JP2018183926A - 横はぎ単板製造システム - Google Patents
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Abstract
Description
この特許文献2に開示された横はぎ単板の製造システムを例にして横はぎ単板の製造工程の例を説明すると、A不成形単板搬入工程、B有寸単板整形工程(B1不良部検出→B2有寸単板カット、C横はぎ工程(C−1先端面糊付け→C2突き合わせ→C3接着糸付け→C4定尺単板寸法切断)、D積み込み工程:スタッキングから構成されている。
この図12には、簡略したライン構成図が開示されているが、切り捨て量が少なくなるように不良部を検知する検知機構、切断装置や高温の熱可塑性溶融接着剤を供給する高温部、高温溶融接着剤が付着した細かい接合糸を供給する糊糸部、切断した定尺単板を取り出し易いように制御して堆積する積み込み機構を有している。これらの高温や刃物の保守・点検は安全性に配慮する必要がある。しかし、これらの構成機器は、上下に配置したエンドレスチェーンベルトの前後が重なり合って搬送路が形成されており、搬送路が複雑であり、各工程の要素機器の点検や鋼管などのメンテナンス作業は、一旦機器を止めて、200cm以上の巾のある機器を開閉して、開口部に体や手を差しれて行っており、熟練を要している。最近は、高齢化が進み、熟練作業員の育成も困難になっており、メンテナンスを容易に行うことができる機械が求められている。
特許文献5(実開昭53−144862号公報)には、切除後の端縁が直線になるように切除位置を設定する例が開示されている。
特許文献6(特開昭56−133105号公報)には、単板の前端面に溶融した熱可塑性樹脂接着剤を穴から供給する糊付け装置と溶融した接着剤を含浸させた接着糸を単板の表面に接着する技術が開示されている。
特許文献7(実開昭49−81967号公報)には、単板の前後を交互にズラシて堆積する技術が開示されている。
B有寸単板整形機構はB−1不良部検出機、B−2有寸単板クリッパを有し、
C横はぎ機構はC−1先端面糊付け機、C−2突き合わせ機、C−3接着糸付け機、C−4定尺単板寸法切断クリッパを有し、
D積み込み機構はスタッカを有しており、
B有寸単板整形機構において、
B−1中間切断不良部検出は、許容不良範囲を残す範囲内となるように切断位置を検出して有寸切断する機構と、
B−2可動切断刃を角軸に装着した有寸クリッパとを備えていることを特徴とする横はぎ単板製造システム。
2.C横はぎ機構において
C−1 くし状プレートを用いたスポットバルブ、
C−2 開閉するプレートを用いたミキシング部によって垂直に接着糸を狭圧してガイドする糸糊バルブ、
C−3 個別に垂直昇降する糸糊バルブ、
C−4 シンクロドライブ、
を備えていることを特徴とする1.記載の横はぎ単板製造システム。
3.D積み込み機構において
単板が交互に斜め姿勢で空中落下タイミングに交互に差動制御される左右保持バー、
を備えていることを特徴とする1.又は2.記載の横はぎ単板製造システム。
4.熱可塑性合成樹脂接着剤を溶融してC横はぎ機構へ供給する接着剤供給機器の加熱源として外部電力と本システムから発生する回生電力を用いることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の横はぎ単板製造システム。
2.まず最終工程の積み込みを素早く行うことが、システム全体のスピード向上に欠くことができないことであるので、開閉する受けバー方式を採用し、左右の受けバーの開閉タイミングをずらして、定尺単板が傾いてスタッカに落下する方法とした。さらに、開閉タイミングを交互にすることにより傾きも逆に成り、スタッカ上では傾きの方向に応じたズレが生じて、ズラシ積みとすることができる。スタッカの左右側には定尺単板の巾よりもズラシ積みできる余裕を持たせた枠等の規制部材を設けて、必要以上にばらつかないようにする。
3.B工程において、切除対象の不良部分の切除巾を切除後に許容される不良範囲内に納まるように設定することにより、切り捨て部分を少なくして、歩留まりを向上させる。また、B工程において、2枚等複数に分割されているクリッパの可動刃の取付け軸を円筒から角形状パイプなどの角部のある角軸の下縁部に取り付けて、可動刃の取付けが見やすい位置にあって安定した取付けを容易に行うことができ、交換等のメンテナンスも容易にできる。
