JP2018181944A - 高周波基板 - Google Patents

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直明 北川
Naoaki Kitagawa
直明 北川
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Abstract

【課題】高密度実装された高周波基板の放熱性を高め、長期にわたって電子機器を発熱から保護し、安定した信頼性を保持することができるという、放熱性に優れた高周波基板を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の高周波基板は、高周波信号の高速伝送用高周波基板であって、基材となる樹脂フィルムと、銅層と、グラファイト層とセラミックス層からなる積層体と、を備える高周波基板であって、前記セラミックス層は窒化アルミ二ウム、酸化ケイ素、酸化アルミ二ウムの群から選択される一種である。【選択図】なし

Description

本発明は、高周波基板の放熱性を改善し、長期信頼性を向上させた高周波信号の高速伝送用高周波基板に関する。
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い、半導体等の電子部品の高密度化、高機能化が要求されている。特に高周波帯域を使用する通信機器の小型化に加え、通信速度の高速化によって、単位体積あたりの発熱量が増加している。
このような高周波信号の高速伝送デバイスの実用化には、種々の課題が指摘されているが、最も大きな課題の一つに発熱問題がある。高出力・高密度で作動させるため高温になり、その信頼性が大きく低下してしまう。従って、この発熱を早く効率的に放熱することにより、信頼性の低下を防止し、長期信頼性を向上することが重要な課題となっている。
高周波信号の高速伝送を実現するために、種々の配線基板の改善が検討されている。通常、高周波回路に採用されるプリント基板は、使用する周波数・許容されるサイズ・コストなどを総合的に判断して最適なプリント基板の材質を選択するが、フレキシブル性を備えたポリイミド樹脂に電解銅箔を貼り付けた基板などが用いられてきた。
例えば、特許文献1には、プリント基材に貼り付ける銅箔との密着性を高めるために、電解液中にモリブデン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンなどの金属塩を添加し、これらの金属を含む銅めっき層を形成し、めっき層中の銅の結晶粒径の一部を粗大化させ、銅めっき層の表面に凹凸を形成し、基材との密着性を改善するプリント基板の製造方法が開示されている。しかしながら、高周波信号の高速伝送にはこの粗大化した銅結晶により形成された粗大粒の界面や、表面の凹凸の存在により、回路ボトムラインの直線性が損なわれ、信号が反射して高周波信号の伝送損失が増加するという問題があった。
また、特許文献2には、回路用銅箔と樹脂基板との接着強度を高めるためにGeを含有する多数の銅電着物からなる粗化処理層を形成する技術が開示されている。Geイオンを電解液中に含有させることにより銅析出物のデンドライト化を抑制し、球状化させ、後のエッチング処理時に銅微粉の発生による粉落ちを防止し、基板とのを密着性の改善はみられるが、高周波信号の伝送損失は避けられないという問題があった。
特開平11−256389号公報 特許3201850号公報
本発明は、高密度実装された高周波基板の放熱性を高め、長期にわたって電子機器を発熱から保護し、放熱性に優れた高周波信号の高速伝送用高周波基板を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、高周波信号の高速伝送用高周波基板の構成として、基材の樹脂フィルムの一方の表面に、所定の膜厚の平滑性に優れ且つ緻密な膜質であり基材との高い密着性を有する銅層を備え、もう一方の表面に極めて高い熱伝導率を有するグラファイトシートからなるグラファイト層と、さらにグラファイト層の表面に窒化アルミ二ウム、酸化ケイ素、酸化アルミ二ウムの群から選択される一種のセラミックス層を形成した積層体が接着層を介して基材の樹脂フィルムと接合している構成とすることで、優れた放熱性を備えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の高周波基板は、高周波信号の高速伝送用高周波基板であって、基材となる樹脂フィルムの一方の表面に銅層を備え、もう一方の表面にグラファイト層とセラミックス層からなる積層体を備える高周波基板であり、前記樹脂フィルムと前記積層体は接着層を介して接合され、かつ前記セラミックス層は窒化アルミ二ウム、酸化ケイ素、酸化アルミ二ウムの群から選択される一種であることを特徴とする。
