JP2018185475A - 透光性着色積層体及びその製造方法 - Google Patents

透光性着色積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色ムラや気泡の混入が無く、良好な外観を有する透光性着色積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】2つの透光性基材が着色接着剤の硬化物層を介して接着された積層構造を有する透光性着色積層体、並びに、この透光性着色積層体を製造する方法であって、着色接着剤を2つの透光性基材で挟む工程、及び2つの透光性基材で挟まれた着色接着剤を硬化して、着色接着剤の硬化物層を形成する工程を有することを特徴とする透光性着色積層体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、透光性着色積層体及びその製造方法に関し、より詳しくは、例えばメガネ用カラーレンズの用途に有用な透光性着色積層体及びその製造方法に関する。
従来、メガネ用カラーレンズの着色方法としては様々な方法が提案されている。例えば特許文献1には、染料によりプラスチックレンズを染色してカラープラスチックレンズを得る方法が記載されている。そして現在、市場に流通しているメガネ用カラープラスチックレンズの大半は染色法で着色されたものである。
しかし、プラスチックレンズを染色する方法では、レンズ面内での色ムラ(染色ムラ)や気泡の混入、個体間の着色のバラつきが生じ易い。そして、この色ムラ等の問題が生じないように、微妙な色調合わせの為の煩雑かつ熟練を要する調整工程が必要となる。さらに、染色後の廃液が多量に発生するので環境保護の点で好ましくない。また、プラスチックレンズは染色可能であるが、ガラスレンズを染色することは困難である。
特開平7−168140号公報
本発明は、以上の課題を解決する為になされたものである。すなわち本発明の目的は、色ムラや気泡の混入が無く、良好な外観を有する透光性着色積層体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、プラスチックレンズ等の基材を着色するのではなく、接着剤を着色し、その着色した接着剤により基材を接合することが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の事項により特定される。
[1]2つの透光性基材が着色接着剤の硬化物層を介して接着された積層構造を有する透光性着色積層体。
[2]二重湾曲したレンズ状である[1]に記載の透光性着色積層体。
[3]有効領域の中央部と有効領域の周辺部の色差が1.0未満である[1]又は[2]に記載の透光性着色積層体。
[4]透光性基材の基準面に対するPeak値とValley値の差(PV値)が10μm以下である[1]〜[3]の何れかに記載の透光性着色積層体。
[5]有効領域の周辺部の外側にスペーサーが配置されている[1]〜[4]の何れかに記載の透光性着色積層体。
[6]着色接着剤がUV硬化型接着剤と着色剤を含む[1]〜[5]の何れかに記載の透光性着色積層体。
[7][1]〜[6]の何れかに記載の透光性着色積層体を製造する方法であって、
着色接着剤を2つの透光性基材で挟む工程、及び
2つの透光性基材で挟まれた着色接着剤を硬化して、着色接着剤の硬化物層を形成する工程
を有することを特徴とする透光性着色積層体の製造方法。
本発明によれば、色ムラや気泡の混入が無く、良好な外観を有する透光性着色積層体を提供できる。さらに、この透光性着色積層体は、従来の染色法のような煩雑かつ熟練を要する調整工程が不要であり、簡便で効率的な方法で製造でき、染色液を使用しないので廃液によって環境を汚染するおそれもない。したがって、本発明は、例えばメガネ用カラーレンズの材料又はその製造方法として非常に有用である。
<透光性基材>
本発明に用いる透光性基材の種類は特に制限されず、その透光性を利用した用途に使用される基材であって、特に着色が望まれる場合がある用途に使用できる基材であれば良い。
透光性基材としては、例えば、プラスチック基材やガラス基材を使用できる。特に、軽量で割れにくい点から、プラスチック基材が好ましい。プラスチック基材を構成する樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物との反応で得られるチオウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリオール化合物との反応で得られるウレタン樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)等のアリルカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明樹脂が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル樹脂、チオウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)等のアリルカーボネート樹脂が好ましい。