4.C工程において、熱可塑性溶融接着剤を点状に押し出すスポットバルブを多数の供給用に小穴を列条に並べたヘッドプレートは、詰まると、熱いプレートをもって小さな穴から掻き出す作業が細かい作業で、時間がかかる。これを、くし状の切欠きにすることにより、供給部が溝状になっており、詰まりなどの清掃はブラシで掻き出すことで済むようになり、短時間で安全に行うことができる。
また、取付けバーに3〜6個設けられている糸糊バルブは、糸切れなどトラブルが1つ発生しても、取付けバー全体を回転させて、開口して回復してリスタートする必要があり、溶融接着剤用に高温に保たれており、危険性と時間を要した。これを、糸糊バルブを個別に昇降して、トラブル処理できるようにして、動かす部分を小さくし、簡単に操作できる構造に改良した。
糸糊バルブの糸道を垂直方向に設け、糸道の後方と前部を分割し、前部側を脱着できるようにして、糸切れなどのトラブルに前方を開放して、容易に行うことができるようした。
5.熱可塑性接着剤を溶融するタンクの加熱を、従来は商用電力や発電機の電源を用いてタンクの底面からヒータで加熱していた。本発明は、この底面ヒータに加えて、本システムの有寸クリッパ、屑ディバイダ、定尺クリッパを制御するサーボモータに回生制動をかけて得られた回生電力によるヒータをタンク側面に追加することにより、本システムが作動している間は、糊タンクは全体が均一に加熱されるので、タンク容量を小さくすることができる。この結果、省エネルギーのほか、溶融接着剤が溶融状態でタンク内にとどまる時間が短くなり、劣化することなくフレッシュな状態で使用され、糊に起因するトラブルが少なくなる。
本発明の横はぎ単板製造システムは、各機構の要素機器を改良して、組み合わせることにより安全でかつ生産効率が向上している。
最終工程である積み込み機構Dにおいて、開閉する受けバー方式を採用し、左右の受けバーの開閉タイミングをずらして、定尺単板が傾いてスタッカに落下する手段を採用して、積み込みを素早く行う。最終のスタッキングを早くすることは、全体システムのスピード向上に欠くことができない。さらに、開閉タイミングを交互にすることにより傾きも逆に成り、スタッカ上では傾きの方向に応じたズレが生じて、ズラシ積みとすることができる。スタッカの左右側には定尺単板の巾よりもズラシ積みできる余裕を持たせた枠等の規制部材を設けて、必要以上にばらつかないようにする。
また、有寸単板整形機構Bにおいて、2枚に分割されているクリッパの可動刃の取付け軸を角形状のパイプ等の角軸とし、角軸の下縁部に取り付けた。従来は丸パイプの下部に取り付けてあったので、混み入った機器の上方から取り付け位置が見えず、また、円弧のため固定冶具の加工も難しく、熟練を要していた。角パイプとすることにより、可動刃の取付けが見やすい位置にあって安定した取付けを容易に行うことができ、交換等のメンテナンスも容易にできる。
なお、本発明では、角軸とは、可動刃を取り付ける軸の面が直角に出ている軸を指す。取付け面ではないところが湾曲していても、メンテナンス作業等には影響しない。
従来は、多数の供給用の小穴を列条に並べたヘッドプレートであり、詰まると、溶融した接着剤により高温に加熱されているプレートを手にもって小さな穴から掻き出す作業が細かい作業で、時間がかかっていた。熱く危険であり、メンテナンスに時間もかかって、再スタートまでの時間も要していた。
また、糸糊バルブは、取付けバーに3〜6個設けられている。この糸糊バルブを取り付けバーに対して、個別に昇降できるように取り付け、また、ミキシングプレートを脱着タイプとした。糸切れなどのトラブルは、糸糊バルブを個別に昇降し、ミキシングプレートを外して対処することができ、短期間に安全に行うことができる。
従来は、糸切れなどトラブルが1つ発生しても、取付けバー全体を回転させて、開口して回復してリスタートする必要があり、溶融接着剤用に高温に保たれており、危険性と時間を要していた。
糊タンク全体が均一に加熱され、タンク容量を小さくすることができる。小容量タンクと回生電力を使用することにより省エネルギー、省スペースのほか、熱可塑性樹脂製接着剤が溶融状態でタンク内にとどまる時間が短くなり、劣化することなくフレッシュな状態で使用され、糊に起因するトラブルが少なくなる。
従来は商用電力や発電機の電源を用いてタンクの底面からヒータで加熱しており、タンク内温度分布が不均一であり、接着剤を多量に溶融することにより、利用可能な容量を確保しており、長時間溶融状態あるいは部分滞留が生じていた。
以下図面を参照して説明する。
図1は、本発明の横はぎ単板を製造するシステムの全体構成を示している。図1(a)は平面図、(b)は側面図である。図2(b)に機器配置の側面図が記載されている。