本発明の高周波基板は、基材の樹脂フィルムの一方の表面に、所定の膜厚の平滑性に優れ且つ緻密な膜質の銅層を備え、もう一方の表面に極めて高い熱伝導率を有するグラファイトシートからなるグラファイト層と、窒化アルミ二ウム、酸化ケイ素、酸化アルミ二ウムの群から選択される一種のセラミックス層からなる積層体を備え、該積層体は前記樹脂フィルムと接着層を介して接合している構成としている。このような構成とすることで、高周波信号の伝送損失が少なく、且つ優れた放熱性を備え、また長期間使用しても、基板が高温にさらされることを防止し、信頼性を向上することができる。以上のことから本発明の高周波基板は、高速伝送デバイスの実用化に貢献できる。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の高周波基板は、高周波信号の高速伝送用高周波基板であって、基材となる樹脂フィルムの一方の表面に銅層を備え、もう一方の表面にグラファイト層とセラミックス層からなる積層体を備える高周波基板であり、前記樹脂フィルムと前記積層体は接着層を介して接合され、かつ前記セラミックス層は窒化アルミ二ウム、酸化ケイ素、酸化アルミ二ウムの群から選択される一種であることを特徴としている。
本発明の高周波基板は、高密度実装された基板の放熱性を高めており、長期間使用による発熱を効率的に放熱することで、実装された電子機器の信頼性の低下を防止し、高周波基板として放熱性に優れている。本発明の高周波基板は、優れた放熱性を有している限り、その形状に特に制限はなく、例えば基材の樹脂フィルムや配線層としての銅層の厚さは、使用目的など必要に応じて調整することができる。
以下に、本発明について、(1)基材、(2)銅層、(3)グラファイト層、(4)セラミックス層、(5)接着層、(6)高周波基板の製造方法の順に説明する。
(1)基材
本発明の高周波基板において、基板として用いる基材は、高周波基板の用途に適した材料を選択することができる。例えば、安価で汎用的に使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)、耐熱性・耐薬品性・寸法安定性に優れた液晶ポリマー(LCP)、透明性・低誘電率を有し耐熱性も優れたシクロオレフィンポリマー(COP)、機械強度・低誘電率を有し耐熱性も優れたポリイミド樹脂(PI)などの樹脂を挙げることができる。
基材の形態としては、高密度実装し、高速伝送用配線基板として使用することから、表面の平滑性が高い樹脂フィルムを高周波基板の基材として選択する。
本発明の高周波基板の用途、使用目的により、形状だけでなく、配線層としての銅層及び放熱層としてのグラファイト層とその保護層としてのセラミックス層からなる積層体を支持し、その機能を損なわない範囲で樹脂フィルムの厚さを任意に選択することができる。
樹脂フィルムの厚さとしては、10μm以上400μm以下の範囲が好ましく、20μm以上200μm以下の範囲がより好ましい。樹脂フィルムの厚さが、10μm未満では、銅層、グラファイト層、保護層を支持する基板としての強度が不足するため好ましくない。樹脂フィルムの厚さが、400μmを超えると、配線層としての銅層側で発生した熱が効率よく放熱層としてのグラファイト層に伝わりにくくなるため好ましくない。また、加工性やハンドリング性が悪くなるため好ましくない。
(2)銅層
本発明の高周波基板の配線層には、電気抵抗が少なく電気配線回路に汎用的に使われている銅を用いる。銅は、コスト的にも比較的安価で、配線加工しやすいので好ましい。配線層としての銅層の厚さは任意に設定できるが、高密度に実装した高周波基板として使用する場合の銅層の厚さとしては、1μm以上20μm以下の範囲とすることが好ましい。さらに高密度化するには、1μm以上4μm以下の厚さの銅層とすることがより好ましい。厚さが1μm未満では、配線層が薄すぎて、断線のおそれが生じ、厚さが20μmを超えると、配線の断面が台形状になり、配線上部と下部の配線幅に差が生じ、高密度に配線した際に配線間でショート不良のおそれが生じ好ましくない。
