JP2018185082A - 暖房給湯装置 - Google Patents

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彰久 影山
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啓史 森本
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靖隆 栗山
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靖隆 栗山
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Abstract

【課題】暖房給湯同時運転が可能な暖房給湯装置において、暖房給湯同時運転時の加熱能力不足を判定して暖房給湯同時運転を禁止可能な暖房給湯装置を提供する。
【解決手段】燃焼手段と、熱交換器と暖房端末とを接続し且つ循環ポンプを備えた循環通路と、循環通路から分岐して暖房端末をバイパスするバイパス通路と、その分岐部の分配手段と、バイパス通路上の給湯用熱交換器に給水する給水通路と、給湯用熱交換器からの出湯を給湯設定温度で給湯する給湯通路と、これらに配設された複数の検知手段の検知パラメータ及び操作部で設定した設定パラメータに基づく制御を行う制御部を備えた暖房給湯装置において、分配手段は暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転に対応可能なように分配比を調節可能であり、制御部は検知パラメータ及び設定パラメータに基づいて演算した給湯運転の必要加熱能力が所定の基準能力以上の場合に暖房給湯同時運転を禁止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃焼熱により暖房熱媒を加熱して暖房を行う暖房運転と、この暖房熱媒との熱交換により上水を加熱して給湯を行う給湯運転を実行可能な暖房給湯装置に関し、特に暖房運転と給湯運転を同時に実行可能な暖房給湯装置に関する。
従来から暖房運転と給湯運転を切り換えて実行可能な暖房給湯装置が広く利用されている。このような暖房給湯装置は、燃焼手段と、熱交換器と、この熱交換器と室内に設置された暖房端末を接続する循環通路と、循環通路に設けられた循環ポンプと、循環通路から分岐されて暖房端末をバイパスするバイパス通路等を備えている。循環通路とバイパス通路の分岐部には、暖房熱媒が循環通路又はバイパス通路を流れるように切換え可能な切換手段が設けられている。バイパス通路には給湯用熱交換器が設けられ、この給湯用熱交換器に上水を供給する給水通路と、この給湯用熱交換器から給湯栓等に給湯するための給湯通路が夫々接続されている。
循環ポンプの作動により流れる暖房熱媒は、熱交換器において燃焼手段の燃焼熱を利用して加熱される。暖房運転のときは、加熱された暖房熱媒を暖房端末で利用するために、暖房熱媒が循環通路を流れるように切換手段を切換える。加熱された暖房熱媒は循環通路を流れて暖房端末で放熱し、熱交換器に戻る。
給湯運転のときは、加熱された暖房熱媒を給湯用熱交換器で利用するために、暖房熱媒がバイパス通路を流れるように切換手段を切換える。給水通路から供給される上水は、給湯用熱交換器において暖房熱媒との熱交換により加熱される。給湯用熱交換器で上水と熱交換した暖房熱媒は熱交換器に戻る。給湯用熱交換器で加熱された湯水は、給湯通路を通って給湯栓等から給湯される。
このような暖房運転と給湯運転を切り換えて行う暖房給湯装置の暖房運転と給湯運転を同時に行うことができない不便を解消するため、例えば特許文献1のように切換手段の代わりに分配装置を設けた構成が知られている。分配装置により暖房熱媒を暖房運転用と給湯運転用に分配するので、暖房運転と給湯運転の同時運転が可能である。
特表2011−515647号公報
しかし、特許文献1の暖房給湯装置は、例えば暖房給湯同時運転中に給湯流量の増加や上水温度の低下により給湯負荷が増加する場合において、暖房給湯同時運転を行うための加熱能力が不足する虞がある。また、機器の不具合等に起因して実際の加熱能力が低下することにより暖房給湯同時運転を行うための加熱能力が不足する場合がある。
暖房給湯同時運転の加熱能力が不足すると、使用者の所望の温度より低温の暖房になると共に、低温の給湯や少流量の給湯になる。特に給湯が快適に使用できない場合は、一般に暖房と比べて使用者が感じる不便さや不快感が大きいため好ましくない。