図面の左から、不成形単板搬入機構A、有寸単板整形機構B、横はぎ機構C、積み込み機構Dの各機構を備えた横はぎ単板を製造するシステムである。
不成形単板搬入機構Aは、前工程で定尺単板と分別された不成形単板を本横はぎ単板製造システムに取り込む機構である。不成形単板を載せて水平方向へ送る搬入ベルトコンベヤ1と搬入コンベヤの側部に不成形単板の側縁を当接させる垂直のベルト面を有する定規縦ベルト2b、不成形単板の上面側に摺擦して定規縦ベルト2bに寄せるチェン式定規2aを備えている。
横はぎ機構Cは、屑ディバイダ9、上下にエンドレスのチェンコンベヤ11a、11b、シンクロドライブ13からなる搬送系を備え、それぞれは屑ディバイダ昇降駆動減速機付サーボモータ10、搬出コンベヤ駆動減速機付サーボモータ12、シンクロドライブ用減速機付サーボモータ14が制御装置32にコントロールされる。シンクロドライブ13を採用することにより、従来よりも柔らかな単板も細かに同期させることができるようになり、切り捨て部分を少なくして、歩留まりを向上させることができる。
接合は、搬送路下方に配置されたスポットバルブ16から供給される点着状の端面接着剤とホットメルト接着剤含浸糸を搬送路の上面から供給する糸糊バルブ18によってなされる。熱可塑性樹脂ペレットを溶融してスポットバルブ16と糸糊バルブ18に供給するホットメルトグルータンク&ポンプ15a等からなる接着剤供給機器15が設けられている。
接合されて連続状になった横はぎ単板は定尺クリッパ20で定尺長に切断され、定尺コンベヤ22で、後段へ送られる。
図2は有寸単板整形機構Bにおける不成形単板に存在する不良部分を検出し、不良部分を切除する単板の検出状態(a)と有寸単板整形機構(b)を示す図である。
本発明では、許容できる不良部分を残して切断制御する。例えば、許容できる不良部の巾を許容巾dminとし、中間部にある不良部であって、計測された不良部巾dnがこの許容巾dminよりも小さい場合は、切除せずにそのままとし、大きい場合には、切除後の不良部の巾が許容巾以下になるように切除することとする。
図2(a)には、2枚の不成形単板41a、41bが図示されている、不成形単板41aには、不規則な端面が前後にあり、中間部に大きな腐れによる大きな穴と大きな節穴、小さな節穴がある状態が示されている。不成形単板41bには、中間部の縁部に大小2つの割れがある状態が示されている。
この不成形単板41a、41bに本発明の不良部切断の制御を適用すると、それぞれの前後の端部は不規則となっているので、切断箇所c1、c6、c7、c10がある。中間部の不良部は、許容できる不良部の許容巾dminより小さなd4の巾を有する節穴と、小さなd1の巾の割れについては、切除しない。
これによって、少なくとも中間切除部に残る許容巾dminに依拠する長さの部止まりが向上する。許容巾dminは、合板の品質や利用者の要望によって決定される。
さらに、大きな腐れによる不良巾d5は、端面接合のスポット位置と重複する場合は不良部を残さずc2、c3で大きく切除するなどの不良部の位置や形状の条件を付加して切除条件を設定することができる。
大きな節穴の巾d4については、切除後に残る部分Δa+Δbが許容巾dmin以下になるように切断箇所c4、c5を決定する。大きな割れの巾d2も同様に、残部Δc+Δdが許容巾dmin以下になるように切断箇所c8、c9を決定する。
切除巾をdcとした場合、中間不良部の切除制御は次のように決定される。
(1)dn≦dmin → 切断せずそのまま。
(2)dn>dmin → dc=dn−dmin
有寸単板整形機構用搬送系11が、単板の搬送路Tの上下配置されたエンドレスのチェンコンベヤによって、単板が挟持搬送されるように形成されている。上部チェンコンベヤ11a、下部チェンコンベヤ11bで形成される。有寸単板整形機構用搬送系11は、搬入駆動減速機付サーボモータ4を備えていて、間歇駆動される。
有寸単板整形機構用搬送系11の入り口側から、欠損部を透光によって検出する全面検知5、単板の肉薄部を検出する接触式の厚み計6、有寸クリッパ7が配置されている。
センサで検知されたデータ、有寸単板整形機構用搬送系11、有寸クリッパ7を制御する制御装置32が配置されて、検知データに基づいて制御される。
厚み計6は、搬送路Tに上面が位置する基準ローラ6dと基準ローラ6dの上面に接触する検知ローラ6cを厚み計アーム6bの先端に設けて構成されている。検知ローラ6cが単板の所定厚よりも薄い部分では沈み込み、厚み計アーム6bで増幅されて、肉薄部を検出することができる。
