置位置を通過したと認識する。
原稿の先端到達を認識してから予め定められた待ち時間が経過したとき、読取制御部50は、読取ユニット53に1ページの読み取りを開始させる。待ち時間は、原稿検知センサー83の設置位置から読取ユニット53の読取ラインまでの距離を仕様上の原稿搬送速度で除した時間とできる。また、原稿の後端通過を認識してから待ち時間が経過したとき、読取制御部50は、読取ユニット53に1ページの読み取りを終了させる。
原稿搬送制御部40は、全てのセット原稿の搬送が完了したか否かの確認を続ける(ステップ♯14のNo)。例えば、原稿搬送制御部40は、原稿セットセンサー81が用紙無しを検知してから原稿排出センサー82が原稿の排出完了を検知したとき、全てのセット原稿の搬送が完了したと判定する。全てのセット原稿の搬送が完了していないとき(ステップ♯14のNo)、原稿搬送制御部40は、原稿の搬送を継続する(ステップ♯15)。また、読取制御部50は、原稿の読みとりを継続する(ステップ♯16)。そして、フローは、ステップ♯14に戻る。
全てのセット原稿の搬送が完了したとき(ステップ♯14のYes)、原稿搬送制御部40は、原稿搬送動作を停止する(ステップ♯17)。原稿搬送制御部40は、原稿の搬送完了を制御部1に通知する(ステップ♯18)。この通知に基づき、制御部1は、原稿読み取りを画像読取部5に終了させる(ステップ♯19)。例えば、制御部1は、原稿読み取り終了を読取制御部50に指示する。そして、本フローは終了する。
(原稿搬送のジャム発生の検知)
次に、図5を用いて、実施形態に係る複合機100でのジャム発生の検知の流れの一例を説明する。図5は、実施形態に係る複合機100でのジャム発生の検知の流れの一例を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、送り読み取りの間、実行される。
図5のスタートは、原稿搬送を開始した時点である。原稿搬送制御部40は、原稿のジャム(詰まり)が発生したか否かを判定する(ステップ♯21)。ジャムが発生したと判定する基準は適宜定められる。
例えば、原稿の給紙開始(供給ローラー42の回転開始)から予め定められた第1時間が経過しても原稿検知センサー83が原稿の先端到達を検知できないとき、原稿搬送制御部40は、原稿のジャム(詰まり)が発生したと判定する。第1時間は、第1所要時間に第1マージン時間を加えた時間とできる。第1所要時間は、原稿先端の給紙開始位置から原稿検知センサー83の設置位置までの搬送距離を仕様上の原稿搬送速度で除した時間である。各ローラーでのスリップを考慮して、第1マージン時間は予め定められる。
また、原稿検知センサー83の先端到達検知から予め定められた第2時間が経過しても原稿検知センサー83が原稿の後端通過を検知できないとき、原稿搬送制御部40は、原稿のジャム(詰まり)が発生したと判定する。第2時間は、第2所要時間+第2マージン時間を加えた時間とできる。第2所要時間は、原稿の搬送方向の長さを仕様上の原稿搬送速度で除した時間である。原稿トレイ41に設けられた原稿サイズセンサー(不図示)の出力に基づき、原稿搬送制御部40は、原稿の搬送方向の長さを認識する。また、操作パネル6で原稿のサイズを設定することもできる。原稿搬送制御部40は、操作パネル6で設定された原稿のサイズに基づき、原稿の搬送方向の長さを認識してもよい。各ローラーでのスリップを考慮して、第2マージン時間も予め定められる。
原稿搬送制御部40がジャム発生と認識していないとき(ステップ♯21のNo)、原稿搬送制御部40は全原稿の搬送が完了したか否かを判定する(ステップ♯22)。全原稿の搬送が完了したとき(ステップ♯22のYes)、本フローは終了する(エンド)。原稿トレイ41に原稿が残っているとき(ステップ♯22のNo)、フローはステップ♯21に戻る。