本発明の目的は、暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転の各運転が可能な暖房給湯装置において、暖房給湯同時運転時の加熱能力不足を判定して暖房給湯同時運転を禁止可能な暖房給湯装置を提供することである。
請求項1の発明は、燃焼手段と、熱交換器と、前記熱交換器と外部の暖房端末とを接続する循環通路と、前記循環通路に設けられた循環ポンプと、前記循環通路から分岐されて前記暖房端末をバイパスするバイパス通路と、前記循環通路と前記バイパス通路の分岐部に設けられた分配手段と、前記バイパス通路に設けられた給湯用熱交換器と、前記給湯用熱交換器に上水を供給するための給水通路と、前記給湯用熱交換器で加熱された湯水を所定の給湯設定温度で給湯するための給湯通路と、これらに配設された複数の検知手段と、所定の操作を行うための操作部と、前記操作部により設定された設定パラメータ及び前記複数の検知手段に検知された検知パラメータに基づく制御を行う制御部とを備えた暖房給湯装置において、前記分配手段は暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転に対応可能なように分配比を調節可能であり、前記制御部は、前記設定パラメータ及び前記検知パラメータに基づいて前記給湯運転に必要とされる必要加熱能力を演算し、この必要加熱能力が所定の基準能力以上の場合には前記暖房給湯同時運転を禁止することを特徴としている。
上記構成によれば、制御部が給湯運転に必要とされる必要加熱能力を複数のパラメータに基づいて演算し、この演算された必要加熱能力が所定の基準能力以上となる場合には、暖房給湯同時運転時の加熱能力が不足する虞があるので暖房給湯同時運転を禁止する。それ故、暖房給湯装置の給湯能力に基づいて所定の基準能力を設定して給湯運転のための加熱能力に余裕を持たせ、給湯負荷の変動に追従するように加熱して安定した給湯を行うことができるので、使用者に不便さや不快感を与えないようにすることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記暖房給湯同時運転を禁止する場合には、前記操作部において前記暖房給湯同時運転の禁止の報知を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、暖房給湯同時運転の禁止を使用者に報知するので、暖房と給湯を同時に利用できないことによる使用者の不快感を軽減することができる。また、使用者が暖房給湯同時運転の禁止を回避する手段を講じるために有利である。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記暖房給湯同時運転を禁止しているときに、前記暖房運転と前記給湯運転の両方の運転要求がある場合は、前記給湯運転を実行することを特徴としている。
上記構成によれば、暖房給湯同時運転禁止の状態で暖房運転と給湯運転の運転要求がある場合には給湯運転を実行するので、給湯運転が実行されないことによる不便さや不快感を使用者に与えないようにすることができる。
本発明によれば、暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転の各運転が可能な暖房給湯装置において、暖房給湯同時運転時の加熱能力不足を判定して暖房給湯同時運転を禁止可能な暖房給湯装置を提供することができる。
本発明の暖房給湯装置の概略図である。 実施例に係る制御部による運転制御フローを示すフローチャートである。 実施例の一部を変形した例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
最初に、本発明の暖房給湯装置1の全体構成について、図1に基づいて説明する。
暖房給湯装置1は、燃焼部2の燃焼熱を利用して加熱した暖房熱媒を、暖房給湯装置1外部の室内に設置された暖房端末(図示略)との間で循環させて暖房運転を行い、暖房熱媒の熱を利用して加熱した上水を給湯設定温度に調節して給湯する給湯運転を行うように構成されている。
暖房給湯装置1は、燃焼手段である燃焼部2と、熱交換器10と、この熱交換器10と室内に設けられた暖房端末を接続する循環通路4と、循環通路4の熱交換器10より上流側に設けられた循環ポンプ11等を備えている。燃焼部2は送風ファン3を備え、この送風ファン3により矢印ASで示す給気と矢印Fで示す燃料ガスを混合して供給される混合ガスを燃焼させる。発生する燃焼ガス量(燃焼熱量)は送風ファン3の回転数の制御により調節される。熱交換器10は、燃焼部2で発生した燃焼ガスと暖房熱媒との間で熱交換させて暖房熱媒を加熱する。熱交換により温度が下がった燃焼ガスは、矢印Eで示すように外部に排気される。