全面検知5と厚み計6で検知されたデータを制御装置32に送り、不成形単板の前後の端部と中間部の切除位置を演算して、有寸単板整形機構用搬送系11を搬入駆動減速機付サーボモータ4で間歇駆動して、有寸クリッパ7の位置で不成形単板を一旦停止させて制御装置32から可動刃7aを駆動して、切断を行う。
横はぎ機構Cの構成について図3〜図10に示す。
図3は有寸クリッパ、図4はスポットバルブ、図5〜図8は糸糊バルブ、図9はグルータンク、図10は横はぎした定尺単板に関する図である。
有寸クリッパ7の側面図が図3(a)に、平面図が図3(b)に示されている。
本発明の有寸クリッパ7は、搬送路Tの下方に固定刃7dが配置され、その上方に可動刃7aが配置されており、不成形単板の切断箇所で不成形単板の搬送を一旦停止させ、可動刃7aを落として切断する。
可動刃7aは、角形の断面を持つ角軸であるナイフホルダ7b下方に取り付けられた可動刃台7iに可動刃体7cが脱着可能に取り付けられている。可動刃体7cは、刃の突き出し長の調整、使用による摩耗や欠けが発生するので、適宜調整され交換される。
本発明では、角形のナイフホルダ7bの側面に可動刃台7iの垂直面が沿い、他の一面がナイフホルダ7bの下面に沿う様にセットされている。可動刃台7iの角部がナイフホルダ7bの角形断面の下端辺にほぼ一致する位置になり、ナイフホルダ7bの下面と可動刃台7iの一面が面接触しているので、安定した取付けができる。ナイフホルダ7bの下面と可動刃側の側面が直交した平面に形成されていることが重要であって、他の面の形は任意である。
可動刃体7cが可動刃台7iの垂直面に取り付けられており、ナイフホルダ7bの下面に隠れることなく、よく見えるので、交換や調整のメンテナンスが容易である。
可動刃体7cは刃体に長穴があけられている。可動刃ガイド7fを可動刃体7cの上面に当て、可動刃ガイド取付けボルト7hを締める。可動刃体7cの後端面を押して、刃の突き出し長を調整する可動刃押ボルト7eで調整する。
有寸クリッパ7は、単板の全長にわたって切断する長さを備えており、平面図図7(b)に図示されるように長い幅を備えている。その長さは、合板の基準によるが一般に140〜350cmの長さであり、2本程度に分割されて、部分的に調整可能になっている。
従来のナイフホルダ170bは円形断面であり、可動刃体170cは円形のナイフホルダ170bの下端部に取り付けられるように設定されており、可動刃台170iは円弧面に沿う形状に加工され、可動刃体170cの取付け状態はナイフホルダ170bに隠れて覗くことは困難である。また、可動刃170cの突き出し長を調整するボルト170eはナイフホルダ170bを貫通して上方に出しており、調整も見難い。したがって、従来の有寸クリッパ170のメンテナンスは熟練を要する。
図4にくし状プレートを用いたスポットバルブ16を示す。(a)に平面図を、(b)にくし状プレートを、(c)に断面図、(d)に接着剤が有寸単板の前端面に付着する状態を示す図を示す。
スポットバルブ16は、単板の搬送路の下方からホットメルト接着剤を点状に供給し、移動してくる有寸単板31bの前端面に接着剤を付着させる機器である。
図示の例では、下方に本体ブロック16cとユニットバルブ16dを配置し、その上方に一部を切り欠いた凹部を有するプレート16bを配置し、該凹部に多数の接着剤供給溝16eを形成したくし状プレート16aを装着している。
プレート16bは、上面にテーパが付いていて、最上位部にくし状プレート16aの接着剤供給溝16eが望むように形成されている。
下方のユニットバルブ16dから接着剤供給溝16eに溶融したホットメルト接着剤が供給され、単板の搬送路に点状に盛りあがる。その状態が(d)に示されている。有寸単板31bは、搬送途中で点状の端面接着剤16fを前端に付着させる。有寸単板31bの前端はテーパ面に案内されて、端面接着剤16fをすくい取るようになっている。
なお、有寸単板31bの後端はスポットバルブ16をすぎた箇所で一時停止し、後送される有寸単板の先端と当接して、接合される。
本発明のスポットバルブ16は、プレート16bと多数の溝を設けたくし状プレートaに分割したことにより、メンテナンス等を容易に短時間に行うことができる。
従来のスポットバルブ160は、下方に本体ブロック160cとユニットバルブ160dを配置し、その上方に接着剤供給穴160eを形成したプレート160bを配置した多孔性である。一枚のプレート160bの頂部に小さな穴を多数設けて、この穴から溶融したホットメルト接着剤を点状に供給する。
小さな穴であるので詰まりなどのトラブル処理、定期的なクリーニング処理は錐状の冶具で一つ一つ掻き出す必要があり、接着剤が固まると取りにくくなるので、高温で扱う必要が有って、時間と注意を要する作業である。
