JP2018181496A - 膜電極接合体の検査装置と検査方法 - Google Patents

膜電極接合体の検査装置と検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜電極接合体を構成する電極触媒層等の形成素材であるカーボンの劣化率に基づき、高い精度で不良な膜電極接合体を割り出すことのできる膜電極接合体の検査装置と検査方法を提供する。
【解決手段】電解質膜Aとカーボンを素材とするアノード側およびカソード側の電極触媒層B1,B2とを少なくとも備えて燃料電池を構成する、膜電極接合体Mの検査装置100であって、膜電極接合体に電圧を印加する電圧印加部10と、電圧の印加によって流れる電流の時刻歴波形を検査時間に亘って測定するとともに、検査時間内での電流の時間積分値を算定し、所定のカーボン劣化率に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値と算定された前記電流の時間積分値を比較して該電流の時間積分値が該閾値を超えている場合に検査対象の膜電極接合体Mを不良と判定する、測定演算判定部20と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池を構成する膜電極接合体の検査装置と検査方法に関するものである。
固体高分子型燃料電池の燃料電池セルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側およびカソード側の電極触媒層とから、膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)が構成されている。なお、この構成に対し、さらに、各電極触媒層の外側にガス流れの促進と集電効率を高めるためのガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)を含めて膜電極接合体とする概念もあるが、本明細書ではいずれの形態も膜電極接合体に含めるものとする。膜電極接合体の両側にはセパレータが配されて燃料電池セル(単セル)が形成され、この燃料電池セルが発電性能に応じた基数だけ積層されて燃料電池スタックが構成される。
上記膜電極接合体を構成する電極触媒層は、白金等の触媒金属がカーボン等の担体上に担持されてなる触媒担持担体とプロトンを伝導して触媒金属にこれを導く高分子電解質(アイオノマ)から主として形成されており、カーボン素材で形成されていると言える。また、ガス拡散層は、黒鉛や膨張黒鉛等のカーボン材やこれらのナノカーボン材等、やはりカーボン素材で形成されている。
膜電極接合体の良否判定の検査においては、耐電圧検査が一般におこなわれている。この耐電圧検査においては、試験終了電圧が印加される直前で電解質膜が絶縁破壊された場合に、絶縁破壊時に流れる電流を検知できずに不良品が流出される恐れがあることから、特許文献1には、このような不良品の流出を防止可能な燃料電池用電解質膜の検査方法が開示されている。具体的には、膜電極接合体に第一の電圧値まで電圧を印加し、膜電極接合体に流れる電流が第一の所定値以下であった場合に耐電圧検査が合格である判定する工程と、耐電圧検査後の合格品に対し、第一の電圧値よりも低い定電圧で所定時間保持する工程と、膜電極接合体に含まれる電解質膜のリーク電流値を測定し、リーク電流値が第二の所定値を超えた際に不良と判定する工程と、を備え、上記する所定時間では定電圧の印加によって発生する熱量が電解質膜の溶解熱量未満となるように上記する定電圧を保持する検査方法である。
特開2016−81596号公報
特許文献1に記載の燃料電池用電解質膜の検査方法によれば、従来の耐電圧検査においては不良と検出されない電解質膜の良否を精度よく判定することができ、不良品の流出を防止することが可能になるとしている。
ところで、膜電極接合体の耐電圧検査時に印加される電圧により、当該膜電極接合体を構成するカーボン素材の電極触媒層やガス拡散層が劣化(カーボン劣化)し、膜電極接合体の性能が低下する恐れがあるが、特許文献1に記載の検査方法はこのカーボン劣化に着目するものではない。なお、本発明者等によれば、このカーボン劣化率は電流値や電圧値のみでは特定できないことが判明しており、したがって、カーボン劣化率と相関のあるファクターに基づいてカーボン劣化率を高精度に特定し、たとえばカーボン劣化率の高い膜電極接合体を不良品として特定できれば、不良品の流出をより一層防止できるものと考えられる。ここで、「カーボン劣化率」とは、電極触媒層等を形成する当初のカーボン量に対する劣化したカーボン量の比率のことである。