JP2016175006A - 浄水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低水温期においても、溶解性マンガン成分やアンモニア態窒素成分を確実に除去できると共に、高度浄水処理と同等程度以上の浄水処理を行う浄水処理装置を提供する。【解決手段】上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用原水中から、上水水質阻害成分の除去を行う浄水処理装置であって、生物高速ろ過槽と、生物処理槽と、を備え、前記上水用原水を前記生物高速ろ過槽に供給して、該原水由来の微生物により生物処理を行い、低減し、次いで前記生物高速ろ過槽の流出水に微粉末状及び粉末状から成る活性炭を添加して前記生物処理槽に供給し、該生物処理槽内にて、該原水由来の微生物を培養随伴した該活性炭と該流出水とを曝気により対流・混合させて、上水水質阻害成分を吸着処理及び生物処理すると共に、生物処理槽内水から前記浸漬型膜ろ過装置により、固液分離して浄水を得ることを特徴とする浄水処理装置。【選択図】図1

Description

本発明は、活性炭吸着処理、生物処理及び膜ろ過処理を組み合せた浄水処理装置において、膜ろ過装置による確実な固液分離を行うと共に、上水水質阻害成分のうち特に溶解性マンガン成分やアンモニア態窒素成分を微生物の活動が衰える低水温期においても確実に除去できて、高度浄水処理と同程度以上の浄水処理を行うことができる浄水処理装置に関するものである。
都市部においての浄水処理は、上水を大量に必要とすることから、凝集沈殿処理と急速ろ過処理とを併用する方法が用いられてきた。しかしながら、急速ろ過処理では、大量の上水を処理して製造できるというメリットの反面、カビ臭やトリハロメタン前駆物質等を取り除けないという問題があった。特に淀川のような上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用の原水は、水源をダム(琵琶湖)に頼らざるを得ないので、ダムの富栄養化によるカビ臭の発生が問題となっていた。また、上流で使用した水を下水として排水し、それを含んだ河川水を取水するので、下水由来のアンモニア態窒素や微量化学物質に対応しなければならないという問題もあった。そこで、オゾン処理、活性炭吸着処理を加えることによってカビ臭やトリハロメタン前駆物質等を取り除く高度浄水処理が用いられている。
しかしながら、高度浄水処理を行うためには、凝集沈殿池と急速ろ過池の他にオゾン接触槽や生物活性炭吸着槽等の広い用地が必要であり、また、オゾン処理によって発ガンする危険性がある臭素酸を生成するおそれがあり、また、高度浄水処理のための新たな制御システムの追加が必要となって運転管理が複雑になり、また、廃オゾンを処理しなければならないという問題があった。
そこで、従来の急速ろ過池やオゾン接触池を用いずに、高度浄水処理と同等以上の水処理能力を有し、簡潔な運転管理が可能な次世代型浄水システムの構築が求められてきている。急速ろ過池やオゾン接触池を用いずに簡潔な運転管理が可能な浄化方法としては、例えば、微生物が付着した粉末活性炭を処理槽内に投入して、生物作用と吸着作用で原水中の溶解性有機物及び金属成分を除去し、処理槽内に設けられた膜分離装置によって原水中に含まれる固形成分を分離する浄水方法の先行技術が開示されている(参考文献1)。
特開平11−207378号公報(〔0004〕〜〔0020〕、〔図1〕)
特許文献1の先行技術には、生物処理と膜ろ過処理とを1つの装置ですることによって、活性炭と生物処理によって、マンガンを除去できると共に省スペース化が図れることが開示されている。しかし、試しに実施してみると、例えば、平均水温22.4℃に対して、平均水温9.2℃では、溶解性マンガンの処理能力は約2/3になったように、低水温期には、やはり活性炭を用いても生物の活性が低下するので、溶解性マンガンやアンモニア態窒素の除去能力は、著しく低下するという問題があった。
本発明は、これらの問題を解決したものであって、低水温期においても、溶解性マンガン成分やアンモニア態窒素成分を確実に除去できると共に、高度浄水処理と同等程度以上の浄水処理を行う浄水処理装置を提供するものである。
上記の目的を達成するために、本願発明の請求項1に係る浄水処理装置は、上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用原水中から、上水水質阻害成分、特にマンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分の除去を行う浄水処理装置であって、上部にパイプ状ろ材層と下部に粒状ろ材層から構成される生物高速ろ過槽(以下、BRFと称す。)と、浸漬型膜ろ過装置を槽内に、汚泥排出装置を槽底部に設置し、また槽内に少なくとも曝気装置を設置した生物処理槽と、を備え、前記上水用原水を前記BRFに供給して、該原水由来の微生物により生物処理を行い、該原水中のマンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を低減し、次いで前記BRFの流出水に微粉末状及び粉末状から成る活性炭(以下、微粉末活性炭及び粉末活性炭と称す。)を添加して前記生物処理槽に供給し、該生物処理槽内にて、該原水由来の微生物を培養随伴した該活性炭と該流出水とを曝気により対流・混合させて、マンガン成分、アンモニア態窒素成分を含む上水水質阻害成分を吸着処理及び生物処理すると共に、生物処理槽内水から前記浸漬型膜ろ過装置により、固液分離して浄水を得ることを特徴とする。
