JP2018184331A - 金属めっき炭素材料、導電性材料、導電性塗料組成物 - Google Patents

金属めっき炭素材料、導電性材料、導電性塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】単価の上昇を抑制しながら、導電性を向上する技術を提供する。【解決手段】金属めっき炭素材料10は、GICアロイ40、金属50を含む。ここで、GICアロイ40は、GIC30を含むように構成される。金属50は、GICアロイ40に結合することによって、GIC30と化学的に結合する。また、金属50は、GIC30の表面の10%以上を覆う。なお、GIC30と金属50との間には、窒素原子が存在してもよい。【選択図】図2

Description

本発明は、導電性複合材料に関し、特に黒鉛層間化合物を使用する金属めっき炭素材料、導電性材料、導電性塗料組成物に関する。
高導電性の塗料を提供するために、黒鉛層間化合物において、カーボンブラックが接合素子としてバインダ樹脂に含められる(例えば、特許文献1参照)。
特開平1−95168号公報
高い導電性を実現する材料の1つが、金などの金属材料である。しかしながら、金属材料では、一般的に材料の単価が高い。そのため、単価が比較的安い黒鉛層間化合物を使用しながら、導電性をさらに向上することが求められる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、単価の上昇を抑制しながら、導電性を向上する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の金属めっき炭素材料は、黒鉛層間化合物の表面の10%以上が金属で覆われており、金属が黒鉛層間化合物と化学的に結合している。
本発明の別の態様は、導電性材料である。この導電性材料は、金属めっき炭素材料と、金属粒子とを含む。
本発明のさらに別の態様は、導電性塗料組成物である。この導電性塗料組成物は、導電性材料と、溶剤と、バインダ樹脂とを含む。
本発明によれば、単価の上昇を抑制しながら、導電性を向上できる。
本発明の実施の形態に係る導電性塗料組成物の構成を示す図である。 図1の金属めっき炭素材料の構成を示す断面図である。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施の形態は、黒鉛層間化合物(以下、「GIC(Graphite Intercalation Compound)」という)を含んだ導電性材料と、それを利用した導電性塗料組成物に関する。前述のごとく、金属材料の導電性は高いが、その材料単価は高い。一方、カーボン材料の材料単価は安いが、その導電性は低い。ここで、GICは、安価でありつつも、比較的高い導電性を有する。そのため、GICの導電性を向上することが求められる。本実施の形態では、金属めっき炭素材料に金属粒子を結合させる。金属めっき材料は、GICの表面に金属種(以下、「第1金属」ともいう)を化学的に接合させたGICアロイの表面の少なくとも一部が金属(以下、「第2金属」ともいう)によって覆われた構成を有する。
このような構成によって、第1金属と第2金属との密着性が高くなるので、導電性が向上する。さらに、GICにおいて、黒鉛にアクセプタレベルが形成されており、アクセプタレベルが形成されるとキャリア密度が高くなるので、金属粒子を結合させると導電性が向上する。なお、導電性塗料組成物において、第1金属、第2金属、金属粒子が占める体積は、GICが占める体積よりも小さいので、価格の増加が抑制される。これらにより、低価格な黒鉛系ペーストでありながら、高い導電性が得られる。
図1は、本発明の実施の形態に係る導電性塗料組成物100の構成を示す。導電性塗料組成物100は、金属めっき炭素材料10、金属粒子20を含む。また、導電性塗料組成物100は、これらを接着させるために、図示しないバインダ樹脂、溶剤を含む。なお、金属めっき炭素材料10、金属粒子20は、導電性材料であるともいえる。
ここでは、金属めっき炭素材料10を説明するために図2を使用する。図2は、金属めっき炭素材料10の構成を示す断面図である。金属めっき炭素材料10は、GIC30、GICアロイ40、金属50を含む。
