JP2018183949A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化学繊維の布の媒体に対する印刷を適切に行う。【解決手段】化学繊維の布の媒体に対して印刷をする印刷装置10であって、有彩色のインクを吐出する有彩色用ヘッドであるインクジェットヘッド102y〜b、黒色のインクを吐出する黒色用ヘッドであるインクジェットヘッド102kとを備え、各インクジェットヘッドが吐出するインクは、インクの色を発色する色材と、溶媒とを含み、媒体に定着させるために溶媒を蒸発させる蒸発乾燥型のインクであり、有彩色用ヘッドとして、少なくとも、互いに異なる有彩色のインクをそれぞれ吐出する6個以上のインクジェットヘッドを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
従来、インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタが広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。また、近年、様々な分野に対してインクジェットプリンタを利用することが検討されている。
特開2015−13455号公報
インクジェットプリンタを様々な分野へ利用するためには、例えば、各分野に求められる要求品質等に合わせて、使用する媒体やインクの種類を決定することが必要になる。そして、この点に関し、本願の発明者は、例えばのぼり旗等のような屋外に設置する印刷物の用途において、化学繊維の布に対して印刷を行うことが望まれる場合があることに着目をした。
より具体的に、例えば、のぼり旗のような用途で印刷物を作成する場合、耐水性が高く、かつ、低コストの媒体を用いることが望まれる。そして、この場合、例えばポリエステルの繊維を織ったタフタ等を用いることが考えられる。また、実際、のぼり旗等の用途において、化学繊維の布の媒体を用いてインクジェットプリンタで印刷をすることが行われている。また、この場合、媒体への印刷は、通常、昇華転写印刷の方法で行われている。
しかし、昇華転写型印刷の方法を用いる場合、印刷後に転写の工程を行うことが必要になるため、印刷に要する手間が多くなる。また、転写を行うための装置等が必要になるため、コストの上昇や装置の設置面積の増大が問題になる場合もある。また、印刷物の用途等によっては、昇華転写印刷で印刷を行った場合よりも高い耐候性が求められること等も考えられる。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
本願の発明者は、化学繊維の布に対してより適切に印刷を行う方法について、鋭意研究を行った。また、このような方法に関し、より具体的に、昇華転写印刷の方法の方法ではなく、印刷対象の媒体に対して直接印刷を行う方法について、鋭意研究を行った。
ここで、様々な媒体に対して印刷が可能なインクとして、従来から、紫外線硬化型インク(UVインク)が知られている。また、紫外線硬化型インクを用いれば、化学繊維の布に対しても、インクジェットプリンタでの直接の印刷が可能であると考えられる。しかし、紫外線硬化型インクを用いる場合、インクの特性上、印刷品質がマット状になりやすい。また、インクの層が厚くなり、布の柔軟性が損なわれる場合もある。そのため、印刷の用途等によっては、紫外線硬化型インク以外のインクを用いることが望まれる場合もある。
そこで、本願の発明者は、紫外線硬化型インクではなく、媒体に定着させるために溶媒を蒸発させるインクである蒸発乾燥型のインクを用いる場合について、化学繊維の布に対してより適切に印刷する方法を検討した。そして、このようなインクと媒体とを組み合わせる場合に関し、インクの滲みが特に問題になりやすいことに着目した。
また、この点に関し、本願の発明者は、様々な実験等を行うことで、インクの滲みについて、媒体上の単位面積あたりに吐出するインクの量と滲みの発生の仕方との関係を検討した。そして、この検討結果に基づき、使用するインクの色数を増やすことで滲みを適切に抑え得ることを見出した。また、より具体的に、例えば、化学繊維の布の媒体としてポリエステルの布(例えば、タフタやトロピカル等)を用いる場合について、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、及びブラック(K)の7色以上の色数のインクを用いることで、実用レベルでの滲みの防止を達成し得ることを見出した。
また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。上記の課題を解決するために、本発明は、化学繊維の布の媒体に対して印刷をする印刷装置であって、有彩色のインクを吐出するインクジェットヘッドである有彩色用ヘッドと、黒色のインクを吐出するインクジェットヘッドである黒色用ヘッドとを備え、前記複数の有彩色用ヘッド及び前記黒色用ヘッドのそれぞれが吐出するインクは、前記インクの色を発色する色材と、溶媒とを含み、前記媒体に定着させるために前記溶媒を蒸発させる蒸発乾燥型のインクであり、前記有彩色用ヘッドとして、少なくとも、互いに異なる有彩色のインクをそれぞれ吐出する6個以上のインクジェットヘッドを備える。
このように構成した場合、例えばYMCKの4色のみのインクを用いる場合と比べ、様々な色を表現する場合において、単位面積あたりに吐出するインクの量を適切に低減できる。また、これにより、例えば、化学繊維の布の媒体のように滲みが発生しやすい媒体に対して蒸発乾燥型のインクを用いる場合にも、滲みの発生を適切に抑えることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、化学繊維の布の媒体に対する印刷を適切に行うことができる。
ここで、化学繊維の布の媒体を用いる場合、繊維がインクを吸収せず、かつ、繊維に沿ってインクが移動しやすい構成になるため、例えば天然繊維の布の媒体やフィルム状の媒体等を用いる場合と比べ、特に滲みが発生しやすくなる。これに対し、上記のように構成した場合、6個以上の有彩色用ヘッドと黒色用ヘッドとを含む7色以上のインクジェットヘッドを用いることで、化学繊維の布の媒体を用いる場合にも、適切に滲みを抑えることができる。
また、化学繊維の布の媒体としては、例えば、化学繊維が織られたタフタやトロピカル等を用いることが考えられる。また、化学繊維としては、例えば、ポリエステルの繊維等を用いることが考えられる。また、この化学繊維の布の媒体としては、例えば、滲み防止のための前処理等を行っていない媒体を好適に用いることができる。このように構成すれば、例えば、媒体のコストを適切に抑えることができる。また、この場合も、7色以上のインクジェットヘッドを用いることで、適切に滲みを抑えることができる。
また、この構成において、有彩色用ヘッドとしては、少なくとも、1次色用のインクジェットヘッドと、2次色用のインクジェットヘッドとを備えることが好ましい。この場合、1次色とは、例えば、混色によりフルカラーの表現が原理的に可能になる基本色である。また、2次色とは、例えば、2種類の1次色の混色により得られる色である。また、1次色用のインクジェットヘッドとしては、少なくとも、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、及びシアン(C)色の各色用のインクジェットヘッドを備えることが好ましい。また、2次色用のインクジェットヘッドとしては、少なくとも、レッド(R)色、グリーン(G)色、及びブルー(B)色の各色用のインクジェットヘッドを備えることが好ましい。また、この場合、例えば、3色の1次色から2色を選んで、同量の1次色のインクを混色した色について、同量のいずれかの2次色のインクの色と原理的に同色となり、置換できる関係にすることが考えられる。また、黒色のインクを3次色のインクと考えた場合、3色の1次色を同量で混色させた色について、同量の3次色インクと原理的に同色となり、置換できる関係にすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、同量の1次色の混合成分を同量の2次色等と置換することにより、印刷に使用するインクの量を適切に抑えることができる。また、これにより、例えば、滲みを抑制して、高精彩な印刷をより適切に行うことができる。
また、この印刷装置は、例えば、インクジェットヘッドに主走査動作を行わせるシリアル型の印刷装置であってよい。この場合、印刷装置は、例えば、各インクジェットヘッドに主走査動作及び副走査動作を行わせる主走査駆動部及び副走査動作を更に備える。このように構成すれば、例えば、7色以上のインクジェットヘッドを用いて適切に印刷を行うことができる。
また、この構成において、印刷装置は、媒体を加熱するヒータを更に備えてもよい。このように構成すれば、例えば、インクをより適切に乾燥させることができる。また、この場合、7色以上のインクジェットヘッドを用いて印刷を行うことで、加熱温度が低くても、滲みの発生を適切に抑えることができる。そのため、この場合、例えば、媒体が加熱される温度を50℃以下にして、媒体を加熱することが考えられる。このように構成すれば、例えば、媒体をヒータで加熱する影響でインクジェットヘッドにノズル詰まりが発生すること等を適切に防ぐことができる。また、媒体が加熱される温度については、40℃以下にすることがより好ましい。また、この場合、ヒータで行う加熱については、媒体上のインクを積極的に加熱する意図での加熱ではなく、媒体の温度を一定にすることで環境温度の影響を抑えるための加熱と考えることもできる。そのため、印刷を行う環境や、印刷に求められる品質によっては、ヒータを用いずに印刷を行ってもよい。
また、この構成において、印刷装置は、媒体への印刷を行うことにより、例えば、屋外に設置される印刷物を作成する。また、このような印刷物としては、例えば、のぼり旗用の幕を作成すること等が考えられる。このように構成すれば、例えば、タフタ等の化学繊維の布の媒体を用いることで、耐候性の高い印刷物を低コストで適切に作成することができる。
また、この構成において、インクとしては、例えば、色材として顔料を含むインクを好適に用いることができる。このように構成すれば、例えば、印刷物の耐候性をより適切に高めることができる。また、この構成において、蒸発乾燥型のインクとしては、例えば、ラテックスインク等を好適に用いることができる。このように構成すれば、例えば、印刷物の耐候性をより適切に高めることができる。
