以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面において、同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面において、各部材の大きさや比率は、実施形態の理解を容易にするために誇張し、実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
各図において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、組電池100の方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、組電池100の長手方向を示している。Yによって表す矢印の方向は、組電池100の短手方向を示している。Zによって表す矢印の方向は、組電池100の積層方向を示している。
図16を参照して、実施形態に係る組電池100の製造装置は、概説すれば、電極タブ112を有する単電池110同士を電気的に接続する複数のバスバ132を、電極タブ112を支持する支持部材(第1スペーサ114)とともに積層して積層体100Sを形成し、電極タブ112と接合するバスバ132を、第1スペーサ114によって支持されている電極タブ112に向かい合うように配置した状態において、バスバ132と電極タブ112とを接合する装置である。組電池100の製造装置は、バスバ132に電極タブ112と反対の側から当接し、バスバ132を電極タブ112に向かって付勢する付勢装置(バネ303を含む)と、付勢装置によってバスバ132が電極タブ112に向かって付勢されている状態でバスバ132と電極タブ112とを接合する接合装置(レーザ光源204を含む)と、を有する。付勢装置は、各々のバスバ132に対して独立して当接する複数の当接部301と、各々の当接部301を独立してバスバ132に向かって付勢する複数の付勢部(バネ303)と、を有する。
また、図16を参照して、実施形態に係る組電池100の製造方法は、概説すれば、組電池100の製造方法は、電極タブ112を有する単電池110を、電極タブ112を支持する第1スペーサ114とともに積層して積層体100Sを形成する積層体形成工程(積層工程S101)と、単電池110同士を電気的に接続するバスバ132に電極タブ112と反対の側から当接する複数の当接部301を、各々の当接部301を独立してバスバ132に向かって付勢する複数のバネ303によって付勢して、バスバ132と電極タブ112とを接触させる接触工程(矯正工程S103)と、バスバ132と電極タブ112とを接合する接合工程(電気的経路接続工程S104)と、を有する。
実施形態に係る組電池100は、電気自動車のような車両に複数搭載され、車両用モータを駆動させる電源として使用される。組電池100は、複数の単電池110を積層してなる積層体100Sを、加圧ユニット120によって加圧した状態において、バスバユニット130によって電気的に接続して構成している。
(組電池100)
組電池100(積層体100S、加圧ユニット120およびバスバユニット130)の構成を、図1〜図6を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態に係る組電池100を示す斜視図である。図2は、図1に示す組電池100から、加圧ユニット120(上部加圧板121と下部加圧板122と左右の側板123)を取り外し、かつ、バスバユニット130の一部(保護カバー135とアノード側ターミナル133とカソード側ターミナル134)を取り外して、バスバホルダ131およびバスバ132を取り付けた積層体100Sを露出させた状態を示す斜視図である。
図3Aは、積層した単電池110の電極タブ112にバスバ132を接合した状態の要部を断面によって示す斜視図である。図3Bは、図3Aを側方から示す断面図である。図4は、図2に示す積層体100Sからバスバホルダ131とバスバ132を取り外し、かつ、積層体100Sを分割した状態を示す斜視図である。図5は、図4に示す積層体100Sの第1セルサブアッシ110Mと第2セルサブアッシ110Nをバスバ132によって電気的に接続する状態を示す斜視図である。図6は、図4に示す積層体100Sの第1セルサブアッシ110M(並列接続する3組の単電池110)を単電池110毎に分解し、かつ、そのうちの1つ(最上部)の単電池110から第1スペーサ114と第2スペーサ115を取り外した状態を示す斜視図である。
(組電池100の積層体100S)
積層体100Sは、図4に示すように、電気的に並列接続した3つの単電池110からなる第1セルサブアッシ110Mと、電気的に並列接続した3つの単電池110からなる第2セルサブアッシ110Nを、交互に直列接続して構成している。
積層体100Sにおいて、第1セルサブアッシ110Mは、図4に示すように、組電池100において、1段目(最下段)、3段目、5段目、および7段目(最上段)に位置する3つの単電池110に相当する。第2セルサブアッシ110Nは、図4に示すように、組電池100において、2段目、4段目、および6段目に位置する3つの単電池110に相当する。
積層体100Sにおいて、第1セルサブアッシ110Mと第2セルサブアッシ110Nは、同様の構成からなる。但し、第1セルサブアッシ110Mと第2セルサブアッシ110Nは、図4および図5に示すように、3つの単電池110の天地を入れ替えることによって、3つのアノード側電極タブ112Aと3つのカソード側電極タブ112Kが積層方向Zに沿って交互に位置するように配置している。
積層体100Sにおいて、第1セルサブアッシ110Mは、図4および図5に示すように、全てのアノード側電極タブ112Aが図中右側に位置し、全てのカソード側電極タブ112Kが図中左側に位置している。第2セルサブアッシ110Nは、図4および図5に示すように、全てのアノード側電極タブ112Aが図中左側に位置し、全てのカソード側電極タブ112Kが図中右側に位置している。3つの単電池110毎に、その天地を単純に入れ替えただけでは、電極タブ112の先端部112dの向きが積層方向Zの上下にばらついてしまう。このため、全ての単電池110の電極タブ112の先端部112dの向きが揃うように、各々の先端部112dを下方に屈折させている。