GIC30は、炭素六角網面を平行に積層した層状物質である黒鉛の層間に、さまざまな原子や分子等を侵入させたサンドイッチ構造の化合物である。GIC30では、黒鉛層間に侵入した原子や分子等のインターカレートと、それと隣接する黒鉛の層との間で電荷移動が生じることによって、黒鉛の層上の伝導キャリア数が増大する。その結果、GIC30は高導電性を有する。
ここでのGIC30は、例えば、鱗片状天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、黒鉛繊維などの粉末を母材とする。また、GIC30は、例えば、ポリイミドフィルムを2600〜3000℃で熱処理することにより得られる熱分解グラファイトシートまたは熱分解グラファイトシートを粉砕したものを母材としてもよい。さらに、GIC30は、これらの黒鉛材料の端部に金属を担持したものなど結晶完全性のよい黒鉛材料を母材としてもよい。黒鉛材料の端部に金属を担持させるために、例えば、金属錯体と黒鉛材料が混合されてから焼成される。なお、母材は、これらに限定されるものではない。
インターカレートとして、原子、分子、およびイオン等のあらゆる物質種が使用可能であり、例えば、金属塩化物、アルカリ金属、アルカリ土類金属が使用される。金属塩化物の一例は、塩化鉄、塩化銅、塩化ニッケル、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化金、塩化ビスマスなどであり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の一例は、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、マグネシウムなどである。なお、インターカレートとして、これらを2種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、金属塩化物が挿入されたGIC30を、5〜100%の水素気流下、250〜500℃で熱処理することにより、挿入された金属塩化物を還元し、金属微粒子として存在させてもよい。黒鉛中に挿入されたインターカレートは、電子親和力の大きい塩化鉄または塩化銅である場合、GIC30に正孔を与えるアクセプタとして機能する。また、黒鉛中に挿入されたインターカレートは、イオン化ポテンシャルが黒鉛より小さいリチウム、カリウム、またはセシウムである場合、GIC30に電子を与えるドナーとして機能する。
GICアロイ40は、GIC30、窒素原子、第1金属を含む。具体的に説明すると、GICアロイ40では、GIC30の表面に窒素原子を介して第1金属が化学的に接合される。第1金属は、例えば、銅、鉄である。GIC30と第1金属との間には、窒素原子が存在するので、黒鉛による第1金属の担持がなされやすくなり、GIC30に第1金属が結合されやすくなる。なお、図2において、窒素原子と第1金属がGIC30の表面の全体を覆うようにGICアロイ40が構成されている。しかしながら、GIC30の表面の少なくとも一部、例えば、後述の金属50がGIC30を覆う部分よりも広い部分を窒素原子と第1金属が覆うようにGICアロイ40が構成されてもよい。
金属50は、前述の第2金属に相当し、例えば銀である。金属50は、GICアロイ40のうちの第1金属に結合されるので、GICアロイ40に結合されやすくなる。つまり、金属50は、第1金属、窒素原子を介してGIC30と化学的に結合する。その結果、GIC30と金属50との間には、窒素原子が存在する。また、金属50は、GIC30の10%以上を覆うように配置される。このような金属めっき炭素材料10の平均粒子径は100μmよりも小さい。ここで、平均粒子径は、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡によって測定される。図1に戻る。