また、ラテックスインクを用いる場合、インク中の樹脂成分が凝集する効果等により、例えばソルベントインク等と比べ、溶媒の蒸発量が少ない段階でインクの粘度を高めることができる。また、これにより、例えば、インクの滲みをより適切に抑えることができる。また、この場合、インクが滲みにくい構成になるため、例えばヒータによる媒体の加熱温度を低くする場合や、ヒータを用いない場合等にも、より適切に印刷を行うことができる。より具体的に、例えば、この構成において、ラテックスインクを用い、かつ、ヒータで媒体を加熱する場合、媒体の加熱温度について、例えば50℃未満、好ましくは40℃未満にすることが考えられる。
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する印刷方法等を用いることも考えられる。この場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。また、この印刷方法について、例えば、印刷物の製造方法等と考えることもできる。
本発明によれば、例えば、化学繊維の布の媒体に対する印刷を適切に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る印刷装置10について説明をする図である。図1(a)は、印刷装置10の要部の構成の一例を示す上面図である。図1(b)は、印刷装置10におけるヘッド部12の構成の一例を示す。 化学繊維の布の媒体50としてタフタを用いて行った実験の結果を示す図である。 化学繊維の布の媒体50としてトロピカルを用いて行った実験の結果を示す図である。 4色分版方式での色再現性について説明をする図である。図4(a)は、4色分版方式での色再現性の原理について説明をする図である。図4(b)は、Y色のインクとM色のインクとを混ぜてR色を表現する場合について、現実のインクを用いた場合の色再現性の一例を示す。 ヘッド部12の構成の変形例について説明をする図である。図5(a)は、ヘッド部12の構成の変形例を示す。図5(b)は、ヘッド部12の構成の更なる変形例を示す。 印刷装置10の構成の変形例を示す図である。 2.5次色のインクを更に用いる場合の変形例について説明をする図である。図7(a)は、本変形例において使用するインクの色をモデル化して色相関係を示す図である。図7(b)は、本変形例におけるヘッド部12の構成の一例を示す。 様々な色を表現するために必要なインクの合計量について説明をする図である。図8(a)は、フルカラー印刷時に表現可能な色の例を示す図である。図8(b)は、印刷に使用する色数やインクジェットヘッドの配置を様々に異ならせた場合について、図8(a)に示した例A〜Eの各色を表現するために必要な各色のインクの量と、各回の主走査動作時に同じ位置へ吐出されるインクの合計量とを示す。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置10について説明をする図である。図1(a)は、印刷装置10の要部の構成の一例を示す上面図である。図1(b)は、印刷装置10におけるヘッド部12の構成の一例を示す。尚、以下に説明をする点を除き、印刷装置10は、インクジェット方式で印刷を行う公知の印刷装置(インクジェットプリンタ)と同一又は同様の特徴を有してよい。例えば、印刷装置10は、図1に示した要部の構成以外に、印刷の動作に必要な各種の構成等を更に備えてよい。
本例において、印刷装置10は、化学繊維の布の媒体(メディア)50に対して印刷をするインクジェットプリンタであり、互いに異なる複数色のインクを用いて、媒体50に対してカラー印刷(例えば、フルカラー印刷)を行う。印刷装置10において用いる媒体50の特徴については、後に更に詳しく説明をする。また、本例において、印刷装置10は、インクジェットヘッドに主走査動作を行わせるシリアル型の印刷装置である。この場合、主走査動作とは、媒体50に対して相対的に予め設定された主走査方向(Y方向)へ移動しつつインクを吐出する動作のことである。
また、このような動作を行うために、印刷装置10は、ヘッド部12、プラテン14、ヒータ16、ガイドレール18、主走査駆動部20、副走査駆動部22、及び制御部30を備える。ヘッド部12は、媒体50に対してインクを吐出するインク吐出部であり、互いに異なる色のインクをそれぞれ吐出する複数のインクジェットヘッドを有する。この場合、インクジェットヘッドがインクを吐出するとは、インクジェット方式でインクの液滴(インク滴)を吐出することである。また、本例において、ヘッド部12は、複数のインクジェットヘッドとして、図中に示すように、インクジェットヘッド102y、インクジェットヘッド102m、インクジェットヘッド102c、インクジェットヘッド102r、インクジェットヘッド102g、インクジェットヘッド102b、及びインクジェットヘッド102k(以下、インクジェットヘッド102y〜k)という。また、本例において、インクジェットヘッド102y〜kは、図中に示すように、主走査方向(Y方向)と直交する副走査方向(X方向)の位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。また、インクジェットヘッド102y〜kのそれぞれは、複数のノズルが所定のノズル列方向へ並ぶノズル列を有する。また、本例において、ノズル列方向は、副走査方向と平行な方向である。
また、これらのインクジェットヘッドのうち、インクジェットヘッド102yは、Y(イエロー)色のインクを吐出する。インクジェットヘッド102mは、M(マゼンタ)色のインクを吐出する。インクジェットヘッド102cは、C(シアン)色のインクを吐出する。インクジェットヘッド102rは、R(レッド)色のインクを吐出する。インクジェットヘッド102gは、G(グリーン)色のインクを吐出する。インクジェットヘッド102bは、B(ブルー)色のインクを吐出する。インクジェットヘッド102kは、K(ブラック)色のインクを吐出する。
また、本例において、インクジェットヘッド102k以外のインクジェットヘッド102(以下、インクジェットヘッド102y〜bという)は、有彩色のインクを吐出するインクジェットヘッドである有彩色用ヘッドの一例である。また、この場合、本例の印刷装置10について、例えば、色彩が互いに異なる有彩色のインクをそれぞれ吐出する6個の有彩色用ヘッドを備える構成と考えることができる。また、印刷装置10の構成の変形例において、印刷装置10は、6個より多くの有彩色用ヘッドを備えてもよい。また、インクジェットヘッド102kは、黒色のインクを吐出するインクジェットヘッドである黒色用ヘッドの一例である。
ここで、インクジェットプリンタの分野においては、本例のように7色のインクを使用するのではなく、例えばYMCKの4色のインクのみを用いてカラー印刷を行う構成が広く用いられている。そして、この場合、Y、M、Cの3色のインクを組み合わせることで、様々な色を表現することが可能である。そのため、インクジェットプリンタでカラー印刷を行う場合、Y、M、Cの3色については、混色によりフルカラーの表現が可能になる基本色である1次色と考えることができる。また、本例においても、原理的には、インクジェットヘッド102y〜bにより吐出する6色のインクのうち、Y、M、Cの3色により、フルカラーの表現が可能である。そのため、本例においても、Y、M、Cの3色のインクについて、1次色のインクと考えることができる。また、この場合、1次色であるY、M、Cの3色のうちの2色を選んで混色させると、R、G、Bの3色を表現することができる。そのため、インクジェットヘッド102y〜bにより吐出する6色のインクのうち、R、G、Bの3色のインクについては、2種類の1次色の混色により得られる色である2次色のインクと考えることができる。また、原理的に、Y、M、Cの3色、又はR、G、Bの3色を混色させると、K色になる。そのため、本例において、インクジェットヘッド102kから吐出するインクの色について、3次色のインクと考えることができる。
また、このようなインクの分類を考慮して考えた場合、本例で用いるインクの色について、フルカラーの表現が可能な少なくとも3色の1次色と、少なくとも3色の2次色と、3次色とを含む7色以上の色と考えることができる。また、この場合、それぞれの2次色について、2種類の1次色を混色させた色と原理的に同じ色等と考えることができる。また、3次色について、3色の1次色を混色させた色と原理的に同じ色等と考えることができる。
また、本例において、インクジェットヘッド102y〜kでは、蒸発乾燥型のインクを用いる。この場合、蒸発乾燥型のインクとは、例えば、媒体50に定着させるためにインク中の溶媒を蒸発させるインクのことである。この場合、インクは、例えば、インクの色を発色する色材と、溶媒とを含む。この場合、溶媒とは、例えば、色材を分散又は溶解させる液体のことである。また、インクジェットヘッド102y〜kのそれぞれが吐出するインクは、色材以外が実質的に同じインクである。この場合、色材外が実質的に同じであるとは、例えば、色材の違いに応じた調整分等を除き、インクの組成が同じであることである。
また、蒸発乾燥型のインクとしては、例えば、各種の水性インク、ソルベントインク、又はソルベントUVインク等を用いることが考えられる。この場合、ソルベントUVインクとは、例えば、UVインクを溶剤で希釈したインクのことである。また、より具体的に、本例においては、インクとして、例えば、水性インクの一例である水性のラテックスインクを用いる。この場合、ラテックスインクとは、例えば、樹脂成分であるポリマー素材と溶媒とを含み、乾燥によりポリマー素材を媒体50に定着させるインクである。また、水性のラテックスインクを用いる場合、このポリマー素材は、例えば水性ポリマー素材である。また、このポリマー素材は、例えば、ゴム状のポリマー素材である。ラテックスインクを用いることにより、例えば、印刷により作成される印刷物において、耐候性を高めることができる。また、本例においては、更に、インク中の色材として、顔料を用いる。このように構成すれば、例えば、印刷物の耐候性をより適切に高めることができる。
プラテン14は、媒体50を支持する台状部材であり、ヘッド部12と対向する位置において上面に媒体50を載置することにより、媒体50を支持する。また、本例において、プラテン14は、内部にヒータ16を収容する。ヒータ16は、媒体50を加熱する加熱手段である。また、本例において、ヒータ16は、媒体50を挟んでヘッド部12と対向する位置で媒体50を加熱するプリントヒータである。また、印刷装置10の構成の変形例においては、プリントヒータ以外のヒータ等を更に備えてもよい。この場合、例えば、媒体50の搬送方向においてヘッド部12よりも上流側で媒体50を加熱するプレヒータや、搬送方向においてヘッド部12よりも下流側で媒体50を加熱するアフターヒータ等を用いることが考えられる。