また、暖房給湯装置1は、第1バイパス通路12(バイパス通路)と、この第1バイパス通路12に設けられた給湯用熱交換器20と、給水通路19と、給湯通路21等を備えている。第1バイパス通路12は、熱交換器10の下流側で循環通路4から分岐されて暖房端末をバイパスし、循環ポンプ11の上流側で循環通路4に合流する。給水通路19は、給湯用熱交換器20に上水を供給する。給湯通路21は、給湯用熱交換器20で加熱された湯水を矢印HWで示すように給湯栓等に給湯する。
さらに、暖房給湯装置1は、暖房運転等を制御する制御部5を備え、この制御部5を含む上記機器等がケース9に収容されている。暖房給湯装置1の操作部である操作端末6は、制御部5と通信可能に接続され、例えば暖房端末が設置された室内に配設されている。また、屋外に配設された外気温度センサ30が制御部5と通信可能に接続されている。
次に、循環通路4について説明する。
循環通路4は、循環ポンプ11と熱交換器10の間に第1温度センサ13を備え、熱交換器10の下流側に第2温度センサ14を備えている。第1温度センサ13は、熱交換器10に流入する暖房熱媒の温度を検知する。第2温度センサ14は、熱交換器10で加熱された暖房熱媒の温度を検知する。
循環通路4と第1バイパス通路12の分岐部には、分配手段である第1分配弁15が設けられている。第1分配弁15は、暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転に対応可能なように、熱交換器10で加熱された暖房熱媒を循環通路4と第1バイパス通路12に分配し、その分配比は調節可能である。第1分配弁15により循環通路4に分配された暖房熱媒は矢印HSで示すように暖房端末に供給される。
熱交換器10と第1分配弁15の間には、循環通路4内の圧力を開放する圧力開放弁16が設けられている。循環ポンプ11の上流側には、矢印HRで示すように暖房端末から戻ってくる暖房熱媒の温度を検知する暖房戻り温度センサ17が設けられている。循環ポンプ11と暖房戻り温度センサ17の間には、矢印Rで示すように暖房熱媒を補充するための補充通路18が接続されている。
次に、給湯用熱交換器20について説明する。
第1バイパス通路12に設けられた給湯用熱交換器20は、プレート式熱交換器である。プレート式熱交換器は、複数枚の熱交換プレートが積層されて熱交換プレート間に通路が形成されている。給湯用熱交換器20内では、暖房熱媒と給水通路19から供給される上水が互いに混ざり合うことなく対向するように熱交換プレート間の通路を一つ置きに流れる。これらの熱交換プレートには、表面積を拡大して熱交換効率を向上させるために凹凸が形成されている。
次に、給水通路19と給湯通路21について説明する。
給水通路19は、第2分配弁23と、流量調整弁24と、給湯流量センサ25と、入水温度センサ26を備えている。給湯栓等の開栓により矢印CWで示すように給水通路19に上水が供給される。給水通路19から第2バイパス通路22が分岐され、この分岐部に配設された第2分配弁23が給水通路19と第2バイパス通路22に上水を分配し、その分配比は調節可能である。従って、第2分配弁23は、第2バイパス通路22を流れる上水の流量を調整する流量調整手段になっている。流量調整弁24は、第2分配弁23に入水する上水の流量を調整する。給湯流量検知手段である給湯流量センサ25は、供給される上水の流量を検知する。上水温度検知手段である入水温度センサ26は第2分配弁23に入水する上水の温度を検知する。
給湯通路21は、第2バイパス通路22と合流部Cにおいて合流する。合流部Cと、給湯用熱交換器20との間には、出湯温度検知手段である出湯温度センサ27が設けられている。この出湯温度センサ27は、給湯用熱交換器20から出湯される湯水の温度を検知する。
給湯通路21の下流側端部には、給湯湯温度検知手段である給湯温度センサ28が設けられている。この給湯温度センサ28は、給湯用熱交換器20で加熱された湯水と第2バイパス通路22を流れる上水とが混合されて給湯される湯水の給湯温度を検知する。給湯運転において、この給湯温度が給湯設定温度になるように第2分配弁23が制御される。
次に、制御部5について説明する。