単電池110は、例えばリチウムイオン二次電池に相当する。単電池110は、車両用モータの駆動電圧の仕様を満たすために直列に複数接続する。単電池110は、電池の容量を確保して車両の走行距離を伸ばすために並列に複数接続する。
単電池110は、図3Aおよび図3Bに示すように、充放電を行う扁平な発電要素111、発電要素111から導出し先端部112dが積層方向Zに沿って屈折した電極タブ112、および発電要素111を封止するラミネートフィルム113を含んでいる。
発電要素111は、屋外の充電スタンド等から電力を充電した上で、車両用モータ等に対して放電して駆動電力を供給するものである。発電要素111は、セパレータによって分離されたアノードとカソードを複数組積層して構成している。
電極タブ112は、図3A、図3Bおよび図4に示すように、発電要素111を外部に臨ませるものである。電極タブ112は、アノード側電極タブ112Aおよびカソード側電極タブ112Kから構成している。アノード側電極タブ112Aの基端側は、1つの発電要素111に含まれる全てのアノードに接合している。カソード側電極タブ112Kの基端側は、1つの発電要素111に含まれる全てのカソードに接合している。アノード側電極タブ112Aおよびカソード側電極タブ112Kは、単電池110の厚み方向と交差する同一の方向(長手方向X)に向かって導出している。
電極タブ112は、図3Aおよび図3Bに示すように、発電要素111と隣接する基端部112cから先端部112dにかけてL字状に形成している。電極タブ112の基端部112cは、図3Bに示すように、第1スペーサ114の当接面114bによって当接されている。電極タブ112の先端部112dは、積層方向Zの下方に沿って屈折し、第1スペーサ114の支持面114hに対面している。電極タブ112の先端部112dは、バスバ132と面接触する。
電極タブ112において、アノード側電極タブ112Aは、薄板状から形成し、アノードの特性に合わせてアルミニウムからなる。カソード側電極タブ112Kは、薄板状から形成し、カソードの特性に合わせて銅からなる。
ラミネートフィルム113は、図3Aおよび図3Bに示すように、一対からなり、発電要素111を積層方向Zに沿った上下から挟み込んで封止するものである。一対のラミネートフィルム113は、短手方向Yに沿った一端部113aの隙間から外部に向かって、アノード側電極タブ112Aおよびカソード側電極タブ112Kを導出させている。
単電池110は、図1および図2に示すようにスペーサ(第1スペーサ114および第2スペーサ115)によって支持された状態において、積層方向Zに沿って複数積層されている。
スペーサ(第1スペーサ114および第2スペーサ115)は、図2、図3A、および図3Bに示すように、単電池110を積層方向Zに沿って一定の間隔で配置している。第1スペーサ114は、図6に示すように、電極タブ112を備えた側の単電池110を支持する。第2スペーサ115は、図6に示すように、第1スペーサ114と単電池110の長手方向Xにおいて対向して、電極タブ112を備えていない側の単電池110を支持する。
第1スペーサ114は、図6に示すように、凹凸を備えた長尺な板形状から形成し、絶縁性を備えた強化プラスチックスからなる。第1スペーサ114は、一対のラミネートフィルム113の一端部113aに対向するように設けている。第1スペーサ114は、図3Bおよび図6に示すように、平坦な当接面114bによって、ラミネートフィルム113の一端部113aに当接している。
第1スペーサ114は、当接面114bと隣接し積層方向Zに沿った壁面に支持面114hを備えている。支持面114hは、図3Bに示すように、電極タブ112の先端部112dを長手方向Xに沿って位置決めしている。支持面114hは、バスバ132を電極タブ112に接合させるときに、バスバ132側からの押圧に対して電極タブ112を支持する。
第1スペーサ114は、図6に示すように、当接面114bの短手方向Yに沿った両端に、それぞれ上方に向かって突出した一対の連結ピン114cを備えている。一対の連結ピン114cは、円柱形状からなり、ラミネートフィルム113の一端部113aの短手方向Yに沿った両端に開口した連結孔113cに挿入することによって、単電池110を位置決めしている。
第1スペーサ114は、図3Bに示すように、一の第1スペーサ114の上面114aと、他の第1スペーサ114の下面114dが当接している。第1スペーサ114は、図3Bに示すように、一の第1スペーサ114の上面114aから突出した円柱形状の位置決ピン114eと、他の第1スペーサ114の下面114dに開口した位置決穴114fを嵌合させることによって、互いに位置決めしている。
第1スペーサ114は、図6に示すように、短手方向Yに沿った両端に、ロケート孔114gを両端に備えている。ロケート孔114gは、複数の組電池100同士を積層方向Zに沿って位置決めして連結するボルト(不図示)を挿入する。
第2スペーサ115は、電極タブ112を支持する必要がないことから、第1スペーサ114を簡略化して構成している。第2スペーサ115は、ラミネートフィルム113の一端部113aと長手方向Xに沿って対向した他端部113bを、当接面115bによって支持している。第2スペーサ115は、図6に示すように、第1スペーサ114と同様に、第2スペーサ同士を位置決めする位置決ピン115e、単電池110を位置決めする連結ピン115c、複数の組電池100同士を位置決めして連結するボルトを挿入するロケート孔115g等を備えている。
(組電池100の加圧ユニット120)
加圧ユニット120は、積層体100Sの各々の単電池110の発電要素111を上下から加圧する上部加圧板121と下部加圧板122、および積層体100Sを加圧した状態の上部加圧板121および下部加圧板122を固定する一対の側板123を含んでいる。
