以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。図中において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の長手方向に沿った方向を示している。Yによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の短手方向に沿った方向を示している。Zによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向を示している。
また、Yによって表す矢印の方向は、電極タブ113の幅方向も示している。本明細書において、電極タブ113の幅方向Yとは、電極タブ113の基端部113cの側から先端部113dの側に向かう方向(単電池110の長手方向Xに対応)と積層方向Zとに交差する方向を意味する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の組電池100を図1〜図10を参照しつつ説明する。
図1は、第1実施形態に係る組電池100を示す斜視図である。図2は、図1に示される組電池100から上部加圧板151と下部加圧板152および左右の側板153を分解して保護カバー140を取り付けた状態の積層体100S全体を露出させた状態を示す斜視図である。図3は、図2に示される積層体100Sから保護カバー140を取り外し、かつ、積層体100Sを電池群100Gとバスバユニット130に分解して示す斜視図である。図4は、図3に示されるバスバユニット130を分解して示す斜視図である。図5は、第1セルサブアッシ100M(3組毎に並列接続する単電池110)のアノード側電極タブ113Aと第2セルサブアッシ100N(3組毎に並列接続する単電池110)のカソード側電極タブ113Kをバスバ131によって接合する状態を模式的に分解して示す斜視図である。図6(A)は、単電池110に一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けた状態を示す斜視図、図6(B)は、単電池110に一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付ける前の状態を示す斜視図である。図7は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を示す斜視図である。図8(A)は、積層した単電池110の電極タブ113にバスバ131を接合した状態の要部を断面で示す斜視図、図8(B)は、図8(A)の8B−8B線に沿う断面図である。図9は、図8(B)中に示す領域9を拡大した側面図である。図10(A)は積層体の正面図であり、図10(B)は図10(A)中に示す領域10Bの拡大図である。
なお、図1に示される状態おいて、左手前側を組電池100全体および各構成部品の「前面側」といい、右手奥側を組電池100全体および各構成部品の「背面側」といい、右手前側および左手奥側を組電池100全体および各構成部品の左右の「側方側」という。
図1および図2に示すように、組電池100は、扁平形状を有する単電池110を厚み方向に複数枚積層するとともに当該単電池110が電気的に接続されてなる電池群100G含む積層体100Sを有する。組電池100はさらに、積層体100Sの前面側に取り付けられる保護カバー140と、単電池110の積層方向に沿ってそれぞれの単電池110を加圧した状態において積層体100Sを収容する筐体150と、を有する。図3に示すように、積層体100Sは、電池群100Gと、電池群100Gの前面側に取り付けられ複数個のバスバ131を一体的に保持するバスバユニット130と、を有する。保護カバー140は、バスバユニット130を被覆して保護する。図4に示すように、バスバユニット130は、複数個のバスバ131と、複数個のバスバ131をマトリクス状に一体的に取り付けるバスバホルダ132と、を有する。複数のバスバ131のうち、アノード側の終端にはアノード側ターミナル133を取り付け、カソード側の終端にはカソード側ターミナル134を取り付けている。
第1実施形態の組電池100は、概説すれば、扁平形状を有する単電池110を厚み方向に複数枚積層するとともに当該単電池110同士が電気的に接続されてなる積層体110Sと、金属材料から形成される第1接合部材180および第2接合部材190であって、互いに接合されることによって電気的な経路を形成する第1接合部材180および第2接合部材190と、を有する。第1実施形態の組電池100において、第1接合部材180には、第2接合部材190に臨む開口部131aが形成されている。本実施形態では、第1接合部材180および第2接合部材190が、それぞれ、バスバ131、および単電池110から導出された電極タブ113である場合を例にして、組電池100を説明する。以下、第1実施形態の組電池100について詳述する。
図5に示すように、電池群100Gは、電気的に並列接続した3つの単電池110からなる第1セルサブアッシ100Mと、電気的に並列接続した別の3つの単電池110からなる第2セルサブアッシ100Nと、をバスバ131によって直列に接続して構成している。
第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nは、単電池110の電極タブ113の先端部113dの屈折方向を除いて同一の構成である。具体的には、第2セルサブアッシ100Nは、第1セルサブアッシ100Mに含まれる単電池110の天地を逆転させたものである。但し、第2セルサブアッシ100Nの電極タブ113の先端部113dの屈折方向は、第1セルサブアッシ100Mの電極タブ113の先端部113dの屈折方向と、同一になるように積層方向Zの下方の側に揃えている。各々の単電池110は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けている。
単電池110は、例えば、扁平なリチウムイオン二次電池に相当する。単電池110は、図6および図8に示すように、発電要素111を一対のラミネートフィルム112によって封止した電池本体110Hと、発電要素111に電気的に接続され電池本体110Hから外部に導出された薄板状の電極タブ113と、を備えている。
発電要素111は、正極と負極をセパレータで挟持したものを複数枚積層して構成している。発電要素111は、外部から電力の供給を受けて充電した上で、外部の電気デバイスに対して放電しつつ電力を供給する。
ラミネートフィルム112は、絶縁性を備えたシートによって金属箔の両側を覆って構成している。一対のラミネートフィルム112は、発電要素111を積層方向Zに沿った両側から被覆して、その四辺を封止している。一対のラミネートフィルム112は、図6および図8に示すように、短手方向Yに沿った一端部112aの間から外部に向かって、アノード側電極タブ113Aおよびカソード側電極タブ113Kを導出させている。
ラミネートフィルム112は、図6および図7に示すように、短手方向Yに沿った一端部112aの両端にそれぞれ備えた一対の連結孔112eに、第1スペーサ121の一対の連結ピン121iをそれぞれ挿通させている。一方、ラミネートフィルム112は、短手方向Yに沿った他端部112bの両端にそれぞれ備えた一対の連結孔112eに、一対の連結ピン122iをそれぞれ挿通させている。ラミネートフィルム112は、長手方向Xに沿った両端部112cおよび112dを、積層方向Zの上方に向かって折り曲げて形成している。ラミネートフィルム112は、長手方向Xに沿った両端部112cおよび112dを、積層方向Zの下方に向かって折り曲げて形成してもよい。
