JP2018186003A - 照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の照明を同時に行う場合、複数の照明装置を設置する必要があるが、照明装置を複数設けると、照明装置を設置するためにより大きなスペースを必要とし、また、照明装置全体の重量も増してしまう。本発明の目的は、複数の照明を同時に行うことが可能であり、小型で軽量な照明装置を提供する。【解決手段】光を射出する光源15と、光源15から射出した光源光SLを第1分岐光SL1と第2分岐光SL2とに分割する分割素子20と、第1分岐光SL1が入射する蛍光体30と、を備え、蛍光体30から射出した波長変換光FLによって、第1の照明を行い、第2分岐光SL2によって、第2の照明を行う、照明装置10。【選択図】図1

Description

本開示は、照明装置に関する。
例えば、特許文献1に開示されているように、光源とホログラム素子とを含んだ照明装置が知られている。特許文献1に開示された照明装置では、ホログラム素子が光源からの光を回折することで、所望の照明パターンで路面を照明することができる。
特開2015−132707号公報
ところで、照明装置を用いて照明を行う多くの場合、目的の異なる複数の照明を同時に行いたい場合がある。例えば車のヘッドライトでは、運転者の視認性を向上させるべく前方領域を広く照明しながら、車の走行に関わる情報を示すべく図形や文字の形状等の照明パターンで照明することが望まれる。このような複数の照明を同時に行う場合、複数の照明装置を設置する必要がある。しかしながら、照明装置を複数設けると、照明装置を設置するためにより大きなスペースを必要とし、また、照明装置全体の重量も増してしまう。
本開示の実施形態は、以上の点を考慮してなされたものであり、複数の照明を同時に行うことが可能であり、小型で軽量な照明装置を提供することを目的とする。
本開示の第1の実施形態による照明装置は、
光を射出する光源と、
前記光源から射出した前記光を第1分岐光と第2分岐光とに分割する分割素子と、
前記第1分岐光が入射する蛍光体と、を備え、
前記蛍光体から射出した波長変換光によって、第1の照明を行い、
前記第2分岐光によって、第2の照明を行う。
本開示の第1の実施形態による照明装置は、前記第2分岐光を回折する回折光学素子を更に備えていてもよい。
また、本開示の第1の実施形態による照明装置は、前記第2分岐光の光路を変化させ前記回折光学素子上での入射位置を変化させる走査装置を更に備え、
前記回折光学素子は、回折特性の異なる複数の要素回折光学素子を含んでいてもよい。
また、本開示の第2の実施形態による照明装置は、
第1波長域の第1光を射出する第1光源と、
前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2光を射出する第2光源と、
前記第1光を第1分岐光と第2分岐光とに分割する分割素子と、
前記第1分岐光が入射する蛍光体と、を備え、
前記蛍光体から射出した波長変換光によって、第1の照明を行い、
前記第2分岐光及び前記第2光によって、第2の照明を行う。
本開示の第2の実施形態による照明装置は、前記第2分岐光及び前記第2光を回折する回折光学素子を更に備えていてもよい。
本開示の第2の実施形態による照明装置は、前記第2分岐光及び前記第2光の光路を変化させ前記回折光学素子上での入射位置を変化させる走査装置を更に備え、
前記回折光学素子は、回折特性の異なる複数の要素回折光学素子を含んでいてよい。
本開示の第1及び第2の実施形態による照明装置は、前記第1分岐光の光路に沿った前記分割素子と前記蛍光体との間に、順に配置された拡散回折光学素子及び集光レンズと、
前記蛍光体から射出した波長変換光の光路上に設けられた結像光学系と、を更に備えていてもよい。
本開示の第1及び第2の実施形態による照明装置において、前記第1の照明は、第1の被照明領域を照明し、
前記第2の照明は、第1の被照明領域とは異なる第2の被照明領域を照明してもよい。
本開示の第1及び第2の実施形態による照明装置において、前記第1の被照明領域は、前記第2の被照明領域よりも広くてもよい。
本開示の第1及び第2の実施形態による照明装置において、前記第1分岐光の放射束は、前記第2分岐光の放射束よりも大きくてもよい。
本開示の第1及び第2の実施形態による照明装置において、前記第2の照明は、情報を表示してもよい。
本開示によれば、複数の照明を同時に行うことが可能な照明装置を、小型化及び軽量化することができる。
図1は、本開示による第1の実施形態を説明するための図であって、照明装置を示す概略図である。 図1Aは、図1の照明装置を備える車と照明装置の被照明領域とを示す図である。 図1Bは、図1の照明装置によって照明される第2の被照明領域の照明パターンの他の一例を示す図である。 図1Cは、図1の照明装置によって照明される第2の被照明領域の照明パターンのさらに他の一例を示す図である。 図1Dは、図1の照明装置によって照明される第2の被照明領域の照明パターンのさらに他の一例を示す図である。 図2は、図1の照明装置の変形例を示す概略図である。 図3は、図1の照明装置の他の変形例を示す概略図である。 図4は、図1の照明装置のさらに他の変形例を示す概略図である。 図5は、本開示による第2の実施形態を説明するための図であって、照明装置を示す概略図である。 図6は、図5の照明装置の変形例を示す概略図である。 図7は、図5の照明装置の他の変形例を示す概略図である。 図8は、図5の照明装置のさらに他の変形例を示す概略図である。
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や、長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