金属粒子20には、金属粉末が使用される。金属粉末の一例は、ステンレス、酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化インジウム、アルミニウム、鉄、銅、金、銀、白金、チタン、ニッケル、マグネシウム、パラジウム、クロム、錫、タンタル、ニオブなどである。さらに、金属粒子20は、金属珪化物系の導電性セラミック、金属炭化物系の導電性セラミック、金属硼化物系の導電性セラミック、金属窒化物系の導電性セラミックであってもよい。金属珪化物系の導電性セラミックの一例は、珪化鉄、珪化モリブデン、珪化ジルコニウム、珪化チタンなどである。金属炭化物系の導電性セラミックの一例は、タングステンカーバイド、シリコンカーバイド、炭化カルシウム、炭化ジルコニウム、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ニオブ、炭化モリブデン、炭化バナジウムなどである。金属硼化物系の導電性セラミックの一例は、硼化タングステン、硼化チタン、硼化タンタル、硼化ジルコニウムなどである。金属窒化物系の導電性セラミックの一例は、窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化モリブデン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ガリウム、窒化ニオブ、窒化バナジウム、窒化硼素などである。また、金属粒子20は、これらの金属粉末を2種以上併用した合成粉末であってもよい。さらに、金属粒子20の形態は、無機・有機繊維に金属を蒸着またはめっきした繊維、粉末である。
バインダ樹脂には、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースなどが使用される。また、これらに限定されない。
溶剤は、溶媒とも呼ばれる。溶媒としては、沸点が150℃以上の溶媒、特に沸点が200℃以上の溶媒を50質量%以上含むことが好ましい。このように、沸点が高い溶媒を多数含むことによって、炭素と無機物質の分散性が確保しやすくなり、かつ平滑な膜が得られる。また、溶媒としては、無機物質(金属等)と親和性が高く、かつ後述の添加剤を溶解する溶媒が好ましく、一般には、アルコール性OH基を有する有機溶媒が好ましい。
有機溶媒の一例は、アルコール類等である。アルコール類は、例えば、α−テルピネオール等の非脂肪族アルコール類;ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)、エチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル等のグリコール類等である。その他、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサン等から、炭素、金属粒子20との親和性に合わせて選択することが好ましい。
ペースト状の導電性塗料組成物100から乾燥物をスキージ法で基板上に形成して電極を製造する場合、有機溶媒には、前述したアルコール類全般が使用可能である。一方、ペースト状の導電性塗料組成物100から乾燥物をスクリーン印刷で基板上に形成して電極を製造する場合、有機溶媒の粘度を高くし、かつ均質な塗膜を得る必要がある。そのため、有機溶媒としてα−テルピネオールやブチルカルビトール等を使用することが多い。その他、スピンコート、ディップコート、スプレーコート等を行う場合、脂肪族アルコールやケトン類等の粘度が低い溶媒が使用されてもよく、エタノール、2−プロパノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が使用されてもよい。また、高沸点溶媒と低沸点溶媒との混合物が溶媒として使用されてもよい。その際、その含有量の比は、特に制限されるわけではないが、前述のごとく、高沸点溶媒の量を50質量%以上とすることが好ましい。
導電性塗料組成物100においてGIC30が占める体積は、導電性塗料組成物100において金属粒子20が占める体積よりも大きい。例えば、導電性塗料組成物100においてGIC30が占める体積は、35%であり、導電性塗料組成物100において金属粒子20が占める体積は、15%である。割合はこれに限定されない。このような関係によって、導電性塗料組成物100において金属めっき炭素材料10が占める体積は、導電性塗料組成物100において金属粒子20が占める体積よりも大きくなる。
