JP2018183725A - 排水処理装置及び排水処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2の方法は、BACを充填しない空間部の容積を処理に利用できないため、容積あたりの処理効率が低下するという問題がある。また、空間部を維持するための構造物や、空間部に空気または酸素を供給するための配管類が必要となるため、設備が複雑化し、初期投資とランニングコストが増加する。
特許文献3の方法は、BAC充填層を2台設置する必要があり、また被処理水を注入できない時間帯が生じてしまうため流量調整槽が必要になることから、初期投資が増加してしまう。
特許文献4の方法は、流動中に活性炭が摩耗し、摩耗により生じた活性炭粉末によって膜分離装置の膜が目詰まりするおそれがある。また、特許文献5の方法は、BAC充填層の下方部分から空気を注入し、BAC充填層よりも上方から被処理水を導入しているため、高濃度で有機物が存在し最も酸素が必要されるBAC充填層の上方部分における溶存酸素濃度を高めるのが困難である。
[1] 固定床として配設された活性炭と、
前記活性炭の下方部分あるいは前記活性炭よりも下方に配設された、被処理水導入口及び空気導入口と、
前記活性炭よりも上方に配設された被処理水の排出口と、
を備える活性炭槽を備える、排水処理装置。
[2] 被処理水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理槽と、
生物処理後の被処理水を前記活性汚泥から分離する固液分離装置と、
分離後の被処理水を前記活性炭槽の前記被処理水導入口に送液する送液部と、
前記活性炭槽の前記空気導入口に空気を送出する送気部と、
をさらに備える、[1]の排水処理装置。
[3] 前記活性炭の粒径が、1〜20mmである、[1]又は[2]の排水処理装置。
[4] 前記活性炭が、木質系又は石炭系である、[1]〜[3]のいずれかの排水処理装置。
[5] 前記固液分離装置は、膜分離によるものである、[2]〜[4]のいずれかの排水処理装置。
[6] 前記被処理水の化学的酸素要求量が500〜5,000mg/Lの範囲である、[1]〜[5]のいずれかの排水処理装置。
[7] 前記活性炭よりも上方に形成される水層の溶存酸素濃度が0.1〜5mg/Lである、[1]〜[6]のいずれかの排水処理装置。
前記活性炭を通過した被処理水を、前記活性炭よりも上方から槽外に排出する手順を含む、排水処理方法。
[9] 前記手順の前段に、
被処理水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理手順と、
生物処理後の被処理水を前記活性汚泥から分離する固液分離手順と、
をさらに含む、[8]の排水処理方法。
[10] 前記活性炭の粒径が、1〜20mmである、[8]又は[9]の排水処理方法。
[11] 前記活性炭が、木質系又は石炭系である、[8]〜[10]のいずれかの排水処理方法。
[12] 前記固液分離手順は、膜分離によるものである、[8]〜[11]のいずれかの排水処理方法。
[13] 前記被処理水の化学的酸素要求量が500〜5,000mg/Lの範囲である、[8]〜[12]のいずれかの排水処理方法。
[14] 前記活性炭よりも上方に形成される水層の溶存酸素濃度が0.1〜5mg/Lである、[8]〜[13]のいずれかの排水処理方法。
生物処理槽1では、被処理水が活性汚泥と混合されることにより生物処理され、さらに生物処理後の被処理水が活性汚泥から膜分離等によって分離される(以下、「生物処理槽1」を「膜分離槽1」とも称する)。被処理水は、流路14から膜分離槽1内に導入される。流路14は、排水を貯留する原水タンク(図示略)と膜分離槽1とを接続するものとでき、汎用のポンプ等を含んでいてもよい。
被処理水は、例えば、化学的酸素要求量が500〜5,000mg/Lの範囲である。
被処理水が有機体窒素を含む場合は、予め嫌気処理又は好気処理により有機体窒素をアンモニア性窒素に変換してもよい。
また、BODがアンモニア性窒素に対し3倍以上ある被処理水の場合には、予め生物処理してBODがアンモニア性窒素に対し1/2となるように低下させておいてもよい。
活性炭槽2では、膜分離槽1における生物処理後の被処理水(透過水)が活性炭によって生物処理される。被処理水(透過水)は、流路15から活性炭槽(例えば、生物活性炭槽)2内に導入される。
活性炭21の下方部分には、流路15に接続する被処理水導入口が開口している。また、活性炭21の下方部分には、送気部13に接続する空気導入口が開口している。ここで、「活性炭21の下方部分」とは、活性炭21の充填層のうち層底面から50%以下、好ましくは40%以下あるは30%以下、より好ましくは20%以下あるいは10%以下、最も好ましくは5%以下の部分あるいは層底面と同位置を指す。被処理水導入口及び空気導入口は、活性炭21よりも下方(充填層外)に配設されていてもよい。
この範囲よりも小さな粒子径の活性炭を使用すると、増殖した微生物による閉塞が生じやすくなる。また、充填層内に水みち(水が流れやすい領域)が形成されて、被処理水が水みちのみを通過するようになるため、処理が不十分になるおそれがある。