透光性基材の表面形状は、透光性着色積層体の用途に応じて適宜決定すれば良い。例えば、凸面、凹面、平面の何れでも良い。透光性基材の厚さも特に制限されず、透光性着色積層体の用途に応じて適宜決定すれば良い。例えば、透光性着色積層体をメガネレンズ等のレンズとして用いる場合、主たるレンズ基体となる透光性基材の厚さは好ましくは0.5〜50.0mm、より好ましくは1.0〜20.0mmである。また、この主たるレンズ基体となる透光性基材に対して、着色接着剤の硬化物層を介して接着される別の透光性基材の厚さは好ましくは0.5〜50.0mm、より好ましくは1.0〜20.0mmである。
透光性基材は、面精度が高い方が好ましい。具体的には、透光性基材の基準面に対するPeak値とValley値の差(PV値)が、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。PV値がこのような範囲内であると、透光性着色積層体の面内の色ムラ抑制の点で有利である。
<着色接着剤の硬化物層>
本発明に用いる着色接着剤は、硬化型接着剤と着色剤を含むことが好ましい。硬化型接着剤としては、光学用接着剤が好ましい。硬化型接着剤は、例えば、熱硬化型接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤の何れでも良いが、特に活性エネルギー線硬化型接着剤が好ましい。
熱硬化型接着剤は、常温以上の温度で硬化する接着剤である。具体例としては、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、(メタ)アクリレート系接着剤、エン/チオール系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、不飽和ポリエステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ナイロン系接着剤、変性オレフィン系接着剤が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型接着剤の具体例としては、(メタ)アクリレート系接着剤、エン/チオール系接着剤、エポキシ系接着剤、オキセタン系接着剤、エポキシ/オキセタン系接着剤、不飽和ポリエステル系接着剤等の光ラジカル重合反応により硬化する接着剤、エポキシ系接着剤、ビニルエーテル系接着剤、オキセタン系接着剤等の光カチオン重合反応により硬化する接着剤が挙げられる。活性エネルギー線としては、γ線、電子線、紫外線、可視光が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型接着剤としては、特に、紫外線を活性エネルギー線として用いるUV硬化型接着剤が好ましい。UV硬化型接着剤は市販品として入手できる。その市販品としては、例えば、商品名NOA60、NOA65、NOA81(NORLAND社製)、商品名OG114−4、OG146(EPO−TEK社製)、商品名スリーボンド3160、スリーボンド3170B(スリーボンド社製)、商品名AT3925M、AT9575M(NTTアドバンステクノロジ社製)、商品名ELC2710、ELC2500clear(エレクトロライト社製)がある。
着色剤の種類は特に制限されず、樹脂を着色できる公知の顔料や染料を使用できる。特に、染料が好ましい。
赤色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、272、279が挙げられる。
橙色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Orange36、43、51、55、59、61、71、73が挙げられる。
黄色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214が挙げられる。
緑色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Green7、10、36、37、58が挙げられる。
青色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80が挙げられる。
紫色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Violet1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50が挙げられる。
無機顔料の具体例としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉が挙げられる。無機顔料は有機顔料と組み合わせて用いることもできる。
染料としては、例えば、酸性染料、油溶性染料、分散染料、反応性染料、直接染料の何れも使用できる。特に有機溶媒に分散し、染料分散液として使用可能な染料が好ましい。
染料の具体例としては、アゾ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、メロシアニン系染料、スチルベン系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、フルオラン系染料、スピロピラン系染料、フタロシアニン系染料、インジゴ系染料、フルギド系染料、ニッケル錯体系染料、アズレン系染料が挙げられる。例えば、特開昭64‐90403号公報、特開昭64‐91102号公報、特開平1‐94301号公報、特開平6‐11614号公報、特許第2592207号、米国特許第4,808,501号、米国特許第5667920号、米国特許第5059500号、特開平5‐333207号公報、特開平6‐35183号公報、特開平6‐51115号公報、特開平6‐194828号公報に記載の染料(色素)も使用できる。
