JP2020118414A - 暖房給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】暖房運転から暖房給湯同時運転への移行により与える虞がある不快感を軽減することができる暖房給湯装置を提供すること。【解決手段】燃焼手段とその熱で暖房熱媒を加熱する熱交換器と、熱交換器を外部の暖房端末に接続する循環通路と、循環通路に設けられた暖房熱媒の循環手段と、循環通路から分岐されて暖房端末をバイパスするバイパス通路と、循環通路とバイパス通路に暖房熱媒を分配する分配手段と、バイパス通路に設けられた給湯用熱交換器と、給湯用熱交換器に接続された給水通路と給湯通路を備えた暖房給湯装置において、分配手段は暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転に対応可能なように分配比を調整可能であり、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行時に、暖房端末が温風暖房機でなければ給湯運転用分配比に調整し、暖房端末が温風暖房機であれば給湯運転用分配比と異なる所定の初期分配比に調整する。【選択図】図3

Description

本発明は、暖房に利用する暖房熱媒を加熱して供給すると共に、この暖房熱媒を利用して給湯を行う暖房給湯装置に関する。
従来から、暖房端末として例えば温風暖房機に加熱した暖房熱媒を循環供給すると共に、この暖房熱媒の熱を利用して給湯を行う暖房給湯装置が、住居内の暖房を一括して行うセントラルヒーティングに利用されている。例えば特許文献1には、暖房の温度と給湯量の夫々の値に応じた熱量に調整するために、加熱後の暖房熱媒の温度によって燃料の供給量を調整する暖房給湯装置が記載されている。
温風暖房機は、暖房熱媒と空気の間で熱交換させる暖房用熱交換器と送風機を備え、送風機によって室内の空気を暖房用熱交換器に送ると共に、暖房用熱交換器によって温められた空気を温風として室内に送風する。温風暖房機以外の暖房端末として、暖房熱媒の輻射熱や空気の自然対流を利用して暖房する放熱器や床暖房装置もよく利用されている。
暖房給湯装置は、燃料を燃焼させる燃焼部と、この燃焼部で発生する高温の燃焼ガスと暖房熱媒との熱交換を行う熱交換器と、暖房熱媒と給湯用の湯水との熱交換を行う給湯用熱交換器等を備えている。暖房運転では、この熱交換器と暖房端末の間で暖房熱媒を循環させる。給湯運転では、暖房熱媒によって給湯用熱交換器で加熱された湯水を給湯する。
実開昭49−48746号公報
通常、セントラルヒーティングの暖房運転は連続して、例えば冬の期間を通して行われるのに対し、給湯運転は季節に関係なく給湯のときにのみ行われ、暖房運転よりも短時間で終了することが多い。暖房運転中に給湯が開始され、暖房運転と給湯運転を同時に行う暖房給湯同時運転になると、給湯が優先されて暖房端末に供給される熱量が減少し、暖房能力が低下する。
このとき、暖房端末が放熱器や床暖房装置の場合には、輻射熱等が減少しても人体には感じられ難い。一方、特許文献1のように暖房端末が温風暖房機の場合には、温風暖房機が送風する温風の温度が低下し、温度が低下した温風が人体に直接当たって寒さ等の不快感を与える虞があり好ましくない。
本発明の目的は、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行により与える虞がある不快感を軽減することができる暖房給湯装置を提供することである。