一方、この範囲よりも大きな粒子径の活性炭を使用すると、被処理水との接触面積が小さくなるため、処理効率が低下する。
したがって、本発明に係る排水処理装置によれば、複雑な構造を必要とすることなく、活性炭表面における微生物の増殖と活性化とを促進して被処理水中の有機物を効率的に分解することができる。
また、本発明に係る活性炭を固定床として活性炭槽に充填した排水処理装置によれば、活性炭粒子同士の摩耗を抑えることができるので活性炭の交換頻度を下げられ、活性炭槽内への活性炭の充填率を高く維持して高効率の有機物処理が可能となる。
図2に示す試験装置を使用し、有機性排水として養豚場からの畜舎排水を処理した。試験装置は、無酸素槽3、好気槽4、膜分離槽1、及び活性炭槽2から概略構成される。
本試験装置の活性炭槽2では、活性炭21の下方部分に、流路15に接続する被処理水導入口と、送気部13に接続する空気導入口が開口している。また、活性炭21よりも上方(充填層外)に被処理水排出口22が配設されている。流路15から被処理水導入口を介して活性炭槽2に供給された被処理水は、上行流となり活性炭21の上方に滲出し、排出口22からオーバーフローして槽外へ排出される。
種汚泥は、無酸素槽3に1m3、好気槽4に1m3、活性炭槽2に1Lをそれぞれ投入した。
次に、井戸水を、無酸素槽3に2m3、好気槽4に2m3、膜分離槽1に1m3をそれぞれ注水した。活性炭槽2には、被処理水排出口22から流出しない程度に井戸水を注水した。
固液分離装置(濾過膜)12で濾過された透過水のうち、0.4m3/日を活性炭槽2に導入した。
膜分離槽1から無酸素槽3に、循環流路32により3.6m3/日で送液した。
無酸素槽3から好気槽4への活性汚泥の移送と、好気槽4から膜分離槽1への活性汚泥の移送は、それぞれオーバーフローによって行った。また、循環流路32にはエアリフトポンプを配設した。
余剰汚泥は、膜分離槽1のMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)が15,000mg/Lになるように、膜分離槽1から抜き出した。
図3に示す試験装置を使用し、実施例1同様の運転条件で装置を運転した。
本試験装置の活性炭槽2では、活性炭21よりも上方(充填層外)に、流路15に接続する被処理水導入口と、送気部13に接続する空気導入口が開口している。空気は、活性炭21よりも上方に形成される水層中に導入される。また、被処理水排出口22は、活性炭21の充填層底面と同位置に接続されている。流路15から被処理水導入口を介して活性炭槽2に供給された被処理水は、下降流となり活性炭21の充填層底面に到達し、排出口22から槽外へ排出される。
Claims (12)
- 固定床として配設された活性炭と、
前記活性炭の下方部分あるいは前記活性炭よりも下方に配設された、被処理水導入口及び空気導入口と、
前記活性炭よりも上方に配設された被処理水の排出口と、
を備える活性炭槽を備える、排水処理装置。 - 被処理水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理槽と、
生物処理後の被処理水を前記活性汚泥から分離する固液分離装置と、
分離後の被処理水を前記活性炭槽の前記被処理水導入口に送液する送液部と、
前記活性炭槽の前記空気導入口に空気を送出する送気部と、
をさらに備える、請求項1記載の排水処理装置。 - 前記活性炭の粒径が、1〜20mmである、請求項1又は2記載の排水処理装置。
- 前記活性炭が、木質系又は石炭系である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の排水処理装置。
- 前記固液分離装置は、膜分離によるものである、請求項2〜4のいずれか一項に記載の排水処理装置。
- 前記被処理水の化学的酸素要求量が500〜5,000mg/Lの範囲である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の排水処理装置。
- 活性炭槽内に固定床として配設された活性炭の下方部分あるいは該活性炭よりも下方に被処理水と空気を導入し、
前記活性炭を通過した被処理水を、前記活性炭よりも上方から槽外に排出する手順を含む、排水処理方法。 - 前記手順の前段に、
被処理水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理手順と、
生物処理後の被処理水を前記活性汚泥から分離する固液分離手順と、
をさらに含む、請求項7記載の排水処理方法。 - 前記活性炭の粒径が、1〜20mmである、請求項7又は8記載の排水処理方法。
- 前記活性炭が、木質系又は石炭系である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の排水処理方法。
- 前記固液分離手順は、膜分離によるものである、請求項7〜10のいずれか一項に記載の排水処理方法。
- 前記被処理水の化学的酸素要求量が500〜5,000mg/Lの範囲である、請求項7〜11のいずれか一項に記載の排水処理方法。
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