ここで、金属粒子20として、あらゆる金属の使用が可能であるが、例えば、金、銀、銅の使用が好ましい。それらの熱膨張率係数[10−6/K]は、「14.3」(金)、「18.0」(銀)、「16.8」(銅)であり、GIC30の熱膨張率係数[10−6/K]は、「4.4」である。一方、金属粒子20の密度[g/cm]は、「19.3」(金)、「10.5」(銀)、「9.0」(銅)であり、GIC30の密度[g/cm]は、「2.2〜2.4」である。このような状況下において、金属粒子20が占める体積が、GIC30が占める体積よりも大きい場合、熱膨張率が上がるので、基板などの周辺部材との剥離が生じやすくなる。また、前述の場合、軟らかい材料が多くなるので、変形しやすくなり、外力や温度変化で密着不足あるいは剥離の要因になる。また、前述の場合、密度が上がるので、重量が増加する。また、前述の場合、コストが増加する。これらのうちの少なくとも1つを抑制するために、前述のごとく、GIC30あるいは金属めっき炭素材料10が占める体積が、金属粒子20が占める体積よりも大きくされる。
なお、金属めっき炭素材料10と金属粒子20によって構成される導電性材料においてもGIC30あるいは金属めっき炭素材料10が占める体積は、導電性材料において金属粒子20が占める体積よりも大きい。例えば、導電性材料においてGIC30が占める体積は、70%であり、導電性材料において金属粒子20が占める体積は、30%である。割合はこれに限定されない。
特に、金属粒子20の平均粒子径は、金属めっき炭素材料10よりも小さくされるので、100μmよりも小さくされる。ここで、平均粒子径は、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡によって測定される。金属粒子20の平均粒子径、つまりサイズ、直径が小さくなると、金属粒子20の実質的な融点が下がる。その結果、金属粒子20を加熱した際に、ネッキングにより金属粒子20の表面が融解し、金属粒子20と金属めっき炭素材料10との間に導電パスが形成されやすくなる。導電パスが形成されると、導電性塗料組成物100の導電性が向上する。なお、一般的に、金属粒子20の平均粒子径が100μm以上になると、ネッキングの現象が生じにくくなる。
次に、本実施の形態に係る導電性塗料組成物100、導電性材料の製造方法の一例を説明する。
(1)まず、カーボンアロイを生成する。そのために、カーボンアロイの原料となる黒鉛材料を準備する。この黒鉛材料はグラフェンの積層体によって形成された層状構造を有する。黒鉛材料の表面に窒素原子、第1金属を結合させたカーボンアロイを生成する。カーボンアロイの製造方法は、窒素、ホウ素、硫黄、及びリンから選択される非金属を含む非金属化合物と、金属化合物と、黒鉛とを含有する混合物を準備する工程と、この混合物を、800℃以上1000℃以下の温度で、45秒以上10時間未満の時間、加熱する工程とを、含む。
このようなカーボンアロイの製造方法について、さらに具体的に説明する。出発原料のうち、炭素源原料である黒鉛は、公知の手法により入手される。金属化合物は、黒鉛にドープされる非金属原子と配位結合し得る金属原子を含む化合物であれば、特に制限されない。金属化合物は、例えば金属の塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、フッ化物塩などのような無機金属塩;酢酸塩などの有機金属塩;無機金属塩の水和物;及び有機金属塩の水和物から選ばれる、少なくとも一種を含有することができる。また、例えば黒鉛に鉄原子がドープされる場合には、金属化合物が、塩化鉄(III)を含有することが好ましい。また、黒鉛にコバルト原子がドープされる場合には、金属化合物が塩化コバルトを含有することが好ましい。また、黒鉛にマンガン原子がドープされる場合には、金属化合物が酢酸マンガンを含有することが好ましい。金属化合物の使用量は、適宜設定される。例えば金属化合物の使用量は、黒鉛に対する金属化合物中の金属原子の割合が5〜30質量%の範囲内となるように決定されることが好ましく、さらにこの割合が5〜20質量%の範囲内となるように決定されることが好ましい。