以下に説明する照明装置10は、第1の被照明領域Z1と、第1の被照明領域Z1とは異なる第2の被照明領域Z2と、を照明する。第1の被照明領域Z1は、照明装置10の稼働中、常に、照明装置10から射出する照明光によって照明されるようになる領域である。一方、第2の被照明領域Z2は、必要に応じて、第1の被照明領域Z1に加えて照明光を照射される領域である。
このような照明装置10は、種々の分野、例えば車や船等の移動体の照明装置として、使用され得る。そして、以下に説明する複数の実施の形態では、従来存在していた不具合に対処するための工夫、具体的には、第1の被照明領域Z1と第2の被照明領域Z2とを同時に照明可能な照明装置の小型化及び軽量化を実現するための工夫がなされている。
以下に説明する複数の実施の形態では、照明装置10は車に適用されて、地面または床面を照明する。照明装置10は、車の運転者の視認性を向上させるため第1の被照明領域Z1を広く扇状に照明し、また、例えば車幅等の情報を表示するため第2の被照明領域Z2をライン状の照明パターンで照明する。第1の被照明領域Z1は、第2の被照明領域Z2よりも広い。
<第1の実施形態>
まず、図1を参照して、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る照明装置10の一例を示す模式図である。図1に示すように、第1の実施形態において、照明装置10は、光を射出する光源15と、光源15から射出した光、すなわち光源光SLを、第1分岐光SL1と第2分岐光SL2とに分割する分割素子20と、第1分岐光SL1が入射して第1分岐光SL1とは波長の異なる光(波長変換光)FLを射出する蛍光体30と、を備えている。照明装置10は、蛍光体30から射出した波長変換光FLによって第1の照明を行い、第2分岐光SL2によって第2の照明を行う。
図1に示す照明装置10は、さらに、第1分岐光SL1の光路に沿った分割素子20と蛍光体30との間に、順に配置された拡散回折光学素子40と集光レンズ45とを有している。また、照明装置10は、蛍光体30から射出した波長変換光FLの光路上に設けられた結像光学系50を有している。また、照明装置10は、第2分岐光SL2の光路上に設けられた、反射デバイス60と整形光学系70と回折光学素子80とを含んでいる。蛍光体30から射出した波長変換光FLは、結像光学系50で結像されて、第1の被照明領域Z1を照明する(第1の照明)。一方、第2分岐光SL2は、回折光学素子80で回折されて、第2の被照明領域Z2を照明する(第2の照明)。以下、各構成要素について順に説明していく。
光源15は、種々の型式の光源を用いることができる。一例として、コヒーレント光を射出する光源、例えばレーザー光源を、光源15として用いることができる。レーザー光源から射出されるレーザー光源は、直進性に優れ、蛍光体30や第2の被照明領域Z2を高精度に照明するための光として好適である。
ところで、レーザー光源のような高出力の光源を用いて第2の被照明領域Z2のような比較的小さな被照明領域を照明すると、照明光量が高くなりすぎてしまうことがある。このような場合、光源の出力を抑えて照明が行われる等、光源からの光が有効に利用されていなかった。とりわけ、レーザー光源の中でも青色(B)の波長域の光を射出するレーザー光源は、出力が高く、このような問題が生じていた。
したがって、図1に示す照明装置10においては、分割素子20を用いて光源15からの光源光SLを複数に分割して、複数の照明に用いる。
分割素子20は、光源15から射出した光源光SLを、第1分岐光SL1及び第2分岐光SL2に分割する。このような分割素子20として、ハーフミラーを用いることができるが、これに限られない。例えば、ダイクロイックミラーやバンドパスフィルタ、波長板及び偏光ビームスプリッタの組み合わせ等を、分割素子20として用いることもできる。
図1に示された照明装置10では、ハーフミラーからなる分割素子20を透過した光源光SLが第1分岐光SL1となり、ハーフミラーからなる分割素子20で反射された光源光SLが、第2分岐光SL2となる。ハーフミラーからなる分割素子20の反射率を調節しておくことで、第1分岐光SL1及び第2分岐光SL2の放射束を調節することができる。この結果、蛍光体30に入射する第1分岐光SL1の光エネルギー及び第2の被照明領域Z2の照明光量を調節することができる。
図1に示された例では、分割素子20は、第1分岐光SL1の放射束[単位:W]が第2分岐光SL2の放射束よりも大きくなるように、光源光SLを分割する。これにより、蛍光体30に十分な光エネルギーを与えることができる。
次に、まず、第2分岐光SL2の光路に沿って順に配置された、反射デバイス60、整形光学系70及び回折光学素子80について説明する。
反射デバイス60は、第2分岐光SL2を反射して、整形光学系70に入射させる。反射デバイス60は、例えば、分割素子20及び整形光学系70に対して固定された反射面を有する。
整形光学系70は、反射デバイス60で反射された第2分岐光SL2を整形する。言い換えると、整形光学系70は、第2分岐光SL2の光軸に直交する断面での形状や、第2分岐光SL2の光束の立体的な形状を整形する。図示された例において、整形光学系70は、第2分岐光SL2を拡幅した平行光束に整形する。図1に示すように、整形光学系70は、第2分岐光SL2の光路に沿った順で、ビームエクスパンダー71及びレンズ72を有している。ビームエクスパンダー71は、反射デバイス60で反射された第2分岐光SL2を、発散光束に整形する。レンズ72は、ビームエクスパンダー71で生成された発散光束を、平行光束に整形し直す。なお、整形光学系70は、回折光学素子80上での第2分岐光SL2の入射領域が、円形状となるように通常のレンズを用いてもよいし、当該入射領域が矩形状となるようにシリンドリカルレンズを用いてもよいし、また、当該入射領域が矩形状等の所望の形状となるようにマスクを用いてもよい。