本発明のスポットバルブ16は、プレートを分割し、小さな溝を辺に沿って多数形成したので、クリーニング等を簡単に素早く行うことができ、高温部材の温度をさほど下げることなく安全にメンテナンスでき、リスタートを早く行うことができる。
図5〜図8に糸糊バルブ18の例を示す。
糸糊バルブ18は、単板の搬送路Tの下方に配置した受けロール29bに対向して搬送路の上面側に配置されており、連続して搬送されてくる有寸単板31bの表面に溶融した熱可塑性接着剤を含ませたホットメルトグルー含浸糸17cを付着させる機器である。前段階でスポットバルブ16から供給した接着剤で端面が接着している有寸単板31bの表面に貼り付けられたホットメルトグルー含浸糸17cによって、強力に接続している連続した横はぎ単板31cが形成される。
糸糊バルブ本体ブロック18bの中間部には前方にホットメルトグルー吐出部18gを形成した糸糊バルブユニットバルブ18dが配置されている。
図5(b)に示すように、糸糊バルブ本体ブロック18bの前面部に設けたミキシングプレート取付けピン18iに糸糊バルブミキシングプレート18aに設けた軸孔18nを挿通し、糸糊バルブミキシングプレート18aの上端部側にリンク回転軸18pを介して取り付けたミキシング固定リンク18jの先端を糸糊バルブ本体ブロック18bの上部前面に当接し、糸糊バルブミキシングプレート18aの他端側を糸糊バルブ本体ブロック18bの下部前面に当接させて、ロック状態とするように構成されている。
糸糊バルブ本体ブロック18b前面と糸糊バルブミキシングプレート18aが当接部に沿って、糸17bが上方から下方に案内される。
図5(d)には、糸糊バルブ本体ブロック18bの前面には、糸17bに向けてホットメルトグルー吐出部18gを有する糸糊バルブユニットバルブ18dがあり、ホットメルトグルー吐出部18gの下方には2本の糸糊バルブピン18fが上下に配置されている。
対向する糸糊バルブミキシングプレート18aには、ホットメルトグルー吐出部18gの対向位置にグルー受け凹部18kが形成され、糸糊バルブピン18fに対向して、グルー受け凹部18kと糸しごき凹部18m、両凹部の間に糸押圧凸部18lが形成され、下方に続いて糸案内溝18qが設けられている。
糸17bは、溶融した熱可塑性接着剤が供給されて充満しているグルー受け凹部18kを経由して、接着剤を付着させた状態で、糸糊バルブピン18fと糸しごき凹部18m、糸押圧凸部18lとによって、しごかれて撚糸の内部まで接着剤が含浸された状態となって、糸案内溝18qを通過して有寸単板31bの表面側に連続して押しつけながら張り付く。
有寸単板31bの下方は受けロール29bで支持されており、糸糊バルブ18の押圧を受ける構成となっている。
糸糊バルブ18は、複数列設けられており、例えば、図10に示す横はぎ単板では3列設けられている。
図6(a)は、スプリングレバー方式の糸供給形式である。垂直に配置した糸糊バルブユニットバルブ181dを受けロールに対向して配置して、その後方に設けた糸糊バルブ本体ブロック181bの下方側に設けた糸案内片181aを介してホットメルトグルー吐出部に供給している。ホットメルトグルー吐出部で接着剤を糸17bに擦りつけながら同時に単板表面に押圧している。トラブル処理には熱い糸糊バルブユニットバルブ181dの後に手を入れて、作業をすることとなり危険である。また、十分に接着剤が糸に馴染まずに単板に張り付くこととなって、張り付き不良の原因になりやすい。
図6(b)はパイプ方式の糸供給形式である。糸糊バルブユニットバルブ182dの下部に糸通しパイプが形成されており、糸押しパイプに接着剤が供給され、接着剤を糸に付着させた状態で単板表面に貼り付けるので、図6(a)の方式よりも糸の張り付き不良は改善されるが、トラブル処理はパイプ状の糸通し部をクリーニングし糸を通す作業を狭いところで行うこととなり、危険性の改善にはならない。
糸糊バルブ18は、単板の左右端側のほか中央部など複数設けられている。図7(a)はほぼ半分表示されているが、2台の糸糊バルブ18が単板接着部フレーム42に取り付けられている。糸糊バルブ18の周囲には各種の機器が配置されている様子がわかる。
本発明の糸糊バルブ18は、トラブル処理などメンテナンスする場合に、個別に上方へ引き上げて、図5に示すように分解して、処理することができるようにしている。
