以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。図中において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の長手方向に沿った方向を示している。Yによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向と交差し、かつ、単電池110の短手方向に沿った方向を示している。Zによって表す矢印の方向は、単電池110の積層方向を示している。
また、Yによって表す矢印の方向は、電極タブ113の幅方向も示している。本明細書において、電極タブ113の幅方向とは、電極タブ113の基端部113cの側から先端部113dの側に向かう方向(単電池110の長手方向Xに対応)と積層方向Zとに交差する方向を意味する。
(実施形態)
まず、本実施形態の組電池100を図1〜図19を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る組電池100を示す斜視図である。図2は、図1に示される組電池100から上部加圧板151と下部加圧板152および左右の側板153を分解して保護カバー140を取り付けた状態の積層体100S全体を露出させた状態を示す斜視図である。図3は、図2に示される積層体100Sから保護カバー140を取り外し、かつ、積層体100Sを電池群100Gとバスバユニット130に分解して示す斜視図である。図4は、図3に示されるバスバユニット130を分解して示す斜視図である。図5は、第1セルサブアッシ100M(3組毎に並列接続する単電池110)のアノード側電極タブ113Aと第2セルサブアッシ100N(3組毎に並列接続する単電池110)のカソード側電極タブ113Kをバスバ131によって接合する状態を模式的に分解して示す斜視図である。図6(A)は、単電池110に一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けた状態を示す斜視図、図6(B)は、単電池110に一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付ける前の状態を示す斜視図である。図7は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を示す斜視図である。図8(A)は、積層した単電池110の電極タブ113にバスバ131を接合した状態の要部を断面で示す斜視図、図8(B)は、図8(A)を側方から示す側面図である。図9は、図8(B)中に示す領域9を拡大した側面図である。図10(A)は、第1スペーサ121にバスバホルダ132を取り付ける際の要部を示す斜視図、図10(B)は、第1スペーサ121にターミナルホルダ135を取り付ける際の要部を示す斜視図である。図11(A)は、単電池110に取り付けられた状態において積層された第1スペーサ121の正面図、図11(B)は、当該第1スペーサ121の平面図である。図12(A)は、単電池110に取り付けられた第1スペーサ121を積層する際の当該第1スペーサ121の端部121W1付近の要部を示す斜視図、図12(B)は、当該第1スペーサ121が積層された状態の当該第1スペーサ121の端部121W1付近の要部を示す斜視図である。図13(A)は、単電池110に取り付けられた第1スペーサ121を積層する際の当該第1スペーサ121の中央部121W2付近の要部を示す斜視図、図13(B)は、当該第1スペーサ121が積層された状態の当該第1スペーサ121の中央部121W2付近の要部を示す斜視図である。図14(A)は、図11(B)に示す領域14Aの拡大図、図14(B)は、第1ガイド穴121U1が備えるリブ121yにバスバホルダ132の係合爪180が係合している様子を示す図14(A)に対応する拡大図である。図15(A)は、図11(B)に示す領域15Aの拡大図、図15(B)は、第2ガイド穴121U2が備えるリブ121yにバスバホルダ132の係合爪180が係合している様子を示す図15(A)に対応する拡大図である。図16(A)は、バスバホルダ132の斜視図、図16(B)は、バスバホルダ132の平面図、図16(C)は、図16(A)中に示す領域16Cを拡大した拡大図である。図17(A)は、アノード側ターミナル133(カソード側ターミナル134)が取り付けられた状態のターミナルホルダ135の斜視図、図17(B)は、当該ターミナルホルダ135の平面図、図17(C)は、図17(A)の17C−17C線に沿う断面図である。図18(A)は、図11(A)中に示す領域18Aの拡大図、図18(B)は、図11(A)中に示す領域18Bの拡大図である。図19(A)は、第1スペーサ121の第3開口部121Zにバスバホルダ132が備えるリブ185が挿入される際の要部を示す斜視図、図19(B)は、当該第3開口部121Zに当該リブ185を挿入する際の図11(A)の19B−19B線に沿う端面図である。
なお、図1に示される状態おいて、左手前側を組電池100全体および各構成部品の「前面側」といい、右手奥側を組電池100全体および各構成部品の「背面側」といい、右手前側および左手奥側を組電池100全体および各構成部品の左右の「側方側」という。
図1および図2に示すように、組電池100は、扁平形状を有する単電池110を厚み方向に複数枚積層するとともに当該単電池同士が電気的に接続されてなる電池群100G含む積層体100Sを有する。組電池100はさらに、積層体100Sの前面側に取り付けられる保護カバー140と、単電池110の積層方向に沿ってそれぞれの単電池110を加圧した状態において積層体100Sを収容する筐体150と、を有する。図3に示すように、積層体100Sは、電池群100Gと、電池群100Gの前面側に取り付けられ複数個のバスバ131を一体的に保持するバスバユニット130と、を有する。保護カバー140は、バスバユニット130を被覆して保護する。図4に示すように、バスバユニット130は、複数個のバスバ131と、複数個のバスバ131をマトリクス状に一体的に取り付けるバスバホルダ132と、を有する。複数のバスバ131のうち、アノード側の終端にはアノード側ターミナル133を取り付け、カソード側の終端にはカソード側ターミナル134を取り付けている。図4に示すように、バスバユニット130は、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134を保持するターミナルホルダ135をさらに有する。
本実施形態の組電池100は、概説すれば、扁平形状を有する単電池110を厚み方向に複数枚積層するとともに当該単電池110同士が電気的に接続されてなる積層体100Sと、単電池110の積層方向Zにおいて隣接する単電池110同士の間に配置され、積層方向Zにおいて積層される第1スペーサ121と、第1スペーサ121に取り付けられる装着部材170と、を有する。第1スペーサ121は、当該第1スペーサ121の積層方向Zに交差する方向に延在する両端面121a、121bのうち一の端面121aに開口する第1開口部121Pと、第1開口部121Pから両端面121a、121bのうちの他の端面121bに向かって窪んで形成される凹所121Qと、凹所121Qに連通し、当該第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tに開口する第2開口部121Rと、を備える。第1開口部121Pおよび第2開口部121Rは、一の端面121aから側面121tにかけて連続して形成される。そして、第1スペーサ121が積層方向Zに積層されることによって、一の第1スペーサ121の第1開口部121Pが、積層方向Zにおいて当該一の第1スペーサ121に隣接して配置される他の第1スペーサ121の他の端面121bによって閉じられるとともに、当該他の端面121bと当該一の第1スペーサ121の第2開口部121Rとによって、装着部材170が取り付けられるガイド穴121Uが形成される。本実施形態では、装着部材170が、バスバホルダ132およびターミナルホルダ135である場合を例にして、組電池100を説明する。以下、本実施形態の組電池100について詳述する。
図5に示すように、電池群100Gは、電気的に並列接続した3つの単電池110からなる第1セルサブアッシ100Mと、電気的に並列接続した別の3つの単電池110からなる第2セルサブアッシ100Nと、をバスバ131によって直列に接続して構成している。