制御部5は、図示を省略するが、暖房給湯装置1内に設けられた第1温度センサ13等の検知信号や送風ファン3等の回転数等を検知パラメータとして受信可能に、且つ送風ファン3や第1分配弁15等の回転数や分配比等の設定パラメータを設定可能に接続されている。そして、それらの検知パラメータ及び設定パラメータに基づいて送風ファン3や循環ポンプ11、第1分配弁15等を制御して、暖房運転、給湯運転、暖房給湯同時運転の各運転を制御する。給湯運転の要求があるときには、制御部5は、検知パラメータ及び設定パラメータに基づいて給湯運転に必要とされる必要加熱能力(単位時間当たりに必要な熱量)を演算する。さらに、この必要加熱能力を所定の基準能力と比較して、暖房給湯同時運転を許可又は禁止する判定を行う。
必要加熱能力は、設定パラメータとして給湯設定温度と、検知パラメータとして入水温度センサ26に検知された上水の温度と給湯流量センサ25に検知された給湯流量に基づいて演算される。例えば、給湯設定温度が42℃、上水の温度が16℃、給湯流量が10L/minである場合に1時間当たりの必要加熱能力は、
(42−16)×10×60=15600kcal/h(=18.1kW)
となり、号数に換算すると10.4号に相当する。
所定の基準能力は、給湯流量の増加、給湯設定温度の上昇、上水温度の低下等により給湯負荷が増加したときに、給湯温度センサ28に検知される給湯温度を大きく変動させることなく安定的に給湯することができるように、ある程度の余裕を持たせた給湯の加熱能力に予め設定されている。例えば、暖房給湯装置1の最大給湯加熱能力の80%相当を所定の基準能力として設定する。制御部5は、暖房給湯装置1の加熱能力について、必要加熱能力が所定の基準能力未満であれば暖房給湯同時運転可能と判定し、必要加熱能力が所定の基準能力以上であれば暖房給湯同時運転不可能と判定する。尚、暖房給湯装置1の最大給湯加熱能力から必要加熱能力を差し引いた残りの加熱能力に給湯用熱交換器20における熱交換効率を考慮に入れて、暖房運転に使用可能な加熱能力に相当する値を得ることができる。
次に、操作端末6について説明する。
操作端末6は、例えば温度や運転状況等を表示可能な表示部7と、暖房温度や給湯温度の設定操作や暖房運転の開始操作等を行うためのスイッチ部8と、図示を省略するが警報音等を出力する音声出力部を備えている。
スイッチ部8には、図示を省略するが、例えば冬季において上水温度及び気温が低いため暖房給湯同時運転ができない状況が続く場合等に、予め暖房給湯同時運転を禁止するスイッチ(以下、同時運転禁止SWと呼ぶ。)が設けられている。この同時運転禁止SWをONにすると暖房給湯同時運転禁止状態に設定され、同時運転禁止SWをOFFにすると暖房給湯同時運転許可状態に設定される。暖房給湯同時運転禁止状態に設定されると、表示部7に暖房給湯同時運転禁止を表示して使用者に報知する。音声等の出力により報知してもよい。
次に、制御部5による暖房給湯装置1の運転制御フローについて、図2のフローチャートに基づいて説明する。制御部5は、暖房給湯装置1の運転中及び運転待機中にこの運転制御を繰り返し実行している。図中のSi(i=1,2,・・・)はステップを表す。
まず、S1において、給湯運転要求が有るか否か判定する。判定がYesの場合はS2に進み、判定がNoの場合はS12に進む。
次に、S2において同時運転禁止SWがOFFの状態(暖房給湯同時運転許可状態)か否か判定する。判定がYesの場合はS3に進み、設定パラメータ及び検知パラメータとして給湯設定温度と上水の温度と給湯流量に基づいて給湯運転に必要とされる必要加熱能力を演算し、S4に進む。判定がNoの場合は、同時運転禁止SWにより暖房給湯同時運転が禁止されているのでS11に進み、給湯運転を実行してリターンする。
次に、S4において、暖房給湯装置1の加熱能力について、S3で演算した必要加熱能力と所定の基準能力に基づいて暖房給湯同時運転が可能か否か判定する。判定がYesの場合はS5に進み、判定がNoの場合はS10に進む。
次に、S5において、暖房運転要求が有るか否か判定する。判定がYesの場合はS6に進む。判定がNoの場合は、暖房運転を実行しないのでS11に進み、給湯運転を実行してリターンする。
次に、S6において、給湯設定温度が、その給湯設定温度の給湯のために暖房熱媒を加熱しても暖房設定温度の暖房が可能な暖房設定温度+α℃未満であるか否か判定する。判定がYesの場合はS7に進み、判定がNoの場合はS10に進む。