上部加圧板121は、図1および図2に示すように、下部加圧板122と共に、積層体100Sを構成する複数の単電池110を上下から挟み込んで保持して、各々の単電池110の発電要素111を加圧するものである。上部加圧板121は、凹凸を備えた板状に形成し、十分な剛性を備えた金属からなる。上部加圧板121は、水平面上に設けている。上部加圧板121は、図2に示すように、発電要素111を下方に向かって加圧する加圧面121aを備えている。加圧面121aは、平坦に形成され、上部加圧板121の中央の部分から下方に向かって突出している。上部加圧板121は、組電池100同士を連結するボルトを挿入するロケート孔121bを備えている。ロケート孔121bは、貫通孔からなり、上部加圧板121の四隅に開口している。
下部加圧板122は、図1および図2に示すように、上部加圧板121と同一の形状からなり、上部加圧板121の天地を逆転させるように設けている。下部加圧板122は、上部加圧板121と同様に、発電要素111を上方に向かって加圧する加圧面122a、および組電池100同士を積層方向Zに沿って位置決めして連結するボルトを挿入するロケート孔122bを備えている。
側板123は、図1および図2に示すように、積層体100Sを加圧した状態の上部加圧板121および下部加圧板122を固定するものである。側板123は、一対備えている。一対の側板123は、上部加圧板121および下部加圧板122の間隔を一定に維持する。また、一対の側板123は、積層した単電池110の長手方向Xに沿った側面を被覆して保護する。側板123は、平板状に形成し、金属からなる。一対の側板123は、積層した単電池110の長手方向Xに沿った両側面に対向するように、起立して設けている。一対の側板123は、上部加圧板121および下部加圧板122に対して溶接している。
(組電池100のバスバユニット130)
バスバユニット130は、複数のバスバ132を一体的に保持するバスバホルダ131、異なる単電池110(上下に並んだ単電池110)の電極タブ112を電気的に接続するバスバ132、電気的に接続された複数の単電池110のアノード側の終端を外部の入出力端子に臨ませるアノード側ターミナル133、電気的に接続された複数の単電池110のカソード側の終端を外部の入出力端子に臨ませるカソード側ターミナル134、およびバスバ132等を保護する保護カバー135を含んでいる。
バスバホルダ131は、図2および図4に示すように、複数のバスバ132を一体的に保持するものである。バスバホルダ131は、図2および図4に示すように、複数のバスバ132を、対応する各々の単電池110の電極タブ112に対面させるように、マトリクス状に保持する。バスバホルダ131は、絶縁性を備えた樹脂からなり、各々の構成を一体的に形成している。
バスバホルダ131は、外枠を構成する支柱部131a、内枠を構成する補助支柱部131b、隣り合うバスバ132の間の放電を防止する絶縁部131c、およびバスバ132をバスバホルダ131に保持する保持部131dを備えている。バスバホルダ131は、支柱部131a、補助支柱部131b、絶縁部131c、および保持部131dを、一つの部品として一体に成形している。
バスバホルダ131の支柱部131aは、図4に示すように、積層方向Zに沿った外枠を構成する。支柱部131aは、細長い板状からなり、積層方向Zに沿って起立している。支柱部131aは、第1スペーサ114の短手方向Yに沿った両側に対向し、第1スペーサ114の側面に嵌合する。
バスバホルダ131の補助支柱部131bは、図4に示すように、積層方向Zに沿った内枠を構成する。補助支柱部131bは、細長い板状からなり、積層方向Zに沿って起立している。補助支柱部131bは、第1スペーサ114の短手方向Yの中央部分に対向している。
バスバホルダ131の絶縁部131cは、図4に示すように、隣り合うバスバ132の間を絶縁して放電を防止する。絶縁部131cは、短手方向Yに沿って水平に延在した板状からなる。絶縁部131cは、隣り合う支柱部131aと補助支柱部131bを連結している。絶縁部131cは、積層方向Zに沿って隣り合うバスバ132の間に位置するように、積層方向Zに沿って一定の間隔で複数備えている。
バスバホルダ131の保持部131dは、図4に示すように、バスバ132をバスバホルダ131に保持する。保持部131dは、凹状の溝からなり、バスバ132の係合部132eを挿入させる。保持部131dは、支柱部131aおよび補助支柱部131bにおいて、短手方向Yに沿ってバスバ132に向かうように、互いに対向するように備えている。すなわち、保持部131dは、複数のバスバ132を保持するように、各々のバスバ132の短手方向Yの両端に位置するように、複数備えている。
バスバ132は、図3A、図3B、図4、および図5に示すように、上下に並んだ単電池110の電極タブ112を電気的に接続するものである。バスバ132は、積層方向に沿って上下に並んだ、一の単電池110のアノード側電極タブ112Aと、他の単電池110のカソード側電極タブ112Kを電気的に接続する。バスバ132は、図5に示すように、例えば、第1セルサブアッシ110Mの上下に3つ並んだアノード側電極タブ112Aと、第2セルサブアッシ110Nの上下に3つ並んだカソード側電極タブ112Kを電気的に接続する。
バスバ132は、図5に示すように、例えば、第1セルサブアッシ110Mの3つのアノード側電極タブ112Aを並列接続し、かつ、第2セルサブアッシ110Nの3つのカソード側電極タブ112Kを並列接続する。さらに、バスバ132は、第1セルサブアッシ110Mの3つのアノード側電極タブ112Aと、第2セルサブアッシ110Nの3つのカソード側電極タブ112Kを直列接続する。バスバ132は、一の単電池110のアノード側電極タブ112Aと、他の単電池110のカソード側電極タブ112Kに対してレーザ溶接している。
バスバ132は、図4および図5に示すように、アノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kを接合して構成している。アノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kは、薄板形状からなり、一端をL字状に折り曲げて形成している。アノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kは、天地を反転させた同一の形状からなる。