請求項1の発明の暖房給湯装置は、燃焼手段と、前記燃焼手段で発生する熱により暖房熱媒を目標熱媒温度に加熱するための熱交換器と、前記熱交換器を外部の暖房端末に接続するための循環通路と、前記暖房熱媒を循環させるために前記循環通路に設けられた循環手段と、前記循環通路から分岐されて前記暖房端末をバイパスするバイパス通路と、前記循環通路と前記バイパス通路に前記暖房熱媒を分配するための分配手段と、前記バイパス通路に設けられた給湯用熱交換器と、前記給湯用熱交換器に上水を供給するための給水通路と、前記給湯用熱交換器で加熱された湯水を所定の給湯設定温度で給湯するための給湯通路を備えた暖房給湯装置において、前記分配手段は、暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転に対応可能なように分配比を調整可能であり、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行時に、暖房を行う前記暖房端末が温風暖房機でない場合には前記分配手段を暖房運転用分配比から給湯運転用分配比に調整し、暖房を行う前記暖房端末が温風暖房機である場合には前記分配手段を暖房運転用分配比から給湯運転用分配比とは異なる所定の初期分配比に調整することを特徴としている。
上記構成によれば、暖房運転から暖房給湯同時運転に移行する際に、暖房を行う暖房端末が温風暖房機でない場合には、分配手段を暖房運転用分配比から給湯運転のときの給湯運転用分配比に調整して給湯運転を優先させる。また、暖房運転から暖房給湯同時運転に移行する際に、暖房を行う暖房端末が温風暖房機である場合には、暖房側及び給湯側に夫々暖房熱媒を供給するように分配手段を暖房運転用分配比から所定の初期分配比に調整する。従って、暖房端末の種類によって供給熱量の減少の影響が異なることを利用して、分配手段を暖房端末の種類に応じた分配比に調整することによって、給湯を優先して給湯使用者に不快感を与えないようにすると共に、暖房使用者に不快感を与える虞を軽減することができる。
請求項2の発明の暖房給湯装置は、請求項1の発明において、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行時の前記分配手段の調整から所定時間が経過した後は、前記分配手段を暖房要求能力と給湯要求能力に応じた分配比に調整することを特徴としている。
上記構成によれば、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行当初に給湯運転を優先させる分配比に分配手段を調整し、この状態を維持して所定時間が経過した後は、暖房運転に要求される暖房要求能力と給湯運転に要求される給湯要求能力に応じて分配手段を調整する。従って、暖房給湯同時運転へ移行してから所定時間が経過した後には、暖房端末に熱量供給ができるので、暖房使用者に不快感を与える虞を軽減することができる。
請求項3の発明の暖房給湯装置は、請求項2の発明において、前記暖房端末が温風暖房機である場合には、前記初期分配比における前記循環通路側の分配比率を下限とすることを特徴としている。
上記構成によれば、暖房端末が温風暖房機である場合には、給湯要求能力が大きい場合でも少なくとも初期分配比における循環通路側の分配比率を維持して温風暖房機に供給する熱量を確保することができる。従って、温風暖房機から送り出される温風の温度低下を抑えて、暖房使用者に不快感を与える虞を軽減することができる。
本発明の暖房給湯装置によれば、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行により与える虞がある不快感を軽減することができる。
本発明の実施例に係る温水暖房システムの全体構成を示す図である。 本発明の実施例に係る暖房給湯装置の構成を示す図である。 本発明の実施例に係る暖房給湯同時運転移行時の分配比制御のフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
最初に、セントラルヒーティングに利用される温水暖房システム1の全体構成について、図1に基づいて説明する。