この構成を採用することにより、上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用の原水が、上流と比べて、アンモニア態窒素や濁度成分が多いにも拘らず、BRFで生物処理及びろ過処理された後、生物処理槽内で吸着処理及び生物処理され、浸漬型膜ろ過装置により固液分離して浄水処理される。なお、上水水質阻害成分とは、濁度成分、アンモニア態窒素成分、溶解性マンガン成分、カビ臭等の微量成分、等をいう。
まず、上水用原水は、BRFを通過することによって、主に、マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分が前処理される。BRFは、そのろ過槽内に、下層に粒状のろ材を、その上層にパイプ状のろ材を敷き詰めてろ層としている。パイプ形状によってろ材の表面積が増えるので、原水由来の微生物が、ろ材中に多数生息できる。また、パイプ形状のろ材によって水流が乱されるので上水用原水がろ材の中を満遍なく行き渡ると共に、そのパイプ形状によって原水と微生物との接触機会が増加するので、微生物は確実に溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分を生物処理し、濁度成分、不溶解性マンガン成分をろ過処理することができる。よって、低水温期のように微生物の活性が低い時期や、河川の増水等による水質悪化時においても、特に、上水用原水中の溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を確実に低減する前処理を行うことができるので、次工程の生物処理槽において、BRFからの流出水(生物処理槽への流入水)の水質を、特に溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を低減して安定させることができる。また、使用する微生物は、都市圏の河川中・下流域で取水する上水用原水中に生息する微生物なので、原水の水質悪化に対しても順応性が高く、優れた生物処理性能を発揮できる。
BRFで処理された流出水は、生物処理槽に供給する。そして、生物処理槽に直接、又はBRFから生物処理槽までの流入過程において、微粉末活性炭及び粉末活性炭を流出水に添加する。
次に、BRFの流出水は、生物処理槽に流入して前記活性炭により吸着処理及び生物処理される。生物処理槽の槽内に浸漬型膜ろ過装置を、槽内底部に汚泥排出装置を、槽内下部に曝気装置を備えている。また、前述したように、生物処理槽には微粉末活性炭と粉末活性炭が、流入又は添加されている。
カビ臭等の微量成分等が生物処理槽内の微粉末活性炭と粉末活性による吸着作用によって除去される。微粉末活性炭は、単位重量当たりの表面積が大きいので、粉末活性炭よりも吸着作用が大きい。よって、微粉末活性炭は、微量成分を除去するのに有効である。
曝気装置により、原水由来の微生物へ溶存酸素を供給し活発に活動させると共に、生物処理槽内の水を対流させることによって活性炭を混合させることができる。よって、生物処理槽内において、活性炭及び微生物を含む生物処理槽内水を、対流により満遍なく混合して行きわたらせることができるので、確実に活性炭による吸着処理と微生物による生物処理を行うことができ、上水水質阻害成分を処理できる。よって、BRFで前処理された後の残存している溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分等を確実に低減する処理をすることができる。
活性炭は、長時間使用され続けると吸着能が低下し、カビ臭等の微量成分を吸収できなくなるので、吸着能を一定水準に保つために、生物処理槽には、随時、新しい微粉末活性炭及び粉末活性炭が、流入又は添加されている。また、生物処理槽内水は、膜ろ過装置によって固液分離されて浄水は槽外に排出されるが、固体成分の活性炭や微生物が濃縮される。すると、それにより活性炭や微生物の濃度が上がっていき、溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分の上水水質阻害成分の処理能力は向上するが、濃縮によりろ過膜が目詰まりを起こす頻度が高くなる。そこで、生物処理槽の底部に汚泥排出装置を設けることによって、長時間の滞在により肥大した使用済みの活性炭等を排出できるので、活性炭濃度や微生物濃度を適正にすることができると共に目詰りの原因物質を除去してリセットするためのろ過膜の薬品洗浄の回数を減らして、正常な運転状態を維持することができる。