バスバ132は、図4に示すように、単電池110の電極タブ112と接触して導通する接触部132c、アノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kを接合してなる接合部132d、およびバスバホルダ131の保持部131dに引っ掛けて係合させるための係合部132eを備えている。
バスバ132の接触部132cは、アノード側バスバ132Aおよびカソード側バスバ132Kにおいて、単電池110の電極タブ112と接触して導通する。バスバ132の接合部132dは、アノード側バスバ132Aの屈折した一端と、カソード側バスバ132Kの屈折した一端を接合してなる。バスバ132の係合部132eは、バスバホルダ131の保持部131dに引っ掛ける。係合部132eは、鉤状からなり、接触部132cと一体的に形成されている。係合部132eは、接触部132cの短手方向Yの両端に1つずつ備えている。係合部132eは、接触部132cの両端の中央部分を短手方向Yに沿って突出させて、その突出させた部分をL字状に折り曲げて構成している。
バスバ132において、アノード側バスバ132Aは、単電池110のアノード側電極タブ112Aと同様に、アルミニウムからなる。カソード側バスバ132Kは、単電池110のカソード側電極タブ112Kと同様に、銅からなる。異なる金属からなるアノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kは、超音波接合によって互いに接合し、接合部132dを形成している。
バスバ132は、マトリクス状に配設している。図4の図中右上に位置するバスバ132は、21つの単電池110(3並列7直列)のアノード側の終端に相当し、アノード側バスバ132Aのみから構成している。このアノード側バスバ132Aは、積層した単電池110のうち最上部の3つの単電池110のアノード側電極タブ112Aに対してレーザ接合している。図4の図中左下に位置するバスバ132は、21つの単電池110(3並列7直列)のカソード側の終端に相当し、カソード側バスバ132Kのみから構成している。このカソード側バスバ132Kは、積層した単電池110のうち最下部の3つの単電池110のカソード側電極タブ112Kに対してレーザ接合している。
アノード側ターミナル133は、図1および図2に示すように、電気的に接続された複数の単電池110のアノード側の終端を外部の入出力端子に臨ませるものである。アノード側ターミナル133は、図2に示すように、マトリクス状に配設したバスバ132のうち、図2の右上に位置するアノード側バスバ132Aに接合する。アノード側ターミナル133は、両端を屈折させた板状に形成し、導電性を備えた金属からなる。
カソード側ターミナル134は、図1および図2に示すように、電気的に接続された複数の単電池110のカソード側の終端を外部の入出力端子に臨ませるものである。カソード側ターミナル134は、図2に示すように、マトリクス状に配設したバスバ132のうち、図2の左下に位置するカソード側バスバ132Kに接合する。カソード側ターミナル134は、アノード側ターミナル133と形状からなり、天地を反転させている。
保護カバー135は、図1および図2に示すように、バスバ132等を保護するものである。すなわち、保護カバー135は、複数のバスバ132を一体的に被覆することによって、各々のバスバ132が他の部材等と接触して電気的な短絡が発生することを防止する。保護カバー135は、図2に示すように、積層方向Zに沿って起立した側面135aの一端135bと他端135cを爪のように長手方向Xに向かって屈折し、絶縁性を備えたプラスチックスからなる。
保護カバー135は、図2に示すように、側面135aによって各々のバスバ132を被覆して、一端135bと他端135cによってバスバホルダ131を上下から挟み込んで固定している。保護カバー135は、矩形状の孔からなりアノード側ターミナル133を外部に臨ませる第1開口135dと、矩形状の孔からなりカソード側ターミナル134を外部に臨ませる第2開口135eを、それぞれ側面135aに備えている。
(組電池100の製造方法)
組電池100の製造方法を、図7〜図18を参照しつつ説明する。
図7は、実施形態に係る組電池100の製造方法を示すフローチャートである。図7に示すように、組電池100の製造方法は、単電池110等を積層する積層工程S101、単電池110を加圧する加圧工程S102、単電池110の電極タブ112等の位置ずれを矯正する矯正工程S103、および複数の単電池110を電気的に接続する電気的経路接続工程S104によって、具現化している。組電池100の製造方法に関する工程(積層工程S101、加圧工程S102、矯正工程S103、および電気的経路接続工程S104)を、図8〜図18を参照しつつ説明する。
(組電池100の製造方法における積層工程S101)
図8に示す工程は、積層工程S101に相当する。積層工程S101は、電極タブ112を有する単電池110を、電極タブ112を支持する第1スペーサ114とともに積層して積層体100Sを形成する積層体形成工程に対応している。
図8に示すように、積層台201に対して、下部加圧板122、複数の単電池110、および上部加圧板121の順で各々の部材を積層する。具体的には、図8に示すように、各々の部材を積層する積層台201を、水平方向(長手方向Xおよび短手方向Y)に沿って配置している。積層台201は、板状に形成され、その上面に、各々の部材を積層する積層面201aを備えている。積層面201aの四隅に、起立させたロケート支柱を接合している。ロケート支柱202は、下部加圧板122、単電池110に取り付けたスペーサ(第1スペーサ114および第2スペーサ115)、および上部加圧板121の相対的な位置を合わせる。各々の部材は、ロボットアーム、ハンドリフタ、および真空吸着タイプのコレット等(それぞれ不図示)によって、積層する。
図8に示すように、4本のロケート支柱202に対して、下部加圧板122の四隅に備えたロケート孔122bを挿入する。その状態において、下部加圧板122を積層方向Zに沿って降下させつつ、その下部加圧板122を積層台201の積層面201aに積層する。4本のロケート支柱202に対して、単電池110に取り付けた第1スペーサ114の一対のロケート孔114gおよび第2スペーサ115の一対のロケート孔115gを、それぞれ挿入する。その状態において、スペーサ(第1スペーサ114および第2スペーサ115)を取り付けた単電池110を積層方向Zに沿って降下させて積層する。全ての単電池110を積層した後、4本のロケート支柱202に対して、上部加圧板121の四隅に備えたロケート孔121bを挿入する。その状態において、上部加圧板121を積層方向Zに沿って降下させて、最も上方に位置する単電池110に積層する。