本発明の銅層は、下地層にスパッタリング法により成膜した銅層を形成することが望ましい。スパッタリング法で成膜した銅層と基材の樹脂フィルムとの密着性は、化学結合により極めて高い。表面が平滑な基材を選択することで、表面を粗面化処理せずに、平滑な基材の表面上に直接成膜するため、得られるスパッタリング法による銅層も、平滑な膜となり、さらにめっき法で成膜された銅層も平滑な膜が得られる。従って、本発明の高周波基板を使用して高周波信号を高速伝送した時に、信号の反射や乱れが生じにくく、信号の伝送損失を少なく抑えることができる。
本発明の銅層は、高周波信号の高速伝送用の配線として用いるため、基材との密着性が高く、後で配線加工する際にエッチング性の良い膜質であることが要求される。これらの要求特性を満足させるため配線層の銅層は、化学蒸着法、物理蒸着法、スパッタリング法などの乾式法により成膜することで実現することができる。特にスパッタリング法は、膜が緻密になり、且つ平滑な膜や、より密着性の高い膜を得るのに適している。但し、成膜時間が長くなり、コスト的には不利な面がある。
そこで、スパッタリング法の特徴を生かし、且つ生産性の低下を補うために、配線用銅層は、まず基材表面に下地層として銅層をスパッタリング法で成膜した後に、電気めっき法で銅層を所定の膜厚に成膜する方法を選択することができ、得られる配線層の銅層は高周波信号の高速伝送用基板の配線に要求される種々の品質を満足することができる。
(3)グラファイト層
本発明のグラファイト層は、配線上に設置したデバイスから発生した熱を効率的に放熱するための放熱層であり、グラファイト層とその上に成膜されたセラミックス層とで積層体を構成する。本発明のグラファイト層は、熱伝導率は700W/mK以上2000W/mK以下であり、銅と比べても数倍大きな熱伝導率を有し、極めて高い熱伝導性を有する材料である。
本発明の高周波基板は、基材を挟んで一方の面に配線層の銅層が配置され、もう一方の面に放熱層のグラファイト層が配置される。グラファイト層の厚さは、厚いほど放熱性は向上するが、必要な放熱量に応じて厚さを設定することができる。高周波基板として使用する場合、グラファイト層の厚さは、5μm以上200μm以下とすることが好ましく、10μm以上100μm以下とすることがさらに好ましい。5μm未満では、放熱効果が小さく、効率よい放熱効果を得ることが困難であり、200μmを超えて厚くすると、基板の耐折り曲げ性が低下するため好ましくない。また、これ以上厚くしても放熱効果の向上は見られず、コスト高になるだけであり好ましくない。
本発明のグラファイト層は、厚さが10μmから100μmのグラファイトシートが市販されており、これを入手しそのまま使用することができる。例えば、パナソニック株式会社製グラファイトシート(品名:PGSグラファイトシート。厚さ:10μm、25μm、50μm、70μm、100μmなど。熱伝導率:700W/mK、1000W/mK、1300W/mK、1600W/mK、1950W/mKなど))が挙げられる。
また、グラファイト層は、金属と比較して低密度で、高い熱伝導性を有するので、基板の軽量化、薄層化も期待できる。さらに、電磁波シールド機能も備えており、遮蔽性も期待できる。
(4)セラミックス層
本発明の高周波基板は、放熱層のグラファイト層の表面に、セラミックス層が形成されており、積層体を構成する。
セラミックス層は、強度の弱いグラファイト層の傷つきを防止する保護層としての機能を有し、かつ、回路基板としての絶縁性を付与する機能を有する。
上記機能を有するセラミックス層としては、窒化アルミ二ウム、酸化ケイ素、酸化アルミ二ウムの群から選択される一種のセラミックスであることが重要である。上記材料を選択することにより、高周波基板に要求される強度、絶縁性が同時に付与される。
本発明の高い放熱性は、主にグラファイト層により確保できる。グラファイトは非常に優れた熱伝導性を有する材料であるが、強度的にもろいという欠点を有する材料であり、これを防止し、長期使用しても安定した放熱性を確保するためには、グラファイト層を保護するセラミックス層をグラファイト層の表面に配置する必要がある。そこで、十分な放熱性を確保する観点からセラミックス層についても、熱伝導率の高い材料が好ましい。窒化アルミ二ウムの熱伝導率は285W/mKと、高い熱伝導率を有するため窒化アルミ二ウムが特に好ましい。その他、酸化ケイ素や酸化アルミニウムも比較的高い熱伝導率を有し、かつ高強度で、絶縁体であるセラミックス材料であり、保護層として好適に適用することができる。