原稿搬送制御部40がジャム発生と認識したとき(ステップ♯21のYes)、原稿搬送制御部40は、ジャムの発生を制御部1と読取制御部50に通知する(ステップ♯23)。そして、原稿搬送制御部40は、原稿の搬送を停止する(ステップ♯24)。この場合、原稿搬送制御部40は、原稿搬送モーター47を停止させる。これにより、各ローラーが停止する。また、通知に基づき、読取制御部50は原稿読み取りを停止する(ステップ♯25)。
画像読取部5は、現在のカウント値を制御部1に通知する(ステップ♯26)。これにより、制御部1は、読み取りが完了している原稿の枚数(読取済枚数)を認識する。言い換えると、制御部1は、ページ全体の読取画像データD1が生成された原稿は、1枚目から何枚目までかを認識する。通知に基づき、制御部1は、ジャム発生を表示パネル61に表示させる(ステップ♯27)。そして、ジャム発生時の処理に移行する(ステップ♯28→エンド)。
(ジャム発生時の処理)
次に、図2、図6、図7を用いて、実施形態に係る複合機100でのジャム発生時の処理の流れの一例を説明する。図6は、実施形態に係る複合機100でのジャム発生時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7は、実施形態に係る再セット要求画面91の一例を示す図である。
図6のスタートは、制御部1がジャム発生を表示させた時点である。原稿のジャムが発生したとき、使用者によりジャム処理が行われる(ステップ♯31)。ジャム処理を行うとき、使用者は、開閉部48を開ける。図2において、破線で囲う部分が開閉部48である。開閉部48は原稿搬送路43の上側部分である。開閉部48を上方向に開けることができる。開閉のため、開閉部48の下側に回転軸49が設けられる。開閉部48を開けることにより、原稿搬送路43が露出する。原稿を容易に取り除くことができる。
やがて、原稿搬送制御部40は、ジャム処理完了を認識する(ステップ♯32)。開閉部48の開閉後、原稿検知センサー83が原稿の存在を検知していないとき、原稿搬送制御部40は、ジャム処理が完了したと認識する。なお、開閉部48の開閉を検知するための開閉検知センサー84が設けられる(図3参照)。開閉検知センサー84の出力に基づき、原稿搬送制御部40は、開閉部48が開けられたこと、閉じられたことを認識する。
ジャム処理完了を認識したとき、原稿搬送制御部40は、ジャム処理完了を制御部1に通知する(ステップ♯33)。この通知に基づき、制御部1は、再セット要求画面91を表示パネル61に表示させる(ステップ♯34)。
図7に示すように、再セット要求画面91は、原稿の再セットを要求するメッセージを含む。また、再セット要求画面91は、全原稿を再セットすべきメッセージを含む。このメッセージに基づき、使用者は、原稿排出トレイ46に排出済の原稿、原稿搬送路43から取り除いた原稿、原稿トレイ41に残る原稿をまとめる。そして、使用者は、全原稿を原稿トレイ41に再セットする。全原稿の再セットが完了したとき、使用者は、再セット完了ボタンB1を操作する。タッチパネル62の出力に基づき、制御部1は、再セット完了ボタンB1が操作されたことを認識する(ステップ♯35)。これにより、本フローは終了し(エンド)、再セット原稿の向き確認処理に移行する。
(再セット原稿の向き確認処理)