ここで、本例のように蒸発乾燥型のインクを用いる場合、ヒータ16で媒体50を加熱することにより、インクをより短時間で乾燥させることができる。また、この場合、例えばインクの滲みを防止する観点等で考えると、より高い温度で加熱をしてより短時間でインクを乾燥させることが好ましい。しかし、この場合、媒体50の加熱温度を高くし過ぎると、ヘッド部12におけるインクジェットヘッドが熱の影響を受け、ノズル詰まり等が発生するおそれがある。そのため、ヒータ16の加熱温度については、滲みの発生を防止し得る範囲で、できるだけ低温に設定することが好ましい。
また、この点に関し、本例においては、後に更に詳しく説明をするように、7色のインクを用いて印刷を行うことで、インクの滲みが発生しにくい構成を実現している。そのため、ヒータ16により媒体50が加熱される温度については、例えば50℃以下にすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、ノズル詰まりの発生等を抑えつつ、媒体50を適切に加熱できる。また、媒体50が加熱される温度は、40℃以下(例えば、25〜40℃程度)にすることが好ましい。また、この場合、ヒータ16で行う加熱については、媒体50上のインクを積極的に加熱する意図での加熱ではなく、媒体50の温度を一定にすることで環境温度の影響を抑えるための加熱と考えることもできる。そのため、印刷を行う環境や、印刷に求められる品質によっては、ヒータ16による加熱を行わずに印刷を行ってもよい。
ガイドレール18は、主走査動作時のヘッド部12の移動をガイドするレール部材である。この場合、主走査動作時のヘッド部12の移動とは、例えば、ヘッド部12におけるインクジェットヘッド102y〜kの移動のことである。また、図示の便宜上、図1においては、インクジェットヘッド102y〜kを保持する部材であるキャリッジ等を省略して図示している。より具体的な構成において、ガイドレール18は、例えば、キャリッジ等の移動をガイドすることにより、ヘッド部12の移動をガイドしてもよい。
主走査駆動部20は、インクジェットヘッド102y〜kに主走査動作を行わせる駆動部である。この場合、インクジェットヘッド102y〜kに主走査動作を行わせるとは、例えば、主走査方向へインクジェットヘッド102y〜kを移動させつつ、印刷すべき画像を示す印刷データに基づいてインクジェットヘッド102y〜kのそれぞれにインクを吐出させることである。
副走査駆動部22は、インクジェットヘッド102y〜kに副走査動作を行わせる駆動部である。この場合、副走査動作とは、例えば、副走査方向へ媒体50に対して相対的に移動する動作のことである。また、本例において、副走査駆動部22は、副走査方向と平行な搬送方向へ媒体50を搬送することにより、インクジェットヘッド102y〜kに副走査動作を行わせる。また、この場合、主走査動作の合間に所定の送り量分だけ媒体50を搬送することにより、媒体50においてヘッド部12と対向する領域を順次変更する。また、副走査駆動部22は、例えば、図示を省略したローラ等を駆動することにより、媒体50を搬送する。
尚、印刷装置10においては、例えば、マルチパス方式での印刷を行うことが考えられる。この場合、マルチパス方式とは、例えば、媒体50の各位置に対して複数回の主走査動作を行うことで印刷を行う方式である。この場合、各回の副走査動作では、例えば、パス数に応じて決まる送り量だけ、媒体50を搬送する。パス数に応じて決まる送り量とは、例えば、インクジェットヘッド102y〜kのそれぞれにおけるノズル列の長さ(副走査方向における長さ)をパス数で除した幅に対応する送り量のことである。
また、制御部30は、例えば印刷装置10のCPUであり、印刷装置10の各部の動作を制御する。本例によれば、媒体50に対する印刷に動作を適切に行うことができる。
続いて、印刷装置10において用いる媒体50の特徴等について、更に詳しく説明する。上記においても説明をしたように、本例においては、例えば、化学繊維の布の媒体50に対して印刷を行う。この場合、化学繊維の布の媒体50とは、例えば、化学繊維が被印刷面に露出している媒体50のことである。また、化学繊維が被印刷面に露出しているとは、例えば、布の表面にフィルム等を貼り合わせることで化学繊維に直接インクが触れないようにする構成等ではなく、化学繊維に対してインクが直接接触する構成のことである。また、この場合、化学繊維としては、例えば、ポリエステルの繊維等のように、インクを吸収しない性質の繊維を用いることが考えられる。
ここで、このような化学繊維の布の媒体を用いる場合、他の構成の媒体を用いる場合と比べ、特に滲みが発生しやすいといえる。そのため、従来、インクジェットプリンタの技術分野において、このような媒体50に対して滲みを十分に抑えて印刷を行うことは、困難であると考えられていた。より具体的に、このような化学繊維の布の媒体50においては、インクを吸収しない繊維が複雑に絡み合う構成になっている。そして、この場合、媒体50へ着弾したインクは、繊維に沿って様々な方向へ広がりやすくなる。これに対し、インクを吸収しない性質の媒体を用いる場合でも、布ではなく、例えばフィルム状の媒体等を用いるのであれば、媒体上でのインクの広がり方は、被印刷面の面内で広がるのみにある。そのため、この場合、布の媒体と比べると、インクの広がり方が単純であり、滲みを抑えやすいといえる。また、布の媒体を用いる場合でも、例えば天然繊維の布の媒体等の場合、繊維がインクを吸収するため、化学繊維の布の媒体と比べると、インクが広がりにくいと考えられる。また、その結果、化学繊維の布の媒体と比べると、滲みを抑えやすいといえる。
そのため、滲みの発生のしやすさに着目した場合、例えばフィルム、天然繊維の布、化学繊維の布の各媒体を比較すると、化学繊維の布の媒体において特に滲みが発生しやすくなる。また、その結果、上記のように、化学繊維の布の媒体50に対し、滲みを十分に抑えて印刷を行うことは、困難であると考えられていた。これに対し、本願の発明者は、具体的な実験等により、上記において説明をした1次色、2次色、及び3次色を含む7色用のインクを用いることで、化学繊維の布の媒体50に対して印刷を行う場合にも適切に滲みを抑え得ることを見出した。この場合、滲みを適切に抑え得るとは、例えば、解像度や印刷速度を過度に低下させることなく、実用的なレベルの条件で印刷を行いつつ滲みを抑えることである。
また、より具体的に、インクジェットプリンタにおいて、極めて低い解像度で印刷を行うのであれば、滲みの問題は生じにくくなる。また、例えばマルチパス方式で印刷を行う場合において、パス数を極めて多くすれば、滲みの問題は生じにくくなる。しかし、このような場合、現実的な実用的なレベルの条件で印刷を行う構成とはいいがたい。そのため、滲みを適切に抑え得ることについては、例えば、パス数を12パス以下にして、600dpi以上の解像度での印刷を行う場合において、解像度に対して問題となる滲みが発生しないこと等と考えることができる。また、後に更に詳しく説明をするように、本願の発明者が行った実験では、本例の構成により、900dpi以上の解像度でも、問題となる滲みが発生しないことを確認した。また、パス数については、例えば8パス以下や4パス以下でも、実用レベルの印刷をし得ることを確認した。そのため、本例によれば、例えば、化学繊維の布の媒体に対し、高品質で高速な印刷をより適切に行うこと等も可能になる。
尚、滲みの問題を抑えるためには、例えば、媒体50を高温で加熱すること等も考えられる。しかし、この場合、上記においても説明をしたように、ノズル詰まり等の問題が発生しやすくなる。これに対し、本例によれば、例えば、媒体の加熱温度を50℃以下や40℃以下にした場合も、滲みの発生を抑えて、適切に印刷を行うことができる。また、滲みの問題を抑えるためには、例えば、滲み防止の前処理等を行った媒体50を用いること等も考えられる。しかし、この場合、媒体50のコストが大きく上昇するおそれがある。これに対し、本例によれば、滲み防止の前処理等を行っていない化学繊維の布の媒体50を用いる場合にも、滲みの発生を抑えて、適切に印刷を行うことができる。
続いて、本願の発明者が行った実験の結果等について、更に詳しく説明をする。図2及び図3は、本願の発明者らが行った実験の結果の一部を示す。尚、図2及び図3では、図示の便宜上、印刷の結果をグレースケール図面で示している。しかし、以下において説明をするように、実際の実験では、フルカラー印刷が可能な構成を用いて、カラー印刷を行っている。
図2は、化学繊維の布の媒体50としてタフタを用いて行った実験の結果を示す。この場合、タフタとは、例えば、長繊維の生糸で織られた平織の密な織物のことである。また、タフタについては、例えば、平織地に横畝のある薄い織物等と考えることもできる。また、例えば、艶があり、細い畝のある薄い織物等と考えることもできる。また、より具体的に、この実験では、ポリエステルの繊維で織られたタフタの生地を媒体50として用いた。
また、この実験では、印刷装置として、公知のインクジェットプリンタであるミマキエンジニアリング社製のJV400−130LX(登録商標)に対して使用するインクの色数や印刷動作の制御等に関する変更や調整等を行った印刷装置を用いた。また、インクとしては、日立マクセル社製の公知の顔料ラテックスインクを用いた。そして、印刷の解像度を900×900dpiとして、パス数を12(12パス)にしたマルチパス方式の動作で印刷を行った。また、印刷時において、加熱温度を30℃にしたヒータにより、媒体50の加熱を行った。
また、図中に示す印刷の結果のうち、4色系として示す結果は、CMYK(YMCK)の4色のインクのみを用いて印刷を行った結果である。また、4色系での印刷については、従来の構成に対応する印刷と考えることができる。また、7色系として示す結果は、図1を用いて上記において説明をした構成と同一又は同様にして、CMYKRGB(YMCRGBK)の7色のインクを用いて印刷を行った結果である。
また、印刷の内容としては、図中に示すように、各色のインクを吐出する濃度を様々に変化させながら、様々な色を示すチャートを印刷した。この場合、各色のインクを吐出する濃度とは、単面積に対して各色のインクを吐出する濃度のことである。また、この場合、解像度に応じて設定される全ての吐出位置へインクを吐出する濃度が100%の濃度に対応する。また、この場合、印刷の解像度と印刷の濃度との関係については、100%の濃度での印刷を行った場合に、隣接して形成されるインクのドットが適切に重なり合い、媒体50を塗りつぶすような関係になっている。
また、この実験では、予め設定した15種類の色について、4色系及び7色系のそれぞれの条件で印刷を行った。この15種類の色は、図中において、丸で囲んだ数字1〜15に対応する色である。また、この場合、4色系及び7色系のそれぞれの印刷結果において、同じ数字に対応する色は、原理的に、同じ色になっている。また、図中においても説明をしているように、この実験では、15種類のそれぞれの色について、濃度を10分の1ずつ減らしながら、様々な濃度で印刷を行っている。