十分に、微粉末活性炭と粉末活性炭で吸着処理し、同時に微生物によって生物処理された生物処理槽内水を、膜ろ過装置に通すことによって、固液分離されて浄水を得ることができる。これらの吸着処理、生物処理、固液分離処理によって、膜ろ過装置を通過した浄水は、上水水質阻害成分を適正に除去し、特に溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を適正に処理できる。
請求項2に係る浄水処理装置は、上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用原水中から、上水水質阻害成分、特に溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分の除去を行う浄水処理装置であって、上部にパイプ状ろ材層と下部に粒状ろ材層から構成されるBRFと、汚泥排出装置を槽底部に設置し、また槽内に曝気装置を設置した生物処理槽と、槽外にケーシング型膜ろ過装置と、を備え、前記上水用原水を前記生物急速ろ過槽に供給して、該原水由来の微生物により生物処理を行い、該原水中のマンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を低減し、次いで前記BRFの流出水に微粉末活性炭及び粉末活性炭を添加して前記生物処理槽に供給し、該生物処理槽内にて、該原水由来の微生物を培養随伴した該活性炭と該流出水とを、曝気により対流・混合させて、マンガン成分、アンモニア態窒素成分を含む上水水質阻害成分を吸着処理及び生物処理すると共に、生物処理槽内水を抜出し、圧送して前記ケーシング型膜ろ過装置により、固液分離して、浄水を得ることを特徴とする。
この構成を採用することにより、請求項2に係る浄水処理装置は、上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用の原水が、BRFで生物処理及びろ過処理された後、生物処理槽内で吸着処理及び生物処理され、さらに、生物処理槽から抜き出した生物処理槽内水を圧送して前記ケーシング型膜ろ過装置で固液分離して浄水処理される。
上水用原水が、BRFで前処理されて、生物処理槽に流入し生物処理、吸着処理されるまでは、請求項1の場合の〔0010〕から〔0015〕の説明と同様である。
生物処理槽で処理された該生物処理槽内水の濁度成分の濃度が低い部分の上層水を抜出して、ポンプによってケーシング型膜ろ過装置に圧送する。圧送された抜出水は、ケーシング型膜ろ過装置によって、固液分離を行い浄水を得ることができる。これらの生物処理槽内での吸着処理、生物処理、及び膜ろ過装置での固液分離処理によって、膜ろ過装置を通過した浄水は、上水水質阻害成分、特にマンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を適正に除去できる。
請求項3に係る浄水処理装置は、請求項1の浄水処理装置において、膜ろ過性能を向上させる凝集剤とPH調整剤を前記BRFの流出水に添加し、混合することを特徴とする。請求項4に係る浄水処理装置は、請求項2の浄水処理装置において、前記ケーシング型膜ろ過装置の直前に膜ろ過性能を向上させる凝集剤とPH調整剤を前記抜出した生物処理槽内水に添加し、混合することを特徴とする。
膜ろ過装置でろ過する前に凝集剤を上水用原水に添加すれば、濁度成分を凝集し、ろ過膜によるろ過がしやすく、また、ろ過膜が微細成分で目詰りしにくくなるので、正常な運転状態を維持することができる。
請求項3においては、PH調整剤を併用することよって、凝集剤の凝集効果が上がるPHに調整できるので、前述したように、膜が目詰りしにくくなる。よって、膜の薬品洗浄回数が少なくなり、ろ過膜を傷めにくくなる。
請求項4においては、ケーシング型膜ろ過装置の圧送前のろ過膜直近において、凝集剤の凝集効果が上がるPHに調整できるので、固液分離を確実に行うことができる。
請求項5に係る浄水処理装置は、請求項1から4のいずれかの浄水処理装置において、前記活性炭が、吸着作用に適した微粉末活性炭の粒度が1〜5μmの範囲、微生物の培養随伴に適した粉末活性炭の粒度が5〜30μmの範囲であることを特徴とする。
この構成を採用することにより、吸着作用に適した微粉末活性炭と微生物の培養随伴に適した粉末活性炭とを混合させているので、吸着作用と微生物の生息を適性にした生物処理の機能を両立させることができる。活性炭による吸着作用は、微粉末活性炭の方が単位重量当たりの表面積が大きくなるので、吸着の効率がよい。一方、原水由来の微生物が、微粉末活性炭と粉末活性炭に生息し繁殖して生物処理を行い、溶解性マンガンやアンモニア態窒素等を低減する処理をするが、微粉末活性炭のみでは微生物の住処としては小さすぎて微生物が繁殖し難いから生物処理能力が劣る。よって、微粉末活性炭と粉末活性炭とを混合して用いるのが好適である。
本発明に係る請求項1から5に記載の浄水処理装置によれば、微生物の活性が落ちる低水温期や、河川の増水等による水質悪化時にも、確実に濁度成分、溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を確実に処理することができるので、上質な浄水を得ることができる。また、新たな制御システムや廃オゾン設備が必要となるオゾンを使用せずに、また、運転管理を複雑にすることなく高度浄水処理と同等以上の水質を得ることができると共に、発ガンするおそれのある臭素酸の生成を防止することができる。