セラミックス層の厚さは、傷つきや長期使用による経時劣化などによる絶縁性の低下を防止する効果を奏するためには、0.5μm以上5μm以下の範囲であることが好ましく、1μm以上3μm以下がより好ましい。膜厚が0.5μm未満であると硬度が不足し所定の傷つき防止効果が得られなくなり、一方膜厚が5μmを超えても所定の効果の向上は見られず、コストが高くなるため好ましくない。
(5)接着層
本発明の高周波基板は、基材の樹脂フィルムの一方の表面にグラファイト層及びセラミックス層の積層体を備えており、基材の樹脂フィルムと積層体は、接着層を介して貼り合わされ接合している。
接着層は、基材の樹脂フィルムに対し、接着できるものであれば特に制限はなく接着剤やプリプレグを使用することができるが、使用する基板に適する熱硬化型の接着剤や、熱硬化型樹脂のプリプレグが市販されておりこれを使用することが好ましい。
(6)高周波基板の製造方法
本発明の高周波基板の製造方法について以下に説明する。本発明の高周波基板は、以下の(A)から(D)の工程により得られる。
(A)基材の樹脂フィルムおよびグラファイトシートを準備する工程
(B)樹脂フィルムの一方の面に配線層の銅層を成膜する工程
(C)(B)で得られた基板にグラファイトシートを接着層を介して貼り合せる工程。
(D)(C)で得られた基板にセラミックス層を成膜する工程
以下、それぞれの工程について説明する。
(A)基材の樹脂フィルムおよびグラファイトシートを準備する工程
前述したように、本発明の高周波基板の基材としては、安価で汎用的に使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)、耐熱性・耐薬品性・寸法安定性に優れた液晶ポリマー(LCP)、透明性・低誘電率を有し耐熱性も優れたシクロオレフィンポリマー(COP)、機械強度・低誘電率を有し耐熱性も優れたポリイミド樹脂(PI)などの樹脂製の基材のなかから、用途に適した材料を選択する。本発明では、高周波信号の高速伝送用に使用することから、伝送損失を抑制するために表面の平滑性が高い樹脂フィルムを基材として選択する。
また、グラファイト層とセラミックス層からなる積層体を構成するグラファイト層には、適用する基板の放熱量に対応可能な熱伝導率のグラファイトシートを選定することができる。
市販のグラファイトシートとしては、パナソニック株式会社製グラファイトシート(品名:PGSグラファイトシート、厚さ:10μm、25μm、50μm、70μm、100μmなど、熱伝導率:700W/mK、1000W/mK、1300W/mK、1600W/mK、1950W/mKなど)が挙げられる。
(B)樹脂フィルムの一方の面に配線層の銅層を成膜する工程
本発明の銅層は、高周波信号の高速伝送用の配線として用いるため、基材との密着性が高く、後で配線加工する際にエッチング性の良い膜質であることが要求される。これらの要求特性を満足させるため配線層の銅層は、化学蒸着法、物理蒸着法、スパッタリング法などの乾式法により成膜することで実現することができる。特にスパッタリング法は、膜が緻密になり、且つ平滑な膜や、より密着性の高い膜を得るのに適している。但し、成膜時間が長くなり、コスト的には不利な面がある。
そこで、スパッタリング法の特徴を生かし、且つ生産性の低下を補うために、配線用銅層は、まず基材表面に下地層として銅層をスパッタリング法で成膜した後に、電気めっき法で銅層を所定の膜厚に成膜する方法を選択することができる。
すなわち、本発明において銅層は、下地層の銅層をスパッタリング法で50nm以上300nm以下の厚さで成膜し、その後、電気めっき法で最終的に厚さが1μm以上20μm以下となるように成膜することにより形成することができる。
下地層の銅層は、銅ターゲットを用いて、スッパッタリング装置に基材をセットして、アルゴンガスを導入しながらスパッタリングして、所定の膜厚の銅層を成膜することにより得られる。なお、基材と銅層との密着性をより高めるためには、銅層を成膜する前に、クロム、ニッケル、ニッケル−クロム合金の群から選ばれる下地層を20nm以上100nmの厚さで成膜することが好ましい。その他、アルゴンイオンにより基材表面を洗浄したり、酸素プラズマを発生させて基材表面を活性化させる処理を施すことも密着性を高めるのに有効である。
次に、下地層の銅層を形成した基材を、めっき装置により銅めっきを施し、最終的に厚さが1μm以上20μm以下になるように配線用銅層を形成する。銅めっきには、毒性が少なく、操作性に優れる硫酸銅を用いた酸化浴のメッキ装置を使用することが望ましい。