次に、S7において、全検知パラメータが正常範囲内か否か判定する。このS7は、暖房給湯装置1の不具合発生の有無を判定している。判定がYes(不具合無し)の場合はS8に進み、判定がNo(不具合有り)の場合はS10に進む。
次に、S8において、暖房給湯同時運転を許可してS9に進み、S9において暖房給湯同時運転を実行してリターンする。一方S4、S6又はS7において判定がNoの場合は、S10において暖房給湯同時運転を禁止してS11に進み、S11において給湯運転を実行してリターンする。
また、S1の判定がNoの場合は、S12において暖房運転要求が有るか否か判定する。判定がYesの場合はS13に進み、暖房運転を実行してリターンする。判定がNoの場合は運転要求がないのでS14に進み、運転待機の状態にしてリターンする。
次に、暖房給湯装置1の作用、効果について説明する。
制御部5は、例えば暖房給湯装置1の運転待機時に操作端末6の操作による暖房運転要求があると、暖房熱媒を循環通路4側にのみ流通させるように第1分配弁15を調節して暖房運転を実行する(図2のS12、S13参照)。このとき、制御部5は、暖房設定温度に応じて暖房運転に最適な暖房設定温度+β℃(例えばβ=25)に暖房熱媒を加熱するように、第1,第2温度センサ13,14等に検知された暖房熱媒の温度や送風ファン3の回転数等、複数の検知パラメータに基づいて各設定パラメータを設定して暖房運転を制御する。
給湯栓等が開栓され、給湯流量センサ25の所定流量以上の流量検知による給湯運転要求があると、制御部5は、同時運転禁止SWがOFFであれば給湯運転に必要とされる必要加熱能力を演算する(図2のS1〜S3参照)。そして制御部5は、暖房給湯装置1の加熱能力について、演算した必要加熱能力と所定の基準能力に基づき暖房給湯同時運転不可能と判定した場合に、暖房給湯同時運転を禁止する(図2のS10参照)。また、制御部5は暖房給湯同時運転の禁止を操作端末6により報知する。尚、一般に給湯運転は暖房運転と比べて短時間で終了する場合が多い。そのため、給湯運転中に暖房運転が一時的に停止していても使用者に大きな影響を与えることがなく、使用者が気づかない場合が多いことも考えられるので、暖房給湯同時運転の禁止の報知を行わないように設定可能としてもよい。
暖房給湯同時運転が禁止されていても、制御部5は給湯運転要求により暖房熱媒を第1バイパス通路12側にのみ流通するように第1分配弁15を調節して給湯運転を実行する(図2のS11参照)。給湯される湯水は、給湯用熱交換器20で暖房熱媒との熱交換により加熱される。制御部5は、給湯設定温度や給湯温度センサ28等に検知された給湯温度等、複数の検知パラメータに基づいて各設定パラメータを設定して給湯運転を制御し、給湯設定温度の湯水を給湯する。
制御部5が演算した必要加熱能力に基づいて暖房給湯同時運転を禁止したことにより、給湯運転のための加熱能力に余裕を持たせた状態で給湯負荷の変動に追従するように加熱して安定した給湯を行うことができるので、使用者に不便さや不快感与えないようにすることができる。また、暖房給湯同時運転の禁止を報知するので、暖房と給湯を同時に利用できないことによる不快感を軽減することができ、使用者が給湯流量を減らす等の暖房給湯同時運転の禁止を回避する手段を講じるために有利である。その上、暖房給湯同時運転を禁止しても給湯運転を実行するので、給湯されないことによる不便さや不快感を使用者に与えないようにすることができる。
制御部5が暖房給湯同時運転可能と判定し且つ暖房運転要求と給湯運転要求の両方がある場合、制御部5は、給湯設定温度が暖房設定温度+α℃未満且つ全検知パラメータが正常範囲内であれば、暖房給湯同時運転を許可して実行する(図2のS5〜S9参照)。このとき制御部5は、給湯温度センサ28に検知される温度が給湯設定温度の近傍温度でなければ暖房熱媒を第1バイパス通路12にのみ流通させるように第1分配弁15を調節して給湯運転のみ実行し、給湯設定温度の湯水を給湯するために第2分配弁23の分配比を調節する。これにより、給湯設定温度の給湯を早く行うことができる。給湯温度センサ28に検知される温度が給湯設定温度の近傍温度になると、制御部5は循環通路4においても暖房熱媒が循環するように第1分配弁15を調節する。尚、近傍温度は、例えば給湯設定温度に対して−3℃〜+3℃の範囲の温度であるが、この範囲は適宜設定することができる。