次に、図8を用いて、実施形態に係る複合機100での再セット原稿の向き確認処理の流れの一例を説明する。図8は、実施形態に係る複合機100での再セット原稿の向き確認処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ジャム発生後、原稿を再セットする必要がある。ジャム発生前と逆向きに原稿を再セットしてしまうことがある。使用者が慌てているほどミスが生じ易くなる。ここで、読取済の原稿については、ジャム発生前の読み取りで得られた読取画像データD1がジョブに用いられる。そのため、逆向きのまま再セットされた原稿を読み取ったとき、ジャム発生後に生成された読取画像データD1の向きは、ジャム発生前に生成された読取画像データD1と異なる。その結果、使用者が所望する結果を得られない場合がある。ジャム発生前と発生後で、読取画像データD1の向きを一致させるため、複合機100では、再セットされた原稿の向きを確認する処理を行う。以下、原稿の向き確認処理の流れを説明する。
図8のスタートは、再セット完了ボタンB1が操作された時点である。つまり、ジャム発生後、全原稿が原稿搬送部4に再セットされた状態で、制御部1が読み取りを再開させる時点である。
まず、通知されたカウント値(ステップ♯26、図5)に基づき、制御部1は、読取済枚数(読取画像データD1の生成が完了している原稿の枚数)を確認する(ステップ♯41)。そして、制御部1は、再セットされた原稿の1枚目から読取済枚数分の原稿の排出トレイ46への搬送を原稿搬送部4に開始させる(ステップ♯42)。例えば、読取済枚数が5枚の場合、制御部1は、再セットされた原稿のうち、1枚目から5枚目までを排出トレイ46まで搬送する。
制御部1は、再セットされた原稿の1枚目から読取済枚数分の原稿のうち、何れか1枚の原稿を確認対象原稿に設定する。そして、制御部1は、読取済枚数分の原稿(読取済原稿)のうち、何れか1枚の原稿である確認対象原稿を画像読取部5に読み取らせる(ステップ♯43)。なお、搬送すべき原稿の内、確認対象原稿以外の原稿に対する読取は行われず、原稿は空送りされる。本説明では、読取済枚数分の原稿のうち、最後の原稿を確認対象原稿とする例を説明する。例えば、読取済枚数が10ページのとき、制御部1は、10ページ目を確認対象原稿とする。なお、確認対象原稿は、読取済枚数分の原稿の最後のページでなくてもよい。例えば、読取済枚数が10ページのとき、制御部1は、9ページ目を確認対象原稿としてもよい。
ステップ♯43のとき、制御部1は、読取済枚数を原稿搬送制御部40と読取制御部50に通知する。また、制御部1は、読取済枚数分の原稿のうち、確認対象原稿が何ページ目かを原稿搬送制御部40と読取制御部50に通知する。この通知に基づき、原稿搬送制御部40は、読取済枚数分の原稿の搬送を開始する。また、この通知に基づき、読取制御部50は、読取済枚数分の原稿のうち、確認対象原稿のみを読取ユニット53に読み取らせる。
確認対象原稿の読み取りにより、画像読取部5は確認対象原稿の画像データを生成する(ステップ♯44)。以下の説明では、ジャム発生前の読み取りで得られた確認対象原稿に対応する読取画像データD1を第1画像データと称する。確認対象原稿が読取済枚数分の原稿のうちN番目のとき、ジャム発生前の読み取りで得られた読取画像データD1のうち、N番目の原稿の読取画像データD1が第1画像データとされる。また、原稿読み取り再開後(原稿の再セット後)の読み取りで得られた確認対象原稿の画像データを第2画像データと称する。
制御部1は、再セットされた原稿の1枚目から読取済枚数分の原稿の搬送を原稿搬送部4に完了させる(ステップ♯45)。搬送完了後、制御部1は、原稿トレイ41に残る原稿(残原稿)の搬送を一時停止させる(ステップ♯46)。制御部1は、残原稿の原稿搬送停止を原稿搬送制御部40と読取制御部50に通知する。この通知に基づき、原稿搬送制御部40は、原稿搬送モーター47を停止させる。その結果、原稿の搬送が停止される。なお、制御部1は、原稿検知センサー83が検知するまで残原稿の先頭ページを搬送させた状態で原稿搬送を停止させてもよい。