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、膜電極接合体を構成する電極触媒層等の形成素材であるカーボンの劣化率に基づき、高い精度で不良な膜電極接合体を割り出すことのできる膜電極接合体の検査装置と検査方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による膜電極接合体の検査装置は、電解質膜と、カーボン素材のアノード側およびカソード側の電極触媒層と、を少なくとも備えて燃料電池を構成する、膜電極接合体の検査装置であって、前記膜電極接合体に電圧を印加する電圧印加部と、電圧の印加によって流れる電流の時刻歴波形を検査時間に亘って測定するとともに、検査時間内での電流の時間積分値を算定し、所定のカーボン劣化率に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値と算定された前記電流の時間積分値を比較して該電流の時間積分値が該閾値を超えている場合に検査対象の膜電極接合体を不良と判定する、測定演算判定部と、を備えているものである。
本発明の膜電極接合体の検査装置は、検査時間内での電流の時間積分値を算定し、この電流の時間積分値を所定のカーボン劣化率に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値と比較して膜電極接合体の良否を判定する点に特徴を有している。
ここで、本発明の検査装置の検査対象である膜電極接合体は、電解質膜とアノード側およびカソード側の電極触媒層から構成される形態や、電解質膜と電極触媒層に加えてガス拡散層から構成される形態の双方を含んでいる。
既述するように、電極触媒層はカーボン素材の担体を構成要素として備え、ガス拡散層もカーボンを素材とするものである。本発明者等によれば、電流の時間積分値とカーボンの劣化量もしくは劣化率には相関があることが特定されている。膜電極接合体の良否判定の基準となるカーボン劣化率としてはたとえば20%を規定できる。本発明者等によれば、このカーボン劣化率20%を変曲点として、カーボン劣化率20%以下の範囲で電圧低下率が極めて低い値になることが実証されている。なお、このカーボン劣化率20%に対応する電流の時間積分値は1.9C/cm2である(ここで、Cはクーロン)。したがって、検査時間内での電流の時間積分値がこの1.9C/cm2を超えている場合は膜電極接合体の構成要素のカーボン劣化率が20%を超えていることとなり、不良品と判定することができる。なお、カーボン劣化率20%よりも厳しい閾値である10%を規定するのがより好ましい。
このように、電流の時間積分値と相関のあるカーボン劣化率に基づいて膜電極接合体の良否を判定することで、電極触媒層等に用いられるカーボン量が変化しても一定の基準の下で膜電極接合体の良否判定が可能になる。
検査装置は電圧印加部を備えており、この電圧印加部は、印加電圧値を調整自在な電源と膜電極接合体の両側に取り付けられる電極(陽極および陰極)から構成されており、陽極と陰極の間に予め設定された電圧領域内の電圧が印加された際にこの電極間に流れた電流が測定演算判定部にて測定される。電圧印加部より、膜電極接合体に印加される電圧はたとえば時間とともに変化し、したがって流れる電流も電圧の時間変化に応じて変化する。そして、たとえば耐電圧検査においては、この検査時間に亘って高電圧が印加され、電流が流れ続けることでカーボン素材の電解質膜等は酸化し、劣化していく。したがって、単に流れた電流値を測定し、測定された電流値とその閾値を比較するだけでは検査時間経過後の電解質膜等の劣化状態を精度よく特定することはできない。
測定演算判定部では、電圧を掃引することで膜電極接合体に流れた電流を測定し、検査時間内での電流の時間積分値を算定する。さらに、測定演算判定部には、所定のカーボン劣化率に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値が格納されており、算定された電流の時間積分値と格納されている閾値を比較演算して膜電極接合体の良否を判定する。
カーボン素材の電解質膜等が劣化すると、印加された電圧に基づいて流れる電流がリーク等することで減少し、したがって、電流の減少にともなって膜電極接合体を挟持する電極間の電圧の値も減少する。既述するように、電流の時間積分値とカーボン劣化率の間には相関があることから、電流の時間積分値を算定することでカーボン劣化率を割出し、割り出されたカーボン劣化率から電圧の減少量(減少率)を特定することができる。