一方、給湯設定温度が暖房設定温度+α℃以上又は少なくとも1つの検知パラメータが正常範囲外であれば、制御部5は暖房給湯同時運転を禁止して給湯運転のみ実行する(図2のS10,S11参照)。例えば、暖房設定温度が25℃の暖房運転時に暖房熱媒を最適な温度として50℃(β=25)に加熱して運転している場合に、給湯設定温度が60℃の高温の給湯運転が開始されると暖房熱媒を60℃より高温に加熱することになる。制御部5が演算した必要加熱能力に基づいてこの高温の給湯運転と暖房運転の同時運転が可能と判定しても、例えば暖房熱媒の温度が55℃(α=30)未満でなければ暖房設定温度の暖房ができない場合には、暖房給湯同時運転を禁止する。従って、暖房温度が高くなることがなく、使用者に不快感等を与えないようにすることができる。
また、循環ポンプ11の検知パラメータについて制御部5が設定した設定パラメータにならない場合、例えば循環ポンプ11の回転数が設定した回転数に対して−20%〜+20%の正常範囲内にならない場合は、循環ポンプ11に関連する不具合が発生している可能性がある。このとき暖房給湯装置1は制御部5が演算した必要加熱能力を出力できず、暖房給湯同時運転を実行しても給湯設定温度の給湯ができない虞があるので、暖房給湯同時運転を禁止して給湯運転を実行する。これにより使用者に不快感等をできるだけ与えないようにすることができる。尚、正常範囲は、送風ファン3や循環ポンプ11の回転数や消費電力に対しては−20%〜+20%、暖房熱媒等の温度に対しては−3℃〜+3℃等、設定項目毎に適宜設定することができる。
次に、上記実施例を部分的に変更した例について説明する。
[1]暖房給湯同時運転のみ制御部5が給湯運転に必要とされる必要加熱能力を演算するようにすることもできる(図3参照)。この場合でも、演算した必要加熱能力と所定の基準能力に基づき暖房給湯同時運転が可能でないと判定したときに、暖房給湯同時運転を禁止して安定した給湯を行うことができるので、使用者に不便さや不快感与えないようにすることができる。
[2]暖房運転要求が有る場合に暖房設定温度等の設定パラメータ及び暖房熱媒温度等の検知パラメータに基づいて暖房運転に必要とされる暖房必要加熱能力を演算し、暖房必要加熱能力と給湯運転の必要加熱能力と基準能力に基づいて暖房給湯同時運転の許可又は禁止を行うようにしてもよい。
[3]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1 暖房給湯装置
2 燃焼部(燃焼手段)
3 送風ファン
4 循環通路
5 制御部
6 操作端末(操作部)
7 表示部
10 熱交換器
11 循環ポンプ
12 第1バイパス通路(バイパス通路)
14 第2温度センサ(暖房熱媒温度検知手段)
15 第1分配弁(分配手段)
19 給水通路
20 給湯用熱交換器
21 給湯通路
25 給湯流量センサ
26 入水温度センサ
28 給湯温度センサ

Claims (3)

  1. 燃焼手段と、熱交換器と、前記熱交換器と外部の暖房端末とを接続する循環通路と、前記循環通路に設けられた循環ポンプと、前記循環通路から分岐されて前記暖房端末をバイパスするバイパス通路と、前記循環通路と前記バイパス通路の分岐部に設けられた分配手段と、前記バイパス通路に設けられた給湯用熱交換器と、前記給湯用熱交換器に上水を供給するための給水通路と、前記給湯用熱交換器で加熱された湯水を所定の給湯設定温度で給湯するための給湯通路と、これらに配設された複数の検知手段と、所定の操作を行うための操作部と、前記操作部により設定された設定パラメータ及び前記複数の検知手段に検知された検知パラメータに基づく制御を行う制御部とを備えた暖房給湯装置において、
    前記分配手段は暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転に対応可能なように分配比を調節可能であり、
    前記制御部は、前記設定パラメータ及び前記検知パラメータに基づいて前記給湯運転に必要とされる必要加熱能力を演算し、この必要加熱能力が所定の基準能力以上の場合には前記暖房給湯同時運転を禁止することを特徴とする暖房給湯装置。
  2. 前記暖房給湯同時運転を禁止する場合には、前記操作部において前記暖房給湯同時運転の禁止の報知を行うことを特徴とする請求項1に記載の暖房給湯装置。
  3. 前記暖房給湯同時運転を禁止しているときに、前記暖房運転と前記給湯運転の両方の運転要求がある場合は、前記給湯運転を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の暖房給湯装置。
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