図中に示した結果からわかるように、4色系での印刷を行った場合、一部の色を除き、激しいインクの滲みが発生している。そのため、この場合、実用レベルでの印刷を行うことは困難である。これに対し、7色系での印刷を行った場合、全ての色及び濃度について、問題になる滲みを発生させずに印刷ができている。そのため、この場合、実用レベルでの印刷が可能になっているといえる。すなわち、7色系での印刷を行うことにより、従来の4色系では激しい滲みが発生していた媒体50に対し、その他の条件を異ならせることなく、適切に印刷ができている。
ここで、本例のように、7色系での印刷を行う場合、4色系での印刷を行う場合と比べ、様々な色を表現する場合に単位面積あたりに吐出するインクの量を低減できる。また、その結果、例えば、化学繊維の布の媒体のように滲みが発生しやすい媒体50に対して蒸発乾燥型のインクを用いる場合にも、滲みの発生を適切に抑えることができると考えられる。7色系での印刷を行うことでインクの量を低減できることについては、後に更に詳しく説明をする。
また、この実験において用いたタフタの生地等の化学繊維の布は、上記においても説明をしたうように、インク等の水分を吸収しない。そのため、このような生地等を媒体50として用いた場合、印刷により作成される印刷物について、例えば屋外に設置したとしても、雨等の水を吸収することはない。また、その他の点でも、ポリエステルの繊維等の化学繊維の布は、高い耐候性を有している。そのため、本例によれば、7色系の印刷で化学繊維の布の媒体50へ印刷を行うことにより、例えば、屋外に設置される印刷物を容易かつ適切に作成することもできる。また、より具体的に、この場合、屋外に設置される印刷物として、例えば、広告用に用いるのぼり旗用の幕等を作成することが考えられる。
また、この場合において、上記において説明をしたように、色材として顔料を含むインクや、ラテックスインクを用いることで、媒体50に付着したインクについても、高い耐候性を実現することができる。そのため、本例によれば、例えば、のぼり旗用の幕等について、耐候性の高い印刷物をより適切に作成できる。また、ラテックスインクは、媒体50への定着時において、インク中の樹脂成分が凝集する効果等により、例えばソルベントインク等と比べ、溶媒の蒸発量が少ない段階でインクの粘度を高めることができる。また、これにより、例えば、インクの滲みをより適切に抑えることができる。そのため、この場合、例えばヒータによる媒体50の加熱温度を低くする場合や、ヒータを用いない場合等にも、より適切に印刷を行うことができる。より具体的に、図2に示した実験においては、環境温度の影響を抑えるための低い温度(30℃)での加熱のみをヒータで行っている。また、印刷の条件を少し変更して、ヒータの温度を高める場合にも、媒体50の加熱温度について、例えば50℃未満、好ましくは40℃未満にすることが考えられる。そのため、本例によれば、例えば、ノズル詰まりの発生等を抑えつつ、インクの滲みを適切に抑えることができる。
また、本例においては、上記のように顔料を含むラテックスインクを用いることにより、例えば色材として染料を含むインクを用いる場合等と異なり、発色助剤を使用することや、印刷後にインクを発色させる発色処理(スチーミング等)を行う必要がない。そのため、本例によれば、例えば、化学繊維の布の媒体50に対し、フルカラーの印刷をより容易かつ適切に行うことができる。また、これにより、例えば、デザイン性の高いのぼり旗用の幕等をより容易かつ適切に作成できる。
また、化学繊維の布の媒体50としては、ポリエステル繊維のタフタ以外の媒体50を用いることも考えられる。図3は、化学繊維の布の媒体50としてトロピカルを用いて行った実験の結果を示す。この場合、トロピカルとは、ドライ感のある梳毛の織物のことである。また、より具体的に、この実験では、ポリエステルの繊維で織られたトロピカルの生地を媒体50として用いた。
また、実験を実施した日時の違い等により、この実験では、図2に結果を示した実験での印刷時と印刷の条件を一部異ならせている。より具体的に、図3に結果を示す実験では、パス数を8(8パス)にしたマルチパス方式の動作で印刷を行った。また、媒体50へ印刷する画像としては、図2のような一定のパターンのみではなく、図中に示すような静物画風の内容を含む画像を用いた。また、それ以外の条件は図2を用いて説明をした実験と同一又は同様にして、4色系及び7色系のそれぞれの印刷を行った。
そして、この場合、4色系での印刷結果において、色を表現するために混色させるインクの濃度の合計が200%になる2次色の部分において、滲みが発生した。そのため、この場合も、十分に滲みを抑えた高い品質の印刷を4色系の構成で行うことが困難であることが確認できた。
これに対し、7色系の場合、R、G、Bの各色のような2次色の部分についても、滲みを適切に抑えることができている。これは、7色のインクを用いることにより、2次色の部分についても、インクの濃度の合計が100%以下になっているためであると考えられる。また、これらの結果から、媒体50としてポリエステルのトロピカルを用いる場合にも、本例の構成により適切に印刷を行えることがわかる。
尚、上記においては、説明の便宜上、主に、ポリエステルのタフタやトロピカルを用いる場合について、実験の結果等を説明した。しかし、本願の発明者らは、上記において説明をした実験以外にも、様々な化学繊維の布の媒体50や、印刷の条件を用いて、4色系と7色系との間での印刷結果の比較を行った。そして、4色系で実用的な品質及び印刷速度では適切に印刷を行うことが難しい場合でも、7色系の構成を用いることで滲みの発生を劇的に低減させ、実用的な品質と印刷速度とを両立し得ることを見出した。また、これらの様々な実験により、インクジェットプリンタの具体的な用途に関し、従来の4色系の構成では難しいと考えられていた用途を適切に実現し得ることを見出した。また、このような用途として、例えば、商業的な意義が極めて大きなのぼり旗用の幕の作成等を具体的に実現できることを見出した。
続いて、7色系で印刷を行うことに関する補足説明等を行う。上記においても説明をしたように、色材として顔料を含むインク(顔料インク)等を用い、シリアル方式で印刷を行う構成としては、従来から、YMCKの4色のインクを用いる方式(以下、4色分版方式という)での印刷が広く行われている。また、この場合、YMCKの各色用のインクジェットヘッドは、通常、主走査方向へ一列に並べて配設される。
これに対し、本例においては、YMCKにRGBの3色を加えた7色のインクを用いる方式(7色分版方式という)での印刷を行う。また、これにより、ポリエステル等の化学繊維の布の媒体に対する実用的な印刷を実現している。また、この場合、7色のインクを用いることで、4色分版方式で印刷を行う場合よりも高い色再現性で高精彩な印刷を行うこと等も可能になる。そこで、先ず、この点について、更に詳しく説明をする。
図4は、4色分版方式での色再現性について説明をする図である。図4(a)は、4色分版方式での色再現性の原理について説明をする図であり、Y色のインクとM色のインクとを混ぜてR色を表現する場合について、現実のインクとは異なる理想的なインクを用いた場合の色再現性の一例を示す。図4(b)は、Y色のインクとM色のインクとを混ぜてR色を表現する場合について、現実のインクを用いた場合の色再現性の一例を示す。
4色分版方式において、理想的なインクを用いる場合、Y、M、Cの各色のインクは、各色に対応する一定の範囲で光を完全に反射し、他の範囲で光を完全に吸収することになる。そのため、理想的に考えた場合、各々の基本色を1とすると、例えば赤Rの最大濃度色1×Rは、Y色とM色との和として、次の式(1)で表される。
1R=1Y+1M(+0C) 式(1)
そして、この場合、図4(a)にモデル化して示すように、R、G、Bからなる3つの光成分のうち、全率1(100%)のY色のインクと全率1(100%)のM色のインクとの混色により、GとBの光成分はインクに全て吸収されて1R成分だけが残ることになる。また、その結果、上記の式が成立して、純粋な赤色(R)として視認されることになる。
しかし、現実のインクにおいて、例えば顔料等の色材(Y、M、Cの各色の色材)は、例えば図4(b)に示すように、理想の吸収や反射成分以外に、不要な部分にも反射や吸収成分を有する。そのため、4色分版方式でY色のインクとM色のインクとを混色した赤の実際の再現色R’は次の式(2)で示すようになる。
R’=aY+bM(+θC)≠1R a、b、θは1以下の正数 式(2)
そして、この場合、Y、M成分が1にならずに減色することや、理想インクでは含まれていないC成分の発生等による濁りが生じることになる。また、同様な現象(2次色の色が濁る現象)は、Y+C(=G)、C+M(=B)の混色時にも生じる。
これに対し、本例のように7色分版方式で印刷を行う場合、R、G、Bの各色について、他の色のインクを混色せずに表現することができる。また、これにより、例えば、4色分版方式で印刷を行う場合よりも高い色再現性で高精彩な印刷を行うこと等が可能になる。
続いて、7色分版方式での印刷を行うことでインクの量を低減できることについて、4色分版方式と比較して説明をする。上記の式(1)において示したように、4色分版方式では、例えば、100%のY色のインクと100%のR色のインクとを同じ位置へ吐出することにより、インクの量の合計を200%にして、R色を表現する。また、他の2次色であるG色及びB色の表現時にも、同様に、インクの量の合計を200%にして、各色を表現する。そのため、4色分版方式で印刷をする場合において、2次色(R、G、Bの各色)を表現するためのインクの着弾量(単位面積あたりの着弾量)は、1次色の表現時に比べて2倍の量になる。また、その結果、2次色を表現する部分において、インクの使用量が多くなり、滲みが発生しやすくなる。また、その結果、例えば化学繊維の布の媒体を用いる場合において、実用レベルの印刷を行うことが困難になる。
この点に関し、例えば2次色や3次色の表現時には、Y、M,Cの各色のインクの量に制限(リミット)をかけること等も考えられる。また、この場合、例えば、媒体における各位置のインクの量の合計が150〜180%程度を越えないように調整すること等が考えられる。しかし、このような調整を行った場合、表現される2次色が薄い色になり、高精彩な印刷を行うことが難しくなる。また、このような調整を行ったとしても、2次色の表現時には、1次色の表現時のインクの量(100%)よりも多くのインクが使用されることになる。そのため、例えば化学繊維の布の媒体を用いる場合には、このような方法で十分に滲みを抑えることは、困難である。