図7(a)(c)は糸糊バルブ18を搬送路Tに接する使用位置にセットした側面図を示している。糸糊バルブ18は、柱状の昇降装置ガイド19aに取付け基部19bが昇降可能に取り付けられている。この取付け基部19bに糸糊バルブ18を取り付けて、糸糊バルブ18も昇降可能に設定されている。糸糊バルブ18に上方からフレキシブルの糸糊バルブヒートホース18cが配置されており、グルータンクと結合され、昇降移動に伴う変形に柔軟に対応することができる。
本実施例では、糸糊バルブ18の下流に上糸冷却コロ29aを配置して、溶融状態の熱可塑性接着剤の硬化を促進している。
図7(c)は、糸糊バルブ18を昇降装置ガイド19aにそって上昇させた位置にした状態を示している。この図示にあるように、他の機器よりも上方にすることによって、糸糊バルブミキシングプレート18aを外して、メンテナンスすることがとても容易になることが分かる。
そして、糸糊バルブ18は他の糸糊バルブ18とは独立して昇降することができる。
この従来例では、個別のトラブルであっても、大きな全体機器を昇降させる必要があり、機構が大型になり、エネルギーも使用し、狭い空間に身体を入れることとなり、危険性も伴う機構であった。
図9に本発明の接着剤供給機器15の例を示す。図9(a)に接着剤供給機器15の平面図、(b)に接着剤供給機器15の側面図を示している。
接着剤供給機器15は、ペレット状の熱可塑性樹脂接着剤を加熱して溶融し、液状の熱可塑性接着剤としてスポットバルブ及び糸糊バルブへ供給する装置である。
接着剤供給機器15は、ポンプを内蔵したホットメルトグルータンク&ポンプ15aとグルータンクにペレットを供給する蓋15e付のペレット供給装置15b、溶融した接着剤を供給するホットメルトグルータンク&ポンプ15aとスポットバルブ用供給パイプ15h、糸糊バルブ用接着剤供給パイプ15iを備えている。
ブロックヒータは通常の電源を用いて発熱している。回生ヒータ15fは、本横はぎ単板を製造するシステムに使われているサーボモータの回生電力を用いて発熱する。
図示の例では、ホットメルトグルータンク&ポンプ15aの両側面と背面に回生ヒータ15fを配置している。
ペレット供給装置15bにペレット供給装置バイブレーター15dを設けて、ホットメルトグルータンク&ポンプ15aへペレットを随時供給する。
回生ヒータは、補助ヒータとして本システムが稼働しているときに発熱し、接着剤の補助加熱の他、ホットメルトグルータンク&ポンプ15a内の温度分布の均一化、省エネルギー及びホットメルトグルータンク&ポンプ15aの小型化、接着剤の品質の安定化に寄与している。
本発明では、回生電力を使用して、システムの稼働中はグルータンクの上部側面も含めてブロックヒータではカバーしきれない周辺まで加温して、グルータンク内の接着剤の溶融状態を均一に保つことができる。
このため、グルータンクを小型化しても使用可能な溶融接着剤の量が十分に確保でき、グルータンクの容量を小さくすると、ブロックヒータも小型化することができ、一層省エネルギー化できる。グルータンクの小型化に伴い減少する溶融接着剤を、ペレット供給装置バイブレーター15dを随時稼動して補充する。液面の低下を感知するセンサなどを設けて、自動的に補充することができる。従来は、大容量であったので、朝の始動前、午後の再稼働前などにバッチ的に作業員が確認して、補充する程度の頻度であった。
高温となるグルータンクを小型化できることは、省スペースと作業性の向上にも有用である。
複数の小幅の有寸単板31bを端面接合及び表面側に接着剤含侵糸を張り付けて連続した一体ものに形成された横はぎ単板を所定の長さに切断して、横はぎ定尺単板31dとする。
定尺横はぎ単板31dの例を図10に示す。
図示の例では、5枚の有寸単板31bをつなぎ合わせて、一枚の横はぎ定尺単板31dを形成している。スポットバルブ16で接着された点状の端面接着剤16fが、接合端面に多数存在し、表面に両側部と中央部の3列に形成されたホットメルトグルー含浸糸17cが存在している。
本発明の積み込み機構Dは、前段階で形成された横はぎ定尺単板31dを、堆積用テーブルリフタ28を備えたスタッカ23に堆積するものである。堆積された横はぎ定尺単板は、合板仕組み工程などの合板製造工程に供されることとなる。
本発明の積み込み機構Dの使用するスタッカ23の例を図11に示す。
スタッカ23は、上部に単板搬送装置24、下方に横はぎ定尺単板31dを載せて堆積する堆積用テーブルリフタ28を配置し、テーブルリフタの上方に持ち込んだ横はぎ定尺単板31dを落下させる制動装置から構成される。
横はぎ定尺単板31dを搬入する単板搬送装置24は、門形の機枠の上部に取り付けられた左右のスタッカ搬送コンベヤ左24a、スタッカ搬送コンベヤ右24bとこれらのコンベヤに対向して下方に配置したスタッカゲート左24c、スタッカゲート右24dを備えている。