第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nは、単電池110の電極タブ113の先端部113dの屈折方向を除いて同一の構成である。具体的には、第2セルサブアッシ100Nは、第1セルサブアッシ100Mに含まれる単電池110の天地を逆転させたものである。但し、第2セルサブアッシ100Nの電極タブ113の先端部113dの屈折方向は、第1セルサブアッシ100Mの電極タブ113の先端部113dの屈折方向と、同一になるように積層方向Zの下方の側に揃えている。各々の単電池110は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けている。
単電池110は、例えば、扁平なリチウムイオン二次電池に相当する。単電池110は、図6および図8に示すように、発電要素111を一対のラミネートフィルム112によって封止した電池本体110Hと、発電要素111に電気的に接続され電池本体110Hから外部に導出された薄板状の電極タブ113と、を備えている。
発電要素111は、正極と負極をセパレータで挟持したものを複数枚積層して構成している。発電要素111は、外部から電力の供給を受けて充電した上で、外部の電気デバイスに対して放電しつつ電力を供給する。
ラミネートフィルム112は、絶縁性を備えたシートによって金属箔の両側を覆って構成している。一対のラミネートフィルム112は、発電要素111を積層方向Zに沿った両側から被覆して、その四辺を封止している。一対のラミネートフィルム112は、図6に示すように、短手方向Yに沿った一端部112aの間から外部に向かって、アノード側電極タブ113Aおよびカソード側電極タブ113Kを導出させている。
ラミネートフィルム112は、図6および図7に示すように、短手方向Yに沿った一端部112aの両端にそれぞれ備えた一対の連結孔112eに、第1スペーサ121の一対の連結ピン121iをそれぞれ挿通させている。一方、ラミネートフィルム112は、短手方向Yに沿った他端部112bの両端にそれぞれ備えた一対の連結孔112eに、一対の連結ピン122iをそれぞれ挿通させている。ラミネートフィルム112は、長手方向Xに沿った両端部112cおよび112dを、積層方向Zの上方に向かって折り曲げて形成している。ラミネートフィルム112は、長手方向Xに沿った両端部112cおよび112dを、積層方向Zの下方に向かって折り曲げて形成してもよい。
電極タブ113は、図6、図8、および図9に示すように、アノード側電極タブ113Aおよびカソード側電極タブ113Kから構成し、それぞれ一対のラミネートフィルム112の一端部112aの間から互いに離間した状態において外部に向かって延在している。アノード側電極タブ113Aは、発電要素111中のアノード側の構成部材の特性に合わせて、アルミニウムからなる。カソード側電極タブ113Kは、発電要素111中のカソード側の構成部材の特性に合わせて、銅からなる。
電極タブ113は、図8および図9に示すように、電池本体110Hと隣接する基端部113cから先端部113dにかけてL字状に形成している。具体的には、電極タブ113は、その基端部113cから長手方向Xの一方に沿って延在している。一方、電極タブ113の先端部113dは、積層方向Zの下方に沿って屈折して形成している。電極タブ113の先端部113dの形状は、L字形状に限定されない。電極タブ113の先端部113dは、バスバ131と対面するように面状に形成している。電極タブ113は、先端部113dをさらに延在させ、その延在部分を基端部113cに沿って電池本体110H側に折り返すようにして、U字形状に形成してもよい。一方、電極タブ113の基端部113cは、波状に形成したり湾曲形状に形成したりしてもよい。
各々の電極タブ113の先端部113dは、複数枚積層した単電池110において、図5および図8に示すように、積層方向Zの下方に揃えて屈折させている。ここで、組電池100は、図5に示すように、電気的に並列接続した3つの単電池110(第1セルサブアッシ100M)と、電気的に並列接続した別の3つの単電池110(第2セルサブアッシ100N)を、直列に接続している。したがって、3つの単電池110毎に、その単電池110の天地を入れ替えて、単電池110のアノード側電極タブ113Aとカソード側電極タブ113Kの位置を、積層方向Zに沿って交差させるようにしている。
但し、3つの単電池110毎の天地を単純に入れ替えただけでは、電極タブ113の先端部113dの位置が積層方向Zに沿った上下方向にばらついてしまうため、全ての単電池110の電極タブ113の先端部113dの位置が揃うように調整して屈折させている。
図5の下方に図示した第1セルサブアッシ100Mは、図中の右側にアノード側電極タブ113Aを配置し、図中の左側にカソード側電極タブ113Kを配置している。一方、図5の上方に図示した第2セルサブアッシ100Nは、図中の右側にカソード側電極タブ113Kを配置し、図中の左側にアノード側電極タブ113Aを配置している。
このように、アノード側電極タブ113Aとカソード側電極タブ113Kの配置が異なっていても、単電池110の電極タブ113の先端部113dは積層方向Zに沿った下方に屈折している。また、各々の電極タブの113の先端部113dは、図3に示すように、積層体100Sの同一面の側に配設している。第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nの上面に位置する単電池110には、上方に積層する積層部材と接着する両面テープ160を貼り付けている。
一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)は、図3、図5、および図8に示すように、積層した単電池110の間に配設している。第1スペーサ121は、図6に示すように、単電池110の電極タブ113を突出させたラミネートフィルム112の一端部112aに沿って配設している。第2スペーサ122は、図6に示すように、ラミネートフィルム112の他端部112bに沿って配設している。第2スペーサ122は、第1スペーサ121の形状を簡略した構成からなる。各々の単電池110は、一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)を取り付けた上で、積層方向Zに沿って複数枚積層する。一対のスペーサ120(第1スペーサ121および第2スペーサ122)は、絶縁性を備えた強化プラスチックスからなる。以下、第1スペーサ121の構成について説明した後に、第2スペーサ122の構成について第1スペーサ121の構成と比較しつつ説明する。
第1スペーサ121は、図6および図7に示すように、短手方向Yに沿って長尺な直方体形状から形成している。第1スペーサ121は、その長手方向(短手方向Y)の両端に載置部121Mおよび121Nを備えている。また、第1スペーサ121は、当該第1スペーサ121が単電池110に取り付けられたときに、アノード側電極タブ113Aとカソード側電極タブ113Kとの間に挟まれる箇所に載置部121Lを備えている(図11(B)参照)。
載置部121M、121Nおよび121Lは、当該第1スペーサ121の積層方向Zに交差する方向に延在する両端面121a、121bを備える。図7では、端面121aが積層方向Zにおいて端面121bよりも上方に配置される場合を例示している。本明細書では、便宜的に、端面121aを上面121a、端面121bを下面121bと称することがある。
第1スペーサ121は、図8(B)に示すように、単電池110に取り付けた状態で積層したとき、一の第1スペーサ121の載置部121M、121Nおよび121Lの上面121aと、当該一の第1スペーサ121の上方に配設された他の第1スペーサ121の載置部121M、121Nおよび121Lの下面121bが、当接する。
第1スペーサ121は、図7および図8(B)に示すように、載置部121Mおよび121Nにおいて、複数枚積層する単電池110の相対的な位置決めを行うために、一の第1スペーサ121の上面121aに備えられた位置決ピン121cと、他の第1スペーサ121の下面121bに開口し位置決ピン121cの位置に対応した位置決穴121dを、嵌合させる。