また、上水用原水は、生物高速ろ過槽(BRF)を用いて前処理されて、原水の水質が安定するので、生物高速ろ過槽を用いない場合に比べて、生物処理槽への微粉末および粉末活性炭の添加量が少なく済み、ひいては膜ろ過装置の膜への負荷も低減できるので、添加物を含む運転コストの低減と装置の保全を容易にし、結果的に浄水処理の経済性を良好にする。
本発明の実施するための形態に係る浄水処理装置であって、浸漬型膜ろ過装置を適用した場合の模式的フロー図である。 本発明の実施するための形態に係る浄水処理装置であって、ケーシング型膜ろ過装置を適用した場合の模式的フロー図である。 本発明の実施するための形態に係る浄水処理装置であって、図1及び図2に示された生物高速ろ過槽(BRF)の模式的断面図である。 本発明の実施するための形態に係る浄水処理装置であって、図1に示された浸漬型膜ろ過装置に対応する生物処理槽の模式的断面図である。 本発明の実施するための形態に係る浄水処理装置であって、図2に示されたケーシング型膜ろ過装置及びそれに対応する生物処理槽の模式的断面図である。 本発明に係る浄水処理装置において、溶解性マンガンに対するBRFと生物処理槽とを組合せたことによる効果を示すグラフ(高水温期)。 本発明に係る浄水処理装置において、溶解性マンガンに対するBRFと生物処理槽とを組合せたことによる効果を示すグラフ(低水温期)。 本発明に係る浄水処理装置において、アンモニア態窒素に対するBRFと生物処理槽とを組合せたことによる効果を示すグラフ(高水温期)。 本発明に係る浄水処理装置において、アンモニア態窒素に対するBRFと生物処理槽とを組合せたことによる効果を示すグラフ(低水温期)。
本発明に係る浄水処理装置1は、図1に示すように浸漬型膜ろ過装置31を用いた方式と、図2に示したケーシング型膜ろ過装置5を用いた方式の2種類がある。浸漬型膜ろ過装置31を用いた方式の浄化処理装置1は、生物高速ろ過槽(BRF)2と、薬品混和槽6と、浸漬型膜ろ過装置31を槽内に設けた生物処理槽3を主な構成要素として備えており、また、ケーシング型膜ろ過装置5を用いたタイプの浄化処理装置1は、BRF2と、薬品混和槽6と、生物処理槽4と、ケーシング型膜ろ過装置5を主な構成要素として備えている。
まず、図1に示した浸漬型膜ろ過装置31を用いた浄水処理装置1を説明する。本発明に係る浄水処理装置1は、上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用の原水7が、生物高速ろ過槽(BRF)2、薬品混和槽6、生物処理槽3の順に流下していく過程で、BRF2で生物処理及びろ過処理された後、薬品混和槽6で微粉末炭61、粉末活性炭62、凝集剤63、PH調整剤64をBRF流出水23に投入し、攪拌混合させた後、生物処理槽3内で吸着処理及び生物処理され、浸漬型膜ろ過装置31により固液分離して浄水処理され処理水8を得る。
図3に示すように、BRF2は、そのろ過槽内に、下層に直径約2mmの粒状のセラミックス製のろ材22を約50cmの厚さ、その上層に外径が約4mmで、内径が約3mm、長さが4mmのパイプ状のろ材21を約2.0mの厚さに敷き詰めてろ層としている。BRF2は、これらの厚みを基本として、処理水量に応じて、BRF2の総面積を決定する。パイプ形状や多孔質の粒状セラミックス製ろ材によってろ材のろ過面積が増えるので、原水由来の微生物が、ろ材表面及び内部に多数生息できる。即ち、微生物は、マンガン酸化能力のある鉄バクテリア及びアンモニア態窒素の硝化能力のある硝化菌を含んでおり、その微生物を溶存酸素で培養できる。また、パイプ形状のろ材によって水流が乱されるので上水用原水がろ材21、22の中を満遍なく行き渡ると共に、そのパイプ形状によって、原水7と微生物との接触時間が増加するので、微生物は確実に溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分を生物処理し、濁度成分、不溶解性マンガン成分をろ過処理して低減することができる。よって、低水温期のように微生物の活性が低い時期や、河川の増水等による水質悪化時においても、特に、上水用原水7中の溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を確実に低減する前処理を行うことができるので、後工程の生物処理槽3、4に流入するBRF2からの流出水23の水質を、特に溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を低減して安定させることができる。また、使用する微生物は、都市圏の河川中・下流域で取水する上水用原水7中に生息する微生物なので、原水7の水質悪化に対しても順応性が高く、優れた生物処理性能を発揮できる。なお、セラミックス製ろ材22の代わりに、アンスラサイトのろ材22を用いてもよい。