制動装置は、スタッカゲート24c、24d、ゲート開閉シリンダ25、蹴り出し装置26、整合装置27を備えており、これらの機器は軸着されていて、左右に設けられている。
テーブルリフタ28は、単板が落下する距離を一定にできるように、テーブル面が堆積枚数の増加に応じて、下降する機構を備えている。これは、単板のテーブルリフタとしては一般的に用いられている。
左右のスタッカゲート24c、24dをゲート開閉シリンダ25を取り付けたロッドを伸縮し、保持していた横はぎ定尺単板31dを堆積用テーブルリフタ28上に落下させる。リフタの側方に単板ガイド27c、27dを配置して、落下する単板を案内し、規制された積み上げができるようにする。左右の単板ガイド27c、27dに沿って落下した横はぎ定尺単板31dの側面を先端に左右の槌27e、27fを有する左右の整合装置27a、27bで叩いて、単板の堆積位置を修正する。左右のスタッカゲート24c、24dの開閉を差動的に行うか、あるいは、同時に行うか使い分けることができる。
左右のスタッカゲート24c、24dを差動的に開閉した場合には、単板の姿勢は先に開放された側部側に傾いて、落下するので落下スピードは速く、片寄り状態で堆積する。差動を左右交互に行うと、片寄りも交互になって、ズラシ積みが容易にできる。一方、同時に解放した場合には、単板下面の空気層が抵抗となって、堆積に時間を要する。多少左右に揺らぐことはあるが、基本的には堆積単板の側部は整列するので、整列積みに適している。
左右のスタッカゲート24c、24dを交互に開放して、ズラシ積みをする過程を図11(b)に示す。
1.横はぎ定尺単板31dを スタッカ搬送コンベヤ左24aとスタッカ搬送コンベヤ右24bで搬送し、堆積用テーブルリフタ28の上の既積定尺単板31eの上方に停止させる。
2.右側へズラス場合は、スタッカゲート右24dを開き、スタッカゲート左24cを支点に横はぎ定尺単板31dの右側が落下を始める。
3.スタッカゲート左24cを開き、横はぎ定尺単板31dの左側が落下を始めた時に、 蹴りだし装置左26aが横はぎ定尺単板31dを単板ガイド右27dに当たるように右方向に蹴りだす。
4.横はぎ定尺単板31dが落下後にスタッカゲート左24cとスタッカゲート右24dを閉じ、蹴りだし装置左26aを定位置に戻す。
5.整合装置左27aと整合装置右27bを閉じて横はぎ定尺単板31dを所定の位置へ整列させる。左右の整列装置の間隔は、定尺単板の幅寸法に左右のズラシ分を加えた長さを基本とする。
6.横はぎ定尺単板31dを整列後に整合装置左27aと整合装置右27bを待機位置に開く。
続いて、左側にズラス場合は上記と対称の動作を行う。
上記の右ズラシ、左ズラシを1枚毎に繰り返して、堆積するとズラシ積みになる。
左右のスタッカゲート24c、24dを同時に開放して、整列積みをする過程を図11(c)に示す。
1.横はぎ定尺単板31dを 搬送コンベヤ左24aと搬送コンベヤ右24bで搬送し、既積定尺単板31eの上方に停止させる。
2.スタッカゲート左24cと スタッカゲート右24dを同時に開き、横はぎ定尺単板31dを落下、堆積する。
3.横はぎ定尺単板31dが落下後に、整合装置左27aと整合装置右27bを操作して既積定尺単板31eと側端部が揃うように整列動作を行い、整列完了後に定位置に開いて、次の動作に待機する。左右の整合装置27a、27bの整列間隔は、定尺単板の寸法とほぼ同じに設定され、積み上げられた定尺単板の側部が揃うように整列される。
なお、ズラシ積みをしない場合には 左右の蹴りだし装置26a、26bは使用しない。
2 a チェン式定規
2 b 定規縦ベルト
3 a 搬入上部チェンコンベヤ
3 b 搬入下部チェンコンベヤ
4 搬入駆動減速機付サーボモータ
5 全面検知(材料検知器)
5 a 全面検知(材料検知器)受光器
5 b 全面検知(材料検知器)投光器
6 厚み計(材料検知器)
6 a 厚み計(材料検知器)センサ
6 b 厚み計(材料検知器)アーム
6 c 厚み計(材料検知器)検知ローラ
6 d 厚み計(材料検知器)基準ローラ
7 有寸クリッパ
7 a 可動刃
7 b ナイフホルダ
7 c 可動刃体
7 d 固定刃
7 e 可動刃押ボルト
7 f 可動刃ガイド
7 g 可動刃ガイド取付ボルト
7 h 可動刃取付ボルト
7 i 可動刃台
8 有寸クリッパ減速機付サーボモータ
9 屑ディバイダ
10 屑ディバイダ昇降駆動減速機付サーボモータ
11 有寸単板整形機構用搬送系