非金属化合物は、上記の通り、窒素、ホウ素、硫黄及びリンから選択される少なくとも一種の非金属の化合物である。非金属化合物は、例えばペンタエチレンヘキサミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン、オクチルボロン酸、1,2−ビス(ジエチルホスフィリエタン)、亜リン酸トリフェニル、ベンジルジサルフィドから選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することができる。また、非金属化合物の分子量は、800以下であることが好ましい。この場合、非金属化合物に由来する非金属原子が、黒鉛に容易にドープされる。これは、非金属化合物の分子量が小さいために、非金属化合物が短時間で熱分解して非金属原子が生成し、そのため、非金属原子が速やかに黒鉛にドープされるからであると、考えられる。特に、非金属化合物が、金属原子と錯体を形成可能な化合物として、ペンタエチレンヘキサミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、及びエチレンジアミンから選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。この場合、カーボンアロイの触媒活性が特に高くなる。非金属化合物の使用量は、黒鉛への非金属原子のドープ量に応じて適宜設定される。例えば非金属化合物の使用量は、金属化合物中の金属原子と、非金属化合物中の非金属原子とのモル比が、1:1〜1:2の範囲内となるように決定されることが好ましく、さらにこのモル比が1:1.5〜1:1.8の範囲内となるように決定されることが好ましい。
混合物は、例えば次のようにして調製される。まず、黒鉛と金属化合物と非金属化合物とを混合し、さらに必要に応じてエタノール等の溶媒を加えて全量を調整する。これらをさらに超音波分散法により分散させる。続いて、これらを適宜の温度(例えば60℃)で加熱乾燥する。これにより、金属化合物、非金属化合物、及び黒鉛を含有する混合物が得られる。次に、混合物を加熱する。混合物の加熱は、適宜の手法でなされる。例えば、還元性雰囲気下、または不活性ガス雰囲気下において、混合物を加熱することができる。これにより、黒鉛に非金属原子がドープされ、この非金属原子と金属原子とが配位結合することで金属原子もドープされる。この加熱処理時の加熱温度は800℃以上1000℃以下の範囲内であり、加熱時間は45秒以上10時間未満の範囲内である。
(2)次に、(上記の加熱後の混合物を原料に)GICアロイ40を生成する。この原料であるカーボンアロイはグラフェンの積層体によって形成された層状構造を有する。これに続いて、カーボンアロイの層間に、インターカレートとなる化学種を挿入することで、GICアロイ40を生成する。挿入する化学種は、前述の材料で構成される。化学種を黒鉛材料に挿入するために、公知の技術、例えば、気相法、液相法が使用される。気相法では、高温下で化学種の蒸気をホストである黒鉛に接触させる。また、液相法では、化学種を有機溶媒に溶解させた溶液、または化学種を高温で溶融させて液体としたものに、ホストであるカーボンアロイが浸漬される。
次に、GICアロイ40を金属50によって被覆することによって、金属めっき炭素材料10を生成する。
(2)金属めっき炭素材料10と金属粒子20とを混合することによって混合物である導電性材料を生成する。その際、ボールミル、三本ロール、押出し機、バンバリーミキサー、Vブレンダー、ニーダ、リボンミキサー、ヘンシェルミキサーなどを用いて均一に混合される。なお、導電性材料の生成は、これに限定されない。
(3)撹拌機、加熱装置を有した容器に、バインダ樹脂と溶剤とを加え、撹拌、加熱しながらバインダ樹脂溶液を生成する。
(4)バインダ樹脂溶液に導電性材料を加えて混和、混練することによって、導電性材料をバインダ樹脂溶液で分散させ、導電性塗料組成物100を製造する。さらに、導電性塗料組成物100を焼成することによって、導電性配線を製造してもよい。
次に、本実施の形態に係る実施例を説明する。まず、塩化鉄(99.9%)2gをエタノール(試薬特級99.5%)125mLに溶解し、これにペンタエチレンヘキサミン(エチレンアミン混合物)9.61mLを添加することによって、Fe−N錯体を形成した。この溶液に、黒鉛として平均粒子径が10μmの伊藤黒鉛製天然黒鉛4.0gを加えてから、超音波ホモジナイザーにより分散させた。分散後、ロータリーエバポレータによりエタノールを直ちに除去し、固形分を取り出した。