第1スペーサ121は、図7に示すように、積層方向Zに沿って連結する複数の組電池100同士を連結するボルトを挿通するためにロケート孔121eを、積層方向Zに沿って載置部121Mおよび121Nにそれぞれ開口している。
第1スペーサ121は、図6(B)および図7に示すように、載置部121Mおよび121Nの間の領域を積層方向Zの上側から切り欠いたように形成している。当該切り欠いた部分は、第1スペーサ121の長手方向(単電池110の短手方向Y)に沿って第1支持面121gおよび第2支持面121hを備えている。第1支持面121gは、第2支持面121hよりも積層方向Zに沿って高く形成し、かつ、単電池110側に位置している。
第1スペーサ121は、図6に示すように、第1支持面121gによって、電極タブ113を突出させたラミネートフィルム112の一端部112aを載置して支持している。第1スペーサ121は、第1支持面121gの両端から上方に突出した一対の連結ピン121iを備えている。
第1スペーサ121は、図8および図9に示すように、電極タブ113にバスバ131と反対側から当接して単電池110の電極タブ113の先端部113dを支持する支持部121jを、第2支持面121hと隣接し、積層方向Zに沿った側面に備えている。第1スペーサ121の支持部121jは、バスバ131と共に電極タブ113の先端部113dを挟持して、先端部113dとバスバ131が互いに十分に当接するようにしている。
第2スペーサ122は、図6および図7に示すように、第1スペーサ121の形状を簡略した構成からなる。第2スペーサ122は、第1スペーサ121の一部を単電池110の短手方向Yに沿って削除した構成に相当する。具体的には、第2スペーサ122は、第1スペーサ121の第2支持面121hおよび第1支持面121gを支持面122kに置き換えて構成している。具体的に、第2スペーサ122は、第1スペーサ121と同様に、載置部122Mおよび122Nを備えている。一方で、第2スペーサ122では載置部121Lを削除している。第2スペーサ122は、載置部122Mおよび122Nの間の領域を積層方向Zの上側から切り欠いた部分に、支持面122kを備えている。支持面122kは、ラミネートフィルム112の他端部112bを載置して支持している。第2スペーサ122は、第1スペーサ121と同様に、位置決ピン122c、位置決穴、ロケート孔122e、および連結ピン122iを備えている。
バスバユニット130は、図3および図4に示すように、バスバ131を一体的に複数備えている。バスバ131は、導電性を備えた金属からなり、異なる単電池110の電極タブ113の先端部113d同士を電気的に接続する。バスバ131は、平板状に形成し、積層方向Zに沿って起立している。
バスバ131は、一の単電池110のアノード側電極タブ113Aとレーザ溶接するアノード側バスバ131Aと、積層方向Zに沿って隣り合う他の単電池110のカソード側電極タブ113Kとレーザ溶接するカソード側バスバ131Kを、接合して一体的に構成している。
アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、図4および図8に示すように、同一の形状からなり、それぞれL字状に形成している。アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、天地を反転させて重ね合わせている。具体的には、バスバ131は、アノード側バスバ131Aの積層方向Zに沿った一端部の屈折した部分と、カソード側バスバ131Kの積層方向Zに沿った一端部の屈折した部分を接合して、一体化している。アノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、図4に示すように、短手方向Yの一端から長手方向Xに沿って側部131cを備えている。側部131cは、バスバホルダ132に接合する。
アノード側バスバ131Aは、アノード側電極タブ113Aと同様に、アルミニウムからなる。カソード側バスバ131Kは、カソード側電極タブ113Kと同様に、銅からなる。異なる金属からなるアノード側バスバ131Aとカソード側バスバ131Kは、超音波接合によって互いに接合している。
バスバ131は、図5に示すように、組電池100が例えば3つの単電池110を並列接続したものを複数組にわたって直列接続して構成されたものである場合、アノード側バスバ131Aの部分を、積層方向Zに沿って互いに隣接している3つの単電池110のアノード側電極タブ113Aに対してレーザ溶接する。同様に、バスバ131は、カソード側バスバ131Kの部分を、積層方向Zに沿って互いに隣接している3つの単電池110のカソード側電極タブ113Kに対してレーザ溶接する。
但し、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図3および図4の図中右上に位置するバスバ131は、21つの単電池110(3並列7直列)のアノード側の終端に相当し、アノード側バスバ131Aのみから構成している。このアノード側バスバ131Aは、電池群100Gの最上部の3つの単電池110のアノード側電極タブ113Aに対してレーザ接合する。同様に、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図3および図4の図中左下に位置するバスバ131は、21つの単電池110(3並列7直列)のカソード側の終端に相当し、カソード側バスバ131Kのみから構成している。このカソード側バスバ131Kは、電池群100Gの最下部の3つの単電池110のカソード側電極タブ113Kに対してレーザ接合する。
バスバホルダ132は、図3に示すように、複数のバスバ131を、複数枚積層した各々の単電池110の電極タブ113に対面するようにマトリクス状に一体的に保持している。バスバホルダ132は、絶縁性を備えた樹脂からなり、枠状に形成している。
バスバホルダ132は、図4に示すように、単電池110の電極タブ113を支持している方の第1スペーサ121の長手方向の両側に位置するように、積層方向Zに沿って起立した一対の支柱部132aをそれぞれ備えている。一対の支柱部132aは、第1スペーサ121の載置部121Mおよび121Nの側面に嵌合する。一対の支柱部132aは、積層方向Zに沿って視認した場合にL字状であって、積層方向Zに沿って延在した板状に形成している。バスバホルダ132は、第1スペーサ121の長手方向の中央付近に位置するように、積層方向Zに沿って起立した一対の補助支柱部132bを離間させて備えている。一対の補助支柱部132bは、積層方向Zに沿って延在した板状に形成している。
バスバホルダ132は、図4に示すように、積層方向Zに沿って隣り合うバスバ131の間にそれぞれ突出する絶縁部132cを備えている。絶縁部132cは、短手方向Yに沿って延在した板状に形成している。各々の絶縁部132cは、支柱部132aと補助支柱部132bとの間に水平に備えている。絶縁部132cは、積層方向Zに沿って隣り合う単電池110のバスバ131の間を絶縁することによって放電を防止する。
バスバホルダ132は、それぞれ独立して形成した支柱部132aと補助支柱部132bおよび絶縁部132cを互いに接合して構成してもよいし、支柱部132aと補助支柱部132bおよび絶縁部132cを一体的に成形して構成してもよい。
アノード側ターミナル133は、図3及び図4に示すように、第1セルサブアッシ100Mと第2セルサブアッシ100Nを交互に積層して構成した電池群100Gのアノード側の終端に相当する。
アノード側ターミナル133は、図3および図4に示すように、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図中右上に位置するアノード側バスバ131Aに接合する。アノード側ターミナル133は、導電性を備えた金属板からなり、短手方向Yに沿って視認した場合、中央部133aを基準にして、一端部133bと他端部133cを積層方向Zに沿って異なる方向に屈折させた形状からなる。一端部133bは、アノード側バスバ131Aにレーザ接合する。他端部133cは、その中央に開口した孔133d(ネジ溝を含む)に、外部の入出力端子を接続させる。