また、インクが滲む範囲(滲みの距離)は、通常、インクの粘度の1/2乗に反比例する。そのため、インクの滲みを抑えるためには、例えば、高粘度のインクを用いること等も考えられる。また、この点に関し、インクジェット方式ではなく、例えばオフセット印刷方式で印刷を行う場合には、例えば、数万〜十万mPa・secの高粘度のインクが使用されている。
しかし、インクジェット方式では、原理上、このような高粘度インクは吐出できない。そのため、粘度の上限は、高くても数十mPa・sec以下に選ぶ必要がある。また、近年求められているような高解像度(例えば600dpi以上)の印刷に用いるインクジェットヘッドの場合、インクの上限粘度は更に低くなり、例えば、十数〜数mPa・sec以下に制限する必要がある。そのため、上記においても説明をしたように、例えば化学繊維の布の媒体を用いる場合において、4色分版方式で適切に印刷を行うと、滲みの問題が大きくなり、適切に印刷を行うことは困難である。
これに対し、本例においては、上記のように、R、G、Bの各色のインクを更に用いることで、2次色を表現する場合にも、最大のインクの量を1次色の表現時と同じ量(100%)に抑えることができる。また、これにより、例えば化学繊維の布の媒体を用いる場合において、2次色を表現する位置等に滲みが発生すること等を適切に防ぐことができる。そのため、本例によれば、上記においても説明をしたように、化学繊維の布の媒体に対し、高精細な印刷を適切に行うことができる。
また、7色分版方式で印刷を行う場合において、インクの滲みをより確実に抑えるためには、インクジェットヘッドの並べ方等について、図1に示した構成と異ならせること等も考えられる。図5は、ヘッド部12の構成の変形例について説明をする図である。尚、以下に説明をする点を除き、図5において、図1〜4と同じ符号を付した構成は、図1〜4における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。
図5(a)は、ヘッド部12の構成の変形例を示す。インクジェット方式で印刷を行う場合において、インクの滲みを防ぐためには、例えば、同じ回の主走査動作(パス)で同じ位置へ吐出するインクの量(同時に同じ位置へ吐出するインクの量)を少なくすることが望ましい。そして、この場合、例えば、ヘッド部12におけるインクジェットヘッドの配置に関し、同じ位置へインクを吐出する可能性があるインクジェットヘッドについて、副走査方向における位置をずらして配設することが考えられる。
より具体的に、図示した構成の場合、1次色であるY、M、Cの各色用のインクジェットヘッド102c〜yを主走査方向(Y方向、Y軸上)へ一列に配設し、インクジェットヘッド102c〜yと副走査方向(X方向)の位置をずらして、2次色であるR、G、Bの各色用のインクジェットヘッド102r〜bを主走査方向へ一列に配設している。また、3次色であるK色用のインクジェットヘッド102kについて、インクジェットヘッド102c〜y及びインクジェットヘッド102r〜gと副走査方向の位置をずらして配設している。また、図5(b)においては、これらのインクジェットヘッドに加え、特色用のインクジェットヘッド102sを更に用い、インクジェットヘッド102sについて、インクジェットヘッド102kと主走査方向へ並べて配設している。この場合、特色とは、例えば、7色分版で用いる基本色(YMCRGBKの各色)以外の色のことである。特色のインクとしては、例えば、白色やオレンジ色のインク等を用いること等が考えられる。
このように構成した場合、例えば全てのインクジェットヘッドを主走査方向へ一列に配設する場合と比べ、同じ回の主走査動作で同じ位置へインクを吐出するインクジェットヘッドの数を適切に低減することができる。また、この場合、例えば、副走査方向における位置がずれているインクジェットヘッドの間では、媒体上の同じ位置へインクを吐出する場合にも、一方のインクジェットヘッドにより媒体上に吐出されたインク(前色のインク)の溶媒がある程度乾燥した後に、次の色のインクをその位置へ着弾させることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクの滲みをより適切に防ぐことができる。
尚、このようにインクジェットヘッドを並べた場合、インクジェットヘッド102y〜cの並びについて、1次色ヘッド列と考えることができる。また、インクジェットヘッド102r〜bの並びについて、2次色ヘッド列と考えることができる。また、インクジェットヘッド102k及びインクジェットヘッド102sについて、3次色及び特色のヘッド列と考えることができる。
また、このようなヘッド配置のヘッド部12の場合、例えば主走査方向への往復の主走査動作(双方向プリント)を行う場合等において、色再現性を更に高めること等も可能になる。より具体的に、例えば、全てのインクジェットヘッドを主走査方向へ並べて配設した場合、印刷に使用する各色のインクについて、媒体に到達する色の順番は、主走査動作時のヘッド部12の移動の向き応じて決まることになる。そのため、例えば双方向プリントを行う場合、往路と復路との間で、媒体に到達する色の順番は、反対になる。そして、この場合、複数のインクを混色させて表現する中間色について、主走査動作の往路と復路との間で、色再現性に差が生じるおそれがある。
これに対し、7色分版方式で印刷を行う場合、1次色の各色の中間色である2次色のインクを用いているため、1次色のインクの間で混色をさせることは、通常、必要ない。また、同様に、2次色のインクの間で混色をさせることも、通常、必要ない。また、図5(a)に示す構成の場合、1次色、2次色、及び3次色のそれぞれ用のインクジェットヘッドについて、副走査方向における位置をずらして配設している。そして、この場合、同じ回の主走査動作において、原理上、同じ位置へ複数色のインクを重ねて吐出ことは不要になる。そのため、このように構成すれば、例えば、双方向プリントを行う場合にも、主走査動作の往路と復路との間で色再現性に差が生じること等を適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、高精細な印刷をより適切に行うことができる。
尚、上記においても説明をしたように、ポリエステル繊維のタフタ等に対して現実的な印刷速度及び印刷品質で印刷を行う場合、図1(b)に示すような構成のヘッド部12を用いたとしても、適切に印刷を行うことができる。そのため、図5(a)に示した構成については、例えば、より高い精度での印刷や、より高速な印刷を行う場合により適した構成等と考えることができる。
また、より確実に滲みの発生を抑えることを考えた場合、ヘッド部12や印刷装置10の構成について、更に変形を行うこと等も考えられる。また、この場合、例えば、各インクジェットヘッドで使用するインクについて、より短時間で乾燥させることが可能なインクを用いること等が考えられる。
図5(b)は、ヘッド部12の構成の更なる変形例を示す図であり、エネルギー線の照射に応じて短時間で乾燥するインク(瞬間乾燥インク)を各インクジェットヘッドで用いる場合のヘッド部12の構成の一例を示す。このようなインクは、例えば、エネルギー線の吸収により熱を発生するエネルギー吸収剤を含むインクである。この場合、例えば、所定の波長のエネルギー線を照射することにより、インク自体を発熱させ、短時間でインクを乾燥させることができる。
また、このような構成として、より具体的には、例えば、エネルギー線として紫外線を用いることが考えられる。この場合、紫外線吸収剤を含むインク(UV瞬間乾燥インク)を用い、紫外線の照射によりインクを乾燥させる。また、この場合、例えば図5(b)に示すように、ヘッド部12は、複数の紫外線照射部104を更に有する。複数の紫外線照射部104のそれぞれは、インクジェットヘッドの列(ヘッド列)のそれぞれに対し、主走査方向の一方側及び他方側に配設される。
このように構成すれば、例えば、各回の主走査動作時に、媒体への着弾の直後に紫外線を照射して、インクを瞬間的に乾燥させることができる。また、これにより、インクの滲みをより確実に抑えることができる。
尚、この構成において、紫外線照射部104としては、例えばUVLED等を好適に用いることができる。また、この場合、このようなヘッド部12を用いて行う印刷の動作について、UV瞬間乾燥方式等と考えることができる。また、ヘッド部12や印刷装置10の更なる変形例においては、例えば、紫外線以外のエネルギー線(例えば、赤外線等)を用いること等も考えられる。
ここで、図5に示したような構成のヘッド部12を用いる場合、例えば図1(b)に示した構成のヘッド部12等を用いる場合と比べ、副走査方向におけるヘッド部12の幅が大きくなる。そのため、この場合、副走査方向におけるヘッド部12の幅を考慮して、印刷装置10の構成を変形すること等も考えられる。
図6は、印刷装置10の構成の変形例を示す図であり、複数のガイドレール18a、bを用いる場合の印刷装置10の構成の一例を示す。尚、以下に説明をする点を除き、図6において、図1〜5と同じ符号を付した構成は、図1〜5における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。
この場合、複数のガイドレール18a、bは、副走査方向における位置をずらして配設され、それぞれの位置において、主走査動作時のヘッド部12の移動をガイドする。このように構成すれば、例えば、副走査方向におけるヘッド部12の幅が大きくなった場合等にも、ヘッド部12の移動をより高い精度で適切にガイドできる。
尚、図示した構成においては、ガイドレール18a、bのうち、一方のガイドレール18aを主動軸として用い、他方のガイドレール18bを従動軸として用いる。この場合、主動軸とは、例えば、ヘッド部12の移動の動力を与えつつヘッド部12の移動をガイドする軸部材のことである。また、従動軸とは、例えば、主動軸の駆動に応じて移動するヘッド部12の移動をガイドする軸部材のことである。また、複数のガイドレール18a、bを用いる構成は、例えば図1(b)に示した構成のヘッド部12と共に用いてもよい。この場合も、主走査動作時のヘッド部12の移動をより高い精度でガイドすることができる。
続いて、使用するインクの色数を更に増やした変形例について、説明をする。上記においては、主に、7色のインクを用いて印刷を行う7色分版方式の構成について、説明をした。しかし、単位面積に対して吐出するインクの量を更に少なくするためには、例えば、より多くの色のインクを用いること等も考えられる。また、より具体的に、この場合、例えば、1次色と2次色との間の色である2.5次色のインクを更に用いること等が考えられる。