図1、2に示すように、薬品混和槽6は、槽内に攪拌装置65を備えており、BRF2で処理された流出水23は、薬品混和槽6内で、微粉末活性炭61、粉末活性炭62、凝集剤63、PH調整剤64が添加されて、攪拌装置65によって攪拌混合される。そして、微粉末活性炭61、粉末活性炭62、凝集剤63、PH調整剤64が添加、混合された流出水23は、薬品混和槽6から、生物処理槽流入水30、40となって、さらに生物処理槽3、4に流下していく。なお、薬品混和槽6を用いなくとも、微粉末活性炭61、粉末活性炭62、凝集剤63、PH調整剤64を生物処理槽3に添加しても、それぞれの効果は発揮することができる。また、凝集剤63としては、硫酸アルミニウム(Al濃度8%)、PH調整剤64としては、硫酸等がある。
図4に示すように、生物処理槽3は、主として、槽内に浸漬型膜ろ過装置31、槽内下部に曝気装置32を、槽内底部に汚泥排出装置33を備え、微粉末活性炭61及び粉末活性炭62を混合した生物処理槽流入水30を生物処理槽3内に流入させて微生物を含んだ活性炭61,62を含有する生物処理槽内水34とし、吸着処理及び生物処理した後に、浸漬型膜ろ過装置31によって、浮遊する活性炭汚泥33−1と処理水8とを固液分離して処理水8を得ている。
活性炭61、62による吸着作用は、微粉末活性炭61の方が単位重量当たりの表面積が大きいから、微粉末活性炭61を用いる方が吸着処理効果が大きい。しかしながら、原水7由来の微生物が、微粉末活性炭61と粉末活性炭62に生息し繁殖して生物処理を行い、溶解性マンガンやアンモニア態窒素等を処理する点から言えば、微粉末活性炭61のみでは微生物の住処としては小さすぎて微生物が繁殖し難く、生物処理能力が小さいと考えられる。即ち、活性炭61、62は、粒径が1〜5μmの吸着作用に適した微粉末活性炭61と、粒径が5〜30μmの微生物の培養随伴に適した粉末活性炭62とを適宜混合させるので、吸着作用と微生物の生息を適性にした生物処理の機能を両立させることができる。なお、カビ臭等の微量成分等は、活性炭61、62による吸着作用によって除去される。
また、曝気装置42は、生物処理槽3の下部から生物処理槽内水34に空気の気泡を送り込んでいる。この気泡が生物処理槽内水34に溶け込むので原水7由来の微生物が活発に活動でき処理能力が向上する。また、気泡が生物処理槽内水34を上昇することに連動して気泡近傍の生物処理槽内水34も上昇し、それによって対流が生じ、その対流によって微粉末活性炭61と粉末活性活性炭62を混合させることができる。これによって、生物処理槽3内において、微生物を培養随伴した活性炭61、62を含む生物処理槽内水34を、満遍なく混合して行きわたらせることができるので、確実に吸着処理と生物処理を行うことができ、上水水質阻害成分を低減する処理ができる。よって、BRFで前処理された後の残存している溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分等を適正に処理することができる。なお、曝気装置42には、曝気用ブロワ32−1から空気が送られてくる。
汚泥排出装置33は、主な構成要素として、汚泥排出用兼循環用ポンプ33−2−1と、汚泥排出用兼循環用配管33−2−2と、汚泥排出用配管33−2−3と、からなり、生物処理槽3の底部のピットに溜まった長時間の使用で微量成分を吸着して肥大した使用済みの活性炭61、62を含んだ汚泥33−1を、生物処理槽内水34と共に、汚泥排出用兼循環用ポンプ33−2−1によって、汚泥排出用兼循環用配管33−2−2から引抜く。その後、引抜かれた汚泥33−1は、汚泥排出用配管33−2−3を通って、外部に排出される。汚泥33−1の引抜きは、間歇的に行われ、汚泥33−1の引抜き時以外は、汚泥排出用兼循環用ポンプ33−2−1の先で分岐した管を通り、生物処理槽内水34の循環水34−1として生物処理槽3に戻される。この循環水34−1によっても、生物処理槽3内で対流が起こり、それによって生物処理槽内水34が攪拌混合される。
活性炭61は、長時間滞留して使用され続けると吸着能が低下し、カビ臭等の微量成分を吸収できなくなるので、吸着能を一定水準に保つために、薬品混和槽6で、随時、新しい微粉末活性炭61及び粉末活性炭62が添加されて、生物処理槽3に流入される。また、生物処理槽内水34は、膜ろ過装置31によって固液分離されて、処理水8が槽外に出るために、その分活性炭61や微生物が濃縮される。すると、活性炭61、62や微生物の濃度が上がっていき、溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分等の上水水質阻害成分の処理能力は向上するが、濃縮によりろ過膜31が目詰まりを起こす頻度が高くなって処理水8量が低下し、また、ろ過膜の薬品洗浄の頻度が上がる等によって運転管理が困難になる。よって、汚泥排出装置33による活性炭61、62の排出作用と薬品混和槽6での活性炭61、62を添加によって、即ち、生物処理槽3内の活性炭61、62及び微生物の流入と排出とのバランスによって最適濃度に保つことができるので、上水水質阻害成分の処理能力を維持しながら、ろ過膜の薬品洗浄回数を減らして正常な運転状態を維持させることができる。