なお、検査装置が置かれる検査室の相対湿度が高いと、カーボン劣化量も大きくなることが本発明者等によって特定されており、したがって、検査装置がさらに除湿部を備えていることにより、この除湿部にて検査室内の相対湿度を低下させて可及的に乾燥雰囲気とし、この乾燥雰囲気下で耐電圧検査が実行されるのがよい。相対湿度が低下された雰囲気下で検査がおこなわれることで、相対湿度に起因したカーボン劣化が抑制された検査後の膜電極接合体を得ることができる。
ここで、除湿部としては送風機や除湿剤等が挙げられ、検査室内に送風機によって強制的にエアを送風させることや検査室内に除湿剤を設置しておくことにより、検査室内の相対湿度を効果的に低下させることができる。なお、検査室の窓を開放して外気を取り込んで外気を送風させることなどもこの除湿部(除湿手段)に含めることができる。
また、本発明による膜電極接合体の検査方法は、電解質膜と、カーボン素材のアノード側およびカソード側の電極触媒層と、を少なくとも備えて燃料電池を構成する、膜電極接合体の検査方法であって、前記膜電極接合体に電圧を印加し、電圧の印加によって流れる電流の時刻歴波形を検査時間に亘って測定し、検査時間内での電流の時間積分値を算定し、所定のカーボン劣化率に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値と算定された前記電流の時間積分値を比較し、該電流の時間積分値が該閾値を超えている場合に検査対象の膜電極接合体を不良と判定するものである。
膜電極接合体の検査方法の流れは、膜電極接合体に可変の高電圧を印加する耐電圧検査をおこなって絶縁破壊された膜電極接合体を不良品として排除した後、暫定的に良品として残った膜電極接合体に対して、電圧の印加を継続し、検査時間内での電流の時間積分値を算定し、所定のカーボン劣化率に基づいて設定された閾値と算定された電流の時間積分値を比較して膜電極接合体の最終的な良否判定がおこなわれる。
また、本発明の検査方法においても、相対湿度が低下された乾燥雰囲気下で検査をおこなうことで、相対湿度に起因するカーボン劣化が抑制された検査後の膜電極接合体を得ることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の膜電極接合体の検査装置と検査方法によれば、検査時間内での電流の時間積分値と、カーボン劣化率に基づいて設定された閾値との比較をおこなって膜電極接合体の良否を判定することにより、耐久試験後にカーボンが閾値以上に劣化した膜電極接合体を精度よく特定して排除することができるため、不良品の流出を確実に防止することが可能になる。
本発明の膜電極接合体の検査装置の実施の形態1の模式図である。 測定演算判定部の内部構成を説明したブロック図である。 測定演算判定部にて測定される電流の時刻歴波形と電流の時間積分値を説明した図である。 カーボン劣化率と電圧低減率の関係を示したグラフである。 本発明の膜電極接合体の検査装置の実施の形態2の模式図である。 相対湿度RHと電流の時間積分値の関係を特定した実験結果に基づくグラフである。
以下、図面を参照して本発明の膜電極接合体の検査装置と検査方法の実施の形態を説明する。なお、図示する検査装置および検査方法では、検査対象の膜電極接合体が、電解質膜とアノード側およびカソード側の電極触媒層とこれらを挟持するガス拡散層から構成される形態であるが、検査対象の膜電極接合体が電解質膜と電極触媒層からなる形態であってもよいことは勿論のことである。
(膜電極接合体の検査装置および検査方法の実施の形態1)
図1は本発明の膜電極接合体の検査装置の実施の形態1の模式図であり、図2は測定演算判定部の内部構成を説明したブロック図である。図示する検査装置100は、電圧印加部10と測定演算判定部20とから大略構成されている。
まず、検査対象の膜電極接合体Mの構成を説明する。図1で示す膜電極接合体Mは、イオン透過性の電解質膜Aと、電解質膜Aを挟持するアノード側およびカソード側の電極触媒層B1,B2と、さらに外側のガス拡散層C1,C2と、から構成されている。電解質膜Aは、たとえば、スルホン酸基やカルボニル基を持つフッ素系イオン交換膜、置換フェニレンオキサイドやスルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリアリールエーテルスルホン、スルホン化フェニレンスルファイドなどの非フッ素系のポリマーなどから形成される。一方、電極触媒層B1,B2は、カーボンブラックやカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどのカーボン素材の担体に、白金や白金合金、パラジウム、ロジウム、金、銀、オスミウム、イリジウムなどの触媒金属が担持されて形成される。さらに、ガス拡散層C1,C2は、黒鉛や膨張黒鉛などのカーボン材やこれらのナノカーボン材などから形成される。