電極タブ113は、図6、図8、および図9に示すように、アノード側電極タブ113Aおよびカソード側電極タブ113Kから構成し、それぞれ一対のラミネートフィルム112の一端部112aの間から互いに離間した状態において外部に向かって延在している。アノード側電極タブ113Aは、発電要素111中のアノード側の構成部材の特性に合わせて、アルミニウムからなる。カソード側電極タブ113Kは、発電要素111中のカソード側の構成部材の特性に合わせて、銅からなる。
電極タブ113は、図8および図9に示すように、電池本体110Hと隣接する基端部113cから先端部113dにかけてL字状に形成している。具体的には、電極タブ113は、その基端部113cから長手方向Xの一方に沿って延在している。一方、電極タブ113の先端部113dは、積層方向Zの下方に沿って屈折して形成している。電極タブ113の先端部113dの形状は、L字形状に限定されない。電極タブ113の先端部113dは、バスバ131と対面するように面状に形成している。電極タブ113は、先端部113dをさらに延在させ、その延在部分を基端部113cに沿って電池本体110H側に折り返すようにして、U字形状に形成してもよい。一方、電極タブ113の基端部113cは、波状に形成したり湾曲形状に形成したりしてもよい。
各々の電極タブ113の先端部113dは、複数枚積層した単電池110において、図5および図8に示すように、積層方向Zの下方に揃えて屈折させている。ここで、組電池100は、図5に示すように、電気的に並列接続した3つの単電池110(第1セルサブアッシ100M)と、電気的に並列接続した別の3つの単電池110(第2セルサブアッシ100N)を、直列に接続している。したがって、3つの単電池110毎に、その単電池110の天地を入れ替えて、単電池110のアノード側電極タブ113Aとカソード側電極タブ113Kの位置を、積層方向Zに沿って交差させるようにしている。
但し、3つの単電池110毎の天地を単純に入れ替えただけでは、電極タブ113の先端部113dの位置が積層方向Zに沿った上下方向にばらついてしまうため、全ての単電池110の電極タブ113の先端部113dの位置が揃うように調整して屈折させている。
図5の下方に図示した第1セルサブアッシ100Mは、図中の右側にアノード側電極タブ113Aを配置し、図中の左側にカソード側電極タブ113Kを配置している。一方、図5の上方に図示した第2セルサブアッシ100Nは、図中の右側にカソード側電極タブ113Kを配置し、図中の左側にアノード側電極タブ113Aを配置している。
このように、アノード側電極タブ113Aとカソード側電極タブ113Kの配置が異なっていても、単電池110の電極タブ113の先端部113dは積層方向Zに沿った下方に屈折している。また、各々の電極タブの113の先端部113dは、図3に示すように、積層体100Sの同一面の側に配設している。第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nの上面に位置する単電池110には、上方に積層する積層部材と接着する両面テープ160を貼り付けている。
一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)は、図3、図5、および図8に示すように、積層した単電池110の間に配設している。第1スペーサ121は、図6に示すように、単電池110の電極タブ113を突出させたラミネートフィルム112の一端部112aに沿って配設している。第2スペーサ122は、図6に示すように、ラミネートフィルム112の他端部112bに沿って配設している。第2スペーサ122は、第1スペーサ121の形状を簡略した構成からなる。各々の単電池110は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けた上で、積層方向Zに沿って複数枚積層する。一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)は、絶縁性を備えた強化プラスチックスからなる。以下、第1スペーサ121の構成について説明した後に、第2スペーサ122の構成について第1スペーサ121の構成と比較しつつ説明する。
第1スペーサ121は、図6および図7に示すように、短手方向Yに沿って長尺な直方体形状から形成している。第1スペーサ121は、その長手方向(短手方向Y)の両端に載置部121Mおよび121Nを備えている。
第1スペーサ121は、図8(B)に示すように、単電池110に取り付けた状態で積層したとき、一の第1スペーサ121の載置部121Mおよび121Nの上面121aと、当該一の第1スペーサ121の上方に配設された他の第1スペーサ121の載置部121Mおよび121Nの下面121bが、当接する。
第1スペーサ121は、図7および図8(B)に示すように、複数枚積層する単電池110の相対的な位置決めを行うために、一の第1スペーサ121の上面121aに備えられた位置決ピン121cと、他の第1スペーサ121の下面121bに開口し位置決ピン121cの位置に対応した位置決穴121dを、嵌合させる。
第1スペーサ121は、図7に示すように、積層方向Zに沿って連結する複数の組電池100同士を連結するボルトを挿通するためにロケート孔121eを、積層方向Zに沿って載置部121Mおよび121Nにそれぞれ開口している。
第1スペーサ121は、図6(B)および図7に示すように、載置部121Mおよび121Nの間の領域を積層方向Zの上側から切り欠いたように形成している。当該切り欠いた部分は、第1スペーサ121の長手方向(単電池110の短手方向Y)に沿って第1支持面121gおよび第2支持面121hを備えている。第1支持面121gは、第2支持面121hよりも積層方向Zに沿って高く形成し、かつ、単電池110側に位置している。
第1スペーサ121は、図6に示すように、第1支持面121gによって、電極タブ113を突出させたラミネートフィルム112の一端部112aを載置して支持している。第1スペーサ121は、第1支持面121gの両端から上方に突出した一対の連結ピン121iを備えている。
第1スペーサ121は、図8および図9に示すように、電極タブ113にバスバ131と反対側から当接して単電池110の電極タブ113の先端部113dを支持する支持部121jを、第2支持面121hと隣接し、積層方向Zに沿った側面に備えている。第1スペーサ121の支持部121jは、バスバ131と共に電極タブ113の先端部113dを挟持して、先端部113dとバスバ131が互いに十分に当接するようにしている。
第2スペーサ122は、図6および図7に示すように、第1スペーサ121の形状を簡略した構成からなる。第2スペーサ122は、第1スペーサ121の一部を単電池110の短手方向Yに沿って削除した構成に相当する。具体的には、第2スペーサ122は、第1スペーサ121の第2支持面121hおよび第1支持面121gを支持面122kに置き換えて構成している。具体的に、第2スペーサ122は、第1スペーサ121と同様に、載置部122Mおよび122Nを備えている。第2スペーサ122は、載置部122Mおよび122Nの間の領域を積層方向Zの上側から切り欠いた部分に、支持面122kを備えている。支持面122kは、ラミネートフィルム112の他端部112bを載置して支持している。第2スペーサ122は、第1スペーサ121と同様に、位置決ピン122c、位置決穴、ロケート孔122e、および連結ピン122iを備えている。
バスバユニット130は、図3および図4に示すように、バスバ131を一体的に複数備えている。バスバ131は、導電性を備えた金属からなり、異なる単電池110の電極タブ113の先端部113d同士を電気的に接続する。バスバ131は、平板状に形成し、積層方向Zに沿って起立している。
バスバ131は、一の単電池110のアノード側電極タブ113Aとレーザ溶接するアノード側バスバ131Aと、積層方向Zに沿って隣り合う他の単電池110のカソード側電極タブ113Kとレーザ溶接するカソード側バスバ131Kを、接合して一体的に構成している。
アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、図4および図8に示すように、同一の形状からなり、それぞれL字状に形成している。アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、天地を反転させて重ね合わせている。具体的には、バスバ131は、アノード側バスバ131Aの積層方向Zに沿った一端部の屈折した部分と、カソード側バスバ131Kの積層方向Zに沿った一端部の屈折した部分を接合して、一体化している。アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、図4に示すように、短手方向Yの一端から長手方向Xに沿って側部131cを備えている。側部131cは、バスバホルダ132に接合する。
アノード側バスバ131Aは、アノード側電極タブ113Aと同様に、アルミニウムからなる。カソード側バスバ131Kは、カソード側電極タブ113Kと同様に、銅からなる。異なる金属からなるアノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、超音波接合によって互いに接合している。
バスバ131は、図5に示すように、組電池100が例えば3つの単電池110を並列接続したものを複数組にわたって直列接続して構成されたものである場合、アノード側バスバ131Aの部分を、積層方向Zに沿って互いに隣接している3つの単電池110のアノード側電極タブ113Aに対してレーザ溶接する。同様に、バスバ131は、カソード側バスバ131Kの部分を、積層方向Zに沿って互いに隣接している3つの単電池110のカソード側電極タブ113Kに対してレーザ溶接する。
但し、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図3および図4の図中右上に位置するバスバ131は、21つの単電池110(3並列7直列)のアノード側の終端に相当し、アノード側バスバ131Aのみから構成している。このアノード側バスバ131Aは、電池群100Gの最上部の3つの単電池110のアノード側電極タブ113Aに対してレーザ接合する。同様に、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図3および図4の図中左下に位置するバスバ131は、21つの単電池110(3並列7直列)のカソード側の終端に相当し、カソード側バスバ131Kのみから構成している。このカソード側バスバ131Kは、電池群100Gの最下部の3つの単電池110のカソード側電極タブ113Kに対してレーザ接合する。
バスバホルダ132は、図3に示すように、複数のバスバ131を、複数枚積層した各々の単電池110の電極タブ113に対面するようにマトリクス状に一体的に保持している。バスバホルダ132は、絶縁性を備えた樹脂からなり、枠状に形成している。
バスバホルダ132は、図4に示すように、単電池110の電極タブ113を支持している方の第1スペーサ121の長手方向の両側に位置するように、積層方向Zに沿って起立した一対の支柱部132aをそれぞれ備えている。一対の支柱部132aは、第1スペーサ121の載置部121Mおよび121Nの側面に嵌合する。一対の支柱部132aは、積層方向Zに沿って視認した場合にL字状であって、積層方向Zに沿って延在した板状に形成している。バスバホルダ132は、第1スペーサ121の長手方向の中央付近に位置するように、積層方向Zに沿って起立した一対の補助支柱部132bを離間させて備えている。一対の補助支柱部132bは、積層方向Zに沿って延在した板状に形成している。
バスバホルダ132は、図4に示すように、積層方向Zに沿って隣り合うバスバ131の間にそれぞれ突出する絶縁部132cを備えている。絶縁部132cは、短手方向Yに沿って延在した板状に形成している。各々の絶縁部132cは、支柱部132aと補助支柱部132bとの間に水平に備えている。絶縁部132cは、積層方向Zに沿って隣り合う単電池110のバスバ131の間を絶縁することによって放電を防止する。
バスバホルダ132は、それぞれ独立して形成した支柱部132aと補助支柱部132bおよび絶縁部132cを互いに接合して構成してもよいし、支柱部132aと補助支柱部132bおよび絶縁部132cを一体的に成形して構成してもよい。
アノード側ターミナル133は、図3及び図4に示すように、第1セルサブアッシ100Mと第2セルサブアッシ100Nを交互に積層して構成した電池群100Gのアノード側の終端に相当する。
アノード側ターミナル133は、図3および図4に示すように、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図中右上に位置するアノード側バスバ131Aに接合する。アノード側ターミナル133は、導電性を備えた金属板からなり、短手方向Yに沿って視認した場合、中央部133aを基準にして、一端部133bと他端部133cを積層方向Zに沿って異なる方向に屈折させた形状からなる。一端部133bは、アノード側バスバ131Aにレーザ接合する。他端部133cは、その中央に開口した孔133d(ネジ溝を含む)に、外部の入出力端子を接続させる。
カソード側ターミナル134は、図3および図4に示すように、第1セルサブアッシ100Mと第2セルサブアッシ100Nを交互に積層して構成した電池群100Gのカソード側の終端に相当する。カソード側ターミナル134は、図3および図4に示すように、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図中左下に位置するカソード側バスバ131Kに接合する。カソード側ターミナル134は、アノード側ターミナル133と同様の構成からなる。
図10に示すように、本実施形態において、バスバ131(第1接合部材に相当)には、電極タブ113(第2接合部材に相当)に臨む開口部131aが形成されている。図10(B)において、バスバ131の裏側に隠れている電極タブ113の先端部113dを模式的に破線で示している。
図10(B)に示すように、バスバ131には、当該バスバ131と電極タブ113との接合箇所に接合ライン131bが形成されている。具体的には、電極タブ113およびバスバ131はともに平板状であるから、電極タブ113の先端部113dとバスバ131とは、ライン状の接合箇所を形成する。本明細書において、接合ラインとは、当該ライン状の接合箇所を意味する。本実施形態において、電極タブ113とバスバ131との接合はレーザ溶接によってなされる。しかしながら、電極タブ113とバスバ131とが通電可能に接合される限りにおいて、電極タブ113とバスバ131とは任意の接合方法によって接合可能である。
本実施形態において、開口部131aは、電極タブ113とバスバ131との接合ライン131bを含む線上に形成されている。別の言い方をすれば、開口部131aは、当該開口部131aの少なくとも一部が接合ライン131bの延長線上に存在する位置に形成されている。
本実施形態において、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bは、当該接合ライン131bを含む線上において複数形成されている。別の言い方をすれば、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bは、当該接合ライン131bの延伸方向(単電池110の短手方向Yに相当)に沿って複数形成されている。そして、開口部131aは、複数の接合ライン131bのうち、当該接合ライン131bを含む線上において隣り合う接合ライン131b同士の間に形成されている。
本実施形態において、開口部131aは、バスバ131と電極タブ113との溶接時に生じるヒュームを排出する排出口として機能する。具体的には、開口部131aは、バスバ131と電極タブ113との間に形成されている微小な隙間を介して当該開口部131aに到達するヒュームを排出する。