回折光学素子80は、整形光学系70で整形された第2分岐光SL2に対して回折作用を及ぼす素子である。回折光学素子80は、第2分岐光SL2を第2の被照明領域Z2の所望の照明パターン(ライン状のパターン)に対応したパターンで回折して、第2の被照明領域Z2に向ける。これにより、第2の被照明領域Z2は、回折光学素子80での回折光SL2によって、当該所望の照明パターンで照明される。また、第2の被照明領域Z2は、第2分岐光SL2の波長域に対応した色、したがって光源15から発振される光源光SLの波長域に対応した色、で照明される。
一例として、回折光学素子80は、干渉縞パターンを記録されたホログラム記録媒体として構成され得る。干渉縞パターンを種々に調整することで、回折光学素子80で回折される光の進行方向、言い換えると、回折光学素子80で拡散される光の進行方向を、制御することができる。
回折光学素子80は、例えば実物の散乱板からの散乱光を物体光として用いて作製することができる。より具体的には、回折光学素子80の母体であるホログラム感光材料に、互いに干渉性を有するコヒーレント光からなる参照光と物体光とを照射すると、これらの光の干渉による干渉縞がホログラム感光材料に形成されて、回折光学素子80が作製される。参照光としては、コヒーレント光であるレーザー光が用いられ、物体光としては、例えば安価に入手可能な等方散乱板からの散乱光が用いられる。
回折光学素子80を作製する際に用いた参照光の光路を逆向きに進むよう回折光学素子80に向けてレーザー光を照射することで、回折光学素子80を作製する際に用いた物体光の元となる散乱板の配置位置に、散乱板の再生像が生成される。回折光学素子80を作製する際に用いられた物体光の元となる散乱板が均一的な面散乱をしていれば、回折光学素子80により得られる散乱板の再生像も、均一な面照明となり、この散乱板の再生像が生成される領域を照明されるべき領域Z2とすることができる。
また、回折光学素子80に形成される複雑な干渉縞のパターンは、現実の物体光と参照光を用いて形成する代わりに、予定した再生照明光の波長や入射方向、並びに、再生されるべき像の形状や位置等に基づき計算機を用いて設計することが可能である。このようにして得られた回折光学素子80は、計算機合成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)とも呼ばれる。例えば、回折光学素子80で回折された回折光によって地面上や水面上の一定の大きさを有した被照明領域が照明されることが意図されている場合、物体光を生成することが困難であり、計算機合成ホログラムを回折光学素子80として用いることが好適である。
また、回折光学素子80上の各点における拡散角度特性が同じであるフーリエ変換ホログラムを計算機合成により形成してもよい。さらに、回折光学素子80の下流側にレンズなどの光学部材を設けて、照明されるべき領域Z2の全域に入射するように調整してもよい。
回折光学素子80の具体的な形態としては、フォトポリマーを用いた体積型ホログラム記録媒体でもよいし、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプの体積型ホログラム記録媒体でもよいし、レリーフ型(エンボス型)のホログラム記録媒体でもよい。また、回折光学素子80は、透過型であってもよいし、反射型であってもよい。
次に、第1分岐光SL1の光路に沿って配置された、拡散回折光学素子40、集光レンズ45及び蛍光体30、並びに、蛍光体30の下流側に配置された結像光学系50について説明する。
拡散回折光学素子40は、分割素子20で第2分岐光SL2から分離された第1分岐光SL1に対して回折作用を及ぼす素子である。拡散回折光学素子40は、回折光学素子80と同様に作製され得る。拡散回折光学素子40は、第1分岐光SL1を回折して、集光レンズ45に向ける。
ここで、図1に示す例においては、第1被照明領域Z1は扇形に照明される。したがって、拡散回折光学素子40は、拡散回折光学素子40で回折される第1分岐光SL1のパターンが扇形に対応したパターンとなるように、拡散回折光学素子40で拡散される第1分岐光SL1の進行方向を制御する。これにより、蛍光体30は扇形に対応した照明パターンで照明され、蛍光体30から射出する波長変換光FLのパターンも概ね扇形のパターンに対応したパターンとなる。すなわち、波長変換光FLの進行方向を、第1被照明領域Z1の扇形の形状に対応するように制御することができる。このように、拡散回折光学素子40によって第1分岐光SL1の進行方向を制御することにより、波長変換光FLの進行方向を制御することができる。これは、第1分岐光SL1を効率よく利用する意味においても、有利である。もちろん、第1被照明領域Z1を他の形状で照明する場合は、拡散回折光学素子40として、拡散回折光学素子40で回折される第1分岐光SL1のパターンが当該他の形状に対応したパターンとなるように、拡散回折光学素子40で拡散される第1分岐光SL1の進行方向を制御可能なものを採用すればよい。
集光レンズ45は、拡散回折光学素子40で回折されて拡散する第1分岐光SL1を集光して、蛍光体30上で第1分岐光SL1が照射される領域を小面積化する。これにより、蛍光体30を照射する第1分岐光SL1のエネルギー密度を高めることができる。
蛍光体30は、集光レンズ45によって集光される第1分岐光SL1によって照射される面積が最小となる位置、あるいはその近傍に配置されている。蛍光体30は、第1分岐光SL1が照射されると励起されて、蛍光体30に入射する第1分岐光SL1とは異なる波長域の波長変換光FLを放出する。例えば、蛍光体30は、青色の波長域のレーザー光が入射すると、白色の波長域の波長変換光を放出する。照明装置10においては、蛍光体30から射出する波長変換光FLによって第1の被照明領域Z1を照明するので、蛍光体30を適宜選択することにより、第1の被照明領域Z1を所望の色で照明することができる。上述のように、蛍光体30から射出する波長変換光FLのパターンは、蛍光体30に照射される第1分岐光SL1のパターンと概ね同じである。