電圧印加部10は可変電圧を印加自在な電源13と、膜電極接合体Mの両端に配設される陽極11と陰極12からなる電極から構成されている。
測定演算判定部20は、図2で示すように、測定部、時刻歴波形作成部、算定部、閾値格納部、比較判定部、結果報知部と、これら各部の動作を実行制御するCPU、さらにはRAMやROMなどがバスで相互に繋がれ、構成されている。
膜電極接合体Mに所定の電圧領域内で時々刻々変化する電圧を印加した際に、時刻ごとの電流値が測定演算判定部20の測定部で測定され、検査時間に亘って測定された電流値に基づく電流の時刻歴波形(図3参照)が測定演算判定部20の時刻歴波形作成部にて作成される。
測定演算判定部20の算定部では、作成された電流の時刻歴波形に基づいて電流の時間積分値(図3参照)が算定される。
また、測定演算判定部20の閾値格納部には予め電流の時間積分値に関する閾値が格納されている。この閾値はカーボン劣化率に基づいて設定されるものであり、カーボン素材の電極触媒層B1,B2やガス拡散層C1,C2が劣化した比率と電流の時間積分値との間に相関があるとの本発明者等の知見に基づいている。たとえば、カーボン劣化率20%を閾値としたい場合、このカーボン劣化率20%に対応する電流の時間積分値を1.9C/cm2と割り出しておき、この電流の時間積分値を閾値とする。
測定演算判定部20の比較判定部において、算定された検査時間内での電流の時間積分値と所定のカーボン劣化率に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値を比較する。
双方の値を比較した結果、検査時間内での電流の時間積分値が閾値を上回っている場合はカーボン劣化率が閾値を超えていることとなり、検査対象の膜電極接合体Mを不良品と判定し、結果報知部を介してコンピュータ画面上に表示したり、警報等で検査員に報知する。
図4で示すように、電圧低減率は、本発明者等による実験結果に基づいて作成された、カーボン劣化率を変数とする近似曲線からなる関数にて表すことができる。カーボン素材の電解質膜B1,B2等が劣化すると、印加された電圧に基づいて流れる電流がリーク等することで減少し、したがって、電流の減少にともなって膜電極接合体Mを挟持する電極11,12間の電圧の値も減少する。電圧低減率とは、印加された電圧(当初電圧)に対して、減少した電流に基づいて特定された電圧の当初電圧との差分電圧の比率のことである(ΔV/Vで、ΔVは差分電圧、Vは当初の印加電圧)。
ここで、この実験の概要を説明する。この実験は、1cm2の膜電極接合体Mを電極11,12で挟み、1MPaの面圧をかけ、室内雰囲気で0.2V/秒の速度で最高電圧を2Vから5Vとして電圧を上げながら印加した。
図4において、近似曲線の変曲点を示すカーボン劣化率は20%であることから、このカーボン劣化率20%に対応する電流の時間積分値を閾値に設定することで、電圧低減率の小さな膜電極接合体Mを検査合格とすることができる。
さらに、図4より、カーボン劣化率が10%では電圧低減率がほとんどないことが実証されており、したがって、カーボン劣化率10%に対応する電流の時間積分値を閾値に設定することで、電圧低減率のほとんどない膜電極接合体Mを検査合格とすることができる。
検査装置100を用いた検査方法は次のようになる。まず、検査対象の膜電極接合体Mを電極11,12間に配設して検査装置100を構成し、電源13にて時間ごとに可変の電圧を膜電極接合体Mに印加し、電圧の印加によって流れる電流の時刻歴波形を測定演算判定部20にて検査時間に亘って測定する。
所定のカーボン劣化率(たとえば20%)に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値(たとえば1.9C/cm2)と算定された電流の時間積分値を測定演算判定部20にて比較し、電流の時間積分値が閾値を超えている場合に検査対象の膜電極接合体Mを不良と判定し、閾値以下の場合に良品と判定する。
このように、図示する検査装置100と、この検査装置100を使用してなる検査方法によれば、検査時間内での電流の時間積分値とカーボン劣化率に基づいて設定された閾値との比較をおこなって膜電極接合体Mの良否を判定することにより、耐久試験後に電解質膜等の形成素材であるカーボンが閾値以上に劣化した膜電極接合体Mを精度よく特定して排除することができるため、不良品の流出を確実に防止することができる。