上述したように、電極タブ113に臨む開口部131aがバスバ131に形成されていることにより、開口部131aを介して、電極タブ113がバスバ131の所定の位置にあるか否かを確認できる。また、開口部131aを介して、電極タブ113とバスバ131とが十分に接触しているか否かを確認できる。これにより、電極タブ113がバスバ131の所定の位置においてバスバ131に対して十分に接触した状態で電極タブ113とバスバ131とを接合できる。
また、電極タブ113に臨む開口部131aがバスバ131に形成されていることにより、通電時やバスバ131と電極タブ113との溶接時において電極タブ113に生じる熱を開口部131aを介して放熱させることができる。
また、上述したように、電極タブ113の先端部113dは、積層方向Zに沿って屈折されている。これにより、電極タブ113の先端部113dとバスバ131との接触面積が増加するから、開口部131aを介してバスバ131と電極タブ113との接触状態を確認するのが容易になる。
また、上述したように、開口部131aは、電極タブ113とバスバ131との接合ライン131bを含む線上に形成されている。これにより、接合ライン131bを含む線上において、電極タブ113とバスバ131とが十分に接触しているか否かをより確実に確認できる。
また、上述したように、開口部131aは、複数の接合ライン131bのうち、当該接合ライン131bを含む線上において隣り合う接合ライン131b同士の間に形成されている。これにより、開口部131aを使用して、当該開口部131aを挟んで配置される接合ライン131bの各々について、電極タブ113とバスバ131とが十分に接触しているか否かを確認できる。これにより、電極タブ113とバスバ131との接触状態を効率的に確認できる。
また、上述したように、開口部131aがバスバ131と電極タブ113との溶接時に生じるヒュームを排出する排出口として機能することにより、溶接箇所の付近にヒュームが留まることを防止できる。これにより、バスバ131と電極タブ113との接合品質をさらに向上させることができる。
保護カバー140は、図1〜図3に示すように、バスバユニット130を被覆することによって、バスバ131同士が短絡したり、バスバ131が外部の部材に接触して短絡したり漏電したりすることを防止する。さらに、保護カバー140は、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134を外部に臨ませて、各々の単電池110の発電要素111に充放電をさせる。保護カバー140は、絶縁性を備えたプラスチックスからなる。
保護カバー140は、図3に示すように、平板状に形成し、積層方向Zに沿って起立している。保護カバー140は、その側面140aの上端140bと下端140cを長手方向Xに沿って屈折した形状からなり、バスバユニット130に嵌合させる。
保護カバー140の側面140aは、図2および図3に示すように、バスバユニット130に備えられたアノード側ターミナル133に対応する位置に、当該アノード側ターミナル133よりも若干大きい矩形状の孔からなる第1開口140dを備えている。同様に、保護カバー140の側面140aは、バスバユニット130に備えられたカソード側ターミナル134に対応する位置に、当該カソード側ターミナル134よりも若干大きい矩形状の孔からなる第2開口140eを備えている。
筐体150は、図1と図2に示すように、電池群100Gを積層方向に沿って加圧した状態において収容している。上部加圧板151および下部加圧板152によって、電池群100Gに備えられた各々の単電池110の発電要素111を挟持しつつ加圧することによって、発電要素111に適正な面圧を与える。
上部加圧板151は、図1と図2に示すように、電池群100Gの積層方向Zに沿った上方に配設している。上部加圧板151は、積層方向Zに沿って下方に突出した加圧面151aを、中央に備えている。加圧面151aによって、各々の単電池110の発電要素111を下方に押圧する。上部加圧板151は、短手方向Yに沿った両側から、長手方向Xに沿って延在した保持部151bを備えている。保持部151bは、第1スペーサ121の載置部121Mおよび121N、または第2スペーサ122の載置部122Mおよび122Nを被覆する。保持部151bの中央には、第1スペーサ121の位置決穴121dまたは第2スペーサ122の位置決穴122dと積層方向Zに沿って連通するロケート孔151cが開口している。ロケート孔151cは、組電池100同士を連結するボルトを挿通する。上部加圧板151は、十分な厚みを備えた金属板からなる。
下部加圧板152は、図1と図2に示すように、上部加圧板151と同一の構成からなり、上部加圧板151の天地を逆転させている。下部加圧板152は、電池群100Gの積層方向Zに沿った下方に配設している。下部加圧板152は、積層方向Zに沿って上方に突出した加圧面151aによって、各々の単電池110の発電要素111を上方に押圧する。下部加圧板152は、十分な厚みを備えた金属板からなる。
一対の側板153は、図1と図2に示すように、電池群100Gを積層方向Zの上下から挟持しつつ加圧している上部加圧板151および下部加圧板152が互いに離間しないように、上部加圧板151および下部加圧板152の相対位置を固定する。側板153は、矩形状の金属板からなり、積層方向Zに沿って起立している。一対の側板153は、上部加圧板151および下部加圧板152に対して電池群100Gの短手方向Yの両側からレーザ溶接によって接合する。各々の側板153は、上部加圧板151と当接している上端153aの部分に対して、長手方向Xに沿って、シーム溶接またはスポット溶接がなされる。同様に、各々の側板153は、下部加圧板152と当接している下端153bの部分に対して、長手方向Xに沿って、シーム溶接またはスポット溶接がなされる。一対の側板153は、電池群100Gの短手方向Yの両側を被覆して保護する。
つぎに、組電池100の製造方法を図11〜図18を参照しつつ説明する。
組電池100の製造方法(製造工程)は、組電池100を構成する部材を積層する積層工程(図11)、組電池100の電池群100Gを加圧する加圧工程(図12)、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に接合する第1接合工程(図13)、バスバ131を単電池110の電極タブ113に接合し、かつ、ターミナルをバスバ131に接合する第2接合工程(図14〜図17)、および保護カバー140をバスバ131に対して取り付ける実装工程(図18)を備えている。
組電池100を構成する部材を積層する積層工程について図11を参照しつつ説明する。
図11は、第1実施形態に係る組電池100の製造方法を示す図であって、組電池100を構成する部材を載置台701に対して順に積層している状態を模式的に示す斜視図である。
積層工程に用いる載置台701は、板状に形成し、水平面に沿って設けている。載置台701は、順に積層する下部加圧板152、第1セルサブアッシ100M、第2セルサブアッシ100N、および上部加圧板151の長手方向Xおよび短手方向Yに沿った相対的な位置を合わせる位置決め用のロケートピン702を備えている。ロケートピン702は、載置台701の上面701aに、所定の間隔を隔てて4本起立している。4本のロケートピン702の互いの間隔は、例えば、上部加圧板151の4隅に備えられたロケート孔152cの互いの間隔に対応している。ロボットアーム、ハンドリフタ、および真空吸着タイプのコレット等を用いて、組電池100を構成する部材を積層する。