栓をした試験管の形状をした石英管(φ16mm、L500mm)に固形分を詰め入れ、1%のO/99%のNの混合ガス300mL/minのフロー下で、900℃で90秒加熱し、冷却後、鉄を担持した黒鉛を回収した。黒鉛による鉄の担持は、窒素原子によってなされる。鉄を担持した黒鉛に対して超純水で洗浄することによって、表面に残留している不純物を除去した。この鉄を担持した黒鉛0.06gと、塩化カリウム0.26gと、無水塩化銅(II)0.6gとをガラス製アンプルに真空封入し、そのアンプルを400℃で10時間熱処理した。自然冷却後、アンプルより黒鉛を取り出し、表面に付着した塩化カリウムおよび塩化銅(II)を水洗によって除去することで、GIC30を得た。
GICアロイ40を金属50で被覆することによって導電性材料を生成するために、60℃の純水1000mLをガラス製2L容器に投入し、保温機能つき超音波振動バスにガラス製2L容器を設置する。錯化剤を90mL投入し、GICアロイ40を1g投入して撹拌する。撹拌は、撹拌翼および超音波振動バスによって行われる。次に、硝酸銀水溶液を30mL投入し撹拌する。次に、還元剤5mLを少量ずつ滴下し、60℃一定に保ちながら20分撹拌して金属めっき炭素材料10を作製する。所定の時間経過後に、上記の液をろ過、水洗を行う。水洗後の金属めっき炭素材料10を真空乾燥することによって、粉末状の金属めっき炭素材料10を得る。
金属粒子20として、平均粒子径が2μmの銀粉を用意し、シグマアルドリッチ製銀粉と金属めっき炭素材料10を33:64の体積割合で混合して、金属めっき炭素材料10と金属粒子20の複合材料である導電性材料を得る。さらに、導電性材料を、0.1gを直径10mmの円筒状金型に入れ、200MPaの圧力を加えることで、円筒型の導電性材料の圧粉体を得る。
ここで、GICアロイ40を金属50で被覆することによって、導電性材料を生成することは次のようになされてもよい。60℃の純水1000mLをガラス製2L容器に投入し、表面処理剤を100mL投入する。次に、GICアロイ40を1g投入して3分撹拌する。撹拌は、撹拌翼によって行われる。所定の時間経過後に、上記の液をろ過、水洗を行い、「表面処理したGICアロイ40」を得る。次に、35℃の純水1000mLをガラス製2L容器に投入し、Snを含む溶液を100mL投入する。次に、「表面処理したGICアロイ40」を1g投入して3分撹拌する。撹拌は、撹拌翼によって行われる。所定の時間経過後に、上記の液をろ過、水洗を行い、「Snが付着したGICアロイ40」を得る。
次に、35℃の純水1000mLをガラス製2L容器に投入し、Pdを含む溶液を50mL投入する。次に、「Snが付着したGICアロイ40」を1g投入して3分撹拌する。撹拌は、撹拌翼によって行われる。所定の時間経過後に、上記の液をろ過、水洗を行い、「Pdが付着したGICアロイ40」を得る。60℃の純水1000mLをガラス製2L容器に投入し、保温機能つき超音波振動バスにガラス製2L容器を設置する。錯化剤を100mL投入し、「Pdが付着したGICアロイ40」を1g投入して撹拌する。撹拌は、撹拌翼および超音波振動バスによって行われる。次に、硝酸銀水溶液を30mL投入し撹拌する。次に、還元剤5mLを少量ずつ滴下し、60℃一定に保ちながら20分撹拌して導電性塗料組成物100を作製する。所定の時間経過後に、上記の液をろ過、水洗を行う。水洗後の導電性塗料組成物100を真空乾燥することによって、粉末状の導電性塗料組成物100を得る。
本発明の実施の形態によれば、GIC30の表面の10%以上が金属50で覆われており、金属50がGIC30と化学的に結合しているので、単価の上昇を抑制できる。また、GIC30の表面の10%以上が金属50で覆われており、金属50がGIC30と化学的に結合しているので、導電性を向上できる。また、GIC30には、金属塩化物がインターカレートされているので、導電性を向上できる。また、窒素原子を介してGIC30に第1金属が結合されるので、GIC30と第1金属との密着性を向上できる。また、第1金属に金属50が結合されるので、GIC30と金属50との密着性を向上できる。また、金属めっき炭素材料10の平均粒子径が100μmよりも小さくされ、金属粒子20の平均粒子径が金属めっき炭素材料10よりも小さくされるので、導電パスを形成しやすくできる。また、導電パスが形成しやすくなるので、導電性を向上できる。