制御部1(画像処理部12)は、第1画像データと第2画像データを比較し、1次判定を行う(ステップ♯47)。1次判定は、第1画像データと第2画像データが同じか否かの判定である。例えば、制御部1は、第1画像データと第2画像データのマッチングを行う。そして、類似度が予め定められた閾値以上のとき、制御部1は、第1画像データと第2画像データが同じと判定する。類似度が予め定められた閾値未満のとき、制御部1は、第1画像データと第2画像データが同じではないと判定する。
また、第1画像データと第2画像データのそれぞれのOCR処理の結果に基づき、制御部1(画像処理部12)は1次判定を行ってもよい。この場合、制御部1は、OCR処理により、第1画像データに含まれる文字を抽出する。また、制御部1は、OCR処理により、第2画像データに含まれる文字を抽出する。抽出した文字の一致率が予め定められた比率以上のとき、制御部1は、第1画像データと第2画像データが同じと判定する。一致率が予め定められた比率未満のとき、制御部1は、第1画像データと第2画像データが同じではないと判定する。
1次判定で同じと判定したとき(ステップ♯47のYes)、再セット原稿は、ジャム発生前のセット原稿と同じとみなすことができる。また、ジャム発生前のセット原稿の向きと、再セット原稿の向きは同じとみなすことができる。そこで、制御部1は、残原稿の搬送を原稿搬送部4に開始させる(ステップ♯48)。制御部1は、残原稿の搬送開始を原稿搬送制御部40に通知する。この通知に基づき、原稿搬送制御部40は、原稿搬送モーター47の回転を開始させる。これにより、残原稿が1枚ずつ搬送される。
また、制御部1は、各残原稿を画像読取部5に読み取らせる(ステップ♯49)。制御部1は、各残原稿の読み取りを読取制御部50に通知する。この通知に基づき、読取制御部50は、残原稿の各ページを読取ユニット53に読み取らせる。これにより、各残原稿の読取画像データD1が生成される。なお、制御部1は、各残原稿の読取画像データD1を回転しない(ステップ♯410)。ステップ♯48〜ステップ♯410により、向きが揃った読取画像データD1が得られる。そして、本フローは終了する(エンド)。以後、各原稿の読取画像データD1に基づき、ジョブが実行される。
1次判定で同じでないと判定したとき(ステップ♯47のNo)、制御部1は、第2画像データを回転させた回転画像データを生成する。具体的に、制御部1は、第2画像データを180度回転させる。そして、制御部1は、第1画像データと回転画像データを比較し、2次判定を行う(ステップ♯411)。2次判定は、第1画像データと回転画像データが同じか否かの判定である。
判定手法は、1次判定と基本的に同様でよい。例えば、制御部1は、第1画像データと回転画像データのマッチングを行う。そして、類似度が閾値以上のとき、制御部1は、第1画像データと回転画像データが同じと判定する。類似度が閾値未満のとき、制御部1は、第1画像データと回転画像データが同じではないと判定する。
また、OCR処理の結果に基づき、制御部1(画像処理部12)は2次判定を行ってもよい。この場合、制御部1は、OCR処理により、第1画像データに含まれる文字を抽出する。また、制御部1は、OCR処理により、回転画像データに含まれる文字を抽出する。抽出した文字の一致率が予め定められた比率以上のとき、制御部1は、第1画像データと回転画像データが同じと判定する。一致率が予め定められた比率未満のとき、制御部1は、第1画像データと回転画像データが同じではないと判定する。
2次判定で同じでないと判定できたとき(ステップ♯411のNo)、再セット原稿は、ジャム発生前のセット原稿と異なる原稿を含んでいる。そこで、制御部1は、正しい原稿の再セットを求めるメッセージを表示部に表示させる(ステップ♯412)。そして、本フローは終了する(エンド)。原稿トレイ41からの原稿除去と原稿の再セットがなされたとき、制御部1は、ステップ♯41から本フローを再度実行する。