さらに、染料の具体例としては以下のカラーインデックス番号の染料が挙げられる。C.I.AcidGreen25、27、C.I.AcidBlue22、25、40、78、92、113、129、167、230、C.I.AcidYellow17、23、25、36、38、42、44、72、78、C.I.SolventYellow2、3、7、12、13、14、16、18、19、21、25、25:1、27、28、29、30、33、34、36、42、43、44、47、56、62、72、73、77、79、81、82、83、83:1、88、89、90、93、94、96、98、104、107、114、116、117、124、130、131、133、135、141、143、145、146、157、160:1、161、162、163、167、169、172、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、186、187、189、190、191、C.I.SolventBlue2、3、4、5、7、18、25、26、35、36、37、38、43、44、45、48、51、58、59、59:1、63、64、67、68、69、70、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、124、128、129、132、136、137、138、139、143、C.I.SolventGreen1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35、C.I.BasicGreen3、4、C.I.BasicBlue3、7、9、17、41、66、C.I.BasicViolet1、3、18、39、66、C.I.BasicYellow11、23、25、28、41、C.I.DisperseBlue3、24、79、82、87、106、125、165、183、C.I.DisperseViolet1、6、12、26、27、28、C.I.DisperseYellow3、4、5、7、23、33、42、60、64、C.I.SolventOrange1、2、3、4、5、7、11、14、20、23、25、31、40:1、41、45、54、56、58、60、62、63、70、75、77、80、81、86、99、102、103、105、106、107、108、109、110、111、112、113、C.I.SolventRed1、2、3、4、8、16、17、18、19、23、24、25、26、27、30、33、35、41、43、45、48、49、52、68、69、72、73、83:1、84:1、89、90、90:1、91、92、106、109、110、118、119、122、124、125、127、130、132、135、141、143、145、146、149、150、151、155、160、161、164、164:1、165、166、168、169、172、175、179、180、181、182、195、196、197、198、207、208、210、212、214、215、218、222、223、225、227、229、230、233、234、235、236、238、239、240、241、242、243、244、245、247、248、C.I.SolventViolet2、8、9、11、13、14、21、21:1、26、31、36、37、38、45、46、47、48、49、50、51、55、56、57、58、59、60、61、C.I.Solvent Brown1、3、4、5、12、20、22、28、38、41、42、43、44、52、53、59、60、61、62、63、C.I.SolventBlack3、5、5:2、7、13、22、22:1、26、27、28、29、34、35、43、45、46、48、49、50、C.I.AcidRed6、11、26、60、88、111、186、215、C.I.BasicRed1、2、13、14、22、27、29、39、C.I.DirectRed4、23、31、75、76、79、80、81、83、84、149、224、C.I.DirectGreen26、28、C.I.DirectBlue71、78、98、106、108、192、201、C.I.DirectViolet51、C.I.DirectYellow26、27、28、33、44、50、86、142、C.I.DirectOrange26、29、34、37、72、C.I.SulphurRed5、6、7、C.I.SulphurGreen2、3、6、C.I.SulphurBlue2、3、7、9、13、15、C.I.SulphurViolet2、3、4、C.I.SulphurYellow4、C.I.VatRed13、21、23、28、29、48、C.I.VatGreen3、5、8、C.I.VatBlue6、14、26、30、C.I.VatViolet1、3、9、13、15、16、C.I.VatYellow2、12、20、33、C.I.VatOrange2、5、11、15、18、20、C.I.AzoicCouplingComponent2、3、4、5、7、8、9、10、11、13、32、37、41、48、C.I.ReactiveRed8、22、46、120、C.I.ReactiveBlue1、2、7、19、C.I.ReactiveViolet2、4、C.I.ReactiveYellow1、2、4、14、16、C.I.ReactiveOrange1、4、7、13、16、20、C.I.DisperseRed4、11、54、55、58、65、73、127、129、141、196、210、229、354、356、C.I.DisperseOrange13、29、30