積層工程では、図11に示すように、ロボットアームによって、下部加圧板152を、その四隅に設けたロケート孔152cがロケートピン702に挿入された状態において、積層方向Zに沿って降下させつつ、載置台701の上面701aに載置する。次に、ロボットアームによって、第1セルサブアッシ100Mを、その構成部材の第1スペーサ121および第2スペーサ122に備えたロケート孔がロケートピン702に挿入された状態において、積層方向Zに沿って降下させつつ、下部加圧板152に積層する。同様に、ロボットアームによって、第2セルサブアッシ100Nと第1セルサブアッシ100Mを、交互に3組ずつ積層する。第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nの上面には、上方に積層する積層部材と接着する両面テープ160を貼り付けている。その後、ロボットアームによって、上部加圧板151を、その四隅に設けたロケート孔151cがロケートピン702に挿入された状態において、積層方向Zに沿って降下させつつ、第1セルサブアッシ100Mに積層する。
組電池100の電池群100Gを加圧する加圧工程について図12を参照しつつ説明する。
図12は、図11に引き続き、組電池100の構成部材を上方から押圧している状態を模式的に示す斜視図である。
加圧工程に用いる加圧治具703は、板状に形成し水平面に沿って設けた加圧部703aと、円柱形状に形成し加圧部703aの上面に起立させて接合した支持部703bを備えている。支持部703bは、積層方向Zに沿って駆動する電動ステージや油圧シリンダを連結している。加圧部703aは、支持部703bを介して、積層方向Zに沿って下方および上方に移動する。加圧部703aは、当接した積層部材を加圧する。
加圧工程では、図12に示すように、加圧治具703の加圧部703aは、支持部703bに連結した電動ステージが駆動することによって、上部加圧板151に当接しつつ積層方向Zの下方に沿って降下する。下方に沿って押圧された上部加圧板151と、載置台701に載置された下部加圧板152によって、電池群100Gを挟持しつつ加圧する。電池群100Gに備えられた各々の単電池110の発電要素111は、適正な面圧が与えられる。加圧工程は、次の第1接合工程が完了するまで継続する。
側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に接合する第1接合工程について図13を参照しつつ説明する。
図13は、図12に引き続き、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。
第1接合工程に用いる押板704は、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に対してそれぞれ押圧して、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152にそれぞれ密着させる。押板704は、金属からなり、長尺な板形状に形成している。押板704は、本体704aに長手方向に沿って直線状のスリット704bを開口している。押板704は、積層方向Zに沿って、その短手方向を起立させている。押板704は、本体704aによって側板153を押圧しつつ、スリット704bによって溶接用のレーザ光L1を通過させる。
レーザ発振器705は、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に接合する光源である。レーザ発振器705は、例えば、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザから構成する。レーザ発振器705から導出したレーザ光L1は、例えば、光ファイバーやミラーによって光路を調整し、集光レンズによって集光した状態において、側板153の上端153aと下端153bに対して照射する。レーザ発振器705から導出したレーザ光L1は、例えば、ハーフミラーによって分岐させて、側板153の上端153aおよび下端153bに対して同時に照射する構成としてもよい。
第1接合工程では、図13に示すように、レーザ発振器705が、押板704によって押圧された側板153の上端153aに対して、押板704のスリット704bを介してレーザ光L1を水平に走査し、側板153と上部加圧板151を複数箇所にわたりシーム溶接して接合する。同様に、レーザ発振器705は、押板704によって押圧された側板153の下端153bに対して、押板704のスリット704bを介してレーザ光L1を水平に走査し、側板153と下部加圧板152を複数箇所にわたりシーム溶接して接合する。
バスバ131を単電池110の電極タブ113に接合し、かつ、ターミナルをバスバ131に接合する第2接合工程について図14〜図17を参照しつつ説明する。
図14は、図13に引き続き、電池群100Gにバスバユニット130の一部の部材を取り付けている状態を模式的に示す斜視図である。図15は、図14に引き続き、バスバユニット130のバスバ131を単電池110の電極タブ113に対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。図16は、積層した単電池110の電極タブ113にバスバ131をレーザ接合している状態の要部を断面で示す側面図である。図17は、図15および図16に引き続き、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134をアノード側バスバ131Aおよびカソード側バスバ131Kに対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。
第2接合工程では、図13から図14に示すように、載置台701が、図中の反時計回りに90°回転して、電池群100Gの電極タブ113とレーザ発振器705を対面させる。さらに、各々のバスバ131が一体的に保持されたバスバホルダ132を、ロボットアームによって、電池群100Gの対応する電極タブ113に当接させつつ押圧し続ける。
さらに、図15および図16に示すように、レーザ発振器705は、バスバ131にレーザ光L1を照射して、バスバ131と電極タブ113の先端部113dをシーム溶接またはスポット溶接して接合する。
このとき、バスバ131に設けられた開口部131aを介して、電極タブ113がバスバ131の所定の位置にあるか否かを確認できる。また、開口部131aを介して、電極タブ113とバスバ131とが十分に接触しているか否かを確認できる。これにより、電極タブ113がバスバ131の所定の位置においてバスバ131に対して十分に接触した状態で電極タブ113とバスバ131とを接合できる。
その後、図17に示すように、アノード側ターミナル133を、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、アノード側の終端に相当するアノード側バスバ131A(図4中右上)に接合する。同様に、カソード側ターミナル134を、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、カソード側の終端に相当するカソード側バスバ131K(図4中左下)に接合する。
保護カバー140をバスバ131に対して取り付ける実装工程について図18を参照しつつ説明する。
図18は、図17に引き続き、保護カバー140をバスバユニット130に取り付けている状態を模式的に示す斜視図である。
実装工程では、ロボットアームを用いて、保護カバー140の上端140bと下端140cをバスバユニット130に嵌合させつつ、保護カバー140をバスバユニット130に取り付ける。保護カバー140の上端140bと下端140cは、バスバユニット130に対して接着剤によって接合してもよい。保護カバー140は、第1開口140dからアノード側ターミナル133を外部に臨ませ、かつ、第2開口140eからカソード側ターミナル134を外部に臨ませる。保護カバー140によってバスバユニット130を被覆して、バスバ131同士が短絡したり、バスバ131が外部の部材に接触して短絡したり漏電したりすることを防止する。製造が完了した組電池100は、載置台701から取り外して、電池性能等を検査する検査工程に搬出する。