図7は、2.5次色のインクを更に用いる場合の変形例について説明をする図である。図7(a)は、本変形例において使用するインクの色をモデル化して色相関係を示す図である。本変形例においては、1次色(Y、M、Cの各色)のインク及び2次色(R、G、Bの各色)のインクに加え、以下において説明をする2.5次色のインクを使用する。また、この場合において、使用するインク間の色と容量(体積)の関係を、以下において説明をするように厳密に設定する。
より具体的に、この場合、1次色として、色材の3原色であるY、M、Cの各色を用いる。また、2次色について、4色分版方式の場合のように2つの1次色を等量混色することにより得られる混合2次色を用いるのではなく、7色分版方式の場合と同様に、R、G、Bの各色を直接用いる。この場合、R、G、Bの中の各色(1つの色)に着目して、その高次の2次色を表現するために必要なインクの量を考えた場合、必要な2次色インクの量は、低次の1次色のインクの色を表現する場合と同一になる。また、この場合、1次色の混色により2次色を表現する場合のインクの量(1次色混色総インク量)と比べると、略1/2になる。
尚、上記においても説明をしたように、1次色と2次色との関係において、R色は、Y色とM色とのほぼ中間の色相の色である。そのため、混色で2次色を表現する場合、R色は、Y色とM色との1対1の混色で得られる。また、B色は、M色とC色とのほぼ中間の色相の色である。そのため、混色で2次色を表現する場合、B色は、M色とC色との1対1の混色で得られる。また、G色は、C色とY色とのほぼ中間の色相の色である。そのため、混色で2次色を表現する場合、G色は、C色とY色との1対1の混色で得られる。
また、この場合、1次色と2次色との上記の混色の関係に従って1次色及び2次色の各色を並べると、例えば図7(a)中の1次色及び2次色の各色のように、混色により各2次色を表現可能な2つの1次色の間にその2次色が挟まれるように各色を並べることができる。そして、この場合、図中で最も近い位置に並ぶ1次色と2次色との1対1の混色で得られる色について、2.5次色と考えることができる。
例えば、図7(a)においては、YMCRGBの各色以外の色が、2.5次色になる。そして、これらのうち、YR色は、Y色とR色とのほぼ中間の色相の色である。そして、2.5次色を1次色と2次色との混色で表現する場合、YR色は、Y色とR色との1対1の混色で得られる。また、同様に、RM色は、R色とM色とのほぼ中間の色相の色である。そして、2.5次色を1次色と2次色との混色で表現する場合、RM色は、R色とM色との1対1の混色で得られる。MB色は、M色とB色とのほぼ中間の色相の色である。そして、2.5次色を1次色と2次色との混色で表現する場合、MB色は、M色とB色との1対1の混色で得られる。BC色は、B色とC色とのほぼ中間の色相の色である。そして、2.5次色を1次色と2次色との混色で表現する場合、BC色は、B色とC色との1対1の混色で得られる。CG色は、C色とG色とのほぼ中間の色相の色である。そして、2.5次色を1次色と2次色との混色で表現する場合、CG色は、C色とG色との1対1の混色で得られる。GY色は、G色とY色とのほぼ中間の色相の色である。そして、2.5次色を1次色と2次色との混色で表現する場合、GY色は、G色とY色との1対1の混色で得られる。
そして、本変形例においては、2.5次色についても、混色で表現するのではなく、2.5次色のインクを用いて、直接表現する。また、この場合において、混色により2.5次色を表現する場合に混色するそれぞれの低次色の最大インク量を1(100%)として、高次の2.5次色のインクを直接用いて2.5次色を表現する場合のインク量について、低次のインク量にほぼ等しく、混色により2.5次色を表現する場合に必要となるインク総量の略1/2となるように設定する。
ここで、現実のインクにおいて、例えば互いに異なる色の第1の色のインク(インクA)と第2の色のインク(インクB)とを等量で混ぜて第3の色のインク(インクC)を作成する場合、インクA及びインクBの混合による再現される等量のインクCの容量及び印刷の濃度には、
A+B≒C
の関係がそれぞれ成立する。
そして、この場合において、上記において説明をした関係での低次のインクを混色するインクA、Bと考えると、2.5次色のインクを直接用いることにより、混合するインクの一方とほぼ等量のインク容量で2色の混合インクとほぼ同じ色濃度が得られることになる。すなわち、この場合、混合するインクの一方とほぼ等量のインク容量で2色の混合インクとほぼ同じ色濃度が得られるインクを、2.5次色等の高次のインクとして用いる。尚、このようなインクの量と濃度との関係は、1次色と2次色との間でも同様である。また、図1〜6を説明した場合のように、7色分版方式で印刷を行う場合も同様である。また、本変形例においても、3次色のインクとして、K色のインクを用いる。また、この場合、K色については、例えば、Y色、M色、及びC色を1対1対1で混色することで得られる無彩色の色と考えることもできる。
また、本変形例において、ヘッド部12における複数のインクジェットヘッドについては、色の次数毎に別の列に配設することが考えられる。図7(b)は、本変形例におけるヘッド部12の構成の一例を示す。
この場合、1次色であるY、M、Cの各色用のインクジェットヘッド102c〜yを主走査方向へ一列に配設し、インクジェットヘッド102c〜yと副走査方向(X方向)の位置をずらして、2次色であるR、G、Bの各色用のインクジェットヘッド102r〜bを主走査方向へ一列に配設している。また、2.5次色用の6個のインクジェットヘッドについては、複数の列に分けて、2.5次色用のインクジェットヘッドの列に並べて配設している。また、3次色であるK色用のインクジェットヘッド102k及び特色用のインクジェットヘッド102sについて、1次色、2次色、及び2,5次色用のインクジェットヘッドと副走査方向の位置をずらして配設している。
このように構成すれば、1次色、2次色、2.5次色、及び3次色のそれぞれのインクジェットヘッドについて、他の次数のインクジェットヘッドが同じ回の主走査動作で同じ位置へインクを吐出することがないように、副走査方向における位置をずらして配設することができる。また、これにより、例えば、各回の主走査動作時に同じ位置へ吐出されるインクの量を適切に低減できる。そのため、本変形例によれば、例えば、インクの滲みをより適切に抑えることができる。
尚、図7(b)においては、図5(b)を用いて説明をした場合と同様に、UV瞬間乾燥インクを用いる場合のヘッド部12の構成の例を図示している。また、図示の簡略化のため、紫外線照射部104について、ヘッド部12における主走査方向の一方側のみに紫外線照射部104を配設した構成を図示している。ヘッド部12の構成の更なる変形例においては、主走査方向における両側に紫外線照射部104を配設してもよい。また、瞬間乾燥インク以外の通常の蒸発乾燥型のインクを用い、紫外線等の照射を行わずにインクを乾燥させるインクを用いる場合等には、紫外線照射部104を省略することが考えられる。
続いて、2.5次色のインクを更に用いる場合について、媒体の各位置に同じ回の主走査動作で吐出されるインクの最大量(最大着弾インク量)等に関し、更に具体的に説明をする。上記において説明をした各構成のように、2つの低次の色(例えば一次色)インクを1つの高次の色(例えば2次色や2.5次色)のインクに置換して使用する場合、その効果を最大化するには、複数の低次のインクと、置換する高次のインクとの間で、印刷される濃度(プリント濃度)とインク量との関係を正しく設定する必要がある。
より具体的には、例えば、使用するインクの色濃度と、最大着弾インク量との関係について、以下の(a)〜(c)のように設定することが好ましい。
(a)2次色
Vr(max)=1Vy+1Vm=1Vr
Vg(max)=1Vc+1Vy=1Vg
Vb(max)=1Vc+1Vm=1Vb
(b)2.5次色
Vbc(max)=1Vb+1Vc=1Vbc
Vmb(max)=1Vm+1Vb=1Vmb
Vrm(max)=1Vr+1Vm=1Vrm
Vcg(max)=1Vc+1Vg=1Vcg
Vgy(max)=1Vg+1Vy=1Vgy
Vyr(max)=1Vy+1Vr=1Vyr
(c)3次色
Vk(max)=1Vc+1Vm+1Vc=1Vk
尚、これらの関係において、Vr(max)等は、ベタ印刷(100%プリント)時の各色の最大インク量V(max)について、各色を示す文字と共に示したものである。また、上記の関係については、例えば、等量混色する2色の低次のインクの1方のインクの量と高次のインクの量とが等しい関係と考えることができる。
また、このような関係が好ましい理由は、例えば、インクジェットヘッドで吐出可能なインクの最大粘度が20mPa・sec程度以下と低いために、紫外線硬化型インク(UVインク)のように着弾後の瞬間的に硬化(固体化)できるインクではなく、滲みが発生しやすい蒸発乾燥型のインクを用いるためには、インクが乾燥して定着するまでに発生する滲みを低減するために、インクの量を少なくする必要があるためである。これに対し、上記のような関係になるインクを用いる場合、例えば1次色及び2次色に着目すると、混色により2次色を表現する場合に混色するY、M、Cのいずれかの2つの1次色インクと、そのような2次色のインクに替えて用いる2次色インクとの関係について、そのほとんどが低粘度液体である2次色のインク量が混色する2色の1次色の和の1/2となるようにインク特性を設定することになる。また、2次色を超える高次の色についても、混色する1色のインク量と略同一にする。より具体的には、例えば、3つの1次色を混色した色に対応する3次色や、2次色と1次色とを混色した色に対応する2.5次色等の多次色のインクについて、最大のインク量が増えないインクを使用する。
また、この場合、例えば4色分版方式で使用する1次色(Y、M、C)、3次色(K)、そして7色分版方式で使用する1次色(Y、M、C)、2次色(R、G、B)、3次色(K)、また、2.5次色も含めた13色で印刷を行う13色分版方式で使用する1次色(Y、M、C)、2次色(R、G、B)、2.5次色(YR等)、3次色(K)の関係は、略以下のように、最大インク量V(max)=1V=1Dと、最大濃度D(max)=1Dが調整されている各インクを用いることになる。
また、この場合、ベタ印刷(100%プリント)を行った場合の各色の最大インク濃度D(max)の関係は、以下(a)〜(c)のように、等量混色する2色の低次のインクの1方のインクの濃度と高次のインクの濃度が等しい関係になる。
(a)2次色
Dr(max)=1Dy+1Dm=1Dr
Dg(max)=1Dc+1Dy=1Dg
Db(max)=1Dc+1Dm=1Db
(b)2.5次色
Dbc(max)=1Db+1Dc=1Dbc
Dmb(max)=1Dm+1Db=1Dmb
Drm(max)=1Dr+1Dm=1Drm
Dcg(max)=1Dc+1Dg=1Dcg
Dgy(max)=1Dg+1Dy=1Dgy