着色剤として、2種類以上の顔料を組み合わせて、あるいは2種類以上の染料を組み合わせて使用することもできる。
着色接着剤中の着色剤の量は、接着剤100質量部に対して、好ましくは0.01〜10.0質量部、より好ましくは0.1〜1.0質量部である。着色接着剤は、接着剤及び着色剤の他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含んでいても良い。
接着剤と着色剤の混合方法は特に制限されないが、着色剤を有機溶剤に分散して着色剤分散液とし、これを接着剤と混合することが好ましい。
本発明においては、以上説明した着色接着剤の硬化物層を介して2つの透光性基材を接着する。着色接着剤の硬化物層の厚さは特に制限されないが、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜100μmである。
<透光性着色積層体>
本発明の透光性着色積層体は、2つの透光性基材が以上説明した着色接着剤の硬化物層を介して接着された積層構造、すなわち、透光性基材/着色接着剤の硬化物層/透光性基材からなる3層構造を有する積層体である。透光性着色積層体は、この3層構造のみからなる積層体であっても良いし、この3層構造の上にさらに硬化物層と透光性基材を繰り返し積層した多層構造(例えば、透光性基材/着色接着剤の硬化物層/透光性基材/着色接着剤の硬化物層/透光性基材・・・)を有していても良い。さらに透光性着色積層体は、透光性基材及び着色接着剤の硬化物層以外の層を有していても良い。具体例としては、ハードコート層、反射防止層、撥水コート層、親水コート層、偏光層、フォトクロミック層が挙げられる。
透光性着色積層体の形状は特に制限されず、光学素子としての用途に応じて適宜形状が決定される。例えば平板状、レンズ状の何れであっても良い。特に、レンズ状が好ましく、二重湾曲したレンズ状がより好ましい。この場合、透光性基材の形状を好ましくはレンズ状、より好ましくは二重湾曲したレンズ状にすれば良い。
透光性着色積層体の透光性の度合いは特に制限されず、その透光性を利用した用途に使用可能な程度の透光性であれば良い。
透光性着色積層体における有効領域の中央部と有効領域の周辺部の色差は、好ましくは1.0未満、より好ましくは0.9以下、特に好ましくは0.8以下、最も好ましくは0.5以下である。色差は、ある二色の色空間中における距離のことであり、本発明においては色ムラの指標として用いる。一般に、色差が小さいほど、色ムラなく良好に着色されている状態を示す。具体的には、CIE1976L表色系において、以下の式により算出された値である。
色差ΔEab=((ΔL+(Δa+(Δb1/2
(式中、ΔLは2点間のL値の差、Δaは2点間のa値の差、Δbは2点間のb値の差を示す。)
本発明において「有効領域」とは、透光性着色積層体全体のうち最終製品として使用する領域、すなわち最終製品に求められる光学特性を満たす領域を意味する。例えば、透光性着色積層体をレンズ用材料として使用する場合は、透光性着色積層体の外周を切削除去することにより所望サイズのレンズを製造する。そして、この場合の有効領域は、最終製品であるレンズとして使用する領域である。
本発明において「有効領域の中央部」とは、例えば、透光性着色積層体をレンズ用材料として使用する場合は最終製品であるレンズの中央部に相当する部分であり、「有効領域の周辺部」とは最終製品であるレンズの周辺部に相当する部分である。
透光性着色積層体は、有効領域の周辺部の外側にスペーサーが配置されていることが好ましい。スペーサーは、後述するように着色接着剤の硬化物層の厚さやその厚さの均一性を制御する為の部材である。「有効領域の周辺部の外側」とは、例えば、透光性着色積層体をレンズ用材料として使用する場合は最終製品であるレンズには使用されない部分であり、かつスペーサーが有効に機能する箇所である。そして、透光性着色積層体の外周をスペーサーと共に切削除去することにより、所望サイズのレンズが得られる。スペーサーの材質は特に制限されないが、例えばガラス、プラスチック、金属を用いることができる。スペーサーの形状は特に制限されないが、例えば球状、柱状、板状のものを用いることができる。
<透光性着色積層体の製造方法>
本発明の透光性着色積層体の製造方法は、着色接着剤を2つの透光性基材で挟む工程、及び2つの透光性基材で挟まれた着色接着剤を硬化して、着色接着剤の硬化物層を形成する工程を有する。
着色接着剤を2つの透光性基材で挟む方法としては、例えば、1つの透光性基材(1)の上に着色接着剤を塗布し、その塗布面に別の透光性基材(2)を載せる方法がある。この方法においては、別の透光性基材(2)を塗布面に載せる前に、透光性基材(1)の有効領域の周辺部の外側にスペーサーを予め配置しておき、このスペーサーの高さによって着色接着剤の硬化物層の厚さやその厚さの均一性を制御することが好ましい。また、所望の幅の隙間を空けて2つの透光性基材(1)及び(2)を配置し、その隙間に着色接着剤を注入する方法も可能である。