結像光学系50は、蛍光体30から射出した波長変換光FLを、地面または床面上に結像させる。これにより、第1の被照明領域Z1は、波長変換光FLのパターンに応じた形状及び波長変換光FLの波長域に応じた色で照明される。
なお、図1に示された照明装置10は、単一の光源15を含んでいるが、複数の光源を含んでいてもよい。また、照明装置10は、単一の拡散回折光学素子40及び単一の回折光学素子80を有しているが、複数の拡散回折光学素子及び複数の回折光学素子を有していてもよい。特に、照明装置10が複数の光源を有する場合、拡散回折光学素子及び回折光学素子は、複数の光源のそれぞれに対応して設けられていてもよい。
次に、以上に説明した構成からなる照明装置10の作用について説明する。
光源15から射出した光源光SLは、まず、分割素子20に入射する。分割素子20によって、光源光SLは、第1分岐光SL1及び第2分岐光SL2に分割される。
第1分岐光SL1は、拡散回折光学素子40に入射する。拡散回折光学素子40は、第1分岐光SL1を第1の被照明領域Z1の形状(扇形の形状)に対応したパターンで回折して、回折光SL1を集光レンズ45に向けて拡散させる。集光レンズ45に入射した第1分岐光SL1は、そのパターンを保ったまま集光レンズ45の焦点に向かって集光し、蛍光体30を照明する。
蛍光体30は、第1分岐光SL1によって励起されて、当該第1分岐光SL1とは異なる波長域の波長変換光FLを射出する。蛍光体30から射出する波長変換光FLのパターンは、蛍光体30に入射する第1分岐光SL1のパターンと概ね同じである。波長変換光FLは、結像光学系50に入射する。結像光学系50に入射した波長変換光FLは、結像されて、被照明領域Z1を扇形の形状及び波長変換光FLの波長域に対応した色で照明する。
一方、第2分岐光SL2は、反射デバイス60に入射する。反射デバイス60は、第2分岐光SL2の光路を整形光学系70に向ける。整形光学系70に入射した第2分岐光SL2は、その光路幅が拡大される。すなわち、光軸に直交する断面において光が占める領域が広がるよう、整形光学系70は第2分岐光SL2を整形する。整形光学系70は、ビームエクスパンダー71及びレンズ72を有している。図1に示すように、整形光学系70のビームエクスパンダー71は、反射デバイス60で反射された第2分岐光SL2を発散させて発散光束に変換する。そして、整形光学系70のレンズ72は、発散光束を平行光束へとコリメートする。整形光学系70で整形された第2分岐光SL2は、次に、回折光学素子80に入射する。回折光学素子80は、第2の被照明領域Z2の所望の照明パターン(ライン状のパターン)に対応したパターンで第2分岐光SL2を回折して、第2の被照明領域Z2に向ける。これにより、回折光学素子80で回折された回折光によって、第2の被照明領域Z2が当該所望の照明パターン且つ第2分岐光SL2の波長域に対応した色で照明される。
以上のような第1の実施形態によれば、照明装置10は、光を射出する光源15と、光源15から射出した光SLを第1分岐光SL1と第2分岐光SL2とに分割する分割素子20と、第1分岐光SL1が入射する蛍光体30と、を備え、蛍光体30から射出した波長変換光FLによって、第1の照明を行い、第2分岐光SL2によって、第2の照明を行う。
このような照明装置10では、複数の照明(第1の照明及び第2の照明)を、共通の光源15を用いて同時に行うことができる。これにより、複数の照明を同時に行うことが可能な、小型で軽量な照明装置10を提供することができる。また、照明装置10では、第1分岐光SL1を蛍光体30に入射させ、蛍光体30が射出する波長変換光FLによって第1の照明を行っているため、第1の照明を光源15からの光源光SLの波長域とは異なる波長域の光で照明することができる。
また、第1の実施形態において、照明装置10は、第2分岐光SL2を回折する回折光学素子80を更に備えている。これにより、回折光学素子80によって第2分岐光SLの進行方向を制御することにより、第2の照明を所望の照明パターンで行うことができる。
また、第1の実施形態において、照明装置10は、第1分岐光SL1の光路に沿った分割素子20と蛍光体30との間に、順に配置された拡散回折光学素子40及び集光レンズ45と、蛍光体30から射出した波長変換光FLの光路上に設けられた結像光学系50と、を更に備えている。拡散回折光学素子40で第1分岐光SL1の進行方向を制御して蛍光体30を第1被照明領域Z1の形状に対応したパターンで照明することにより、蛍光体30から射出する波長変換光FLのパターンを第1被照明領域Z1の形状に対応したパターンにすることができる。すなわち、拡散回折光学素子40で第1分岐光SL1の進行方向を制御することにより、蛍光体30から射出する波長変換光FLの進行方向を第1被照明領域Z1の形状に対応するように制御することができる。また、拡散回折光学素子40で拡散された第1分岐光SL1を集光レンズ45で集光して蛍光体30に照射することにより、蛍光体30に照射される第1分岐光SL1の光エネルギー密度を高めることができる。
また、第1の実施形態の照明装置10において、第1分岐光SL1の放射束は、第2分岐光SL2の放射束よりも大きい。これによっても、蛍光体30に照射される第1分岐光SL1の光エネルギー密度を高めることができる。
また、第1の実施形態の照明装置10において、第1の照明は、第1の被照明領域Z1を照明し、第2の照明は、第1の被照明領域Z1とは異なる第2の被照明領域Z2を照明する。このような照明装置10は、例えば運転者の視認性を向上させるべく前方領域を広く照明しながら、車の走行に関わる情報を示すべく他の領域を図形や文字の形状等の照明パターンで照明する場合のように、目的の異なる複数の照明を同時に行うことに適している。第1の実施形態の照明装置10において、第1の被照明領域Z1は、第2の被照明領域Z2よりも広く、第2の照明は、情報を表示する。具体例として、図1Aに示すように、第1の被照明領域Z1を車の前方に広がる領域、例えばいわゆるヘッドライトで照明されるべき領域とし、第2の被照明領域Z2を、第1の被照明領域Z1よりも遠方まで延びるライン状の領域とすることができる。