カソード側ターミナル134は、図3および図4に示すように、第1セルサブアッシ100Mと第2セルサブアッシ100Nを交互に積層して構成した電池群100Gのカソード側の終端に相当する。カソード側ターミナル134は、図3および図4に示すように、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、図中左下に位置するカソード側バスバ131Kに接合する。カソード側ターミナル134は、アノード側ターミナル133と同様の構成からなる。
図10(A)に示すように、バスバホルダ132は、バスバ131を保持した状態において、第1スペーサ121に取り付けられる。また、図10(B)に示すように、ターミナルホルダ135は、アノード側ターミナル133を保持した状態において、第1スペーサ121に取り付けられる。カソード側ターミナル134を保持するターミナルホルダ135も同様に、カソード側ターミナル134を保持した状態において、第1スペーサ121に取り付けられる。
第1スペーサ121について、図11〜図19を参照してさらに詳述する。
図11(A)に示すように、第1スペーサ121は、当該第1スペーサ121が積層されることによって、バスバホルダ132およびターミナルホルダ135が取り付けられるガイド穴121Uを形成する。本実施形態において、ガイド穴121Uは、第1スペーサ121の長手方向(単電池110の短手方向Yに対応)の端部121W1に形成される第1ガイド穴121U1と中央部121W2に形成される第2ガイド穴121U2を有する。
図12(A)および図12(B)を参照して、第1ガイド穴121U1の構成について詳述する。
図12(A)に示すように、第1スペーサ121は、当該第1スペーサ121の積層方向Zに交差する方向に延在する両端面121a、121bのうちの一の端面121aに開口する第1開口部121Pを備える。また、第1スペーサ121は、第1開口部121Pから両端面121a、121bのうちの端面121aとは異なる端面121bに向かって窪んで形成される凹所121Qを備える。さらに、第1スペーサ121は、凹所121Qに連通し、当該第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tに開口する第2開口部121Rを備える。図12(A)では、第1開口部121Pが形成される端面121aが積層方向Zにおいて端面121bよりも上方に位置している場合を例示している。しかしながら、第1開口部121Pが形成される端面121aが積層方向Zにおいて端面121bよりも下方に位置していてもよい。
第1開口部121Pおよび第2開口部121Rは、端面121aから側面121tにかけて連続して形成されている。言い換えれば、第1開口部121Pおよび第2開口部121Rは、端面121aから側面121tにかけてつながっている。
図12(A)および図12(B)に示すように、第1スペーサ121Aの第1開口部121Pは、第1スペーサ121が積層方向Zに積層されることによって、積層方向Zにおいて第1スペーサ121Aに隣接して配置される第1スペーサ121Bの端面121bによって閉じられる。そして、第1スペーサ121Bの端面121bと当該第1スペーサ121Aの第2開口部121Rとによって、バスバホルダ132およびターミナルホルダ135が取り付けられる第1ガイド穴121U1が形成される。
図13(A)および図13(B)に示すように、第2ガイド穴121U2は、第1ガイド穴121U1と同様の構成によって形成される。
図11(A)を再び参照して、本実施形態において、ガイド穴121Uは、第1スペーサ121が積層されている状態において積層方向Zに沿って複数配置されている。積層方向Zにおける複数のガイド穴121Uの配置方法は特に限定されない。本実施形態では、複数のガイド穴121Uは、積層方向Zに沿って隣接して配置されている。しかしながら、複数のガイド穴121Uは、積層方向Zに沿って所定の間隔ごとに配置されてもよい。
図12(B)および図14(A)に示すように、第1ガイド穴121U1は、当該ガイド穴121Uを形成する縁部121vの一部にリブ121yを備える。本実施形態において、第1ガイド穴121U1のリブ121yは、第1ガイド穴121U1を形成する縁部121vのうち積層方向Zに沿う縁部において積層方向Zに交差する方向に突出して設けられている。
同様に、図13(B)および図15(A)に示すように、第2ガイド穴121U2は、当該第2ガイド穴121U2を形成する縁部121vの一部にリブ121yを備える。本実施形態において、第2ガイド穴121U2のリブ121yは、第2ガイド穴121U2を形成する縁部121vのうち積層方向Zに沿う縁部において積層方向Zに交差する方向に突出して設けられている。
図16(A)および図16(B)に示すように、バスバホルダ132は、ガイド穴121Uのリブ121yに係合する係合爪180を備える。図16(C)に示すように、係合爪180は、バスバ131が第1スペーサ121に取り付けられたときにガイド穴121Uに対応する位置において当該第1スペーサ121に対向する面から突出する本体部181を有する。そして、係合爪180は、本体部181から突出し、リブ121yに係合する係合部182を有する。本実施形態において、係合部182は、バスバホルダ132が第1スペーサ121に取り付けられたときに単電池110の短手方向Yとなる方向に向かって本体部181から突出している。
図17(A)および図17(B)に示すように、ターミナルホルダ135は、バスバホルダ132と同様に、ガイド穴121Uのリブ121yに係合する係合爪180を備える。ターミナルホルダ135が備える係合爪180の構成は、バスバホルダ132が備える係合爪180の構成と同様である。
図18(A)に示すように、第1スペーサ121は、第2開口部121Rが形成される側面121tにおいて、当該第2開口部121Rから積層方向Zに交差する方向(単電池110の短手方向Yに対応)にオフセットされた位置に開口する第3開口部121Zをさらに有する。
第1スペーサ121が積層された状態において、第1スペーサ121の側面121tのうち、隣接する第1スペーサ121の第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1の長さH1は、隣接する第1スペーサ121の第2開口部121R同士の間に挟まれる部分S2の長さH2よりも大きい。
図16(A)および図16(C)に示すように、バスバホルダ132は、当該バスバホルダ132が第1スペーサ121に取り付けられたときに第3開口部121Zに挿入されるリブ185を備える。
図11(B)を参照して、ガイド穴121Uは、第1スペーサ121が単電池110に取り付けられた状態において単電池110を積層方向Zから平面視した際に、当該単電池110の電極タブ113から当該電極タブ113の幅方向にオフセットされた位置に形成されている。なお、電極タブ113の幅方向とは、電極タブ113の先端部113dから基端部113cに向かう方向(単電池110の長手方向Xに対応)と積層方向Zとに交差する方向(単電池110の短手方向Yに対応)を意味する。
図12(A)および図12(B)を参照して上述したように、本実施形態に係る組電池100では、第1スペーサ121Aの第1開口部121Pが、積層方向Zにおいて第1スペーサ121Aに隣接して配置される他の第1スペーサ121Bの端面121bによって閉じられた状態において、当該端面121bと当該第1スペーサ121Aの第2開口部121Rとによってガイド穴121Uが形成される。すなわち、第1スペーサ121を積層方向Zに積層するという簡便な方法によって、装着部材170が取り付けられるガイド穴121Uを形成できる。そのため、ナット等の締結部品をインサート成形する方法や第1スペーサを形成した後にガイド穴を形成する方法などと比較して、装着部材170が取り付けられるガイド穴121Uを低コストに形成できる。
また、第1スペーサ121の成形方法は特に限定されないが、第1スペーサ121を安価に形成する方法として成形型を使用した成形方法が挙げられる。ここで、第1スペーサ121において、第1開口部121Pと第2開口部121Rとは、一の端面121aから側面121tにかけて連続して形成されている。これにより、成形型を使用して第1スペーサ121を形成する際に、側面121tに開口する第2開口部121Rがアンダーカットにならない。そのため、成形型を使用して第1スペーサ121を形成する際に、側面121tに第2開口部121Rを設けることに起因して、追加の製造コストが生じることがない。