浸漬型膜ろ過装置31は、十分に、微粉末活性炭61と粉末活性炭62で吸着処理し、同時に微生物によって生物処理された生物処理槽内水34を受け入れ、固液分離させて濁度成分を除去して処理水8を得る。
本発明に用いることができる浸漬型膜ろ過装置31としては、中空糸型PTFE(4フッ化エチレン)製MF膜を用い、公称孔径は、0.1μmで、膜面積は、14m/モジュールであって、モジュール多数個を生物処理槽3内に浸漬しているものである。該膜ろ過装置31の物理洗浄では、処理水8による逆流洗浄とエアスクラビングを併用している。また、薬品洗浄も行っている。なお、UF膜を用いてもよい。
本発明に係る浄水処理装置1は、吸着処理、生物処理、固液分離処理によって、上水水質阻害成分を適正に除去し、特に溶解性マンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を適正に処理できる。
次に、図2に示した別の形態に係る浄水処理装置1を説明する。本発明に係る浄水処理装置1は、上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用の原水7が、BRF2で生物処理及びろ過処理された後、生物処理槽4内で吸着処理及び生物処理され、さらに、生物処理槽4の上層水である生物処理槽内水44−2を圧送して前記ケーシング型膜ろ過装置5で受け入れ固液分離して浄水処理されて処理水8を得る。
図4に示すように、生物処理槽4は、主として、槽内に傾斜式沈降装置41、槽内下部に曝気装置42を、槽内底部に汚泥排出装置43、循環用ポンプ44−1−1、集合井45を備え、微粉末活性炭61及び粉末活性炭62を混合した生物処理槽流入水40を生物処理槽4内に流入させて生物処理槽内水34とし、吸着処理及び生物処理をした後に、生物処理槽内水44の上澄水を集合井46から抜出している。
曝気装置42は、生物処理槽4内の傾斜式沈降装置41の下方にも設置されて生物処理槽4全体に気泡が行渡るので、生物処理槽内水44の微生物の活動に必要な空気を曝気用ブロワ42−1から供給するとともに、気泡によって活性炭61、62を含んだ生物処理槽内水44を対流、攪拌させて、生物処理槽4内全体で満遍なく吸着処理と微生物による生物処理をさせている。なお、生物処理槽4には、循環用ポンプ44−1−1が備えられており、これによっても生物処理槽内水44を対流、攪拌させることができる。
汚泥排出装置43は、汚泥排出用ポンプ43−1−1を備えており、汚泥43−1を引抜くことによって、生物処理槽4内の活性炭61、62及びそれに随伴する微生物を流入と排出とのバランスによって最適濃度に保つことができる。
傾斜板沈降装置41は、仕切壁41−1によって仕切られており、生物処理槽内水44に含まれる活性炭61等を傾斜式沈降装置41に沿ってできるだけ静かに沈降させて、その上澄水を集合井45から引抜き、次工程のケーシング型膜ろ過装置5の負荷を低減している。なお、曝気装置42は、沈降作用を考慮して曝気量を弱く調整するのがよい。
ケーシング型膜ろ過装置5は、膜ろ過用圧送ポンプ51を備えており、そのポンプにより、生物処理槽内水の抜出水44−2をケーシング型膜ろ過装置5に圧送している。圧送された抜出水44−2は、クロスフロー式のケーシング型膜ろ過装置5によって、固液分離されて処理水8を得、濁度成分が除去される。よって、本発明に係る浄水処理装置1は、上水水質阻害成分、特にマンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を適正に除去できる。なお、ろ過膜5を通過できなかった余剰の抜出水44−2は、クロスフロー水52として、再び生物処理槽4に戻される。クロスフロー水52を生物処理槽4に戻すことによって、微粉末活性炭61及び粉末活性炭62、及び随伴する微生物を濃縮することができる。また、クロスフロー式は、ろ過膜の目詰まりを軽減できる点で好適である。
本発明に用いることができるケーシング型膜ろ過装置5としては、モノリス型セラミックス製MF膜を用い、公称孔径は、0.1μmで、膜面積は、15m/モジュールを多数個並列に設置して、クロスフロー式ろ過を行い、クロスフロー水52は、循環水として生物処理槽4へ返送している。膜の物理洗浄は、一定間隔で膜2次側より約0.5MPaの空気圧で実施し、洗浄排水は、生物処理槽4へ返送している。また、薬品洗浄も行っている。膜5前段で凝集剤63とPH調整剤64とで凝集を行うことで、膜5への負荷を低減する。
図5に示すように、凝集剤63及びPH調整剤64をケーシング型膜ろ過装置5の前に添加できるので、PH調整剤64は、凝集剤63の凝集効果が高まるPHに調整することができる。よって、ケーシング型膜ろ過装置5は、目詰りし難くなるので、正常な運転状態を維持することができる。