(組電池100の製造方法における加圧工程S102)
図9および図10に示す工程は、加圧工程S102に相当する。
図9に示すように、図8の状態から引き続き、上部加圧板121および下部加圧板122によって挟み込まれた積層体100S(複数の単電池110を積層した構成)をプレスによって加圧する。具体的には、図9に示すように、プレス203は、例えば直動ステージ(不図示)によって積層方向Zに沿って降下して、上部加圧板121を押圧する。積層体100Sは、上部加圧板121および下部加圧板122によって挟み込まれて加圧され、各々の単電池110の発電要素111に十分な面圧がかかる。各々の単電池110は、十分な面圧によって、所期の電気的特性を発揮する。
図10に示すように、図9の状態から引き続き、上部加圧板121および下部加圧板122に対して側板123をレーザ溶接する。具体的には、図10に示すように、上部加圧板121および下部加圧板122に対して側板123を接触させた状態において、レーザ光源204によってレーザ溶接する。側板123は、レーザ溶接の間、レーザ照射用の抜き穴が備えられた治具(不図示)によって、上部加圧板121および下部加圧板122に押し付けられている。このとき、プレス203が上部加圧板121を押圧し続けていることから、各々の単電池110の発電要素111に十分な面圧がかかっている。レーザ光源204は、例えば、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザから構成する。レーザ光源204から導出させたレーザ光Lは、例えば、光ファイバーやミラーによって光路を調整し、集光レンズによって集光する。
図10に示すように、レーザ光Lによって、側板123の上端123aと上部加圧板121を溶接し、かつ、側板123の下端123bと下部加圧板122を溶接する。側板123は、上部加圧板121および下部加圧板122を左右から挟むように一対備えることから、それぞれレーザ溶接する。すなわち、一方の側板123と上部加圧板121および下部加圧板122とをレーザ溶接した後、積層台201を回転させて他方の側板123とレーザ光源204と対面させ、他の側板123と上部加圧板121および下部加圧板122とをレーザ溶接する。一対の側板123は、上部加圧板121および下部加圧板122の間隔を一定に維持する。したがって、プレス203を上部加圧板121から離間させても、各々の単電池110の発電要素111にかかる面圧は維持される。
(組電池100の製造方法における矯正工程S103)
図11〜図14Bに示す工程は、矯正工程S103に相当する。矯正工程S103は、バスバ132に電極タブ112と反対の側から当接する複数の当接部301を、各々の当接部301を独立してバスバ132に向かって付勢する複数のバネ303によって付勢して、バスバ132と電極タブ112とを接触させる接触工程に対応している。
図11に示すように、図10の状態から引き続き、複数のバスバ132を取り付けたバスバホルダ131を、図14Aおよび図14Bに示す矯正治具300に取り付ける。
図14Aおよび図14Bに示すように、矯正治具300は、バスバホルダ131に取り付けられた複数のバスバ132を、第1スペーサ114によって支持されている電極タブ112に向かい合うように配置して、バスバ132と電極タブ112とを密着させる治具である。
図14Aおよび図14Bに示すように、矯正治具300は、バスバ132に電極タブ112と反対の側から当接する複数の当接部301、バネ303によって付勢されて移動する当接部301を案内し、当接部301をバスバ132に対して面接触させる案内部(ガイドユニット302)、および各々の当接部301を独立してバスバ132に向かって付勢する複数の付勢部(バネ303)を備えている。さらに、矯正治具300は、当接部301とガイドユニット302とバネ303等を一体に保持するホルダ304、各々の当接部301をバスバ132に向かって付勢する付勢力を独立して調整する調整ピン305を備えている。
図14Aおよび図14Bに示すように、矯正治具300の当接部301は、バスバ132に電極タブ112と反対の側から当接するものである。当接部301は、バスバ132を構成するアノード側バスバ132Aおよびカソード側バスバ132Kに対して、独立して当接する。当接部301は、短手方向Yに沿って伸長した角柱形状からなりバスバ132に当接する上部当接部301a、および短手方向Yに沿って伸長した角柱形状からなり上部当接部301aよりも積層方向Zの下方においてバスバ132に当接する下部当接部301bを備えている。当接部301は、上部当接部301aおよび下部当接部301bによって、バスバ132を構成するアノード側バスバ132Aまたはカソード側バスバ132Kに対して、部分的に当接する。
図14Aおよび図14Bに示すように、矯正治具300の当接部301は、積層方向Zに沿って伸長した角柱形状からなり、上部当接部301aおよび下部当接部301bを短手方向Yの両端から連結して支持する、第1支柱部301cおよび第2支柱部301dを備えている。第1支柱部301cおよび第2支柱部301dは、上部当接部301aおよび下部当接部301bと共に、バスバ132に当接する。当接部301は、第1支柱部301cの中央から長手方向Xに沿って伸長し一のガイドユニット302に連結される第1ガイド部301e、および第2支柱部301dの中央から長手方向Xに沿って伸長し他のガイドユニット302に連結される第2ガイド部301fを備えている。当接部301は、上部当接部301a、下部当接部301b、第1支柱部301c、第2支柱部301d、第1ガイド部301e、および第2ガイド部301fを、一体に形成している。当接部301は、例えば、樹脂から構成している。