また、上述したように、ガイド穴121Uは、第1スペーサ121が積層されている状態において積層方向Zに隣接して複数配置されている。これにより、積層方向Zに隣接して配置されている複数のガイド穴121Uを使用してバスバホルダ132(ターミナルホルダ135)を取り付けることができる。そのため、第1スペーサ121における単電池110の積層方向Zに沿う側面121tへのバスバホルダ132(ターミナルホルダ135)の取り付けをより強固に行うことができる。
また、上述したように、ガイド穴121Uは、当該ガイド穴121Uを形成する縁部121vの一部にリブ121yを備える。そして、バスバホルダ132(ターミナルホルダ135)は、リブ121yに係合する係合爪180を備える。これにより、図14(B)および図15(B)に示すように、ガイド穴121Uが備えるリブ121yにバスバホルダ132(ターミナルホルダ135)が備える係合爪180が係合することによって、ガイド穴121Uに取り付けたバスバホルダ132(ターミナルホルダ135)が外れにくくなる。
また、上述したように、第1スペーサ121は、第2開口部121Rが形成される側面121tに開口する第3開口部121Zをさらに有する。そして、バスバホルダ132は、当該バスバホルダ132が第1スペーサ121に取り付けられたときに第3開口部121Zに挿入されるリブ185を備える。これにより、図19(A)に示すように、リブ185が第3開口部121Zに挿入されるように、バスバホルダ132を第1スペーサ121に取り付けることによって、第1スペーサ121に対するバスバホルダ132の積層方向Zにおける位置決めを行うことができる。
また、図18(A)を参照して上述したように、第3開口部121Zは、第2開口部121Rが形成される側面121tにおいて、当該第2開口部121Rから積層方向Zに交差する方向にオフセットされた位置に開口する。すなわち、積層方向Zにおいて隣接する第3開口部121Z同士の間には、第2開口部121Rが存在しない。そのため、図19(B)に示すように、第1スペーサの第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1に対して、リブ185を積層方向Zに沿わせながら当該リブ185を第3開口部121Zに挿入できる。これにより、バスバホルダ132が備えるリブ185の第3開口部121Zへの挿入が容易になる。
一方で、隣接する第1スペーサ121の第2開口部121R同士の間に挟まれる部分S2に対して、リブ185を積層方向Zに沿わせながら第2開口部121Rに挿入する場合、リブ185が誤挿入される可能性がある。具体的には、第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tのうち、隣接する第1スペーサ121の第2開口部121R同士の間に挟まれる部分S2の長さH2は、第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1の長さH1よりも小さい。そのため、リブ185が本来挿入されるべき第2開口部121Rに隣接する他の第2開口部121Rに、当該リブ185が誤って挿入される可能性がある。本実施形態では、上述したように、第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tのうち、隣接する第1スペーサ121の第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1の長さH1は、隣接する第1スペーサ121の第2開口部121R同士の間に挟まれる部分S2の長さH2よりも大きい。そのため、バスバホルダ132が備えるリブ185が、本来挿入されるべき第3開口部121Zに隣接する他の第3開口部121Zに誤挿入される可能性を低減できる。
また、上述したように、ガイド穴121Uは、第1スペーサ121が単電池110に取り付けられた状態において単電池110を積層方向Zから平面視した際に、当該単電池110の電極タブ113から当該電極タブ113の幅方向(単電池110の短手方向Yに対応)にオフセットされた位置に形成されている。これにより、電極タブ113の幅方向において、電極タブ113に隣接する空間を利用してガイド穴121Uを形成できる。これにより、ガイド穴121Uを形成するための空間を別途設ける必要がないため、組電池100全体の体積効率が向上する。
保護カバー140は、図1〜図3に示すように、バスバユニット130を被覆することによって、バスバ131同士が短絡したり、バスバ131が外部の部材に接触して短絡したり漏電したりすることを防止する。さらに、保護カバー140は、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134を外部に臨ませて、各々の単電池110の発電要素111に充放電をさせる。保護カバー140は、絶縁性を備えたプラスチックスからなる。
保護カバー140は、図3に示すように、平板状に形成し、積層方向Zに沿って起立している。保護カバー140は、その側面140aの上端140bと下端140cを長手方向Xに沿って屈折した形状からなり、バスバユニット130に嵌合させる。
保護カバー140の側面140aは、図2および図3に示すように、バスバユニット130に備えられたアノード側ターミナル133に対応する位置に、当該アノード側ターミナル133よりも若干大きい矩形状の孔からなる第1開口140dを備えている。同様に、保護カバー140の側面140aは、バスバユニット130に備えられたカソード側ターミナル134に対応する位置に、当該カソード側ターミナル134よりも若干大きい矩形状の孔からなる第2開口140eを備えている。
筐体150は、図1と図2に示すように、電池群100Gを積層方向に沿って加圧した状態において収容している。上部加圧板151および下部加圧板152によって、電池群100Gに備えられた各々の単電池110の発電要素111を挟持しつつ加圧することによって、発電要素111に適正な面圧を与える。
上部加圧板151は、図1と図2に示すように、電池群100Gの積層方向Zに沿った上方に配設している。上部加圧板151は、積層方向Zに沿って下方に突出した加圧面151aを、中央に備えている。加圧面151aによって、各々の単電池110の発電要素111を下方に押圧する。上部加圧板151は、短手方向Yに沿った両側から、長手方向Xに沿って延在した保持部151bを備えている。保持部151bは、第1スペーサ121の載置部121Mおよび121N、または第2スペーサ122の載置部122Mおよび122Nを被覆する。保持部151bの中央には、第1スペーサ121の位置決穴121dまたは第2スペーサ122の位置決穴122dと積層方向Zに沿って連通するロケート孔151cが開口している。ロケート孔151cは、組電池100同士を連結するボルトを挿通する。上部加圧板151は、十分な厚みを備えた金属板からなる。
下部加圧板152は、図1と図2に示すように、上部加圧板151と同一の構成からなり、上部加圧板151の天地を逆転させている。下部加圧板152は、電池群100Gの積層方向Zに沿った下方に配設している。下部加圧板152は、積層方向Zに沿って上方に突出した加圧面151aによって、各々の単電池110の発電要素111を上方に押圧する。
一対の側板153は、図1と図2に示すように、電池群100Gを積層方向Zの上下から挟持しつつ加圧している上部加圧板151および下部加圧板152が互いに離間しないように、上部加圧板151および下部加圧板152の相対位置を固定する。側板153は、矩形状の金属板からなり、積層方向Zに沿って起立している。一対の側板153は、上部加圧板151および下部加圧板152に対して電池群100Gの短手方向Yの両側からレーザ溶接によって接合する。各々の側板153は、上部加圧板151と当接している上端153aの部分に対して、長手方向Xに沿って、シーム溶接またはスポット溶接がなされる。同様に、各々の側板153は、下部加圧板152と当接している下端153bの部分に対して、長手方向Xに沿って、シーム溶接またはスポット溶接がなされる。一対の側板153は、電池群100Gの短手方向Yの両側を被覆して保護する。