図11〜図18を参照しつつ説明した組電池100の製造方法は、工程全般をコントローラによって制御する自動機、工程の一部を作業者が担う半自動機、または工程全般を作業者が担うマニュアル機のいずれの形態によって具現化してもよい。
上述した第1実施形態に係る組電池100によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態に係る組電池100は、扁平形状を有する単電池110を厚み方向に複数枚積層するとともに当該単電池110同士が電気的に接続されてなる積層体110Sと、金属材料から形成される第1接合部材180および第2接合部材190であって、互いに接合されることによって電気的な経路を形成する第1接合部材180(本実施形態では、バスバ131)および第2接合部材190(本実施形態では、電極タブ113)と、を有する。本発明の組電池において、第1接合部材180には、第2接合部材190に臨む開口部131aが形成されている。
このように構成した組電池100によれば、開口部131aを介して、互いに接合されることによって電気的な経路を形成する第1接合部材180と第2接合部材190とが十分に接触しているか否かを確認できる。これにより、第1接合部材180に第2接合部材190が十分に接触した状態で第1接合部材180と第2接合部材190とを接合できる。そのため、互いに接合されることによって電気的な経路を形成する部材同士の接合品質を向上させることが可能な組電池を提供することができる。
また、本実施形態に係る組電池100は、単電池110同士を電気的に接続する平板状のバスバ131をさらに有する。単電池110は、発電要素111を含み扁平に形成した電池本体110Hと、電池本体110Hから導出され、先端部113dが単電池110の積層方向Zに沿って屈折されている平板状の電極タブ113と、を備えてなる。また、バスバ131は、異なる単電池110の電極タブ113の先端部113dに向かい合うように配置される。そして、電気的な経路を形成する第1接合部材180および第2接合部材190は、電極タブ113およびバスバ131である。
このように構成した組電池100によれば、開口部131aを介して電極タブ113とバスバ131とが十分に接触しているか否かを確認できるから、電極タブ113にバスバ131が十分に接触した状態で電極タブ113とバスバ131とを接合できる。これにより、電極タブ113とバスバ131との間の接合品質が向上する。そのため、電極タブ113とバスバ131との接合強度が向上するとともに、電極タブ113とバスバ131との間において電流が流れ易くなるから通電時の抵抗を低減できる。よって、組電池100の性能が向上する。
本実施形態に係る組電池100において、開口部131aは、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bを含む線上に形成されている。
このように構成した組電池100によれば、接合ライン131bを含む線上において、電極タブ113とバスバ131とが十分に接触しているか否かをより確実に確認できる。そのため、電極タブ113とバスバ131との接合品質をより確実に向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る組電池100において、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bは、当該接合ライン131bを含む線上において複数形成されている。そして、開口部131aは、複数の前記接合ライン131bのうち、当該接合ライン131bの延伸方向において隣り合う接合ライン131b同士の間に形成されている。
このように構成した組電池100によれば、開口部131aを使用して、当該開口部131aを挟んで配置される接合ライン131bの各々について、電極タブ113とバスバ131とが十分に接触しているか否かを確認できる。これにより、電極タブ113とバスバ131との接触状態を効率的に確認できる。
さらに、本実施形態に係る組電池100において、開口部131aは、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bを含む線上に少なくとも1つ形成されている。
このように構成した組電池100によれば、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bの全てについて、電極タブ113がバスバ131の所定の位置においてバスバ131に十分に接触しているか否かを確認できる。そのため、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bの全てについて接合品質を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る組電池100において、バスバ131および電極タブ113は、互いに溶接されており、開口部131aは、バスバ131と電極タブ113との溶接時に生じるヒュームを排出する排出口として機能する。
このように構成した組電池100によれば、開口部131aがバスバ131と電極タブ113との溶接時に生じるヒュームを排出する排出口として機能することにより、溶接箇所の付近にヒュームが留まることを防止できる。これにより、バスバ131と電極タブ113との接合品質をさらに向上させることができる。
(第2実施形態)
図19は、第2実施形態に係る組電池の図10(B)に対応する拡大図である。なお、第1実施形態の組電池100と同一の部材については同一の符号を使用し、その説明を一部省略する。
上述した第1実施形態に係る組電池100において、開口部131aは、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bを含む線上に少なくとも1つ形成されていた。第2実施形態に係る組電池は、開口部231aが、バスバ231と電極タブ113との接合ライン231bを含む線上に複数形成される点において、上述した第1実施形態に係る組電池100と相違する。当該相違点に係る構成について、以下に詳しく説明する。
なお、当該相違点に係る構成以外の構成は、上述した第1実施形態に係る組電池100の構成と同じであるため説明を省略する。また、第2実施形態に係る組電池の製造方法は、上述した第1実施形態に係る組電池100の製造方法と同じため、説明を省略する。
図19に示すように、第2実施形態に係る組電池において、開口部231aは、バスバ231と電極タブ113との接合ライン231bを含む線上に複数形成されている。具体的には、開口部231aは、バスバ231と電極タブ113との接合ライン231bを挟んで2つ形成されている。
第2実施形態に係る組電池によれば、開口部231aがバスバ231と電極タブ113との接合ライン231bを含む線上に複数形成されていることにより、複数の箇所において、バスバ231と電極タブ1113との接触状態を確認できる。そのため、バスバ231と電極タブ113との接合品質をより確実に向上させることができる。
また、開口部231aは、バスバ231と電極タブ113との接合ライン231bを挟んで2つ形成されていることにより、接合ライン231bの始点と終点において、バスバ231と電極タブ113との接触状態を確認できる。そのため、バスバ231と電極タブ113との接合品質をさらに確実に向上させることができる。
(第3実施形態)
図20は、第3実施形態に係る組電池の図10(B)に対応する拡大図である。なお、第1実施形態の組電池100と同一の部材については同一の符号を使用し、その説明を一部省略する。