(C)(B)で得られた基板にグラファイトシートを接着層を介して貼り合せる工程。
(C)工程は、(B)で得られた配線層の銅層を成膜した樹脂フィルムに対し、(A)で準備したグラファイトシートを接着層を介して貼り合せ、熱圧着して接合する工程である。
接着層には、基板に使用される基材に対して、接着できるものであれば、特に制限はなく、接着剤やプリプレグを使用することができるが、使用する基板に適する熱硬化型樹脂のプリプレグが市販されておりこれを使用することが好ましい。例えば、ポリイミド系接着剤としては、東レ株式会社製接着剤、三井東圧化学株式会社製接着剤(品名:LARC−TPI)などが挙げられる。
(D)(C)で得られた基板にセラミックス層を成膜する工程
本発明の高周波基板のセラミックス層は、放熱層としてのグラファイトシートの表面に、スパッタリング法により成膜する。
セラミックス層は、窒化アルミ二ウム、酸化ケイ素、酸化アルミ二ウムの群から選択される一種のセラミック層からなるが、本発明の銅層と同様に化学蒸着法、物理蒸着法、スパッタリング法などの乾式法により成膜することができる。特にスパッタリング法は、膜が緻密になり、且つ平滑な膜やより密着性の高い膜を得るのに適している。
放熱性を高めたい場合は、セラミックス層の材料は窒化アルミニウムを選択することが好ましい。窒化アルミ二ウム層をスッパッタリング法により成膜するには、アルミニウムターゲットを用いて、反応ガスとして窒素ガスを導入して反応性スパッタリングすることで窒化アルミニウム膜が得られる。
酸化ケイ素を選択する場合は、シリコンターゲットを用いて、反応ガスとして酸素ガスを導入して反応性スパッタリングすることで酸化ケイ素膜が得られる。酸化アルミ二ウムを選択する場合も、アルミニウムターゲットを用いて、反応ガスとして酸素ガスを導入して反応性スパッタリングすることで酸化アルミニウム膜が得られる。いずれも安価なターゲットで膜硬度が高く、絶縁性の高いセラミックス膜が形成できる。
以下に、実施例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、下記に示す実施例及び比較例の高周波基板において、以下の評価方法により評価した。
(a)放熱性の評価
得られた基板に合計10WのLEDライトを取付け、毎秒100回点滅させながら1 時間動作させ、基板の裏面にサーモテープを貼り付けて、動作後の基板温度を測定して 基板の放熱性能を評価した。
(b)硬度の評価
JIS K 5600塗料一般試験方法に準拠した鉛筆硬度試験(鉛筆引っかき試験 法)により、三菱ユニ鉛筆を用いてセラミックス層の硬度を評価した。
(実施例1)
基材として厚さが100μmのポリイミド(PI)フィルム(東レ・デュポン株式会社製、サイズ20cm角)を用いた。
まず、基材のポリイミドフィルムを、スパッタリング装置(芝浦メカトロニクス株式会社製、CFS−4ES)にセットし、このポリイミドフィルムの片面に下地層としてNi−25質量%Crを20nm、続いて銅を100nm成膜した。
具体的には、ターゲットに、Ni−25質量%Cr合金(純度99.9%)と銅(純度99.9%)の3インチ径の円板状ターゲットを用いて、到達真空度を6.5×10-3Paとし、DC出力を200Wとし、かつ、反応ガスとして、アルゴンガス(流量15sccm)導入することにより、フィルムの片面に先に膜厚20nmのNi−20質量%Cr下地層を成膜した。続いて、DC出力を300Wとし、到達真空度を6.5×10-3Paとし、かつ、反応ガスとして、アルゴンガス(流量15sccm)を導入することにより膜厚100nmの銅の下地層を成膜して積層した。
得られたフィルムに電解銅めっきを施すために、硫酸銅を用いためっき装置に下地層を成膜したフィルムをセットした。
めっき条件は、浴温度は45℃で、電圧5Vとし、電流密度を3A/dm2として15分間めっきして、配線層の銅層を作製した。得られた銅層の厚さは4μmであった。
次に、得られた銅層を成膜したフィルムに、グラファイトシート(パナソニック株式会社製、PGSグラファイトシートTypeEYG、厚さ:40μm、熱伝導率:1200 W/mK)を、ポリイミド系接着剤(三井東圧株式会社製、品番:LARC−TPI)を用いて、1kg加圧しながら300℃で1時間加熱硬化させた。