2次判定で同じと判定できたとき(ステップ♯411のYes)、制御部1は、ジャム発生前のセット原稿と、再セット原稿の向きが異なると判定する(ステップ♯413)。そして、制御部1は、警告画面92を表示パネル61に表示させる(ステップ♯414)。ステップ♯414により残原稿の読み取り設定処理に移行する。
(残原稿の読み取り設定処理)
次に、図9〜図11に基づき、実施形態に係る複合機100での残原稿の読み取り設定処理を説明する。図9は、実施形態に係る残原稿の読み取り設定処理の一例を示すフローチャートである。図10は、実施形態に係る警告画面92の一例を示す図である。図11は、実施形態に係る回転確認画面93の一例を示す図である。
図9のスタートは、警告画面92を表示パネル61に表示した時点である(図8のステップ♯414)。まず、図10を用いて、警告画面92の一例を説明する。制御部1は、警告画面92内に警告メッセージM1M1を表示させる。警告メッセージM1は、ジャム発生前のセット原稿と、再セット原稿の向きが異なることを知らせる。また、制御部1は、警告画面92内に、回転読み取りボタンB2と、回転不要ボタンB3と、逐次確認ボタンB4を表示させる。
残原稿の読取画像データD1を自動的に回転させたいとき、使用者は、回転読み取りボタンB2を操作する。タッチパネル62は、回転読み取りボタンB2の操作を回転読み取り指示として受け付ける。タッチパネル62が回転読み取り指示を受け付けたとき、制御部1(画像処理部12)は、残原稿の全ての読取画像データD1を180度回転させる。
残原稿の読取画像データD1を回転させたくないとき、使用者は、回転不要ボタンB3を操作する。タッチパネル62は回転不要ボタンB3の操作を回転不要指示として受け付ける。タッチパネル62が回転不要指示を受け付けたとき、制御部1(画像処理部12)は、残原稿の読取画像データD1を回転させない。再セット時の原稿の向きに応じた読取画像データD1が得られる。
1枚ずつ、回転するか否かを決めたいとき、使用者は逐次確認ボタンB4を操作する。それぞれの残原稿向きをバラバラにしてしまったときに有効である。例えば、ジャム処理時に原稿束を落とした場合などに有効である。タッチパネル62は逐次確認ボタンB4の操作を逐次確認指示として受け付ける。タッチパネル62が逐次確認指示を受け付けたとき、制御部1(画像処理部12)は、残原稿の読取画像データD1のうち、使用者により回転が選択された読取画像データD1のみ、180度回転させる。
タッチパネル62の出力に基づき、制御部1は、タッチパネル62が回転読み取り指示を受け付けたか否かを確認する(ステップ♯51)。回転読み取り指示を受け付けていないとき(ステップ♯51のNo)、タッチパネル62の出力に基づき、制御部1は、タッチパネル62が回転不要指示を受け付けたか否かを確認する(ステップ♯52)。回転不要指示を受け付けていないとき(ステップ♯52のNo)、タッチパネル62の出力に基づき、制御部1は、タッチパネル62が逐次確認指示を受け付けたか否かを確認する(ステップ♯53)。逐次確認指示を受け付けていないとき(ステップ♯53のNo)、フローはステップ♯51に戻る。
タッチパネル62が回転読み取り指示を受け付けたとき(ステップ♯51のYes)、制御部1は、残原稿の搬送を原稿搬送部4に開始させる(ステップ♯54)。制御部1は、残原稿の搬送開始を原稿搬送制御部40に通知する。この通知に基づき、原稿搬送制御部40は、原稿搬送モーター47の回転を開始させる。これにより、残原稿が1枚ずつ最後のページまで自動的に搬送される。
また、制御部1は、残原稿のそれぞれを画像読取部5に読み取らせる(ステップ♯55)。制御部1は、残原稿の読み取りを読取制御部50に通知する。この通知に基づき、読取制御部50は、残原稿の各ページを読取ユニット53に読み取らせる。これにより、各残原稿の読取画像データD1が生成される。