上述した第2実施形態に係る組電池100において、開口部231aは、バスバ231と電極タブ113との接合ライン231bを挟んで2つ形成されていた。第3実施形態に係る組電池は、3つの開口部331aが、当該開口部331a同士の間にバスバ331と電極タブ113との接合ライン331bを挟むように形成されている点において、上述した第2実施形態に係る組電池100と相違する。当該相違点に係る構成について、以下に詳しく説明する。なお、当該相違点に係る構成以外の構成は、上述した第1実施形態に係る組電池の構成と同じであるため説明を省略する。また、第3実施形態に係る組電池の製造方法は、上述した第1実施形態に係る組電池100の製造方法と同じため、説明を省略する。
図20に示すように、第3実施形態に係る組電池において、開口部331aは、バスバ331と電極タブ113との接合ライン331bを含む線上において3つ形成されている。そして、3つの開口部331aは、当該開口部331a同士の間に接合ライン331bを挟むように形成されている。
このように構成した第3実施形態に係る組電池によれば、所定の間隔をおいた複数箇所において、バスバ331と電極タブ113との接触状態を確認できる。そのため、バスバ331と電極タブ113との接合品質をさらに確実に向上させることができる。
(第4実施形態)
図21は、第4実施形態に係る組電池の図10(B)に対応する拡大図である。なお、第1実施形態の組電池100と同一の部材については同一の符号を使用し、その説明を一部省略する。
上述した第1実施形態に係る組電池100において、開口部131aは、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bを含む線上に形成されていた。第4実施形態に係る組電池は、バスバ431と電極タブ113との接合ライン431bに交差する方向に沿って形成されている複数の接合ライン431bのうち、当該接合ライン431bに交差する方向において隣り合う接合ライン431b同士の間に開口部431aが形成されている点において、上述した第1実施形態に係る組電池100と相違する。当該相違点に係る構成について、以下に詳しく説明する。なお、当該相違点に係る構成以外の構成は、上述した第1実施形態に係る組電池の構成と同じであるため説明を省略する。また、第1実施形態に係る組電池の製造方法は、上述した第1実施形態に係る組電池100の製造方法と同じため、説明を省略する。
図21に示すように、本実施形態において、バスバ431と電極タブ113との接合ライン431bは、当該接合ライン431bに交差する方向に沿って複数形成されている。そして、開口部431aは、複数の接合ライン431bのうち、接合ライン431bに交差する方向において隣り合う接合ライン431b同士の間に形成されている。
また、本実施形態において、開口部431aは、バスバ431と電極タブ113との溶接時に生じるヒュームを排出する排出口として機能する。本実施形態に係る開口部431aは、当該開口部431aの少なくとも一部が電極タブ113によって塞がれていない。具体的には、開口部431aは、当該開口部431aの少なくとも一部に、バスバ431を挟んで電極タブ113が配置されている側へと連通する開口部431a1を含む。
第4実施形態に係る組電池によれば、開口部431aは、複数の接合ライン431bのうち、接合ライン431bの延伸方向に交差する方向において隣り合う接合ライン431b同士の間に形成されている。これにより、バスバと電極タブとの接合ラインを含む線上に開口部を設ける場合と比較して、バスバ431と電極タブ113との接合ラインの長さを長くできる。バスバ431と電極タブ113との接合ラインの長さが長い方が、バスバ431と電極タブ113との接合面積が増えることによってバスバ431と電極タブ113との間において電流が流れ易くなるから通電時の抵抗が減少する。これにより、組電池の性能が向上するとともに、通電時に生じる発熱量を減少させることができる。
また、第4実施形態に係る組電池によれば、開口部431aの少なくとも一部が電極タブ113によって塞がれていない。これにより、開口部431aは、バスバ431と電極タブ113との溶接時に生じるヒュームを排出する効果を顕著に発揮することができる。
(第5実施形態)
図22は、第5実施形態に係る組電池の図10(B)に対応する拡大図である。なお、第1実施形態の組電池100と同一の部材については同一の符号を使用し、その説明を一部省略する。
上述した第1実施形態に係る組電池100において、バスバ131と電極タブ113との接合ライン131bの延伸方向における電極タブ113の長さは、当該接合ライン113bの延伸方向におけるバスバ131の長さよりも小さかった。第5実施形態に係る組電池は、バスバ531と電極タブ513との接合ライン531bの延伸方向における電極タブ513の長さD1が、当該接合ライン531bの延伸方向におけるバスバ531の長さD2よりも大きい点において、上述した第1実施形態に係る組電池100と相違する。当該相違点に係る構成について、以下に詳しく説明する。なお、当該相違点に係る構成以外の構成は、上述した第1実施形態に係る組電池100の構成と同じであるため説明を省略する。また、第2実施形態に係る組電池の製造方法は、上述した第1実施形態に係る組電池100の製造方法と同じため、説明を省略する。
図22に示すように、本実施形態において、バスバ531と電極タブ513との接合ライン531bの延伸方向における電極タブ513の長さD1が、当該接合ライン531bの延伸方向におけるバスバ531の長さD2よりも大きい。本実施形態において、接合ライン531bの延伸方向は、電極タブ513の基端側から先端側に向かう方向(単電池110の長手方向Xに対応)と積層方向Zとに交差する方向(単電池110の短手方向Yに対応)である。
このように構成した第5実施形態に係る組電池によれば、電極タブ513にバスバ531が取り付けられた状態において、電極タブ513の一部を外部から確認できる。これにより、より少ない開口部によってバスバ531と電極タブ513との接触状態をより確実に確認できる。そのため、開口部の数を減らすことによってバスバ531と電極タブ513との接合ラインの長さを長くできるから、バスバ531と電極タブ513との間に電流が流れ易くなって組電池の性能が向上する。
(第6実施形態)
図23(A)は、第6実施形態に係る組電池の側面図であり、図23(B)は図23(A)中に示す領域23Bの拡大図である。なお、第1実施形態の組電池100と同一の部材については同一の符号を使用し、その説明を一部省略する。
上述した第1実施形態では、第1接合部材180および第2接合部材190が、それぞれ、互いに接合されることによって電気的な経路を形成するバスバ131および電極タブ113である場合を例にして説明した。しかしながら、第1接合部材180および第2接合部材190は、互いに接合されることによって剛性を有する構造体を形成する部材であってもよい。本実施形態では、第1接合部材180および第2接合部材190が、それぞれ、側板653および上部加圧板151(下部加圧板152)である場合を例に説明する。なお、当該相違点に係る構成以外の構成は、上述した第1実施形態に係る組電池の構成と同じであるため説明を省略する。また、第1実施形態に係る組電池の製造方法は、上述した第1実施形態に係る組電池100の製造方法と同じため、説明を省略する。
図23に示すように、側板653には、上部加圧板151(下部加圧板152)に臨む開口部653aが形成されている。側板653の構成は、開口部653aが形成されている点を除いて、上述した第1実施形態の側板153の構成と同じである。
開口部653aは、輪郭が閉じられた開口部653a1および輪郭が開かれた開口部653a2を含む。
輪郭が閉じられた開口部653a1は、側板653と上部加圧板151との接合ライン653bを含む線上に複数形成されている。具体的には、開口部653a1は、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bを含む線上に複数形成されている。より具体的には、開口部653a1は、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bを挟んで2つ形成されている。