次に、図1に示した浸漬型膜ろ過装置31を用いた浄水処理装置1を使用して、それぞれ高水温期と低水温期に、BRF2が有る場合と無い場合とで、溶解性マンガン成分とアンモニア態窒素成分の低減処理に関する実験を行った。その実験結果を図6に示している。図6aは、溶解性マンガン成分についての高水温期の実験を、図6bは、低水温期の実験を示している。また、図6cは、アンモニア態窒素成分についての高水温期の実験を、図6dは、低水温期の実験を示している。なお、それぞれのグラフについて、右側の「BRFあり」は、本発明に係る浄水処理装置1についての結果を表しており、左側の「BRFなし」は、本発明の効果を示すために、従来仕様のBRF2を組合わせていないものを表して比較実験を行っている。また、棒グラフの縦軸は1リットル当りの重量比で単位は(mg/L)を示す。また、低水温期とは、水温が10℃以下の時期であり、高水温期とは、水温が10℃以上の時期をいう。また、活性炭注入率(投入量/処理水量)は、いずれも3.0mg/Lであり、凝集剤注入率は、いずれも25mg/Lである。
まず、図6a、図6bに示した溶解性マンガン成分について検討する。溶解性マンガン成分の処理に関して、高水温期は、BRF2を用いずとも原水7中の濃度が0.014であったものが、処理後の水が0.006となって比較的良好に処理されているが、低水温期では、BRF2を用いなければ、原水7中の濃度が0.019であったものが、処理後の水が0.024なって元の原水濃度より増えており処理が上手くできていない状況となった。なお、原水7中より処理後の水の方が、溶解性マンガン成分が増えているのは、生物処理槽3の底部に溜っていた不溶解性マンガンが溶解性マンガンに変化したものだと考えられる。
これに対して、本発明に係るBRF2を適用した浄水処理装置1を用いれば、低水温期でも、原水7中の濃度が0.026であったものが、処理水8の濃度は0.004となって、元の濃度から84.7%除去され非常に良好な処理結果を示している。BRF2の処理水(流出水)23も濃度が0.004となっており、BRF2を組合わせたことによって、溶解性マンガンを処理する能力が、非常に高くなっていることを明確に示している。また、高水温期においても、BRF2を組合わせれば、原水7中の濃度が0.011であったものが、処理水8の濃度は0.002となって元の濃度から81.8%除去されているが、BRF2を組合わせなければ、原水7中の濃度が0.014が、処理後の水が0.006となって57.1%除去されてはいるもののBRF2を用いた場合との差は明確である。また、BRF2の流出水23の濃度も0.004であり、元の濃度から63.6%除去されているので、高水温期であっても、原水7を取水する河川の増水等による水質悪化時において、BFR2によって生物処理槽流入水30の水質(溶解性マンガン成分)を安定させることができ、その結果、処理水8の濃度も安定して低減できる。
次に、図6c、図6dに示したアンモニア態窒素成分について検討する。アンモニア態窒素成分の処理に関して、高水温期は、BRF2を用いずとも原水7中の濃度が0.049であったものが、処理後の水が0.021となり、それなりに処理されているが、低水温期は、BRF2を用いなければ、原水7中の濃度が0.055であったものが、処理後の水が0.040となって、元の濃度から27.3%しか除去できておらず、あまり処理ができていない状況である。
これに対して、本発明に係るBRF2を適用した浄水処理装置1を用いれば、低水温期でも、原水7中の濃度が0.055であったものが、処理水8の濃度は0.015となって元の濃度から72.7%除去できており、非常に良好な処理結果を示している。BRF2の処理水(流出水)23も濃度も0.013となっており、BRF2を組合わせたことによって、アンモニア態窒素を処理する能力が、非常に高くなっていることを明確に示している。また、高水温期においても、BRF2を組合わせれば、原水7中の濃度が0.052であったものが、処理水8の濃度は0.005となって元の濃度から90%除去されているが、BRF2を組合わせなければ、原水7中の濃度が0.049が、処理後の水が0.021となって57.1%除去されてはいるもののBRF2を用いた場合との差は明確である。また、BRF2の流出水23の濃度も0.019であり、元の濃度から63.5%除去されているので、高水温期であっても、原水7を取水する河川の増水等による水質悪化時において、BFR2によって生物処理槽流入水30の水質(アンモニア態窒素成分)を安定させることができ、その結果、処理水8の濃度も安定して低減できる。
上記結果から、BRF2を用いることにより、溶解性マンガン成分及びアンモニア態窒素成分を効率よく除去して低減できるので、生物処理槽4での処理分担も軽減され使用している微粉末活性炭61及び粉末活性炭62の注入率を低減することが可能となる。
このように、本発明に係る浄水処理装置1を用いれば、BRF2と生物処理槽3、4・膜ろ過装置31、5を組み合わせることにより、水質面では、上水水質阻害成分の除去処理をBRF2か生物処理槽3、4かのどちらかに重点をおいて特化することができるので、全体として効率よく除去処理できる。例えば、溶解性マンガン成分の処理はBRF2で、有機物の処理は、生物処理槽3、4・膜ろ過装置31、5で主体的に行うことで、全体として最適な処理結果が得られる。次に、浄水処理制御面では、原水7を前段のBRF2に通すことにより、例えば、濁度成分、溶解性マンガン、有機物等に関して原水7の水質変動のピークが後段の生物処理槽3、4・膜ろ過装置31、5に対して緩和されるので、凝集剤63、PH調整剤64や粉末活性炭61、62の注入量が安定し易く、全体の浄水処理装置1の制御の安定化や簡易化につながる。最後に、コスト面からは、ろ過膜の目詰りの因と考えられる溶解性マンガン成分がBRF2で減少するので、後工程の膜ろ過装置31、5の薬品洗浄の頻度の低下、生物処理槽3、4への活性炭61、62注入量の減少につながる。よって、全体として薬品使用量の減少、ろ過膜の寿命延長につながり、コストダウンさせることができる。