つぎに、組電池100の製造方法を図20〜図27を参照しつつ説明する。
組電池100の製造方法(製造工程)は、組電池100を構成する部材を積層する積層工程(図20)、組電池100の電池群100Gを加圧する加圧工程(図21)、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に接合する第1接合工程(図22)、バスバ131を単電池110の電極タブ113に接合し、かつ、ターミナルをバスバ131に接合する第2接合工程(図23〜図26)、および保護カバー140をバスバ131に対して取り付ける実装工程(図27)を備えている。
組電池100を構成する部材を積層する積層工程について図20を参照しつつ説明する。
図20は、本実施形態に係る組電池100の製造方法を示す図であって、組電池100を構成する部材を載置台701に対して順に積層している状態を模式的に示す斜視図である。
積層工程に用いる載置台701は、板状に形成し、水平面に沿って設けている。載置台701は、順に積層する下部加圧板152、第1セルサブアッシ100M、第2セルサブアッシ100N、および上部加圧板151の長手方向Xおよび短手方向Yに沿った相対的な位置を合わせる位置決め用のロケートピン702を備えている。ロケートピン702は、載置台701の上面701aに、所定の間隔を隔てて4本起立している。4本のロケートピン702の互いの間隔は、例えば、上部加圧板151の4隅に備えられたロケート孔152cの互いの間隔に対応している。ロボットアーム、ハンドリフタ、および真空吸着タイプのコレット等を用いて、組電池100を構成する部材を積層する。
積層工程では、図20に示すように、ロボットアームによって、下部加圧板152を、その四隅に設けたロケート孔152cがロケートピン702に挿入された状態において、積層方向Zに沿って降下させつつ、載置台701の上面701aに載置する。次に、ロボットアームによって、第1セルサブアッシ100Mを、その構成部材の第1スペーサ121および第2スペーサ122に備えたロケート孔がロケートピン702に挿入された状態において、積層方向Zに沿って降下させつつ、下部加圧板152に積層する。同様に、ロボットアームによって、第2セルサブアッシ100Nと第1セルサブアッシ100Mを、交互に3組ずつ積層する。第1セルサブアッシ100Mおよび第2セルサブアッシ100Nの上面には、上方に積層する積層部材と接着する両面テープ160を貼り付けている。その後、ロボットアームによって、上部加圧板151を、その四隅に設けたロケート孔151cがロケートピン702に挿入された状態において、積層方向Zに沿って降下させつつ、第1セルサブアッシ100Mに積層する。
組電池100の電池群100Gを加圧する加圧工程について図21を参照しつつ説明する。
図21は、図20に引き続き、組電池100の構成部材を上方から押圧している状態を模式的に示す斜視図である。
加圧工程に用いる加圧治具703は、板状に形成し水平面に沿って設けた加圧部703aと、円柱形状に形成し加圧部703aの上面に起立させて接合した支持部703bを備えている。支持部703bは、積層方向Zに沿って駆動する電動ステージや油圧シリンダを連結している。加圧部703aは、支持部703bを介して、積層方向Zに沿って下方および上方に移動する。加圧部703aは、当接した積層部材を加圧する。
加圧工程では、図21に示すように、加圧治具703の加圧部703aは、支持部703bに連結した電動ステージが駆動することによって、上部加圧板151に当接しつつ積層方向Zの下方に沿って降下する。下方に沿って押圧された上部加圧板151と、載置台701に載置された下部加圧板152によって、電池群100Gを挟持しつつ加圧する。電池群100Gに備えられた各々の単電池110の発電要素111は、適正な面圧が与えられる。加圧工程は、次の第1接合工程が完了するまで継続する。
側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に接合する第1接合工程について図22を参照しつつ説明する。
図22は、図21に引き続き、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。
第1接合工程に用いる押板704は、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に対してそれぞれ押圧して、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152にそれぞれ密着させる。押板704は、金属からなり、長尺な板形状に形成している。押板704は、本体704aに長手方向に沿って直線状のスリット704bを開口している。押板704は、積層方向Zに沿って、その短手方向を起立させている。押板704は、本体704aによって側板153を押圧しつつ、スリット704bによって溶接用のレーザ光L1を通過させる。
レーザ発振器705は、側板153を上部加圧板151および下部加圧板152に接合する光源である。レーザ発振器705は、例えば、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザから構成する。レーザ発振器705から導出したレーザ光L1は、例えば、光ファイバーやミラーによって光路を調整し、集光レンズによって集光した状態において、側板153の上端153aと下端153bに対して照射する。レーザ発振器705から導出したレーザ光L1は、例えば、ハーフミラーによって分岐させて、側板153の上端153aおよび下端153bに対して同時に照射する構成としてもよい。
第1接合工程では、図22に示すように、レーザ発振器705が、押板704によって押圧された側板153の上端153aに対して、押板704のスリット704bを介してレーザ光L1を水平に走査し、側板153と上部加圧板151を複数箇所にわたりシーム溶接して接合する。同様に、レーザ発振器705は、押板704によって押圧された側板153の下端153bに対して、押板704のスリット704bを介してレーザ光L1を水平に走査し、側板153と下部加圧板152を複数箇所にわたりシーム溶接して接合する。
バスバ131を単電池110の電極タブ113に接合し、かつ、ターミナルをバスバ131に接合する第2接合工程について図23〜図26を参照しつつ説明する。
図23は、図22に引き続き、電池群100Gにバスバユニット130の一部の部材を取り付けている状態を模式的に示す斜視図である。図24は、図23に引き続き、バスバユニット130のバスバ131を単電池110の電極タブ113に対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。図25は、積層した単電池110の電極タブ113にバスバ131をレーザ接合している状態の要部を断面で示す側面図である。図26は、図24および図25に引き続き、アノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134をアノード側バスバ131Aおよびカソード側バスバ131Kに対してレーザ溶接している状態を模式的に示す斜視図である。
第2接合工程では、図22から図23に示すように、載置台701が、図中の反時計回りに90°回転して、電池群100Gの電極タブ113とレーザ発振器705を対面させる。
次に、各々のバスバ131が一体的に保持されたバスバホルダ132を、ロボットアームによって、第1スペーサ121に取り付ける。このとき、バスバホルダ132に設けられているリブ185を第1スペーサ121の第3開口部121Zに挿入することによって、第1スペーサ121に対して積層方向Zにおける位置決めを行うことができる(図19(A)参照)。
また、上述したように、第3開口部121Zは、第2開口部121Rが形成される側面121tにおいて、当該第2開口部121Rから積層方向Zに交差する方向にオフセットされた位置に開口する(図18(A)参照)。これにより第1スペーサの第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1に対して、リブ185を積層方向Zに沿わせながら当該リブ185を第3開口部121Zに挿入できる(図19(B)参照)。そのため、バスバホルダ132が備えるリブ185の第3開口部121Zへの挿入を容易に行うことができる。