温水暖房システム1は、暖房給湯装置2で加熱した暖房熱媒(温水)を暖房給湯装置2の外部の暖房端末3に供給し、暖房端末3が住居内の暖房を一括して行うように構成されている。暖房端末3としては、暖房運転時に送風を伴う温風暖房機や、送風を伴わない放熱器、床暖房装置等が使用される。この温水暖房システム1は、暖房給湯装置2と、暖房端末3と、これらを接続する暖房循環回路4と、暖房循環回路4に設けられた外部ポンプ5と、温度上昇による暖房熱媒の体積膨張を吸収するために暖房循環回路4に設けられた密閉式の膨張タンク6等を備えている。尚、図示を省略するが、住居の複数の部屋毎に暖房端末が配設され、それらに暖房熱媒が供給される場合には、複数の暖房端末が暖房循環回路4に並列に接続される。
暖房循環回路4は、外部ポンプ5の駆動により暖房熱媒を暖房端末3に循環供給する端末循環回路部4aと、端末循環回路部4aから暖房給湯装置2に暖房熱媒を供給すると共に暖房給湯装置2で加熱した暖房熱媒を端末循環回路部4aに供給する加熱循環回路部4bで構成されている。膨張タンク6は、端末循環回路部4aの外部ポンプ5の上流側に設けられている。加熱循環回路部4bは、端末循環回路部4aの膨張タンク6の上流側に接続されている。
次に暖房端末3として使用される温風暖房機、放熱器、床暖房装置について説明する。
温風暖房機は、暖房熱媒と空気の熱交換を行う暖房用熱交換器と、暖房用熱交換器に空気を送ると共に温まった空気を温風として室内に送風する送風機と、送風機を駆動、停止させる暖房運転スイッチ等を備え、空気を強制対流させて暖房を行う。温風暖房機から暖房運転の開始・停止の操作や暖房設定温度の設定が可能なように構成されていてもよい。放熱器は、暖房熱媒と空気の熱交換を行う暖房用熱交換器を備え、暖房熱媒の輻射熱や空気の自然対流や利用して暖房を行う。床暖房装置は、適当な間隔で配設した暖房熱媒を流通させるホースを床材で覆って構成され、暖房熱媒の熱で温められた床材の輻射熱や空気の自然対流を利用して暖房を行う。温風暖房機は空気を強制対流させる暖房方式であり、放熱器と床暖房装置は輻射熱や空気の自然対流を利用する暖房方式なので、暖房端末3は暖房方式によって分類することができる。
次に、暖房給湯装置2について、図2に基づいて説明する。
暖房給湯装置2は、燃焼部7(燃焼手段)で発生させた燃焼熱を利用して加熱した暖房熱媒を暖房端末3との間で循環させる暖房運転と、暖房熱媒の熱を利用して加熱した上水を給湯設定温度に調整して給湯する給湯運転と、暖房運転と給湯運転を併せて行う暖房給湯同時運転を行うように構成されている。
暖房給湯装置2は、燃焼部7と、熱交換器8と、この熱交換器8と暖房端末3を接続する暖房循環回路4の加熱循環回路部4bに接続された循環通路9と、循環通路9の熱交換器8より上流側に設けられた内蔵ポンプ10(循環手段)と、暖房運転等の制御を行うための制御部16等を備えている。内蔵ポンプ10は、暖房運転時に外部ポンプ5と連動して暖房熱媒を循環させる。
燃焼部7では、燃焼用ファン7aの駆動により矢印ASで示す給気と矢印Fで示す燃料ガスを混合して供給される混合ガスが燃焼する。燃焼部7の燃焼によって発生させる燃焼ガスの熱量(燃焼熱量)は、燃焼用ファン7aの回転数により調整される。熱交換器8は、燃焼部7で発生させた燃焼ガスと循環通路9を流れる暖房熱媒との間で熱交換させて、暖房熱媒を予め設定されている目標熱媒温度に加熱する。熱交換により温度が下がった燃焼ガスは、矢印Eで示すように外部に排気される。
また、暖房給湯装置2は、第1バイパス通路11(バイパス通路)と、この第1バイパス通路11に設けられた給湯用熱交換器20と、給水通路19と、給湯通路21等を備えている。第1バイパス通路11は、暖房循環回路4に接続された暖房端末3をバイパスするように、熱交換器8の下流側で循環通路9から分岐され、内蔵ポンプ10の上流側の合流部C1で循環通路9に接続されている。給水通路19は、矢印CWで示すように給湯用熱交換器20に上水を供給する。給湯通路21は、給湯用熱交換器20で加熱された湯水を矢印HWで示すように給湯栓等に給湯する。