水を高度に浄化する装置として河川、湖沼等に限らず上水用に広く利用することができる。
1:浄水処理装置
2:生物高速ろ過装置(BRF)
21:上層ろ材
22:下層ろ材
23:BRF流出水
3:生物処理槽
30:生物処理槽流入水
31:浸漬型膜ろ過装置 31−1:膜ろ過用ポンプ
32:曝気装置 32−1:曝気用ブロワ
33:汚泥排出装置 33−1:汚泥
33−2−1:汚泥排出用兼循環用ポンプ汚
33−2−2:泥排出用兼循環用配管
33−2−3:汚泥排出用配管
34:生物処理槽内水 34−1:生物処理槽内水の循環水
4:生物処理槽
40:生物処理槽流入水
41:傾斜式沈降装置 41−1:仕切壁
42:曝気装置 42−1:曝気用ブロワ
43:汚泥排出装置 43−1:汚泥
43−1−1:汚泥排出用ポンプ
44:生物処理槽内水 44−1:生物処理槽内水の循環水
44−1−1:循環用ポンプ
44−2:生物処理槽内水を抜出した水
45:集合井
5:ケーシング型膜ろ過装置
51:膜ろ過用圧送ポンプ
52:クロスフロー水
6:薬品混和槽
61:微粉末活性炭
62:粉末活性炭
63:凝集剤
64:PH調整剤
65:撹拌装置
7:原水
8:処理水

Claims (5)

  1. 上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用原水中から、上水水質阻害成分、特にマンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分の除去を行う浄水処理装置であって、
    上部にパイプ状ろ材層と下部に粒状ろ材層から構成される生物高速ろ過槽と、
    浸漬型膜ろ過装置を槽内に、汚泥排出装置を槽底部に設置し、また槽内に少なくとも曝気装置を設置した生物処理槽と、
    を備え、
    前記上水用原水を前記生物高速ろ過槽に供給して、該原水由来の微生物により生物処理を行い、該原水中のマンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を低減し、
    次いで前記生物高速ろ過槽の流出水に微粉末状及び粉末状から成る活性炭を添加して前記生物処理槽に供給し、該生物処理槽内にて、該原水由来の微生物を培養随伴した該活性炭と該流出水とを曝気により対流・混合させて、マンガン成分、アンモニア態窒素成分を含む上水水質阻害成分を吸着処理及び生物処理すると共に、生物処理槽内水から前記浸漬型膜ろ過装置により、固液分離して浄水を得ることを特徴とする浄水処理装置。
  2. 上流において繰返し利水された都市圏の河川中・下流域で取水する上水用原水中から、上水水質阻害成分、特にマンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分の除去を行う浄水処理装置であって、
    上部にパイプ状ろ材層と下部に粒状ろ材層から構成される生物高速ろ過槽と、
    汚泥排出装置を槽底部に設置し、また槽内に曝気装置を設置した生物処理槽と、
    槽外にケーシング型膜ろ過装置と、
    を備え、
    前記上水用原水を前記生物高速ろ過槽に供給して、該原水由来の微生物により生物処理を行い、該原水中のマンガン成分、アンモニア態窒素成分、濁度成分を低減し、
    次いで前記生物高速ろ過槽の流出水に微粉末状及び粉末状から成る活性炭を添加して前記生物処理槽に供給し、該生物処理槽内にて、該原水由来の微生物を培養随伴した該活性炭と該流出水とを、曝気により対流・混合させて、マンガン成分、アンモニア態窒素成分を含む上水水質阻害成分を吸着処理及び生物処理すると共に、生物処理槽内水を抜出し、圧送して前記ケーシング型膜ろ過装置により、固液分離して、浄水を得ることを特徴とする浄水処理装置。
  3. 膜ろ過性能を向上させる凝集剤とPH調整剤を前記生物高速ろ過槽の流出水に添加し、混合することを特徴とする請求項1に記載の浄水処理装置。
  4. 前記ケーシング型膜ろ過装置の直前に膜ろ過性能を向上させる凝集剤とPH調整剤を前記抜出した生物処理槽内水に添加し、混合することを特徴とする請求項2に記載の浄水処理装置。
  5. 前記活性炭が、吸着作用に適した微粉末状から成る活性炭の粒度が1〜5μmの範囲、微生物の培養随伴に適した粉末状から成る活性炭の粒度が5〜30μmの範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の浄水処理装置。
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