また、上述したように、第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tのうち、隣接する第1スペーサ121の第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1の長さH1は、隣接する第1スペーサ121の第2開口部121R同士の間に挟まれる部分S2の長さH2よりも大きい。そのため、第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1に対して、リブ185を積層方向Zに沿わせながら第3開口部121Zに挿入するときに、本来挿入されるべき第3開口部121Zとは異なる第3開口部121Zにリブ185が誤挿入される可能性を低減できる。
また、上述したように、ガイド穴121Uは、当該ガイド穴121Uを形成する縁部121vの一部にリブ121yを備える。そして、バスバホルダ132は、リブ121yに係合する係合爪180を備える。これにより、ガイド穴121Uが備えるリブ121yにバスバホルダ132が備える係合爪180が係合することによって、ガイド穴121Uに取り付けたバスバホルダ132が外れにくくなる(図14(B)および図15(B)参照)。
次に、図24および図25に示すように、レーザ発振器705は、バスバ131にレーザ光L1を照射して、バスバ131と電極タブ113の先端部113dをシーム溶接またはスポット溶接して接合する。
次に、図26に示すように、アノード側ターミナル133を保持したターミナルホルダ135を第1スペーサ121に取り付ける。同様に、カソード側ターミナル134を保持したターミナルホルダ135を第1スペーサ121に取り付ける。
そして、アノード側ターミナル133を、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、アノード側の終端に相当するアノード側バスバ131A(図4中右上)に接合する。同様に、カソード側ターミナル134を、マトリクス状に配設したバスバ131のうち、カソード側の終端に相当するカソード側バスバ131K(図4中左下)に接合する。
保護カバー140をバスバ131に対して取り付ける実装工程について図27を参照しつつ説明する。
図27は、図26に引き続き、保護カバー140をバスバユニット130に取り付けている状態を模式的に示す斜視図である。
実装工程では、ロボットアームを用いて、保護カバー140の上端140bと下端140cをバスバユニット130に嵌合させつつ、保護カバー140をバスバユニット130に取り付ける。保護カバー140の上端140bと下端140cは、バスバユニット130に対して接着剤によって接合してもよい。保護カバー140は、第1開口140dからアノード側ターミナル133を外部に臨ませ、かつ、第2開口140eからカソード側ターミナル134を外部に臨ませる。保護カバー140によってバスバユニット130を被覆して、バスバ131同士が短絡したり、バスバ131が外部の部材に接触して短絡したり漏電したりすることを防止する。製造が完了した組電池100は、載置台701から取り外して、電池性能等を検査する検査工程に搬出する。
図20〜図27を参照しつつ説明した組電池100の製造方法は、工程全般をコントローラによって制御する自動機、工程の一部を作業者が担う半自動機、または工程全般を作業者が担うマニュアル機のいずれの形態によって具現化してもよい。
上述した本実施形態に係る組電池100およびその組電池100の製造方法によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態に係る組電池100は、扁平形状を有する単電池110を厚み方向に複数枚積層するとともに当該単電池110同士が電気的に接続されてなる積層体100Sと、単電池110の積層方向Zにおいて隣接する単電池110同士の間に配置され、積層方向Zにおいて積層される第1スペーサ121と、第1スペーサ121に取り付けられる装着部材170(本実施形態では、バスバホルダ132およびターミナルホルダ135)と、を有する。第1スペーサ121は、当該第1スペーサ121の積層方向Zに交差する方向に延在する両端面121a、121bのうち一の端面121aに開口する第1開口部121Pと、第1開口部121Pから両端面121a、121bのうちの他の端面121bに向かって窪んで形成される凹所121Qと、凹所121Qに連通し、当該第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tに開口する第2開口部121Rと、を備える。第1開口部121Pおよび第2開口部121Rは、一の端面121aから側面121tにかけて連続して形成される。そして、第1スペーサ121が積層方向Zに積層されることによって、一の第1スペーサ121の第1開口部121Pが、積層方向Zにおいて当該一の第1スペーサ121に隣接して配置される他の第1スペーサ121の他の端面121bによって閉じられるとともに、当該他の端面121bと当該一の第1スペーサ121の第2開口部121Rとによって、装着部材170が取り付けられるガイド穴121Uが形成される。
このような構成の組電池100によれば、第1スペーサ121を積層方向Zに積層するという簡便な方法によって、第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tに装着部材170が取り付けられるガイド穴121Uを形成できる。そのため、取り付け用のナット等をインサート成形する方法などと比較して、装着部材170が取り付けられるガイド穴121Uを低コストに形成できる。従って、スペーサを介して単電池を複数枚積層してなる組電池において、スペーサにおける単電池の積層方向に沿う側面に装着部材を取り付けることができる組電池を低コストに提供できる。
また、本実施形態に係る組電池100において、ガイド穴121Uは、第1スペーサ121が積層されている状態において積層方向Zに隣接して複数配置されている。
このような構成の組電池によれば、積層方向Zに隣接して配置されている複数のガイド穴121Uを使用して装着部材170を取り付けることができる。これにより、スペーサにおける単電池の積層方向に沿う側面への装着部材の取り付けをより強固に行うことができる。
また、本実施形態に係る組電池100において、ガイド穴121Uは、当該ガイド穴121Uを形成する縁部121vの一部にリブ121yを備える。そして、装着部材170は、リブ121yに係合する係合爪180を備える。
このような構成の組電池100によれば、ガイド穴121Uが備えるリブ121yに装着部材170が備える係合爪180が係合することによって、ガイド穴121Uに取り付けた装着部材170が外れにくくなる。そのため、スペーサにおける単電池の積層方向に沿う側面への装着部材の取り付けをさらに強固に行うことができる。
また、本実施形態に係る組電池100において、第1スペーサ121は、第2開口部121Rが形成される側面121tにおいて、当該第2開口部121Rから積層方向Zに交差する方向にオフセットされた位置に開口する第3開口部121Zをさらに有する。装着部材170は、当該装着部材170が第1スペーサ121に取り付けられたときに第3開口部121Zに挿入されるリブ185を備える。そして、第1スペーサ121が積層された状態において、第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tのうち、隣接する第1スペーサ121の第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1の長さH1は、隣接する第1スペーサ121の第2開口部121R同士の間に挟まれる部分S2の長さH2よりも大きい。
このような構成の組電池によれば、バスバホルダ132が備えるリブ185が第3開口部121Zに挿入されるように、バスバホルダ132を第1スペーサ121に取り付けることによって、第1スペーサ121に対するバスバホルダ132の積層方向Zにおける位置決めを行うことができる。