次に、循環通路9について説明する。
循環通路9は、第1バイパス通路11との合流部C1よりも上流側(暖房端末3側)に第1温度センサ12を備え、内蔵ポンプ10と熱交換器8の間に第2温度センサ13を備え、熱交換器8の下流側に第3温度センサ14を備えている。第1温度センサ12は、暖房循環回路4の暖房端末3から熱交換器8に戻ってくる暖房に利用された暖房熱媒の温度を検知する。第2温度センサ13は、熱交換器8に流入する暖房熱媒の温度を検知する。第3温度センサ14は、熱交換器8で加熱された暖房熱媒の温度を検知する。これらのセンサの検知温度に基づいて、加熱された暖房熱媒の温度が目標熱媒温度(例えば70℃)になるように燃焼用ファン7aや内蔵ポンプ10、外部ポンプ5等が制御部16により制御される。
循環通路9と第1バイパス通路11の分岐部には、第1分配弁15(分配手段)が設けられている。第1分配弁15は、暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転に対応可能なように分配比を調整可能である。制御部16は、熱交換器8で加熱された暖房熱媒を循環通路9と第1バイパス通路11に分配するために、第1分配弁15の分配比を調整する。
第1分配弁15は、暖房運転時には循環通路9にのみ暖房熱媒が供給される暖房運転用分配比に調整され、給湯運転時には第1バイパス通路11にのみ暖房熱媒が供給される給湯運転用分配比に調整される。暖房給湯同時運転時には、給湯を優先するように第1分配弁15が調整されて暖房熱媒が循環通路9と第1バイパス通路11に分配される。循環通路9に分配された暖房熱媒は、矢印HSで示すように暖房循環回路4に供給される。第1バイパス通路11に分配された暖房熱媒は、合流部C1において循環通路9に合流する。内蔵ポンプ10と第1温度センサ12の間には、矢印AFで示すように暖房熱媒を補給するための補給通路18が接続されている。
次に、給湯用熱交換器20について説明する。
給湯用熱交換器20は、第1バイパス通路11の暖房熱媒と給水通路19から供給される上水との間で熱交換を行って、加熱された湯水を給湯通路21に供給する。給水通路19は、第2分配弁23と、流量調整弁24と、流量センサ25と、入水温度センサ26を備えている。
給水通路19から第2バイパス通路22が分岐され、この分岐部に分配比を調整可能な第2分配弁23が配設されている。第2分配弁23は、給水通路19が接続された給湯用熱交換器20と第2バイパス通路22に上水を分配する。流量調整弁24は、第2分配弁23に入水する上水の流量を調整する。流量センサ25は、第2分配弁23に入水する上水の流量を検知する。入水温度センサ26は第2分配弁23に入水する上水の温度を検知する。
第2バイパス通路22は、合流部C2において給湯通路21に接続されている。給湯通路21の合流部C2と給湯用熱交換器20の間には、出湯温度センサ27が設けられている。出湯温度センサ27は、給湯用熱交換器20から出湯される湯水の温度を検知する。
給湯通路21の合流部C2より下流側には、給湯温度センサ28が設けられている。この給湯温度センサ28は、給湯用熱交換器20で加熱された湯水と第2バイパス通路22を流れる上水が混合された給湯水の給湯温度を検知する。給湯運転時にはこの給湯温度が設定された給湯設定温度になるように、第2分配弁23の分配比が制御部16によって調整される。
次に、制御部16について、図1,図2に基づいて説明する。
制御部16には、暖房設定温度、給湯設定温度、目標熱媒温度等の設定操作や暖房運転の開始・停止の操作等を行うための操作端末17が接続されている。操作端末17は、各種温度や運転状態等の情報を表示可能な表示部17aと、設定操作等を行うためのスイッチ部17bを備えている。また、制御部16は、温風暖房機、外部ポンプ5、屋外に配設された外気温度センサ30に夫々通信可能に接続され、それらの運転情報等を取得する。