Dyr(max)=1Dy+1Dr=1Dyr
(c)3次色
Dk(max)=1Dc+1Dm+1Dc=1Dk
また、この場合、比率αで印刷を行う場合(1αだけ印刷する場合)の各色の最大インク量V(max)については、以下に示す(a)〜(c)の関係のように、等量混色する2色の低次のインクの1方のインクの容量と、高次のインクの容量とを等しくする。また、以下に示す関係は、例えば、1以下の比率αで印刷を行った場合のインクの濃度とインクの量(体積)との関係等と考えることもできる。
(a)2次色
αVr(max)=αVy+αVm=αVr
αVg(max)=αVc+αVy=αVg
αVb(max)=αVc+αVm=αVb
(b)2.5次色
αVbc(max)=αVb+αVc=αVbc
αVmb(max)=αVm+αVb=αVmb
αVrm(max)=αVr+αVm=αVym
αVcg(max)=αVc+αVg=αVcg
αVgy(max)=αVg+αVy=αVgy
αVyr(max)=αVy+αVr=αVyr
(3)3次色
αVk(max)=αVc+αVm+αVc=αVk
また、この場合、比率αで印刷を行う場合の濃度D(max)については、以下に示す(a)〜(c)の関係のように、等量混色する2色の低次のインクの1方のインクの濃度と高次のインクの濃度が等しくなる。
(a)2次色
αDr(max)=αDy+αDm=αDr
αDg(max)=αDc+αDy=αDg
αDb(max)=αDc+αDm=αDb
(b)2.5次色
αDbc(max)=αDb+αDc=αDbc
αDmb(max)=αDm+αDb=αDmb
αDrm(max)=αDr+αDm=αDrm
αDcg(max)=αDc+αDg=αDcg
αDgy(max)=αDg+αDy=αDgy
αDyr(max)=αDy+αDr=αDyr
(c)3次色
αDk(max)=αDc+αDm+αDc=αDk
続いて、7色分版方式や13色分版方式により滲みを抑えることが可能な理由等について、更に詳しく説明をする。図8は、様々な色を表現するために必要なインクの合計量について説明をする図である。図8(a)は、フルカラー印刷時に表現可能な色の例を示す図であり、図中に例A〜Eとして示した互いに異なる色について、Y、M、Cの3原色のインクのみを用いて印刷を行う3色分版方式での印刷時に必要となるインクの量を示す。図中において、Y、M、Cの各色のインクの量については、単位面積に対して吐出するインクの量を体積%で示している。
図8(b)は、印刷に使用する色数やインクジェットヘッドの配置を様々に異ならせた場合について、図8(a)に示した例A〜Eの各色を表現するために必要な各色のインクの量と、各回の主走査動作時に同じ位置へ吐出されるインクの合計量とを示す。また、より具体的に、図8(b)においては、例A〜Eの各色について、3色分版方式、4色分版方式、7色分版方式、及び13色分版方式で印刷を行う場合に必要となる各色のインクの量と、各色のインクの量と、各回の主走査動作時に同じ位置へ吐出されるインクの合計量とを示す。また、インクの合計量については、インクジェットヘッドを一列配置で配設した場合と、色群別順次配置で配設した場合とのそれぞれの合計量を示す。
また、この場合、一列配置とは、全てのインクジェットヘッドを主走査方向へ一列に並べて配設する構成のことである。また、色群別順次配置とは、インクジェットヘッドを色群別に分け、同じ色群のインクジェットヘッドのみを主走査方向へ一列に並べ、異なる色群のインクジェットヘッドについて副走査方向における位置をずらして配設する構成のことである。また、この場合、同じ色群のインクジェットヘッドのみを主走査方向へ一列に並べるとは、必ずしも同じ色群の全てのインクジェットヘッドを一列に並べる場合に限らず、同じ色群のインクジェットヘッドを複数の列に分けて並べてもよい。
また、より具体的に、3色分版方式及び4色分版方式の場合、色群別順次配置とは、異なる色用のインクジェットヘッドを主走査方向へ並べず、色毎に副走査方向における位置をずらして各色用のインクジェットヘッドを並べる構成である。また、7色分版方式及び13色分版方式の場合、色群別順次配置とは、例えば図5や図7等を用いて説明をした構成のように、複数のインクジェットヘッドについて、色の次数毎に別の列に配設することである。また、この場合、13色分版方式における2.5次色のインクジェットヘッドのように、同じ次数のインクジェットヘッドが多い場合には、図7に示した構成のように、複数の列に分けて並べてもよい。
図8(b)に示した結果からわかるように、例えば4色分版方式と7色分版方式とを比較した場合、使用するインクの種類を増やして7色分版化するのみで、インクの合計量について、最大で1/2に減らすことができる。より具体的には、例えば、4色分版方式でY、M、Cのうちの2色のインクの量が100%になり、合計量が200%になる場合について、7色分版方式でのインクの合計量を100%にまで減らすことができる。
また、図中に示すように、インクの合計量を減らすためには、色群別順次配置を採用することも有効である。より具体的に、例A〜Eの色を表現する場合、例えば4色分版方式で一列配置を採用した場合、1次色であるY、M、Cの各色について、同じ回の主走査動作で同じ位置に対し、最大で3色全てのインクが吐出されることになる。これに対し、例えば7色分版方式や13色分版方式で印刷を行う場合、低次の複数色のインクの組み合わせで表現できる高次の色について、複数色のインクを用いるのではなく、高次のインクに置き替えて色を表現する。そのため、この場合、同じ次数の色(1次色同士、2次色同士、及び2.5次色同士)のインクについて、同じ回の主走査動作で同じ位置に2色以上のインクが吐出されることはない。
そして、7色分版方式や13色分版方式での色群別順次配置では、このような性質を利用して、インクジェットヘッドの配置を決定している。すなわち、上記のように、同じ次数の色のインクについて、同じ回の主走査動作で同じ位置に2色以上のインクが吐出されることはないため、主走査動作時に同じ領域を通過するように主走査方向へ並べて(同一Y軸上に)配置したとしても、同じ回の主走査動作で同じ位置に吐出されるインクの合計量が増えることはない。そのため、7色分版方式や13色分版方式で印刷を行う場合、色群別順次配置を採用することで、一列配置を採用する場合と比べ、同じ回の主走査動作で同じ位置に吐出されるインクの合計量をより少なくすることができる。また、これにより、例えば、滲みの発生をより確実に抑えることができる。また、この場合、滲みがより発生しにくくなるため、例えば、より高速な印刷を行うこと等も可能になる。また、例えば、より高い解像度でより高精彩な印刷を行うこと等も可能になる。
尚、インクの滲みを適切に抑えるためには、印刷に使用する低次の色のインクと、高次の色のインクとに関し、色濃度と最大着弾インク量との関係について、上記の各数式を用いて説明をした関係を満たすように設定することが好ましい。また、本願の発明者らは、様々な実験等により、インクの滲みを適切に抑えるためには、低次の色、及び高次の色に関し、同じ回の主走査動作で同じ位置へ吐出されるインクの量について、実用上、概ね100±20%以内にすることで、顕著な効果が得られることを見出した。そして、図8(b)に示した結果等からわかるように、7色分版方式を用いる場合、通常のフルカラー画像であれば、実質的に全ての色について、必要なインクの合計量を100%以下にして再現することができる。そのため、7色分版方式で印刷を行うことにより、滲みの防止について顕著な効果を得ることができる。また、この場合、13分版方式で印刷を行う場合にも、より多くの色数のインクを用いることで、滲みの発生をより適切に抑えることができる
また、より具体的に、本願の発明者らは、実験等により、水性のラテックスインクを用い、媒体50を加熱するヒータの加熱温度を40℃程度にした場合について、インクジェットヘッドを一列配置にした7色分版方式で印刷を行うことで、例えば、印刷のパス数を8パス程度にする現実的な条件において、滲みを適切に抑えた印刷を行うことが可能であることを確認した。また、パス数を16パス以上にすることで、全く滲みが発生しない(滲みを確認できない)状態で印刷を行うことが可能であることを確認した。また、ヒータの加熱温度を50℃にした場合には、8パスでも全く滲みが発生しないことを確認した。また、4色分版方式で印刷を行う場合には、上記と同じ条件では滲みが問題になり、適切に印刷を行えないこと等を確認した。
更に、7色分版方式で色群別順次配置を採用する場合について、ヒータの加熱温度を40℃程度にして、印刷のパス数を4にした場合にも、全く滲みが発生しないことを確認した。また、これにより、例えば、7色分版方式と色群別順次配置とを組み合わせることで、より高速な印刷を行い得ること等を確認した。
続いて、上記において説明をした構成に関する更なる変形例の説明や、更なる補足説明等を行う。上記においては、4色分版方式よりも多くの色のインクを用いる構成について、主に、7色分版方式や13色分版方式で印刷を行う構成を説明した。また、印刷装置10の構成の更なる変形例においては、印刷に使用する各色について、単に7色以上のインクを用いるのみではなく、通常のインクよりも淡い色に着色された淡色のインク(ライトインク)を更に用いること等も考えられる。この場合、例えば、1次色、2次色、2.5次色、及び3次色の各色の淡色のインクを更に用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、中間調等をより高い能力で表現できる。また、これにより、例えば画像が粗くなること等をより適切に防ぎ、高精細な画像をより適切に印刷することができる。また、淡色のインクについては、必ずしも全ての色について用いるのではなく、一部の色についてのみ淡色のインクを用いてもよい。この場合、例えば、Y色や、Y色に近い2.5次色であるgy色及びyr色等については、淡色を用いる必要性が低いと考えられる。そのため、これら以外の色について、淡色のインクを用いること等が考えられる。また、この場合、例えば、無彩色であるK色について、淡色のインクを省略すること等も考えられる。
また、上記においても説明をしたように、7色分版方式や13色分版方式で印刷を行う場合、それぞれの方式で必要となる7色や13色の基本色を有する限り、1次色、2次色、2.5次色、3次色等の基本色の組み合わせだけでなく、様々な特色を更に用いてもよい。この場合、特色としては、例えば、白、メタリック色、蛍光色、クリア色、又はオレンジ色等を用いることが考えられる。また、特色として、例えば、企業のロゴマーク色等を用いること等も考えられる。また、特色を用いる場合、特色用のインクジェットヘッドについては、例えば、いずれかの次数(1次、2次、2.5次、又は3次)の色のインクジェットヘッドと主走査方向へ並べて同じY軸上に配設することが考えられる。また、特色用のインクジェットヘッドについて、例えば、各次数の色のインクジェットヘッドとは副走査方向における位置をずらして、別のY軸上に配設してもよい。