さらに、制御部1(画像処理部12)は、残原稿の全ての読取画像データD1を回転する(ステップ♯56)。回転角度は、180度である。これにより、読取済原稿の読取画像データD1と、残原稿の読取画像データD1の向きを自動的に一致させることができる。向きを合わせるため、再セットした原稿を取り除き、原稿を再々セットする必要がない。そして、本フローは終了する(エンド)。
タッチパネル62が回転不要指示を受け付けたとき(ステップ♯52のYes)、制御部1は、残原稿の搬送を原稿搬送部4に開始させる(ステップ♯57)。制御部1は、残原稿の搬送開始を原稿搬送制御部40に通知する。この通知に基づき、原稿搬送制御部40は、原稿搬送モーター47の回転を開始させる。これにより、残原稿が1枚ずつ最後のページまで自動的に搬送される。
また、制御部1は、残原稿のそれぞれを画像読取部5に読み取らせる(ステップ♯58)。制御部1は、残原稿の読み取りを読取制御部50に通知する。この通知に基づき、読取制御部50は、残原稿の各ページを読取ユニット53に読み取らせる。これにより、各残原稿の読取画像データD1が生成される。なお、制御部1は、残原稿の全ての読取画像データD1を回転しない(ステップ♯59)。
タッチパネル62が逐次確認指示を受け付けたとき(ステップ♯53のYes)、制御部1は、1枚のみ残原稿を原稿搬送部4に搬送させる(ステップ♯510)。制御部1は、1枚の残原稿の搬送開始を原稿搬送制御部40に通知する。この通知に基づき、原稿搬送制御部40は、1枚のみ原稿を搬送させる。1枚の残原稿の搬送後、原稿搬送制御部40は、原稿搬送モーター47及び搬送用回転体を停止させる。1枚の残原稿の読み取りが完了しても、原稿搬送制御部40は、次の残原稿の給紙を直ちに開始しない(供給ローラー42を回転させない)。
制御部1は、搬送される1枚の残原稿を画像読取部5に読み取らせる(ステップ♯511)。制御部1は、1枚の残原稿の読み取りを読取制御部50に通知する。この通知に基づき、読取制御部50は、1枚の残原稿を読取ユニット53に読み取らせる。これにより、残原稿の読取画像データD1が1ページ分生成される。
そして、制御部1は、回転確認画面93を表示パネル61に表示させる(ステップ♯512)。図11は回転確認画面93の一例を示す図である。制御部1は、回転確認画面93内に、第1縮小画像i1を表示させる。第1縮小画像i1は、直近に読み取った1枚の残原稿の読取画像データD1を縮小した画像である。制御部1(画像処理部12)は、読取画像データD1を間引きして、予め定められたサイズの第1縮小画像i1を生成する。
また、制御部1は、回転確認画面93内に、第2縮小画像i2を表示させる。第2縮小画像i2は、回転の必要性の判断材料として表示される。直前のページの内容を参照して、回転させるべきか否かを判断することができる。第2縮小画像i2は、直近に読み取った1枚の残原稿の1ページ前の原稿の読取画像データD1を縮小した画像である。制御部1(画像処理部12)は、1ページ前の原稿の読取画像データD1を間引きして、予め定められたサイズの第2縮小画像i2を生成する。
残原稿の先頭ページの原稿に対応する第1縮小画像i1を表示するときも、制御部1は、第2縮小画像i2を表示させる。この場合、第2縮小画像i2は、ジャムの発生前に生成された読取画像データD1のうち、最後のページの原稿の読取画像データD1の縮小画像である。これにより、読取済枚数が正しいか否かを確認することができる。
また、制御部1は、回転ありボタンB5と回転なしボタンB6を回転確認画面93内に表示させる。第1縮小画像i1の確認の結果、読取画像データD1を回転させたいとき、使用者は回転ありボタンB5を操作する。タッチパネル62は、回転ありボタンB5への操作を回転あり指示として受け付ける。第1縮小画像i1の確認の結果、読取画像データD1を回転させたくないとき、使用者は回転なしボタンB6を操作する。タッチパネル62は、回転なしボタンB6への操作を回転なし指示として受け付ける。