この制御部16は、通信接続された第1温度センサ12等の各種センサの検知信号等に基づいて、燃焼用ファン7a、内蔵ポンプ10、外部ポンプ5、第1分配弁15、第2分配弁23等を制御することによって、暖房運転、給湯運転、暖房給湯同時運転の各運転を制御する。尚、目標熱媒温度は、制御部16が暖房設定温度に応じて設定してもよく、暖房設定温度は、暖房端末3が温風暖房機の場合にこの温風暖房機で設定された温度を制御部16が受信して設定してもよい。
次に、給湯運転について説明する。
待機中に給湯栓等の開栓により給湯が開始されて流量センサ25が給湯運転を開始する所定値以上の流量を検知すると、制御部16は燃焼部7の燃焼を開始し、内蔵ポンプ10を駆動し、第1分配弁15を給湯運転用分配比に調整する。燃焼部7の燃焼熱によって熱交換器8で目標熱媒温度に加熱された暖房熱媒は、給湯用熱交換器20で給水通路19から供給される上水を加熱し、加熱された湯水が給湯通路21を流通する。出湯温度センサ27で検知された湯水温度と入水温度センサ26で検知された上水の温度に基づいて、給湯温度センサ28で検知される温度が給湯設定温度になるように、制御部16が第2分配弁23の分配比率を調整して合流部C2における湯水の混合比率を制御する。給湯を終了するために給湯栓等が閉止されて流量センサ25が所定値以上の流量を検知しなくなると、制御部16は給湯運転を終了して待機する。
次に、暖房運転について説明する。
待機中に操作端末17等の操作によって暖房運転が開始されると、制御部16は燃焼部7の燃焼を開始し、外部ポンプ5と内蔵ポンプ10を駆動し、暖房循環回路4に暖房熱媒を供給するために第1分配弁15を暖房運転用分配比に調整する。燃焼部7の燃焼熱によって熱交換器8で目標熱媒温度に加熱された暖房熱媒は、暖房端末3に供給されて暖房に利用された後、一部は暖房給湯装置2の熱交換器8に戻って再加熱され、残りは加熱された暖房熱媒に混合されて暖房端末3に供給される。操作端末17等の操作によって暖房運転が停止されると、制御部16は燃焼部7の燃焼停止等をして待機する。
次に、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行について説明する。
暖房運転中は、暖房運転開始直後でなければ基本的に室温が暖房設定温度付近で安定し、暖房による暖房熱媒の温度低下が大きくなり難いので、燃焼部7で発生させる燃焼熱量は大きくなく、暖房給湯装置2の加熱能力には余裕がある。この暖房運転中に給湯栓等が開栓されて流量センサ25が所定値以上の流量を検知すると、制御部16は第1分配弁15の分配比を調整して第1バイパス通路11にも暖房熱媒を供給して暖房給湯同時運転に移行する。また、制御部16は、暖房と給湯を同時に行って大きく温度が下がる暖房熱媒を目標熱媒温度に加熱できるように、燃焼部7で発生させる燃焼熱量を増加させる。
この暖房給湯同時運転への移行時には給湯を優先し、温かい給湯水を早く供給して給湯使用者に不快感を与えないようにするために、循環通路9よりも第1バイパス通路11に分配される暖房熱媒が多くなるように第1分配弁15を調整する。暖房を行う暖房端末3が空気を強制対流させる暖房方式の温風暖房機である場合、人体に直接当たる温風の温度低下が感じられ易い。それ故、暖房給湯装置2から暖房循環回路4に供給される熱量が減少すると、暖房使用者に寒さを感じさせて不快感を与える虞がある。一方、暖房を行う暖房端末3が輻射熱や空気の自然対流を利用する暖房方式の放熱器や床暖房装置である場合、その輻射熱等は人体に感じられ難い。それ故、暖房給湯装置2から暖房循環回路4に供給される熱量が減少しても、すぐに暖房使用者に寒さを感じさせる虞が小さい。