2つの透光性基材で挟まれた着色接着剤を硬化する方法は特に制限されず、接着剤の種類に応じて加熱及び/又は活性エネルギー線照射を行なえば良い。活性エネルギー線を照射する光源の具体例としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、電子線照射装置、太陽光が挙げられる。
以上の製造方法によれば、透光性基材を染色等により直接着色する必要がないので、色ムラやバラつきが生じ難く、良好な外観の透光性着色積層体が得られる。また、高度の熟練を必要としない簡便で効率的な方法であって、染色液を使用しないので廃液による環境汚染のおそれも無い。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
黄色の分散染料(双葉産業社製、商品名FSPイエローP−E)0.2gを、酢酸エチル50gに分散して黄色染料分散液を得た。この黄色染料分散液4.4gとUV硬化型光学用接着剤(NORLAND社製、商品名NOA60)10gを混合し、その後酢酸エチルを留去して黄色接着剤を得た。
縦7cm、横7cm、厚さ2mmのアクリル板(三菱樹脂社製、登録商標アクリライト)を2枚用意した。そのうち1枚のアクリル板の外縁部から内側に幅1cmの箇所(有効領域の周辺部の外側)に、スペーサーとして直径100μmのガラスビーズ(ユニチカ社製、商品名SPL−100)を複数配置した。次いで、先に調製した黄色接着剤をアクリル板の少なくとも有効領域に塗布し、その上にもう一方のアクリル板を積層することにより、黄色接着剤を2つのアクリル板で挟んだ。そしてこの状態で紫外線を照射するにより黄色接着剤を硬化し、厚さ100μmの硬化物層を介して2枚のアクリル板が接着された透光性黄色積層体を得た。
この透光性黄色積層体の有効領域では色ムラや気泡の混入は無く、良好な外観を有していた。有効領域の中央部(縦7cm、横7cmの中心部)と有効領域の周辺部(アクリル板の外縁部から内側に幅1.0cmの箇所)の色差は0.9であった。
<実施例2>
黄色の分散染料の代わりに赤色の分散染料(双葉産業社製、商品名FSPレッドBL)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして赤色接着剤を調製し、透光性赤色積層体を作製した。この透光性赤色積層体の有効領域では色ムラや気泡の混入は無く、良好な外観を有していた。有効領域の中央部と周辺部の色差は0.8であった。
<実施例3>
黄色の分散染料の代わりに青色の分散染料(双葉産業社製、商品名FSPブルーAUL−S)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして青色接着剤を調製し、透光性青色積層体を作製した。この透光性赤色積層体の有効領域では色ムラや気泡の混入は無く、良好な外観を有していた。有効領域の中央部と周辺部の色差は0.9であった。
<比較例1>
染色ポットに、黄色の分散染料(双葉産業社製、商品名FSPイエローP−E)0.5g、助剤(双葉産業社製、商品名DKCN)2.0g、水992gを装入し、さらに染色分散剤(日華化学社製、商品名ニッカサンソルト7000)2.0gを添加した。これを撹拌しながら80℃まで昇温することにより染料を分散させて、黄色の染色液を得た。
この染色液を撹拌しながら、縦7cm、横7cm、厚さ2mmのアクリル板(三菱樹脂社製、登録商標アクリライト)を染色液に浸漬し、80℃で5分間保持した。その後アクリル板を取出し、水洗、乾燥して透光性黄色板を得た。この透光性黄色板の有効領域では色ムラが有った。有効領域の中央部と周辺部の色差は1.5であった。
本発明の透光性着色積層体は、その透光性を利用した用途であって、特に着色が望まれる場合がある用途に使用される光学素子又はその光学素子を製造する為の材料として有用であり、特にメガネ用カラーレンズの材料として非常に有用である。

Claims (7)

  1. 2つの透光性基材が着色接着剤の硬化物層を介して接着された積層構造を有する透光性着色積層体。
  2. 二重湾曲したレンズ状である請求項1に記載の透光性着色積層体。
  3. 有効領域の中央部と有効領域の周辺部の色差が1.0未満である請求項1又は2に記載の透光性着色積層体。
  4. 透光性基材の基準面に対するPeak値とValley値の差(PV値)が10μm以下である請求項1〜3の何れかに記載の透光性着色積層体。
  5. 有効領域の周辺部の外側にスペーサーが配置されている請求項1〜4の何れかに記載の透光性着色積層体。
  6. 着色接着剤がUV硬化型接着剤と着色剤を含む請求項1〜5の何れかに記載の透光性着色積層体。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の透光性着色積層体を製造する方法であって、
    着色接着剤を2つの透光性基材で挟む工程、及び
    2つの透光性基材で挟まれた着色接着剤を硬化して、着色接着剤の硬化物層を形成する工程
    を有することを特徴とする透光性着色積層体の製造方法。
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