制御部1は、ステップ♯511の読み取りで得られた読取画像データD1を回転させる又は回転させない(ステップ♯513)。制御部1は、回転確認画面93での操作に基づき、回転するか否かを定める。タッチパネル62が回転あり指示を受け付けたとき、制御部1は、第1縮小画像i1に対応する読取画像データD1を回転させる。回転角度は、180度である。操作部が回転なし指示を受け付けたとき、制御部1は、第1縮小画像i1に対応する読取画像データD1を回転させない。
そして、原稿セットセンサー81の出力に基づき、制御部1は、全原稿の読み取りが終わったか否かを確認する(ステップ♯514)。原稿トレイ41に原稿が残っているとき(ステップ♯514のNo)、フローは、ステップ♯510に戻る。全原稿の読み取りが終わったとき、本フローは終了する(エンド)。
このようにして、実施形態に係る画像読取装置(複合機100)は原稿搬送部4、画像読取部5、記憶部2、表示部、操作部、制御部1を含む。原稿搬送部4は、原稿トレイ41にセットされた原稿を1枚ずつ搬送する。画像読取部5は、原稿搬送部4により搬送される原稿を読み取り、読取画像データD1を生成する。記憶部2は、読取画像データD1を記憶する。表示部は、表示を行う。操作部は使用者の操作を受け付ける。制御部1は、ジャムの発生前の読み取りでページ全体を読み取ることができた原稿の枚数である読取済枚数を認識する。ジャム発生後、全原稿が原稿搬送部4に再セットされた状態で読み取りを再開する場合、制御部1は、再セットされた原稿の1枚目から前記読取済枚数分の原稿のうち、何れか1枚の原稿を確認対象原稿に設定する。制御部1は、読取済枚数分の原稿を原稿搬送部4に搬送させる。制御部1は、読取済枚数分の原稿のうち、確認対象原稿以外の原稿を画像読取部5に読み取らせない。制御部1は、確認対象原稿のみを画像読取部5に読み取らせる。読取済枚数分の原稿の搬送後、制御部1は、原稿トレイ41に残っている原稿である残原稿の搬送を原稿搬送部4に一時停止させる。制御部1は、ジャムの発生前の読み取りで得られた確認対象原稿に対応する読取画像データD1である第1画像データと、読み取り再開後に確認対象原稿を読み取って得られた第2画像データを比較する。制御部1は、第1画像データと第2画像データの比較に基づき、原稿の向きが異なるか否かを判定する。原稿の向きが異なると判定したとき、制御部1は、表示部に警告を表示させる。
これにより、ジャム発生後に再セットされた原稿の向きがジャム発生前にセットされた原稿の向きと異なること検知することができる。そして、向きが異なることを使用者に警告することができる。従って、ジャム発生時、原稿の再セットミスを防ぐことができる。また、ジャム発生前に生成された読取画像データD1の向きと残原稿の読取画像データD1の向きを一致させることができる。
また、警告の表示後、操作部が回転読み取り指示を受け付けたとき、制御部1は、残原稿の搬送を原稿搬送部4に開始させる。制御部1は、残原稿を画像読取部5に読み取らせる。制御部1は、残原稿の読取画像データD1を回転する。制御部1は、ジャムの発生前に生成された読取画像データD1と、残原稿の読取画像データD1の向きを一致させる。これにより、残原稿の読取画像データD1の全てを自動的に回転させることができる。使用者は、回転読み取り指示を行うだけよい。向きを誤って原稿を再セットしても、自動的に全読取画像データD1の向きを一致させることができる。つまり、再セット原稿の向きがジャム発生前と異なっていても、全て同じ向きの読取画像データD1を得ることができる。原稿をセットし直す必要がない。使用者の作業負担を減らすことができる。