また、第3開口部121Zは、第2開口部121Rが形成される側面121tにおいて、当該第2開口部121Rから積層方向Zに交差する方向にオフセットされた位置に開口する。これにより、第1スペーサの第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1に対して、リブ185を積層方向Zに沿わせながら当該リブ185を第3開口部121Zに挿入できる。これにより、バスバホルダ132が備えるリブ185の第3開口部121Zへの挿入が容易になる。
また、第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tのうち、隣接する第1スペーサ121の第3開口部121Z同士の間に挟まれる部分S1の長さH1は、隣接する第1スペーサ121の第2開口部121R同士の間に挟まれる部分S2の長さよりも大きい。そのため、バスバホルダ132が備えるリブ185が、本来挿入されるべき第3開口部121Zに隣接する他の第3開口部121Zに誤挿入される可能性を低減できる。
また、本実施形態に係る組電池100において、単電池110は、発電要素111を含み扁平に形成した電池本体110Hと、電池本体110Hから導出した平板状の電極タブ113と、を備える。そして、ガイド穴121Uは、第1スペーサ121が単電池110に取り付けられた状態において単電池110を積層方向Zから平面視した際に、当該単電池110の電極タブ113から当該電極タブ113の幅方向にオフセットされた位置に形成されている。
このような構成の組電池によれば、電極タブ113の幅方向において、電極タブ113に隣接する空間を利用してガイド穴121Uを形成できる。これにより、ガイド穴を形成するための空間を別途設ける必要がないため、組電池全体の体積効率が向上する。
また、本実施形態に係る組電池100において、装着部材170は、単電池110同士を電気的に接続するバスバ131を保持するバスバホルダ132である。
このような構成の組電池によれば、バスバホルダをガイド穴121Uに取り付けることによって、組電池100を製造する際中にバスバ131を所定の位置に保持できる。そのため、組電池の製造が容易になる。
また、本実施形態に係る組電池100において、装着部材170は、積層体100Sから電流を取り出すアノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134を保持するターミナルホルダ135である。
このような構成の組電池によれば、ターミナルホルダ135をガイド穴121Uに取り付けることによって、組電池100を製造する際中にアノード側ターミナル133およびカソード側ターミナル134を所定の位置に保持できる。そのため、組電池の製造が容易になる。
また、本実施形態に係る第1スペーサ121は、扁平形状を有し厚み方向に積層される単電池110のうち当該単電池110の積層方向Zにおいて隣接する単電池110同士の間に配置され、積層方向Zに沿って積層されるとともに装着部材170が取り付けられる組電池用のスペーサである。本実施形態に係る第1スペーサ121は、当該第1スペーサ121の積層方向Zに交差する方向に延在する両端面121a、121bのうち一の端面121aに開口する第1開口部121Pと、第1開口部121Pから両端面121a、121bのうちの他の端面121bに向けて窪んで形成される凹所121Qと、凹所121Qに連通し、当該第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tに開口する第2開口部121Rと、を備える。第1開口部121Pおよび第2開口部121Rは、一の端面121aから側面121tにかけて連続して形成される。そして、第1スペーサ121が積層方向Zに積層されることによって、一の第1スペーサ121の第1開口部121Pが、積層方向Zにおいて当該一の第1スペーサ121に隣接して配置される他の第1スペーサ121の他の端面121bによって閉じられるとともに、当該一の第1スペーサ121の第2開口部121Rと当該他の端面121bとによって、装着部材170が取り付けられるガイド穴121Uが形成される。
このような構成の第1スペーサ121によれば、第1スペーサ121を積層方向Zに積層するという簡便な方法によって、第1スペーサ121の積層方向Zに沿う側面121tに装着部材170が取り付けられるガイド穴121Uを形成できる。そのため、取り付け用のナット等をインサート成形する方法などと比較して、装着部材170が取り付けられるガイド穴121Uを低コストに形成できる。従って、スペーサを介して単電池を複数枚積層してなる組電池において、スペーサにおける単電池の積層方向に沿う側面に装着部材を取り付けることができる組電池用のスペーサを低コストに提供できる。
(改変例)
上述した実施形態において、ガイド穴121Uのリブ121yは、当該ガイド穴121Uを形成する縁部121vのうち積層方向Zに沿う縁部において積層方向Zに交差する方向に突出して設けられた。そして、装着部材170(上述した実施形態において、バスバホルダ132およびターミナルホルダ135)が備える係合爪180の係合部182は、装着部材170が第1スペーサ121に取り付けられたときに単電池110の短手方向Yとなる方向に向かって本体部181から突出していた。
しかしながら、ガイド穴121Uのリブ121yは、当該ガイド穴121Uを形成する縁部121vのうち積層方向Zに交差する縁部において積層方向Zに突出して設けてもよい。そして、装着部材が備える係合爪の係合部は、装着部材が第1スペーサ121に取り付けられたときに積層方向Zに向かって本体部から突出して設けてもよい。
図28(A)は、改変例に係る第1スペーサ221にバスバホルダ232が取り付けられた状態の図11(A)の28A−28A線に沿う断面に対応する断面の拡大図であり、図28(B)は、改変例に係るバスバホルダ232の図16(C)に対応する拡大図である。なお、上述した実施形態の組電池100と同一の部材については同一の符号を使用し、その説明を一部省略する。
図28(A)に示すように、本改変例に係るガイド穴121Uのリブ221yは、当該ガイド穴121Uを形成する縁部121vのうち積層方向に交差する縁部において積層方向Zに突出して設けられている。
図28(B)に示すように、本改変例に係るバスバホルダ232が備える係合爪280は、当該バスバホルダ232が本改変例に係る第1スペーサ221に取り付けられたときにガイド穴121Uに対応する位置において当該第1スペーサ221に対向する面から突出する本体部281を有する。そして、係合爪280は、バスバホルダ232が第1スペーサ221に取り付けられたときに積層方向Zに向かって本体部281から突出する係合部282を備える。
上述した構成のガイド穴121Uのリブ121yおよびバスバホルダ232が備える係合爪280によれば、図28(A)に示すように、係合爪280をリブ221yに係合されることができる。そのため、上述した実施形態と同様に、バスバホルダ232を第1スペーサ221に強固に取り付けることができる。
以上、実施形態を通じて組電池を説明したが、本発明は実施形態において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、上述した実施形態および改変例では、装着部材が、バスバホルダおよびターミナルホルダである場合を例に説明した。しかしながら、装着部材は、組電池において単電池の積層方向に隣接する当該単電池同士の間に配置されるスペーサの積層方向に沿う側面に取り付けられる部材である限りにおいて限定されない。例えば、装着部材として、保護カバーや組電池を冷却する冷却ユニットなどをスペーサのガイド穴に取り付けてもよい。
また、上述した実施形態および改変例では、ガイド穴を形成する縁部の一部にリブを設けるとともに、当該リブに係合する係合爪を装着部材に設けた。しかしながら、装着部材において、係合爪の代わりに、または、係合爪とともに、当該装着部材がスペーサに取り付けられたときにガイド穴に対応する位置において当該スペーサに対向する面から突出しガイド穴に圧入される突出部を設けてもよい。このような構成によれば、当該突出部をガイド穴に圧入することによって装着部材をスペーサに取り付けることができる。
また、上述した実施形態および改変例では、アノード側電極タブおよびカソード側電極タブは電池本体の一の辺から導出した。しかしながら、アノード側電極タブおよびカソード側電極タブを電池本体の異なる辺からそれぞれ導出してもよい。