そこで、暖房端末3の種類又は暖房方式によって供給熱量の減少の影響が異なることを利用して、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行時に、第1分配弁15を暖房運転用分配比から暖房端末3の種類又は暖房方式に応じて異なる分配比に調整する。図3は、この暖房運転から暖房給湯同時運転に移行するときの第1分配弁15の分配比制御のフローチャートであり、図中のSi(i=1,2,・・・)はステップを表す。
S1において、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行であるか否か判定する。判定がYesの場合はS2に進み、判定がNoの場合はリターンして暖房運転を継続する。次にS2において、暖房を行う暖房端末3が温風暖房機であるか否か判定する。判定がYesの場合はS3に進み、判定がNoの場合はS7に進む。
暖房端末3が温風暖房機である場合にS3において、第1分配弁15を予め設定された所定の初期分配比に調整してS4に進む。初期分配比は、温風暖房機の温風温度の低下を小さくすると共に温かい給湯水を早く供給可能なように設定され、例えば循環通路9側:第1バイパス通路11側=3:7に分配されるように設定される。
次にS4において、S3で調整した第1分配弁15の初期分配比を所定時間(例えば10秒間)維持してS5に進む。この所定時間は、例えば給湯通路21から給湯設定温度に近い温度の給湯水が供給されるまでに要する時間等により適宜設定可能である。
次にS5において、初期分配比における循環通路9側の分配比率を下限にして、給湯要求能力と暖房要求能力に応じて第1分配弁15の分配比を調整してS6に進む。給湯要求能力は、流量センサ25に検知される給湯流量と入水温度センサ26に検知される入水温度と給湯設定温度に基づいて算出される熱量に相当する加熱能力である。暖房要求能力は、内蔵ポンプ10で検知される暖房熱媒流量と第1温度センサ12で検知される暖房熱媒戻り温度と暖房熱媒目標温度に基づいて算出される熱量に相当する加熱能力である。給湯要求能力が大きい場合でも、暖房給湯装置2が供給する熱量のうち、少なくとも初期分配比における循環通路9側の分配比率に相当する熱量を温風暖房機のために確保している。
次にS6において、給湯が終了したか否か判定する。判定がYesの場合はリターンして元の暖房運転に戻り、判定がNoの場合はS5に戻って暖房給湯同時運転を継続する。
一方、暖房端末3が温風暖房機でない場合にS7において、第1分配弁15を給湯運転用分配比に調整してS8に進む。給湯運転用分配比は、加熱された暖房熱媒の全量を第1バイパス通路11に供給する分配比なので、暖房循環回路4に熱量が供給されないが、端末循環回路部4aを循環する暖房熱媒に蓄えられている熱で暖房が継続される。
次にS8において、S7で調整した第1分配弁15の給湯運転用分配比をS4と同じ所定時間維持してS9に進む。そしてS9において、暖房要求能力と給湯要求能力に応じて第1分配弁15の分配比を調整してS10に進む。給湯要求能力が大きい場合には、給湯運転用分配比を維持する場合もあり得る。次にS10において給湯終了か否か判定する。判定がYesの場合はリターンして元の暖房運転に戻り、判定がNoの場合はS9に戻って暖房給湯同時運転を継続する。尚、S2を暖房端末3が空気を強制対流させる暖房方式か否かの判定ステップにして、暖房方式に応じた分配比制御を行うこともできる。
本発明の暖房給湯装置2の作用、効果について説明する。
暖房運転から暖房給湯同時運転に移行する際に、暖房を行う暖房端末3が温風暖房機でない場合には、第1分配弁15を暖房運転用分配比から給湯運転用分配比に調整して給湯運転を優先させる。また、暖房運転から暖房給湯同時運転に移行する際に、暖房を行う暖房端末3が温風暖房機である場合には、給湯側及び暖房側に夫々暖房熱媒を供給するように第1分配弁15を暖房運転用分配比から所定の初期分配比に調整する。このように暖房運転から暖房給湯同時運転に移行する際に、暖房端末3の種類によって供給熱量の減少の影響が異なることを利用して、第1分配弁15を暖房端末3の種類に応じた分配比に調整することによって、給湯を優先して給湯使用者に不快感を与えないようにすると共に、暖房使用者に不快感を与える虞を軽減することができる。