また、上記においては、主に、蒸発乾燥型のインクを用いる構成について、説明をした。そして、この場合においては、例えば、ヒータで媒体を加熱することにより、インクを乾燥させる。また、ヒータとしては、例えば、媒体を挟んでインクジェットヘッドと対向する位置で媒体を加熱するプリントヒータを用いる。また、インクをより効率的に乾燥させるためには、プリントヒータ以外の加熱手段を更に用いること等も考えられる。この場合、例えば、媒体の搬送方向においてインクジェットヘッドよりも上流側で媒体を加熱(前乾燥)するプリヒータや、インクジェットヘッドよりも下流側で媒体を加熱(後加熱乾燥)するヒータ等を用いること等が考えられる。
また、上記においても説明をしたように、蒸発乾燥型のインクとしては、紫外線吸収剤を含むUV瞬間乾燥インク等を用いることも考えられる。また、このような瞬間乾燥インクとしては、紫外線以外のエネルギー線(赤外線、電子ビーム等)により瞬間的に乾燥させるインクを用いること等も考えられる。そして、このような瞬間乾燥インクを用いる場合、印刷装置10は、インクの特性に応じたエネルギー線を照射する照射手段を備える。
また、上記においては、主に、化学繊維の布の媒体に対し、蒸発乾燥型のインクで印刷を行う場合の特徴等について、説明をした。しかし、より一般化して考えた場合、7色分版方式や色群別順次配置により滲みを抑える効果について、様々な媒体やインクを用いる場合も含めて考えることもできる。
例えば、上記においては、使用するインクについて、主に、ラテックスインクを用いる場合について、説明をした。しかし、7色分版方式や色群別順次配置について、より一般化して考えた場合、高速で印刷を行った場合に滲みが発生しやすいインクを用いる場合に滲みの防止効果がある構成とも考えられる。そして、この場合、インクとして、インクジェットヘッドで吐出可能な様々なインクを用いること等も考えられる。より具体的に、例えば、各種の水性インク、ラテックスインク、ソルベントインク、ソルベントUVインク、紫外線硬化型インク等を用いることが考えられる。また、例えば、電子ビームにより硬化するインク等を用いること等も考えられる。
また、媒体としても、7色分版方式や色群別順次配置により滲みを抑えるという観点で考えた場合、化学繊維の布の媒体以外を用いること等も考えられる。より具体的には、例えば、従来の4色分版方式では滲みが大きくなるために適切に印刷を行うことが困難であった様々な媒体を用いること等が考えられる。また、このような媒体としては、例えば、インク中の溶媒が浸透しやすい溶媒浸透性の紙や布等を用いることが考えられる。また、この場合において、特に、受容層(受像層)コートや滲み防止の前処理を行っていない媒体を用いること等が考えられる。このような場合も、7色分版方式や色群別順次配置を採用することにより、滲みを抑え、より適切に印刷を行うことができる。また、滲みを抑える効果について更に一般化して考えた場合には、例えば、受容層コートや滲み防止の前処理を行った媒体を用いること等も考えられる。また、媒体に対し、様々な後処理等を行うこと等も考えられる。
また、上記のような一般化した特徴等も考慮して7色分版方式や色群別順次配置の効果を考えた場合、例えば、従来の4色分版方式で印刷を行う場合と比べ、少なくとも3〜4倍程度の高速化が可能になると考えることができる。また、上記においても説明をしたように、色群別順次配置を採用した場合、往復の主走査動作による双方向プリント(往復印字)を行ったとしても、同じ位置(同一箇所)に着弾するインクの色の順番について、主走査動作時のインクジェットヘッドの移動の向きによる差は生じない。そのため、このように構成すれば、従来は片方向の主走査動作(片方向プリント)でしか実現できなかったレベルの高精彩な印刷について、往復の主走査動作を行う構成で実現できる。また、これにより、例えば、高精彩な印刷と印刷速度の高速化とを適切に両立できる。
また、蒸発乾燥型のインクとして、UV瞬間乾燥インク等を用いる場合には、滲みが特に発生しにくくなるため、例えば、印刷速度をより高速化すること等も可能になる。より具体的に、この場合、従来の4色分版方式で印刷を行う場合と比べ、10倍程度の印刷の高速化が可能になると考えられる。また、この場合、例えば、ヒータでインクを乾燥させる場合と比べ、インクを乾燥させるために必要なエネルギー(消費電力)を小さくすること等も可能になる。より具体的に、この場合、プリントヒータ等のヒータでインクを乾燥させる場合と比べ、必要な電力を数分の1以下にすることが可能になると考えられる。そのため、このように構成すれば、例えば、印刷装置10の省電力化等も可能になる。
本発明は、例えば印刷装置に好適に利用できる。
10・・・印刷装置、12・・・ヘッド部、14・・・プラテン、16・・・ヒータ、18・・・ガイドレール、20・・・主走査駆動部、22・・・副走査駆動部、30・・・制御部、50・・・媒体、102・・・インクジェットヘッド、104・・・紫外線照射部

Claims (13)

  1. 化学繊維の布の媒体に対して印刷をする印刷装置であって、
    有彩色のインクを吐出するインクジェットヘッドである有彩色用ヘッドと、
    黒色のインクを吐出するインクジェットヘッドである黒色用ヘッドと
    を備え、
    前記複数の有彩色用ヘッド及び前記黒色用ヘッドのそれぞれが吐出するインクは、前記インクの色を発色する色材と、溶媒とを含み、前記媒体に定着させるために前記溶媒を蒸発させる蒸発乾燥型のインクであり、
    前記有彩色用ヘッドとして、少なくとも、互いに異なる有彩色のインクをそれぞれ吐出する6個以上のインクジェットヘッドを備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記有彩色用ヘッドとして、少なくとも、
    混色によりフルカラーの表現が原理的に可能になる基本色である1次色用のインクジェットヘッドと、
    2種類の前記1次色の混色により得られる色である2次色用のインクジェットヘッドと
    を備え、
    前記1次色用のインクジェットヘッドとして、少なくとも、
    イエロー色のインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    マゼンタ色のインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    シアン色のインクを吐出するインクジェットヘッドと
    を備え、
    前記2次色用のインクジェットヘッドとして、少なくとも、
    レッド色のインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    グリーン色のインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    ブルー色のインクを吐出するインクジェットヘッドと
    を備え、
    3色の前記1次色から2色を選んで、同量の前記1次色のインクを混色した色が同量のいずれかの前記2次色のインクの色と原理的に同色となり、置換できる関係になっており、
    前記黒色用ヘッドが吐出する前記黒色のインクを3次色のインクと考えた場合、3色の前記1次色を同量で混色させた色が同量の前記3次色インクと原理的に同色となり、置換できる関係になっていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記媒体に対して相対的に予め設定された主走査方向へ移動しつつインクを吐出する主走査動作を前記有彩色用ヘッド及び前記黒色用ヘッドに行わせる主走査駆動部と、
    前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動する副走査動作を前記有彩色用ヘッド及び前記黒色用ヘッドに行わせる副走査駆動部と
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記布の媒体は、ポリエステルの繊維の布であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記布の媒体は、タフタであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記布の媒体は、トロピカルであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷装置。
  7. 前記インクは、ラテックスインクであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の印刷装置。
  8. 前記媒体を加熱するヒータを更に備え、
    前記ヒータは、前記媒体が加熱される温度を50℃以下にして、前記媒体を加熱することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の印刷装置。
  9. 前記媒体を加熱するヒータを用いずに前記媒体への印刷を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の印刷装置。
  10. 前記インクは、前記色材として顔料を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の印刷装置。
  11. 前記媒体への印刷を行うことにより、屋外に設置される印刷物を作成することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の印刷装置。
  12. 前記屋外に設置される印刷物として、のぼり旗用の幕を作成することを特徴とする請求項11に記載の印刷装置。
  13. 化学繊維の布の媒体に対して印刷をする印刷方法であって、
    有彩色のインクを吐出するインクジェットヘッドである有彩色用ヘッドと、
    黒色のインクを吐出するインクジェットヘッドである黒色用ヘッドと
    を用い、
    前記複数の有彩色用ヘッド及び前記黒色用ヘッドのそれぞれが吐出するインクは、前記インクの色を発色する色材と、溶媒とを含み、前記媒体に定着させるために前記溶媒を蒸発させる蒸発乾燥型のインクであり、
    前記有彩色用ヘッドとして、少なくとも、互いに異なる有彩色のインクをそれぞれ吐出する6個以上のインクジェットヘッドを用いることを特徴とする印刷方法。
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