以上、第1の被照明領域Z1が扇状の照明パターンで照明され、第2の被照明領域Z2がライン状の照明パターンで照明される場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。第1の被照明領域Z1及び第2の被照明領域Z2の照明パターンは、拡散回折光学素子40及び回折光学素子80を適宜設計/選択することにより、任意のパターンとすることができる。例えば、第2の被照明領域Z2の照明パターンは、図1Bに示すように矢印の形状であってもよいし、図1Cに示すように円形であってもよいし、その他の図形や文字形状であってもよい。また、図1Dに示すように、第2の被照明領域Z2は、互いから離間した複数の要素被照明領域Z2a,Z2b,Z2c,Z2dを含んでいてもよい。これらの点については、第1の被照明領域Z1も同様である。また、第2の被照明領域Z2は、図1A及び図1Cに示すように、その一部あるいは全てが第1の被照明領域Z1と重なっていてもよい。
なお、上述してきた第1の実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
<変形例1>
上述した第1の実施形態において、蛍光体30から射出する波長変換光FLのパターンは、蛍光体30に照射される第1分岐光SL1のパターンに概ね一致している。しかしながら、蛍光体30の内部に伝搬した光の拡散等により、蛍光体30から射出する波長変換光FLのパターンが、第1分岐光SL1のパターンと比較してぼやけてしまうことがある。このような波長変換光FLを結像光学系50で結像させると、第1の被照明領域Z1がぼやけてしまう。
このような問題を解決するため、図2に示す変形例では、照明装置10Aは、波長変換光FLの光路に沿った蛍光体30と結像光学系50との間に、マスク51を配置し、第1の被照明領域Z1に入射する波長変換光FLのパターンを整えている。これにより、波長変換光FLにより照明される第1の被照明領域Z1の形状も整えられる。マスク51は、波長変換光FLを所望の透過パターン、すなわち第1の被照明領域Z1の形状に応じた透過パターン、で透過させる板状部材であるが、これに限られない。例えば、マスク51は、整形すべきパターンを可変とすることができる可変マスクであってもよい。このような可変マスクとして、空間光変調器を用いることができる。空間変調器には、透過型液晶表示装置、反射型の液晶表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等が用いられ得る。すなわち、マスク51は、所望の透過パターンで波長変換光FLを透過させる装置であってもよいし、所望の反射パターンで波長変換光FLを反射させる装置であってもよい。また、マスク51は、不要な波長変換光FLを吸収するようにしてもよいし、不要な波長変換光FLを結像光学系50以外に向けるようにしてもよい。
<変形例2>
上述した第1の実施形態において、第2の被照明領域Z2は、単一の光源15から発振される光源光SLの波長域に対応した色で照明される。しかしながら、第2の被照明領域Z2を光源光SLの波長域に対応した色とは異なる色で照明したい場合には、波長域の異なる光を射出する複数の光源を用い、それぞれの光源からの光源光を第2の被照明領域で重ね合わせてもよい。
図3に示す照明装置10Bは、光源(以下、「第1光源」という)15に加え、第2光源15bと第3光源15cを有している。第2光源15bは、第1光源15から射出する光源光SLの波長域(以下、「第1波長域」という)とは異なる第2波長域の第2光SLbを射出する。また、第3光源15cは、第1波長域及び第2波長域とは異なる第3波長域の第3光SLcを射出する。照明装置10Bにおいて、分割素子20は、第1光SLを第1分岐光SL1と第2分岐光SL2とに分割し、蛍光体30には、第1分岐光SL1が入射する。そして、照明装置10Bは、蛍光体30から射出した波長変換光FLによって第1の照明を行い、第2分岐光SL2並びに第2光SLb及び第3光SLcによって第2の照明を行う。
変形例2において、第1光源15、第2光源15b及び第3光源15cとして、青色(B)、赤色(R)及び緑色(G)の波長域のレーザー光を射出するレーザー光源を用いる。ここで、青色の波長域のレーザー光を射出するレーザー光源は、一般に、他の色(赤色及び緑色)の波長域のレーザー光を射出するレーザー光源と比較して出力が高い。したがって、通常、これら三色の波長域のレーザー光によって所望の色での照明を実現する場合、青色の波長域のレーザー光を射出するレーザー光源の出力を抑えて、青色の波長域のレーザー光の放射束と、他の色の波長域のレーザー光の放射束とが同等となるようにしていた。すなわち、青色の波長域のレーザー光を射出するレーザー光源が有効に利用されていなかった。
そこで、変形例2では、第1光源15として、出力の高い青色の波長域のレーザー光を射出するレーザー光源を用いる。そして、第2光源15b及び第3光源15cとして、それぞれ、赤色(R)及び緑色(G)の波長域のレーザー光を射出するレーザー光源を用いる。
図3に示す例においては、第2光源15bから射出する第2光SLbの光路上に、第2整形光学系70bと第2回折光学素子80bとが、この順で設けられている。また、第3光源15cから射出する第3光SLcの光路上に、第3整形光学系70cと第3回折光学素子80cとが、この順で設けられている。第2整形光学系70b及び第3整形光学系70cは、整形光学系(以下、「第1整形光学系」という)70と同様の光学部材である。また、第2回折光学素子80b及び第3回折光学素子80cは、回折光学素子80(以下、「第1回折光学素子」という)80と同様の光学部材である。第2回折光学素子80b及び第3回折光学素子80cは、それぞれ、第2光SLb及び第3光SLcを第2被照明領域Z2に照明パターンに対応したパターンで回折して、第2の被照明領域Z2に向ける。