(膜電極接合体の検査装置および検査方法の実施の形態2)
図5は本発明の膜電極接合体の検査装置の実施の形態2の模式図である。図示する検査装置100Aは、図1で示す検査装置100に対し、除湿部30をさらに備えた装置である。
除湿部30としては、送風機や除湿剤等が適用できる。送風機を適用する場合は検査装置100Aが収容されている検査室内に送風機によって強制的にエアを送風させて室内の相対湿度を低下させ、除湿剤を適用する場合は検査室内に複数の除湿剤を取り付けておくことで検査室内の相対湿度を低下させる。
本発明者等によれば、検査装置100Aが置かれる検査室の相対湿度が高いと、カーボン劣化量も大きくなることが特定されており、したがって、検査装置100Aが除湿部30を備えていることにより、この除湿部30にて室内の相対湿度を低下させて室内を可及的に乾燥雰囲気とし、この乾燥雰囲気下で耐電圧検査を実行することでカーボン劣化量を可及的に抑制できる。
ここで、図6は相対湿度RHと電流の時間積分値の関係を特定した実験結果に基づくグラフである。ここで、この実験の概要を説明する。この実験は、1cm2の膜電極接合体Mを電極11,12で挟み、1MPaの面圧をかけ、室内雰囲気で0.5V/秒の速度で最高電圧を3Vとして電圧を上げながら印加した。
図6で示すグラフより、検査の際の相対湿度RHに応じて二次曲線的に電流の時間積分値が増加することが分かる。したがって、除湿部30を備えた検査装置100Aにて膜電極接合体Mの検査をおこなうことで、相対湿度RHに起因したカーボン劣化量を抑制でき、検査による性能低下が可及的に抑制された検査後の膜電極接合体Mを得ることが可能になる。
検査装置100Aを用いた検査方法は次のようになる。まず、検査対象の膜電極接合体Mを電極11,12間に配設して検査装置100Aを構成する。ここで、検査室内は検査装置100Aの構成要素である除湿部30により、相対湿度が低下された乾燥雰囲気下となっている。電源13にて時間ごとに可変の電圧を膜電極接合体Mに印加し、電圧の印加によって流れる電流の時刻歴波形を測定演算判定部20にて検査時間に亘って測定する。
所定のカーボン劣化率に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値と算定された電流の時間積分値を測定演算判定部20にて比較し、電流の時間積分値が閾値を超えている場合に検査対象の膜電極接合体Mを不良と判定し、閾値以下の場合に良品と判定する。
以上、本発明の実施の形態について図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
10…電圧印加部、11…陽極(電極)、12…陰極(電極)、13…電源、20…測定演算判定部、30…除湿部、100,100A…検査装置(膜電極接合体の検査装置)、M…膜電極接合体

Claims (4)

  1. 電解質膜と、カーボン素材のアノード側およびカソード側の電極触媒層と、を少なくとも備えて燃料電池を構成する、膜電極接合体の検査装置であって、
    前記膜電極接合体に電圧を印加する電圧印加部と、
    電圧の印加によって流れる電流の時刻歴波形を検査時間に亘って測定するとともに、検査時間内での電流の時間積分値を算定し、所定のカーボン劣化率に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値と算定された前記電流の時間積分値を比較して該電流の時間積分値が該閾値を超えている場合に検査対象の膜電極接合体を不良と判定する、測定演算判定部と、を備えている膜電極接合体の検査装置。
  2. 前記検査装置がさらに除湿部を備えている請求項1に記載の膜電極接合体の検査装置。
  3. 電解質膜と、カーボン素材のアノード側およびカソード側の電極触媒層と、を少なくとも備えて燃料電池を構成する、膜電極接合体の検査方法であって、
    前記膜電極接合体に電圧を印加し、
    電圧の印加によって流れる電流の時刻歴波形を検査時間に亘って測定し、
    検査時間内での電流の時間積分値を算定し、
    所定のカーボン劣化率に基づいて設定された電流の時間積分値の閾値と算定された前記電流の時間積分値を比較し、該電流の時間積分値が該閾値を超えている場合に検査対象の膜電極接合体を不良と判定する、膜電極接合体の検査方法。
  4. 前記膜電極接合体の検査が、相対湿度が低下された乾燥雰囲気下でおこなわれる請求項3に記載の膜電極接合体の検査方法。
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