図14Aおよび図14Bに示すように、矯正治具300のガイドユニット302は、バネ303によって付勢されて移動する当接部301を案内し、当接部301をバスバ132に対して面接触させるものである。ガイドユニット302は、当接部301を長手方向Xに沿って精度良く案内し、当接部301にがたつきを生じさせることなく、当接部301をバスバ132に対して面接触させる。ガイドユニット302は、例えば、直線駆動可能なベアリングを備えたガイドから構成する。ガイドユニット302は、長手方向Xに沿ってホルダ304に接合され、当接部301の第1ガイド部301eまたは第2ガイド部301fを接続している。ガイドユニット302は、当接部301を長手方向Xに沿って移動させる。ガイドユニット302は、直線駆動可能なベアリングを備えたガイドに限定されない。
図14Bに示すように、矯正治具300のバネ303は、各々の当接部301を独立してバスバ132に向かって付勢するものである。調整ピン305は、当接部301の第1ガイド部301eと調整ピン305との間、および当接部301の第2ガイド部301fと調整ピン305との間に、それぞれ長手方向Xに沿って備えている。バネ303は、当接部301によってバスバ132を加圧するように、当接部301をバスバ132に向かって付勢する。バネ303は、金属を螺旋状に巻回して構成して、その伸長方向に弾発力を発揮するものである。バネ303は、付勢部を具現化した一例である。付勢部は、バネ303の構成に限定されない。
図14Aおよび図14Bに示すように、矯正治具300のホルダ304は、当接部301とガイドユニット302とバネ303等を一体に保持するものである。ホルダ304は、例えば、金属から形成し、十分な剛性を備えている。ホルダ304は、積層方向Zおよび短手方向Yに沿って起立した板状の基部304aと、基部304aの短手方向Yの両端から長手方向Xに向かって伸長した一対の側壁部304bと、基部304aから長手方向Xに向かって伸長し一対の側壁部304bの中間に位置するように起立させた支柱部304cを備えている。一対の側壁部304bは、それぞれ支柱部304cと対向する片方の側面に、ガイドユニット302を積層方向Zに沿って複数接合している。支柱部304cは、一対の側壁部304bと対向する両方の側面に、ガイドユニット302を積層方向Zに沿って複数接合している。ホルダ304は、基部304aにおいて、長手方向Xに向かって大きく開口した開口部304dを、図14A中の左右に一つずつ備えている。各々の開口部304dは、側壁部304bと支柱部304cの間に位置している。開口部304dは、レーザ光源204のレーザ光Lを挿通させる。
図14Aおよび図14Bに示すように、矯正治具300の調整ピン305は、当接部301をバスバ132に向かって付勢する付勢力を、当接部301毎に独立して調整するものである。調整ピン305は、当接部301の第1ガイド部301eおよび第2ガイド部301fと、それぞれ長手方向Xに沿って対向するように、ホルダ304の基部304aに備えている。調整ピン305は、例えばセットスクリューの構成を備えている。調整ピン305は、当接部301の第1ガイド部301eに連結しているバネ303、および当接部301の第2ガイド部301fに連結しているバネ303を、それぞれ相対的に伸縮させることによって、付勢力を調整する。調整ピン305は、時計方向に回転させて当接部301に向かって近付ける程、バネ303が縮まって、付勢力が増加する。一方、調整ピン305は、ガイドユニット302の位置を長手方向Xに沿って移動させることによって、当接部301とバスバ132との間隔を可変させて付勢力を調整してもよい。この場合、調整ピン305は、時計方向に回転させてガイドユニット302をバスバ132に向かって近付ける程、当接部301とバスバ132が接触したときの付勢力が増加する。
図12および図13に示すように、図11の状態から引き続き、矯正治具300によって、バスバ132を電極タブ112に対して押し付ける。具体的には、図12に示すように、複数のバスバ132を取り付けたバスバホルダ131を、矯正治具300によって、積層体100Sの第1スペーサ114の側面に押し付ける。矯正治具300は、例えば、ロボットハンド(不図示)によって移動させる。
図13に示すように、複数の当接部301は、バスバ132のアノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kに対して、独立して当接する。図13の上半分の領域に示すように、当接部301の上部当接部301aおよび下部当接部301bは、アノード側バスバ132Aと上下に3つ並んだアノード側電極タブ112Aとの接合箇所を避けて、アノード側バスバ132Aを付勢する。図13の下半分の領域に示すように、上記とは異なる別の当接部301の上部当接部301aおよび下部当接部301bは、カソード側バスバ132Kと上下に3つ並んだカソード側電極タブ112Kとの接合箇所を避けて、カソード側バスバ132Kを付勢する。
図13に示すように、当接部301は、バネ303によって、バスバ132の方に向かって加圧されていることから、バスバ132に対して密着している。当接部301は、ガイドユニット302によって案内されていることから、がたつきを生じることなく、バスバ132に対して面接触している。当接部301は、バスバ132を面接触によって押圧していることから、バスバ132と各々の電極タブ112の先端部112dは、隙間無く密着している。
図13に示すように、各々の電極タブ112の先端部112dは、バスバ132に接触している面とは反対側の面において、第1スペーサ114の支持面114hによって支持されている。したがって、バスバ132と電極タブ112の先端部112dは、当接部301と第1スペーサ114の支持面114hとの間に挟み込まれて、平板状に真っ直ぐ伸びた状態で互いに密着している。
(組電池100の製造方法における電気的経路接続工程S104)
図15〜図18に示す工程は、電気的経路接続工程S104に相当する。電気的経路接続工程S104は、バスバ132と電極タブ112とを接合する接合工程に対応している。