図3に示す照明装置10Bにおいて、第1回折光学素子80で回折された第2分岐光SL2と、第2回折光学素子80bで回折された第2光SLbと、第3回折光学素子80cで回折された第3光SLcとが第2の被照明領域Z2で重ね合わされることにより、第2の被照明領域Z2が所望の色で照明される。
<変形例3>
上述した変形例2においては、第2分岐光SL2と第2光SLbと第3光SLcとが第2の被照明領域Z2で重ね合わされることにより、第2の被照明領域Z2が所望の色で照明されるが、これに限られない。例えば、第2分岐光SL2と第2光SLbと第3光SLcとが第2の被照明領域Z2に入射する前に合成されることにより、第2の被照明領域Z2を所望の色で照明してもよい。
図4に示す照明装置10Cにおいては、第2分岐光SL2の光路に沿った分割素子20と反射デバイス60との間であって、第2光源15bから射出する第2光SLbの光路上に、第1光合成装置21が設けられている。また、第2分岐光SL2の光路に沿った分割素子20と反射デバイス60との間であって、第3光源15cから射出する第3光SLcの光路上に、第2光合成装置22が設けられている。
第1光合成装置21は、第2分岐光SL2と第2光SLbとを合成して第1合成光SLAとし、第1合成光SLAを反射デバイス60へ向ける。また、第2光合成装置22は、第1光合成装置21で合成された第1合成光SLAと第3光SLcとを合成して第2合成光SLBとし、第2合成SLB光を反射デバイス60へ向ける。
第2合成光SLBは、反射デバイス60によってその光路を整形光学系70に向けられる。整形光学系70で整形された第2合成光SLBは、回折光学素子80で回折して第2の被照明領域Z2に入射する。このように、変形例3の照明装置10Cによっても、第2の被照明領域Z2を所望の色で照明することができる。
<第2の実施形態>
次に、図5を参照して、第2の実施形態について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施形態及び変形例1〜3と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施形態及び変形例1〜3における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図5に示す照明装置100は、図1に示す照明装置10と比較して、反射デバイス60の代わりに第2分岐光SL2の光路を変化させる走査装置61を有する点と、第2分岐光SL2を回折する回折光学素子が可変回折光学素子180である点が異なるのみであり、他の構成は、図1に示す照明装置10と略同一である。なお、図5では、理解を容易にするため、第2分岐光の光路に沿った走査装置61と可変回折光学素子180との間の整形光学系70の図示を省略している。
図5に示す照明装置100は、第1の被照明領域Z1及び第2の被照明領域Z2に加え、第1の被照明領域Z1及び第2の被照明領域Z2とは異なる第3の被照明領域Z3を照明する。照明装置100、例えば停止位置等の情報を表示するため第3の被照明領域Z3をライン状の照明パターンで照明する。第1の被照明領域Z1は、第3の被照明領域Z3よりも広い。以下、照明装置100の走査装置61及び回折光学素子80について、説明する。
図5に示す照明装置100において、走査装置61は、分割素子20で第1分岐光SL1から分離された第2分岐光SL2の光路上に設けられている。走査装置61は、第2分岐光SL2の光路を変化させて、可変回折光学素子180上での入射位置を変化させる。この場合、第2分岐光SL2は、可変回折光学素子180の入射面上を走査するようになる。走査装置61は、例えば、互いに交差する方向とそれぞれ平行な二つの回転軸周りに回転可能な反射鏡を含む。反射鏡を二つの回転軸周りに回転させることで、第2分岐光SL2は可変回折光学素子180の入射面上を二次元的に走査することが可能となる。
可変回折光学素子180は、第1要素回折光学素子181及び第2要素回折光学素子182と、ダミー部183と、を有する。第1要素回折光学素子181と第2要素回折光学素子182とダミー部183とは、1つの光学素子を平面分割するようにして配置されている。可変回折光学素子180上における第2分岐光SL2の入射位置は、走査装置61によって、第1要素回折光学素子181と第2要素回折光学素子182とダミー部183との間で変化する。
第1要素回折光学素子181及び第2要素回折光学素子182は、図1に示す回折光学素子80と同様の光学部材であるが、互いに回折特性が異なる。具体的には、第1要素回折光学素子181は、第2分岐光SL2を第2の被照明領域Z2の照明パターン(ライン状のパターン)に対応したパターンで回折して、第2の被照明領域Z2に向ける。また、第2要素回折光学素子182は、第2分岐光SL2を第3の被照明領域Z3の照明パターン(ライン状のパターン)に対応したパターンで回折して、第3の被照明領域Z3に向ける。
ダミー部183は、第2分岐光SL2の第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3への進行を阻止する光学部材である。ダミー部183として、典型的には、光吸収性を有した部材を用いることができる。他の例として、ダミー部183は、第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3以外の回収領域に光を誘導する部材、例えば反射面や回折光学素子を用いることができる。