また、警告の表示後、操作部が回転不要指示を受け付けたとき、制御部1は、残原稿の搬送を原稿搬送部4に開始させる。制御部1は残原稿を画像読取部5に読み取らせる。制御部1は残原稿の読取画像データD1を回転しない。これにより、残原稿の読取画像データD1を回転しないようにすることができる。使用者は、回転不要指示を行うだけよい。使用者の希望に沿った読み取りを行うことができる。
また、第1画像データと第2画像データを比較するとき、制御部1は、第1画像データと第2画像データが同じか否かを判定する1次判定を行う。1次判定で同じでないと判定したとき、制御部1は、第2画像データを回転させた回転画像データを生成する。制御部1は、第1画像データと回転画像データが同じか否かを判定する2次判定を行う。2次判定で同じと判定したとき、制御部1は原稿の向きが異なると判定する。2次判定で同じでないと判定したとき、制御部1は正しい原稿の再セットを求めるメッセージを表示部に表示させる。これにより、ジャム発生前のセット原稿の向きと、ジャム発生後の再セット原稿の向きが異なるか否かを正確に判定することができる。また、ジャム発生前のセット原稿と、再セット原稿の内容が一致するか否かも、正確に判定することができる。ジャム発生前のセット原稿と再セット原稿が一致しないことを使用者に知らせることもできる。
また、1次判定で同じと判定したとき、制御部1は残原稿の搬送を原稿搬送部4に開始させる。制御部1は残原稿を画像読取部5に読み取らせる。制御部1は残原稿の読取画像データD1を回転しない。これにより、ジャム発生前のセット原稿と再セット原稿の内容が一致し、かつ、向きも同じ場合、通常の残原稿の読み取りを再開することができる。
警告の表示後、操作部が逐次確認指示を受け付けたとき、制御部1は、逐次確認指示、回転あり指示、又は、回転なし指示を受けるごとに、残原稿のうち、1枚のみを原稿搬送部4に搬送させる。制御部1は搬送される1枚の残原稿を画像読取部5に読み取らせる。残原稿を読み取るごとに、制御部1は残原稿の読み取りで得られた読取画像データD1を縮小した第1縮小画像i1を表示部に表示させる。第1縮小画像i1の表示後、操作部が回転あり指示を受け付けたとき、制御部1は第1縮小画像i1に対応する読取画像データD1を回転させる。第1縮小画像i1の表示後、操作部が回転なし指示を受け付けたとき、制御部1は第1縮小画像i1に対応する読取画像データD1を回転させない。これにより、残原稿について、1枚ずつ、読取画像データD1を回転するか否かを選択することができる。各残原稿の読取画像データD1の縮小画像(第1縮小画像i1)を表示することもできる。従って、原稿の向きが逆になっている原稿のみを正確に回転させることができる。読取画像データD1を回転させたい場合、使用者は回転あり指示を行うだけでよい。読取画像データD1を回転させたくない場合、使用者は回転なし指示を行うだけでよい。
また、残原稿のうち、先頭ページの原稿に対応する第1縮小画像i1を表示するとき、制御部1は、第1縮小画像i1とともに、ジャムの発生前に生成された読取画像データD1のうち、最後のページの原稿の読取画像データD1の縮小画像である第2縮小画像i2を表示させる。これにより、ジャム発生前(最初)のセット原稿の向きと再セット原稿の向きが異なるか否かを判定しやすくすることができる。
また、確認対象原稿は、ジャム発生後、読み取り再開時に搬送する読取済枚数の原稿のうち、最後の原稿である。これにより、残原稿に最も順番が近い原稿に基づき、ジャム発生前(最初)のセット原稿の向きと再セット原稿の向きが異なるか否かを判定することができる。また、読み取り再開時に搬送する原稿を素早く搬送することができる。
また、制御部1は、読取画像データD1を回転するとき、180度回転させる。これにより、ジャム発生前(最初)のセット原稿の向きと再セット原稿の向きが異なっていても、全原稿の読取画像データD1の向きを一致させることができる。