図15に示すように、図12および図13の状態から引き続き、積層している単電池110の各々の電極タブ112と対応する各々のバスバ132とをレーザ溶接する。具体的には、図15に示すように、積層台201を、図12および図13の状態から図中の反時計回りに90°回転させて、積層した単電池110の各々の電極タブ112をレーザ光源204に対面させる。図16に示すように、図13の状態から引き続き、矯正治具300の当接部301によって、各々のバスバ132を対応する各々の電極タブ112に押し付けている状態において、レーザ光源204からレーザ光Lをバスバ132に照射して、バスバ132と電極タブ112をレーザ溶接する。レーザ光源204は、レーザ光Lを、上部当接部301aの上方、上部当接部301aと下部当接部301bの間、下部当接部301bの下方において、それぞれ短手方向Yに沿ってバスバ132に照射してレーザ溶接する。接合箇所を全てレーザ溶接した後、矯正治具300を、複数のバスバ132を取り付けたバスバホルダ131から離間させる。
図17に示すように、図15および図16の状態から引き続き、アノード側の終端のアノード側バスバ132Aに対してアノード側ターミナル133を当接させてレーザ溶接し、かつ、カソード側の終端のカソード側バスバ132Kに対してカソード側ターミナル134を当接させてレーザ溶接する。具体的には、図17に示すように、アノード側ターミナル133を、マトリクス状に配設したバスバ132のうち、アノード側の終端に相当し図中右上に位置するアノード側バスバ132Aに押し付ける。レーザ光源204からレーザ光Lを導出して、アノード側ターミナル133とアノード側バスバ132Aとを、レーザ溶接する。同様に、図17に示すように、カソード側ターミナル134を、マトリクス状に配設したバスバ132のうち、カソード側の終端に相当し図中左下に位置するカソード側バスバ132Kに押し付ける。レーザ光源204からレーザ光Lを導出して、カソード側ターミナル134とカソード側バスバ132Kとを、レーザ溶接する。
図18に示すように、図17の状態から引き続き、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134を露出させた状態において、全てのバスバ132を保護カバー135によって被覆する。具体的には、図18に示すように、保護カバー135の一端135bと他端135cをバスバホルダ131に嵌め込んで、保護カバー135を固定する。保護カバー135は、側面135aに備えた第1開口135dからアノード側ターミナル133を外部に臨ませ、かつ、側面135aに備えた第2開口135eからカソード側ターミナル134を外部に臨ませる。保護カバー135は、バスバ132が外部の部材等に接触して短絡したり漏電したりすることを防止する。
図7〜図18を参照しつつ説明した組電池100の製造方法は、工程全般をコントローラによって制御する自動機、工程の一部を作業者が担う半自動機、または工程全般を作業者が担うマニュアル機のいずれの形態によって具現化してもよい。組立が完了した組電池100は、電池性能等を検査する検査工程に搬送する。
(実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態の作用効果を説明する。
組電池100の製造装置は、電極タブ112を有する単電池110同士を電気的に接続する複数のバスバ132を、電極タブ112を支持する支持部材(第1スペーサ114)とともに積層して積層体100Sを形成し、電極タブ112と接合するバスバ132を、第1スペーサ114によって支持されている電極タブ112に向かい合うように配置した状態において、バスバ132と電極タブ112とを接合する装置である。組電池100の製造装置は、バスバ132に電極タブ112と反対の側から当接し、バスバ132を電極タブ112に向かって付勢する付勢装置(バネ303を含む)と、付勢装置によってバスバ132が電極タブ112に向かって付勢されている状態でバスバ132と電極タブ112とを接合する接合装置(レーザ光源204を含む)と、を有する。付勢装置は、各々のバスバ132に対して独立して当接する複数の当接部301と、各々の当接部301を独立してバスバ132に向かって付勢する複数の付勢部(バネ303)と、を有する。
組電池100の製造方法は、組電池100の製造方法は、電極タブ112を有する単電池110を、電極タブ112を支持する第1スペーサ114とともに積層して積層体100Sを形成する積層体形成工程(積層工程S101)と、単電池110同士を電気的に接続するバスバ132に電極タブ112と反対の側から当接する複数の当接部301を、各々の当接部301を独立してバスバ132に向かって付勢する複数のバネ303によって付勢して、バスバ132と電極タブ112とを接触させる接触工程(矯正工程S103)と、バスバ132と電極タブ112とを接合する接合工程(電気的経路接続工程S104)と、を有する。
かかる組電池100の製造装置および組電池100の製造方法によれば、バスバ132に当接する複数の当接部301を、独立してバスバ132に向かって付勢する複数のバネ303によって付勢することによって、各々のバスバ132と電極タブ112とを十分に接触させることができる。したがって、かかる組電池100の製造装置および組電池100の製造方法によれば、単電池110の電極タブ112とバスバ132とを十分に接合することができる。
組電池100の製造装置は、複数の当接部301と複数のバネ303とを保持する保持部(ホルダ304)と、バネ303によって付勢されて移動する当接部301を案内し、当接部301をバスバ132に対して面接触させる案内部(ガイドユニット302)を、さらに有することが好ましい。
かかる組電池100の製造装置によれば、ホルダ304によって複数の当接部301と複数のバネ303とを保持した状態において、ガイドユニット302によって、当接部301をバスバ132に対して均等に当接させることができる。すなわち、当接部301によってバスバ132を万遍なく電極タブ112に面接触させることができる。したがって、かかる組電池100の製造装置および組電池100の製造方法によれば、単電池110の電極タブ112とバスバ132とを十分に接合することができる。
組電池100の製造装置において、バネ303は、当接部301をバスバ132に対して加圧して付勢することが好ましい。