さらに、得られたグラファイトシートを貼り付けたフィルムを先ほど下地層の銅層の成膜に用いたスパッタリング装置(芝浦メカトロニクス株式会社製、CFS−4ES)にセットし、固定治具を用いてグラファイトシート上に3インチ径の円板状金属アルミ二ウムターゲット(純度99.9%)を用いて、窒化アルミ二ウムを成膜した。成膜条件は、RF出力を250Wとし、到達真空度を5.5×10-3Paとし、かつ、反応ガスとして、アルゴンガス(流量15sccm)、窒素ガス(流量15sccm)を導入して15分間スパッタリングすることにより厚さが0.5μmの窒化アルミ二ウム層を成膜して高周波基板を得た。
前記した評価方法により得られた高周波基板の放熱性能を評価したところ、一時間動作後の基板の温度は42℃であった。
また、窒化アルミ二ウム層の硬度は、鉛筆硬度で3Hであり、十分な硬度を有していた。
(実施例2)
基材の樹脂フィルムを厚さが100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、サイズ20cm角)を用いた以外は、実施例1と同様にして、配線用の銅層を4μm成膜し、グラファイトシートを接着剤で貼り付けた。その後、グラファイトシート上に3インチ径の円板状金属シリコンターゲット(純度99.9%)を用いて、酸化ケイ素を成膜した。成膜条件は、RF出力を250Wとし、到達真空度を5.5×10-3Paとし、かつ、反応ガスとして、アルゴンガス(流量15sccm)、酸素ガス(流量15sccm)を導入して15分間スパッタリングすることにより厚さが0.3μmの酸化ケイ素層を成膜した。
得られた高周波基板の放熱性能を評価したところ、一時間動作後の基板の温度は44℃であった。
また、酸化ケイ素層の硬度は、鉛筆硬度で4Hであり、十分な硬度を有していた。
(比較例1)
グラファイトシートを基材のポリイミドフィルムに貼り付けず、放熱層を備えずに、それ以外は実施例1と同様にして高周波基板を得た。
得られた高周波基板を実施例1と同様にして放熱性能を評価した。一時間動作後の基板の56℃まで温度上昇してしまい、放熱できていないことが分かった。
以上のように、本発明の高周波基板は、放熱性能は良好であり、保護層の硬さも優れているため、放熱性に優れる基板であることが分かり、高周波信号の高速伝送用配線基板として好適に使用することができる基板である。


Claims (5)

  1. 高周波信号の高速伝送用高周波基板であって、基材となる樹脂フィルムの一方の表面に銅層を備え、もう一方の表面にグラファイト層とセラミックス層からなる積層体を備える高周波基板であり、前記樹脂フィルムと前記積層体は接着層を介して接合され、かつ前記セラミックス層は窒化アルミ二ウム、酸化ケイ素、酸化アルミ二ウムの群から選択される一種であることを特徴とする高周波基板。
  2. 前記樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド樹脂、シクロオレフィンポリマー、フッ素樹脂、液晶ポリマー、の群から選択される一種である、請求項1に記載の高周波基板。
  3. 前記銅層は、厚さが1μm以上20μm以下である、請求項1または請求項2に記載の高周波基板。
  4. 前記グラファイト層は、熱伝導率は700W/mK以上2000W/mK以下であり、厚さが30μm以上500μm以下である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の高周波基板。
  5. 前記セラミックス層は、厚さが0.1μm以上5μm以下の範囲である、請求項1から請求項4のいずれかに記載の高周波基板。
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CN112399705A (zh) * 2020-11-10 2021-02-23 四川深北电路科技有限公司 一种5g通讯设备用高频高导热混压板及其制作方法

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CN112399705A (zh) * 2020-11-10 2021-02-23 四川深北电路科技有限公司 一种5g通讯设备用高频高导热混压板及其制作方法
CN112399705B (zh) * 2020-11-10 2022-09-30 四川深北电路科技有限公司 一种5g通讯设备用高频高导热混压板及其制作方法

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