また、導電性材料が金属めっき炭素材料10と金属粒子20とを含むので、導電性を向上できる。また、導電性材料においてGIC30が占める体積は、導電性材料において金属粒子20が占める体積よりも大きいので、GIC30同士を金属粒子20によって接続できる。また、導電性材料において金属めっき炭素材料10が占める体積は、金属粒子20が占める体積よりも大きいので、金属めっき炭素材料10同士を金属粒子20によって接続できる。また、GIC30を使用するので、単価の上昇を抑制できる。
また、従来高価格な金属材料を用いた配線材料について、低コストで高導電なGIC30を使用するので、高導電特性を保ったまま低コスト化できる。また、金属めっき炭素材料10を少量な金属粒子20を用いて結合するので、従来のカーボン系配線では得られなかった高導電性を得ることができる。また、金属めっき炭素材料10と金属粒子20との間には、窒素原子が存在するので、黒鉛による鉄の担持がなされやすくなり、金属めっき炭素材料10に金属粒子20を結合しやすくできる。
本実施の形態の概要は、次の通りである。本発明のある態様の金属めっき炭素材料10は、GIC30の表面の10%以上が金属50で覆われており、金属50がGIC30と化学的に結合している。
GIC30には、金属塩化物がインターカレートされていてもよい。
GIC30と金属50との間には、窒素原子が存在してもよい。
金属めっき炭素材料10の平均粒子径は100μmよりも小さくてもよい。
本発明の別の態様は、導電性材料である。この導電性材料は、金属めっき炭素材料10と、金属粒子20とを含む。
導電性材料においてGIC30が占める体積は、導電性材料において金属粒子20が占める体積よりも大きくてもよい。
導電性材料において金属めっき炭素材料10が占める体積は、導電性材料において金属粒子20が占める体積よりも大きい。
金属粒子20の平均粒子径は、金属めっき炭素材料10よりも小さい。
本発明のさらに別の態様は、導電性塗料組成物100である。この導電性塗料組成物100は、導電性材料と、溶剤と、バインダ樹脂とを含む。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 金属めっき炭素材料、 20 金属粒子、 30 GIC、 40 GICアロイ、 50 金属、 100 導電性塗料組成物。

Claims (9)

  1. 黒鉛層間化合物の表面の10%以上が金属で覆われており、
    前記金属が前記黒鉛層間化合物と化学的に結合していることを特徴とする金属めっき炭素材料。
  2. 前記黒鉛層間化合物には、金属塩化物がインターカレートされていることを特徴とする請求項1に記載の金属めっき炭素材料。
  3. 前記黒鉛層間化合物と前記金属との間には、窒素原子が存在することを特徴とする請求項1または2に記載の金属めっき炭素材料。
  4. 前記金属めっき炭素材料の平均粒子径は100μmよりも小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属めっき炭素材料。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の金属めっき炭素材料と、金属粒子とを含むことを特徴とする導電性材料。
  6. 前記導電性材料において前記黒鉛層間化合物が占める体積は、前記導電性材料において前記金属粒子が占める体積よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の導電性材料。
  7. 前記導電性材料において前記金属めっき炭素材料が占める体積は、前記導電性材料において前記金属粒子が占める体積よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の導電性材料。
  8. 前記金属粒子の平均粒子径は、前記金属めっき炭素材料よりも小さいことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の導電性材料。
  9. 請求項5から8のいずれか1項に記載の導電性材料と、溶剤と、バインダ樹脂とを含むことを特徴とする導電性塗料組成物。
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