かかる組電池100の製造装置によれば、バスバ132や電極タブ112が変形していても、バネ303によって付勢される当接部301によって、バスバ132や電極タブ112の形状を矯正することができる。また、かかる組電池100の製造装置によれば、バスバ132や電極タブ112が相対的に大きく位置ずれしていても、バネ303によって付勢される当接部301によって、バスバ132や電極タブ112の位置ずれを矯正することができる。したがって、かかる組電池100の製造装置によれば、バスバ132や電極タブ112が変形していたり相対的に大きく位置ずれしていたりしても、単電池110の電極タブ112とバスバ132とを十分に接合することができる。
組電池100の製造装置において、バスバ132は、一の単電池110のアノード側電極タブ112Aに接合するアノード側バスバ132A、および一の単電池110と隣り合う他の単電池110のカソード側電極タブ112Kに接合するカソード側バスバ132Kから構成されているものを用いる。当接部301は、アノード側バスバ132Aおよびカソード側バスバ132Kに、独立して当接することが好ましい。
かかる組電池100の製造装置によれば、バスバ132のアノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kが相対的にねじれていても、そのねじれを吸収または軽減して、単電池110の電極タブ112とバスバ132を接触させて接合することができる。なお、バスバ132は、アノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kとを接合するときに生じる接合部132dのひずみによって、アノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kの接触部132cに相対的なねじれが生じる場合がある。さらに、かかるバスバホルダ131を備えた組電池100によれば、バスバ132のアノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kの接触部132cが相対的に位置ずれしていても(相対的に同一平面上に位置合わせできていなくても)、その位置ずれを吸収または軽減して、単電池110の電極タブ112とバスバ132を接触させて接合することができる。なお、バスバ132は、アノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kとを接合するときに生じる製造誤差によって、アノード側バスバ132Aとカソード側バスバ132Kの接触部132cに相対的な位置ずれが生じる場合がある。
組電池100の製造装置において、複数のバネ303は、各々の当接部301をバスバ132に向かって付勢する付勢力を独立して調整することが好ましい。
かかる組電池100の製造装置によれば、各々のバスバを対応する電極タブ112に接触させる力を、独立して個別に調整することができる。したがって、かかる組電池100の製造装置によれば、単電池110の電極タブ112とバスバ132とを十分に接合することができる。
組電池100の製造方法において、矯正工程S103は、バスバ132によって電極タブ112を付勢して、電極タブ112を第1スペーサ114に接触させることが好ましい。
かかる組電池100の製造方法によれば、バスバ132や電極タブ112が変形していても、電極タブ112を第1スペーサ114に接触させることによって、第1スペーサ114を基準(ストッパー)として、バスバ132や電極タブ112の形状を矯正することができる。また、かかる組電池100の製造方法によれば、バスバ132や電極タブ112が相対的に大きく位置ずれしていても、電極タブ112を第1スペーサ114に接触させることによって、第1スペーサ114を基準として、バスバ132や電極タブ112の位置ずれを矯正することができる。したがって、かかる組電池100の製造方法によれば、バスバ132や電極タブ112が変形していたり相対的に大きく位置ずれしていたりしても、単電池110の電極タブ112とバスバ132とを十分に接合することができる。
組電池100の製造方法において、電極タブ112の先端部112dは、単電池110の積層方向Zに沿って屈折し、矯正工程S103は、バスバ132と電極タブ112の先端部112dとを接触させる。
かかる組電池100の製造方法によれば、単電池110の厚さのばらつき等に起因して、単電池110の電極タブ112の先端部112dが第1スペーサ114等に接触して変形しても、バスバ132を電極タブ112の先端部112dに当接させて、電極タブ112の先端部112dの変形を矯正することができる。したがって、かかる組電池100の製造方法によれば、単電池110の電極タブ112とバスバ132とを十分に接合することができる。
組電池100の製造方法において、電気的経路接続工程S104は、バスバ132と電極タブ112とをレーザ接合することが好ましい。
かかる組電池100の製造方法によれば、積層工程S101や矯正工程S103に用いる製造機材との機械的な干渉を避けて、バスバ132と電極タブ112とを容易に接合することができる。
組電池100の製造方法において、電気的経路接続工程S104は、矯正工程S103によってバスバ132が電極タブ112に付勢された状態において、バスバ132と電極タブ112とを接合することが好ましい。
かかる組電池100の製造方法によれば、バスバ132と電極タブ112が接触した状態において、バスバ132や電極タブ112に他方の部材と離間するような歪みが残留していたとしても、バスバ132と電極タブ112を接触させ続けて接合することができる。したがって、かかる組電池100の製造方法によれば、単電池110の電極タブ112とバスバ132とを確実に接合することができる。
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
例えば、実施形態において、積層体100Sは、電気的に並列接続した3つの単電池110を1組として、それを7組電気的に直列接続する構成として説明した。しかしながら、組電池100の接合装置は、このような積層体100Sの構成に限定されない。積層体100Sは、電気的に並列接続する単電池110、および電気的に直列接続する単電池110の個数に限定されない。積層体100Sは、単電池110を並列接続することなく、全ての単電池110を電気的に直列接続する構成としてもよい。