また、暖房運転から暖房給湯同時運転への移行当初に、給湯運転を優先させる分配比に第1分配弁15を調整した状態で所定時間が経過した後は、暖房運転に要求される暖房要求能力と給湯運転に要求される給湯要求能力に応じて第1分配弁15を調整する。従って、暖房給湯同時運転へ移行してから所定時間経過後は、暖房端末3に熱量を供給することができるので、暖房使用者に不快感を与える虞を軽減することができる。
暖房を行う暖房端末3が温風暖房機である場合には、給湯要求能力が大きい場合でも、少なくとも初期分配比における循環通路9側の分配比率を維持して温風暖房機に供給する熱量を確保することができる。従って、温風暖房機から送り出される温風の温度低下を抑えて、暖房使用者に不快感を与える虞を軽減することができる。
給湯運転中に暖房運転の開始操作がされた場合、給湯を優先するため給湯が終わるまで暖房運転を開始させないようにしてもよく、暖房給湯同時運転に移行してもよい。暖房給湯同時運転に移行した場合には、燃焼部7の燃焼量を増加させ、給湯要求能力に相当する第1バイパス通路11側に供給される熱量を維持しながら、循環通路9側にも暖房熱媒を供給するように第1分配弁15を調整する。
また、暖房端末3として、温風暖房機と放熱器等が混在している場合には、暖房端末3が温風暖房機の場合と同様に第1分配弁15を調整するが、温風暖房機の送風機を駆動していなければ、暖房端末3が温風暖房機ではない場合と同様の制御を行ってもよい。その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1 :温水暖房システム
2 :暖房給湯装置
3 :暖房端末
4 :暖房循環回路
5 :外部ポンプ
7 :燃焼部(燃焼手段)
8 :熱交換器
9 :循環通路
10 :内蔵ポンプ(循環手段)
11 :第1バイパス通路(バイパス通路)
12 :第1温度センサ
15 :第1分配弁(分配手段)
16 :制御部
19 :給水通路
20 :給湯用熱交換器
21 :給湯通路
25 :流量センサ
26 :入水温度センサ

Claims (3)

  1. 燃焼手段と、前記燃焼手段で発生する熱により暖房熱媒を目標熱媒温度に加熱するための熱交換器と、前記熱交換器を外部の暖房端末に接続するための循環通路と、前記暖房熱媒を循環させるために前記循環通路に設けられた循環手段と、前記循環通路から分岐されて前記暖房端末をバイパスするバイパス通路と、前記循環通路と前記バイパス通路に前記暖房熱媒を分配するための分配手段と、前記バイパス通路に設けられた給湯用熱交換器と、前記給湯用熱交換器に上水を供給するための給水通路と、前記給湯用熱交換器で加熱された湯水を所定の給湯設定温度で給湯するための給湯通路を備えた暖房給湯装置において、
    前記分配手段は、暖房運転と給湯運転と暖房給湯同時運転に対応可能なように分配比を調整可能であり、
    暖房運転から暖房給湯同時運転への移行時に、暖房を行う前記暖房端末が温風暖房機でない場合には前記分配手段を暖房運転用分配比から給湯運転用分配比に調整し、暖房を行う前記暖房端末が温風暖房機である場合には前記分配手段を暖房運転用分配比から給湯運転用分配比とは異なる所定の初期分配比に調整することを特徴とする暖房給湯装置。
  2. 暖房運転から暖房給湯同時運転への移行時の前記分配手段の調整から所定時間が経過した後は、前記分配手段を暖房要求能力と給湯要求能力に応じた分配比に調整することを特徴とする請求項1に記載の暖房給湯装置。
  3. 前記暖房端末が温風暖房機である場合には、前記初期分配比における前記循環通路側の分配比率を下限とすることを特徴とする請求項2に記載の暖房給湯装置。
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