ダミー部183は、第1要素回折光学素子181及び第2要素回折光学素子182に第2分岐光SL2が照射されるか否かによらず、第1の被照明領域Z1に第1分岐光SL1を入射させることを目的として設けられている。すなわち、上述したように、可変回折光学素子180に入射する第2分岐光SL2の光路は、走査装置61によって変化する。ここで、図5に示す例においては、光源15からの光源光SLの射出の有無の制御は、可変回折光学素子180上における第2分岐光SL2の入射位置に基づいて実施される。第1要素回折光学素子181及び第2要素回折光学素子182のいずれにも第2分岐光SL2を照射しない場合は、適宜、光源15から光源光SLを射出して第2分岐光SL2をダミー部183に入射させる。これにより、第1の被照明領域Z1に第1分岐光SL1を入射させることができる。なお、走査装置61による第2分岐光SL2の走査や光源15による光源光SLの発振は、人の目で分解不可能な速度で行われるので、第1の被照明領域Z1は、常に照明されているように観察される。
以上のような第2の実施形態によれば、照明装置100は、第2分岐光SL2の光路を変化させ回折光学素子(可変回折光学素子)180上での入射位置を変化させる走査装置61を更に備え、回折光学素子180は、回折特性の異なる複数の要素回折光学素子181,182を含んでいる。
このような照明装置10では、第1の被照明領域Z1の他に複数の被照明領域Z2,Z3を照明することができる。
なお、上述してきた第2の実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1及び第2の実施形態及び変形例1〜3と同様に構成され得る部分について、上述の第1及び第2の実施形態及び変形例1〜3における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
<変形例4>
上述した第2の実施形態においても、蛍光体30の内部に伝搬した光の拡散等により、第1の被照明領域Z1がぼやけてしまうことがある。このような問題を解決するため、図6に示す変形例4の照明装置100Aは、変形例1の場合と同様に、波長変換光FLの光路に沿った蛍光体30と結像光学系50との間に、マスク51を有している。
<変形例5>
上述した第2の実施形態において、第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3は、単一の光源15から発振される光源光SLの波長域に対応した色で照明される。しかしながら、第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3を光源光SLの波長域に対応した色とは異なる色で照明したい場合には、変形例2の場合と同様に、波長域の異なる光を射出する複数の光源を用いて、複数の光源からの光源光を第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3で重ね合わせてもよい。
図7に示す照明装置100Bは、光源(以下、「第1光源」という)15に加え、第2光源15bと第3光源15cを有している。また、照明装置100Bは、第2光源15bから射出する第2光SLbの光路上に、第2光源15からの第2光SLbの光路を調整する第2走査装置61bを有する。また、照明装置100Bは、第3光源15cから射出する第3光SLcの光路上に、第3光源15cからの第3光SLcの光路を調整する第3走査装置61cを有する。
また、照明装置100Bにおいて、第2光SLbを回折する第2回折光学素子は第2可変回折光学素子180bであり、第3要素回折光学素子181b及び第4要素回折光学素子182bを有する。第3要素回折光学素子181bと第4要素回折光学素子182bとは、1つの光学素子を平面分割するようにして配置されている。可変回折光学素子180b上における第2光SLbの入射位置は、第2走査装置61bによって、第3要素回折光学素子181bと第4要素回折光学素子182bとの間で変化する。
第3要素回折光学素子181b及び第4要素回折光学素子182bは、図1に示す回折光学素子80と同様の光学部材であるが、互いに回折特性が異なる。具体的には、第3要素回折光学素子181bは、第2光SLbを第2の被照明領域Z2の照明パターン(ライン状のパターン)に対応したパターンで回折して、第2の被照明領域Z2に向ける。また、第4要素回折光学素子182bは、第2光SLbを第3の被照明領域Z3の照明パターン(ライン状のパターン)に対応したパターンで回折して、第3の被照明領域Z3に向ける。
また、照明装置100Bにおいて、第3光SLcを回折する第3回折光学素子は第3可変回折光学素子180cであり、第5要素回折光学素子181c及び第6要素回折光学素子182cを有する。第5要素回折光学素子181cと第6要素回折光学素子182cとは、1つの光学素子を平面分割するようにして配置されている。第3可変回折光学素子180c上における第3光SLcの入射位置は、第3走査装置61cによって、第5要素回折光学素子181cと第6要素回折光学素子182cとの間で変化する。
第5要素回折光学素子181c及び第6要素回折光学素子182cは、図1に示す回折光学素子80と同様の光学部材であるが、互いに回折特性が異なる。具体的には、第5要素回折光学素子181cは、第3光SLcを第2の被照明領域Z2の照明パターン(ライン状のパターン)に対応したパターンで回折して、第2の被照明領域Z2に向ける。また、第6要素回折光学素子182cは、第3光SLcを第3の被照明領域Z3の照明パターン(ライン状のパターン)に対応したパターンで回折して、第3の被照明領域Z3に向ける。
図7に示す照明装置100Bにおいて、第2の被照明領域Z2を照明する場合、走査装置61、第2走査装置61b及び第3走査装置61cは、それぞれ、第2分岐光SL2、第2光SLb及び第3光SLcを、第1要素回折光学素子181、第3要素回折光学素子181b及び第5要素回折光学素子181cに向ける。第1要素回折光学素子181、第3要素回折光学素子181b及び第5要素回折光学素子181cで回折した第2分岐光SL2、第2光SLb及び第3光SLcは、第2の被照明領域Z2に入射する。