11 a 上部チェンコンベヤ
11 b 下部チェンコンベヤ
12 搬出コンベヤ駆動減速機付サーボモータ
13 シンクロドライブ
14 シンクロドライブ用減速機付サーボモータ
15 接着剤供給機器
15 a ホットメルトグルータンク&ポンプ
15 b ペレット供給装置
15 c チラーユニット
15 d ペレット供給装置バイブレーター
15 e 蓋
15 f 回生ヒータ
15 g 温度センサ付ブロックヒータ
15 h スポットバルブ用供給パイプ
15 i 糸糊バルブ用接着剤供給パイプ
15 j ホットメルト供給口
16 スポットバルブ
16 a くし状プレート
16 b プレート
16 c 本体ブロック
16 d ユニットバルブ
16 e 接着剤供給溝
16 f 点状の端面接着剤
17 a 糸ケース
17 b 糸
17 c ホットメルトグルー含浸糸
18 糸糊バルブ
18 a 糸糊バルブミキシングプレート
18 b 糸糊バルブ本体ブロック
18 c 糸糊バルブヒートホース
18 d 糸糊バルブユニットバルブ
18 e 糸糊バルブプランジャ
18 f 糸糊バルブピン
18 g ホットメルトグルー吐出部
18 i ミキシングプレート取付けピン
18 j ミキシングプレート固定リンク
18 k グルー受け凹部
18 l 糸押圧凸部
18 m 糸しごき凹部
18 n 軸孔
18 p リンク回転軸
18 q 糸案内溝
19 糸糊バルブ個別昇降装置
19 a 昇降装置ガイド
19 b 取付け基部
20 定尺クリッパ
20 a 可動刃
20 b ナイフホルダ
20 c 可動刃体
20 d 固定刃
21 定尺クリッパ用減速機付サーボモータ
22 定尺コンベヤ
23 スタッカ
24 単板搬送装置
24 a スタッカ搬送コンベヤ左
24 b スタッカ搬送コンベヤ右
24 c スタッカゲート左
24 d スタッカゲート右
25 ゲート開閉 シリンダ
25 a ゲート開閉 シリンダ左
25 b ゲート開閉 シリンダ右
26 蹴り出し装置
26 a 蹴り出し装置左
26 b 蹴り出し装置右
26 c 蹴り出し装置 シリンダ左
26 d 蹴り出し装置 シリンダ右
27 整合装置
27 a 整合装置左
27 b 整合装置右
27 c 単板ガイド左
27 d 単板ガイド右
27 e 槌左
27 f 槌右
27 g 整合装置開閉シリンダ左
27 h 整合装置開閉シリンダ右
28 堆積用テーブルリフタ
29 a 上糸冷却コロ
29 b 受けロール
30 チェーンレール
31 a 不整形単板
31 b 有寸単板
31 c 横はぎ単板
31 d 横はぎ定尺単板
31 e 既積定尺単板
31 f 前端面
32 制御装置
41 a 不成形単板
41 b 不成形単板
42 単板接着部フレーム
Claims (4)
- A不成形単板搬入機構、B有寸単板整形機構、C横はぎ機構、D積み込み機構を含む不成形単板を接合して横はぎ単板を製造するシステムであって、
B有寸単板整形機構はB−1不良部検出機、B−2有寸単板クリッパを有し、
C横はぎ機構はC−1先端面糊付け機、C−2突き合わせ機、C−3接着糸付け機、C−4定尺単板寸法切断クリッパを有し、
D積み込み機構はスタッカを有しており、
B有寸単板整形機構において、
B−1中間切断不良部検出は、許容不良範囲を残す範囲内となるように切断位置を検出して有寸切断する機構と、
B−2可動切断刃を角軸に装着した有寸クリッパとを備えていることを特徴とする横はぎ単板製造システム。 - C横はぎ機構において
C−1 くし状プレートを用いたスポットバルブ、
C−2 開閉するプレートを用いたミキシング部によって垂直に接着糸を狭圧してガイドする糸糊バルブ、
C−3 個別に垂直昇降する糸糊バルブ、
C−4 シンクロドライブ、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の横はぎ単板製造システム。 - D積み込み機構において
単板が交互に斜め姿勢で空中落下タイミングに交互に差動制御される左右保持バー、
を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の横はぎ単板製造システム。 - 熱可塑性合成樹脂接着剤を溶融してC横はぎ機構へ供給する接着剤供給機器の加熱源として外部電力と本システムから発生する回生電力を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の横はぎ単板製造システム。
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