輪郭が開かれた653a2は、側板653の縁部を切り欠いた形状を備え、当該側板653の縁部653cと、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bと、の間に延在する。
また、本実施形態において、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bの延伸方向における上部加圧板151(下部加圧板152)の長さD3は、当該接合ライン653bの延伸方向における側板653の長さD4よりも大きい。本実施形態において、接合ライン653bの延伸方向は、単電池110の長手方向Xである。
また、本実施形態において、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)とはレーザ溶接される。そして、開口部653aは、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との溶接時に生じるヒュームを排出する排出口として機能する。具体的には、開口部653aは、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との間に形成されている微小な隙間を介して当該開口部653aに到達するヒュームを排出する。
第6実施形態に係る組電池によれば、第1接合部材180(本実施形態では、側板653)には、第2接合部材190(本実施形態では、上部加圧板151および下部加圧板152)に臨む開口部653aが形成されている。これにより、開口部653aを介して、互いに接合されることによって剛性を有する構造体を形成する第1接合部材180と第2接合部材190とが十分に接触しているか否かを確認できる。そのため、第1接合部材180に第2接合部材190が十分に接触した状態で第1接合部材180と第2接合部材190とを接合できる。従って、互いに接合されることによって剛性を有する構造体を形成する部材同士の接合品質を向上させることが可能な組電池を提供することができる。
また、第6実施形態に係る組電池によれば、剛性を有する構造体の一部を形成する第1接合部材180および第2接合部材190は、側板653および上部加圧板151(下部加圧板152)である。これにより、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合品質が向上するから組電池100の剛性が向上する。
また、第6実施形態に係る組電池によれば、開口部653aが側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bを含む線上に複数形成されている。これにより、複数の箇所において、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接触状態を確認できる。そのため、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合品質をより確実に向上させることができる。
また、第6実施形態に係る組電池によれば、開口部653aは、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bを挟んで2つ形成されている。これにより、接合ライン653bの始点と終点において、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接触状態を確認できる。そのため、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合品質をさらに確実に向上させることができる。
また、第6実施形態に係る組電池によれば、側板653には、当該側板653の縁部を切り欠いた形状を備え、当該側板653の縁部653cと、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bと、の間に延在する開口部653a2を有する。これにより、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bを分断することなく開口部653a2を設けることができる。そのため、接合ライン653bを分断して開口部653a2を設ける場合と比較して、接合ライン653bの長さを長くできる。接合ライン653bの長さが長い方が側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合強度を向上させることができるから、組電池の剛性が向上する。
また、第6実施形態に係る組電池によれば、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bの延伸方向における上部加圧板151(下部加圧板152)の長さD3は、当該接合ライン653bの延伸方向における側板653の長さD4よりも大きい。これにより、上部加圧板151(下部加圧板152)に側板653が取り付けられた状態において、上部加圧板151(下部加圧板152)の一部を外部から確認できる。これにより、より少ない開口部によって側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接触状態をより確実に確認できる。そのため、開口部の数を減らすことによって側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ラインの長さを長くできるから、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合強度が向上して組電池の剛性が向上する。
また、第6実施形態に係る組電池によれば、開口部653aが側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との溶接時に生じるヒュームを排出する排出口として機能することにより、溶接箇所の付近にヒュームが留まることを防止できる。これにより、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合品質をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態において、開口部653aの形態は、図23に例示した場合に限定されない。例えば、上述した第3実施形態のように、3つの開口部が、当該開口部同士の間に側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ライン653bを挟むように形成されていてもよい。開口部をこのように構成した場合においても、上述した第3実施形態で説明したのと同様の効果を得られることは明らかである。
また、上述した第4実施形態のように、側板653と上部加圧板151(下部加圧板152)との接合ラインの接合ライン653bは、当該接合ライン653bの延伸方向に交差する方向に沿って複数形成する。そして、開口部を、当該複数の接合ライン653bのうち、接合ライン653bの延伸方向に交差する方向において隣り合う接合ライン653b同士の間に形成してもよい。開口部をこのように構成した場合においても、上述した第4実施形態で説明したのと同様の効果を得られることは明らかである。
以上、第1実施形態〜第6実施形態を通じて組電池を説明したが、本発明は第1実施形態〜第6実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、第2実施形態、第3実施形態および第5実施形態における開口部231a、331aおよび531aは、それぞれ、第1実施形態の開口部131aと同様に、バスバ231、331および531と電極タブ113との溶接時に生じるヒュームを排出する排出口として機能させることができる