図7に示す照明装置100Bにおいて、第3の被照明領域Z3を照明する場合、走査装置61、第2走査装置61b及び第3走査装置61cは、それぞれ、第2分岐光SL2、第2光SLb及び第3光SLcを、第2要素回折光学素子182、第4要素回折光学素子182b及び第6要素回折光学素子182cに向ける。第2要素回折光学素子182、第4要素回折光学素子182b及び第6要素回折光学素子182cで回折した第2分岐光SL2、第2光SLb及び第3光SLcは、第3の被照明領域Z3に入射する。
図7に示す照明装置100Bにおいて、第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3のいずれも照明しない場合、走査装置61は、第2分岐光SL2をダミー部183に向ける。また、第2光源15b及び第3光源15bでは、第2光SLb及び第3光SLcの射出が停止される。
<変形例6>
上述した変形例5においては、第2分岐光SL2と第2光SLbと第3光SLcとが第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3で重ね合わされることにより、第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3が所望の色で照明されるが、これに限られない。例えば、変形例3の場合と同様に、第2分岐光SL2と第2光SLbと第3光SLcとが第2の被照明領域Z2あるいは第3の被照明領域Z3に入射する前に合成されることにより、第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3が所望の色で照明されてもよい。
図8に示す照明装置100Cは、変形例3の場合と同様に、第2分岐光SL2と第2光SLbを合成して第1合成光SLAを生成する第1光合成装置21と、第1合成光SLAと第3光SLcを合成して第2合成光SLBを生成する第2光合成装置22を有している。走査装置61は、第2合成光SLBの光路を変化させて、回折光学素子180上での入射位置を変化させる。具体的には、走査装置61は、第2合成光SLBの回折光学素子180上での入射位置を、第1要素回折光学素子181、第2要素回折光学素子182及びダミー部183の間で変化させる。
第1要素回折光学素子181及び第2要素回折光学素子182は、それぞれ、第2合成光SLBを回折して、第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3へ向ける。ダミー部183は、第2合成光SLBの第2の被照明領域Z2及び第3の被照明領域Z3への進行を阻止する。
以上において、複数の実施の形態とその変形例を説明してきたが、当然に、異なる実施形態や異なる変形例として説明された複数の構成を適宜組み合わせることも可能である。
Z1 第1の被照明領域
Z2 第2の被照明領域
10 照明装置
15 光源
20 分割素子
30 蛍光体
40 拡散回折光学素子
45 集光レンズ
50 結像光学系
60 反射デバイス
61 走査装置
70 整形光学系
80 回折光学素子

Claims (11)

  1. 光を射出する光源と、
    前記光源から射出した前記光を第1分岐光と第2分岐光とに分割する分割素子と、
    前記第1分岐光が入射する蛍光体と、を備え、
    前記蛍光体から射出した波長変換光によって、第1の照明を行い、
    前記第2分岐光によって、第2の照明を行う、照明装置。
  2. 前記第2分岐光を回折する回折光学素子を更に備える、請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記第2分岐光の光路を変化させ前記回折光学素子上での入射位置を変化させる走査装置を更に備え、
    前記回折光学素子は、回折特性の異なる複数の要素回折光学素子を含む、請求項2に記載の照明装置。
  4. 第1波長域の第1光を射出する第1光源と、
    前記第1波長域とは異なる第2波長域の第2光を射出する第2光源と、
    前記第1光を第1分岐光と第2分岐光とに分割する分割素子と、
    前記第1分岐光が入射する蛍光体と、を備え、
    前記蛍光体から射出した波長変換光によって、第1の照明を行い、
    前記第2分岐光及び前記第2光によって、第2の照明を行う、照明装置。
  5. 前記第2分岐光及び前記第2光を回折する回折光学素子を更に備える、請求項4に記載の照明装置。
  6. 前記第2分岐光及び前記第2光の光路を変化させ前記回折光学素子上での入射位置を変化させる走査装置を更に備え、
    前記回折光学素子は、回折特性の異なる複数の要素回折光学素子を含む、請求項5に記載の照明装置。
  7. 前記第1分岐光の光路に沿った前記分割素子と前記蛍光体との間に、順に配置された拡散回折光学素子及び集光レンズと、
    前記蛍光体から射出した波長変換光の光路上に設けられた結像光学系と、を更に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の照明装置。
  8. 前記第1の照明は、第1の被照明領域を照明し、
    前記第2の照明は、第1の被照明領域とは異なる第2の被照明領域を照明する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明装置。
  9. 前記第1の被照明領域は、前記第2の被照明領域よりも広い、請求項8に記載の照明装置。
  10. 前記第1分岐光の放射束は、前記第2分岐光の放射束よりも大きい、請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明装置。
  11. 前記第2の照明は、情報を表示する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明装置。
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